JP5701359B2 - 光干渉断層撮影装置及び画像処理方法 - Google Patents

光干渉断層撮影装置及び画像処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、光干渉断層撮影装置及び画像処理方法に関し、特に断層画像の表示に関するものである。
現在、多波長光波干渉を利用した光コヒーレンストモグラフィ(OCT:Optical Coherence Tomography)による光干渉断層撮影装置が、例えば内視鏡での内蔵情報や、眼科装置での網膜の情報を得るために人体に対する適用分野を広げつつある。眼に適用した光干渉断層撮影装置は眼科用機器として網膜の専門外来では必要不可欠な装置になりつつある。
このような光干渉断層撮影装置とは、低コヒーレント光である測定光を、サンプルに照射し、そのサンプルからの後方散乱光を、干渉系を用いることで測定することを可能にした装置である。そして、眼に適用した場合には、測定光を被検眼上で走査することにより被検眼の断層画像を高解像度に撮像することが可能であることから、網膜の眼科診断等において広く利用されている。
しかしながら、光干渉断層撮影装置では測定対象の構造に起因する散乱光同士の干渉によって生じるスペックルノイズが生じる。また、光量を負荷低減のために抑えることで生じる検出器(ラインセンサ、又はフォトダイオード)の感度に依存したノイズが発生する場合がある。
そのため、特許文献1に示すように被検眼の同一部位を複数回走査し、その結果得られた複数の断層画像同士の位置合わせを行った後に加算平均することで、断層画像の画質を上げる技術が開示されている。
また、特許文献2に記載の光干渉断層撮影装置では隣接する複数の断層画像同士を位置合わせ後に合成することで、断層画像の画質を上げる技術が開示されている。
このように、光干渉断層撮影装置において高品質な断層画像を得るためには、例えば得られた複数枚の断層画像を位置合わせし、合成することでノイズを低減する処理が重要となる。
特開2010−110392号広報 特開2008−237238号広報
しかしながら、
前述した光干渉断層撮影装置では複数の断層画像同士の位置合わせと合成処理後に断層画像を表示するよう構成されている。そのため、検者は位置合わせと合成処理が完了するまで断層画像を参照することができず、撮影後すぐに撮影の成否を判断することが難しい。
また、被検眼を走査して撮像する場合に、被検眼の同一箇所を複数回走査して断層画像を加算してスペックルノイズ、ランダムノイズ等を低減する場合と、あるいは、被検眼の撮像箇所を移動させながら断層撮像を撮像する場合がある。さらに、同一箇所を複数回走査して、被検眼の撮像箇所を移動させながら断層撮像を撮像する場合がある。
しかしながら、撮像方法によって撮影の正否を確認する画像を変更できない問題があった。
本発明は上記課題に鑑み、断層画像の撮影成否を容易に確認することができる光干渉断層撮影装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、
被測定物体に照射された光の戻り光と参照光を干渉させた干渉光に基づいて前記被測定物の複数の断層画像を生成する生成手段と、
前記生成手段で生成された複数の断層画像を合成して合成画像を生成する画像処理手段と、
前記合成画像を表示手段に表示する表示制御手段とを有し、
前記表示制御手段は、前記表示手段に表示された合成画像を、前記画像処理手段により新たな合成画像が生成される毎に更新することを特徴とする。
本発明によれば、撮影の成否を容易に判断することができる。
光干渉断層撮影装置の一例を示す図である。 画像処理装置の一例を示す図である。 断層画像を表示するときの動作の一例を表すフローチャートである。 初期の断層画像の表示例を示す図である。 基準断層画像の表示例を示す図である。 一部合成済みの断層画像の表示例を示す図である。 合成済みの断層画像の表示例を示す図である。 網膜層の説明図である。 断層画像同士の縦横方向における比較を示す図である。 断層画像同士の回転方向における比較を示す図である。
[実施の形態1]
本発明の好適な実施形態について説明する。図1は本実施形態は眼の眼底、角膜、内視鏡に適応するのに適した光干渉断層撮影装置の一例を示す図である。特に、眼底像に適応した場合について説明する。
100は光干渉部であり、近赤外光を発光する低コヒーレンス光源である光源101を有する。光源101から発光した光は、光ファイバ102aを伝搬し、光分岐部103で測定光と参照光に分岐される。光分岐部103により分岐された測定光は、光ファイバ102bに入射され、走査光学系200に導かれる。一方、光分岐部103により分岐された参照光は、光ファイバ102cに入射され、反射ミラー113へ導かれる。
光ファイバ102cに入射した参照光はファイバ端から射出され、コリメート光学系111を介して、分散補償光学系112に入射し、反射ミラー113へと導かれる。反射ミラー113で反射した参照光は、逆の光路をたどり再び光ファイバ102cに入射する。分散補償光学系112は、走査光学系200及び被測定物体である被検眼Eにおける光学系の分散を補正するものである。反射ミラー113は、図示しない光路長制御部114によって光軸方向に駆動可能なように構成されており、参照光の光路長を、測定光の光路長に対して相対的に変化させることができる。一方、光ファイバ102bに入射した測定光はファイバ端より射出される。これらの光源101、光路長制御部114は図示しない制御部130の制御下で制御される。
次に走査光学系200について説明する。走査光学系200は被検眼Eに対して相対的に移動可能なように構成された光学系である。走査光学系の図示しない駆動制御部205は、被検眼Eの眼軸に対して上下左右方向に走査光学系200を駆動可能なように構成されている。なお、例えば、内視鏡の場合にはファイバースコープの先端部に走査光学系200を設けるように構成する。
そして、光ファイバ102bのファイバ端より射出した光は、光学系202により略平行化され、走査部203へ入射する。走査部203は、ミラー面を回転可能なガルバノミラーを2つ有し、一方は水平方向に光を変更し、他方は垂直方向に光を偏光し、駆動制御部205の制御下で入射した光を偏光する。これにより、走査部203は、紙面内の主走査方向と紙面垂直方向の副走査方向の2方向に走査することができる。走査部203により走査された光は、レンズ204を経由して被検眼Eの網膜Er上に、照明スポットを形成する。走査部203により面内偏向をうけると各照明スポットは網膜Er上を移動する。この照明スポット位置における反射光が逆光路をたどり光ファイバ102bに入射して、光分岐部103まで戻ることになる。
以上の様に、反射ミラー113で反射された参照光、及び被検眼網膜Erから反射された測定光は戻り光として光分岐部103に戻され光干渉を発生させる。相互に干渉した光は光ファイバ102dを通過し、レンズ122に射出された干渉光は、略平行化され、回折格子123に入射する。回折格子123には周期構造があり、入力した干渉光を分光する。分光された干渉光は、合焦状態を変更可能な結像レンズ124によりラインセンサ125に結像される。ラインセンサ125は画像処理装置300に接続されている。
図2は画像装置300について説明する図である。
図2に示すように、画像装置300は、生成手段としての生成部301を備えている。本実施例は、フーリエドメイン方式を用いた光干渉断層撮影装置であり、ラインセンサ125の出力データを生成部301でフーリエ変換することで網膜の断層画像を生成する。また、生成部301は、表示制御手段としての表示制御部310に接続されており、生成された断層画像の表示が可能なように構成されている。
また、画像装置300は生成された断層画像の画質を評価して選択する選択手段としての選択部302を備えている。生成部301で生成された断層画像の輝度値に基づき、断層画像の画質の評価値を算出することが可能である。さらに、選択部302は算出した評価値に基づいて基準断層画像を決定し、表示制御部310を介して基準断層画像を表示手段としてのモニタ320に表示可能なように構成されている。
位置合わせ手段としての位置合わせ部303は基準断層画像と任意の断層画像との間の位置関係を検出可能であり、位置合わせした断層画像を画像処理手段としての画像処理部304へ出力する。
画像処理部304は、生成部301で生成された断層画像のノイズを低減する処理をする。または、コントラストを上げる処理をする。本実施形態の一例では、複数の断層画像を加算平均し、画質を上げた断層画像を生成する。ここで、画質を上げるとは画像のノイズを低減するか、画像のコントラストを上げることでS/N比を上げることを意味している。また、合画像処理部304は表示制御部310に接続されており、合成された断層画像をモニタ320に表示可能なように構成されている。なお、画像処理部304ではこのような処理に限らず、断層画像に対してノイズ低減やコントラストの向上を施す他の処理をしてもよい。例えば、断層画像の高周波成分の振幅を増幅する鮮鋭化処理や孤立陰影を除くノイズ低減処理など施してもよい。
表示制御部310はモニタ320に接続され、前記処理部から入力された任意の断層画像を表示することが可能である。このように、光干渉断層撮影装置は、光干渉部100、走査光学系200、画像処理装置300で構成され、各構成の制御は制御部130の制御下で行われる。この制御部130は、図示しないCPU140で構成され制御プログラム150を図示しないRAM160に展開することで動作を実行する。また、光干渉部100、走査光学系200、画像処理装置300にそれぞれにCPU、GPU等で構成された制御部を構成し、個別のプログラムで制御するように構成してもよい。
また、画像処理装置300の各部の少なくとも一部は、独立した装置として実現してもよい。または、夫々1つもしくは複数のコンピュータにインストールし、コンピュータのCPU330(図示しない)により実行することで、その機能を実現するソフトウェアとして実現してもよい。本実施例では、各部は、それぞれソフトウェアにより実現され、同一のコンピュータにインストールされているものとする。
CPU330は、RAM3302(図示しない)やROM3303(図示しない)に格納されたプログラムやデータを用いてコンピュータ全体の制御を行う。また、各部の夫々におけるソフトウェアの実行を制御して、各部の機能を実現する。
RAM3302は、記憶媒体ドライブ3308からロードされたプログラムやデータを一時的に記憶するエリアを備えると共に、CPU2330が各種の処理を行うために必要とするワークエリアを備える。
ROM3303は、一般にコンピュータのプログラムや設定データなどが格納されている。
また、画像処理装置300は画像処理ボードで電気回路として構成することもできる。
この光干渉断層撮影装置において、被検眼眼底の複数枚の断層画像を撮影するための制御部130の制御方法について述べる。
まず、検者は本実施例に基づく光干渉断層撮影装置の前に患者を着座させ、OCT撮影を開始する。光源101から射出した光は、光ファイバ102aを通過し光分岐部103にて被検眼に向かう測定光と参照ミラー113に向かう参照光に分けられる。
被検眼に向かう測定光は光ファイバ102bを通過しファイバ端から射出され、光学系202により略平行化され、走査部203へ入射する。走査部203はガルバノミラーを有し、該ミラーにより偏向された測定光は光学系204を経由して被検眼眼底を照射する。そして被検眼で反射した反射光は逆の経路をたどって光分岐部103へと戻される。
一方、参照ミラーに向かう参照光は光ファイバ102cを通過しファイバ端から射出され、コリメート光学系111及び分散補償光学系112を通して参照ミラー113に到達する。参照ミラー113で反射された参照光は逆の経路をたどって光分岐部103へと戻される。
光分岐部103に戻ってきた測定光と参照光は相互に干渉し、干渉光となって光ファイバ102dへと入射し、光学系122により略平行化され回折格子123に入射する。回折格子123に入力された干渉光は結像レンズ124によってラインセンサ125に結像し、被検眼眼底上の一点における干渉信号を得ることができる。
ラインセンサ125で取得された干渉信号は画像処理装置300に出力され、生成部301にて波数変換と高速フーリエ変換(FFT)処理が行われ、被検眼眼底上の一点における深さ方向の断層画像として可視化される。
被検眼眼底上の一点における断層画像を取得した後、走査部203はガルバノミラーを駆動し、被検眼眼底上の別の一点の干渉光を発生させる。該別の一点の干渉光はラインセンサ125を経由し、被検眼眼底上の別の一点における深さ方向の断層画像として形成される。この走査部203によるガルバノミラーの駆動を連続して行うことにより、被検眼眼底の一枚の断層画像を生成することができる。
また、被検眼の同一箇所を複数回走査して同一箇所の断層画像を取得する第一のモードと、被検眼の走査位置を移動させ複数箇所の断層画像を撮像する第二のモードと、さらに、同一箇所を複数回走査すると共に被検眼の走査位置を移動させ複数箇所の断層画像を撮像する第三のモードがある。眼は微動やシフトしており厳密な意味で同一箇所を撮像できないため、被検眼の同一箇所を複数回走査するとはガルバノミラーの走査軌道を同一にして複数回走査することを意味している。
以下は第一のモードの例について説明する。
走査部203は一枚の被検眼断層画像を生成した後、同一の走査軌道で複数の断層画像を生成する。このため、眼底上のほぼ同じ位置での走査を繰り返す。この複数回の走査により、生成部301は、被検眼眼底のほぼ同一部位における複数枚の断層画像を生成することができる。
次に、本実施例の光干渉断層撮影装置において、複数の断層画像の位置合わせと合成処理が完了する前に合成完了前の断層画像を表示するための手順について、図3に基づいて説明する。
生成部301は、ステップS101にて被検眼眼底の最初の断層画像を生成した後、生成された断層画像を表示制御部310へと出力する。表示制御部310は入力された断層画像をモニタ320上に表示する(ステップS102)。
図4に示すように、モニタ320に表示される最初の断層画像321はノイズが多くコントラストも明瞭でない場合が多い。しかしながら、最初の断層画像321は、撮影部位や画像上での網膜の位置関係を確認するという目的において十分な画質であることも少なくない。そのため、検者はステップS102において最初の断層画像321が表示された時点である程度撮影の成否を判断することが可能である。
そして、ガルバノミラー203を同一の軌跡で複数回走査することで被検眼眼底のほぼ同一部位における複数枚の断層画像を得るための干渉光を得る。そして、生成部301は被検眼眼底のほぼ同一部位における複数枚の断層画像を生成する(ステップS103)。生成部301によって生成された複数の被検眼断層画像は、位置合わせに必要となる基準画像を決定するために選択部302に出力される。
選択部302は、断層画像の各画素の輝度値を基に、入力された全ての断層画像について各々の断層画像の画質を評価する評価値を算出する(ステップS104)。評価値の算出方法としては、断層画像を構成する全画素を輝度値毎に分類(ヒストグラムの算出)し、所定範囲の輝度値を持つ画素の数をカウントすることで評価値を算出する方法などが用いられる。本手法は、網膜を構成する各層が断層画像上で一定の輝度範囲に集中するという特性を利用したものであり、求められた指標の大小により断層画像の画質を評価することができる。
また、上記では断層画像の輝度範囲に基づく評価値の算出手法を例示したが、他の手法を用いて評価値を求めることも可能である。例えば、断層画像の輝度値に基づいてコントラスト比を算出しそれを品質指標としても良いし、断層画像の輝度値に基づいて信号対ノイズ(S/N)比を算出しそれを評価値としても良い。
選択部302は、各断層画像の評価値を算出した後、それらの断層画像の中から最も高い画質を示す断層画像を特定し、その断層画像を位置合わせのための基準断層画像として選択する(ステップS105)。また、選択部302は選択された基準断層画像を表示制御部310へと出力する。表示制御部310は入力された基準断層画像をモニタ320上に表示する(ステップS106)。
図5に示すように、モニタ320に表示される基準断層画像322のノイズ量は最初の断層画像321と同等であるが、コントラストは最初の断層画像321よりも明瞭である。撮影の成否を判断する上で、基準断層画像322は最初の断層画像321よりも適切である。しかしながら、基準断層画像322の表示処理に要する時間の分だけ最終的な合成断層画像の表示までの時間が延びてしまう可能性がある。そのため、表示制御部310は本基準断層画像322の表示(ステップS106)を省略しても良い。
第一のモードでは常に同一箇所の断層画像が表示されるため、最初の断層画像321を表示した後に、基準断層画像322を表示することが好ましい。一方、第三のモードでは、走査位置の異なる多くの断層画像が表示されるため基準断層画像322を出すとかえって確認の邪魔になる場合がある。そのため、第三のモードでは基準断層画像322の表示を省略することが好ましい。
また、撮影者は、最初に撮像された断層画像321を表示した後に基準断層画像322を表示するモードと、最初に撮像された断層画像321表示した後に基準断層画像322を表示しないモードを選択することができる。
最後に、選択部302は、選択された基準断層画像322と、基準断層画像以外の全ての断層画像を位置合わせ部303に出力する。
位置合わせ部303は、入力された基準断層画像322とそれ以外の断層画像との間の位置関係を得るため、各断層画像322上で網膜層の位置と形状の検出処理を実行する。まず初めに、位置合わせ部303は基準断層画像322について、その断層画像上でのILM(内境界膜)とRPE(網膜色素上皮)の形状と位置を検出する(ステップS107)。
図8に示すようにILMとは網膜の最上部に位置する、硝子体と網膜の境界である。一般に、網膜の光反射率は硝子体よりも高いため、光干渉断層撮影装置における網膜の光干渉信号強度は硝子体のそれよりも大きな値を示す。そのため、光干渉断層撮影装置で撮影された断層画像は、硝子体と網膜の境界であるILMにおいて、大きく輝度が変化する。位置合わせ部303は、この輝度情報の変化を検出することでILMの形状と位置を特定することが可能である。
一方、図8に示すようにRPEとは目の網膜と脈絡膜の境界に位置する上皮細胞の層であり、光干渉断層撮影装置で撮影された断層画像においては、最も高輝度な値を示す層として知られている。位置ずれ検出部303は、この高輝度な画像情報に基づいてILMと同様にRPEの形状と位置を検出することが可能である。
次に、位置合わせ部303は、入力された基準断層画像322以外の断層画像について、基準断層画像322と同様にILMとRPEの形状と位置を検出する(ステップS108)。
そしてILM及びRPE層の形状と位置が検出された断層画像は、位置合わせ部303によって基準断層画像322との位置関係(位置ずれ量)が算定される(ステップS109)。例えば、図9に示すように、基準画像322と対象断層画像のILM及びRPEの形状と位置を比較することで、対象断層画像が基準断層画像322に対して縦横方向にどの程度ずれているか(x及びy)を求めることができる。また、図10に示すように、基準画像322と対象断層画像のILM及びRPEの傾きを比較することで、対象断層画像が基準断層画像322に対して回転方向にどの程度ずれているか(r)を求めることもできる。
この様にして求められた縦横方向の位置ずれ量と、回転方向の位置ずれ量からそれぞれの断層画像は位置合わせがされ画像処理部304へと出力される。
なお本実施例では、ILM及びRPEの形状と位置を検出することで断層画像間の位置ずれ量を求めているが、ILM及びRPM以外の網膜層または層境界を検出し、それらの形状と位置に基づいて断層画像間の位置ずれ量を求めても良い。また、網膜同士の形状と位置を比較するのではなく、断層画像の輝度値同士を比較して位置ずれ量を求めても良い。例えば、断層画像間の輝度値の差を算出し、その差が最も小さくなる位置を探索することで断層画像間の位置ずれ量を求めることもできる。
画像処理部304は、位置合わせされた複数の断層画像同士を加算平均処理する(ステップS110)。加算平均処理とは断層画像の輝度値同士を足し合わせ、足し合わせた結果を足し合わせに用いた断層画像の数で割り、その結果を新たな断層画像の輝度値とする一般的な平均化処理である。本実施例ではこの加算平均処理によって断層画像の合成を行っているが、他の手法を用いて断層画像同士の合成処理を行っても良い。例えば、メディアン(中央値)フィルタを用いて、複数の断層画像同士を合成することも可能である。
以上ステップS108からステップS110までの処理によって、基準断層画像322と一枚の断層画像との合成処理が完了する。そして画像処理部304は、まだ合成されていない断層画像が存在しているかどうかの判断を行う(ステップS111)。
未合成の断層画像が残されている場合、画像処理部304はその時点で既に合成済みの断層画像(一部合成済みの断層画像)を表示制御部310へと出力し、表示制御部310は入力された一部合成済みの断層画像をモニタ320上に表示する(ステップS112)。図6に示すように、モニタ320に表示される一部合成済みの断層画像323のノイズ量は最初の断層画像321及び基準断層画像322よりも少なく、コントラストも明瞭である。
撮影の成否を判断する上で、一部合成済みの断層画像323は最初の断層画像321及び基準断層画像322よりも適切である。しかしながら、一部合成済みの断層画像323の表示処理に要する時間の分だけ最終的な合成断層画像の表示までの時間が延びてしまう可能性がある。そのため、表示制御部310は一部合成済みの断層画像323の表示(ステップS112)を省略しても良い。
第一のモードでは、一部合成済みの断層画像323を表示する。第三のモードでは、走査している箇所が変更するため多くの画像をだすとかえって確認の邪魔になる場合があり、合成が完了した断層画像しか表示しない。
また、撮影者は、一部合成済みの断層画像323を表示するモードと、合成が完了した断層画像のみを表示するモードを選択することができる。
一部合成済みの断層画像323の表示を終えたあと、画像処理部304は次の断層画像との合成を行うため、一部合成済みの断層画像323を基準画像322に設定(ステップS113)し、ステップS108からステップS111に至る一連の処理を繰り返す。以上の処理を繰り返すことで、モニタ320には最新の一部合成済み断層画像323が順次表示されることになる。
そして、全ての断層画像の合成が完了した後、画像処理部304は合成済みの断層画像を表示制御部310へと出力する。表示制御部310は図7に示すように入力された合成済みの断層画像324をモニタ320上に表示する(ステップS114)。
モニタ320上に順次に画像が表示される例を説明したが、モニタ320上に複数の画像を表示するようにしてもよい。また、他のモニタを用意し、各モニタに異なる画像を表示するように構成してもよい。複数の画像を表示する場合には、画像間の比較が容易になる。
第二のモードでは生成部301で生成された断層画像の合成処理に際して、時間的に前後に撮像された断層画像を画像処理部304は加算処理する。この場合の基準断層画像は加算の対象となる断層画像である。また、表示制御部310を介してモニタ320に表示される生成部301で生成された断層画像は撮像された順に表示される。画像処理部304で画像処理された断層画像は、生成部301で生成された断層画像と交互にモニタ320に表示される。
さらに第二、第三のモードでは、選択部302で最初に撮像された断層画像と最後に撮像された断層画像を選択するように構成し、選択部302で選択された断層画像も合わせてモニタ320に表示するようにする構成することもできる。眼は湾曲しており、撮影の正否を最初に撮像された断層画像と最後に撮像された断層画像を表示することで判断が容易になるためである。
以上述べたように、本実施例の光干渉断層撮影装置では断層画像の画像処理中に撮影の成否を判断可能な断層画像を表示することが可能な様に構成されている。そのため、撮影後すぐに撮影の成否を判断することが可能である。さらに、時間の経過とともに画質の向上した画像で撮影の成否を判断することも可能である。
(その他の実施例)
以上、実施形態を詳述したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能である。具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用してもよいし、また、一つの機器からなる装置に適用してもよい。
尚、本発明は、ソフトウェアのプログラムをシステム或いは装置に直接或いは遠隔から供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータが該供給されたプログラムコードを読み出して実行することによって前述した実施形態の機能が達成される場合を含む。
従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であってもよい。
コンピュータプログラムを供給するためのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体としては以下が挙げられる。例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM、DVD−R)などである。
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続し、該ホームページから本発明のコンピュータプログラムをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることが挙げられる。この場合、ダウンロードされるプログラムは、圧縮され自動インストール機能を含むファイルであってもよい。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布するという形態をとることもできる。この場合、所定の条件をクリアしたユーザに、インターネットを介してホームページから暗号を解く鍵情報をダウンロードさせ、その鍵情報を使用して暗号化されたプログラムを実行し、プログラムをコンピュータにインストールさせるようにもできる。
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される他、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどとの協働で実施形態の機能が実現されてもよい。この場合、OSなどが、実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される。
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれて前述の実施形態の機能の一部或いは全てが実現されてもよい。この場合、機能拡張ボードや機能拡張ユニットにプログラムが書き込まれた後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行う。
100 光干渉部
101 光源
200 走査光学系
300 画像処理装置
301 生成部
302 選択出部
303 位置合わせ部
304 画像処理部
310 表示制御部
320 モニタ

Claims (5)

  1. 被測定物体に照射された光の戻り光と参照光を干渉させた干渉光に基づいて前記被測定物の複数の断層画像を生成する生成手段と、
    前記生成手段で生成された複数の断層画像を合成して合成画像を生成する画像処理手段と、
    前記合成画像を表示手段に表示する表示制御手段とを有し、
    前記表示制御手段は、前記表示手段に表示された合成画像を、前記画像処理手段により新たな合成画像が生成される毎に更新することを特徴とする光干渉断層撮影装置。
  2. 記生成手段で生成された複数の断層画像の画質を評価する評価手段と、
    前記評価手段の評価に基づき、合成画像を生成する際の位置合わせの基準となる基準画像を選択する選択手段とを更に有し、
    前記画像処理手段は、前記基準画像を位置合わせの基準として複数の断層画像を合成することを特徴とする請求項1に記載の光干渉断層撮影装置。
  3. 記生成手段で生成された複数の断層画像の画質を評価する評価手段と、
    前記評価手段の評価に基づき、表示する断層画像を選択する選択手段とを更に有し、
    前記表示制御手段は、前記選択された断層画像を前記表示手段に表示した後に、生成される合成画像で表示を更新することを特徴とする請求項1に記載の光干渉断層撮影装置。
  4. 前記画像処理手段は、加算平均処理を行うことにより合成画像を生成することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光干渉断層撮影装置。
  5. 被測定物における複数の断層画像を画像処理する画像処理方法であって、
    前記被測定物体に照射された光の戻り光と参照光を干渉させた干渉光に基づいた前記被測定物の複数の断層画像を取得する取得工程と、
    前記複数の断層画像を合成して合成画像を生成する画像処理工程と、
    前記合成画像を表示手段に表示する表示制御工程とを有し、
    前記表示制御工程において、前記表示手段に表示された合成画像を、前記画像処理工程により新たな合成画像が生成される毎に更新することを特徴とする画像処理方法。
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