JP5703243B2 - 光走査装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光走査装置及び画像形成装置に関し、特に、感光体に形成される潜像の画像の濃度変化を抑制する技術に関する。
従来から、画像形成装置に設けられた光走査装置において、光源から出射したレーザー光を回転多面鏡等によって感光体に向けて反射偏向させて、感光体の周面上を走査させることによって、感光体の周面上に潜像を形成する技術が知られている。このとき、感光体の周面に到達するまでに通過する集光レンズの端部と中央部の透過率の差等、光学素子の特性に起因して、レーザー光の光量が変動することが知られている。
そこで、例えば下記特許文献1等には、以下に示すように、レーザー光の光量を調整する技術が記載されている。まず、レーザーダイオード(光源)の発光を禁止する発光禁止状態となって、潜像の画像を表す画像信号や、レーザーダイオードを発光させる強制発光信号や、画像信号の入力許可信号等の各種入力を待つ状態となる。
次に、レーザーダイオードを強制発光する強制発光状態となって、レーザーダイオードから出射されるレーザー光の光量を光検出器によってモニターし、その光量が所望の光量になるように、DAコンバーターに入力するデータの適正値を見つける調整が行われる。このDAコンバーターは、DA(デジタルアナログ)変換した電圧を電流源回路に入力して、レーザーダイオードの駆動電流の制御を行うものである。
強制発光状態となってDAコンバーターの入力の適正値を見つけだした後は、反射偏向されたレーザー光が感光体から離間した位置で乱反射することによってその反射光が感光体に入射することを回避する等のため、再び発光禁止状態となり、レーザー光がドラム(感光体)の近くに反射偏向されるようになるのを待つ状態となる。
そして、再び強制発光状態となり、レーザー光が感光体近傍に設けられた光検出器(BDセンサー)の位置に到達すると、光検出器から受光を示す検出信号が出力される。この検出信号の出力時期に基づいて、感光体の周面の所定領域にレーザー光があたるように、画像信号の入力許可のタイミングが決定される。つまり、光検出器から検出信号が出力されると、再び発光禁止状態となり、画像信号の入力許可のタイミングになるまで発光を禁止する状態となる。
そして、画像信号の入力許可のタイミングになり、レーザー光が感光体の所定の走査領域に達するようになると、画像信号に応じてレーザー光のオン・オフが制御される。このようにしてレーザー光によって画像1行分の走査を終了すると、再び発光禁止状態となり、レーザー光がドラム(感光体)の近くに反射偏向されるようになるのを待つ状態となる。この繰り返しによって、感光体の周面に1行分ずつ潜像が形成される。
また、上記DAコンバーターを実現する技術としては、例えば下記特許文献2に、周波数を一定として、オン、オフのデューティー比を変化させるパルス幅変調(PWM)やパルスの発生回数を変化させるパルス密度変調(PDM)等のパルス変調された信号をローパスフィルターに通し、アナログ信号として出力する技術が記載されている。
特開2000−71514号公報 国際公開第2006/087870号
しかしながら、上記特許文献1及び2に記載の技術を適用した場合、レーザー光がBDセンサーの位置に到達して受光を示す検出信号が出力された時点から、レーザー光によって感光体の周面の走査を開始する時点までの短い期間、発光禁止状態となる。このため、レーザー光によって感光体の周面の走査を開始する時点で、DAコンバーターに備えられたローパスフィルターの時定数の大きさによっては、アナログ信号が安定して出力されていない虞がある。この場合、レーザー光の光量を適正な光量に遷移させている途中で走査を開始することとなり、これによって画像の描き出し位置で濃度変化を生じさせる虞があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、画像の描き出し位置で濃度変化を生じさせる虞を低減することができる光走査装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明に係る光走査装置は、感光体の表面をレーザー光によって繰り返し走査する光源部と、入力された光量設定値を示すようにパルス変調された変調信号を出力する変調信号出力部と、前記変調信号の高周波成分をカットしたアナログ信号を出力するローパスフィルターと、を備えたDAコンバーターと、前記レーザー光の走査領域内で前記レーザー光を前記感光体から予め定められた距離だけ離間した位置で受光し、その受光したことを示す検出信号を出力する光検出部と、前記検出信号が出力されたタイミングに基づいて、前記潜像に対応する画像データに応じて前記光源部に前記レーザー光を走査させるとともに、その走査時の前記レーザー光の光量を前記アナログ信号に応じて調節するレーザー制御部と、前記感光体の表面における前記画像データの1ライン分の前記レーザー光の走査領域を予め定められた複数の領域に分割し、その分割した各領域にそれぞれ対応付けて、前記レーザー光の走査位置が当該各領域に含まれるときに前記変調信号出力部に入力される前記光量設定値を記憶する光量設定値記憶部と、前記画像データの1ライン分の前記レーザー光の走査の終了後であって、次に前記検出信号が出力される前における、前記光源部に前記レーザー光の発光を禁止させる発光禁止状態になっている期間内の何れかの時点で、基準信号を出力する基準信号出力部と、前記基準信号が出力された時点から、前記レーザー制御部によって前記画像データの次の1ライン分の前記レーザー光の走査が開始されるまでの間、前記画像データの1ライン分の前記レーザー光の走査が開始される領域に対応付けて前記光量設定値記憶部に記憶されている前記光量設定値と同じ値に設定された強制発光値を前記光量設定値として前記変調信号出力部に入力する光量調整部と、を備える。
この構成によれば、光量調整部は、基準信号出力部から基準信号が出力された時点から、レーザー制御部によって次の1ライン分のレーザー光の走査が開始されるまでの間、変調信号出力部によって、強制発光値を示すようにパルス変調された変調信号をローパスフィルターに向けて出力させる。つまり、次の1ライン分のレーザー光の走査時に光検知部によって検出信号が出力される時点よりも前の時点から、強制発光値を示すようにパルス変調された変調信号がローパスフィルターに入力される。
このため、レーザー制御部によって次の1ライン分のレーザー光の走査が開始される時点では、ローパスフィルターから出力されるアナログ信号が安定するまでに必要な、ローパスフィルターの時定数の大きさに応じた時間が既に経過している可能性が高く、ローパスフィルターから出力されるアナログ信号は、強制発光値に対応するレベルで既に安定している可能性が高くなる。したがって、レーザー光の走査が開始される位置で、レーザー光の光量が安定している可能性が高まり、画像の描き出し位置で濃度変化を生じさせる虞が低減されるようになる。
また、1ライン分のレーザー光の走査の終了後、レーザー光の発光が禁止されている期間内に、強制発光値を示すようにパルス変調された変調信号をローパスフィルターに入力することができ、レーザー制御部によって次の1ライン分のレーザー光の走査が開始される時点までに、ローパスフィルターからの出力を安定させることができる可能性が高まる。したがって、次の1ライン分のレーザー光の走査が開始される位置で、レーザー光の光量が安定している可能性が高まり、画像の描き出し位置で濃度変化を生じさせる虞が低減されるようになる。
また、前記パルス変調はパルス密度変調であることが好ましい。
この構成によれば、光走査装置においてパルス密度変調方式のDAコンバーターを用いる場合に好適である。
また、本発明に係る画像形成装置は、前記光走査装置と、前記光走査装置の前記感光体に形成された前記潜像を用いて、前記潜像に対応する画像を前記用紙に形成する画像形成部を備える。
本発明によれば、画像の描き出し位置で濃度変化を生じさせる虞を低減することができる光走査装置及び画像形成装置を提供することが可能になる。
本発明に係る光走査装置を備えた画像形成装置の一例である複写機の概略構造図。 複写機の電気的構成の一例を示すブロック図。 光走査装置の構成の一例を説明するための説明図。 感光体ドラムの周面におけるレーザー光の走査位置を分割した各領域と光量設定値記憶部に記憶されている光量設定値との関係の一例を示す説明図。 感光体ドラムを走査するレーザー光の光量を調整する制御の一例を示すタイムチャート。
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係る光走査装置を備えた画像形成装置の一例である複写機の概略構造図である。図2は、図1に示す複写機1の電気的構成の一例を示すブロック図である。
図1に示すように、複写機1は、本体部8と、本体部8の左方に配設されたスタックトレイ3と、本体部8の上部に配設された原稿読取部5と、原稿読取部5の上方に配設された原稿給送部6と、本体部8の内部に配設された制御部10と、を備えている。
複写機1のフロント部には、操作パネル部47が備えられている。操作パネル部47は、表示部473と、操作キー部476とを備えている。表示部473は、例えばタッチパネル機能を有する液晶ディスプレイ等によって構成されている。操作キー部476は、例えばユーザーが印刷実行指示を入力するためのスタートキーや、印刷部数等を入力するためのテンキー等の各種キースイッチを備えている。
原稿読取部5は、露光ランプ511及びCCD(Charge Coupled Device)512等(図2)からなるスキャナー部51と、ガラス等の透明部材により構成された原稿台52及び原稿読取スリット53と、を備えている。
スキャナー部51は、図略の駆動部によって移動可能に構成され、原稿台52に載置された原稿を読み取るときは、原稿台52に対向する位置で原稿面に沿って移動され、原稿画像を走査しつつ取得した画像データを制御部10へ出力する。また、原稿給送部6により給送された原稿を読み取るときは、原稿読取スリット53と対向する位置に移動され、原稿読取スリット53を介して原稿給送部6による原稿の搬送動作と同期して原稿の画像を取得し、その画像データを制御部10へ出力する。
原稿給送部6は、原稿を載置するための原稿載置部61と、画像読み取り済みの原稿を排出するための原稿排出部62と、原稿載置部61に載置された原稿を1枚ずつ繰り出して原稿読取スリット53に対向する位置へ搬送し、原稿排出部62へ排出する原稿搬送機構63と、を備えている。
本体部8は、複数の給紙カセット461と、給紙カセット461から用紙を1枚ずつ繰り出して画像形成部40へ搬送する給紙ローラー412と、給紙カセット461から搬出されてきた用紙に画像を形成する画像形成部40と、画像が形成された用紙が排出される排出トレイ48と、装置全体の動作制御を司る制御部10と、を備えている。
画像形成部40は、用紙搬送部41と、光走査装置42と、感光体ドラム(感光体)43と、現像部44と、転写部45と、定着部46と、を備えている。
用紙搬送部41は、画像形成部40内の用紙搬送路中に設けられ、給紙ローラー412によって搬送されてきた用紙を感光体ドラム43に供給する搬送ローラー413や、用紙をスタックトレイ3まで搬送する搬送ローラー414や、用紙を排出トレイ48まで搬送する搬送ローラー415等を備えている。
光走査装置42は、制御部10による制御のもと、制御部10に入力された画像データに基づいてレーザー光を出力し、このレーザー光によって感光体ドラム43を走査することで、感光体ドラム43上に静電潜像を形成する。
現像部44は、感光体ドラム43上の静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成する。転写部45は、感光体ドラム43上のトナー像を用紙に転写する。定着部46は、トナー像が転写された用紙を加熱してトナー像を用紙に定着させる。
制御部10は、例えば、所定の演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)、所定の制御プログラムが記憶されたROM(Read Only Memory)、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)、画像処理等の所定の処理を高速処理可能に構成された専用ハードウェアであるASIC(Application Specific Integrated Circuits)、及び、これらの周辺回路等を備えている。
図2に示すように、制御部10には、原稿読取部5、画像形成部40、及び操作パネル部47が接続されている。制御部10は、ROM等に記憶された制御プログラムをCPUによって実行することによって、装置内の各部の動作を制御し、原稿画像の複写を実行する。
具体的には、制御部10は、原稿読取部5によって原稿から読み取られた画像データに応じたレーザー光の出力を光走査装置42に行わせることによって、感光体ドラム43上に潜像の形成を行わせた後、現像部44、転写部45、定着部46、及び用紙搬送部41を用いて用紙上に画像の形成を行わせる。
以下では、制御部10によって行われる制御のうち、感光体ドラム43を走査するレーザー光の光量を調整する制御について図3を用いて説明する。図3は、光走査装置42の構成の一例を説明するための説明図である。
図3に示すように、光走査装置42は、光源部29と、BD(Beam Detect)センサー(光検出部)21と、DA(Digital to Analog)コンバーター22と、レーザー制御部23と、を備えている。また、感光体ドラム43を走査するレーザー光の光量を調整する制御に関連して、制御部10は、特に、画像信号出力部11、光量設定値記憶部12、基準信号出力部13、及び光量調整部14として機能する。
光源部29は、レーザー光源91と、コリメータレンズ92と、プリズム93と、ポリゴンミラー94と、f−θレンズ95と、を備えている。
レーザー光源91は、後述のレーザー制御部23から供給される駆動電流に応じた光量のレーザー光を出力する。コリメータレンズ92は、レーザー光源91から出力されるレーザー光を集光する。プリズム93は、コリメータレンズ92を透過した光を平行光に変換し、ポリゴンミラー94に向けて放出する。ポリゴンミラー94は、入射光を感光体ドラム43に向けて反射させる反射面を複数有し、図略の駆動モーターの駆動力によって例えば図3の矢印方向に一定速度で回転する。f−θレンズ95は、ポリゴンミラー94により反射されたレーザー光を感光体ドラム43の周面上に所定の径を有するスポット状に結像し、感光体ドラム43の周面を、感光体ドラム43を回転可能に軸支する支持軸43aが延びる方向である主走査方向に等速度で走査させる。
BDセンサー21は、レーザー光の走査領域内であって、走査開始側の感光体ドラム43の端部から予め定められた距離だけ離間した位置、つまり、感光体ドラム43付近に設けられている。BDセンサー21は、レーザー光を受光すると、レーザー光を受光したことを示す検出信号BDを制御部10に向けて出力する。
DAコンバーター22は、変調信号出力部24とローパスフィルター25とを備え、レーザー光の光量を調整するためのアナログ信号CVAをレーザー制御部23に向けて出力する。
変調信号出力部24は、例えば、予め定められた一定の周期内に、後述の光量調整部14から入力された光量設定値DTYに対応する数のパルスを含むように変調された、所謂パルス密度変調(PDM)された変調信号PLSを出力する。
ローパスフィルター25は、変調信号出力部24から出力された変調信号PLSの高周波成分をカットすることによってアナログ信号CVAを生成し、当該生成したアナログ信号CVAをレーザー制御部23に向けて出力する。
レーザー制御部23は、DAコンバーター22から入力されたアナログ信号CVAの信号レベルに応じて、レーザー光源91に供給する駆動電流の大きさを調整する。つまり、この駆動電流の大きさの調整によって、レーザー光源91から出力されるレーザー光の光量が調整される。
また、レーザー制御部23は、後述の画像信号出力部11から入力される画像信号VSAに応じて、レーザー光源91に駆動電流を供給するか否かを切り替える。ここで、単位時間当たりにレーザー光源91に駆動電流が供給される期間が長い場合には、感光体ドラム43の周面に形成される潜像の画像の濃度は濃くなり、単位時間当たりにレーザー光源91に駆動電流が供給される期間が短い場合には、感光体ドラム43に形成される潜像の画像の濃度は薄くなる。このようにして、感光体ドラム43の周面に形成される潜像の画像の濃淡が調整される。
画像信号出力部11は、BDセンサー21から検出信号BDが入力されると、制御部10に入力された画像データのうちの1ライン分の画像データに基づいて、感光体ドラム43の周面におけるレーザー光の走査位置に応じて、その走査位置に形成する潜像の画像の濃淡を示すように、レーザー光源91に駆動電流を供給するか否かを調整した画像信号VSAをレーザー制御部23に向けて出力する。
光量設定値記憶部12は、例えばEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)等の不揮発性の記憶素子を用いて構成されている。感光体ドラム43の周面上を走査するときのレーザー光の光量は、f−θレンズ95に対する入射角やf−θレンズ95の厚み等の光学特性に起因して、走査位置に応じて異なる光量となることが知られている。
図4は、感光体ドラム43の周面におけるレーザー光の走査位置を分割した各領域A1〜A9と、光量設定値記憶部12に記憶されている光量設定値DTYとの関係の一例を示す説明図である。例えば、図4に示すように、光量設定値記憶部12には、感光体ドラム43の周面におけるレーザー光の走査位置を、主走査方向に並ぶ予め定められた数(図4では、9)の領域A1〜A9に分割しておき、その分割した各領域A1〜A9に対応付けて、レーザー光の光量を調整するための光量設定値DTYの値D1〜D9がそれぞれ記憶されている。尚、各領域A1〜A9に対応する光量設定値DTYの各値D1〜D9は、例えば複写機1の製品出荷前の試験運転等による、f−θレンズ95の光学特性の実測値に基づいて決定される。
基準信号出力部13は、BDセンサー21から検出信号BDが出力された時点から、レーザー制御部23によって、画像データの1ライン分のレーザー光の走査が終了する時点までの経過時間よりも長い基準時間dTが、検出信号BDが出力された時点から経過した時点で、基準信号BSを出力する。
光量調整部14は、基準信号BSが出力された時点から、レーザー制御部23によって次の1ライン分のレーザー光の走査が開始されるまでの間、予め定められた強制発光値D0を光量設定値DTYとして変調信号出力部24に入力して、その入力した光量設定値DTYを示すようにパルス変調された変調信号PLSをローパスフィルター25に向けて出力させる。
以下では、感光体ドラム43を走査するレーザー光の光量を調整する制御について、図5を用いて詳述する。図5は、感光体ドラム43を走査するレーザー光の光量を調整する制御の一例を示すタイムチャートである。
時刻t0において、制御部10によって光走査装置42を用いた感光体ドラム43の周面への潜像の形成動作が開始されると、基準信号出力部13は、初期化処理として、パルス信号である基準信号BSを出力する。
これに合わせて、光量調整部14は、基準信号BSが出力された時刻t0から、レーザー制御部23によって次の1ライン分のレーザー光の走査が開始される後述の時刻t2までの間、強制発光値D0を光量設定値DTYとして変調信号出力部24に入力して、その入力した光量設定値DTYを示すようにパルス変調された変調信号PLSをローパスフィルター25に向けて出力させる。尚、強制発光値D0は、例えば図4に示すように、感光体ドラム43の周面においてレーザー光の走査を開始する領域A1に対応付けられた光量設定値DTYの値D1と同じ値に設定され、光量設定値記憶部12に記憶されている。これによって、ローパスフィルター25から出力されるアナログ信号CVAは、時刻t0以降、ローパスフィルター25の時定数に応じて次第に信号レベルが増加する。
また、画像信号出力部11は、時刻t0から、レーザー光源91に駆動電流を供給することを示すハイレベルの画像信号VSAの出力を開始する。これによって、光走査装置42は、レーザー制御部23が画像信号出力部11から入力される画像信号VSAに応じてレーザー光源91に駆動電流を供給し続ける状態である、強制発光状態となる。尚、このとき、レーザー光源91から出力されるレーザー光の光量は、アナログ信号CVAの変化に応じて、強制発光値D0に対応する光量まで次第に増加する。
そして、時刻t1において、BDセンサー21によってレーザー光を受光したことを示す検出信号BDが出力されると、画像信号出力部11は、レーザー光が感光体ドラム43の周面における所定の走査開始位置まで到達するまでの間、乱反射した光が感光体ドラム43に入射することを回避するために、画像信号VSAの信号レベルをレーザー光源91に駆動電流を供給しないことを示すローレベルに切り替える。これによって、時刻t1から、光走査装置42は、レーザー制御部23が画像信号出力部11から入力される画像信号VSAに応じてレーザー光源91に駆動電流を供給しない状態である、発光禁止状態となる。尚、ローパスフィルター25からのアナログ信号CVAの出力は継続して行われる。
そして、時刻t2において、画像信号出力部11は、検出信号BDが入力された時刻t1から時刻t2までの所定時間(第一経過時間)Tw1が経過することによって、レーザー光が感光体ドラム43の周面における所定の走査開始位置にまで到達したと判断すると、1ライン目の画像データに対応する画像信号VSAの出力を開始する。尚、所定時間Tw1は、試験運転等の実験値に基づいて、BDセンサー21の配置位置から、感光体ドラム43の周面における潜像の形成開始位置まで、レーザー光を走査させるのに必要な時間に予め定められている。
また、これに合わせて、光量調整部14は、時刻t2から、レーザー光の走査位置が光量設定値記憶部12に記憶されている感光体ドラム43の周面の各走査領域A1〜A9の何れに含まれているかに応じて、その各走査領域A1〜A9に対応付けられた光量設定値DTYの値D1〜D9を変調信号出力部24に入力する。これによって、変調信号出力部24は、入力された光量設定値DTYを示すようにパルス変調した変調信号PLSをローパスフィルター25に向けて出力する。
そして、時刻t2から所定時間(第二経過時間)Tw2が経過した時刻t3において、画像信号出力部11は、1ライン目の画像データに対応する画像信号VSAの出力を終了すると、再び画像信号VSAの信号レベルをローレベルに切り替える。これによって、光走査装置42は、再び発光禁止状態となる。尚、所定時間Tw2は、試験運転等の実験値に基づいて、感光体ドラム43の周面において1ライン分の潜像が形成される所定領域の走査方向の長さだけ、レーザー光を走査させるのに必要な時間に予め定められている。
これに合わせて、光量調整部14は、光量設定値DTYの値をゼロ(0)にして変調信号出力部24に入力し、常時ローレベルを示す変調信号PLSをローパスフィルター25に向けて出力させる。これによって、ローパスフィルター25から出力されるアナログ信号CVAは、ローパスフィルター25の時定数に応じて次第に信号レベルが減少する。
そして、BDセンサー21から検出信号BDが出力された時点である時刻t1から、レーザー制御部23によって1ライン分のレーザー光の走査が終了する時点である時刻t3までの経過時間よりも長い基準時間dTが経過し、時刻t4になると、基準信号出力部13は基準信号BSを出力する。
これに合わせて、光量調整部14は、時刻t0と同様に、基準信号BSが出力された時刻t4から、レーザー制御部23によって次の1ライン分のレーザー光の走査が開始される後述の時刻t8までの間、強制発光値D0を光量設定値DTYとして変調信号出力部24に入力して、その入力した光量設定値DTYを示すようにパルス変調された変調信号PLSをローパスフィルター25に向けて出力させる。これによって、ローパスフィルター25から出力されるアナログ信号CVAは、時刻t4以降、ローパスフィルター25の時定数に応じて次第に信号レベルが増加する。そして、時刻t4から時間Twcが経過した時刻t5において信号レベルが安定するようになる。
そして、レーザー光がBDセンサー21の配置位置で受光されるタイミングの直前の時刻t6になると、画像信号出力部11は、時刻t0と同様に、ハイレベルの画像信号VSAの出力を開始する。これによって、光走査装置42は再び強制発光状態となる。尚、このとき、レーザー光源91から出力されるレーザー光の光量は、時刻t5で既に強制発光値D0に対応する光量に安定している可能性が高い。
そして、時刻t7において、BDセンサー21によってレーザー光を受光したことを示す検出信号BDが出力されると、画像信号出力部11は、時刻t1と同様に、レーザー光が感光体ドラム43の周面における所定の走査開始位置まで到達するまでの間、画像信号VSAの信号レベルをローレベルに切り替える。これによって、光走査装置42は再び発光禁止状態となる。尚、ローパスフィルター25からのアナログ信号CVAの出力は継続して行われる。
そして、時刻t8において、画像信号出力部11は、検出信号BDが入力された時刻t7から時刻t8までの所定時間Tw1が経過することによって、レーザー光が感光体ドラム43の周面における所定の走査開始位置にまで到達したと判断すると、時刻t2と同様に、2ライン目の画像データに対応する画像信号VSAの出力を開始する。
また、これに合わせて、光量調整部14は、時刻t8から、時刻t2と同様に、レーザー光の走査位置が光量設定値記憶部12に記憶されている感光体ドラム43の周面の各走査領域A1〜A9の何れに含まれているかに応じて、その各走査領域A1〜A9に対応付けられた光量設定値DTYの値D1〜D9を変調信号出力部24に入力する。これによって、変調信号出力部24は、入力された光量設定値DTYを示すようにパルス変調した変調信号PLSをローパスフィルター25に向けて出力する。
そして、時刻t8から所定時間Tw2が経過した時刻t9において、画像信号出力部11は、2ライン目の画像データに対応する画像信号VSAの出力を終了すると、再び画像信号VSAの信号レベルをローレベルに切り替える。これによって、光走査装置42は、再び発光禁止状態となる。
これに合わせて、光量調整部14は、光量設定値DTYの値をゼロ(0)にして変調信号出力部24に入力し、常時ローレベルを示す変調信号PLSをローパスフィルター25に向けて出力させる。これによって、ローパスフィルター25から出力されるアナログ信号CVAは、ローパスフィルター25の時定数に応じて次第に信号レベルが減少する。
そして、BDセンサー21から検出信号BDが出力された時点である時刻t7から、基準時間dTが経過した時点である時刻t10になると、基準信号出力部13は、時刻t4と同様に、再び基準信号BSを出力する。
これに合わせて、光量調整部14は、基準信号BSが出力された時刻t10から、時刻t4と同様に、レーザー制御部23によって次の3ライン目の画像データに対応するレーザー光の走査が開始される時刻t14までの間、強制発光値D0を光量設定値DTYとして変調信号出力部24に入力して、その入力した光量設定値DTYを示すようにパルス変調された変調信号PLSをローパスフィルター25に向けて出力させる。これによって、ローパスフィルター25から出力されるアナログ信号CVAは、時刻t10以降、ローパスフィルター25の時定数に応じて次第に信号レベルが増加する。そして、時刻t10から時間Twcが経過した時刻t11において信号レベルが安定するようになる。
そして、レーザー光がBDセンサー21の配置位置で受光されるタイミングの直前の時刻t12になると、これ以降、画像データ全ライン分の走査が完了するまでの間、画像データの1ライン分のレーザー光の走査を行う度に、時刻t6から時刻t11までと同様の処理が、繰り返し行われる。
このように、光走査装置42、画像信号出力部11、光量設定値記憶部12、基準信号出力部13、及び光量調整部14によって、本発明に係る光走査装置の一例が構成されている。
この構成によれば、光量調整部14は、基準信号出力部13から基準信号BSが出力された時点(時刻t4(t10))から、レーザー制御部23によって次の1ライン分のレーザー光の走査が開始される(時刻t8(t14))までの間、変調信号出力部24によって、強制発光値D0を示すようにパルス変調された変調信号PLSをローパスフィルター25に向けて出力させる。つまり、次の1ライン分のレーザー光の走査時にBDセンサー21によって検出信号BDが出力される時点(時刻t7(t13))よりも前の時点から、強制発光値D0を示すようにパルス変調された変調信号PLSがローパスフィルター25に入力される。
このため、レーザー制御部23によって次の1ライン分のレーザー光の走査が開始される時点(時刻t7(t13))では、ローパスフィルター25から出力されるアナログ信号CVAが安定するまでに必要な、ローパスフィルター25の時定数の大きさに応じた時間が既に経過している可能性が高く、ローパスフィルター25から出力されるアナログ信号CVAは、強制発光値D0に対応するレベルで既に安定している可能性が高くなる。したがって、レーザー光の走査が開始される位置で、レーザー光の光量が安定している可能性が高まり、画像の描き出し位置で濃度変化を生じさせる虞が低減されるようになる。
また、例えば、上記特許文献1に記載の技術のように、BDセンサー21で検出信号BDが出力された時点(時刻t7(t13))から、光走査装置42を強制発光状態にした場合には、アナログ信号CVAの信号レベルが安定するまでの間に、次の1ライン分のレーザー光の走査が開始される時点(時刻t8(t14))になる虞があり、これによって、画像の描き出し位置で濃度変化を生じさせる虞があった。
しかし、上記実施形態の構成によれば、基準時間dTが、基準信号BSが出力された時点(時刻t1(t7))から、1ライン分のレーザー光の走査の終了後であって次の1ライン分のレーザー光の走査が開始される前における発光禁止状態になっている期間(時刻t3〜t6(t9〜t12))内の何れかの時点(時刻t4(t10))までの経過時間に定められているため、発光禁止状態になっている期間内に、基準信号出力部13から基準信号BSが出力される。
このため、1ライン分のレーザー光の走査の終了後、レーザー光の発光が禁止されている期間内に、強制発光値D0を示すようにパルス変調された変調信号PLSをローパスフィルター25に入力することができ、レーザー制御部23によって次の1ライン分のレーザー光の走査が開始される時点(時刻t8(t14))までに、ローパスフィルター25からの出力を安定させることができる可能性が高まる。したがって、次の1ライン分のレーザー光の走査が開始される位置で、レーザー光の光量が安定している可能性が高まり、画像の描き出し位置で濃度変化を生じさせる虞が低減されるようになる。
尚、上記時刻t1から時刻t7及び時刻t7から時刻t13の時間間隔、つまり、BDセンサー21から検出信号BDが出力される時間間隔Tcycは、画像データ1ライン分の走査周期(ライン周期)として、試験運転等の実験値に基づいて予め定めることができる。また、時刻t4から時刻t5までの経過時間の最大値及び時刻t10から時刻t11までの経過時間の最大値(最大遅延時間)Twcは、ローパスフィルター25から出力されるアナログ信号CVAが、0のレベルから強制発光値D0に対応する信号レベルで安定するまでに要する遅延時間として、試験運転等の実験値に基づいて予め定めることができる。
そこで、このようにして予め定めたライン周期Tcycと最大遅延時間Twcと、BDセンサー21の配置位置から、感光体ドラム43の周面における潜像の形成開始位置まで、レーザー光を走査させるのに必要な時間として予め定められた上記の所定時間Tw1と、感光体ドラム43の周面において1ライン分の潜像が形成される所定領域の走査方向の長さだけ、レーザー光を走査させるのに必要な時間に予め定められた上記の所定時間Tw2とを用いて、次式を満たすように基準時間dTを定めてもよい。
(Tw1+Tw2)< dT < (Tcyc + Tw1 − Twc)
このように基準時間dTを定めることによって、検出信号BDが出力された時点から、所定時間Tw1と所定時間Tw2とを加算した時間よりも長い時間が経過した時点、つまり、画像データの1ライン分の走査が終了した時点以降に、基準信号出力部13から基準信号BSが出力される。且つ、ライン周期Tcycと所定時間Tw1とを加算した時間から最大遅延時間Twcを減算した時間よりも短い時間が検出信号BDが出力された時点から経過した時点、つまり、次の1ライン分の走査が開始される時点よりも最大遅延時間Twc以上前の時点で、基準信号出力部13から基準信号BSが出力される。
このため、レーザー制御部23によって次の1ライン分のレーザー光の走査が開始される時点で、ローパスフィルター25から出力されるアナログ信号CVAを確実に安定させることができる。つまり、次の1ライン分のレーザー光の走査が開始される位置で、レーザー光の光量を確実に安定させて、画像の描き出し位置で濃度変化を生じさせる虞を回避することができる。
尚、本発明は上記実施の形態の構成に限られず種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、本発明に係る光走査装置を備えた画像形成装置を複写機1に適用する例について説明したが、これに限らず、カラー画像形成用のカラープリンターや、スキャナー装置、ファクシミリ装置、プリンター装置及びコピー装置に適用してもよい。
また、上記実施形態において図1乃至図5に示した構成及び数値例は単なる一例に過ぎず、本発明を当該実施形態に限定する趣旨ではない。例えば、変調信号出力部24は、パルス密度変調(PDM)された変調信号PLSを出力する構成に限らず、予め定められた一定の周波数で、光量調整部14から入力された光量設定値DTYの大きさに応じてパルス信号のハイレベル、ローレベル(オン、オフ)のデューティー比を変化させるように変調した、所謂パルス幅変調(PWM)した変調信号を出力するように構成してもよい。
1 複写機(画像形成装置)
10 制御部
11 画像信号出力部
12 光量設定値記憶部
13 基準信号出力部
14 光量調整部
21 BDセンサー
22 DAコンバーター
23 レーザー制御部
24 変調信号出力部
25 ローパスフィルター
29 光源部
40 画像形成部
42 光走査装置
43 感光体ドラム
47 操作パネル部
5 原稿読取部
91 レーザー光源
92 コリメータレンズ
93 プリズム
94 ポリゴンミラー
95 f−θレンズ
D0 強制発光値
BD 検出信号
BS 基準信号
CVA アナログ信号
DTY 光量設定値
PLS 変調信号
Tcyc ライン周期
Tw1 第一経過時間
Tw2 第二経過時間
Twc 最大遅延時間
VSA 画像信号

Claims (3)

  1. 感光体の表面をレーザー光によって繰り返し走査する光源部と、
    入力された光量設定値を示すようにパルス変調された変調信号を出力する変調信号出力部と、前記変調信号の高周波成分をカットしたアナログ信号を出力するローパスフィルターと、を備えたDAコンバーターと、
    前記レーザー光の走査領域内で前記レーザー光を前記感光体から予め定められた距離だけ離間した位置で受光し、その受光したことを示す検出信号を出力する光検出部と、
    前記検出信号が出力されたタイミングに基づいて、前記潜像に対応する画像データに応じて前記光源部に前記レーザー光を走査させるとともに、その走査時の前記レーザー光の光量を前記アナログ信号に応じて調節するレーザー制御部と、
    前記感光体の表面における前記画像データの1ライン分の前記レーザー光の走査領域を予め定められた複数の領域に分割し、その分割した各領域にそれぞれ対応付けて、前記レーザー光の走査位置が当該各領域に含まれるときに前記変調信号出力部に入力される前記光量設定値を記憶する光量設定値記憶部と、
    前記画像データの1ライン分の前記レーザー光の走査の終了後であって、次に前記検出信号が出力される前における、前記光源部に前記レーザー光の発光を禁止させる発光禁止状態になっている期間内の何れかの時点で、基準信号を出力する基準信号出力部と、
    前記基準信号が出力された時点から、前記レーザー制御部によって前記画像データの次の1ライン分の前記レーザー光の走査が開始されるまでの間、前記画像データの1ライン分の前記レーザー光の走査が開始される領域に対応付けて前記光量設定値記憶部に記憶されている前記光量設定値と同じ値に設定された強制発光値を前記光量設定値として前記変調信号出力部に入力する光量調整部と、
    を備える光走査装置。
  2. 前記パルス変調はパルス密度変調である請求項1に記載の光走査装置。
  3. 請求項1又は2に記載の前記光走査装置と、
    前記光走査装置の前記感光体に形成された前記潜像を用いて、前記潜像に対応する画像を前記用紙に形成する画像形成部を備える画像形成装置。
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