JP5697250B2 - 燃焼排ガス中の二酸化炭素除去装置の制御方法および制御装置 - Google Patents
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Description
(1) 燃焼排ガスとアミン化合物の水溶液を向流接触させ、該排ガス中に含まれる二酸化炭素(CO2)を除去するCO2除去装置を用い、
アミン化合物の水溶液と燃焼排ガスが向流接触する接触部の燃焼排ガス流れ後流側に、アミン化合物の水溶液の再生塔の還流水とCO2が除去された脱CO2排ガスが向流接触する洗浄部を一段または複数段設け、
前記洗浄部の燃焼排ガス流れ最後流側の段における洗浄水の炭酸イオン濃度を測定し、該炭酸イオン濃度の測定値に基づいて前記洗浄部の燃焼排ガス流れ最後流側の段からの排ガスに同伴されるアミン成分の濃度が所定値以下になるように前記洗浄部の燃焼排ガス流れ最後流側の段における洗浄水の流量を調整するか、
または
前記洗浄部の燃焼排ガス流れ最後流側の段における洗浄水の炭酸イオン濃度および前記洗浄部の燃焼排ガス流れ最後流側の段におけるガスに含まれるアミン化合物の濃度を測定し、該炭酸イオン濃度および該アミン化合物濃度の測定値に基づいて前記洗浄部の燃焼排ガス流れ最後流側の段からの排ガスに同伴されるアミン成分の濃度が所定値以下になるように前記洗浄部の燃焼排ガス流れ最後流側の段における洗浄水の流量を調整する
ことを特徴とする燃焼排ガスの脱炭酸装置の制御方法。
(2) 前記洗浄部の燃焼排ガス流れ最後流側の段におけるガスに含まれるアミン化合物の濃度が、前記洗浄部の燃焼排ガス流れ最後流側の段における洗浄水の飽和アミン蒸気圧から求められることを特徴とする(1)に記載の方法。
(3) アミン化合物の水溶液と燃焼排ガスとが向流接触する接触部の燃焼排ガス流れ後流側に、アミン化合物の水溶液の再生塔の還流水と二酸化炭素(CO 2 )が除去された脱CO2燃焼排ガスとが向流接触する洗浄部を一段または複数段設けてなる、燃焼排ガスに含まれるCO 2 を除去するための脱CO2装置の制御装置であって、
前記洗浄部の燃焼排ガス流れ最後流側の段における洗浄水の炭酸イオン濃度を測定する手段、および
該炭酸イオン濃度の測定値に基づいて前記洗浄部の燃焼排ガス流れ最後流側の段からの排ガスに同伴されるアミン成分の濃度が所定値以下になるように前記洗浄部の燃焼排ガス流れ最後流側の段における洗浄水の流量を調整する手段を有するか、
または
前記洗浄部の燃焼排ガス流れ最後流側の段における洗浄水の炭酸イオン濃度を測定する手段、
前記洗浄部の燃焼排ガス流れ最後流側の段におけるガスに含まれるアミン化合物の濃度を測定する手段、および
前記炭酸イオン濃度の測定値と前記アミン化合物濃度の測定値とに基づいて前記洗浄部の燃焼排ガス流れ最後流側の段からの排ガスに同伴されるアミン成分の濃度が所定値以下になるように前記洗浄部の燃焼排ガス流れ最後流側の段における洗浄水の流量を調整する手段を有する
ことを特徴とする燃焼排ガスの脱炭酸装置の制御装置。
脱CO2塔1に供給された燃焼排ガス11は、充填部2でノズル6から供給される一定濃度のアミン化合物の水溶液と向流接触させられ、燃焼排ガス中のCO2はアミン化合物の水溶液により吸収除去され、脱CO2排ガスは水洗部24へと向う。CO2を吸収したアミン吸収液は、その吸収による反応熱のため、供給口3における温度よりも高温となり、さらに熱交換器22で加熱された後、再生塔13へ導入される。再生塔13では、再生加熱器23による加熱でアミン化合物の水溶液が再生され、熱交換器22により冷却され、脱CO2塔1へ戻される。再生塔13の上部において、アミン吸収液から分離されたCO2は、ノズル20より供給される還流水と接触し、さらに再生塔還流冷却器19により冷却され、CO2分離器17にてCO2に同伴した水蒸気が凝縮した還流水と分離され、CO2回収工程へ導かれる。還流水の一部は還流水ポンプ16で再生塔13へ還流される。
本発明において、吸収塔1、水洗浄部24の出口にデミスタを設置し、吸収塔1に供給される吸収液ミストの一部や水洗浄部24に供給される洗浄水ミストの一部が脱CO2排ガスとともに塔外に放出されて、水分やアミン化合物が損失するのを防止してもよい。
また、水洗浄部24は充填塔であっても、棚段塔であってもよく、また、一段でも複数段でもよい。
また、水洗浄部24の最後流側の段の洗浄水中の炭酸イオン含有量を測定する手段としては、洗浄水を、測定機器を用いて連続的に分析するものでも、一定間隔で採取した洗浄水を分析するものでもよい。ここで、測定機器としては、ガスクロマトグラフィー、液クロマトグラフィー、イオンクロマトグラフィーやICP等、既存の機器を用いることができる。
また、最後流側の段の洗浄水の流量を調整する手段は、流量調整弁およびその制御系を有するものであればよい。
CO2を10%含む燃焼排ガス30Nm3/hを吸収塔1の充填部2(二酸化炭素吸収部)に供給し、モノエタノールアミンを30重量%含む水溶液(吸収液)と向流接触させて二酸化炭素を吸収した。残りの脱炭酸排ガスを、充填部2出口から、二段の水洗浄部24のうち一段目の水洗部にて液/ガス比2L/Nm3で洗浄水と向流接触させた。さらに、二段目の水洗部にて液/ガス比2L/Nm3で洗浄水と向流接触させ、さらに二段目の水洗部出口のデミスタを通過させた後に系外へ放出した。再生塔13の後流側の冷却器19は二段構成とし、一段目、二段目の冷却器入口ガス温度はそれぞれ100℃,70℃であり、一段目の冷却器からの凝縮水を0.5L/hで吸収塔1の一段目の水洗部に供給し、二段目の冷却器からの凝縮水を0.6L/hで吸収塔19の二段目の水洗部に供給した。二段目の冷却器出口ガス温度は30℃であった。定常状態に達した後、上記吸収塔の水洗浄部24のうち後流側の2段目の洗浄水を抜き出しライン26から10ml抜き出し、イオンクロマトグラフで炭酸イオン濃度を測定したところ、0.05mol/Lであった。また、排出ガス中のアミン濃度測定値は2ppmであった。
実施例1の定常状態から、洗浄水中の炭酸イオン濃度が0.03mol/Lに低下したため、該二段目の水洗部の洗浄水と排ガスの流量比率を3.5L/Nm3に調整した。その結果、排出ガス中のアミン濃度の上昇を抑えることができた。
CO2を10%含む燃焼排ガス30Nm3/hを吸収塔1の充填部2(二酸化炭素吸収部)に供給し、モノエタノールアミンを30重量%含む水溶液(吸収液)と向流接触させて二酸化炭素を吸収した。残りの脱炭酸排ガスを充填部2出口から、一段構成の水洗部にて液/ガス比2L/Nm3で洗浄水と向流接触させ、水洗部出口のデミスタを通過させた後に系外へ放出した。一方、再生塔の後流側の冷却器19は一段構成とし、その入口ガス温度は100℃で、冷却器19からの凝縮水を1.1L/hで吸収塔1の水洗部24に供給した。定常状態に達した後、上記水洗浄部24の洗浄水を10ml抜き出し、イオンクロマトグラフで炭酸イオン濃度を測定したところ0.03mol/Lであった。また、ガスクロマトグラフでアミン化合物濃度を測定したところ、0.2mol/Lであった。また、水洗浄部24の温度は40℃であった。このときモノエタノールアミンの飽和蒸気圧に相当するガス中アミン濃度は気液平衡から10ppmと求められた。
実施例3の定常状態から、洗浄水中の炭酸イオン濃度が0.015mol/Lに低下したため、該水洗部の洗浄水と排ガスの流量比率を4.0L/Nm3に調整した。その結果、排出ガス中のアミン濃度の上昇を抑えることができた。
2…充填部
3…吸収塔燃焼排ガス供給部
4…脱CO2燃焼排ガス排出部
5…アミン化合物水溶液供給口
6…ノズル
7…水循環ポンプ
8…冷却器
9…ノズル
10…CO2吸収アミン化合物抜出ライン
11…被処理ガス
12…ブロワ
13…再生塔
14…ノズル
15…下部充填部
16…ポンプ
17…CO2分離器
18…排出CO2
19…冷却器
20…ノズル
21…還流水供給ライン
22…熱交換器
23…リボイラ
24…水洗部
25…上部充填部
26…洗浄水の炭酸イオン測定のための抜出しライン
27…流量調整弁
28a…洗浄水中の炭酸イオン及びアミン化合物の濃度検出器
28b…排出ガス中のアミン濃度の検出器
28c…最後流側の段の温度検出器
29…28aの検出器の測定値の信号
30…制御装置
31…28bの検出器の測定値の信号
33…流量調整の制御信号
34…28cの検出器の測定値の信号
Claims (3)
- 燃焼排ガスとアミン化合物の水溶液を向流接触させ、該排ガス中に含まれる二酸化炭素(CO2)を除去するCO2除去装置を用い、
アミン化合物の水溶液と燃焼排ガスが向流接触する接触部の燃焼排ガス流れ後流側に、アミン化合物の水溶液の再生塔の還流水とCO2が除去された脱CO2排ガスが向流接触する洗浄部を一段または複数段設け、
前記洗浄部の燃焼排ガス流れ最後流側の段における洗浄水の炭酸イオン濃度を測定し、該炭酸イオン濃度の測定値に基づいて前記洗浄部の燃焼排ガス流れ最後流側の段からの排ガスに同伴されるアミン成分の濃度が所定値以下になるように前記洗浄部の燃焼排ガス流れ最後流側の段における洗浄水の流量を調整するか、
または
前記洗浄部の燃焼排ガス流れ最後流側の段における洗浄水の炭酸イオン濃度および前記洗浄部の燃焼排ガス流れ最後流側の段におけるガスに含まれるアミン化合物の濃度を測定し、該炭酸イオン濃度および該アミン化合物濃度の測定値に基づいて前記洗浄部の燃焼排ガス流れ最後流側の段からの排ガスに同伴されるアミン成分の濃度が所定値以下になるように前記洗浄部の燃焼排ガス流れ最後流側の段における洗浄水の流量を調整する
ことを特徴とする燃焼排ガスの脱炭酸装置の制御方法。 - 前記洗浄部の燃焼排ガス流れ最後流側の段におけるガスに含まれるアミン化合物の濃度が、前記洗浄部の燃焼排ガス流れ最後流側の段における洗浄水の飽和アミン蒸気圧から求められることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- アミン化合物の水溶液と燃焼排ガスとが向流接触する接触部の燃焼排ガス流れ後流側に、アミン化合物の水溶液の再生塔の還流水と二酸化炭素(CO 2 )が除去された脱CO2燃焼排ガスとが向流接触する洗浄部を一段または複数段設けてなる、燃焼排ガスに含まれるCO 2 を除去するための脱CO2装置の制御装置であって、
前記洗浄部の燃焼排ガス流れ最後流側の段における洗浄水の炭酸イオン濃度を測定する手段、および
該炭酸イオン濃度の測定値に基づいて前記洗浄部の燃焼排ガス流れ最後流側の段からの排ガスに同伴されるアミン成分の濃度が所定値以下になるように前記洗浄部の燃焼排ガス流れ最後流側の段における洗浄水の流量を調整する手段を有するか、
または
前記洗浄部の燃焼排ガス流れ最後流側の段における洗浄水の炭酸イオン濃度を測定する手段、
前記洗浄部の燃焼排ガス流れ最後流側の段におけるガスに含まれるアミン化合物の濃度を測定する手段、および
前記炭酸イオン濃度の測定値と前記アミン化合物濃度の測定値とに基づいて前記洗浄部の燃焼排ガス流れ最後流側の段からの排ガスに同伴されるアミン成分の濃度が所定値以下になるように前記洗浄部の燃焼排ガス流れ最後流側の段における洗浄水の流量を調整する手段を有する
ことを特徴とする燃焼排ガスの脱炭酸装置の制御装置。
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