JP5706041B2 - 改善された渦巻き形電極組立体を備えた電気化学セル - Google Patents

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Description

本発明は電気化学セルに関するものであり、より具体的には、改善された渦巻き形電極組立体を有する電気化学セルに関するものである。
電極組立体の設計は、許容される性能特性、例えば高出力、高容量などを示す電気化学セル又は電池の生産に重要である。理論的なエネルギー、すなわち、選択されたアノード−カソードの対から潜在的に利用可能な電気エネルギーの算出は比較的容易に達成されるが、組み立てられた電池によって送出される実際のエネルギーを理論的なエネルギーに近づける電極組立体を設計することが必要とされている。
組み立てられたセルに含められ得る活物質の量に関し、行政機関による制限事項が存在することがあり、高性能な電池の設計及び製造が更に困難となっている。そのような制約は必然的に、電気化学セルの設計に影響を及ぼし、活性の電極用物質の利用率を高めることが必要となる。例えば、米国運輸省は現在、リチウムを含む電極を備えた組立形セルに含められ得るリチウムの量を(1グラム以下に)制限している。
更に、電極組立体、特に渦巻き形の構成をなすものに伴う固有の設計上の関心事は、電極と電極タブとの間の電気的接続の表面積が減少することが原因でインピーダンスの増大が生じ得るということである。デジタルカメラの給電など、特に要求の厳しい用途に対し、インピーダンスが増加すると、装置の性能及び全体的な消費者満足度の低下につながり得る。
セルの放電寿命にわたって全体的なセルインピーダンスを許容可能な水準に維持する一方で、電極の活物質の利用率を改善する、改善された渦巻き形電極組立体を備えた電気化学セルを提供することが求められている。これらの特徴を有する電気化学セルは、改善された装置性能をもたらし得ると共に、全体的な消費者満足度を向上させ得る。
本発明は、改善された渦巻き形電極組立体を提供する。いくつかの実現形態において、その改善された電極組立体は、組み立てられた電気化学セルに関連する。更なる実現形態において、その改善された電極組立体を有する電極組立体を製造する方法が開示される。
一態様において、本発明は、(a)第1の電極の活物質、前縁部、及び後縁部を有する第1の電極、(b)第2の電極の活物質、前縁部、及び後縁部を有する第2の電極、(c)第1の電極と第2の電極との間に配置されたセパレータ、及び(d)約1.2未満の界面アノードカソード比を有する電極組立体と、を含む、渦巻き形電極組立体を特徴とする。第1の電極、第2の電極、及びセパレータは、第1の電極が電極組立体の最外径に層を形成するように、且つ第2の電極の後縁部が第1の電極の後縁部を越えて延びるように巻かれる。
いくつかの実現形態が、以下の特徴のうちの1つ以上を含んでもよい。第1の電極の活物質は、二硫化鉄、硫化鉄、黄鉄鉱、及びそれらの組合わせを含んでもよい。第2の電極の活物質はリチウムを含んでもよい。第1の電極の活物質はリチウムを含んでもよい。第2の電極の活物質は、二硫化鉄、硫化鉄、黄鉄鉱、及びそれらの組合わせを含んでもよい。第2の電極の後縁部は、第1の電極の後縁部を約5mm〜約20mmだけ越えて延びてもよい。第2の電極は少なくとも1つのタブを有してもよく、そのタブは、第2の電極に張り付けられてもよく、また、第1の電極の後縁部を越えて延びる位置に、第2の電極に沿って定置されてもよい。
別の態様において、本発明は、(a)少なくとも1つの開放端部を有するハウジングと、(b)電極組立体と、(c)電解質と、(d)ハウジングの少なくとも1つの開放端部を閉鎖するエンドキャップ組立体と、を含む、電気化学セルを特徴とする。この電極組立体は、(1)第1の電極の活物質と、前縁部と、後縁部とを有する第1の電極と、(2)第2の電極の活物質と、前縁部と、後縁部とを有する第2の電極と、(3)第1の電極と第2の電極との間に配置されたセパレータとを有してもよい。この電極組立体は、約1.2未満の界面アノードカソード比を有する。第1の電極、第2の電極、及びセパレータは、第1の電極が電極組立体の最外径に層を形成するように、且つ第2の電極の後縁部が第1の電極の後縁部を越えて延びるように巻かれる。
いくつかの実現形態が、以下の特徴のうちの1つ以上を含んでもよい。第1の電極の活物質は、二硫化鉄、硫化鉄、黄鉄鉱、及びそれらの組合わせを含んでもよい。第2の電極の活物質はリチウムを含んでもよい。第1の電極の活物質はリチウムを含んでもよい。第2の電極の活物質は、二硫化鉄、硫化鉄、黄鉄鉱、及びそれらの組合わせを含んでもよい。第2の電極の後縁部は、第1の電極の後縁部を約5mm〜約20mmだけ越えて延びてもよい。第2の電極は少なくとも1つのタブを含んでもよく、そのタブは、第2の電極に張り付けられてもよく、且つ、第1の電極の後縁部を越えて延びる位置に、第2の電極に沿って定置されてもよい。
別の態様において、本発明は、電極組立体を製造する方法を特徴とし、その方法は、(a)第1の電極の活物質、前縁部、及び後縁部を含み得る第1の電極と、第2の電極の活物質、前縁部、及び後縁部を含み得る第2の電極と、第1の電極と第2の電極との間に配設されたセパレータと、を含み得る、電極組立体を用意することと、(b)第1の電極が電極組立体の最外層を形成するように、且つ第2の電極の後縁部が第1の電極の後縁部を越えて延びるように、電極組立体を巻くことと、を含む。この電極組立体は、約1.2未満の界面アノードカソード比を有する。
いくつかの実現形態が、以下の特徴のうちの1つ以上を含んでもよい。第1の電極の活物質は、二硫化鉄、硫化鉄、黄鉄鉱、及びそれらの組合わせを含んでもよい。第2の電極の活物質はリチウムを含んでもよい。第1の電極の活物質はリチウムを含んでもよい。第2の電極の活物質は、二硫化鉄、硫化鉄、黄鉄鉱、及びそれらの組合わせを含んでもよい。第2の電極の後縁部は、第1の電極の後縁部を約5mm〜約20mmだけ越えて延びてもよい。第2の電極は少なくとも1つのタブを有してもよく、そのタブは、第2の電極に張り付けられてもよく、また、第1の電極の後縁部を越えて延びる位置に、第2の電極に沿って定置されてもよい。
本明細書は、本発明を構成するとみなされる対象を具体的に指摘し且つ明確に主張する特許請求の範囲を結論とするが、本発明は、添付の図面と関連してなされた以下の説明によって更に理解されると考えられる。
第1の電極、第2の電極、及びそれらの間にあるセパレータとを備える、渦巻き形電極組立体に形成された電気化学セルの例示的な実施形態の略図。 本発明の電気化学セル内で使用するための箔電極の実施形態の略図。 本発明の電気化学セル内で使用するための被覆電極の実施形態の略図。 本発明の渦巻き形電極組立体の実施形態の横断面図。 従来技術の典型的な渦巻き形電極組立体の横断面図。 本発明の渦巻き形電極組立体の実施形態の略図。
図1を参照すると、一次電気化学セル10は、第1の電極タブ14と電気的に接触する第1の電極の活物質を備えた第1の電極12、第2の電極タブ18と電気的に接触する第2の電極の活物質を含んだ第2の電極16、セパレータ20、及び電解質とを有し得る。セパレータ20を間に配設された第1の電極12と第2の電極16は、ジェリーロール電極組立体(「ジェリーロール」)とも呼ばれる渦巻き形電極組立体へと丸められ得る。第1の電極12、第2の電極16、セパレータ20、及び電解質がハウジング22内に収容されている。ハウジング22は、少なくとも1つの開放端部を含んでもよい。電気化学セル10は更に、キャップ24と環状の絶縁ガスケット26(エンドキャップ組立体と総称される)とを有している。キャップは、ハウジングから電気的に遮蔽されている。セル10は安全弁28を含んでもよい。第1の電極の活物質はアノード電極用の活物質であってもよく、第2の電極の活物質はカソード電極用の活物質であってもよい。それに代わって、第1の電極の活物質はカソード電極用の活物質であってもよく、第2の電極の活物質はアノード電極用の活物質であってもよい。
アノード電極用の活物質は、アルミニウム(Al)、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、前述の物質の合金、リチウム化された炭素、LiTi12、シリコン(Si)、スズ(Sn)、及びそれらの組合わせなどの、挿入が可能な炭素又は黒鉛材料を含んでもよい。これらの金属のうち、リチウムが好まれるが、それは、リチウムが、ジェリーロールに容易に形成され且つセルの組立体内で使用され得る延性の軟質金属であることに加えて、好適なアノード金属の群のうちで最も高いエネルギー対重量の比を備えるからである。例えば、有用なアノード電極用の活物質には、リチウム、アルミニウムと合金にされたリチウム、黒鉛と化合されて混合型のアノード電極用の活物質を形成するリチウム金属が挙げられる。
カソード電極用の活物質は、式(CF(ここでxが約0.5〜約1.2の範囲で変化する)及び(CF)で表されるフッ素化炭素を含んでもよい。両方の例示的なカソード電極用の活物質における添え字nは、単量体単位の個数を指し、広範囲に異なり得る。カソード電極用の活物質は、硫化銅(CuS)、酸化銅(CuO)、二酸化鉛(PbO)、硫化鉄(FeS)、二硫化鉄(FeS)、黄鉄鉱、塩化銅(CuCl)、塩化銀(AgCl)、酸化銀(AgO、AgO)、硫黄(S)、酸化ビスマス(Bi)、酸化銅ビスマス(CuBi)、酸化コバルト、酸化バナジウム(V)、三酸化タングステン(WO)、三酸化モリブデン(MoO)、二硫化モリブデン(MoS)、二硫化チタン(TiS)、遷移金属ポリスルフィド、リチウム化した酸化コバルト及び/又はニッケル、リチウム化した酸化マンガン、LiTiS、LiFeS、LiFePO、LiFeNbPO並びにそれらの混合物などの、リチウム化した金属酸化物及び硫化物を含んでもよい。
電解質は、有機溶剤中に溶解された塩を含む。塩は、1種類の塩を含んでもよく、あるいは複数種の塩を含んでもよい。有機溶剤は、エーテル系溶剤を含んでもよい。有機溶剤は、エーテル系溶剤の混合物を含んでもよい。有機溶剤は、環状エーテル系溶剤及び非環状エーテル系溶剤の混合物を含んでもよい。環状エーテル系容剤はジオキソランを含んでもよい。本明細書で用いるとき、ジオキソランという用語は、1,3−ジオキソラン(DIOX)、アルキル置換ジオキソラン又はそれらの混合物を意味するものとする。アルキル置換ジオキソランの例が、4−メチル−1,3−ジオキソラン又は2,2−ジメチル−1,3−ジオキソランである。好ましいジオキソランが1,3−ジオキソランである。使用に適した典型的な非環状エーテル系溶媒には、ジメトキシエタン、1,2−ジメトキシエタン(DME)、エチルグリム、ジグリム、ジメトキシプロパン、及びトリグリムが挙げられる。有機溶剤は有機カーボネートを含んでもよい。有機溶剤は、有機カーボネートの混合物を含んでもよい。有機カーボネートの例には、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジメチルカーボネート(DC)、エチルメチルジカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ビニレンカーボネート(VC)、及びそれらの組合わせが挙げられる。いくつかの用途には、3,5−ジメチルイソオキサゾール(DMI)、3−メチル−2−オキサゾリドン(3Me2Ox)、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネート(BC)、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルカーボネート(DEC)、亜硫酸エチレングリコール(EGS)、ジオキサン、亜硫酸ジメチル(DMS)、γ−ブチロラクトン(GBL)、アセトニトリル(AN)、メチルアセテート(MA)、及びそれらの組合わせなど、少なくとも1種類の任意選択による補助溶剤が使用されてもよい。使用に好ましい補助溶剤には、3,5ジメチルイソキサゾール、3−メチル−2−オキサゾリドン、及びプロピレンカーボネートが挙げられる。ほとんどの用途に対し、任意選択による補助溶剤の添加は、電解質の溶剤の総重量を基準として25重量パーセント以下、好ましくは20重量パーセント未満に制限されるべきである。
非環状エーテル系溶剤とジオキソランとの好ましい重量比は、1:99〜45:55、より好ましくは10:90〜40:60であり、最も好ましいものの1つが約29:71である。例示的な電解質が、1リットル当たり1.0モルのLiIの溶液を伴う29.0重量パーセントのDME、70.8重量パーセントのDIOX、0.2重量パーセントのDMI、及び0.1重量パーセントのLiTFSである。
好適な塩は、無機又は有機ルイス塩と無機イオン化塩との錯体であってもよい。硫化鉄含有カソードと併せて使用するための塩には、リチウムトリフルオロメタンスルホネート(LiCFSO)、リチウムビストリフルオロメチルスルホニルイミド(Li(CFSON)、過塩素酸リチウム(LiClO)、リチウムヘキサフルオロアルセネート(LiAsF)又はそれらの混合物を挙げることができ、リチウムトリフルオロメタンスルホネートが最も好ましい。他の電気化学システムにおける使用に有用な塩には、フッ化リチウム、塩化リチウム、臭化リチウム、硫化リチウム、LiTFS、LiI、LiTFSI、LiBF、LiPF、LiAsF、LiBOB、Li(CFSON、Li(CFSOC、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化リチウム、及びそれらの組合わせが挙げられる。有用性に関する要件の1つは、塩が、単塩か錯塩かに関わらず、用いられている溶剤と相溶性があること、そして、それらの塩が、イオン的に十分に導電性であり、例えば、少なくとも約10−4オーム−1cm−1である溶液を生じることである。一般に、少なくとも約0.3M(モル/リットル)の量で、ほとんどのセル用途に十分となり得る。
セパレータは、ポリプロピレン、ポリエチレン、及びそれらの組合わせなどの微孔質材料を備えてもよい。この材料は、アルミニウム、ケイ素、チタン、及びそれらの組合わせの酸化物などの充填剤を含んでもよい。セパレータはまた、メルトブロー不織布フィルム技術などによって、超極細繊維から生産されてもよい。セパレータは、約8マイクロメートル(ミクロン)〜約30マイクロメートルの厚さを有し得る。セパレータは、約0.005マイクロメートル〜約5マイクロメートル、好ましくは約0.005マイクロメートル〜約0.3マイクロメートルの孔径範囲を有し得る。セパレータは、約30パーセント〜約70パーセント、好ましくは約35パーセント〜約65パーセントの多孔率範囲を有し得る。
好ましくは、セパレータは、電解質によって湿潤可能な又は湿潤される材料を備える。液体と表面との間の接触角が90°未満であるとき、又は、液体が表面全体に自発的に広がる傾向を持つとき、その材料はその液体によって湿潤されるといわれ、いずれの条件も通常は存在する。
セパレータの孔径は、溶媒和イオンが妨害されずに移動することを可能にする最小値を超えてもよい。溶媒和リチウムイオンは、約10オングストローム、つまり0.001マイクロメートルのオーダーとなり得る。有機電解質系がイオン対を形成すること、そして少なくとも単層の電解質溶媒がセパレータの孔壁を裏打ちすることは一般的となり得るので、0.005マイクロメートルの最小孔径によって、イオンが妨げられずに孔を通過することが可能となる。しかしながら、孔径が増加すると、機械的強度を与えるために、非多孔質の領域もまた増加させることが必要となる。これらの非多孔質の領域を増加させる結果、セパレータの相当な部分を封鎖してイオン移動を妨げることになり得る。結果として、中程度の大きさの孔が多数あることが、非常に大きな孔が少数あることよりも好まれ得る。この効果の別の見方は、孔同士の距離が孔径と同程度に重要となり得るということである。通常、1マイクロメートル未満の孔径のセパレータにおいて、孔同士の距離もまたマイクロメートル未満となるべきである。加えて、アノードとカソードとの電気的短絡を生じ得る、セパレータを貫く電解質粒子の通路に、物理的障壁を形成することもセパレータの役割である。そのような粒子は、数マイクロメートル程度に小さく、したがって上位側の目標孔径が制限され得る。その結果として、孔径は好ましくは1マイクロメートル未満の範囲にあってもよく、あるいは、各孔は、セパレータを貫く電解質粒子の通路に物理的障壁を設けるように、十分に蛇行性となるべきである。
適度なイオン移動をもたらすために、35%の最小多孔率が通常、利用され得る。通常、多孔率が70%を超えると、結果として、引張り強度が電気化学セルに処理するのに不十分となり、また所望のセパレータよりも厚くすることが必要となる。好ましいセパレータ多孔率は、約35%〜約65%となり得る。
図2を参照すると、電極110が箔を備えていてもよい。箔は活物質を含んでもよい。活物質はアノード用の活物質を含んでもよい。例えば、アノード用の活物質は、リチウム、リチウム合金、リチウム−アルミニウム合金、アルミニウム、マグネシウム、及びカルシウムを含んでもよい。電極110は、前縁部120と後縁部130とを有してもよい。前縁部120は、渦巻き形電極組立体の最内径内に配置され得る。後縁部130は、渦巻き形電極組立体の最外径に配置され得る。電極は、厚さ(t)、幅(w)、及び全長(l)を有し得る。例示的な単3電池の場合、電極は箔、例えばリチウム箔を備え得るが、その厚さは約0.16mm〜約0.27mmの範囲にわたってもよく、長さは約180mm〜約310mmの範囲にわたってもよく、幅は約38mm〜約40mmの範囲にわたってもよい。
図3を参照すると、電極210は、金属基板250の上に被覆された電極の活物質220を備え得る。この電極の活物質は結合剤及び電解質と組み合わされてスラリーを形成し得る。そのスラリーは次いで、基板250上に塗布され得る。例えば、電極210は、基板250の上に塗布され得る二硫化鉄を含んだスラリーを備えてもよい。この例示的な電極は、組み立てられた電池内のカソードとなり得る。
電極の活物質は、ガウス分布の粒径を備え得る。例えば、平均粒径は1μm超で、且つ30μm未満、又は約10μm〜約25μmであってもよい。好ましくは、平均粒径は約12μm〜約18μmとなり得る。スラリーは、金属基板の片側又は両側に塗布され得る。電極の活物質は、多峰性分布の粒径、例えば、二峰性又は三峰性分布の粒径を備え得る。多峰性分布とは、少なくとも2つの明確なピークを有する分布を指す。したがって、多峰性分布の粒径を有する電極の活物質に対し、粒子の相対的割合を粒径の関数としたプロットは、少なくとも2つの明確なピークを有することになる。粒径分布のある最頻値は、サンプルのうちの約10%〜約90%を含み、この最頻値にある平均粒径は約5μm〜約20μmの範囲にわたり得る。粒径分布の第2の最頻値は、同じサンプルのうちの約10%〜約90%を含み、この最頻値にある平均粒径は約15μm〜約35μmの範囲にわたり得る。例示的な多峰性の電極の活物質の粒径分布は二峰性分布であり、その二峰性分布は、混合物の30%が約5μm〜約10μmの平均粒径を有し、混合物の残りの70%が約15μm〜約25μmの平均粒径分布を有し得るものである。
金属基板250は、アルミニウム又はステンレス鋼を含んだシート又は箔であってもよい。被覆された電極210は、前縁部240と後縁部230とを有する。前縁部240は、渦巻き形電極組立体の最内径内に配置される。後縁部230は、渦巻き形電極組立体の最外径に配置される。金属基板は、厚さ(t)、幅(w)、及び全長(l)を有する。代表的な円柱形の単3電池の場合、金属基板の厚さは、約10μm〜約30μmの範囲に及び、幅は約40mm〜約44mmの範囲に及び、長さは約230mm〜約340mmの範囲に及び得る。
金属基板の片側の電極用物質のコーティングは、厚さ(t)、幅(w)、及び全長(l)を有し得る。代表的な円柱形の単3電池の場合、電極用物質のコーティングの厚さは、約0.07mm〜約0.12mmの範囲に及び、幅は約40mm〜約44mmの範囲に及び、長さは約230mm〜約340mmの範囲に及び得る。
電極用物質の第2の被覆(図示せず)が、被覆層の反対側(図示)にあってもよい。第2の被覆層の被覆寸法は、第1の層の被覆寸法と等しくてもよく、あるいは異なっていてもよい。例えば、第2の被覆層の被覆厚さは、第2の被覆層の被覆厚さよりも厚くてもよい。
図4Aを参照すると、本発明の渦巻き形電極組立体400の横断面が開示されている。第1の電極410は後縁部440を含む。第2の電極420は後縁部450を含む。セパレータ(図示せず)が、第1の電極410と第2の電極420との間に配設されている。第2の電極の後縁部450は、第1の電極410の後縁部を距離Xだけ越えて延びている。この延びはフラグと呼ばれることもあり、約5mm〜約20mmであってもよく、また約10mm〜約15mmであってもよい。第2の電極タブ430が、第1の電極の後縁部440を越えたところに位置する領域にて、第2の電極420に張り付けられてもよい。絶縁テープなどの反応障壁(図示せず)が、第2の電極タブに被せて置かれてもよい。
図4Bを参照すると、従来技術600における典型的な渦巻き形電極組立体の横断面が開示されている。第1の電極620は後縁部650を含む。第2の電極610は後縁部640を含む。セパレータ(図示せず)が、第1の電極610と第2の電極620との間に配設されている。第2の電極の後縁部610は、第1の電極620の後縁部を約5mm〜約20mmの距離だけ越えて延びている。第2の電極タブ660が、第2の電極610の後縁部640の前に且つ第1の電極の後縁部650を過ぎたところに位置する領域にて、第2の電極610に張り付けられ得る。絶縁テープなどの反応障壁(図示せず)が、第2の電極タブに被せて置かれてもよい。
図5を参照すると、本発明の渦巻き形電極組立体500の後縁部の拡大面が開示されている。第1の電極510は後縁部540を含む。第2の電極520は後縁部550を含む。セパレータ530が、第1の電極510と第2の電極520との間に配設されている。第2の電極の後縁部550は、第1の電極の後縁部540を距離Xだけ越えて延びている。この延びはフラグと呼ばれることもあり、約5mm〜約20mmであってもよく、また約10mm〜約15mmであってもよい。第2の電極タブ560が、第1の電極の後縁部540を過ぎたところに、且つ第2の電極の後縁部550の前に位置する領域にて、第2の電極520に張り付けられ得る。絶縁テープなどの反応障壁(図示せず)が、第2の電極タブに被せて置かれてもよい。
渦巻き形電極組立体
間にセパレータを有する第1の電極と第2の電極とを備えた渦巻き形電極組立体が、平坦な電極をセパレータ材料と共に渦巻き状に巻くことによって調製され得る。第1の電極は、例えば、アルミニウム又はステンレス鋼を備えたシート、格子、又はスクリーンなどの金属基板の上にコーティングされた、二硫化鉄(FeS)などのカソード用活物質を含んでもよい。第2の電極は例えば、アノード用活物質を含んでもよく、リチウム金属の密着シート、例えば、リチウム金属又はリチウム−アルミニウム合金などのリチウム合金の連続シートから調製され得る。セパレータは、微孔質のポリプロピレン又はポリエチレンなど、電解質透過性の材料を備えてもよい。
渦巻き形組立体を製作するために、セパレータが第1の電極の両側に挿入される。第1(上部)のセパレータシートは外部セパレータシートと名付けられてもよく、第2のシートは内部セパレータシートと名付けられてもよい。第2の電極は次いで、平坦な電極組立体を形成するように内部セパレータシートに当て付けて置かれ得る。第1の電極と第2の電極はいかなる配置で整合されてもよいが、一般には、電極のうち表面積の小さい方が整合され、そのため、その全表面積は、対向する電極をそれらの間のセパレータと共に有する。第2の電極と反対側にある電極の表面積は、二面間の表面積として定義され得る。電池の全体的な反応に寄与する反応性の構成要素のみが理論容量の算出に含められることを、当業者は理解すべきである。絶縁障壁、テープ、及びタブなど、非反応性の構成要素は、中間面の範囲内に存在し得るが、これらの構成要素は、全体的な反応及び後の計算には寄与しない。代表的な単3電池の場合、第1の電極と第2の電極との間の界面表面積は、約130cm〜約230cmとなり得る。界面表面積は、より具体的には、約150cm〜約170cm、約160cm〜約180cm、約170cm〜約190cm、約170cm〜約180cm、約190cm〜約200cmの範囲に及び得る。
平坦な電極組立体は、渦巻き形電極組立体、又はジェリーロール組立体(「ジェリーロール」)を形成するように渦巻き状に巻かれ得る。このように巻くことは、例えば、平坦な電極組立体の張り出したセパレータ縁部をマンドレルを使用して把持し、次いで平坦な電極組立体を渦巻き状に巻いて巻線形電極組立体を形成することによって達成され得る。この巻きは、ジェリーロールの最外径に位置するように設計で望まれる電極、例えば、第1の電極がジェリーロールの最外径に位置するか又は第2の電極がジェリーロールの最外径に位置するかに応じて、時計回り又は反時計回りのいずれに生じてもよい。完成したジェリーロールは、その最外径に向かってアノード又はカソードのいずれかを設置され得る。
典型的なジェリーロールの構成は、第2の電極がジェリーロールの最外径に位置する状態で、第2の電極の後縁部が第1の電極の後縁部を越えて延びるようなものである。あるジェリーロールの構成において、第1の電極に対向する第2の電極が存在するとき、電極は電池の電気化学的な放電に寄与する。第2の電極は箔を備えてもよく、その箔はセルの放電の間に消耗し得る。電気タブが、箔を備える第2の電極に直接、張り付けられているとき、そのタブが取り付けられる支持構造は、タブが第1の電極と反対の領域にある場合は消耗し得る。支持構造が損なわれる結果として、セル内のインピーダンスの増加、電池性能の低下、及び消費者満足度の低下が生じ得る。また、タブが電極から分断されることが原因で、タブと第2の電極との間の電気的接続が完全に損なわれる結果となり得る。この結果、電池性能及び全面的な消費者満足度が完全に損なわれることになり得る。支持構造が消耗する影響を軽減するのを助けるために、絶縁テープなどの反応障壁が、タブ及び第2の電極の一部分に張り付けられてもよい。
電池性能を持続させるためには、ある最小の箔の厚さが必要となり得ることを本発明者らは発見した。リチウム箔などの箔電極が、切断が原因で特にタブの近辺で連続性を損なう可能性は、箔電極の厚さが最小厚さ未満に低下した場合に増大し得る。例えば、最小の箔厚さは約0.01mm〜約0.02mmとなり得る。より厳密には、最小の箔厚さは約0.015mm〜約0.017mmとなり得る。場合によっては、切断を防止するために、箔の極端な薄化を減じるように、更なる防止策が必要となり得る。そのような策には、反応障壁又は電気力線を再分配するための菱形模様が含まれてもよい。
本発明の完成したジェリーロールは、ジェリーロールの最外径に位置する第1の電極を有してもよく、また、第1の電極の後縁部を越えて延びる第2の電極の後縁部を有してもよい。第2の電極の後縁部は、第1の電極の後縁部を約5mm〜約20mm、且つ約10mm〜約15mmだけ越えて延びてもよい。第2の電極タブが、第1の電極の後縁部を越えて延びる領域にて、第2の電極に張り付けられてもよい。第2の電極の後縁部が第1の電極の後縁部を越えて延び、第2の電極タブが、第1の電極の後縁部を越えて延びる領域にて、第2の電極に張り付けられるという構成は、電気化学系、例えば、LiFeSにおいて特に有利であり、ここでは、第2の電極が、箔、例えば、リチウム金属を含んだ箔を備え、二硫化鉄を含んだ第1の電極がジェリーロールの外側の巻き付けに配置される。この構成では、第2の電極の一部分を被覆し得る反応障壁の必要性を排除することなどによって、活物質がセルの放電反応に更に寄与することが可能となり得る。また、そのような構成は、第2の電極タブの支持構造が減じられる影響を軽減し得る。
理論容量
第1の電極及び第2の電極はそれぞれ、電気化学的に活性な物質、すなわち、電極構造内で、組み立てられた電池の電気化学的容量に寄与し得る物質から得られる総理論容量を有する。電極の総理論容量は、電極内にある活性電極物質の質量(グラム単位)に、活性電極物質の比理論容量(1グラム当たりのアンペア時単位)を掛けることによって決まる。例えば、リチウム金属の比理論容量は約3861mAh/gである。アノードは、1グラムの100%純粋なリチウムを活物質として含んでもよい。結果として得られる例示的なアノードの総理論容量は約3861mAhとなる。同様に、二硫化鉄の比理論容量は約893.5mAh/gである。カソードは、4.95グラムの二硫化鉄を活物質として含んでもよい。結果として得られるカソードの総理論容量は約4423mAhとなる。
電池の全体的な設計に関する有用な表現が、アノードカソード(A/C)比である。A/C比により、当業者は、特定の電池設計に関して、電池のアノード内の活性電極物質の容量を電池のカソードに対して容易に決定することができる。当業者であれば、時に「バランス」と呼ばれる、電池設計の全体的な性能に適する値を有するA/C比を用いることができる。例えば、主として高率放電の用途で機能するように電池を設計する技術者は、カソード用活物質の放出が及ぶ範囲で効率損失に対処するために、アノード容量よりも大きなカソード容量を有することを望む場合がある。そのような設計は、1未満のA/C比、つまりバランスを有することになる。それに代わって、主として低率放電の用途で機能するように電池を設計する技術者は、カソード用活物質の利用率が高まるがために、アノード容量よりも小さなカソード容量を有することを望む場合がある。そのような設計は、1を超えるA/C比、つまりバランスを有することになる。
A/C比は、電池設計における合計のアノード及びカソード用活物質に関連付けて表現され得る。そのような表現は、総A/C比又は総入力比と呼ばれることもある。総A/C比を決定するために、セル内に含められたアノード用活物質の総理論容量が、セル内に含められたカソード用活物質の総理論容量で除算される。上に示した理論電極容量の例を利用すると、総A/C比は約0.87(3861mAh/4423mAh)となる。
総A/C比は、組み立てられた電池の所望の放電特性に従って調節又は調和され得る。一般に、Li/FeS電池は、セルのサイズ、例えば、単3又は単4のサイズかそれよりも小さな若しくは大きなサイズに関わらず、約1.2未満の総A/C比を有するように調和され得る。好ましくは、Li/FeSセルは、セルのサイズにかかわらず、総A/C比が約0.80〜約1.2、約0.9〜約1.2、約1.0〜約1.2、約1.1〜約1.2となり得るように調和され得る。
A/C比はまた、電極組立体同士の界面面積と共に、電極内の活物質の量に関連付けて定義されてもよい。そのような表現は、界面A/C比又は界面入力比と呼ばれることもある。界面A/C比は、特定の電極パラメータ及び設計上の検討事項、例えば、ジェリーロール構造、第1の電極と第2の電極との位置合わせなどに関連付けられる設計変更を考慮したものである。また、一定量のアノード又はカソード用活物質が使用中に放電しないことも考えられ、これはセル設計、放電率、又は他の要因に起因し得る。界面A/C比は、実際には放電できないが、全体的なセル設計又は構造に依然として重要となり得る活物質を考慮して電池設計を表す上で有用である。界面A/C比は、間にセパレータを挟んでアノードとカソードの間に面する表面積に関して、アノード用活物質の理論容量とカソード用活物質の理論容量との比として定義され得る。
セミカソード外巻き(SCOW)設計でジェリーロール組立体を取り入れた電池に対し、界面A/C比を決定するには、ジェリーロール組立体の全長にわたって電極が総界面A/C比の算出に様々に寄与することに対処するために、まずジェリーロール組立体内に区画を規定すると便利である。理解されたいこととして、アノード外巻き(AOW)設計、セミアノード外巻き(SAOW)設計、カソード外巻き(COW)設計、各電極ごとに複数のタブを利用する設計、電極組立体の端部以外の位置に電極タブを配置する設計など、別のジェリーロール設計に対し、同様のプロセスに従って界面A/C比が決定されてもよい。AOW設計では、ジェリーロールの最外径にアノード電極を有してもよく、そのアノード電極の後縁部はカソード電極の後縁部を越えて延びる。COW設計では、ジェリーロールの最外径にカソード電極を有してもよく、そのカソード電極の後縁部はアノード電極の後縁部を越えて延びる。COW設計における電極は、アノードの全表面領域が、対向するカソードをそれらの間にセパレータを挟んで有するように整列され得る。
電極区分は、指定された長さを持つ電極の区間として定義されもよく、また区分の長さ方向に沿って二分されると、等しい厚さと高さを有し得る。電極タブ区分は、電極の内側に面する対向電極、例えば、カソードを有する電極区分、例えば、アノード区分として定義されてもよい。電極タブ区分は、その片側に対向電極を有するので、セルの全体的な化学反応に部分的に寄与する。絶縁テープなどの反応障壁が、電極タブに被せて置かれてもよい。
電極の内部巻付け区分は、アノードに面する対向電極、例えば、カソードを両側に有する電極区分として定義されてもよい。総電極長は、電極タブ区分長と電極の内部巻付け区分長との合計である。活性電極区分は、総電極長から電極タブ長を差し引いたものとして定義されてもよい。反応障壁が使用される場合、反応障壁で被覆された電極表面もまた減算されなくてはならない。あるいは、活性電極区分はまた、電極外巻き区分長と電極内部巻付け区分長との合計である。
界面A/C比は、(1)各区分ごとに界面A/C比を算出し、(2)区分の全体的な寄与に従って各区分ごとに界面A/C比を調節し、(3)各区分の調節された界面A/C比を合計して、電池の総界面A/C比を決定することによって決定されてもよい。アノード及びカソード電極がそれぞれ単一のタブを有する、本発明の半COWジェリーロール電極組立体(例えば、カソードが最外方の電極となり、アノードの後縁部がカソードの後縁部を越えて延びる)を利用したLi/FeSに対する界面A/C比の例示的な算出は以下の通りである。
アノードは、長さが約245.5mm、幅が約39mm、厚さが約0.1972mmとなり得る。リチウム、つまり活性アノード物質の密度は0.534g/cmである。リチウムのアノード用活物質の純度は100%となり得る。
アノードのタブ区分長は約10mmとなり得る。アノードの内部巻付け区分長は約235.5mmとなり得る。活性アノードのタブ区分長は約245.5mmとなり得る。加えて、カソードは、カソードの片面当たり26mg毎cmのカソード用物質装填率を有し得る。FeSは95%の純度を有し、全カソード組成物の89%を構成し得る。
上述した例のアノード容量は約20.33mAhr/cm/面となる。上述した例のカソード容量は約19.65mAhr/cm/面となる。カソードの片面とアノードの両面が反応に関与するアノードタブ区分の界面A/C比は、約2.07[(20.33mAhr/cm/面×2面)/(19.65mAhr/cm/面×1面)]となる。カソードの両面とアノードの両面が反応に関与するアノード内部巻付け区分の界面A/C比は、約1.04[(20.33mAhr/cm/面×2面)/(19.65mAhr/cm/面×2面)]となる。
電池の総界面A/C比へのこれらの区分の寄与は、全長に対するその区分の割合に応じて、アノードタブ区分と内部巻付けの界面A/C比を調節することによって決まる。アノード外巻き区分の割合は約0.04(10mm/245.5mm)であり、アノード内部巻付け区分の割合は約0.96(235.5mm/245.5mm)である。それぞれの区分の割合による調節後の、アノードタブと内部巻付けの界面A/C比はそれぞれ、約0.083(2.07×0.04)及び約0.994(1.035×0.96)である。調節されたアノードタブと内部巻付けの界面A/C比がここで合計され、結果として、組み立てられた例示的なセルの界面A/C比は約1.077となる。
界面A/C比は、組み立てられた電池の所望の放電特性に従って調節又は調和され得る。一般に、Li/FeS電池は、セルのサイズ、例えば、単3又は単4のサイズかそれよりも小さな若しくは大きなサイズに関わらず、約1.2未満の界面A/C比を有するように調和され得る。好ましくは、Li/FeSセルは、セルのサイズにかかわらず、界面A/C比が約0.80〜約1.2、約0.9〜約1.2、約1.0〜約1.2、約1.0〜約1.15、及び約1.1〜約1.2となり得るように調和され得る。
実験的試験
放電性能試験は、デジタルカメラ又はDigicam試験と一般に呼ばれるANSIプロトコルに従う。このプロトコルは、パルス放電サイクルをセルに加えることからなる。各サイクルは、2秒間にわたる1.5ワットのパルスと、その直後に続く28秒間にわたる0.65ワットのパルスからなる。10回の連続するパルスの後、次いでセルを55分間の期間にわたって休止させ、その後に、規定のパルス方式を第2のサイクルにわたって開始する。各サイクルを、1.05Vのカットオフ電圧に達するまで引き続き反復する。カットオフ電圧に達するのに必要な1.5ワットのパルスの総数を記録する。
以下の表1に示す設計パラメータに従って、実験用セルを組み立てる。
Figure 0005706041
カソード外巻き(COW)ジェリーロール組立体を有する単3のLiFeS一次電池を組み立てる。カソードの後縁部はアノードの後縁部を約5mmだけ越えて延びる。界面A/C比は約1.035である。雰囲気中での保管に続く3%のセル容量の予備放電の後、Digicam試験をセルに対して実施する。セルは平均558パルスを示し得る。
セミカソード外巻きジェリーロール組立体を有する本発明に従って、単3のLiFeS一次電池を組み立てる。アノードの後縁部はカソードの後縁部を約10mmだけ越えて延びる。界面A/C比は約1.077である。雰囲気中での保管に続く3%のセル容量の予備放電の後、Digicam試験をセルに対して実施する。セルは平均574パルスを、つまり、1.035の界面A/C比を有するCOWセル設計に対する約3%の改善を示し得る。
本発明者らが見出したこととして、第1の電極の後縁部を、第2の電極の後縁部を越えて延長することにより、約1.2未満の界面A/C比で設計する利点が、例えば、電極と電極タブとの電気的接続の表面積を減じることなく箔電極を利用するシステムにおいて実現され得る。電極タブから、切断しにくい箔を備えた電極への電気的接続を用いて、アノード対カソードのバランスを高める結果、容量及び放電性能の高い電池が得られる。
本明細書で開示した寸法及び値は、列挙した厳密な数値に厳格に限定されるものとして解釈されるべきではない。その代わりに、別段の指定がない限り、そのような各寸法は、列挙した値と、その値を包含する機能的に等価な範囲との双方を意味することを意図したものである。例えば、「30%」として開示した寸法は、「約30%」を意味することを意図したものである。
本発明の特定の実施形態について図示し説明したが、種々の他の変更及び修正が、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなくなされ得ることが、当業者には明らかとなろう。したがって、本発明の範囲に含まれるそのようなすべての変更及び修正は、添付の特許請求の範囲で網羅することとする。

Claims (8)

  1. 第1の電極の活物質、前縁部、及び後縁部を備える第1の電極と、
    第2の電極の活物質、前縁部、及び後縁部を備える第2の電極と、
    前記第1の電極と前記第2の電極との間に配設されたセパレータと、を備え、
    1.2未満の界面アノードカソード比を有する渦巻き形電極組立体であって、
    前記第1の電極、前記第2の電極、及び前記セパレータは、前記第1の電極が前記電極組立体の最外径に層を形成するように、且つ前記第2の電極の前記後縁部が前記第1の電極の前記後縁部を越えて延びるように、巻付けられ、
    前記第2の電極は、前記第2の電極に張り付けられた少なくとも1つのタブを備え、
    前記タブは、前記第1の電極の前記後縁部を越えて延びる位置に、前記第2の電極に沿って定置される、渦巻き形電極組立体。
  2. 前記第1の電極の活物質、前記第2の電極の活物質、又は前記第1の電極の活物質と前記第2の電極の活物質との両方が、二硫化鉄、硫化鉄、黄鉄鉱、及びそれらの組合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の渦巻き形電極組立体。
  3. 前記第2の電極の活物質又は両方がリチウムを含む、請求項1又は2に記載の渦巻き形電極組立体。
  4. 前記第1の電極の活物質がリチウムを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の渦巻き形電極組立体。
  5. 前記第2の電極の活物質は、二硫化鉄、硫化鉄、黄鉄鉱、及びそれらの組合わせからなる群から選択される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の渦巻き形電極組立体。
  6. 前記第2の電極の前記後縁部は、前記第1の電極の前記後縁部をmm〜20mmだけ越えて延びる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の渦巻き形電極組立体。
  7. 請求項1〜のいずれか一項に記載の渦巻き形電極組立体を含む電気化学セルであって、
    少なくとも1つの開放端部を有するハウジングと、
    電解質と、
    前記ハウジングの前記少なくとも1つの開放端部を閉鎖するエンドキャップ組立体と、を更に備え、
    前記第1の電極、前記第2の電極、及び前記セパレータは、前記第1の電極が前記電極組立体の最外層を形成するように、且つ前記第2の電極の前記後縁部が前記第1の電極の前記後縁部を越えて延びるように、巻付けられる、電気化学セル。
  8. 請求項1〜のいずれか一項に記載の電極組立体を製造する方法であって、
    第1の電極の活物質、前縁部、及び後縁部を備える第1の電極を用意することと、
    第2の電極の活物質、前縁部、及び後縁部を備える第2の電極を用意することと、
    前記第1の電極と前記第2の電極との間に配設されたセパレータを用意することと、
    前記第1の電極が前記電極組立体の最外層を形成するように、且つ前記第2の電極の前記後縁部が前記第1の電極の前記後縁部を越えて延びるように、前記電極組立体を巻くことと、を含み、前記電極組立体は1.2未満の界面アノードカソード比を有する、方法。
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