JP5699877B2 - 耐かじり性に優れた高強度鋼板及びその製造方法 - Google Patents
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質量%で、
C:0.075%〜0.350%、
Si:0.30%〜2.50%、
Mn:1.20%〜3.50%、
P:0.001%〜0.100%、
S:0.0001%〜0.0100%、
Al:0.005%〜2.500%、及び
N:0.0001%〜0.0100%、
を含有し、
残部が鉄及び不可避的不純物からなり、
粒子径が20nm以上のSi及び/又はMnを含む酸化物粒子が2.5μm以下の平均粒子間距離で分散した領域が表面から0.3μm〜15μmの平均深さの範囲に存在し、その領域における該酸化物粒子の平均粒子径が0.3μm以下であり、その領域との界面からの深さが30μmの箇所における平均硬さがHv250以上であることを特徴とする高強度鋼板。
更に質量%で、Ca、Ce、Mg、REMの1種又は2種以上を合計で0.0001%〜0.500%含有することを特徴とする(1)に記載の高強度鋼板。
更に質量%で、
Ti:0.001%〜0.150%、
Nb:0.001%〜0.100%、
V:0.001%〜0.500%、及び
W:0.01%〜1.00%、
の1種又は2種以上を含有することを特徴とする(1)又は(2)に記載の高強度鋼板。
更に質量%で、
B:0.0001%〜0.0100%、
Cr:0.01%〜1.50%、
Cu:0.01%〜1.50%、
Ni:0.01%〜1.50%、及び
Mo:0.01%〜0.50%、
の1種又は2種以上を含有することを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の高強度鋼板。
前記Si及び/又はMnを含む酸化物粒子のうちフェライト粒界上に存在するものの割合が30%以下であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載の高強度鋼板。
前記Si及び/又はMnを含む酸化物を含む領域から深さが30μmの箇所におけるミクロ組織が面積分率で10%以上75%以下のフェライトを有することを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項に記載の高強度鋼板。
前記Si及び/又はMnを含む酸化物を含む領域から深さが30μmの箇所におけるミクロ組織が更に焼戻しマルテンサイトを面積分率で10%以上50%以下、ベイナイトとベイニティックフェライトの一方あるいは双方を合わせて10%以上50%以下有し、
前記ミクロ組織に含まれる焼入れままマルテンサイトの面積分率が30%以下であることを特徴とする(6)に記載の高強度鋼板。
前記Si及び/又はMnを含む酸化物を含む領域から深さが30μmの箇所におけるミクロ組織が更に面積分率で2%以上25%以下の残留オーステナイトを有することを特徴とする(6)又は(7)に記載の高強度鋼板。
粒子径が20nm以上のSi及び/又はMnを含む酸化物粒子が2.5μm以下の平均粒子間距離で分散した領域が表面から0.3μm〜15μmの平均深さの範囲に存在し、その領域における該酸化物粒子の平均粒子径が0.3μm以下であり、その領域との界面からの深さが30μmの箇所における平均硬さがHv250以上である高強度鋼板を製造する方法であって、
質量%で、
C:0.075%〜0.350%、
Si:0.30%〜2.50%、
Mn:1.20%〜3.50%、
P:0.001%〜0.100%、
S:0.0001%〜0.0100%、
Al:0.005%〜2.500%、及び
N:0.0001%〜0.0100%、
を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなるスラブを鋳造する工程と、
前記スラブを直接又は一旦冷却した後1050℃以上に加熱し、1250℃から800℃の温度域において、式1で表わされるパラメータPの値が5.0〜10.0となる条件で熱間圧延を行い、前記熱間圧延の最終圧延温度を840℃以上とし、550℃〜750℃の温度域にて巻取る工程と、
400℃まで1℃/分以下の平均冷却速度で冷却を行う工程と、
更に100℃以下まで冷却し、式2で表わされるパラメータQの値が0.3〜3.0となる条件で酸洗を行う工程と、
35%〜70%の圧下率で冷間圧延を施す工程と、
760℃以上の最高加熱温度で焼鈍を行う工程と、
を有することを特徴とする高強度鋼板の製造方法。
最高焼鈍温度から室温までの冷却工程において、730℃〜550℃間の冷却を平均冷却速度5℃/s以上で行い、冷却停止温度をMs点以下とし、Ms点〜Bs点間の温度まで再加熱することを特徴とする(9)に記載の高強度鋼板の製造方法。
前記スラブが、更に質量%でCa、Ce、Mg、REMの1種又は2種以上を合計で0.0001%〜0.500%含有することを特徴とする(9)又は(10)に記載の高強度鋼板の製造方法。
前記スラブが、更に質量%で、
Ti:0.001%〜0.150%、
Nb:0.001%〜0.100%、
V:0.001%〜0.500%、及び
W:0.01%〜1.00%、
の1種又は2種以上を含有することを特徴とする(9)〜(11)のいずれか1項に記載の高強度鋼板の製造方法。
前記スラブが、更に質量%で、
B:0.0001%〜0.0100%、
Cr:0.01%〜1.50%、
Cu:0.01%〜1.50%、
Ni:0.01%〜1.50%、及び
Mo:0.01%〜0.50%、
の1種又は2種以上を含有することを特徴とする(9)〜(12)のいずれか1項に記載の高強度鋼板の製造方法。
Cは高強度鋼板の強度を高めるために含有される。Cの含有量が0.075%未満では、十分な強度が得られない。一方、Cの含有量が0.350%を超えると、溶接性が著しく劣化する。従って、Cの含有量は0.075%〜0.350%とする。また、Cの含有量は、0.080%以上であることが好ましく、0.085%以上であることが更に好ましい。更に、Cの含有量は0.300%以下であることが好ましく、0.250%以下であることが更に好ましい。
Siは高強度鋼板の最表層において微細な酸化物粒子を密に生成させ、耐かじり性を大幅に向上するために含有される。詳細は後述するが、この酸化物粒子が酸化物粒子含有領域3に含まれている。Siの含有量が0.30%未満では、酸化物粒子の生成が不十分となり、耐かじり性を十分に確保できない。一方、Si含有量が2.50%を超えると、高強度鋼板が脆化する。従って、Siの含有量は0.30%〜2.50%とする。また、耐かじり性の観点から、Siの含有量は0.50%以上であることが好ましく、0.7%以上であることが更に好ましい。更に、Siの含有量は2.20%以下であることが好ましく、2.00%以下であることが更に好ましい。
Mnは高強度鋼板の焼入れ性を高めることから、高強度鋼板の表面近くにおいて十分な硬質組織を生成させ、酸化物粒子の分散した領域(酸化物粒子含有領域3)の直下における強度を高め、耐かじり性を向上させるために添加する。また、高強度鋼板の最表層において微細な酸化物粒子を形成することからも、耐かじり性を向上させる。Mnの含有量が1.20%未満であると、焼入れ性が十分でなく、高強度鋼板の表層部における強度が大幅に低下し、耐かじり性が劣化する。一方、Mnの含有量が3.50%を超えると、Mn偏析に起因した局所的な脆化が起こりやすくなり、プレス成形性が著しく劣化する。従って、Mnの含有量は1.20%〜3.50%とする。また、高強度鋼板の表層部における強度を高めるため、Mnの含有量は1.35%以上であることが好ましく、1.50%以上であることが更に好ましい。更に、脆化を避けるため、Mnの含有量は3.20%以下であることが好ましく、3.00%以下であることが更に好ましい。
Pは高強度鋼板の板厚中央部に偏析する傾向があり、溶接部を脆化させる。そして、Pの含有量が0.100%を超えると、溶接部の脆化が顕著になる。一方、Pの含有量を0.001%未満とすることは、経済的に不利である。従って、Pの含有量は0.001%〜0.100%とする。
Sは、溶接性に悪影響を及ぼす。また、SはMnと結びついて粗大なMnSを形成してプレス成形性を低下させる。そして、Sの含有量が0.0100%を超えると、溶接性の低下及びプレス成形性の低下が顕著となる。一方、Sの含有量を0.0001%未満とすることは、経済的に不利である。従って、Sの含有量は0.0001%〜0.0100%とする。
Alは脱酸剤として添加する。しかし、Alの含有量が0.005%未満では、十分な効果が得られない。また、Alは鉄系炭化物の生成を抑え、残留オーステナイト分率を高める作用も呈する。一方、Alの含有量が過剰となると、高強度鋼板中のフェライト分率が高くなって強度が低下する。そして、Alの含有量が2.500%を超えると、この傾向が顕著となる。従って、Alの含有量は0.005%〜2.500%とする。また、Alの含有量は2.000%以下であることが好ましく、1.600%以下であることが更に好ましい。
Nは、粗大な窒化物を形成し、プレス成形性を劣化させる。そして、Nの含有量が0.0100%を超えると、この傾向が顕著となる。また、Nは、溶接時のブローホール発生の原因になることから少ない方がよい。Nの含有量の下限は、特に定めることなく本発明の効果は発揮されるが、Nの含有量を0.0001%未満にすると、製造コストの大幅な増加を招く。従って、Nの含有量は0.0001%〜0.0100%とする。また、Nの含有量は、製造コストの点から0.0005%以上であることが好ましい。
Ca、Ce、Mg、及びREMは、高強度鋼板の強度の向上や材質の改善に寄与する。Ca、Ce、Mg、及びREMの1種又は2種以上の含有量が0.0001%未満であると、十分な効果が得られない場合がある。一方、Ca、Ce、Mg、及びREMの1種又は2種以上の含有量が0.500%を超えると、延性を損なう可能性があり、成形加工性の悪化の原因となる。従って、Ca、Ce、Mg、及びREMの1種又は2種以上の含有量は、合計で0.0001%〜0.500%であることが好ましい。なお、REMとは、ランタノイド系列に属する元素をさす。REM及びCeはミッシュメタルにて添加することができる。ミッシュメタルがLa及びCeの他にランタノイド系列の元素を複合で含有する場合もある。なお、不可避不純物として、これらLa及びCe以外のランタノイド系列の元素が含まれていても本発明の効果が得られる。また、金属Laや金属Ceが添加されても本発明の効果は発揮される。
Tiは微細な炭窒化物を形成し、析出強化、フェライト粒径の微細化による細粒強化、及び再結晶の抑制による転位強化によって強度を高める元素である。Tiの含有量が0.001%未満では、高強度鋼板の強化が十分となりにくい。一方、Tiの含有量が過度に大きくなると、延性が劣化して成形性が損なわれやすくなり、Tiの含有量が0.150%以下を超えると、この傾向が顕著となる。従って、Tiの含有量は0.001%〜0.150%であることが好ましい。また、Tiの含有量は、強化の観点から、0.010%以上であることが更に好ましく、0.015%以上であることがより一層好ましい。更に、Tiの含有量は0.120%以下であることが更に好ましい。
Nbは、Tiと同様に、微細な炭窒化物を形成し、析出強化、フェライト粒径の微細化による細粒強化、及び再結晶の抑制による転位強化によって強度を高める元素である。Nbの含有量が0.001%未満では、高強度鋼板の強化が十分となりにくい。一方、Nbの含有量が過度に大きくなると、延性が劣化して成形性が損なわれやすくなり、Nbの含有量が0.100%を超えると、この傾向が顕著となる。従って、Nbの含有量は0.001%〜0.100%とすることが好ましい。また、Nbの含有量は、強化の観点から、0.005%以上であることが更に好ましく、0.010%以上であることがより一層好ましい。更に、Nbの含有量は0.080%以下であることが更に好ましい。
Vは、Ti及びNbと同様に、微細な炭窒化物を形成し、析出強化、フェライト粒径の微細化による細粒強化、及び再結晶の抑制による転位強化によって強度を高める元素である。Vの含有量が0.001%未満では、高強度鋼板の強化が十分となりにくい。一方、Vの含有量が過度に大きくなると、延性が劣化して成形性が損なわれやすくなり、Vの含有量が0.500%を超えると、この傾向が顕著となる。従って、Vの含有量は0.001%〜0.500%とすることが好ましい。また、Vの含有量は、強化の観点から、0.010%以上であることが更に好ましく、0.015%以上であることがより一層好ましい。更に、Vの含有量は0.300%以下であることが更に好ましい。
Wは微細な炭化物を形成して高強度鋼板の強度を向上させる元素である。Wの含有量が0.01%未満では、高強度鋼板の強化が十分となりにくい。一方、Wの含有量が過度に大きくなると、延性が劣化して成形性が損なわれやすくなり、Wの含有量が1.00%を超えると、この傾向が顕著となる。従って、Wの含有量は0.01%〜1.00%であることが好ましい。また、Wの含有量は0.02%以上であることが更に好ましい。更に、Wの含有量は0.80%以下であることが更に好ましい。
Bは鋼板の焼入れ性を飛躍的に高めることから、高強度鋼板の表面近くにおいて十分な硬質組織を生成させ、酸化物粒子の分散した領域の直下における強度を高め、耐かじり性を向上させる。Bの含有量が0.0001%未満であると、これらの効果、特に焼き入れ性の向上の効果を得にくくなる。一方、Bの含有量が0.0100%を超えると、成形性を著しく損なうことがある。従って、Bの含有量は0.0001%〜0.0100%であることが好ましい。また、Bの含有量は0.0003%以上であることが更に好ましい。更に、Bの含有量は0.0060%以下であることが更に好ましい。
Cr、Cu、Ni、及びMoは、強度の向上に寄与する元素である。Cr、Cu、Ni、及びMoの含有量がそれぞれ0.01%未満であると、十分な強化が得られないことがある。一方、Cr、Cu、及びNiの含有量がそれぞれ1.50%を超えると、酸洗性、溶接性、熱間加工性等が劣化することがある。また、Moの含有量が0.50%を超えると、酸洗性、溶接性、熱間加工性等が劣化することがある。従って、Cr、Cu、及びNiの含有量は、それぞれ0.01%〜1.50%であることが好ましく、Moの含有量は0.01%〜0.50%であることが好ましい。
Ms点(℃)=541−474[C]/(1−VF)−15[Si]−35[Mn]−17[Cr]−17[Ni]+19[Al]
上記式において、VFはフェライトの面積分率を示し、[C]、[Si]、[Mn]、[Cr]、[Ni]、[Al]は、それぞれC、Si、Mn、Cr、Ni、Alの添加量(質量%)である。以下の式においても同様である。なお、製造中にフェライトの面積分率を直接測定することは困難であるため、本発明においてMs点を決定するにあたっては、連続焼鈍ラインに通板させる前の冷延鋼板の小片を切り出し、その小片を連続焼鈍ラインに通板させた場合と同じ温度履歴で焼鈍して、小片のフェライトの面積分率の変化を測定し、その結果を用いて算出した数値をフェライトの面積分率VFとしている。
Bs点[℃]=820−290[C]/(1−VF)−37[Si]−90[Mn]−65[Cr]−50[Ni]+70[Al]
2:基部
3:酸化物粒子含有領域
11:熱延鋼板
12:基部
13:酸化物粒子含有領域
14:スケール
Claims (13)
- 質量%で、
C:0.075%〜0.350%、
Si:0.30%〜2.50%、
Mn:1.20%〜3.50%、
P:0.001%〜0.100%、
S:0.0001%〜0.0100%、
Al:0.005%〜2.500%、及び
N:0.0001%〜0.0100%、
を含有し、
残部が鉄及び不可避的不純物からなり、
粒子径が20nm以上のSi及び/又はMnを含む酸化物粒子が2.5μm以下の平均粒子間距離で分散した領域が表面から0.3μm〜15μmの平均深さの範囲に存在し、その領域における該酸化物粒子の平均粒子径が0.3μm以下であり、その領域との界面からの深さが30μmの箇所における平均硬さがHv250以上であることを特徴とする高強度鋼板。 - 更に質量%で、Ca、Ce、Mg、REMの1種又は2種以上を合計で0.0001%〜0.500%含有することを特徴とする請求項1に記載の高強度鋼板。
- 更に質量%で、
Ti:0.001%〜0.150%、
Nb:0.001%〜0.100%、
V:0.001%〜0.500%、及び
W:0.01%〜1.00%、
の1種又は2種以上を含有することを特徴とする請求項1又2に記載の高強度鋼板。 - 更に質量%で、
B:0.0001%〜0.0100%、
Cr:0.01%〜1.50%、
Cu:0.01%〜1.50%、
Ni:0.01%〜1.50%、及び
Mo:0.01%〜0.50%、
の1種又は2種以上を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の高強度鋼板。 - 前記Si及び/又はMnを含む酸化物粒子のうちフェライト粒界上に存在するものの割合が30%以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の高強度鋼板。
- 前記Si及び/又はMnを含む酸化物を含む領域から深さが30μmの箇所におけるミクロ組織が面積分率で10%以上75%以下のフェライトを有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の高強度鋼板。
- 前記Si及び/又はMnを含む酸化物を含む領域から深さが30μmの箇所におけるミクロ組織が更に焼戻しマルテンサイトを面積分率で10%以上50%以下、ベイナイトとベイニティックフェライトの一方あるいは双方を合わせて10%以上50%以下有し、
前記ミクロ組織に含まれる焼入れままマルテンサイトの面積分率が30%以下であることを特徴とする請求項6に記載の高強度鋼板。 - 前記Si及び/又はMnを含む酸化物を含む領域から深さが30μmの箇所におけるミクロ組織が更に面積分率で2%以上25%以下の残留オーステナイトを有することを特徴とする請求項6又は7に記載の高強度鋼板。
- 粒子径が20nm以上のSi及び/又はMnを含む酸化物粒子が2.5μm以下の平均粒子間距離で分散した領域が表面から0.3μm〜15μmの平均深さの範囲に存在し、その領域における該酸化物粒子の平均粒子径が0.3μm以下であり、その領域との界面からの深さが30μmの箇所における平均硬さがHv250以上である高強度鋼板を製造する方法であって、
質量%で、
C:0.075%〜0.350%、
Si:0.30%〜2.50%、
Mn:1.20%〜3.50%、
P:0.001%〜0.100%、
S:0.0001%〜0.0100%、
Al:0.005%〜2.500%、及び
N:0.0001%〜0.0100%、
を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなるスラブを鋳造する工程と、
前記スラブを直接又は一旦冷却した後1050℃以上に加熱し、1250℃から800℃の温度域において、式1で表わされるパラメータPの値が5.0〜10.0となる条件で熱間圧延を行い、前記熱間圧延の最終圧延温度を840℃以上とし、550℃〜750℃の温度域にて巻取る工程と、
400℃まで1℃/分以下の平均冷却速度で冷却を行う工程と、
更に100℃以下まで冷却し、式2で表わされるパラメータQの値が0.3〜3.0となる条件で酸洗を行う工程と、
35%〜70%の圧下率で冷間圧延を施す工程と、
760℃以上の最高加熱温度で焼鈍を行う工程と、
を有することを特徴とする高強度鋼板の製造方法。
- 最高焼鈍温度から室温までの冷却工程において、730℃〜550℃間の冷却を平均冷却速度5℃/s以上で行い、冷却停止温度をMs点以下とし、Ms点〜Bs点間の温度まで再加熱することを特徴とする請求項9に記載の高強度鋼板の製造方法。
- 前記スラブが、更に質量%でCa、Ce、Mg、REMの1種又は2種以上を合計で0.0001%〜0.500%含有することを特徴とする請求項9又は10に記載の高強度鋼板の製造方法。
- 前記スラブが、更に質量%で、
Ti:0.001%〜0.150%、
Nb:0.001%〜0.100%、
V:0.001%〜0.500%、及び
W:0.01%〜1.00%、
の1種又は2種以上を含有することを特徴とする請求項9〜11のいずれか1項に記載の高強度鋼板の製造方法。 - 前記スラブが、更に質量%で、
B:0.0001%〜0.0100%、
Cr:0.01%〜1.50%、
Cu:0.01%〜1.50%、
Ni:0.01%〜1.50%、及び
Mo:0.01%〜0.50%、
の1種又は2種以上を含有することを特徴とする請求項9〜12のいずれか1項に記載の高強度鋼板の製造方法。
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