JP5699484B2 - 玉軸受用保持器および玉軸受 - Google Patents

玉軸受用保持器および玉軸受 Download PDF

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Description

本発明は、玉軸受用保持器および玉軸受に関する。
従来、玉軸受としては、特開2006−125540号公報(特許文献1)に記載されているものがある。この玉軸受は、工作機械のハウジングと、主軸との間に配置されている。この玉軸受は、内輪、外輪および複数の玉を備え、上記各玉は、保持器のポケットに収容されている。上記従来の玉軸受は、各玉がポケットの内面の全領域に接触可能になっており、潤滑剤がポケットの内面の全領域に溜まるようになっている。
上記従来の玉軸受は、潤滑剤がポケットの内面の全領域に溜まるようになっているから、ポケットの内面の潤滑を十分に行うために、上記ポケット内に供給する潤滑剤の量を多くすると、ポケット内の潤滑剤の量が多くなって、ポケット内の潤滑剤の量に起因する攪拌抵抗が大きくなって、トルクが大きくなるという問題がある。
一方、上記従来の玉軸受は、攪拌抵抗を抑制すべく、上記ポケット内に供給する潤滑剤の量を少なくすると、上記ポケットの内面の単位面積あたりの潤滑剤の量が少なくなって、上記ポケットの内面の焼付きが発生し易いという問題がある。
特開2006−125540号公報
そこで、本発明の課題は、潤滑剤の撹拌抵抗を低減できて、トルクを低減できると共に、ポケットの内面の焼付きも抑制できる玉軸受用保持器および玉軸受を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明の玉軸受用保持器は、
周方向に互いに間隔をおいて位置する複数のポケットを有する環状体を備え、
少なくとも一つの上記ポケットの内面は、
玉を回転自在に支持する、軸方向に直交する面で環状に形成された玉支持部を有する凹部と、
上記凹部の環状の縁部につながるメニスカス形成抑制面部と
を有し、
上記メニスカス形成抑制面部は、上記環状体の軸方向に垂直な平面の一部であるか、または、上記玉支持部の径方向の外方に行くにしたがって、上記平面に対して上記凹部の深さ方向の上記凹部の開口側とは反対側に傾斜する傾斜面であるか、または、上記平面と上記傾斜面とからなる一体の面であり、
上記凹部は、円錐内周面を有し、
上記凹部は、上記環状に形成された玉支持部が玉を支持している状態で、上記円錐内周面において上記玉支持部に対して上記軸方向の上記玉の中心側とは反対側に位置する部分と、上記玉とが、上記円錐内周面の頂点側に上記円錐内周面の一部を含む室を画定する形状であって、かつ、上記円錐内周面の径方向が上記玉の中心に近づくにつれて広がっていることを特徴としている。
本発明によれば、少なくとも一つのポケットの縁部の開口側の内面に、玉を回転自在に支持する玉支持部を有する凹部が存在するから、玉の存在位置を、ポケット内における凹部周辺に制限することができる。すなわち、玉に接触するポケットの部分を局所的な部分に制限することができて、ポケットの内面において玉に接触しない部分を大きくすることができ、ポケットの内面の焼付きを大きく抑制することができる。
また、本発明によれば、ポケットの縁部の開口側の内面に形成された凹部に、潤滑剤を収容することができて、ポケットの内面において玉が接触する玉支持部の周辺に潤滑剤を重点的かつ効率的に配置することができる。したがって、玉支持部の周辺の潤滑を十分に行うことができて、上記玉支持部および玉の焼付きを大きく抑制できる。
また、本発明によれば、上記凹部の縁部につながるメニスカス形成抑制面部が、上記環状体の軸方向に垂直な平面の一部であるか、または、上記玉支持部の径方向の外方に行くにしたがって、上記平面に対して上記凹部の深さ方向の上記凹部の開口側とは反対側に傾斜する傾斜面であるか、または、上記平面と上記傾斜面とからなる一体の面であるから、ポケットの内面と、玉との距離が、上記玉支持部の径方向の外方に行くにしたがって長くなる。したがって、ポケットの内面と玉との間にできる潤滑剤のメニスカスが、上記メニスカス形成抑制面部によって玉支持部の径方向の外方に行くにしたがって形成されにくくなる。したがって、余剰な潤滑剤が玉に接触することを防止できて、潤滑剤の攪拌抵抗を抑制でき、玉軸受の回転トルクを抑制できる。
また、一実施形態では、
第1環状部と、第2環状部と、複数の柱部とを備え、
上記各柱部は、上記第1環状部と、上記第2環状部とを連結し、
上記複数の柱部は、上記第1環状部の周方向に互いに間隔をおいて位置し、
上記ポケットは、上記周方向に隣接する上記柱部の間に位置している。
また、一実施形態では、
上記環状体は、上記凹部の底部に開口する貫通穴を有している。
上記実施形態によれば、上記環状体が、上記凹部の底部に開口する貫通穴を有しているから、玉軸受の運転によって玉軸受用保持器の温度が上昇したとしても、上記凹部の底側に存在する膨張した空気を、上記貫通穴を介して外部に逃がすことができる。したがって、上記凹部の底側に存在する空気の膨張によって、玉支持部の周辺の潤滑剤が、上記玉支持部の周辺外に吹き飛ばされることを防止できる。したがって、潤滑剤を潤滑が最も必要な上記玉支持部付近に確実に存在させることができる。
また、本発明の玉軸受は、
内周軌道溝を有する外側軌道部材と、
外周軌道溝を有する内側軌道部材と、
上記外側軌道部材の内周軌道溝と、上記内側軌道部材の外周軌道溝との間に配置された複数の玉と、
上記複数の玉を保持する本発明の玉軸受用保持器と
を備えることを特徴としている。
本発明によれば、潤滑剤の撹拌抵抗を低減できて、トルクを低減できると共に、玉軸受用保持器のポケットの内面の焼付きも抑制できる
本発明の玉軸受用保持器によれば、少なくとも一つのポケットの縁部の開口側の内面に、玉を回転自在に支持する玉支持部を有する凹部が存在するから、玉に接触するポケットの部分を局所的な部分に制限することができて、ポケットの内面において玉に接触しない部分を大きくすることができ、ポケットの内面の焼付きを大きく抑制することができる。
また、本発明の玉軸受用保持器によれば、ポケットの上記凹部に、潤滑剤を収容することができるから、ポケットの内面において玉が接触する玉支持部の周辺に潤滑剤を効率的に配置することができて、上記玉支持部および玉の焼付きを大きく抑制できる。
また、本発明の玉軸受用保持器によれば、メニスカス形成抑制面部を有して、ポケットの内面と、玉との距離が、上記玉支持部の径方向の外方に行くにしたがって長くなるから、ポケットの内面と玉との間にできる潤滑剤のメニスカスが、玉支持部の径方向の外方に行くにしたがって形成されにくくなる。したがって、余剰な潤滑剤が玉に接触することを防止できて、潤滑剤の攪拌抵抗を抑制できて、玉軸受の回転トルクを抑制できる。
本発明の第1実施形態の玉軸受の正面図である。 保持器アッセンブリを、保持器の周方向の外方から見たときの図である。 図2において、中央に描かれているポケットの周辺を示す拡大図である。 上記保持器アッセンブリの一部を、保持器の厚さ方向の中点を通過する環状面で切断したときの断面図である。 本発明の第2実施形態の玉軸受の正面図である。 第2実施形態の保持器アッセンブリを、保持器の径方向の外方から見たときの図である。 第2実施形態において図4に対応する図である。
以下、本発明を図示の形態により詳細に説明する。
図1は、本発明の第1実施形態の玉軸受の正面図である。
図1に示すように、この玉軸受は、外側軌道部材としての外輪1と、内側軌道部材としての内輪2と、複数の玉3と、玉軸受用保持器4(以下、保持器4という)とを備える。上記外輪1は、工作機械のハウジング(図示せず)の内周面に内嵌されている。上記外輪1は、その内周面の軸方向の中央部に内周軌道溝11を有している。
一方、上記内輪2は、工作機械の主軸(図示せず)の外周面に外嵌されている。上記内輪2は、その外周面の軸方向の中央部に外周軌道溝21を有している。上記複数の玉3は、外輪1の内周軌道溝11と、内輪2の外周軌道溝21との間に、保持器4によって保持された状態で、互いに周方向に間隔をおいて配置されている。
この玉軸受は、オイルエア潤滑で潤滑されている。詳しくは、上記外輪1と、内輪2との間に向けて、軸方向の一方側の外方から他方側の外方に、オイルエアが供給されるようになっており、玉3や、内周軌道溝11や、外周軌道溝21等の摺動部を、オイルエアで潤滑するようになっている。
尚、図1において、参照番号43は、保持器4の柱部を示し、参照番号31は、保持器4の環状部40に形成された内周円錐面を有するすり鉢状の凹部を示し、参照番号32は、そのすり鉢状の凹部31の底に連通する空気抜き穴を示す。これらの構造については、後に詳述する。
図2は、保持器アッセンブリ50を、保持器4の周方向の外方から見たときの図である。
図2に示すように、この保持器アッセンブリ50は、保持器4および複数の玉3からなる。上記保持器4は、環状体からなり、第1環状部40、第2環状部41および複数の柱部43を備え、各柱部43は、第1環状部40と、第2環状部41とを連結している。上記複数の柱部43は、第1環状部40の周方向に互いに間隔をおいて位置している。この玉軸受は、周方向に隣接する柱部43の間に玉3を回転自在に収容するポケット55を形成している。
図2の平面図において、上記ポケット55の開口の形状は、略矩形の形状を有している。図2の平面図において、ポケット55の開口の長手方向は、保持器4の周方向に略一致する一方、ポケット55の開口の幅方向は、保持器4の軸方向に略一致している。上記ポケット55の角部は、面取が施され、Rが取られている。
図2に示すように、上記ポケット55の長手方向の寸法は、玉3の直径よりも大きくなっている一方、ポケット55の幅方向の寸法は、玉3の直径よりも若干小さくなっている。
尚、図2の平面図において、参照番号60および62は、ポケット55の径方向の外方側の開口における保持器4の軸方向に延在している縁を示し、参照番号61および63は、ポケット55の径方向の内方側の開口における保持器4の軸方向に延在している縁を示す。図2の平面図において、上記ポケット55の径方向の外方側の開口の縁60,62が、ポケット55の径方向の内方側の開口の上記縁61,63に一致しないのは、保持器4が環状形状で、湾曲していることに起因している。
図3は、図2の平面図において、中央のポケット55の周辺を示す拡大図である。
上記各ポケット55の内面は、保持器4の軸方向に略垂直な二つの側面70,71を有し、各側面70,71は、ポケット55の保持器4の周方向の略中央に凹部31を有する。図3に示すように、一方側の側面70に形成された凹部31と、他方側の側面71に形成された凹部31は、略同一であって、それら二つの凹部31,31は、保持器4の軸方向に対向しており、保持器4の軸方向に重なっている。
図3に示すように、上記各凹部31は、円錐内周面39を有している。上記玉3と、凹部31の円錐内周面39とは、環状接触部である玉支持部37で接触し、玉3は、環状の玉支持部37で回転自在に支持されている。玉3は、一方の側面70に形成された凹部31の環状接触部である玉支持部37に接触した時、他方の側面71に形成された凹部31の環状接触部である玉支持部37に隙間をもって対向し、他方の側面71に形成された凹部31の環状接触部である玉支持部37に接触した時、一方の側面70に形成された凹部31の環状接触部である玉支持部37に隙間をもって対向する。また、玉3は、一方の側面70の凹部31の円錐内周面39および他方の側面71の凹部31の円錐内周面39のいずれにも接触しない場合、いずれかに接触する場合、いずれにも接触する場合がある。上記玉支持部37は、凹部31の側面70,71に開口する開口の縁38よりも凹部31の深さ方向の底側に位置している。
図3に示すように、軸方向に互いに対向する二つ凹部31の二つの玉支持部37で玉3の移動できる範囲を規制し、二つの玉支持部37で、玉3を回転自在に支持して、ポケット55に対する玉3の相対位置を位置決めするようになっている。図3に示すように、上記ポケット55に対する玉の相対位置が位置決めされている状態で、玉3は、ポケット55において周方向に互いに対向する周方向の端面81,82に間隔をおいて位置し、これらの端面81,82に接触しないようになっている。
また、図3に示すように、上記ポケット55の側面70,71は、凹部31の環状の縁部につながるメニスカス形成抑制面部89を有している。上記メニスカス形成抑制面部89は、保持器4の軸方向に垂直な平面の一部からなっている。
図3に示すように、上記保持器4は、貫通穴としての空気抜き穴32を有する。上記空気抜き穴32は、環状部40,41を貫通している。上記空気抜き穴32は、各凹部31の底と、保持器4の軸方向の端面とを連通している。上記各空気抜き穴32は、保持器4の軸方向に延在している。
尚、詳述しないが、図3に示すように、上記側面70,71を含めてポケット55の内側面を、ポケット55の角部を除いて平面形状にし、ポケット55を容易に形成するようにしている。
図4は、上記保持器アッセンブリ50の一部を、保持器4の厚さ方向の中点を通過する環状面で切断したときの断面図である。図4に示すように、上記凹部31および空気抜き穴32は、保持器4の側面70,71の径方向の略中央部に位置している。
上記第1実施形態の保持器4によれば、各ポケット55の軸方向に垂直な側面70,71が、凹部31を有し、凹部31が玉3を回転自在に支持する玉支持部37を有するから、玉3の存在位置を、ポケット55内の凹部31周辺に制限することができる。したがって、上記玉3に接触するポケット55の部分を局所的な部分に制限することができて、ポケット55の内面において玉に接触しない部分を大きくすることができ、ポケット55の内面の焼付きを大きく抑制することができる。
また、上記第1実施形態の保持器4によれば、上記ポケット55の側面70,71に形成された凹部31に、潤滑剤を収容することができて、ポケット55の内面において玉3が接触する玉支持部37の周辺に潤滑剤を重点的かつ効率的に配置することができる。したがって、上記玉支持部37の周辺の潤滑を十分に行うことができて、玉支持部37および玉3の焼付きを大きく抑制することができる。
また、上記第1実施形態の保持器4によれば、上記凹部31の縁部につながるメニスカス形成抑制面部89が、保持器4の軸方向に垂直な平面と略平行に延在するから、ポケット55の内面と、玉3との距離が、玉支持部37の径方向の外方に行くにしたがって長くなる。したがって、上記ポケット55の内面と、玉3との間にできる潤滑剤のメニスカスが、メニスカス形成抑制面部89によって玉支持部37の径方向の外方に行くにしたがって形成されにくくなる。したがって、余剰な潤滑剤が玉3に接触することを防止できて、潤滑剤の攪拌抵抗を抑制でき、玉軸受の回転トルクを抑制できる。
また、上記第1実施形態の保持器4によれば、保持器4が、凹部31の底部に開口する空気抜き穴32を有しているから、玉軸受の運転状態によって保持器4の温度が上昇して、凹部31の底側に溜まった空気が膨張したとしても、その膨張した空気を、空気抜き穴32を介して外部に逃がすことができる。したがって、上記凹部31の底側に溜まった空気の膨張によって、玉支持部37の周辺の潤滑剤が、玉支持部37の周辺外に吹き飛ばされることを防止できて、潤滑剤を潤滑が最も必要な玉支持部37付近に確実に存在させることができる。
また、上記第1実施形態の保持器4によれば、径方向の外方から見た図で、ポケット55が、略矩形の開口形状を有し、玉3が、凹部31の玉支持部37に支持されている状態で、保持器4のポケット55の周方向の端面81,82に周方向に間隔をおいて位置しているから、ポケット55内の潤滑油が、玉3と、保持器4との間に存在する周方向の隙間からポケット55外に排出され易くなる。したがって、上記玉3の攪拌抵抗を低減することができて、玉軸受の回転トルクを低減できる。また、上記ポケット55に溜まる潤滑剤の量を低減できて、玉軸受に供給する潤滑剤を低減でき、環境保全に寄与することができる。
また、上記第1実施形態の保持器4によれば、径方向の外方から見た図で、ポケット55が、略矩形の開口形状を有し、玉3が、略周方向に延在する側面70,72に形成された凹部31の玉支持部37に接触し、玉支持部37が、保持器4の軸方向に垂直な同一平面上に略位置している。したがって、上記玉3の周速が略もっと遅いところで、玉3を支持できるから、保持器4に対する玉3の摺動を小さくできて、保持器4の焼付きを抑制することができる。
仮に、玉が、玉の進行方向である保持器の周方向の端面(図3においては、参照番号81,82で示す端面に対応する面)に接触する構成であるとすると、玉は周方向に自転しているから、玉の周速が最も速い点で、保持器と玉とが接触することになり、保持器に対する玉の摺動が最も大きくなり、保持器が焼き付きを起こす可能性が大きくなるのである。
尚、上記第1実施形態の保持器4では、凹部31が、円錐内周面39を有していたが、この発明では、凹部の内周面は、放物線を、その放物線を垂直に二等分する線を中心に回転させた際にできる環状面であっても良く、凹部の内周面は、双曲線を、その双曲線の二つの焦点を結ぶ線分を垂直に二等分する線を中心に回転させた際にできる環状面であっても良い。この発明では、凹部の内周面は、二次元平面において、直線の片側にある、任意の直線、任意の曲線、または、任意の直線と任意の曲線とを結んだ線を、その直線の回りに回転させた際にできる環状面であれば如何なる形状であっても良い。
また、上記第1実施形態の保持器4では、各凹部31が、空気抜き穴32に連通していたが、この発明では、少なくとも一つの凹部が、貫通穴に連通していなくても良く、全ての凹部が、貫通穴に連通していなくても良い。
また、上記第1実施形態の保持器4では、各ポケット55において、保持器4の軸方向に互いに対向する二つの側面70,71の各側面70,71に、凹部31を形成し、一方の側面70の凹部31と、他方の側面71の凹部31とが、軸方向に重なっていた。しかしながら、この発明では、少なくとも一つのポケットは、一つのみの凹部を有し、その唯一の凹部が、保持器の軸方向に互いに対向する二つの側面のうちの一方の側面に形成されていてもよい。また、この発明では、少なくとも一つのポケットが、一つのみの凹部を有し、その凹部は、保持器のポケットの開口側の内面の如何なる箇所に形成されても良い。この発明では、全てのポケットが、凹部を有している必要はなく、凹部を有さないポケットが存在しても良い。
また、上記第1実施形態の保持器4では、保持器4の径方向の外方からみた平面図において、保持器4のポケット55の開口が、略矩形の形状を有していたが、この発明では、保持器の径方向の外方からみた平面図において、保持器のポケットの開口が、楕円形状や、円形状等、矩形の形状以外の形状を有していても良い。
また、上記第1実施形態の保持器4では、空気抜き穴32が、保持器4の軸方向に延在していたが、この発明では、貫通穴は、玉支持部よりも保持器の軸方向の外方に位置して、保持器の軸方向の外方の端面と、凹部とを連通していさえすれば、如何なる方向に延在しても良く、凹部の如何なる場所に開口しても良く、また、如何なる形状であっても良い。
また、上記第1実施形態の保持器4では、凹部31が、ポケット55の径方向の中央部に位置していたが、この発明では、凹部は、ポケットの径方向の中央部以外の箇所にあっても良い。
また、上記第1実施形態の保持器4では、凹部が、ポケット55の周方向の中央部に位置していたが、この発明では、凹部は、ポケットの周方向の中央部以外の箇所にあっても良い。
また、上記第1実施形態の保持器4では、保持器4が二つの環状部材40,41の間を複数の柱部43で連結してなっていたが、この発明の保持器は、所謂冠型保持器等であっても良く、また、この発明の保持器は、二つの略同一の波形環状部材を、周方向に間隔をおいてビスで固定して、周方向に隣接するビスの間にポケットが形成されている保持器であっても良い。
また、上記第1実施形態の玉軸受では、オイルエア潤滑で摺動部が潤滑されるようになっており、内外輪1,2の間の軸方向の一方側および他方側の両方が開口していたが、この発明では、オイルエア潤滑が採用されずに、内外輪の軸方向の少なくとも一方側の開口が、シール部材でシールされている構成であっても良い。
例えば、玉軸受の内部に小型ポンプを搭載して、その小型ポンプからナノ潤滑が行われる構成であっても良い。この場合、本発明によれば、上述のように潤滑剤の供給量を低減することもできるから、小型ポンプからの潤滑剤の潤滑切れまでの期間を長くすることができて、玉軸受の寿命またはメンテナンスまでの期間を長くすることができる。
また、上記第1実施形態の玉軸受では、潤滑剤は、潤滑油、洗浄液等、内外輪の軌道面等を潤滑する働きがある流体であれば、如何なる流体であっても良い。
また、上記第1実施形態の玉軸受では、外側軌道部材が、外輪であったが、この発明では、外側軌道部材は、中間輪やハウジング等、外輪以外の内周面を有する部材であっても良い。また、上記第1実施形態の玉軸受では、内側軌道部材が、内輪であったが、この発明では、内側軌道部材は、中間輪や軸部材等、内輪以外の外周面を有する部材であっても良い。
また、上記第1実施形態の保持器4では、凹部31の縁部につながるメニスカス形成抑制面部89が、保持器4の軸方向に垂直な平面の一部であったが、この発明では、凹部の縁部につながるメニスカス形成抑制面部は、それ以外の形状であっても良い。
図5は、第1実施形態とは、メニスカス形成抑制面部の形状が異なる本発明の第2実施形態の玉軸受の正面図である。
第2実施形態では、第1実施形態の構成部と同一構成部には同一参照番号を付して説明を省略することにする。また、第2実施形態では、第1実施形態と共通の作用効果および変形例については説明を省略することにし、第1実施形態と異なる構成、作用効果および変形例についてのみ説明を行うことにする。
図5に示すように、第2実施形態では、保持器104のメニスカス形成抑制部189は、第1部分107、第2部分108および第3部分109とからなり、これらの部分107,108,109は、凹部131の周辺に位置している。
図6は、第2実施形態の保持器アッセンブリ150を、保持器104の径方向の外方から見たときの図である。
第2実施形態では、上記メニスカス形成抑制部189は、三面鏡に類似する構成を有している。すなわち、上記メニスカス形成抑制部189の上記三つの部分107,108,109の夫々は、互いに異なる平面の一部からなっている。図5に示すように、上記第1部分107は、凹部131に略径方向に重なる箇所に形成されている。詳しくは、上記第1部分107は、図5の平面図において、内輪2の中心と、凹部131の縁138の上記内輪2の周方向の中心とを結んだ直線に略平行で、かつ、凹部131の縁138に接する二つの直線に囲まれた領域に形成されている。上記第1部分107は、凹部131の縁138につながり、凹部131の縁138とは、略同一の平面上に位置している。
図5を参照して、上記第2部分108は、第1部分107の周方向の一方側に位置している。図6に示すように、上記第2部分108は、第1部分107と、面取が施されているポケット155の角部190とを連結している。上記玉3は、凹部131と玉支持部137で接触している。第2実施形態の保持器104における、玉3と、一方の側面に形成された凹部131の内周面および他方の側面に形成された凹部131の内周面との接触は、第1実施形態の保持器4における、玉3と、一方の側面70に形成された凹部31の内周面39および他方の側面71に形成された凹部31の内周面39との接触と、同じ接触の状態をとることができる。上記第2部分108は、玉支持部137の径方向の外方に行くにしたがって、保持器104の軸方向に垂直な平面に対して凹部131の深さ方向の凹部131の開口側とは反対側に傾斜している。
また、上記第3部分109は、第1部分107の周方向の他方側に位置している。図6に示すように、上記第3部分109は、第1部分107と、面取が施されているポケット155の角部190とを連結している。上記第3部分109は、玉支持部137の径方向の外方に行くにしたがって、保持器104の軸方向に垂直な平面に対して凹部131の深さ方向の凹部131の開口側とは反対側に傾斜している。
上記第2部分108および第3部分109の夫々は、傾斜面を構成している。図7は、図4に対応する第2実施形態の図である。図7に示すように、第2実施形態でも、空気抜き穴132は、保持器104の略軸方向に延在している。
上記第2実施形態の保持器104によれば、凹部131の周方向の一方側に存在する第2部分108が、周方向に凹部131から離れるにしたがって凹部131の底側に傾斜しているから、凹部131から保持器104の周方向に離れるにしたがって、玉3と、ポケット155の側面との距離がより急速に離れることになる。したがって、メニスカスが周方向の広範囲に形成されることを確実に防止することができる。
尚、上記第2実施形態の保持器104によれば、メニスカス形成抑制部189が3面鏡の構成を有し、三つの平面部107,108,109からなっていた。しかしながら、この発明では、メニスカス形成抑制部189は、凹部の縁を含む平面部と、その平面部の玉支持部の径方向の外方に位置する曲面部とを有し、その曲面部が、玉支持部の径方向の外方に行くにしたがって、保持器の軸方向に垂直な平面に対して凹部の深さ方向の凹部の開口側とは反対側に傾斜していても良い。また、この発明では、メニスカス形成抑制部は、凹部の開口の縁部につながる微分可能な一つの曲面からなり、その曲面が、玉支持部の径方向の外方に行くにしたがって、保持器の軸方向に垂直な平面に対して凹部の深さ方向の凹部の開口側とは反対側に傾斜している形状であっても良い。
また、この発明では、メニスカス形成抑制部は、保持器の軸方向に垂直な平面に対して凹部の深さ方向の凹部の開口側とは反対側に傾斜する傾斜面(この傾斜面は、曲面であっても良く、平面であっても良く、曲面と平面とを接続した面であっても良い)と、その傾斜面につながると共に、保持器の軸方向に垂直な平面とからなる一体の面であっても良く、この一体の面は、離散的に配置された二以上の上記傾斜面を有していても良く、また、離散的に配置された二以上の上記平面を有していても良い。
要は、この発明では、保持器の軸方向に垂直な平面に対して凹部の深さ方向の凹部の開口側とは反対側に傾斜する傾斜面(この傾斜面は、曲面であっても良く、平面であっても良く、曲面と平面とを接続した面であっても良い)と、保持器の軸方向に垂直な平面とを、凹部の縁部から玉支持部の径方向の外方に行くにしたがって、0(零)以上の整数の接続部で接続して形成した面であれば、如何なる面であっても良い。
1 外輪
2 内輪
3 玉
4,104 保持器
11 内周軌道溝
12 外周軌道溝
31,131 凹部
32,132 空気抜き穴
37,137 玉支持部
89,189 メニスカス形成抑制部
55,155 ポケット
70,71 保持器の軸方向に略垂直な側面

Claims (4)

  1. 周方向に互いに間隔をおいて位置する複数のポケットを有する環状体を備え、
    少なくとも一つの上記ポケットの内面は、
    玉を回転自在に支持する、軸方向に直交する面で環状に形成された玉支持部を有する凹部と、
    上記凹部の環状の縁部につながるメニスカス形成抑制面部と
    を有し、
    上記メニスカス形成抑制面部は、上記環状体の軸方向に垂直な平面の一部であるか、または、上記玉支持部の径方向の外方に行くにしたがって、上記平面に対して上記凹部の深さ方向の上記凹部の開口側とは反対側に傾斜する傾斜面であるか、または、上記平面と上記傾斜面とからなる一体の面であり、
    上記凹部は、円錐内周面を有し、
    上記凹部は、上記環状に形成された玉支持部が玉を支持している状態で、上記円錐内周面において上記玉支持部に対して上記軸方向の上記玉の中心側とは反対側に位置する部分と、上記玉とが、上記円錐内周面の頂点側に上記円錐内周面の一部を含む室を画定する形状であって、かつ、上記円錐内周面の径方向が上記玉の中心に近づくにつれて広がっていることを特徴とする玉軸受用保持器。
  2. 請求項1に記載の玉軸受用保持器において、
    第1環状部と、第2環状部と、複数の柱部とを備え、
    上記各柱部は、上記第1環状部と、上記第2環状部とを連結し、
    上記複数の柱部は、上記第1環状部の周方向に互いに間隔をおいて位置し、
    上記ポケットは、上記周方向に隣接する上記柱部の間に位置していることを特徴とする玉軸受用保持器。
  3. 請求項1または2に記載の玉軸受用保持器において、
    上記環状体は、上記凹部の底部に開口する貫通穴を有していることを特徴とする玉軸受用保持器。
  4. 内周軌道溝を有する外側軌道部材と、
    外周軌道溝を有する内側軌道部材と、
    上記外側軌道部材の内周軌道溝と、上記内側軌道部材の外周軌道溝との間に配置された複数の玉と、
    上記複数の玉を保持する請求項1乃至3のいずれか一つに記載の玉軸受用保持器と
    を備えることを特徴とする玉軸受。
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