JP5702202B2 - 触覚センサ及び情報ボード並びにタッチパネル - Google Patents

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本発明は、X,Y,Z軸方向に抵抗を有する感圧抵抗シートと、感圧抵抗シートの厚み方向の表裏各面にそれぞれドットスペーサを介して設けた電極シートと、を備えた触覚センサ及び情報ボード並びにタッチパネルに係り、X,Y,Z軸方向の感圧能力を低下させることなく、全体の透過率、感圧抵抗シートに塗布する導電剤の種類や量、電極シートの種類など、の自由度を向上させて用途の拡大を図ると共に、Z軸方向の押圧量検知のための適度な強度の向上させて自然で正確な押圧量検知を図るための技術に関する。
例えば、下記の特許文献1に記載された触覚センサは、X軸方向とY軸方向の抵抗値と共に、そのZ軸方向(厚み方向)への押圧量に応じた抵抗値をも検知すべく、感圧抵抗シートと、該感圧抵抗シートを厚み方向の両側から挟むように配置され、該感圧抵抗シートに向かった面に導電性を有する一対の導電性シート(以下、電極シートと記す)、を備えた構成とされている。
また、下記の特許文献2では、本出願人等が上記の感圧抵抗シートを考察及び改良して、これを、昨今の黒板に代わってボード上に様々なデータを映写しつつ該ボード上で使用する例えば電子ペン、指、指し棒など接触させた部位を指示する指示体の操作に伴った電気的変化を検知し、この検知結果を映写するデータに反映させる、いわゆる電子黒板と称される情報ボードについて出願している。
特許第3727642号公報 特願2010−37727
特許文献1の触覚センサにおける上記感圧抵抗シートは、具体的には、カーボンを混入させたポリエチレンフィルムを採用することが記載されている。また、特許文献1において、感圧抵抗シートは(Z軸方向も含めて)X,Y軸方向にも所定の抵抗値が得られるならば、シリコンゴムと金属又はカーボン粒子からなる複合材料を用いたり、その他材料を使用しても構わないと記載されている。
また、特許文献1において、電極シートは、PET(PolyEthyleneTerephthalate)表面にアルミが蒸着されたアルミPET、PI(PolyImide)に導電膜を張ったフレキシブルプリント基板などを使用することが記載されている。さらに、特許文献1の触覚センサは、応用装置として、例えばロボット、介護用の椅子やベッドなどが挙げられている。
特許文献2の情報ボードは、情報生成手段と接続され、特許文献1の触覚センサを改良して採用して、指示体の操作に伴う、X,Y,Z軸方向の抵抗値を検知し、これら検知した抵抗値のデータを該情報生成手段に対して出力する構成となっている。
すなわち特許文献2の情報ボードは、特許文献1の触覚センサについてセンサ機能のみならず、表示機能をも要求される点、つまり該特許文献2で目的とする背面照射型の情報ボードで透過性が高いと見る側からはまぶしく、また、透過性が低いと見る側では見にくい点を解消すべく、感圧抵抗シートの透過率を20〜70%とし、この感圧抵抗シートの両面に各々ドットスペーサを介して透明の電極シートを積層することとしている。
しかしながら、特許文献1,2においては、それらの用途において感圧抵抗シート及び該感圧抵抗シートを構成する材料について、透明性(ここで言う透明とは特許文献2のような透過性の高低ではなく単純に無色透明であるか否かを意味する)を問題としてなく、かつ、Z軸の押圧量検知のための適度な強度について問題としていなかった。
したがって、特許文献1,2における触覚センサは、まず、透明性を要する、例えば裏面側の表示に併せて指示体を3次元操作する例えばタッチパネルに、例えば特許文献1,2の触覚センサ構成を適用したとすると、裏面側の表示を良好に透過するための配慮がないので見にくく、用途として使用不可能となる。
また、仮に特許文献1,2の触覚センサ構成において透明性を確保し得る材料を採用して3次元操作するタッチパネルとしたとしても、Z軸の押圧量検知のための適度な強度ではない場合、つまり押圧量検知に寄与しない撓みが生じる場合、弱く押圧しても強く押圧したと検知(誤検知)したり、あるいは強く押圧しても既に必要以上に撓んでしまって抵抗値が変動せず誤検知となる場合、がある。
さらに、上記において、Z軸方向の押圧量検知に寄与しない撓みによる誤検知を防止すべく、できるだけ撓まない構成とすると、今度は逆にかなり大きな押圧力に対してのみ押圧量を検知する(極端な例では小さい押圧力ではその押圧量を検知しない)という不具合が生じ、この場合も正確で自然な押圧量の検知ができない。
本願が解決しようとする問題は、従来の特許文献1,2の触覚センサ構成では、透過性が考慮されていないので触覚センサの裏面側の表示が見にくい点、及びZ軸の押圧量検知のための適度な強度の考慮がないために(Z軸方向の)正確で自然な押圧量の検知ができない点、である。
上記問題を解決するために、本発明の触覚センサは、X,Y,Z軸方向に抵抗を有する感圧抵抗シートと、この感圧抵抗シートのZ軸方向の抵抗に対して電流を流すべく該感圧抵抗シートの厚み方向の表裏各面にそれぞれドットスペーサを介して設けた電極シートと、前記感圧抵抗シートのX,Y軸方向に電流を流すべく該感圧抵抗シートの周縁部に設けた電極部と、を備えた指示体のX,Y,Z軸方向の操作に伴う抵抗値を検知する触覚センサであって、前記感圧抵抗シートは、透明フィルムに表裏を貫通する複数の孔を形成し、さらに該透明フィルムの表裏面に前記孔を充填した導電層を設けたことを最大の特徴とする。
また、本発明の情報ボードは、指示体のX,Y,Z軸方向の操作に伴う抵抗値を検知すると共に、見者側と反対側に配置された映写手段からの出力光が映写されるリアプロジェクション用の情報ボードとして、本発明の触覚センサを用い、かつ該触覚センサ全体としての透過率を20〜70%としたものである。
さらに、本発明のタッチパネルは、見者側と反対側に配置された表示手段からの表示に対応して指示体をX,Y,Z軸方向に操作するタッチパネルとして、本発明の触覚センサを用い、かつ該触覚センサ全体としての、JIS K7105:1981の測定方法に基づく全光線透過率(%)すなわち透過率を70〜90%としたものである。
本発明の触覚センサは、感圧抵抗シートを構成する材料として透明フィルムを採用しているから、基本的に透明性を確保することができ、よって、例えば透明であることが逆に障害となるリアプロジェクション用の情報ボードに用途として使用する場合は透過率を調整することができ、一方、透明でなければならないタッチパネルに用途として使用する場合は他部材も透明のものを採用して使用することができる。
また、本発明の触覚センサは、感圧抵抗シートを構成する透明フィルムの表裏を貫通する複数の孔を形成しているので、この孔の径やピッチを面積に応じて調整することで、透明フィルムの強度を一定に保つことができる。つまり、用途上の面積が大きい場合に、その面積中央部位で過剰に撓んだり、逆に撓まなかったりすることがなく、自然で正確な押圧量検知が実現する。
図1は、本発明の触覚センサを採用した本発明の情報ボードシステムの概略構成図である。 図2は、本発明の触覚センサの概略構成図である。
本発明の触覚センサ及び情報ボード並びにタッチパネルは、以下の形態で実施可能である。なお、本例においては、触覚センサを情報ボード、及び情報ボードシステムに用いた例にて説明する。
図1に示すように情報ボードシステム1は、指示体PのX,Y,Z軸方向の操作に伴う抵抗値を検知すると共に、後側(見者側と反対側)に配置された映写手段2からの出力光が映写される情報ボード3と、映写手段2と情報ボード3とに接続され、情報ボード3から出力される指示体のX,Y,Z軸方向の操作に伴う抵抗値に基づいて映写手段2へ出力する映写用データに変換して出力光の情報を生成する情報生成手段4と、を備えている。
ここで、指示体Pは、例えば指や指し棒でもよく、また、情報生成手段4に接続されて該情報生成手段4と協働する何らかの機能を有する電子ペンでもよい。すなわち、情報ボード3は、それ自体にX,Y,Z軸方向の抵抗値を検知する構成とされているから、指示体Pとしては該情報ボードに接触させて操作するものであれば何でも採用できる。
映写手段2は、本例ではリアプロジェクション用の、つまり出力光を左右反転させずにそのまま正投影するものが用いられる。これに対して通常の(情報ボードの前側に配置する)プロジェクターは、予め出力光を左右反転させるものが用いられる。
情報生成手段4は、本例では、パーソナルコンピュータを想定している。この情報生成手段4から映写手段2へは、パーソナルコンピュータの付属モニタに出力される信号が別ラインで出力される。一方、情報ボード3から情報生成手段4へは、パーソナルコンピュータの付属入力デバイスの代わりとして該情報ボード3上の指示体Pの操作に伴う抵抗値という電気信号が入力される。
情報ボード3には、本発明の触覚センサ11が用いられている。図2に示すように、この触覚センサ11は、指示体PのX,Y,Z軸方向の操作に伴う抵抗値を検知するために、X,Y,Z軸方向に抵抗を有する感圧抵抗シート11Aと、この感圧抵抗シート11AのZ軸方向の抵抗に対して電流を流すべく該感圧抵抗シートの厚み方向の表裏各面にそれぞれドットスペーサSを介して設けた電極シート11Bと、感圧抵抗シートのX,Y軸方向に電流を流すべく該感圧抵抗シートの周縁部に設けた電極部(不図示)と、を備えている。
本発明の触覚センサ11における感圧抵抗シート11Aは、透明かつ特定の破断強度がある透明フィルム材料が採用され、この透明フィルムに表裏を貫通する複数の孔11aを形成し、さらに該透明フィルムの表裏面に孔11aを充填した導電層を設けている。導電層は、具体的には、例えば本例においては、用途に応じた導電剤を孔11aに含浸させつつ表裏に塗布して形成している。
感圧抵抗シート11Aの透明フィルムとしては、上記のとおり透明で特定の破断強度がある、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、アクリル、トリアセチルセルロース、ポリフェニレンスルファイド、ポリエーテル・エーテル・ケトンが採用される。
透明フィルムに上記条件を設ける理由は、本発明の触覚センサ11は、透明であることとZ軸方向のある程度のしなりを維持しつつ過剰な撓みのないこと、の両者を目的としているからであり、例えば布材料等であると強度が低く(いわゆる、こしが無い状態)、導電剤の塗布条件によってさらにその強度が変動する可能性がある。
また、布材料等は、液体を含浸するので、例えば高湿度条件下での使用で、強度が変動したり、この強度の変動により抵抗値の感圧検知能が変動する可能性がある。
さらに、感圧抵抗シート11Aの強度は、次の透明フィルムについて諸条件を適性範囲内で変更することで、幅広い用途に採用できる。すなわち、透明フィルムそのものの物性については、ASTMD882−64Tの測定方法に基づく破断強度が50〜300MPa、より好ましくは100〜300MPaのものを採用すればよい。なお、上記の例示材料は、いずれもこの破断強度の条件範囲内のものである。ちなみに低密度ポリエチレンは20MPaである。
透明でそのままである程度の強度が保たれていて、そのうえで液体が含浸しないことを条件を満たす透明フィルムの、破断強度が50MPaより低いと、強度を満たさず、過剰な撓みが生じて誤動作が発生する可能性があり、一方、破断強度が300MPaより高いと、後述の孔11aの微細孔加工精度の確保が困難となるほか、大きなZ軸方向の押圧力でしか反応しなくなる可能性がある。
また、透明フィルムの厚みは、30〜200μm、好ましくは50〜150μmが良い。厚みが30μmより薄いと、感圧抵抗シート11Aの強度が低下して過剰な撓みが生じる可能性があり、一方、200μmより厚いと、強度が高く、つまりこしが有りすぎて押圧に対する感度(感圧検知能)低下を招く可能性があると共に、透明フィルム自体の色によって透明性が損なわれる可能性がある。
さらに、透明フィルムに設ける孔11aは、例えばマイクロドリル又はレーザー加工によって形成する。そして、この孔11aの径は、10〜100μm、好ましくは30〜70μmが良い。この理由は、孔11aの径が、10μmより小さいと、塗布する導電剤を含浸させにくくなり感圧検知能が低下する可能性があり、100μmより大きいと、孔11aの存在が目視でき、この場合は模様として認識されてしまう点で透明性が損なわれ、また、この孔11aの部分的な強度が低下して他との不均衡が生じることとなり、孔11aの部位とそうでない部位との感圧検知能の差が生じる。
透明フィルムに設ける孔11aのピッチは、1〜30mm、好ましくは5〜15mmが良い。この理由は、孔11aのピッチが1mmより小さいと、孔11aの存在が模様として認識されてしまう点で透明性が損なわれ、一方、孔11aのピッチが30mmより大きいと、孔11aの存在しない部分の強度が高くなって他との不均衡が生じることとなり、孔11aの部位とそうでない部位との感圧検知能の差が生じる。
感圧抵抗シート11Aの孔11aに含浸させつつ表裏に塗布する導電剤としては、例えばカーボンナノチューブ、銀ナノワイヤー、酸化インジウムスズ、酸化亜鉛、インジウムガリウム酸化亜鉛、グラファイト、グラフェン、ポリエチレンジオキシチオフェン等の導電性ポリマーが採用できる。ここで、本発明の触覚センサ11の特徴として、上記のように感圧抵抗シート11Aにおける透明フィルムが、基本的に無色透明であることから、この導電剤を用途や感圧検知能に応じて幅広く適用できる点にある。
例えば、導電剤は、上記の銀ナノワイヤーの場合はウェット3〜30g/m2 (固形分1wt%)、カーボンナノチューブの場合はウエット9〜20g/m2 (固形分1wt%)の範囲といったように調整する。この塗布条件は、導電剤の塗布量が範囲未満であれば導電性が低くなることに起因した押圧検知能の低下、範囲を超えると透明性が損なわれる、点に着目して決定する。
導電剤は、ウエット(例えばウエットの15g/m2 の場合はドライのおよそ0.15g/m2 に相当)で、グラビア、メイヤバー、スロットダイなどにより、孔11aに十分に導電剤が含浸するように両面に塗布する。
感圧抵抗シート11Aの両面に各々ドットスペーサSを介して積層された一対の電極シート11B,11Bは、本例の場合、透明としており、感圧抵抗シート11Aの厚み方向の表裏各面に、ドットスペーサSを介してそれぞれ設けられ、感圧抵抗シート11AのZ軸方向の抵抗に対して電流を流す電極として機能させる。
電極シート11B,11Bは、例えば本例では、基材となるポリエステルフィルム(透明=透過率90%以上)に格子状の金属パターンを設けて導電性を持たせたものを採用する。また、電極シート11B,11Bは、上記の構成の他、基材をポリエチレンテレフタレート、ポリフェニルスルファイド、ポリエーテル・エーテル・ケトンとして、この基材に格子状パターンの導電膜を設けたフレキシブルプリント基板を採用してもよい。
ドットスペーサSは、情報ボード3における前側の電極シート11Bから押圧がかからないとき、電極シート11B,11B間を絶縁状態にするためのものであり、例えば数ミリから数十ミクロンの球状の樹脂でなり、電極シート11B,11Bの面に対して均一的に配置されて設けられる。
そして、触覚センサ11において感圧抵抗シート11Aに電気的特性を持たせるための概略構成は次のとおりである。感圧抵抗シート11Aの周辺部には、X方向に電流を流すための対をなす第1電極部と、Y方向に電流を流すための対をなす第2電極部とが設けられる。また、感圧抵抗シート11Aの4隅部には、A電極とB電極とC電極とD電極とがそれぞれ設けられる。
対をなすうちの、一方の第1電極部はA電極とC電極とで構成され、他方の第1電極部がB電極とD電極とで構成される。また、対をなすうちの、一方の第2電極部が、A電極とB電極とで構成され、他方の第2電極部が、C電極とD電極とで構成されている。
上記構成の情報ボード3による指示体Pの操作に伴う抵抗値の検知原理については、特許文献1に詳細に説明されているので(本発明では、電気的特性に関しては特許文献1と同様であると共に電気的特性に関する点を特徴としていないので)割愛し、以下に本発明の触覚センサ11の適性強度について及び用途例について説明し、本発明の触覚センサ11の実施例はさらに後述する。
例えば、本例における感圧抵抗シート11Aにおいて、XY方向の抵抗値が200〜数十kΩの抵抗値、厚さ方向(Z軸方向)の抵抗値は強い圧力(指圧500g)がかかったときには抵抗値が低く(200Ω)なり、弱い圧力(指圧50g)がかかったときには抵抗値が高く(2000Ω)なるように設定していたとする。
そして、Z軸方向の抵抗値を、抵抗膜を透明金属格子電極で上下にはさみ、指先で500g及び50gの加重をかけたときの透明金属格子電極間の抵抗値を測定した際において、感圧抵抗シート11Aの透明フィルムの強度が過剰に弱い、つまり撓みが生じるあるいは予めそのようにこしの無い材料で作成されていた場合は、指圧50gで押圧しても抵抗値が低く(強い押圧力の場合の抵抗値)が検知されることがある。
一方、上記の逆で感圧抵抗シート11Aの透明フィルムの強度として過剰に高い(撓まない)材料で作成していた場合は、指圧500gの強い圧力で押圧しても抵抗値が高く(弱い押圧力の場合の抵抗値)が検知されることがある。
すなわち、感圧抵抗シート11Aの強度を適正にしておかなければ誤検知が生じる可能性があり、Z軸方向の押圧量検知のための適度な強度の向上させて自然で正確な押圧量検知できないのである。
したがって、本発明の触覚センサ11は、感圧抵抗シート11に透明フィルムを採用して、(透明でも不透明でも適用可能なように)まず透明性を確保し、そのうえでに表裏を貫通する複数の孔を形成し、さらに導電塗剤を前記孔に含浸させつつ表裏面に塗布することで、透明性の調整を変更し得る構成とすると共に、これら複数の孔でもって強度を適性に調整し得る構成としているのである。
このことから、本発明の触覚センサ11は、感圧抵抗シート11Aが非浸透性であるため、厚みを制御しやすいと共に透明性を維持しながら(場合によっては透明性も制御しつつ)感圧性を持たせることが可能であり、かつ、基本的に感圧抵抗シート11Aの材料(透明フィルム)が透明であることから、予め透過率の制約に余裕が生じ、よって導電剤の種類や塗布量の自由度が高く、したがって、用途が幅広くなるという利点がある。
この本発明の触覚センサ11の適用例として図1に示す情報ボードシステム1及び情報ボード3は、例えば、指示体Pとして指で強く押して操作した部分は、該情報ボード3において高い抵抗値が検知され、情報生成手段4でその抵抗値を太い線で表示する情報の信号に変換すると共に情報生成手段4にて用意した例えば画像のデータを映写手段2に出力し、情報ボード3の後側に配置した映写手段2から出力光が映写される。
本発明の触覚センサ11は、情報ボードシステム1及び情報ボード3に用いる際には、触覚センサ11全体としての透過率を20〜70%とすればよい。この理由は、透過率が20%より低いと、情報ボード3としての全体の透過率が低くなる可能性があり、映写手段2からの出力光が遮られ、映写された像の明るさが暗く、使用環境が明るい部屋などであると前側の見者や筆者が映写された像を認識しにくくなり、一方、透過率が70%より高いと、光源としての映写手段2の出力光が見えるだけとなり、まぶしくかつ映写された像の全体が認識しにくくなる。
こうすることで、例え見者が映写手段2の光源と、情報ボード3を介して一直線上にあっても、本発明の情報ボード3であれば、まぶしいことはなく、また、該情報ボード3が全体的に明るいので表示された像を明確に見ることができる。筆者もまた同様に、見者より映写手段2に近い位置にあってもまぶしいことはなく、明確に像が表示されているから、操作が確実に行える。
また、本発明の触覚センサ11を採用することで、上記透過率20〜70%を満たすようにする構成には、制約が無くなり、例えば電極シート11Bでもって透過率の条件を満たすようにしてもよいし、あるいは感圧抵抗シート11Aについて孔11aの孔径やピッチ、導電剤の塗布厚などでもって、感圧検知能と強度とのバランスを考慮してこれらを調整して満たすようにしてもよい。さらには、情報ボード3自体の構成に別途スクリーンを該情報ボード3の裏面側(映写手段2側)に設ける、貼着する、などして透過率20〜70%を満たすようにしてもよい。
さらに、本発明の触覚センサ11は、図示しないが、例えば3次元型のタッチパネルとして使用することもできる。この場合、触覚センサ11は限りなく透明(透過率が70〜90%)であることが望ましい。この理由は、当然、タッチパネルとした場合の触覚センサ11の裏面側の表示装置の表示が透過率70%より低いと見にくくなるからであり、一方、透過率90%を超える条件は、現時点では達成困難であると共に原材料的に限界があり、達成しようとすると非常にコスト高となる。
このようにすることで、従来の2次元型のタッチパネルで操作できなかった例えば押圧力の情報も検知できるから(この点は情報ボード3でも同様)、Z軸方向の押圧量検知のための適度な強度の向上させて自然で正確な押圧量検知を図ることができ、例えば筆圧に応じて色が濃くなったり、線が太くなったり、といった表示バリエーションを設けることができる。
以下に、本発明の触覚センサ11の具体的構成と動作試験結果について説明する。動作試験は、実施例1,2、比較例1,2、の各感圧抵抗シート構成において、以下の方法によって、Z軸方向の押圧量検知のための適度な強度の向上させて自然で正確な押圧量検知ができたか否かについての検査である。
評価方法は、各感圧抵抗シートに50g及び500gの荷重をかけて、sanwa製の「DIGITAL MULTIMETER PC520M」を用いて抵抗値を測定し、この結果が、50gの荷重をかけた際に測定された抵抗値が2000Ω±10%の範囲内でかつ500gの荷重をかけた際に測定された抵抗値が200Ω±10%の範囲内であれば「○」とし、前記両者の抵抗値の範囲がどちらか一方でも外れる場合は「×」とした。
感圧抵抗シート11Aは、厚み100μmで破断強度が220MPaのポリエチレンテレフタレートでなる透明フィルムに、孔径50μm、ピッチ10mmで等間隔に複数の孔11aを形成し、この透明フィルムに、カーボンナノチューブが1wt%の水分散塗剤を、ウエット15g/m2 にて孔11aに含浸させつつ表裏両面に塗布して作成した。
上記感圧抵抗シート11Aの表裏面に、液体吐出装置により6×4mmのピッチにて、径100μmの硬化型アクリル樹脂でなるドットスペーサーSを設けて、メッシュライン幅12μmm、メッシュピッチ250μm、バイアス角度45度の銅エッチングメッシュした電極シート11B,11Bを、導電側が内側となるように(感圧抵抗シート11Aに面するように)ドットスペーサーSを介して感圧抵抗シート11Aの表裏面に設けた。
上記実施例1の構成において、感圧抵抗シート11Aの透明フィルムとして、厚み100μmで破断強度が220MPaのポリエチレンテレフタレートを用い、上記と同じ孔径、ピッチにて複数の孔11aを形成し、この透明フィルムに、上記のカーボンナノチューブに代えて銀ナノワイヤーをウエット15g/m2 にて孔11aに含浸させつつ表裏両面に塗布して感圧抵抗シート11Aを作成した。その他は上記実施例1と同じ構成である。
(比較例1)
厚み100μmで破断強度が20MPaのポリエチレンにカーボンを混入させて感圧抵抗シート11Aとした(孔11aは形成していない)。その他は上記実施例1と同じ構成である。
(比較例2)
厚み80μmのポリエステル生地に、カーボンナノチューブが1wt%の水分散塗剤を、ウエット15g/m2 にて塗布(含浸)することにより、感圧抵抗シートとした(孔11aは形成していない)。その他は上記実施例1と同じ構成である。
評価結果は次のとおりである。実施例1,2は、単位面積当たりの荷重(押圧力)に対して、中央部、面の端部、において、共に設定荷重に対して抵抗値の範囲内となった(「○」)。一方、比較例1,2は、単位面積当たりの荷重(押圧力)に対して、中央部、面の端部、において設定荷重に対して抵抗値の範囲外となることがあった(「×」)。
ちなみに、比較例1は透明ではないので、当然に3次元型のタッチパネルへの転用、及び背面照射型の情報ボードへの転用ができず、一方、比較例2は上記条件での塗布量では透過率20〜70%の範囲内となるので3次元型のタッチパネルへの転用は無理があるが、上記の押圧力のばらつきを無視すれば情報ボードへの転用は可能であった。
1 情報ボードシステム
2 映写手段
3 情報ボード
4 情報生成手段
11 触覚センサ
11A 感圧抵抗シート
11B 電極シート
S ドットスペーサ
P 指示体

Claims (4)

  1. X,Y,Z軸方向に抵抗を有する感圧抵抗シートと、この感圧抵抗シートのZ軸方向の抵抗に対して電流を流すべく該感圧抵抗シートの厚み方向の表裏各面にそれぞれドットスペーサを介して設けた電極シートと、前記感圧抵抗シートのX,Y軸方向に電流を流すべく該感圧抵抗シートの周縁部に設けた電極部と、を備えた指示体のX,Y,Z軸方向の操作に伴う抵抗値を検知する触覚センサであって、前記感圧抵抗シートは、透明フィルムに表裏を貫通する複数の孔を形成し、さらに該透明フィルムの表裏面に前記孔を充填した導電層を設けたことを特徴とする触覚センサ。
  2. 感圧抵抗シートにおける透明フィルムの破断強度が50〜300MPaであることを特徴とする請求項1記載の触覚センサ。
  3. 指示体のX,Y,Z軸方向の操作に伴う抵抗値を検知すると共に、見者側と反対側に配置された映写手段からの出力光が映写されるリアプロジェクション用の情報ボードにおいて、請求項1又は請求項2の触覚センサを用い、かつ該触覚センサ全体としての光透過率を20〜70%としたことを特徴とする情報ボード。
  4. 見者側と反対側に配置された表示手段からの表示に対応して指示体をX,Y,Z軸方向に操作するタッチパネルにおいて、請求項1又は請求項2の触覚センサを用い、かつ該触覚センサ全体としての透過率を70〜90%としたことを特徴とするタッチパネル。
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