JP5705358B1 - 流動層造粒方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】流動層造粒方法において、製品品質を維持しつつも、従来の規定概念の枠にとらわれることなく、造粒時間の短縮を図る。【解決手段】処理容器内に収容した粉粒体を処理気体によって流動化し、流動化された粉粒体に対して液体を噴霧供給することにより、粉粒体の造粒処理を行う流動層造粒方法にて、処理気体が前記処理容器を通過する際に消費する熱量をQ(Q(kJ/min)=(給気温度−排気温度)(K)?風量(kg/min)?空気比熱(J/g・K))とする。また、単位目皿面積当たりにおける消費熱量QをC(=Q/Sa)(kJ/min・cm2)、単位目皿面積当たりの液体の加液量を熱量に換算した値をB(kJ/min・cm2)、粉粒体の吸液能を示すPL値をPLとしたとき、消費熱量当たりの加液量A(=B/C)をPL?6.8≰A≰PL?11に設定する。【選択図】図6

Description

本発明は、気体流によって流動化された粉粒体に対し、水やバインダ液等を噴霧供給して造粒処理を行う流動層造粒方法に関し、特に、医薬品や食品等に使用される打錠用造粒物を短時間にて形成し得る流動層造粒方法に関する。
医薬品や化粧品、食品などの分野では、打錠用造粒物の製造に際し、粉末や顆粒等の粉粒体を気体流によって流動化し、造粒、コーティング、混合、撹拌、乾燥等の処理を行う流動層造粒方法が広く使用されている。流動層造粒方法は一般に、円筒状の処理容器を備えた流動層装置によって実施され、処理容器内に粉末等の被処理物を投入すると共に、処理容器内に流動気体を供給して粉粒体を流動化させる。流動化された粉粒体には、水やバインダ液、コーティング液等がスプレーノズルにて供給され、造粒やコーティング等の処理が実施される。
特許第4230058号公報 特公平7−2210号公報
一方、造粒処理の分野においても、製造コスト等の観点から、処理時間の短縮が求められている。この場合、粉粒体に供給される水やバインダ液等の供給速度(単位時間あたりの供給量)を増加させれば、その分、処理時間も短縮される。例えば、供給速度を2倍にすれば、処理時間は理論上1/2となる。しかしながら、バインダ液等の供給速度を増加させると、処理容器内の粉粒体が過湿状態となり、流動不良が生じ塊状物が生じたり、粉粒体が団塊状に固結したりするなど、良好な造粒物が得られなくなるという問題が生じる。
そこで、バインダ液等の供給速度を増加させる場合には、流動不良が生じないように、流動気体の供給量も増加させる必要がある。ところが、流動気体の供給量を増加させると、今度は処理容器内にて粉粒体が大きく吹き上がってしまい、フィルタに付着するなどの不都合が生じる。このため、従来、当該分野では、時間短縮の要請がありながらも、良好な製品を確実に得ることが優先され、既定の条件内での造粒しか行われておらず、処理時間短縮の問題は安定志向の中に埋没した状態となっていた。
本発明の目的は、流動層造粒方法において、製品品質を維持しつつも、従来の規定概念の枠にとらわれることなく、造粒時間の短縮を図ることにある。
本発明の流動層造粒方法は、粉粒体を保持する目皿板を備えた処理容器内に粉粒体を収容し、該粉粒体を前記処理容器内に供給される処理気体によって流動化しつつ、流動化された前記粉粒体に対して液体を噴霧供給することにより、前記粉粒体の造粒処理を行う流動層造粒方法であって、前記処理気体が前記処理容器を通過する際に消費する熱量をQ(Q(kJ/min)=(給気温度−排気温度)(K)×風量(kg/min)×空気比熱(J/g・K))、前記処理気体の前記処理容器からの排気温度が最低温度となった状態を定常状態とし、該定常状態における前記QをQ 、前記Q を前記目皿板の空気流通部分の面積である目皿面積Saにて除することにより求めた、単位目皿面積当たりにおける前記定常状態の消費熱量 をC(= /Sa)(kJ/min・cm2)、前記液体の加液量にその蒸発潜熱を乗じ、この値を前記目皿面積Saにて除することにより、単位目皿面積当たりの前記液体の加液量を熱量に換算した値をB(kJ/min・cm2)、前記粉粒体の吸液能の指標として塑性限界値を用い、これをPLとしたとき、前記消費熱量当たりの前記加液量A(=B/C)を、PL×6.8≦A≦PL×11とすることを特徴とする。
本発明にあっては、造粒処理時における装置内の熱量に着目し、造粒処理の諸条件を熱量として捉え、PL×6.8≦A≦PL×11の条件にて造粒処理を行うことにより、従来と同等の造粒物を従来よりも短時間にて製造することが可能となる。これにより、安定志向の処理条件を脱し、従来想定されていなかった条件にて、製品品質を低下させることなく造粒処理を実施することができ、処理時間の短縮を図ることが可能となる。
前記造粒方法において、前記Aを好ましくは、PL×7.0≦A≦PL×11としても良い。また、前記造粒方法は、前記処理容器内に配置された前記目皿板の前記目皿面積が0.1m2を超える装置にて実施するようにしても良い。さらに、前記造粒方法は、前記PL値が0.1以上0.5以下の粉粒体に実施するようにしても良い。加えて、前記造粒方法は、前記造粒処理の全過程の初期1/3の過程にて実施するようにしても良い。
本発明の流動層造粒方法によれば、処理気体が処理容器を通過する際に消費する熱量をQ(Q(kJ/min)=(給気温度−排気温度)(K)×風量(kg/min)×空気比熱(J/g・K))、処理気体の排気温度が最低温度となった状態を定常状態としたとき、この定常状態における単位目皿面積当たり消費熱量 をC(= /Sa)(kJ/min・cm2)、単位目皿面積当たりの液体の加液量を熱量に換算した値をB(kJ/min・cm2)、粉粒体の吸液能力を示すPL値をPLとしたとき、消費熱量当たりの加液量A(=B/C)を、PL×6.8≦A≦PL×11に設定して造粒処理を行うことにより、従来想定されていなかった条件にて、製品品質を低下させることなく造粒処理を実施することができ、処理時間の短縮を図ることが可能となる。
本発明の一実施例である造粒方法が実施される流動層装置の外観を示す正面図 図1の流動層装置の側面図である。 (a)は装置スケールごとの造粒初期に用いられる標準的な最小風量と目皿面積(cm2)を示す表、(b)は(a)の表に基づいて算出したC値を示す表である。 (a)は装置スケールごとの液速(g/min)と目皿面積(cm2)を示す表、(b)は(a)の表に基づいて算出した単位PL値当たりのB値を示す表である。但し、液速は結合剤(固形分)7%を含んだ溶液のものであり、その内の揮発分93%が加液量になる。 装置に供給される処理気体の露点が14°Cと6°Cの場合における30,60,120型の各装置における処理条件とC,B,Aの各値を計算した表である。なお、30型はかさ密度0.5g/mLの粉粒体で概ね30kgを処理することができる装置の型式であり、同様に60型は60kg、120型は120kgの処理が可能な装置の型式である。 図5の計算結果をプロットしたグラフである。 30型(図7(a))と120型(図7(b))における粒度分布を、従来の処理条件と、A≧PL値×6.8とした場合で比較したグラフである。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の一実施例である造粒方法を実施するための装置(流動層装置)の外観を示す正面図、図2は、図1の流動層装置の側面図である。図1の流動層装置1は、例えば、医薬品や食品等の製造に使用される打錠用造粒物や、顆粒状の医薬品や食品等の製造に使用され、装置内では、処理気体によって流動化された粉粒体にバインダ液やコーティング液が噴霧される。
流動層装置1には、原料材となる粉粒体が収容され、所望の造粒コーティング処理や乾燥処理等が行われる円筒状の処理容器2が設けられている。処理容器2はステンレス鋼にて形成されており、図1,2に示すように、支持台3によって支持されている。流動層装置1の処理容器2は、上から順に、カバーユニット4、フィルタケーシング5、スプレーケーシング6、原料容器コンテナ7及び給気ユニット8を重ねて配置した形態となっている。粉粒体処理時には、カバーユニット4とフィルタケーシング5間など各ユニット間は、リング状のシール部材によって気密に締結される。
カバーユニット4は、カバーブラケット11によって支持台3に固定支持されている。カバーユニット4の一端には排気口12が形成されており、この排気口12には図示しない排気ダクトが接続される。カバーユニット4の下面側には、スプレーケーシング6とは別途形成されたフィルタケーシング5が取り付けられる。フィルタケーシング5の上端部には円板状の天板13が固定されており、天板13にはカートリッジフィルタ14が取り付けられている。
スプレーケーシング6内には、粉粒体にバインダ液やコーティング液を噴霧するためのスプレーノズル15が設けられている。スプレーケーシング6は、ブラケット16にて支持台3に取り付けられている。スプレーケーシング6内には、流動室17が形成されている。流動室17内にはスプレーノズル15が配置されており、図示しないチューブによって、装置外に設けられたポンプからバインダ液やコーティング液が供給される。
スプレーケーシング6の下方には原料容器コンテナ7が配置され、原料容器コンテナ7内には被処理物となる粉粒体が投入される。原料容器コンテナ7は台車18に取り付けられている。原料容器コンテナ7の内部には原料収容室19が形成されており、原料容器コンテナ7の下部には通気性を有する目皿板21が設けられている。原料収容室19内に投入された粉粒体はこの目皿板21上にて支持される。
原料容器コンテナ7の下方には、内部に給気室22を有する給気ユニット8が据え付けられている。給気ユニット8は、給気室22に連通する給気ダクト23に接続されている。給気ダクト23は、装置外に設けられた図示しないエア供給源に接続されている。給気室22内には、この給気ダクト23を介して、粉粒体を流動化するための処理気体(流動エア)が供給される。粉粒体を流動状態とした処理気体は、微細な固体粒子がカートリッジフィルタ14によって除去されて清浄化され、その後、排気ダクトを通って装置外へと排出される。
このような流動層装置1では、給気ダクト23から給気室22に流動エアを供給すると、このエアが目皿板21を通って原料収容室19に流入する。これにより、原料収容室19内の粉粒体が吹き上げられ、原料収容室19や流動室17内にて流動状態となる。この状態にてスプレーノズル15から適宜バインダ液やコーティング液をスプレー状に噴霧することにより、粉粒体の造粒処理やコーティング処理が実行される。その際、通常の造粒処理では、乾燥能力以上の液速にてスプレーを行う。そして、水やエタノールなどのバインダ液やコーティング液の溶媒を原料の粉粒体に蓄積させつつ、規定量までスプレーを行う。但し、原料に水やエタノールなどの液体が蓄積されると流動性が低下するため、多くの場合、処理の途中段階で風量を大きくする。従って、原料中の蓄積液量は、造粒初期にある程度まで上昇し、ある程度水やエタノールなどの液体が蓄積されると、運転条件が変更され(主として風量増大)、蓄積液量の上昇を緩やか、あるいは、一定かやや下降気味に維持しつつ規定量までスプレーが行われる。なお、バインダ液等は連続又は断続的にスプレーされ、その液速は、一定、あるいは徐々に大きくすることが一般的である。
ここで、従来の造粒方法では、目皿面積が0.1m2未満の小型機・実験機を除くと、例えば30〜120型の装置においては、造粒初期(造粒処理全過程の時間的に初期1/3の範囲)では、バインダ液等の供給速度(以下、液速)は290〜810g/min程度、流動気体は60〜80°C・6.0〜16.0m3/min程度の条件にて実施されている。このような条件下にて処理時間を短縮するには、液速を上げることが求められるが、同時に流動気体の供給量(以下、風量)も増やさなければならず、前述のように、吹き上がりの問題が生じるため、単に、液速・風量を上げれば良いというものではない。また、風量以外にも、温度条件や粉粒体の吸液能力、処理量、装置サイズなど、良好な造粒処理を行うには種々の要素を考慮する必要があり、結局のところ、経験的に無難な処理条件が採用されるのが通例であった。
このような中、本発明者らは、処理時間短縮という命題を達成するため、従来の処理条件を改めて見直すと共に、造粒処理における本質的な条件を改めて検討した。その結果、本発明者らは、造粒処理時における装置内の熱量に着目し、造粒処理の諸条件を熱量として捉えることにより、従来と同等の造粒物を従来よりも短時間にて製造可能な処理条件を設定し得ることに想到した。以下、このような新しい観点に基づく流動層造粒方法について説明する。
ここではまず、処理気体が装置通過に伴って消費する熱量Qを考える。この消費熱量Qは、概ね乾燥能力に相当し、次式にて表すことができる。
Q(kJ/min)=(給気温度−排気温度)(K)×風量(kg/min)×空気比熱(J/g・K)
例えば、バインダ液やコーティング液の溶媒が水の場合、取り入れ空気の状態が20°C、相対湿度40%のとき、この空気を70°Cに昇温し造粒を開始する場合、温度上昇に伴い、相対湿度は40%から3%に低下する。ここで、スプレーを開始すると、処理容器内の湿度が徐々に増加し、造粒物の水分を蒸発させつつ断熱冷却線に沿って相対湿度100%に向かって上昇する。そして、相対湿度100%に達すると水分蒸発速度が一定となり、排気温度が一定値(例えば、28°C)以下に下がらなくなる。消費熱量Qは、風量が小さく、排気温度が高くなるスプレー開始時に最小値となる。また、スプレー開始後に、処理気体の水蒸気が飽和状態(相対湿度100%)となり、排気温度が最低値まで下がったとき最大値となる。この排気温度が最低温度となった状態を定常状態とし、このときのQ値をQとする。
なお、消費熱量Qのうち、実際に水分を蒸発させるのに消費した熱量(=乾燥能力)は、処理容器からの放熱等を考慮し、所定の熱効率係数を乗じる必要がある。この熱効率係数は、装置スケールや給気条件によって異なる。
また、消費熱量Qは、上式から分かるように、風量に比例するため、装置スケールによって値が異なる。仕込み量当たりの風量は、過大でない限り、大きい方が乾燥能力が高くなり有利となるが、その最大値は装置ごとに決まる。そこで、ここでは、Qを目皿板21における空気流通部分の面積(以下、目皿面積)で除し、装置スケールの影響を除いた値を使用する。ここでは、前述のQを目皿面積Saで除した値、すなわち、単位目皿面積当たりの消費熱量を考え、その値をC=Q/Sa(kJ/min・cm2)とする。図3(a)は、装置スケールごとの造粒初期に用いられる標準的な最小風量と目皿面積(cm2)を示す表、同(b)は、(a)の表に基づいて算出したC値を示す表である(各値の詳細は図5参照)。
次に、スプレーされる液体についても熱量という観点で捉える。ここでは、スプレー液のうち、固形成分を除いた値を加液量とし、加液量に蒸発潜熱を乗じることにより、それが持つ熱量を算出する。つまり、その液体を蒸発させるために必要な熱量を考える。この値も、装置スケールの影響を除くべく、目皿面積Saにて除し、単位目皿面積当たりの熱量に換算する。そして、その値をB(kJ/min・cm2)とする。この値は概ね液速に比例する。なお、蒸発潜熱による熱量換算は、例えば、水とエタノールの混合液の場合は、その混合比に応じて熱量を比例配分する。また、仕込み量当たりの加液量の最大値は、装置ごと、処方ごとに異なる。
一方、造粒処理に際しては、原料の吸液能も考慮する必要がある。前述のように、造粒処理過程では、原料に水分等の液体を蓄積させつつ規定量までスプレーを行う。そこで、造粒処理では、従来より、原料の吸液能としては、その物質の塑性限界(Plastic Limit)が指標として用いられている(PL値)。粉体の粒子間には空気が存在しており、これを全て液体(水)で置換すると、塑性物(外力を加えた場合、それを除いても歪みが残る性質を有する物質)となる。そして、これ以上に液を加えると、外力を加えても元に戻ってしまい、この限界が塑性限界と呼ばれる。ここでは、吸液能をこの塑性限界値(PL値)を用いて検討する。
通常、造粒処理においては、各処方でスプレー可能な液速は概ねPL値に比例する。従って、上記BとAも原料のPL値に比例すると考えられ、PL値による換算が必要となる。図4(a)は、装置スケールごとの液速(g/min)と目皿面積(cm2)を示す表、同(b)は、(a)の表に基づいて算出した単位PL値当たりのB値を示す表である(各値の詳細は図5参照)。なお、既知物質のPL値としては、例えば、乳糖:0.18mL/g、コーンスターチ:0.67mL/g(12%以上の平衡水分を差し引く)、アビセル(登録商標)PH101:1.23mL/g(7%以下の水分を差し引く)、粉糖:0.23mL/g、マンニトール:0.2mL/gであり、混合物の場合は、PL値を混合比に基づいて比例配分する。
このようなC,Bを求めた上で、その比A=B/Cを考える。この比Aは無次元であり、消費熱量当たりの加液量を示している。これは、加液量と乾燥能力との比とも考えられ、簡単に言えば、スプレー量が乾燥能力の何倍になっているのか、を示している。図5は、処理気体の露点が14°Cと6°Cの場合における30,60,120型の各装置における処理条件とC,B,Aの各値を計算した表である。また、図6は、図5の計算結果をプロットしたグラフであり、横軸に単位PL値当たりのB(以下、[B]と称す;[B]=B/PL)、縦軸にCを取り、図中の斜線は単位PL値当たりのA(以下、[A]と称す;[A]=A/PL)の値を示している。なお、[B]と[A]の値は前述のPL値として、標準処方値(0.33)を使用している。この場合、標準処方とは、細粒剤の流動層造粒の標準処方として使用されている乳糖:コーンスターチ=7:3の処方である。
そこで、「A」の観点から従来の造粒方法を見ると、目皿面積が0.1m2を超える30型以上の装置においては、造粒初期に用いられる標準的な最小風量では、「B」は、次のようになる。すなわち、目皿通過風速が0.4以上1.5m/sec未満(風量/目皿面積)の場合、原料のPL値をPLとすると、図4(b)に示すように、「B」が液速=標準×1.5にて1.3〜1.6、同じく×2にて1.7〜2.1であることから、
・B:PL×1.7(kJ/min・cm2)未満
(液速=標準×1.5:標準処理上限まで含む)
となる。前述のように、A=B/Cであることから、Cとして、図3(b)から、従来機上限の100°C(図6参照)におけるC値の上限値0.25を用いてAを計算すると、
・A:PL×1.7÷0.25=PL×6.8未満
となる。これは、図5の計算結果をプロットした図6では領域Xの値となっており、発明者らは、従来の処理条件を、「A」を基準として見ると、概ね単位PL値当たりのA([A])が「7」の線よりも上(6.8未満)の領域にて行われていることに気付いた。
このような解析に基づき、発明者らは、[A]が「6.8」以上の条件(図6では概ね「7」の線よりも下の領域)では良好な造粒処理が不可能であるのかどうか実験を行った。図7は、30型(図7(a))と120型(図7(b))における粒度分布を、従来の処理条件と、A≧PL値×6.8とした場合で比較したグラフである。なお、30型はA=PL値0.33×8.2(図6の点P1), 0.33×9.8(同P2)、120型はA=0.33×8.5(同P3), 0.33×10.3(同P4)にて実験を行った。
図7から分かるように、安定志向の従来条件と、時間短縮を目指した本願発明による処理条件とでは、粒度分布には大きな差違は見られなかった。なお、[A]の値が11を超えると、原料がブロッキングを起こし粒度分布にバラツキが生じるため、[A]は11以下であることが好ましいことも分かった。また、当該実験では、30型の[A]=8.2と9.8の場合は、従来に比して、それぞれ処理時間が65%、30%となった。また、120型においても、[A]=8.5と10.3の場合は、従来に比して、それぞれ処理時間が66%、29%となった。
このように、既存の処理条件を上記「A」の観点から再考することにより、従来は実施されていなかった処理可能条件が顕在化し、それを実行することにより、製品品質を低下させることなく大幅な処理時間短縮を図ることが可能となった。また、30〜120型の装置における造粒初期のプロセスにおいて、条件「A」は、装置スケールを考えることなく、風量や加液量、PL値を適宜入力するだけで算出でき、煩雑な条件設定を行うことなく、容易に最適条件を得て処理時間の短縮を図ることが可能となる。
本発明は前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、前述の流動層装置はあくまでも本発明の条件を実施するための装置の一例であり、本発明の造粒方法は前記流動層装置での実施には限定されない。
1 流動層装置
2 処理容器
3 支持台
4 カバーユニット
5 フィルタケーシング
6 スプレーケーシング
7 原料容器コンテナ
8 給気ユニット
11 カバーブラケット
12 排気口
13 天板
14 カートリッジフィルタ
15 スプレーノズル
16 ブラケット
17 流動室
18 台車
19 原料収容室
21 目皿板
22 給気室
23 給気ダクト
Q 消費熱量
Sa 目皿面積
C 単位目皿面積当たりにおける消費熱量Q
B 単位目皿面積当たりの液体の加液量を熱量に換算した値
A 消費熱量当たりの加液量

Claims (5)

  1. 粉粒体を保持する目皿板を備えた処理容器内に粉粒体を収容し、該粉粒体を前記処理容器内に供給される処理気体によって流動化しつつ、流動化された前記粉粒体に対して液体を噴霧供給することにより、前記粉粒体の造粒処理を行う流動層造粒方法であって、
    前記処理気体が前記処理容器を通過する際に消費する熱量をQとし、
    Q(kJ/min)=(給気温度−排気温度)(K)×風量(kg/min)×空気比熱(J/g・K)
    前記処理気体の前記処理容器からの排気温度が最低温度となった状態を定常状態とし、該定常状態における前記QをQ
    前記Qを前記目皿板の空気流通部分の面積である目皿面積Saにて除することにより求めた、単位目皿面積当たりにおける前記定常状態の消費熱量QをC(=Q/Sa)(kJ/min・cm2)、
    前記液体の加液量にその蒸発潜熱を乗じ、この値を前記目皿面積Saにて除することにより、単位目皿面積当たりの前記液体の加液量を熱量に換算した値をB(kJ/min・cm2)、
    前記粉粒体の吸液能の指標として塑性限界値を用い、これをPLとしたとき、
    前記消費熱量当たりの前記加液量A(=B/C)を、
    PL×6.8≦A≦PL×11
    とすることを特徴とする流動層造粒方法。
  2. 請求項1記載の流動層造粒方法において、前記Aを、
    PL×7.0≦A≦PL×11
    として前記造粒処理を行うことを特徴とする流動層造粒方法。
  3. 請求項1又は2記載の流動層造粒方法において、
    該造粒方法は、前記処理容器内に配置された前記目皿板の前記目皿面積が0.1m2を超える装置にて実施されることを特徴とする流動層造粒方法。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載の流動層造粒方法において、
    該造粒方法は、前記PL値が0.1以上0.5以下の粉粒体に実施されることを特徴とする流動層造粒方法。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載の流動層造粒方法において、
    該造粒方法は、前記造粒処理の全過程の初期1/3の過程にて実施されることを特徴とする流動層造粒方法。
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