JP5703553B2 - 波長可変干渉フィルター、測色センサー、および測色モジュール - Google Patents

波長可変干渉フィルター、測色センサー、および測色モジュール Download PDF

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本発明は、入射光から所望の目的波長の光を選択して射出する波長可変干渉フィルター、この波長可変干渉フィルターを備えた測色センサー、およびこの測色センサーを備えた測色モジュールに関する。
従来、一対の基板の互いに対向する面に、それぞれ高反射ミラーを対向配置する波長可変干渉フィルターが知られている。このような波長可変干渉フィルターでは、一対のミラー間で光を反射させ、特定波長の光のみを透過させて、その他の波長の光を干渉により打ち消し合わせることで、入射光から特定波長の光のみを透過させる。この時、ミラー間のギャップを変更することで、所望の波長の光のみを透過させる。
ここで、ミラー間のギャップを変更する手段として、一方の基板に可動部を形成し、この可動部と、他方の基板の可動部に対向する面とにそれぞれミラーを形成する。また、各基板にそれぞれ電極を形成し、電極間に電圧を印加することで、静電引力により可動部を引っ張り、ミラー間ギャップを変更する構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載の可変分光素子(波長選択干渉フィルター)では、一対の基板の互いに対向する面に、それぞれ反射膜と、電極とを形成し、電極に電圧を印加することで、互いに対向する反射膜間の距離を可変させて、所望の波長を分光し、透過させる。ここで、この可変分光素子では、電極に接続される配線パターンを各基板の半径方向外方に引き延ばして形成して、ワイヤボンディングにより接続している。また、他の配線方法として、電極に接続する配線パターンを各基板の側面まで引き延ばして、各基板の対向面から離れた位置でワイヤボンディングにより接続する方法も示されている。
特開2008−197362号公報
ところで、上記特許文献1に記載の波長選択干渉フィルターでは、センサー電極の配線パターンが各基板の外方に引き延ばされ、その引き延ばした先端部にてワイヤボンディングにより接続される構成となっている。ここで、波長選択フィルターの基板間の隙間は、非常に小さく形成されるものであり、例えば0.5μm〜1μmに形成される。このため、このような僅かな隙間の基板間で、双方の基板にそれぞれ独立した配線を接続する場合、他方の基板の配線パターンに接触しないように、ワイヤボンディングを実施する必要があり、配線構造が複雑となり、接続信頼性も低下するという問題がある。また、基板の側面に電極を引き延ばして形成する場合、基板の側面にも電極形成用のレジストを形成する必要があるなど、製造工程が煩雑となり、構成も複雑となる。
本発明は上述のような問題に鑑みて、簡単な配線構造で、接続信頼性を向上させることが可能な波長可変干渉フィルター、測色センサー、および測色モジュールを提供することを目的とする。
本発明の波長可変干渉フィルターは、透光性を有する第一基板と、前記第一基板の一面側に対向配置され、前記第一基板に接合される透光性の第二基板と、前記第一基板および第二基板の互いに対向する面にそれぞれ設けられ、互いに対向配置される一対のミラーと、前記第一基板の前記第二基板に対向する面に設けられる第一電極、および前記第二基板において前記第一電極に対向して設けられる第二電極を有し、これらの前記第一電極および前記第二電極の間に所定の電圧を印加することで、前記一対のミラーの間の寸法を可変させる静電アクチュエーターと、前記第一基板の外周部に形成されるとともに、前記第一電極に接続される第一電極パッドと、前記第一基板の外周部に形成されるとともに、前記第一電極とは絶縁される第二電極パッドと、を備え、前記第一基板および前記第二基板は、互いに対向する面にそれぞれ接合面を備え、これらの接合面間に設けられる導電性の接合層により接合され、前記第二電極および前記第二電極パッドは、前記接合層を介して導通されることを特徴とする。
この発明では、第一基板に第一電極とは絶縁された第二電極パッドが形成され、第二基板に第二電極が形成され、これらの第二電極および第二電極パッドが第一基板および第二基板を接合する導電性の接合層を介して接続される。これにより、第一基板に形成される第一電極パッドおよび第二電極パッドは、それぞれ第一電極および第二電極に電気的に接続される。
このような構成とすることで、波長可変干渉フィルターにお静電アクチュエーターを制御するための導線を接続する際、第一基板に形成される第一電極パッドおよび第二電極パッドに対してのみ配線作業を行えばよく、配線構造が簡単となり、配線作業効率も向上する。
また、波長可変干渉フィルターでは、第一基板および第二基板間の隙間寸法も例えば500μmに形成され、非常に狭い空間となる。したがって、第一基板および第二基板の双方の互いに対向する面に電極パッドが形成されるような構成では、この狭い空間内で、第一基板に形成される電極パッド、および第二基板に形成される電極パッドにそれぞれ配線を実施する必要がある。このような構成では、配線作業が困難となるだけでなく、第一基板側の電極パッドに接続した配線が第二基板側の電極パッドに接触する場合なども考えられ、この場合、静電アクチュエーターを正常に制御することができない。また、これを避けるために、各電極パッドに接続する導線や、電極パッドおよび導線の接続部分の厚みを抑えることも考えられるが、このような場合、例えば電極パッドと導線との接続強度が弱く、例えば断線してしまうなどの問題がある。これに対して、本発明では、第一基板のみに第一電極パッドおよび第二電極パッドが形成されるため、これらの電極パッドに接続する導線の一部や、接続部分の一部が第二基板に接触した場合でも、接触による誤動作が起こらず、また、接続強度も大きくすることができるため、断線などの問題も生じず、接続信頼性を向上させることができる。
本発明の波長可変干渉フィルターでは、前記接合面は、前記第一基板および前記第二基板の外周部分に沿って設けられる外周接合領域を備え、前記第一基板の外周接合領域には、前記第二電極パッドに接続される導電性の第一接合膜が形成され、前記第二基板の外周接合領域には、前記第二電極に接続される導電性の第一接合膜が形成され、前記接合層は、前記第一接合膜および前記第二接合膜を接合した第一接続接合部を備えることが好ましい。
ここで、外周接合領域は、通常波長可変干渉フィルターにおいて、接合のために用いられる部分であるが、本発明では、第一基板の接合面における外周接合領域には導電性の第一接合膜が形成され、第二基板の接合面における外周接合領域には導電性の第二接合膜が形成される。そして、これらの第一接合膜と第二接合膜とが接合されることで接合層の第一接続接合部が構成される。また、第一接合膜に第二電極パッドが接続され、第二接合膜に第二電極が接続されるため、第二電極パッドおよび第二電極は、第一接続接合部を介して導通されることとなる。
このような構成では、接合用の接合膜を用いて第二電極と第二電極パッドとを電気的に接続することができるため、例えば第二電極と第二電極パッドを接続するための専用の電極パターンを別途形成するなどの必要がなく、波長可変干渉フィルターの電極形状を簡単にすることができる。また、第二電極パッドおよび第二電極の接続のために別途特別な工程を実施する必要がなく、第一基板および第二基板を接合するだけで容易に第二電極パッドと第二電極とを導通させることができる。
また、接合に用いられる外周接合領域は、第一基板および第二基板の外周部に広い面積を確保することができるため、例えば断線などの問題がなく、第二電極パッドから第二電極に確実に電圧を印加することができる。
本発明の波長可変干渉フィルターでは、第二基板上に設けられるとともに、前記第二電極の外周縁から前記第二基板の外周方向に向かって延びる導電性の第二電極引出部と、前記第一基板上に設けられるとともに、前記第二電極パッドの外周縁から前記第一基板の内周方向に向かって延びる導電性の第二パッド引出部と、を備え、前記第一基板の前記接合面は、前記第二電極引出部の少なくとも一部が設けられる第一引出部接合領域を備え、前記第二基板の前記接合面は、前記第二パッド引出部の少なくとも一部が設けられ、前記第一引出部接合領域に対向する第二引出部接合領域を備え、前記接合層は、前記第一引出部接合領域の前記第二電極引出部、および前記第二引出部接合領域の前記第二パッド引出部を接合した第二接続接合部を備えることが好ましい。
この発明では、接合面の第二接続接合部において、第二基板上に形成されて、第二電極に接続される第二電極引出部と、第一基板上に形成されて、第二電極パッドに接続される第二パッド引出部とが接合される。これにより、第二電極と第二電極パッドとが導通され、第一基板上の第一電極パッドおよび第二電極パッドに電圧を印加することで、静電アクチュエーターを制御することが可能となる。
このような構成では、上記発明と同様に、第二電極パッドおよび第二電極の接続のために別途特別な工程を実施する必要がなく、第一基板および第二基板を接合するだけで容易に第二電極パッドと第二電極とを導通させることができる。
本発明の波長可変干渉フィルターでは、前記第二基板は、前記第一基板および前記第二基板を基板厚み方向から見た平面視において、前記第一電極パッドおよび前記第二電極パッドと重なる位置に、前記第二基板の前記第一基板に対向する面側の空間と、前記第一基板とは対向しない面側の空間とを連通する連通部を備えることが好ましい。
ここで、連通部としては、第二基板の表裏を貫通するものであればいかなるものでもよく、例えば第一電極パッドおよび第二電極パッドに対応する位置に切欠を形成する構成であってもよく、第二基板に貫通孔を設ける構成であってもよい。
この発明では、第二基板から第一基板に向かう方向に見た平面視において、連通部により、第一基板に形成される第一電極パッドおよび第二電極パッドが露出される状態となる。したがって、導線を、連通部を通して第一電極パッドや第二電極パッドに接続することができ、配線作業効率を向上させることができる。
本発明の測色センサーは、上述した波長可変干渉フィルターと、前記波長可変干渉フィルターを透過した検査対象光を受光する受光手段と、を備えることを特徴とする。
この発明では、上述した発明と同様に、第二基板に形成される第二電極が、導電性の接合層を介して、第一基板に形成される第二電極パッドに導通されている。このため、波長可変干渉フィルターの製造時、第一電極パッドおよび第二電極パッドに導線を接続する配線作業において、第一基板に形成された第一電極パッドおよび第二電極パッドに対して配線作業を実施すればよく、配線作業の作業効率を向上させることができるため、製造コストも低減させることができる。したがって、このような波長可変干渉フィルターを組み込んだ測色センサーにおいても、波長可変干渉フィルターの製造コストが低下する分、測色センサーの製造コストも低減させることができる。
本発明の測色モジュールは、上述した測色センサーと、前記測色センサーの前記受光手段により受光された光に基づいて、測色処理を実施する測色処理部と、を具備したことを特徴とすることを特徴とする。
この発明では、測色モジュールは、上述のように、低コストで製造可能な測色センサーを備えるため、測色モジュールにおいても、その製造コストを低減させることができる。
本発明に係る第一実施形態の測色モジュールの概略構成を示す図である。 前記第一実施形態の波長可変干渉フィルターを構成するエタロンの概略構成を示す平面図である。 図2においてエタロンをIII-III線で断面した際の断面図である。 前記第一実施形態のエタロンの外観の概略を示す斜視図である。 前記第一実施形態の第一基板および第二基板の概略構成を示す斜視図である。 第一基板を検査対象光の入射側から見た際の、第一基板に形成される電極パターンを示す模式図である。 第二基板を検査対象光の入射側から見た際の、第二基板に形成される電極パターンを示す模式図である。 第二実施形態の波長可変干渉フィルターを構成するエタロンの概略構成を示す平面図である。 前記第二実施形態のエタロンの第一基板に形成される電極パターンを示す模式図である。 前記第二実施形態のエタロンの第二基板に形成される電極パターンを示す模式図である。
〔第一実施形態〕
以下、本発明に係る第一実施形態の測色モジュールについて、図面を参照して説明する。
〔1.測色モジュールの全体構成〕
図1は、本発明に係る第一実施形態の測色モジュールの概略構成を示す図である。
この測色モジュール1は、図1に示すように、被検査対象Aに光を射出する光源装置2と、本発明の測色センサー3と、測色モジュール1の全体動作を制御する制御装置4とを備えている。そして、この測色モジュール1は、光源装置2から射出される光を被検査対象Aにて反射させ、反射された検査対象光を測色センサー3にて受光し、測色センサー3から出力される検出信号に基づいて、検査対象光の色度、すなわち被検査対象Aの色を分析して測定するモジュールである。
〔2.光源装置の構成〕
光源装置2は、光源21、複数のレンズ22(図1には1つのみ記載)を備え、被検査対象Aに対して白色光を射出する。また、複数のレンズ22には、コリメーターレンズが含まれており、光源装置2は、光源21から射出された白色光をコリメーターレンズにより平行光とし、図示しない投射レンズから被検査対象Aに向かって射出する。
〔3.測色センサーの構成〕
測色センサー3は、図1に示すように、本発明の波長可変干渉フィルターを構成するエタロン5と、エタロン5を透過する光を受光する受光手段としての受光素子31と、エタロン5で透過させる光の波長を可変する電圧制御手段6と、を備えている。また、測色センサー3は、エタロン5に対向する位置に、被検査対象Aで反射された反射光(検査対象光)を、内部に導光する図示しない入射光学レンズを備えている。そして、この測色センサー3は、エタロン5により、入射光学レンズから入射した検査対象光のうち、所定波長の光のみを分光し、分光した光を受光素子31にて受光する。
受光素子31は、複数の光電交換素子により構成されており、受光量に応じた電気信号を生成する。そして、受光素子31は、制御装置4に接続されており、生成した電気信号を受光信号として制御装置4に出力する。
(3−1.エタロンの構成)
図2は、第一実施形態の波長可変干渉フィルターを構成するエタロン5の概略構成を示す平面図であり、図3は、エタロン5を図2のIII-III線で断面した際の断面図である。図4は、エタロン5の外観の概略を示す斜視図である。図4は、エタロン5の外観を示す斜視図である。なお、図1では、エタロン5に検査対象光が図中下側から入射しているが、図3では、検査対象光が図中上側から入射するものとする。
エタロン5は、図2に示すように、平面正方形状の板状の光学部材であり、一辺が例えば10mmに形成されている。このエタロン5は、図3、図4に示すように、第一基板51、および第二基板52を備えている。これらの2枚の基板51,52は、それぞれ例えば、ソーダガラス、結晶性ガラス、石英ガラス、鉛ガラス、カリウムガラス、ホウケイ酸ガラス、無アルカリガラスなどの各種ガラスや、水晶などにより形成されている。これらの中でも、各基板51,52の構成材料としては、例えばナトリウム(Na)やカリウム(K)などのアルカリ金属を含有したガラスが好ましく、このようなガラスにより各基板51,52を形成することで、後述するミラー56,57や、各電極の密着性や、基板同士の接合強度を向上させることが可能となる。そして、これらの2つの基板51,52は、基板外周部分に形成される接合面513,524が接合されることで、一体的に構成されている。
また、第一基板51と、第二基板52との間には、本発明の一対のミラーを構成する固定ミラー56および可動ミラー57が設けられる。ここで、固定ミラー56は、第一基板51の第二基板52に対向する面に固定され、可動ミラー57は、第二基板52の第一基板51に対向する面に固定されている。また、これらの固定ミラー56および可動ミラー57は、ミラー間ギャップGを介して対向配置されている。
さらに、第一基板51と第二基板52との間には、固定ミラー56および可動ミラー57の間のミラー間ギャップGの寸法を調整するための静電アクチュエーター54が設けられている。
(3−1−1.第一基板の構成)
図5は、エタロン5の第一基板51および第二基板52の概略構成を示す斜視図であり、図6は、第一基板51に形成される電極パターンを示す模式図である。なお、図6は、第一基板51を第二基板52側から見た際の電極パターンを示す図であり、この図では、第一基板51に形成される溝や凸部などの凹凸形状を示すラインを省略している。
第一基板51は、厚みが例えば500μmに形成されるガラス基材をエッチングにより加工することで形成される。具体的には、図3、図5に示すように、第一基板51には、エッチングにより電極形成溝511およびミラー固定部512が形成される。
電極形成溝511は、図2に示すようなエタロン5を厚み方向から見た平面視(以降、エタロン平面視と称す)において、平面中心点を中心とした円形に形成されている。ミラー固定部512は、前記平面視において、電極形成溝511の中心部から第二基板52側に突出して形成される。
電極形成溝511は、ミラー固定部512の外周縁から、当該電極形成溝511の内周壁面までの間に、リング状の電極固定面511Aが形成され、この電極固定面511Aに第一電極541が形成される。この第一電極541は、導電性を有し、後述する第二基板52の第二電極542との間で電圧を印加することで、第一電極541および第二電極542間に静電引力を発生させることが可能なものであれば、特に限定されないが、本実施形態では、接合用の膜としても使用可能なAu/Cr合金(金−クロム合金)を用いる。
また、第一基板51には、平面中心点に対して互いに対象となる頂点(図2における右上の頂点、および左下の頂点)には、それぞれエッチングにより、電極固定面511Aと同一平面となる第一パッド固定面511Bが形成されている。さらに、第一基板51には、第一パッド固定面511Bから電極固定面511Aに亘って、これら電極固定面511Aおよび第一パッド固定面511Bと同一平面となる底面を有する第一電極導入溝511Cが形成されている。
そして、これらの第一電極導入溝511Cの底面には、第一電極541の外周縁の一部から延出する第一電極引出部541Aが形成される。また、この第一パッド固定面511Bには、第一電極引出部541Aの先端部に設けられ、第一電極541に所定の電圧を印加するための第一電極パッド541Bが形成されている。これらの第一電極541、第一電極引出部541A、および第一電極パッド541Bは、Au/Cr合金により一体形成される電極であり、第一基板51上にスパッタリングなどの手法により膜状に形成される。
一方、第一基板51の第一パッド固定面511Bが形成されない頂点(図2における左上の頂点、および右下の頂点)には、それぞれ溝深さが電極固定面511Aと同一深さ寸法である第二パッド固定面511Dが形成される。そして、この第二パッド固定面511Dには、第二基板52側に形成される後述する第二電極542に電圧を印加するための第二電極パッド543が形成されている。この第二電極パッド543は、上記第一電極541、第一電極引出部541A、および第一電極パッド541Bと同様に、Au/Cr合金により膜状に形成されている。
この第二パッド固定面511Dおよび電極固定面511Aの間には、これらを連通させる溝は形成されず、接合面513により隔てられている。
ここで、第一基板51において、溝が形成されていない部分が第一基板51の接合面513となる。この接合面513は、図5に示すように、外周接合領域513Aと、第一引出部接合領域513Bとを備えている。
外周接合領域513Aは、第一基板51の外周部に沿うとともに、電極固定面511A、第一パッド固定面511Bよび第二パッド固定面511Dにより囲われる領域であり、第一基板51の各辺に対応して4つ設けられ、これらの4つの外周接合領域513Aにより電極形成溝511の四方を囲っている。一方、第一引出部接合領域513Bは、第二パッド固定面511Dと電極固定面511Aとの間に設けられ、第二パッド固定面511Dに隣り合う2つの外周接合領域513A同士を接続する領域である。
そして、4つの外周接合領域513Aには、それぞれ、図5、図6に示すように、接合用の第一接合膜544が膜状に形成されている。この第一接合膜544としては、上記第一電極541や第二電極パッド543と同様に、Au/Cr合金が用いられる。また、各第二パッド固定面511Dに隣接する2つの外周接合領域513Aに形成される第一接合膜544のうちの一方には、第二電極パッド543と連結される電極連結部544Aが、第一基板51の基板面に沿って形成されている。
なお、本実施形態では、図2において、図面上側に配置される第一接合膜544と、図面左上側に配置される第二電極パッド543とが、電極連結部544Aにより接続され、図面下側に配置される第一接合膜544と、図面右下側に配置される第二電極パッド543とが、電極連結部544Aにより接続される例を示すが、例えば、図面左側に配置される第一接合膜544と、図面左上側に配置される第二電極パッド543とを電極連結部544Aにより接続し、図面右側に配置される第一接合膜544と、図面右下側に配置される第二電極パッド543と、を電極連結部544Aにより接続する構成としてもよい。
また、図5、図6に示すように、第二電極パッド543は、第一基板51側の端縁の一部から、第一基板51の中心点に向かって延び、接合面513の第一引出部接合領域513Bにおける電極形成溝511の縁までに亘って形成される第二パッド引出部543Aを備えている。
上記のように、第一電極541、第一電極引出部541A、第一電極パッド541B、第二電極パッド543、第二パッド引出部543A、第一接合膜544、および電極連結部544Aは、いずれもAu/Cr合金により膜状に形成される。このように、第一基板51上の各電極や接合膜を同一素材により形成することで、これらの電極や接合膜の形成を容易に行うことが可能となる。すなわち、これらの電極および接合膜は、第一基板51の製造時において、エッチングにより、電極形成溝511(電極固定面511A)、ミラー固定部512、第一パッド固定面511B、第一電極導入溝511C、第二パッド固定面511Dが形成された後、スパッタリングなどの手法により形成される。この時、各電極や接合膜の形成のために、製造工程を分割する必要がなく、1つの工程で、第一電極541、第一電極引出部541A、第一電極パッド541B、第二電極パッド543、第二パッド引出部543A、第一接合膜544、および電極連結部544Aを形成することが可能となる。
ミラー固定部512は、上述したように、電極形成溝511と同軸上で、電極形成溝511よりも小さい径寸法となる円柱状に形成されている。なお、本実施形態では、図3に示すように、ミラー固定部512の第二基板52に対向するミラー固定面512Aが、電極固定面511Aよりも第二基板52に近接して形成される例を示すが、これに限らない。電極固定面511Aおよびミラー固定面512Aの高さ位置は、ミラー固定面512Aに固定される固定ミラー56、および第二基板52に形成される可動ミラー57の間のミラー間ギャップGの寸法、第一電極541および第二基板52に形成される後述の第二電極542の間の寸法、固定ミラー56や可動ミラー57の厚み寸法により適宜設定されるものであり、上記のような構成に限られない。例えばミラー56,57として、誘電体多層膜ミラーを用い、その厚み寸法が増大する場合、電極固定面511Aとミラー固定面512Aとが同一面に形成される構成や、電極固定面511Aの中心部に、円柱凹溝上のミラー固定溝が形成され、このミラー固定溝の底面にミラー固定面512Aが形成される構成などとしてもよい。
また、ミラー固定部512のミラー固定面512Aは、エタロン5を透過させる波長域をも考慮して、溝深さが設計されることが好ましい。例えば、本実施形態では、固定ミラー56および可動ミラー57の間のミラー間ギャップGの初期値(第一電極541および第二電極542間に電圧が印加されていない状態のミラー間ギャップGの寸法)が450nmに設定され、第一電極541および第二電極542間に電圧を印加することにより、ミラー間ギャップGが例えば250nmになるまで可動ミラー57を変位させることが可能となっており、これにより、第一電極541および第二電極542間の電圧を可変することで、可視光全域の波長の光を選択的に分光させて透過させることが可能となる。この場合、固定ミラー56および可動ミラー57の膜厚およびミラー固定面512Aや電極固定面511Aの高さ寸法は、ミラー間ギャップGを250nm〜450nmの間で変位可能な値に設定されていればよい。
そして、ミラー固定面512Aには、直径が約3mmの円形状に形成される固定ミラー56が固定されている。この固定ミラー56は、AgC単層により形成されるミラーであり、スパッタリングなどの手法によりミラー固定面512Aに形成される。
なお、本実施形態では、固定ミラー56として、エタロン5で分光可能な波長域として可視光全域をカバーできるAgC単層のミラーを用いる例を示すが、これに限定されず、例えば、エタロン5で分光可能な波長域が狭いが、AgC単層ミラーよりも、分光された光の透過率が大きく、透過率の半値幅も狭く分解能が良好な、例えばTiO−SiO系誘電体多層膜ミラーを用いる構成としてもよい。ただし、この場合、上述したように、第一基板51のミラー固定面512Aや電極固定面511Aの高さ位置を、固定ミラー56や可動ミラー57、分光させる光の波長選択域などにより、適宜設定する必要がある。
さらに、第一基板51は、第二基板52に対向する上面とは反対側の下面において、固定ミラー56に対応する位置に図示略の反射防止膜(AR)が形成されている。この反射防止膜は、低屈折率膜および高屈折率膜を交互に積層することで形成され、第一基板51の表面での可視光の反射率を低下させ、透過率を増大させる。
(3−1−2.第二基板の構成)
図7は、検査対象光の入射側から第二基板52を見た場合における、第二基板52に形成される電極パターンを示す図である。
第二基板52は、厚みが例えば200μmに形成されるガラス基材をエッチングにより加工することで形成される。
具体的には、第二基板52には、図2に示すような平面視において、基板中心点を中心とした円形の変位部521が形成される。この変位部521は、円柱状の可動部522と、可動部522と同軸であり可動部522を保持する連結保持部523と、を備えている。
このような変位部521は、第二基板52の形成素材である平板状のガラス基材をエッチングにより溝を形成することで形成される。すなわち、変位部521は、第二基板52の第一基板51に対向する面に、エタロン平面視で円形状の変位形成凹溝521Aをエッチング形成し、第二基板52の第一基板51に対向しない入射側面に、連結保持部523を形成するための円環状の凹溝をエッチング形成することで、形成されている。なお、変位形成凹溝521Aの溝深さは、ミラー間ギャップGや第一電極541および第二電極542間の電磁ギャップの寸法により適宜設定される。
また、第二基板52は、図2〜図5に示すように、第一基板51に形成される第一電極パッド541B、および第二電極パッド543に対向する頂点部分が、例えばレーザーカットなどによる切断や、エッチングなどにより切り欠かれ、本発明の連通部である切欠部526が形成されている。
可動部522は、連結保持部523よりも厚み寸法が大きく形成され、例えば、本実施形態では、第二基板52の厚み寸法と同一寸法である200μmに形成されている。また、可動部522は、ミラー固定部512に平行な可動面522Aを備え、この可動面522Aに可動ミラー57が固定されている。ここで、この可動ミラー57と、上記した固定ミラー56とにより、本発明の一対のミラーが構成される。
ここで、この可動ミラー57は、上述した固定ミラー56と同一の構成のミラーが用いられ、本実施形態では、AgC単層ミラーが用いられる。また、AgC単層ミラーの膜厚寸法は、例えば0.03μmに形成されている。
また、可動面522Aには、エタロン平面視において略リング形状であり、可動面522Aから第一基板51側に突出する外周突出部525が形成されている。この外周突出部525は、図2、図3、図5に示すように、可動ミラー57の外周側に沿って形成される。また、外周突出部525は、エタロン平面視におけるリング幅寸法が例えば30μmに形成され、可動面522Aからの突出寸法が例えば0.15μmに形成され、可動ミラー57のミラー面よりも第一基板51側に突出して形成されている。
この外周突出部525は、可動部522が第一基板51側に移動した際のミラー56,57同士の貼り付きを防止する。また、可動ミラー57の形成時における、AgCの形成領域を示す枠となり、外周突出部525を形成することで可動ミラー57の形成が容易となる。
さらに、可動部522は、可動面522Aとは反対側の上面において、可動ミラー57に対応する位置に図示略の反射防止膜(AR)が形成されている。この反射防止膜は、第一基板51に形成される反射防止膜と同様の構成を有し、低屈折率膜および高屈折率膜を交互に積層することで形成される。
連結保持部523は、可動部522の周囲を囲うダイヤフラムであり、例えば厚み寸法が50μmに形成されている。この連結保持部523の第一基板51に対向する面には、第一電極541と、約1μmの電磁ギャップを介して対向する、リング状の第二電極542が形成されている。ここで、この第二電極542および前述した第一電極541により、本発明の可変手段である静電アクチュエーター54が構成される。この第二電極542は、第一基板51に形成される各電極や接合膜と同様に、Au/Cr合金により形成される。
また、第二基板52では、第一基板51に対向する面において、変位形成凹溝521Aが形成されない領域が、第二基板52における接合面524となる。この接合面524は、第一基板51の外周接合領域513Aに対向する外周接合領域524Aと、第一引出部接合領域513Bに対向する第二引出部接合領域524Bと、を備えている。そして、外周接合領域524Aには、第一基板51の外周接合領域513Aと同様に、Au/Cr合金を膜状に形成した第二接合膜545が設けられている。
そして、前記した第二電極542の外周縁の一部からは、一対の第二電極引出部542Aが外周方向に向かって、具体的には、図2における左上頂点方向、および右下頂点方向に向かって延出して形成されている。この第二電極引出部542Aは、変位形成凹溝521Aの底面521Bから、変位形成凹溝521Aの溝壁面を伝い、接合面524の第二引出部接合領域524B上に延び、さらに、図2および図7に示すように、第二引出部接合領域524Bに隣接する外周接合領域524A上の第二接合膜のうち、いずれか一方に連結されている。本実施形態では、図2に示すような平面視において、左上方向に延びる第二電極引出部542Aは、図中上側に形成される第二接合膜545に連結され、右下方向に延びる第二電極引出部542Aは、図中下側に形成される第二接合膜545に連結される。
上記のように、第二電極542、第二電極引出部542A、および第二接合膜545は、いずれもAu/Cr合金により膜状に形成される。このように、第二基板52上の各電極や接合膜を同一素材により形成することで、上述した第一基板51と同様に、これらの電極や接合膜の形成を容易に行うことが可能となる。すなわち、これらの電極および接合膜は、第二基板52の製造時において、エッチングにより、第二基板52に変位形成凹溝521Aを形成した後、スパッタリングなどの手法により形成される。この時、各電極や接合膜の形成のために、製造工程を分割する必要がなく、1つの工程で、第二電極542、第二電極引出部542A、および第二接合膜545を形成することが可能となる。
(3−1−3.第一基板および第二基板の接合構成)
エタロン5では、上述したような第一基板51および第二基板52を接合することにより一体的に形成される。この時、第一基板51の接合面513における外周接合領域513Aと、第二基板52の接合面524における外周接合領域524Aとが重なり合い、かつ、接合面513の第一引出部接合領域513Bと、接合面524の第二引出部接合領域524Bとが重なり合うように、第一基板51および第二基板52を配置して接合する。これにより、第一接合膜544と第二接合膜545とが密着接合されることで、本発明の接合層の一部を構成する第一接続接合部546が形成される。また、第一引出部接合領域513Bに形成される第二パッド引出部543Aと、第二引出部接合領域524Bに形成される第二電極引出部542Aとが密着接合されることで、本発明の接合層の一部を構成する第二接続接合部547が形成される。
ここで、第一接続接合部546は、Au/Cr合金により形成される第一接合膜544および第二接合膜545の接合となるため、電気的にも導通した状態となる。同様に、第二接続接合部547は、Au/Cr合金により形成される第二パッド引出部543Aおよび第二電極引出部542Aの接合となるため、電気的にも導通した状態となる。また、第二電極542は、第二電極引出部542Aを介して第二接合膜545と電気的に導通し、第二電極パッド543は、電極連結部544Aを介して第一接合膜544と電気的に導通している。このため、第二電極542および第二電極パッド543は、第二電極引出部542A、第一接続接合部546、電極連結部544Aを介して導通される。これに加えて、第二電極542および第二電極パッド543は、第二電極引出部542A、第二接続接合部547、第二パッド引出部543Aを介して導通される。すなわち、第二電極542と第二電極パッド543は、第一接続接合部546を通る導通ルート、および第二接続接合部547を通る導通ルートの2つの導通ルートで導通される。
このため、第一電極パッド541Bおよび第二電極パッド543に、それぞれ電圧制御手段6に接続される導線を接続することで、静電アクチュエーター54を制御することが可能となる。
なお、本実施形態では、2つの第一電極パッド541Bおよび2つの第二電極パッド543が設けられるが、静電アクチュエーター54の駆動時には、2つの第一電極パッド541Bのうちいずれか一方、および2つの第二電極パッド543のうちのいずれか一方にのみに電圧が印加される。そして、他方の第一電極パッド541Bおよび第二電極パッド543は、第一電極541および第二電極542の電荷保持量を検出するための検出端子として用いられる。
(3−1−4.エタロンと電圧制御手段との接続)
上述のようなエタロン5と電圧制御手段6との接続では、2つの第一電極パッド541Bおよび2つの第二電極パッド543に、それぞれ、電圧制御手段6に接続された導線を例えばワイヤボンディングなどにより接続する。
ここで、エタロン5の第二基板52は、第一電極パッド541Bおよび第二電極パッド543に対向する位置が切り欠かれた切欠部526が形成されている。このため、エタロン5に導線を接続する際には、例えば第一基板51および第二基板52の間に導線を差し込むなどの煩雑な作業が不要となり、エタロン5の光入射側面から直接第一電極パッド541Bや第二電極パッド543に接続することが可能となる。また、配線作業時に、切欠部526により切り欠かれた空間が作業スペースとなる。したがって、エタロン5への配線作業を容易に実施することができる。
(3−2.電圧制御手段の構成)
電圧制御手段6は、上記エタロン5とともに、本発明の波長可変干渉フィルターを構成する。この電圧制御手段6は、制御装置4からの入力される制御信号に基づいて、静電アクチュエーター54の第一電極541および第二電極542に印加する電圧を制御する。
〔4.制御装置の構成〕
制御装置4は、測色モジュール1の全体動作を制御する。
この制御装置4としては、例えば汎用パーソナルコンピューターや、携帯情報端末、その他、測色専用コンピューターなどを用いることができる。
そして、制御装置4は、図1に示すように、光源制御部41、測色センサー制御部42、および測色処理部43などを備えて構成されている。
光源制御部41は、光源装置2に接続されている。そして、光源制御部41は、例えば利用者の設定入力に基づいて、光源装置2に所定の制御信号を出力し、光源装置2から所定の明るさの白色光を射出させる。
測色センサー制御部42は、測色センサー3に接続されている。そして、測色センサー制御部42は、例えば利用者の設定入力に基づいて、測色センサー3にて受光させる光の波長を設定し、この波長の光の受光量を検出する旨の制御信号を測色センサー3に出力する。これにより、測色センサー3の電圧制御手段6は、制御信号に基づいて、利用者が所望する光の波長のみを透過させるよう、静電アクチュエーター54への印加電圧を設定する。
〔5.第一実施形態の作用効果〕
上述したように、上記第一実施形態のエタロン5では、第一基板51上の第二電極パッド543と、第二基板52上の第二電極542とが、第一基板51および第二基板52を接合する導電性の接合層、すなわち第一接続接合部546および第二接続接合部547を介して接続されている。このため、第一基板51および第二基板52を接合させるだけで、第二基板52上の第二電極542と第一基板51上の第二電極パッド543とを電気的に導通させることができる。
そして、このように、第一基板51に、第一電極541と導通する第一電極パッド541B、第二電極542と導通する第二電極パッド543を設けることで、エタロン5と電圧制御手段6との接続作業が容易となる。すなわち、第一基板51上に第一電極パッド541Bが設けられる第二基板52上に第二電極542に導通する第二電極パッドが設けられて、これらの電極パッドに導線を接続する構成では、第一基板51および第二基板52の双方に導線の接続作業を実施する必要がある。エタロン5では、第一基板51および第二基板52の隙間寸法が非常に小さく形成されるため、このように第一基板51および第二基板52上のそれぞれに設けられる電極パッドに導線を接続する配線作業は困難であり、接続信頼性も低下する。これに対して、本実施形態では、第一基板51上に第一電極パッド541Bおよび第二電極パッド543が形成されるため、第一基板51に対してのみ配線作業を実施すればよい。したがって、エタロン5を測色センサー3に組み込む際に、エタロン5と電圧制御手段6との接続作業も容易となり、エタロン5、測色センサー3、測色モジュール1の製造効率を向上させることができる。
また、第二電極542および第二電極パッド543は、第一接続接合部546および第二接続接合部547の双方を介して導通されている。
ここで、第二電極542および第二電極パッド543を第二接続接合部547のみを介して導通させる場合、第二電極542から延びる第二電極引出部542A、および第二電極パッド543から延びる第二パッド引出部543Aを確実に接触させる必要がある。しかし、これらの第二電極引出部542Aおよび第二パッド引出部543Aは、例えば幅寸法が1mm以下に形成され、微細形状となるため、第一基板51および第二基板52を接合させた場合に、接合面積が十分にとれず、電気抵抗も大きくなるなどの問題がある。
これに対して、第一接続接合部546は、変位部521の外側領域を囲って形成され、エタロン平面視においても、第二接続接合部547よりも大きい面積に形成され、第一接合膜544および第二接合膜545の接触面積も大きいため、電気抵抗も小さくすることができる。このため、第二電極542および第二電極パッド543をより確実に導通させることができる。
また、第一および第二接続接合部546,547を用いて、第一基板51および第二基板52を導通させている。したがって、例えば第二電極542と第二電極パッド543とを接続するための専用の電極パターンを形成することなく、第一基板51および第二基板52を接合させるたけの簡単な構成で第一基板51および第二基板52を導通させることができる。
さらに、第二基板52は、第一基板51の第一電極パッド541Bおよび第二電極パッド543に対向する位置がカットされ、切欠部526が形成されている。
このため、図4に示すように、第一電極パッド541Bおよび第二電極パッド543の表面側に作業スペースを確保することができるため、各電極パッド541B,543への導線の接続が容易に実施でき、配線作業効率を向上させることができる。
〔第二実施形態〕
次に、本発明の第二実施形態の測色モジュールについて説明する。
図8は、第二実施形態の波長可変干渉フィルターを構成するエタロン5Aの概略構成を示す平面図である。図9は、第二実施形態のエタロン5Aの第一基板51に形成される電極パターンを示す模式図である。図10は、第二実施形態のエタロン5Aの第二基板52に形成される電極パターンを示す模式図である。なお、上記第一実施形態と同様の構成については、同符号を付し、その説明を省略または簡略する。
第二実施形態の測色モジュールは、エタロン5において、第二電極542および第二電極パッド543を導通させるための構成が、上記第一実施形態と異なるものであり、その他の構成は、上記第一実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
第一実施形態では、第二電極542が、接合面513,524に形成される第一接続接合部546および第二接続接合部547の双方を介して第二電極パッド543に導通される構成を例示したが、第二実施形態のエタロン5Aでは、図8に示すように、第二接続接合部547のみを介して第二電極パッド543に導通される。
すなわち、エタロン5Aの第一基板51には、図9に示すように、第一実施形態と同様に、第一電極541と、第一電極541から2つの頂点方向(図9中左下方向および右上方向)に延びて形成される第一電極引出部541Aおよび第一電極パッド541Bが形成される。また、第一基板51には、図9における左上頂点、右下頂点に、第二電極パッド543が形成される。
また、第一基板51の接合面513の各外周接続領域513Aには、それぞれ接合用の第一接合膜544が形成される。ここで、この第一接合膜544は、第一実施形態と異なり、第一基板51および第二基板52を接合するためだけに形成されるものであり、第一実施形態で形成された電極連結部544Aは設けられていない。このような第一接合膜544では、第一実施形態と異なり、導電性を有さず、接合強度のみが高い接着性の接合膜や、コストの低い接合層などを用いることもできる。
一方、第二基板52には、図10に示すように、第二電極542が形成され、第二電極542の外周縁から径外方向に向かって、接合面524の第二引出部接合領域524B上に延びる第二電極引出部542Bが形成されている。
また、第二基板52の接合面524における外周接合領域524Aには、第二接合膜545が形成されている。ここで、第二実施形態では、第二電極引出部542Bは、第二接合膜545には連結されず、第二電極542と第二接合膜545とは導通していない。
このような第二接合膜545では、第一接合膜544と同様、導電性を有さず、接合強度のみが高い接着性の接合膜や、コストの低い接合層などを用いることもできる。
以上のような電極が形成された第一基板51および第二基板52の接合では、外周接合領域513A,524Aの第一接合膜544および第二接合膜545を接合させ、第一引出部接合領域513Bの第二パッド引出部543A、および第二引出部接合領域524Bの第二電極引出部542Bを接合させる。このようなエタロン5Aでは、第二電極引出部542Bと第二パッド引出部543Aとが接合することで、第二電極542および第二電極パッド543を導通させる第二接続接合部547が形成される。
(第二実施形態の作用効果)
上述したように、第二実施形態のエタロン5Aでは、第二電極542および第二電極パッド543は、第二電極542および第二電極パッド543の接合により導通される。このような構成でも、前記第一実施形態と同様に、第一基板51に第一電極パッド541B、第二電極パッド543を設けることができるため、エタロン5Aと電圧制御手段6との接続作業を容易に実施することができる。また、エタロン5Aでは、第一および第二接合膜544,545として、導電性を有しない接合膜と用いることもでき、膜の種類の選択における自由度を増やすことができる。
〔変形例〕
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、第一実施形態では、第一接続接合部546および第二接続接合部547を介して、第二電極542および第二電極パッド543が導通される構成、第二実施形態では、第二接続接合部547のみを介して第二電極542および第二電極パッド543が導通される構成を例示したがこれに限らない。例えば、第一実施形態における第一基板51において、第二電極パッド543と接続される第二パッド引出部543Aが設けられない構成としてもよく、この場合、第一接続接合部546のみを介して第二電極542および第二電極パッド543が導通される構成とすることもできる。
また、第一実施形態において、第二電極引出部542Aは、第二引出部接合領域524Bを挟んで形成される一対の第二接合膜545のうち、いずれか一方に連結される構成としたが、これに限らない。例えば、第二電極引出部542Aは、2つの第二接合膜545に接合される構成とし、これらの第二接合膜545と接合される各第一接合膜544は、それぞれ電極連結部544Aにより第二電極パッド543に連結される構成としてもよい。
さらに、上記第一実施形態では、第一電極541、第一電極引出部541A、第一電極パッド541B、第二電極542、第二電極引出部542A、第二電極パッド543、第二パッド引出部543A、第一接合膜544、電極連結部544A、および第二接合膜545を、Au/Cr合金により形成する構成としたが、これに限られない。例えばAu/Sn合金により形成するなど、他の素材により形成される構成としてもよく、さらに、例えば第一接合膜544および第二接合膜545をAu/Sn合金で形成するなど、一部のみを他の導電性を有する素材により形成する構成などとしてもよい。
また、第一および第二実施形態において、本発明の連通部として、第二基板52に切欠部526を設ける構成を例示したが、これに限定されず、例えば、第二基板52の第一電極パッド541B、第二電極パッド543に対向する位置に、基板厚み方向に沿って第二基板52を貫通する貫通孔が形成される構成などとしてもよい。
そして、第二実施形態において、接合面513,524の外周接合領域513A,524Aでは、第一接合膜544および第二接合膜545により接合されるとしたが、これに限られない。例えば、第一接合膜544および第二接合膜545が形成されず、接合面513,524を活性化し、活性化された接合面513,524を重ね合わせて加圧することにより接合する、いわゆる常温活性化接合により接合させる構成としてもよい。また、接合面513,524のうち、いずれか一方に導電性の接合膜を形成して、陽極接合により接合させる構成などとしてもよく、いかなる接合方法を用いてもよい。
また、エタロン5と電圧制御手段6との接続において、第一電極パッド541Bおよび第二電極パッド543に導線を接続する例を示したが、その接続方法としては、導線をワイヤボンディングにより接続する構成に限られず、例えばフレキシブル基板を接続する構成などとしてもよい。第二基板52に切欠部526が形成され、配線のための作業スペースを確保することができるため、どのような配線方法を用いたとしても、配線作業を効率よく実施することができる。
その他、本発明の実施の際の具体的な構造および手順は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造などに適宜変更できる。
1…測色モジュール、3…測色センサー、4…制御装置、5…波長可変干渉フィルターを構成するエタロン、6…波長可変干渉フィルターを構成する電圧制御手段、31…受光手段である受光素子、43…測色処理部、51…第一基板、52…第二基板、54…可変手段である静電アクチュエーター、56…固定ミラー、57…可動ミラー、513…接合面、513A,524A…外周接合領域、513B…第一引出部接合領域、524…接合面、524B…第二引出部接合領域、526…連通部を構成する切欠部、541…第一電極、541B…第一電極パッド、542…第二電極、542A…第二電極引出部、543…第二電極パッド、543A…第二パッド引出部、544…第一接合膜、545…第二接合膜、546…接合層を構成する第一接続接合部、547…接合層を構成する第二接続接合部。

Claims (4)

  1. 第一基板と、
    前記第一基板に対向配置され、前記第一基板に接合される第二基板と、
    前記第一基板に設けられた第一ミラーと、
    前記第二基板に設けられ、前記第一ミラーに対向配置された第二ミラーと、
    前記第一基板に設けられる第一電極、および前記第二基板において前記第一電極に対向して設けられる第二電極を有し、これらの前記第一電極および前記第二電極の間に所定の電圧を印加することで、前記第一ミラーと前記第二ミラーとの間の寸法を変化させる静電アクチュエーターと、
    前記第一基板の外周部に形成されるとともに、前記第一電極に電気的に接続される第一電極パッドと、
    前記第一基板の外周部に形成されるとともに、前記第一電極とは絶縁される第二電極パッドと、
    前記第一基板上に設けられるとともに、前記第一基板および前記第二基板を厚さ方向から見た平面視における前記第一基板および前記第二基板の外周部分に沿って設けられる外周接合領域に形成され、前記第二電極パッドに接続される導電性の第一接合膜と、
    前記第二基板上に設けられるとともに、前記外周接合領域に形成され、前記第二電極に接続される導電性の第二接合膜と、
    前記第一基板上に設けられるとともに、前記平面視において、前記第二電極パッドの外周縁から前記第一基板の内方向に向かって延びる導電性の第二パッド引出部と、
    第二基板上に設けられるとともに、前記平面視において、前記第二電極の外周縁から前記第二基板の外周方向に向かって延びる導電性の第二電極引出部と、
    前記第一基板および前記第二基板が対向する面に第一接合面と第二接合面を備え、前記第一接合面と前記第二接合面を接合する導電性の接合層と、
    を備え、
    前記接合層は、
    前記外周接合領域において、前記第一接合膜および前記第二接合膜が接合された第一接続接合部と、
    記第二パッド引出部および前記第二電極引出部が接合された第二接続接合部と、
    を備えたことを特徴とする波長可変干渉フィルター。
  2. 請求項1に記載の波長可変干渉フィルターにおいて、
    前記第二基板は、前記第一基板および前記第二基板を基板厚み方向から見た平面視において、前記第一電極パッドおよび前記第二電極パッドと重なる位置に、前記第二基板の前記第一基板に対向する面側の空間と、前記第一基板とは対向しない面側の空間とを連通する連通部を備えた
    ことを特徴とする波長可変干渉フィルター。
  3. 請求項1または請求項2に記載の波長可変干渉フィルターと、
    前記波長可変干渉フィルターを透過した検査対象光を受光する受光手段と、
    を備えることを特徴とする測色センサー。
  4. 請求項3に記載の測色センサーと、
    前記測色センサーの前記受光手段により受光された光に基づいて、測色処理を実施する測色処理部と、
    を具備したことを特徴とする測色モジュール。
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