JP5697027B2 - マウス網膜上への細胞膜傷害複合体(mac)生成のヒト化モデル、並びに、黄斑変性の処置のための組成物とキットと方法 - Google Patents

マウス網膜上への細胞膜傷害複合体(mac)生成のヒト化モデル、並びに、黄斑変性の処置のための組成物とキットと方法 Download PDF

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Description

本願は、米国特許商標局に、2008年2月15日に出願された米国仮出願No.61/066,062と、2008年2月19日に出願されたNo.61/066,288と、2008年3月25日に出願されたNo.61/070,650と、の利益を請求する。これらの出願は、全て、引用することによって本書に完全に含まれる。
本発明は、国立衛生研究所EY014991,EY013837から認可されることによって、部分的に支持されている。政府は、発明について一定の権利がある。
加齢黄斑変性(AMD)を有している被験者を処置するための方法と組成物、ヒト黄斑変性(MD)をアッセイする方法、ヒトMDの処置薬剤の潜在力をアッセイするための方法とキット、とをここで提供する。
加齢黄斑変性(AMD)は、シャープさと、中心視野と、を徐々に壊す、加齢による病気であり、高齢者の失明を引き起こすものである(下記、非特許文献1)。黄班は、網膜の中央にある特別な組織であって、目の後ろ側の感光性組織であり、光又は画像を電気インパルスへと変換するものである。
AMDは、ウェット又はドライのいずれかに分類される(Inana等による発明、下記特許文献1)。ウェットAMDは、黄班下側の網膜裏側での異常血管の成長によって、特徴付けられる。これら新しい血管は、もろく、しばしば血と体液とを漏らす。血と体液とは、目の後ろで黄班を通常の位置から盛り上げ、中心視野の欠損を生じる。ウェットAMDは、レーザ手術、レーザ光処置、目への注入、によって処置される。しかしながら、これらの処置は、ウェットAMDを治すものではなく、むしろ、その処置は、病気の進行を遅くする、というものである。ドライAMDは、病気に冒された目の中心視野が徐々にぼやけるという、黄班の感光細胞の緩やかな崩壊によって、特徴付けられる。時間と共に、黄班機能と、中心視野とは、徐々に失われていく。かなり進行した段階(advanced stage)のドライAMDのための処置について知られている方法は無く、視野損失は、不可避のものである。抗酸化物質と亜鉛との特別な高用量処方は、中くらいにまで進んでいる段階のAMDが、かなり進行した段階のAMDへと進むことを防ぐ、ということが示されている。
Klein等による論文Ophthalmology114、p253−262、2007年 米国特許No.7,309,487号公報
ヒト黄班変性(MD)、をアッセイ(即ち、予後診断又は診断)する方法、AMD処置を行なう、処置薬の潜在力を確認するための、3つ以上の化学物質相互のアッセイの方法と、AMDを有している披見体を処置する方法と、の必要性がある。
発明のある観点によれば、本明細書では、被験者の加齢黄斑変性(AMD)を処置するための方法であって、網膜のAMD処置の場所に、CD59タンパク質組成物に、被験者の網膜色素上皮(RPE)を接触させる工程を、含んでいる方法が、与えられている。
方法の関連する実施例において、RPE接触が、CD59タンパク質をコードする遺伝子を伴う核酸ベクター、CD59タンパク質、又は、裸核酸から直接発現されたCD59、のグループから選択された少なくとも1つの組成物を届けるものである。
前記何れかの方法の関連する実施例において、ベクターが、ウィルスベクター又はプラスミドであり、例えば、ウィルスベクターが、アデノウィルスと、アデノ随伴ウィルスと、ヘルピスウィルスと、レンチウィルスと、からなるグループから選択された少なくとも1つのウィルスの遺伝子組換えの行なわれた遺伝子から得られたものである。例えば、レンチウィルスがレトロウィルスである。
方法の種々の実施例において、タンパク質と核酸との送達が、静脈注射、眼内注射、筋肉注射、皮下注射、腹腔内注射、からなるグループから選択された少なくとも1つの注入経路によるものである。方法のある実施例において、黄班変性がドライである。
発明のある側面では、モデル細胞システムないでヒトMDの及ぶ範囲をアッセイするための方法、又は、黄班変性(MD)の予後診断又は診断のための血清補体成分をアッセイするモデル細胞システム内で行なう方法であって、第1サンプル細胞をサンプル血清に曝露し、結果として生じる溶解を測定し、そして、血清にそれほど曝露していない、換言すれば同一の第2サンプルである対照細胞に対し、溶解の及ぶ範囲を比較し、この結果、第2サンプルのものと比較された第1サンプル内の溶解の及ぶ範囲がMDの予後診断又は診断の尺度になっている、方法を与える。
発明のある側面では、モデル細胞システム内でヒトMD用の治療薬をアッセイする方法であって、第1サンプル細胞を血清に接触し、結果として生じる溶解を測定し、第2サンプル、換言すれば、対照細胞と同一である細胞を血清とヒトCD59タンパク質のソースとに接触し、結果として生じる溶解を測定し、少なくとも1つの第3サンプル細胞を治療候補化合物、換言すれば、血清と同一のものに接触し、この結果、溶解を測定し、第1、第2サンプルの溶解の及ぶ範囲と比較された、第3サンプルの溶解の及ぶ範囲が、候補化合物による保護の基準であり、これによってヒトMDの処置における効果に有効な治療薬をアッセイするようになっている、方法を与える。
前記方法に関連する実施例において、更に、血清に接触する前に、細胞又は組織を、CD59タンパク質を発現する能力のある遺伝子を有している組換えベクターに接触させることを含んでいる、方法。溶解が、プロピジウムヨウ化物の摂取と、細胞選別と、によって測定された、ものである。前記方法の関連する実施例において、細胞が肝細胞である。関連する実施例において、細胞がマウス由来である。前記方法の関連する実施例において、CD59のソースが、ヒトである。前記方法の関連する実施例において、血清が正常なヒト血清である。代わりに、血清が罹患被験者からのものであり、例えば、罹患被験者がMDを有している。
発明のある観点では、黄班変性の存在又は進行を診断又は予後診断する方法であって、網膜上の細胞膜傷害複合体(MAC)沈着又は網膜の及ぶ範囲を測定する工程を備えているものが、与えられる。発明の関連する実施例において、MAC沈着の及ぶ範囲の測定が、ヒトMACに対して特異的な抗体によって免疫組織化学によって解析される。
発明のある観点では、黄班変性を処置するための医薬組成物であって、CD59タンパク質、又は、インビボのCD59タンパク質の発現のソース、を備えており、前記組成物が、黄班変性処置への効率の良い投与に関し、眼への送達のために処方されている、医薬組成物が与えられる。組成物の種々の関連する実施例において、CD59タンパク質又はCD59タンパク質の発現のソースが、CD59タンパク質をコードする遺伝子を備えている核酸ベクター、CD59タンパク質をコードする遺伝子を備えているウィルスベクター、CD59タンパク質、のグループから少なくとも1つ選択されたものである。
組成物の関連する実施例において、眼への送達のために処方された組成物が、注射、点眼、軟膏からなるグループから少なくとも1つ選択されたものである。組成物の関連する実施例において、注射が、眼内注射、結膜下注射、テノン嚢下注射からなるグループから少なくとも1つ選択されたものである。関連する実施例において、組成物が、更に、抗癌、抗ウィルス、抗バクテリア、抗マイコバクテリア、抗真菌、抗増殖性、抗アポトーシスからなるグループから少なくとも1つの選択された薬剤である。関連する実施例において、CD59タンパク質が溶解性タンパク質として、発現されたものである。関連する実施例において、CD59タンパク質がグリコシルホスファチジルイノシトール(GPI)固定領域をコードする欠損を含んでいる。
発明のある観点では、眼組織又は細胞上のMAC沈着をアッセイし、沈着を阻害する薬を選ぶ(スクリーニングする)ためのキットであって、抗MAC抗体、容器、正常なヒト血清を用いるための使用説明書を備えているキットを、与える。関連する実施例において、キットが、更に抗EMMPRIN抗体、及び、又は正常なヒト血清を備えている。他の関連する実施例において、キットが、更に、正の対照として、CD59タンパク質を備えており、CD59タンパク質が、溶解性の形態、又は、膜結合型の形態のものであり、後者は、例では、リポソームに組み込まれた調製物である。他の関連するキットの実施例において、抗体、血清、CD59タンパク質の少なくとも1つが、親液性のものである
発明のある観点では、黄班変性(MD)の予後診断又は診断のための血清補体成分をアッセイするモデル細胞システムの方法であって、被験者からの血清に、検出可能にラベル付けされた細胞を接触させ、接触された細胞に対する、細胞外及び/又は細胞内で検出可能な薬剤の量を測定する工程と、細胞内の、細胞外及び/又は細胞内で検出可能な薬を、血清に曝露していない、換言すれば、同一の、検出可能にラベル付けされた対照細胞のものと比較する工程と、を備えており、この結果、接触された細胞内の、細胞外及び/又は細胞内で検出可能な薬剤の量が、対照細胞のものと比較し、血清に接触された細胞内の、細胞外の検出可能にラベル付けされた薬剤の量の多さが、MDの予後診断又は診断の指標である、とする工程と、を含んでいる方法、を与えている。
発明のある観点では、モデル細胞システム内でヒト黄班変性(MD)における効果に有効な治療薬をアッセイする方法であって、被験者からの血清に、検出可能にラベル付けされた第1サンプル細胞を接触させ、細胞外及び/又は細胞内で検出可能な薬剤の量を測定し、換言すれば同一の検出可能にラベル付けされた第2サンプル対照細胞を、血清とヒトCD59タンパク質のソースとに接触させ、細胞外及び/又は細胞内の検出可能な薬剤の量を測定する工程と、少なくとも1つの、検出可能にラベル付けされた第3細胞を、治療候補化合物、換言すれば、血清と同一のものに接触し、細胞外及び/又は細胞内の検出可能な薬の量剤を測定し、この結果、第1サンプルと第2サンプルとの細胞外及び/又は細胞内の薬の量と比較された、第3サンプルの細胞外及び/又は細胞内の薬の量が、候補組成物によって保護される量であり、細胞外の検出可能にラベル付けされた薬の量の多さが、MDの指標であり、これによって、ヒトMDの処置における効果に有効な治療薬をアッセイする工程と、を含んでいる方法、を与えている。
前記方法の種々の変形例において、検出可能な薬が、検出可能なタンパク質を発現する能力のある遺伝子を有している組換えベクターと、蛍光剤と、比色分析剤と、酵素剤と、放射性剤と、からなるグループから少なくとも1つ選択された組成物である。例えば、検出可能なタンパク質は、緑色蛍光タンパク質と、エクオリンと、シアン蛍光タンパク質と、DsRed蛍光タンパク質と、強化緑色蛍光タンパク質と、黄色蛍光タンパク質と、からなるグループから少なくとも1つ選択されたタンパク質である。他の実施例において、検出可能な薬剤が、タンパク質でないものであり、例えば、インドシアニン・グリーンと、ドキソルビシンと、リボフラビンと、クロロフィルと、ポルフィリンと、からなるグループから少なくとも1つ選択された薬剤である。他の実施例において、検出可能な薬が、例えば、βガラクトシダーゼ、又は、アルカリホスファターゼ、の酵素である。
前記方法の実施例において、細胞が、肝細胞であり、例えば、細胞は、マウス由来のものである。前記方法の実施例において、CD59タンパク質のソースがヒトである。前記方法のある実施例において、血清が、正常なヒト血清である。代わりに、血清が、罹患被験者からのものである。一般に、被験者が、MDの診断又は予後診断を必要としている。他の実施例において、CD59タンパク質が溶解性のものである。他の実施例において、タンパク質は、膜結合型のものである。
図1Aは、AdCAGCD59血清型5アデノウィルスベクターと、2つの対照アデノウィルスベクターであるAdCAGGFPとAdEMPTYと、の構成を示す図である。前記AdCAGCD59血清型5アデノウィルスベクターは、チキン・ベータ・アクチン(CAG)プロモーターの制御下でヒトCD59をコードしている遺伝子を含んでいる。前記AdCAGGFPは、また、CAGプロモーターによって調節されたGFPを発現するものであり、前記AdEMPTYは、負の対照ベクターである。使用されている記号でpAは、ポリアデニル化シグナルであり、CAGは、サイトメガロウィルス・チキン・βアクチン・βグロビン・プロモーターであり、Ψは、Adパッケージシグナルであり、ITRは、アデノウィルス逆方向末端反復であり、Δは、消失であり、Eは、初期領域ラベルである。 図1Bは、ヒトCD59(頂部)への結合のため、かつ、対照タンパク質アクチン(底部)ために、モノクローナル抗体特異性を用いるウェスタンブロット法による写真であり、AdCAGCD59に接触した細胞の溶解物内のヒトCD59の有無を示している(マウス肝1c1c7細胞溶解物グループ、左チャネル内、およそ18kDでの暗帯)。CD59シグナルは、対照ウィルスベクターに接触した細胞から、細胞溶解物内で検出されなかった(マウス肝1c1c7細胞溶解物グループ、中間、右チャネル)。内因性ヒトCD59は、また、胎生期網膜(911)細胞溶解物内で検出されなかった(911細胞溶解物グループ内のおよそ18kDでの淡い色の帯)。このシグナルは、AdCAGCD59に接触したマウス細胞からのシグナルに比べて、非常に弱かった(マウス肝1c1c7細胞溶解物グループ、左チャネル内、およそ18kDでの暗帯を、911細胞溶解物グループ内のおよそ18kDでの淡い色の帯と、比較する)。第2ウケスタンブロット法は、ハウスキーピング遺伝子βアクチンの発現のための対照であった。 図1Cは、(左側で)複数の細胞に接触したAdCAGCD5を示す1組の顕微鏡写真である。前記複数の細胞は、hCD59抗体(右に示されているCD59)に免疫染色されている。左頂部の顕微鏡写真は、2つの異なる拡大率(長さを示すバーが100μmのものと20μmのもの)で、細胞の微分干渉コントラスト(DIC)を用いて可視化されたものである。右の顕微鏡写真は、CD59の発現と、細胞膜上の位置確認とのために、これらの細胞の面積組織化学検出を示している。全ての細胞の実質的な量又は可能性は、CD59たんぱく質を発現するために、見出された。図1C(右側)は、左側の顕微鏡写真内のものに関係付けられている(対照ベクターAdCAGGFPに接触された)対照細胞の1組の顕微鏡写真である。これらのデータは、CD59がそれらの細胞内で発現されていないものを示している。 図2は、AdCAGCD59ベクターに接触された細胞内に発現されたヒトCD59の機能的活動を示している1組のグラフである。 図2Aは、横座標が、細胞がインキュベートされている、血清(正常ヒト血清、以下、NHS)濃度の関数であり、縦座標がベクターに接触していない対照細胞の溶解率を、示している折れ線グラフである。未処置対照細胞の溶解は、インキュベーション期間中の血清濃度の関数として観察された。最大細胞溶解によって得られた最も低い血清濃度は、1%(1/100希釈、細胞溶解は、96.06%±0.87%))である。この血清は、ここでは、次の実施例で用いられる。 図2B、C、Dは、横座標で示されている、(FL3-Hチャネル内に得られた)細胞のプロビジウムヨウ化物(PI)表示の範囲と、縦座標で示されている、細胞数とで、ヒト結成細胞溶解をアッセイした結果を示している細胞選別データを、印刷したものである。図2Bは、(非感染と示されている)未処置細胞内において、HI−NHSによって処置された細胞は、PI摂取量の低い位置へと選別されており、NHSによって処置された細胞は、PI摂取量のより大きな位置へと選別されている。 図2Cは、未処置細胞と同様に、選別された、AdCAGGFPベクターに接触された細胞を示している。 図2Dは、ベクターAdCAGCD59で処置された実質全ての細胞が、NHS(HI−NHS)で加熱不活性化によって処置されたように、同じ位置に選別されており、即ち、MHSに対する感受性が、AdAGCD59による事前処置によって、実質又は完全に等しく減少されている。この例において、PIは、非生体細胞、即ち、右側のピークによって、優先的に摂取される。AdCAGCD59ベクターに接触された細胞は、かなりの保護されており、即ち、補体媒介性細胞溶解が12.29%±0.18%へと減少している。 図2Cは、対照ベクター(AdCAGGFP)に接触されたマウス細胞が、ヒト血清補体(細胞溶解は95.27%±0.01%)に起因する、細胞溶解に対して影響を受けやすいものである、ことを示している。同様に、図2Bは、事前処置されていない、又は、ベクターに接触した、対照細胞が、ヒト補体と細胞溶解とに対して影響を受けやすいものである、ことを示している。これらのデータは、細胞が、アデノウィルスベクターに接触することよりも、むしろ、AdCAGCD59ベクターからのヒトCD59の発現に起因する。溶解から保護されている、ことを示している。 図2Eは、横座標が異なるグループの細胞、即ち、事前処置されていないベクターと、対照ベクターAdCAGGFPに接触された細胞と、AdCAGCD59に接触された細胞とで、横座標が細胞の溶解率である、棒グラフである。各棒は、細胞の異なる処置サンプルを、表している。このグラフ内のデータは、AdCAGCD59に接触された細胞が、かなり保護されており、補体媒介性細胞溶解が、12.29%±0.18%である、ことを示している(右の棒グラフ)。対照ベクターAdCAGGFPで処置された細胞は、ヒト補体に対して影響を受けやすいものであり、細胞溶解が、95.27%±0.01%である(中間位置の棒グラフ)。未処置細胞は、ヒト補体に対して影響を受けやすいものであり、また、細胞溶解が、95%である(左側の棒グラフ)。これらのデータは、AdCAGCD59ベクターによる細胞のヒトCD59事前処置が、細胞が溶解することから保護している、ことを示している。 図2Fは、横軸が事前処置された細胞1つ当たりのウィルス粒子数、縦軸が機能多重度として事前処置された細胞の細胞溶解率、を示している折れ線グラフである。AdCAGCD59ベクターによって事前処置された細胞内において、細胞溶解は、多重度を増加することによって減少した。250ウィルス粒子(粒子/細胞)による処置は、細胞溶解を50%以下に抑える、という結果を生じた。対照ベクターによって事前処置された細胞は、最も高い多重度であるが、完全な細胞溶解を示した。 図3A、Bは、それぞれ、4枚の顕微鏡写真の組であって、マウス細胞が、NHSに曝露さられたときに、C5b−9沈着に対して影響を受けやすい、ことを示している。 図3Aは、1乃至10分の間、37度で、10%のNHSでインキュベートされ、その後、洗浄され、固定された、チャンバースライドで覆われた、ポリDリシン上にあるマウス細胞を示している。左側の顕微鏡写真は、(100μmと20μmとの長さの格子によって示されている)異なる倍率でDICによって可視化されたものである。右側の顕微鏡写真は、(100μmと20μmの)異なる倍率で、抗MAC抗体によって、そして、DAPIによって、接触された細胞の結果を示している。DAPIは、4’−6ジアミジノ−2−フェニルインドールの、化合物(compound)であり、該化合物は、二本鎖DNAを備えた蛍光錯体を形成している。これらの顕微鏡写真は、5分間のNHSによる細胞のインキュベーションが、HI−NHSによってインキュベートされた対照細胞に比べて、細胞形態学上かなりの変化をもたらしている、ということを示している。ここで、(図3A,左側の顕微鏡写真の)細胞は、(図3B左側の顕微鏡写真の)HI−NHSによって処置された細胞に比べて、拡張細胞質突起を失い、丸くなり、粒状物になっている。C5b−9化合物上のネオエピトープを対象とする、モノクローナル抗体を用いる免疫組織化学的解析は、(図3Bの)HI−NHSによって処置された対照細胞に比べ、これらの細胞上のMACの沈着を確認する、(図3Aの)NHSによって処置された細胞の境界で、より広範囲にわたる細胞膜染色を示した。 図3Bは、HI−NHSを用いる点を除いて、図3Aのものと同様の実験結果を示している。データは、細胞が形態変化しないこと、即ち、HI−NHSは、NHSのような細胞に対する、幾つかの悪影響を有さない、ということを示している。 図3Cは、DICによって撮られた1組の顕微鏡写真である。左側の顕微鏡写真は、細胞をNHSに接触し、その後、トリパンブルーによって染色したものを示しており、右側の顕微鏡写真は、細胞をHI−NHSに接触し、その後、トリパンブルーによって染色したものを示している。NHS処置細胞の実質的な溶解数は、(左側の)トリパンブルー染色によって測定されたものと認められる。(右側の)正常な細胞形態であって、トリパンブルーを摂取していない細胞によって示されるように、実質的に溶解されていないことが、(右側の)HI−NHS接触細胞によって認められる。更に、NHSに曝露されたこれらのものは、正常な細胞との関係において、突起を失うのに対し、HI−NHSによって処置された細胞は、正常な細胞形態を維持していた。画像は、血清試験後の各々の型のために3つの独立した実験結果を、表している。 図4Aは、対照ベクターAdCAGGFPによって事前処置され、その後、3、5、7分の間とNHSによってインキュベートされ、幾つかの方法によって可視化された、1組のマウス肝1c1c7細胞の顕微鏡写真である。上の行は、DICによって可視化された細胞を示している。中間位置の行は、MAC/DAPIによってかしかされた同じ細胞を示している。下の行は、5分間のものの顕微鏡写真のハイライト部分の拡大図を示している。細胞は、5分後、そして、7分後といった、NHSインキュベーションの時間経過に伴う、正常な形態のものの溶解と消失と、の増加を示している。画像は、血清試験後の各々の型のために3つ(?2つのはず)の独立した実験結果を、表している。 図4Bは、図4Aと同じ実験プロトコルによって、CD59を発現している、AdCAGCD59によって事前処置された他のサンプル細胞の、1組の顕微鏡写真である。図4Aのデータに比べ、CD59ベクターによって事前処置された細胞は、正常な形態を保持しており、7分間のNHSによるインキュベーションの後であっても、MAC染色から保護されていた。画像は、血清実験の各タイプに対する3つの独立した実験結果を、表している。 図4Cは、AdCAGGFPによって事前処置され、その後、トリパンブルーによって染色された細胞(左側)と、AdCAGCD59によって事前処置され、その後、トリパンブルーによって染色された細胞(右側)と、のDICによって撮られた、1組の顕微鏡写真である。 図4A、B、Cは、AdCAGCD59ベクターによって、マウス肝1c1c7細胞を事前処置することが、MAC沈着と溶解とから、これらの細胞を、かなり保護した、ということを示している(図4A、図4C、右側の顕微鏡写真)。CD59発現ベクターによって事前処置され、その後、5分間NHSに曝露された、細胞は、健常な形態特性を保持していた(図4B、上の行、中間位置の顕微鏡写真、下側、右の顕微鏡写真)。対照アデノウィルスベクターによって事前処置され、GFPを発現している、細胞は、5分間のNHS処置後、MAC沈着に対して保護されていなかった(図4A)。異常な形態変化は、細胞質突起の損失と、丸く、粒状の形状とを含んでいる、これらの細胞内に認められた(図4A、上の行、中間位置と、下側右の顕微鏡写真)。MAC免疫染色が、認められた(図4A、中間位置の行、中心と、下部右の顕微鏡写真)。対照細胞の実質的な量の溶解が、トリパンブルー染色によって認められた(図4C、左側の顕微鏡写真)。 これらの顕微鏡写真は、更に、7分のNHS処理後、幾つかのAdCAGCD59事前処置された細胞内で、MAC染色の範囲が狭いことを示している(図4B、中間位置の行、右側の顕微鏡写真)。対照細胞が、7分のNHS処置の後、AdCAGGFPによって事前処置された場合、MAC染色(図4A,中間位置の行、右側の顕微鏡写真)は、AdCAGCD59によって処置された細胞内のもの(図4B、中間位置の行、右側の顕微鏡写真)に比べて、かなり強い。 図5は、細胞1つ当たりのベクターAdCAGCD59粒子(vp/cell)であって、異なる細胞1つ当たりのベクター粒子での、5分間のNHSによるものの生存率への、事前処置の細胞への影響を、2つの拡大率(距離バーを参照)で、示している1組の写真である。左側の列は、細胞が、100vp/cell、5分のNHS処置によって処置され、4つの条件下で可視化したものである。中間位置の列は、細胞が、500vp/cell、5分のNHS処置によって処置されたものである。右側の列は、細胞が、1000vp/cell、5分のNHS処置によって処置されたものである。これらの顕微鏡写真は、MAC免疫染色が、AdCAGCD59ベクターを伴うより高い多重度で事前処置された細胞内で減少された、ということを示している。より高いベクター多重度で事前処置された細胞が、更に、より高い率で正常の形態を示した。図5は、ヒトMAC沈着と、事前処置された細胞に用いられるAdCAGCD59アデノウィルスの量と、の間の逆関数を示している。 図6は、(図中、抗mEMMPRIN抗体と表されている)補体活性抗マウスEMMPRIN抗体によって(+)、又は、それによらず(−)、インキュベートされた、マウス眼杯(パネルA、B、C)と、一次マウスRPE細胞(パネルD、E)であって、その後に、図示されている分間、示されているように、NHS又はHI−NHSによって処置されたものの、1組の顕微鏡写真である。眼杯とRPE細胞とは、ヒトMAC沈着の検査を受ける。一次RPE細胞は、DAPIとラベル付けされている。画像は、(各状況のためnは、4つの眼杯である)眼杯の組の各々と、一次RPE細胞の組の各々と、について、少なくとも3つの独立した実験結果を、示している。 図6Aは、抗EMMPRIN抗体に接触し、その後、50%NHSによって処置された、(平らな面に解剖によって開かれており、長さを示すバーが1mm)眼杯から認められた、ヒトMAC沈着免疫組織化学的データを示している。(右側の)顕微鏡写真1乃至3は、解剖によって開かれた細胞の2つの倍率(長さを示すバーが100μmと400μm)で示すものである。広範囲に及ぶMAC免疫染色の眼杯細胞が認められ、渦巻き型で、種々のパターンの染色が現れたこれらの眼杯のRPE単分子層が、認められた。 図6Bは、図6Aに示されているような、データを示しているが、しかし、HI−NHSを用いているものについて示している。広範囲に及ぶMAC免疫染色の認められた、NHSによってインキュベートされた細胞(図6A)と比べて、マウス眼杯のRPE上では何のMAC免疫染色も認められなかった。 図6Cは、図6A,Bに示されているような、データを示しているが、しかし、37度で60分、100%のNHSによってインキュベートされ、NHS添加前に、抗EMMPRIN抗体に接触されていなかったものについて示している。データは、染色が時折起きるもので、散乱しており、弱いものである、ということを示している。 図6Dは、次にNHSによって処置される、抗EMMPRIN抗体に接触された細胞のためのヒトMAC免疫化学の結果、DIC、DAPIによって解析された一次マウスRPE細胞を、示している。細胞は、2つの異なる倍率(長さを示すバーが300μmと75μm)で示すものである。広範囲に及ぶMAC免疫染色が、眼杯(図6B)の認められたものと同様に、認められる。 図6Eは、図6Dに示されているような、一次マウスRPE細胞の結果を示しているが、しかし、37度で7分、HI−NHSによってインキュベートされたものについて示している。NHSによってインキュベートされた細胞に比べて、少ない範囲に及ぶMAC免疫染色が、認められた。 図7は、適切なCy3−共役二次抗体によって可視化された(図中、3番目の行にRPE65と示されている)抗マウスRPE65抗体を用いる二重抗体アッセイによって解析され、試された、RPE細胞を示している1組の顕微鏡写真である。左側の列は、(一次)抗マウスRPE65抗体によって染色された細胞の顕微鏡写真を示している。右側の列は、非一次(対照)と図示されており、一次抗RPE65抗体に接触していない対照細胞と、更に、二次抗体によって、処置されたものと、を示している。細胞は、それぞれ、DIC,DAPIによって、そして、(4番目の行に、RPE65/DAPIと示されているように)RPE65とDAPI染色とを重ねることによって、可視化されている。 図8は、(図8Aの左側の列は)抗EMMPRIN抗体と、4分間、50%NHSと、をRPE細胞に接触させることによって得られたデータを示しており、(図8Aの右側の列は)抗EMMPRONと、7分間の50%NHSと、をRPE細胞に接触させることによって得られたデータを示しており、(図8Bは)抗EMMPRIN抗体と、7分間、50%HI−NHSと、をRPE細胞に接触させることによって得られたデータを示しており、(図8Cは)7分間の50%NHSをRPE細胞に接触させることによって得られたデータを示している、1組の顕微鏡写真である。一番上の列は、BFによって可視化された細胞であり、二番目の列は、DAPIによって染色された細胞であり、三番目の列は、抗ヒトC5b−9抗体に接触した細胞であり、四番目の列は、DAPIと、二番目と三番目の結果の抗体と、を1つにマージしたものである。 図8Aは、(左側の列、三番目の行にあるように)抗EMMPRIN抗体と、4分間の50%NHSと、によって処置されたRPE細胞と、そして、その後、7分間のNHS処置の施されたものの、RPE細胞上の広範囲に及ぶMAC免疫染色を示している。この図は、RPE細胞の相当量が、(右の列、三番目の行にあるように)スライドから分離されたものを有する、ということを示している。図8Aは、また、時折残留している高いコンフルエンス領域の細胞凝集であって、(左右の列、三番目の行にあるように)これらの領域が、MACに対して強くポジティブなものである、ことを示している。 図8Bは、(三番目の行にあるように)抗MAC抗体へと結合していない、HI−NHS処理細胞を、示している。 図8Cは、7分間の50%NHSをRPE細胞に接触させることによって得られたデータを示している。 図9は、1組の、マウス眼杯組織を示している顕微鏡写真と、マウス角膜組織の顕微鏡写真である。 図9Aは、次に、(37度、15分、最終濃度50%の)NHSの追加が行なわれる、抗マウスEMMPRIN抗体に接触した、(示されている平らな表面へと解剖した)眼杯組織を、示している。NHSに曝露された後、RPE単分子層は、異なるMAC沈着量と、細胞損傷の種々の量と、に起因して、渦巻き型で、種々のパターンの染色が現れた。 図9Bは、次に、(37度、15分、最終濃度50%の)HI−NHSの追加が行なわれる、抗EMMPRIN抗体に接触した眼杯組織の結果を示している。HI−NHSに接触した細胞は、RPE細胞と角膜内皮との中にMAC免疫染色の無いことを示している。 図9Cは、次に、(37度、20分、最終濃度50%の)NHSの追加が行なわれる、抗マウスEMMPRIN抗体に接触した角膜組織の結果を示している。NHSに曝露された後、RPE単分子層は、異なるMAC沈着量と、細胞損傷の種々の量と、に起因して、渦巻き型で、種々のパターンの染色が現れた。 図9Dは、NHSに接触した細胞は、RPE細胞と角膜内皮との中にMAC免疫染色の無いことを示している。 図10は、対照ベクターと、hCD59発現ベクターとの混合物によって事前処置された細胞の1組の顕微鏡写真である。 図10Aは、(4:1の比率で、合計1×10vp/cellの)AdEMPTY+AdCAGGFPの混合物によって事前処置され、感染後3日で、抗EMMPRIN抗体に7分間接触され、その後、洗浄し、固定された後、7分間、50%のNHSに接触された、一次マウスRPE細胞を示している。細胞は、(左側に)DICを伴いながら、又は、(右側に)GFP蛍光によって、認められている。 図10Bは、AdCAGCD59+AdCAGGFPの混合物を除いて、図10Aに示されているような、事前処理された一次マウスRPE細胞を示している。AdCAGGFPの使用は、(図10A、Bに矢印で示されているように)小水疱(vesicle)を明らかにした。データは、hCD59のアデノウィルス媒介性送達によって、MAC関連の小水疱形成を阻止していることが示された。 図11は、解剖された組織の1組の写真と、細胞データを解析するための、それらの組織の1組の顕微鏡写真である。 図11Aは、各々AdCAGCD59の網膜下注入によって、6日間事前処置された眼杯組織を示している。組織は、CD59の発現のための免疫組織化学によって染色されており、GFPの組織蛍光は、直接検出される。 図11Bは、対照ベクターAdCAGGFPによって事前処理される点を除いて、図11Aに示されているような、眼杯組織を示している。 図11Cは、角膜組織がマウスから採取され、各々AdCAGCD59によって3日間、エクスビボで事前処置されたものを、示している。 図11Dは、対照ベクターAdCAGGFPによって事前処置される点を除いて、図11Cに示されているような、角膜組織を示している。 図11A乃至Cは、AdCAGCD59によって事前処理された後に、マウスRPEと、角膜内皮と、によるヒトCD59の発現を、示している。AdCAGCD59と、AdCAGGFPと、によって事前処理された角膜は、抗CD59抗体によって可視化される。 図12は、(9:1の比率で、3×10vp/cellの)図12Aに示されているように、対照ベクターAdEMPTY+AdCAGGFPの混合物と、図12Bに示されているように、ベクターAdCAGCD59+AdCAGGFPの混合物と、による注入によって事前処置された眼からのフラットマウントからの、1組の、写真、顕微鏡写真と、データの棒グラフと、である。 図12Bは、ベクターAdCAGCD59+AdCAGGFPの混合物による注入によって事前処置された眼からのフラットマウントからの、1組の、写真、顕微鏡写真と、データの棒グラフと、である。 細胞は、注入後6日間で、抗マウスEMMPRIN抗体に接触された後に、15分、50%NHSに接触されたものである。(各組の左側の)GFPは、(長さを表すバー1mmの)注入部位で、蛍光を示しており、下側の顕微鏡写真は、注入部位の(長さを表すバーが400μm、100μmの)2つの拡大図である。MACは、抗ヒトC5b−9抗体によるMAC染色を示しており、下側の顕微鏡写真は、注入部位の(長さを表すバーが400μm、100μmと示されている)拡大図である。マージは、GFPとMACとの(長さを示すバーが1mmの)解剖組織写真のオーバーレイである。 図12A、Bのデータは、対照ベクターの混合物によって事前処置された対照組織のMAC免疫染色が、相当量のものであり、対照細胞内のMACが、(図12Bの)AdCAGCD59とAdCAGGFPの混合物の注入を受け入れている組織内のGFP発現のエリアでのMACに比べて、比較的、かなり広範囲に及んでおり、そして強い、ということを示している。対照注入された眼杯のGFP発現エリアでのRPE細胞が、丸められた形状、正常な六角形形態の消失と、明確なセル境界の消失、によって示されるように、広範囲にわたって損傷されている(図12A、中間位置の行)ことが認められた。 図12BのヒトMACの免疫組織化学は、他の眼杯に比べてヒトCD59発現に相関している、GFP発現のエリアのRPE上で、かなり減少されていた。このエリアのRPE細胞は、明確な細胞境界と、正常な六角形の形態と、に損傷を受けていないことが認められた。 図12Cは、7.5分(左側のグラフ)、又は、15分(右側のグラフ)の何れかの血清に接触した眼杯組織を示している。血清は、HI−NHS(白抜きの棒フラグ)、又は、NHS(黒塗りの棒グラフ)である。4つのタイプの組織がある。非注入/アデノウィルスによって事前処置していないもので、HI−NHSに接触したもの(非注入、左から1番目の白抜きの棒グラフ)と、非注入/アデノウィルスによって事前処置されていないもので、NHSに接触したもの(非注入、左から2番目の黒塗りの棒グラフ)と、対照アデノウィルスの混合物によって注入が行なわれた組織で、NHSに接触したもの(EMPTY+GFP、右から2番目の黒塗りの棒グラフ)と、AdCAGCD59+AdCAGGFPアデノウィルスの混合物によって注入された組織で、NHSに接触したもの(CD59+GFP、右から1番目の黒塗りの棒グラフ)と、である。平均値の標準誤差p<0.01、**p<0.001、***p<0.0001と表されているデータは、CD59事前処置細胞がより低いレベルのMACを有している双方の処置期間を、示している。 図12Dは、対照ベクター(AdEMPTY+AdCAGGFP)の混合物が注入され、抗マウスEMMPRIN抗体によって処置され、次に、注入後、6日間経過後に、37度、15分間、50%NHSによって処置された、一次RPE細胞の1組の顕微鏡写真である。画像は、3つの独立した結果の表示である。 図12Eは、図12Dに示したように、一次RPE細胞を示しているが、しかし、(AdCAGCD59+AdCAGGFP)hCD59発現ベクターの混合物が注入されたものについて示している。かなり少ないMAC沈着が、図12D内の同等の細胞に比して認められた。 図13Aは、縦座標が、MAC蛍光強度によるGFP発現のエリアでのMAC免疫蛍光の定量化であり、横座標が、RPE細胞が事前処置される注入物質の性質である、ものを示している。NHSに接触した対照細胞は、5000乃至15000の間で、中央値が約10000の、MAC蛍光強度を有している。対象的に、HI−NHSに接触した対照細胞は、2500以下のMAC傾向強度を有していた。AdEMPTYとAdCAGGFPとの混合物によって事前処置されたRPE細胞は、6000乃至10000の間で、中央値が約9000の、MAC蛍光強度を有している。AdCAGCD59とAdCAGGFPとの混合物によって事前処置され、そして、NHSに接触した、RPE細胞は、2000乃至11000の間で、1つの中心から離れた点に起因して、中央値が5000以下の、MAC蛍光強度を有している。このデータは、対照注入した眼杯組織(n=10)のものとの比較において、AdCAGCD59とAdCAGGFPの注入された眼杯組織(n=10)についてのMAC蛍光強度の平均値で約55%の総数減少を示しており、これは、統計的に有意なものである(p=0.0014、図13A)。 図13Bは、(縦座標が)注入位置の蛍光強度の定量化であり、(横座標が)個々の眼杯組織である、折れ線グラフである。GFP発現エリアでの、GFP蛍光とMAC免疫蛍光との強度は、(AdEMPTY+AdCAGGFP、左側の)対照ベクターの混合物、又は、(AdCAGCD59+AdCAGGFP、右側)hCD59発現ベクターの注入された眼の眼杯についてのものを示している。血清処置の長さが、示されている。データ点は、左から右へとかけて、GFP蛍光強度が増加する順に並べられている、1つの眼杯からのGFP又はMAC蛍光強度である。折れ線は、各組のデータの平均値である。NHSに接触した、AdCAGCD59+AdCAGGFPによって事前処置された眼杯上のGFPとMACとの蛍光強度の間に、反比例が認められた。記号N.S.は、相異が、統計的に有意なものでないことを表している。 図14は、(図14Aが)AcEMPTYとAdCAGGFPとの対照混合物、又は、(図14Bが)AdCAGCD59とAdCAGGFPとの混合物、によって事前処置されたRPE細胞の免疫化学データを示している、1組の写真、顕微鏡写真である。 示されたアデノウィルス混合物によって感染後6日で、細胞は、第1一次ヤギ抗マウスEMMPRIN抗体に接触され、その後、第1二次Cy3共役ロバ抗ヤギIgG抗体に接触された。GFPは、注入位置の蛍光強度であり、注入部位で2つの倍率のものである。EMMPRINは、EMMPRIN免疫蛍光を示しており、以下のものは、注入位置で2つの倍率のものである。マージは、GFPとEMMPRINとのオーバーレイである。画像は、3つの独立した実験結果を、表している。図14A、Bのデータは、導入遺伝子発現のエリアと、眼杯の他の部分又は注入された眼杯と、の間のEMMPRIN免疫蛍光に、実質有意な違いの無いことを示している。 図4Cは、AdCAGGFPの注入によって事前処置されたRPE細胞のデータを示している。3日後、細胞は、第1一次ヤギ抗マウスEMMPRIN抗体に接触され、その後、第1二次Cy3共役ロバ抗ヤギIgG抗体に接触され、洗浄され、固定され、そして、第2一次マウス抗hCD59抗体によってインキュベートされ、その後、第2二次Cy2共役ヤギ抗マウスIgG抗体によってインキュベートされた。細胞核は、DAPIによってラベル付けされており、DIC、GFP、EMMPRINによって可視化されている。画像は、3つの独立した実験結果を、表しているものである。 図14Dは、AdCAGCD59と、上述したような免疫化学と、である点を除いて、図14Cに示したような、注入によって事前処置されたRPE細胞の結果を示している。図14C、Dのデータは、hCD59の発現に起因して、(GFPとの比較において)EMMPRIN内に有意な違いが無いことが認められることを、示している。 図15は、EMMPRIN免疫染色前、(横座標に示すような)ベクターによって事前処置されたRPE細胞によるEMMPRIN免疫蛍光(縦座標)を示している棒グラフである。示されているRPE細胞は、対照であるが、事前処置されていないもの(左側の棒グラフ)と、対照ベクターの混合物によって事前処置されたもの(EMPTY+AdCAGGFP、中間位置の棒グラフ)と、hCD59発現ベクターとGFPとの混合物によって事前処置されたもの(CD59+GFP、右側の棒グラフ)と、である。各グループのために、3つの眼杯から(40×対物レンズによって得られた)12枚の画像が定量化されている。グラフは、図14A、Bに示されている実験結果から得られたデータを含んでいる。データは、平均値±標準誤差として表されている。データは、事前処置によってEMMPRIN染色上に何の効果も無いことを、示している。 図16は、事前処置後3日の、一次マウスRPE細胞の1組の写真である。RPE細胞は、AdCAGGFP(左側列)又は、AdCAGCD59(右側列)によって事前処置されている。AdCAGGFP(BF写真、左側列)によって事前処置されたRPE細胞の色素沈着は、AdCAGCD59(BF写真、右側列)によって事前処置された細胞の色素沈着と、同様のものであることが認められた。AdCAGGFPによって事前処置され、DAPIによって染色された、RPE細胞(DAPI写真、左側列)は、AdCAGCD59によって事前処置され、DAPIによって染色された、RPE細胞(DAPI細胞、右側列)と比べて、同じ量の蛍光を示した。AdCAGGFPによって事前処置されたRPE細胞(GFP写真、左側列)は、AdCAGCD59によって事前処置されたRPE細胞(GFP写真、右側列)と比べて、かなり強く緑色の蛍光を示した。AdCAGGFPによって事前処置され、その後、抗マウスEMMPRIN抗体と、NHSと、によって事前処置されたRPE細胞(MAC写真、左側列)は、AdCAGCD59によって事前処置され、その後、同じ抗マウスEMMPRINと、NHS処置と、によって事前処置され、抗ヒトMAC抗体によって検出されたRPE細胞(MAC写真、右側列)と比べて、かなり強くMAC免疫蛍光を示した。 図17Aは、対照AdCAGGFPによって事前処置され、その後、抗マウス抗体と、NHSと、によって事前処置された角膜からのセクションを示している1組の写真である。MACでラベル化された写真は、この角膜の内皮上の抗MAC抗体によるMAC免疫染色を示している。GFPでラベル化された写真は、角膜内皮上のGFP蛍光を示している。DAPIでラベル化された写真は、角膜細胞のラベル化されたDNA蛍光を示している。マージでラベル化された写真は、前の写真のオーバーレイを示している。 図17Bは、AdCAGCD59によって事前処置され、その後、図17A内の角膜と同様に、同じ抗マウスEMMPRINと、NHS処置と、によって事前処置された、細胞を示している。MACとラベル付けされている写真は、この角膜の内皮上のMAC免疫染色を示している。GFPとラベル付けされている写真は、これらの細胞によってGFP蛍光が無いことを示している。DAPIとラベル付けされている写真は、角膜細胞の標識DNA蛍光を示している。1つに“マージ”したとラベル付けされている写真は、前の写真のオーバーレイを示している。 図17Cは、対照AdCAGGFPによって事前処置された細胞を示している。EMMPRINでラベル化された写真は、これらの細胞のEMMPRIN抗体免疫染色を示している。GFPでラベル化された写真は、これらの細胞による直接のGFP蛍光を示している。DAPIでラベル化された写真は、これらの細胞の標識DNA蛍光を示している。マージでラベル化された写真は、前の写真のオーバーレイを示している。 図17Dは、AdCAGCD59によって事前処置された細胞を示している、1組の写真である。EMMPRINでラベル化された写真は、これらの細胞のEMMPRIN抗体免疫染色を示している。GFPでラベル化された写真は、これらの細胞による直接のGFP蛍光を示している。DAPIでラベル化された写真は、これらの細胞の標識DNA蛍光を示している。マージでラベル化された写真は、前の写真のオーバーレイを示している。 これらの写真は、AdCAGCD59によって事前処置された角膜の角膜内皮上のMACからの保護が、AdCAGCD59とAdCAGGFPとに接触した角膜の間の角膜内皮のEMMPRIN免疫染色(図17C、EMMPRIN写真と、図17D、EMMPRIN写真との比較)について何の違いも示さなかった免疫組織化学のように、EMMPRIN発現又は抗EMMPRIN抗体結合の違いに起因していない、ということを示している。これらの写真は、更に、AdCAGCD59によって事前処置された角膜の角膜内皮上のMAC免疫染色(図17B、MAC写真)が、AdCAGGFPによって事前処置された角膜の角膜内皮のMAC免疫染色(図17A、MAC写真)と比べて、かなり減少していることを示している。 図18は、AdCAGGFP又はAdCAGCD59ベクターがエクスビボで注入され、EMMPRIN抗体とNHS又はHI−NHSとによって、処置されているものと、処置されていないものと、についての角膜の、1組の写真と棒グラフと、である。棒グラフは、MACとEMMPRINとの蛍光強度の各々を示している。 図18Aは、ベクターによって事前処置されておらず、抗マウスEMMPRIN抗体によって接触し、その後、NHS(上側の行)又はHI−NHS(下側の行)に接触した、対照角膜内のEMMPRINを示している。これらの角膜用の、MAC染色(原色が赤、示されていない)と、DAPI(原色が青)と、DLCとが、認められた。明るいMAC免疫染色が、NHSによって処置された角膜の角膜内皮に認められ、HI−NHSによって処置された角膜内皮にごく僅かの染色が認められた。 図18Bは、図18Aと同様に、免疫組織化学解析を示すものであるが、しかし、AdCAGGFP又はAdCAGCD59によって3日の間事前処置された角膜(上の行、下の行、それぞれ1.5×10vp)について示すものである。AdCAGGFPアデノウィルスによって事前処置された角膜(上側)には、CD59発現が見られなかったが、AdCAGCD59アデノウィルスによって事前処置された角膜(下側)には、強いCD59が認められた。 図18Cは、AdCAGGFP(上側)又はAdCAGCD59(下側)アデノウィルスによって事前処置され、25μg/mlのヤギ抗マウスEMMPRIN抗体と、NHS(上側)又はHI−NHS(下側)と、によって処置された角膜を、示している。図18Cの棒グラフは、(横座標で)グループの各々がアデノウィルスによって事前処置されているものと、事前処置されていないものである、4つの角膜グループからの12セクションの角膜内皮の(縦座標で)MAC免疫蛍光の定量化を、示している。グループは、(事前処置されていない、図中、非感染と示されている)血清に接触した対照角膜と、血清に接触する前に、AdCAGGFPアデノウィルスによって事前処置された(AdCAGGFP)角膜と、血清に接触する前に、AdCAGCD59によって事前処置された(AdCAGCD59)角膜と、を含んでいる。角膜グループは、その後、NHS(黒塗りの棒グラフ)又はHI−NHS(白抜きの棒グラフ)の何れかに曝露される。グラフは、図18A、Cに示したデータを含んでいる。広範囲に及ぶMAC染色が、AdCAGGFPアデノウィルスによって事前処置され、NHSに接触した角膜に認められた。***p<0.0001、N.S、は有意なものではない。データは、CD59によって事前処置された角膜内のMACが、対照角膜のものと同様に低いものであることを示している。 図18Dは、AdCAGGFP(上側)又はAdCAGCD59(下側)アデノウィルスによって事前処置され、ヤギ抗マウスEMMPRIN抗体によってのみ処置された、角膜を示している。これらの角膜は、図18p、Cのように、NHS又はHI−NHSによって処置されていない。EMMPRIN発現と、GFP蛍光と、DAPIとDICとの染色とは、300μmの倍率でこれらの角膜のために、示されている。図18Dの棒グラフは、各グループがベクター(横座標)によって処置されており、又は、処置されていない、4つの角膜グループからの12セクションの角膜内皮上のMAC免疫蛍光の定量化(縦座標)を示している。グループは、NHSに接触する前にベクターによって事前処置されていない(非感染と示されている)角膜と、NHSによって処置される前にAdCAGGFPアデノウィルスによって事前処置された角膜と、NHSによって処置される前にAdCAGCD59アデノウィルスによって事前処置された(AdCAGCD59)角膜と、を含んでいる。グラフは、図18Dに示されている実験結果からのデータと、図示されていないデータと、を備えている。全ての角膜セクション上の細胞核は、DAPIでラベル化されている。全ての画像は、各グループの感染又は処置について、4つの角膜から得られたセクションを表すものである。N.S.は、有意なものではない。データは、グループの角膜のEMMPRIN量内に、有意な違いが無いことを示している。 図19は、抗CD59抗体によって可視化されたサンプルを伴う、示されたような種々のベクター各々によって、事前処置された細胞のウェスタンブロット法による写真である。ヒトCD59は、AdCAGCD59によって以前処置された細胞からの非感染媒体のサンプル内に認められ(略16kDの暗帯、右に示されたCAGCD59からの第2チャネル)、ベクターは、グリコシル・ホスファチジル・イノシトール(GPI)リンカーが除去された、溶解性のCD59である。AdCAGCD59は、ゆえに、上記サンプル、膜結合性のもの(AdCAGCD59/溶解物、右側の第1チャネル)に使用されたCD59コンストラクトの溶解性、分泌型を発現するように構成されている。(6乃至148KDaの)分子量マーカーは、左側チャネルに示されている。細胞は、(pと示されている)プラスミド又は(Adと示されている)アデノウィルスベクターによって、事前処置された。対照は、プラスミド又はベクターの何れかによって事前処置されていない(非注入と示されている)もの、CD59コンストラクトに結合された細胞膜によって事前処置されたもの(CAGCD59)、又は、GFP発現構成によって事前処置されたもの(CAGGFP)、である。サンプルは、その後、100kDaフィルター又は0.2μmフィルターによって濾過されたもの、又は、濾過されていないもの、又は、溶解物である、媒体から得られた。CD59シグナルは、事前処置されていない細胞(左から6番目のチャネル)からの溶解物内には検出されなかった。
H要因を含む幾つかの補体調節タンパク質の多様性の解析は、過活動補体をAMDの病因に関係させた(Hageman等による論文、“Proc Natl Acad Sci USA”、102:7227−7232、2005年、Klein等による論文“Science、308:385−389、2005年、Haines等による論文、“Science”、308:419−412、2005年、Edwards等による論文、“Science”、308:421−424、2005年)。網膜下の黄色沈着である、drusenの免疫組織化学分析と、AMDからの網膜色素上皮(RPE)とは、細胞膜傷害複合体(MAC)を含む種々の調節タンパク質の存在を示した。しかしながら、ヒト、非ヒト補体システムの間の異種間の違いは、非ヒトシステム内のインビボでヒト補体調節タンパク質の効率を試験する能力を制限した。
試験管内、インビトロ及びインビボで、ヒトMAC沈着を測るためのヒト化マウスモデルが、ここに提供された。ここでの実施例は、ヒトMACによる攻撃から、網膜視細胞を育てている間隔神経網膜のすぐ外で色素沈着した細胞層である、マウスRPEの、ヒトCD59による保護を測定するのに、このモデルを用いる。このモデルを使用することによって、外因的に送達されたヒト補体調節タンパク質CD59の局在的な発現が、インビボでヒトMAC沈着からRPEを保護することが見出された。CD59によるRPEの上記保護は、この保護がAMDを防ぎ、処置できる、ということを示している。マウス網膜上でのMAC沈着のヒト化モデルは、インビボでのヒト補体タンパク質の安全で、迅速な試験を可能にするものである。
補体システムである、有機体の全体的な免疫システムの構成要素は、有機体内の病原体除去を手伝う生化学カスケードである。補体システムは、不活性チモーゲンとよばれている、血中での循環が見出された多数の低分子タンパク質を含んでいる。幾つかの誘因の1つによって刺激され、システム内のプロテアーゼは、特定のタンパク質を開裂し、サイトカインを放出し、更なる開裂のカスケード増幅を起こす。この生化学的カスケードの活性化は、MACの活性化、即ち、病原体を殺傷する機能を、結果として生じる。
補体システムは、1組の異なるように活性化された経路へと分類される。即ち、古典的補体経路と、代替的補体経路と、マンノース結合レクチン経路とである。これらの経路は、プロテアーゼの同属の変形例、C3転換酵素を生成する。代替的経路と、マンノース結合レクチン経路とが、抗体なしにC3加水分解又は抗原(非特異的免疫反応)、によって活性化される一方で、古典的補体経路は、典型的には、活性化のための抗体(特異的免疫反応)を含んでいる。
これらの経路において、C3転換酵素は、成分C3を開裂し、活性化し、C3a、C3bを生成し、更なる開裂と活性化事象とをカスケードする。上記活性化事象の1つは、成分C5bを起こすことである。C5bの活性化は、MAC形式を結果として生じる、細胞膜攻撃経路を起こす。補体カスケードの細胞溶解最終生成物が、次々と、膜透過チャネルを形成し、標的細胞の浸透圧溶解を生じる。
MACは、例えば、補体システムの活性化を結果として生じるような、侵入病原菌細胞の表面に、形成される。MACは、標的細胞の原形細胞の外表面に結合される4つの補体システムタンパク質(C5b、C6、C7、C8)の複合体であって、その後5番目のタンパク質(C9)が結合されたものである(Sims等による、米国特許第7,166,658号)。上記構成において1つに結合された補体タンパク質は、タンパク質の外面が、疎水性で、標的細胞の細胞膜の脂質二重層に結合され、内面が、親水性で、水が細胞を通ることを可能にしている。タンパク質は、細胞の膜を通るリングを作り、そして、リング構造は、膜を通るトンネルとして働き、そして、細胞を殺傷する細胞の内部環境を、迅速に崩壊する、細胞を通る分子の自由拡散を可能にする。
CD59タンパク質
ここの実施例のデータは、CD59が、MACを抑制するように働き、網膜細胞の溶解を防いでいることを示している。CD59は、ヒトの赤血球と、リンパ球と、血管内皮細胞とを含む細胞の膜に関連して見出された、膜結合糖タンパク質である。CD59タンパク質は、MACの機能の組み立てを抑制し、これゆえ、補体媒介活性化及び/又は溶解から細胞を保護している。
作用の任意の特定論理又は反応機構によって、制限されること無く、ここでは、細胞の原形質膜が、細胞表面タンパク質、例えば、CD59によって、補体の効果から正常に保護される、と想定する。前記CD59は、細胞膜C5b−8に結合されるC9補体タンパク質上のC5b−9ポアの活性化を防ぐものである(Holguin等による論文“J.Clin.Invest”、84、717、1989年、Sims等による論文“J.Biol.Chem”、264、19228 19235、1989年、Davies等による論文“J.Exp.Med”,170,637 654,1989年、Rollins等による論文“J.Immunol”、114、3478 3483、1990年、Hamilton等による論文“Blood 76”2572 2577、1990年)。CD59は、C5b−8複合体のC8補体タンパク質に結合するように、C9補体タンパク質と競合し、それによって、C5b−9細胞膜攻撃複合体の形成を減少又は防ぐ、機能を現す。CD59は、これゆえ、終末補体MACによって、細胞の活性化と、細胞の溶解と、の双方がされることを減少するように機能する。
成熟ヒトCD59タンパク質は、77のアミノ酸から構成され、18kDの分子量を有している。前駆ヒトCD59タンパク質は、21kDの分子量を有している。前駆ヒトCD59と、成熟ヒトCD59と、他の哺乳類、例えば、ヒヒ、アフリカミドリザル、ヨザル、マーモセット、HVS−15、ブタ、ウサギ、ラット、マウスのCD59と、のアミノ酸配列は、Sims等による文献(米国特許第7,166,568号、2007年1月23日発行)に、示されている。
CD59のタンパク質構成は、3つのループと、小さな4番目のらせん状ループとを伴う疎水性コアを有している、単一システインリッチ領域として特徴付けられている(Yu等による論文、“Journal of Experimental Medicine,185(4):745−753,1997年)。ジスルフィド結合システイン対は、これらのループの各々を接続している(Yu等による論文、1997年)。
CD59をコードしている遺伝子の構造は、特徴付けられている(Fodor等による米国特許第5,624,837号、1997年4月29日発行)。遺伝子は、ヒトの染色体11、特に染色体11p13と11p14の短腕に位置しており、(ヒト受入番号and107271のオンラインメンデル遺伝)、20kbに渡っている4つのエクソンから成っている(Petranka等による論文、“Proc.Nat.Acad.Sci.”89、7876−7879、1992年)。翻訳されていない第1エクソンは、コンセンサスTATA又はCAATモチーフを欠くGとCにリッチなプロモーター領域によって、先行されている。第2エクソンは、タンパク質の疎水性リーダー配列をコードする。第3エクソンは、成熟したタンパク質のN末端部分をコードする。第4エクソンは、細胞膜へのグリコホスホイノシチド(glycophosphoinosital)なアンカー接着のために、疎水性配列を含んでいる、成熟したタンパク質の残部をコードしている。
MACの成分を伴うCD59の物理的なつながりの解析は、CD59のための別々の結合部位が、ヒトC8とヒトC9の各々のαチャネルの中に含まれていることを示した(Sims等による論文)。ヒトC9を伴うヒトCD59の相互関係のための結合部位は、成熟したヒトCD59の配列内のアミノ酸残基42乃至58として同定された。前記成熟したヒトCD59は、そのタンパク質のヒトアミノ酸残基334乃至418、に対応するヒトC9の領域に結合、より詳しくは、ヒトC9アミノ酸残基359乃至384、に相当する、C9の予測膜内挿入ドメインに対するC末端部へと、直ちに結合されている(Oklahoma Medical Research Foundation、Sims等によるPCT/US91/17940“C9 Complement Inhibitor”)。
活性表面は、アミノ酸残基側鎖に曝露されており、該アミノ酸残基側鎖は、C8/C9を結合するのに利用することができるものであり、公表されたNMRデータとCD59分子の活性部分についての知識とからの、成熟ヒトCD59の溶液構造から同定されたものであり、前記活性部分は、44位のヒスチジンと、48位のアスパラギンと、49位のアスパラギン酸と、51位と52位とのトレオニンと、55位のアルギニンと、58位のグルタミン酸と、である。CD59のNMR構造は、Kieffer等による論文、“Human Complement Regulatory Protein CD59”(細胞外領域、残基 1〜70;NMR、10構造)、MMDB Id:891、PDB Id:1ERH; Kieffer等による論文、“Human Complement Regulatory Protein CD59”(細胞外領域、残基 1〜70;NMR、抑制)、MMDB Id:890、PDB Id:1ERG; Fletcher等による論文、“CD59 Complexed With Glcnac−Beta−1,4−(Fuc−Alpha−1,6)−Glcnac−Beta−1”(NMR、10構造)、MMDB Id:498、PDB Id:1CDS; Fletcher等による論文、“CD59 Complexed With Glcnac−Beta−1,4−Glcnac−Beta−1”(NMR、10構造)、MMDB Id:497、PDB Id:1CDR、の沈着物内に記載されている。1CDSと1CDRとの沈着物は、Flectcher等による論文によって得られるものである。CD59のアミノ酸配列は、同じ相対的位置にあるこれらの側鎖が、(Sims等による)ヒトCD59と同様の手法で機能し、上記変位が、方法、キット、ここでの医薬品組成物の範囲内にある、ということを表している。
このようにある実施例において、CD59タンパク質は、保存配列改変を含んでいる。ここで用いられている“保存配列改変”は、アミノ酸改変を表すものであり、該アミノ酸改変は、アミノ酸配列を含んでいるCD59タンパク質の特徴に、かなり影響を及ぼし、又は、変える、ということはしないものであり、即ち、CD59のアミノ酸配列は、同じ相対的位置にあるこれらの側鎖が、ヒトCD59と同様の手法で機能するであろう、ということをあらわしている。上記保存的な改変は、アミノ酸置換付加又は欠失を含んでいる。CD59のアミノ酸配列の改変は、例えば、部位特異的突然変異誘発又はPCRに基づく突然変異の、任意の周知技術を用いることによって達成される。上記技術は、Sambrook等による論文“Molecular Cloning: A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Press, Plainview、NY、1989年と、Ausubel等による論文“Current Protocols in Molecular Biology”、John Wiley & Sons、New York、NY、1989年”に記載されている。
保存アミノ酸置換は、アミノ酸残基が同様の側鎖を有しているアミノ酸残基に置き換えられるものの1つである。類似した側鎖を有しているアミノ酸残基のファミリーは、当業者において定められている。これらのファミリーは、塩基性側鎖(例えば、リジン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、非荷電極性側鎖(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、チロシン、システイン、トリプトファン)、無極性側鎖(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン)、ベータ分岐側鎖(例えば、スレオニン、バリン、イソロイシン)と芳香族の側鎖(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)を伴うアミノ酸を、含む。
ある実施例では、CD59アミノ酸配列は、野生型配列と実質同一であるアミノ酸配列である。“実質同一”とは、ここでは、十分な又は最小限のアミノ酸残基を含んでいる第1アミノ酸配列として表している。前記アミノ酸残基は、第2アミノ酸配列内に整列しているアミノ酸残基と同一であり、この結果、第1、第2アミノ酸配列は、共通構造領域及び/又は共通機能活性を有することができる、ようになっている。例えば、アミノ酸配列は、少なくとも約60%同一性、又は、少なくとも75%、85%、95%、96%、98%、又は99%同一性を有している、共通構造ドメインを含む。
配列間の配列同一性の計算は、以下のようにして実行される。2つのアミノ酸配列の%同一性を決定するため、配列は、最適比較目的のために位置合わせされる(例えば、ギャップが、最適アライメント用の第1、第2アミノ酸配列の一方又は双方に導入され得る)。アミノ酸位置又はヌクレオチド配列位置に対応する位置で、アミノ酸残基は、比較される。第1配列内の位置が、第2配列の対応位置で、同じアミノ酸残基又はヌクレオチドによって占められているとき、タンパク質は、その位置のものと同じであるとする。2つの配列間の%同一性は、ギャップの数を考慮に入れる、配列によって共通された同一位置の数と、2つの配列の最適アライメントのために導入される必要のあった、各ギャップの長さと、の関数である。
配列の比較と、2つの配列間の%同一性の測定とは、数学アルゴリズムを用いることによって達成された。2つのアミノ酸配列間の%同一性は、デフォルトのパラメータを用いる位置合わせソフトウェアを用いることによって定量される。適切なプログラムは、例えば、Thompson等による論文“Nuc.Acids Research 22:4673、1994年(www.ebi.ac.uk/clustalw)によるCLUSTALと、Tatusova and Maddenによる論文“FEMS Microbiol Lett” 174:247,1999年(www.ncbi.nhn.nih.gov/blast/bl2seq/bl2.html)によるBL2SEQと、Notredame and Higginsによる論文“Nuc.Acids Research” 24:1515、1996年(igs−server.cnrsmrs.fr/〜cnotred)によるSAGAと、Morgenstern等による論文“Bioinformatics 14:290、1998年(bibiserv.techfak.uni−bielefeld.de/dialign)が含まれる。
ベクター
ここでの発明の種々の実施例において、AMDを処置するための方法が、与えられている。該方法は、CD59タンパク質のソース、又は、インビボでのCD59発現のソース、を含んでいる医薬組成物によって細胞又は組織に接触することを含んでいる。例えば、CD59タンパク質は、組換えによって作られたタンパク質として投与される。“組換え体”という語は、例えば、微生物のような、遺伝子組換え生物の操作によって生成されたタンパク質を表すものである。
本発明によると、CD59のソースは、CD59タンパク質をコードするポリヌクレオチド配列を含んでおり、例えば、適切な宿主細胞内のCD59タンパク質の発現を仕向けるように、組換えDNA分子へと操作される。生物活性CD59タンパク質を発現するため、CD59タンパク質をコードしているヌクレオチド配列、又は、機能的に均等なものは、適切な発現ベクターへと挿入されている。即ち、ベクターは、必要な核酸を含んでおり、該核酸は、CD59タンパク質アミノ酸配列をコードしているヌクレオチド配列に操作可能にリンクされている、挿入されたコード配列の転写と翻訳との制限を行なう要素をコードしている。
方法は、当業者に周知なように、適切な転写、翻訳対照要素に操作可能にリンクされている、CD59タンパク質をコードする配列を含んでいる、発現ベクターを構築するのに用いられる。これらの方法は、インビトロでの組換えDNA技術と、合成的技法と、インビボでの組換え、又は、遺伝子組換え、を含んでいる。上記技術は、Sambrook等による論文“Molecular Cloning:A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Press Plainview、NY、1989年、に記載されている。
種々の市販の発現ベクター/宿主(host)システムは、配列をコードしているCD59タンパク質を含み、発現するのに有益なものである。これらのものは、下記微生物等を含むが、これに限定されるものではない。即ち、組換え型バクテリオファージ、プラスミド、又は、コスミドDNA発現ベクターによって形質転換されたバクテリアと、イースト表現ベクターによって形質転換さられたイーストと、ウィルス発現ベクター(例えば、バキュロウィルス)に接触した昆虫細胞システムと、ウィルス発現ベクター(例えば、カリフラワーモザイクウィルス、CaMVと、タバコモザイクウィルス、TMT)によってトランスフェクトされ、又は、細菌発現ベクター(例えば、Ti、pBR322又はpET25bプラスミド)によって形質転換された、植物細胞システムと、動物細胞システムとの内の1つの微生物である。Ausubel等による論文“Current Protocols in Molecular Biology”、John Wiley & Sons、New York、NY、1989年、を参照。
ウィルスベクターは、アデノウィルスベクターと、レンチウィルスベクターと、アデノ随伴ウィルス(AAV)ベクターと、ヘルパー依存性アデノウィルスベクターと、を含むが、これに限定されるものではない。ウィルスベクターは、ここに示されているように、AMDの病因内のMACの有害作用を妨げる、CD59タンパク質をコードする核酸配列を送達するものである。ベクターをパッケージングしているアデノウィルスは、アメリカのType Tissue Culture Collection(Manassas、VA)から市販のものである。アデノウィルスベクター構築し、アデノウィルスベクターを使用する、方法は、Klein等による論文“Ophthalmology”、114:253−262、2007年と、van Leeuwen等による論文“Eur.J.Epidemiol”、18:845−854、2003年と、に示されている。
アデノウィルスベクターは、真核生物遺伝子発現(Levrero等による論文“Gene”、101:195−202、1991年)と、ワクチン開発(Graham等による論文“Method s in Molecular Biology:Gene Transfer and Expression Protocols 7、(Murray、Ed.)、Humana Press、Clifton、NJ、109−128、1991年)と、に用いられていた。更に、組換えアデノウィルスベクターは、遺伝子治療用に用いられている(Wu等による米国特許No.7,235,391)。
組換えアデノウィルスベクターは、例えば、シャトル(shuttle)ベクターと、プロウィルスベクターとの間の相同的組換えから、生成される(Wu等による米国特許No.7,235,391)。ここでアデノウィルスベクターは、複製欠損なものであり、例えば、条件的な欠陥、アデノウィルスE1領域の欠損がある。そして、CD59をコードしているポリヌクレオチドは、E1コード配列が除去される位置に導入された。CD59遺伝子をコードしているポリヌクレオチドは、代替的に、E3領域に挿入され、又は、ヘルパー細胞株を用いているE4領域内に挿入される。
ヘルパー細胞株は、下記のヒト細胞等から得たものでも良い。即ち、293ヒト胚腎臓細胞、筋肉細胞、造血細胞、又は、他のヒト胚間葉又は上皮細胞である。代わりに、ヘルパー細胞は、例えば、ベロ細胞、又は、他のサル胚間葉又は上皮細胞といった、ヒトアデノウィルスに対して許容状態の他の哺乳類種の細胞から得たものでも良い。ヘルパー細胞株を用いる、これらの複製欠損アデノウィルスベクターの生成と、伝播とは、Graham等による論文“J.Gen”、Virol.、36:59−72、1977、に記載されている。
ベクターをパッケージングしているレンチウィルスのベクターは、Invitrogen Corporation(Carlsbed CA)によって市販されている。レンチウィルスベクターの生成を行なうための、HIVパッケージングシステムは、下記構築物を用いるように用意されている。即ち、Naldini等による論文“J.Virol.”72:8463−8471、1998年、と、Zufferey等による論文“Nature Biotechnol”、15:871−875、1997年と、Dull等による論文“J.Virol.”72:8463−8471、1998年と、である。
多くのベクター構築物が、第3世代のレンチウィルスのSINベクター・バックボーン(Dull等による論文“J.Virol.”72:8463−8471、1998年)に基づく、システムを用いてパッケージングを行なうのに用いることができる。例えば、ベクターコンストラクトpRPLsinCMVGFPpreは、5’LTRを含んでいる。そこでは、HIVプロモーター配列が、ラウス肉腫ウィルス(RSV)、U3プロモーター領域内での欠失を含んでいる、自己不活性化3’LTR、HIVパッケージングシグナル、CMVプロモーターによって駆動されているオワンクラゲ緑色蛍光タンパク質(GFP)から成る標識遺伝子カセットにリンクされているRRE配列と、核外搬出を強化するように現れるウッドチャック肝炎ウィルスPRE要素と、に置き換えられている。GFP標識遺伝子は、UV蛍光顕微鏡検査法又はフローサイトメトリーの、直接観察によって、核酸導入又は形質導入効果の定量化を可能にする(Kafri等による論文“Nature Genet.”、17:314−317、1997年と、“J.Mol.Cell.Cardiol.”、31:2037−2047、1999年)。
CD59タンパク質とパッケージング細胞とをコードする遺伝子を含んでいるレトロウィルスベクターを構築するための、レトロウィルス核酸の操作は、周知技術を用いて達成することができる。Ausubel等による論文、1992年、第1巻、セクションIII(ユニット9.10.1−9.14.3)と、Sambrook等による論文、1989年と、を参照。分子クローニングについては、A Laboratory Manual. Second Edition. Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、N.Y.、Miller等による論文“Biotechniques.”、7:981−990、1989年と、Eglitis等による論文“Biotechniques.”、 6:608−614、1988年、米国特許番号4,650,764、4,861,719、4,980,289、5,122,767、5,124,263と、PCT特許公開番号WO85/05629、WO89/07150、WO90/02797、WO90/02806、WO90/13641、WO92/05266、WO92/07943、WO92/14829、WO93/14188を参照。
レトロウィルスベクターは、構築され、両種性パッケージングシステムを用いる、非感染形質導入ウィルス粒子(ビリオン)にパッケージングされる。上記パッケージングシステムの例は、例えば、下記文献にある。即ち、Miller等による論文“Mol. Cell Biol.”、6:2895−2902、1986年と、Markowitz等による論文“J.Virol.”、62:1120−1124、1988年と、Cosset等による論文“J.Virol.”、64:1070−1078、1990年と、米国特許番号4,650,764、4,861,719、4,980,289、5,122,767、5,124,263と、PCT特許公開番号WO85/05629、WO89/07150、WO90/02797、WO90/02806、WO90/13641、WO92/05266、WO92/07943、WO92/14829、WO93/14188と、である。
“産生細胞”の生成は、レトロウィルスベクターをパッケージング細胞へと導入することによって得られる。上記レトロウィルスの例は、例えば、下記文献に見出すことができる。即ち、Korman等による論文“Proc.Natl.Acad.Sci.USA.”、84:2150−2154、1987年と、Morgenstern等による論文“Nucleic Acids Res.”、18:3587−3596、1990年と、米国特許番号4,405,712、4,980,289、5,112,767と、PCT特許公開番号WO85/05629、WO90/02797、WO92/07943と、である。
ヘルペス・ウィルスパッケージングベクターは、Invitrogen Corporation(Carlsbed, CA)によって市販されている。例えば、ヘルペス・ウィルスは、水痘帯状疱疹ウィルス又は仮性狂犬病ウィルス等のαヘルペス・ウィルスと、HSV−1、HSV−2等の単純ヘルペス・ウィルスと、エプスタイン・バー・ウィルス等のヘルペス・ウィルスと、がある。所望のヌクレオチドセグメント、例えば、大半のヘルペス・ウィルスになり得る、ヘルパーウィルスが無いときの、CD59ヌクレオチド又はポリヌクレオチド配列、によってパッケージングされ得る、空のヘルペス・ウィルス粒子を用意する方法は、例えば、Fraefel等による論文(米国特許番号5,998,208、1999年10月7日発行)に示されている。
ヘルペス・ウィルスDNAベクターは、当業者に良く知られている技術を用いて構築することができる。例えば、ヘルペス・ウィルスの全ゲノムをコードしているDNAセグメントは、大きなDNAセグメントを持ち運べる多数のベクターの間で分割されたものである。前記大きなDNAセグメントは、例えば、コスミド(Evans等による論文“Gene”、79, 9−20、1989年)、酵母人工染色体(YACS)(Sambrook等による論文“MOLECULAR CLONING:A LABORATORY MANUAL、2nd Edition、Cold Spring Harbor Press、Cold Spring Harbor、N.Y.、1989年)、又は、大腸菌F要素プラスミド(O’Conner等による論文“Science”、244:1307−1313、1989年)、である。
例えば、1組のコスミドは、隔離されており、エプスタイン・バー・ウィルス、水痘帯状疱疹ウィルス、仮性狂犬病ウィルス、HSV−1を含んでいる種々のヘルペス・ウィルスの全ゲノムを表している重複クローンを含んでいる。M.van Zijl等による論文、“J.Virol.”、62,2191,1988、Cohen等による論文“Proc. Nat’l Acad.Sci. U.S.A.、90,7376、1993年と、Tomkinson等による論文“J.Virol.”、67,7298、1993年と、Cunningham等による論文“Virology”、197,116、1993年と、を参照。
AAVは、パルボウィルス依存のものであり、他のウィルス(アデノウィルス又は多数のヘルペス・ウィルス群)との重感染に依存しており、これによって、培養細胞内に増殖感染をもたらすようになっている(Muzyczkaによる論文“Curr Top Microbiol Immunol”、158:97 129、1992年)。例えば、組換えAAV(rAAV)ウィルスは、“興味ある”遺伝子、例えば、2つのAAV末端反復によって配置された(McLaughlin等による論文“J.Virol.”、62(6):1963、1973年、1988年、Samulski等による論文“J.Virol.”、63:3822 3828、1989年)、CD59遺伝子、を含んでいるプラスミドと、末端反復の無い野生型AAVをコードする配列を含んでいる発現プラスミドと、に同時にトランスフェクトすることによって作られている。細胞は、また、AAVヘルパー機能のために必要なアデノウィルス遺伝子を持ち運んでいるアデノウィルス又はプラスミドに、接触又はトランスフェクトされる。上記方法で作られた組換えAAVウィルスの蓄えは、(例えば、塩化セシウム密度遠心分離によって)組換えAAV粒子から物理的に分離されているべき、アデノウィルスを含んでいる。
ベクターをパッケージングしたアデノ随伴ウイルス(AAV)は、GeneDetect(Auckland、New Zealand)によって市販されている。AAVは、高い頻度の統合(a high frequency of integration)を有するように示されており、分割されていない細胞を感染させるものであり、ゆえに、組織培養内の哺乳類細胞への遺伝子を送達するのに役立てるものである(Muzyczka、Curr Top Microbiol Immunol、158:97 129、1992年)。AAVは、感染力のために広範な宿主範囲を有している(Tratschin等による論文“Mol.Cell. Biol.、4:2072 2081、1984年と、Laughlin等による論文“J.Virol.”、60(2):515 524、1986年と、Lebkowski等による論文“Mol.Cell.Biol.”、8(10):3988 3996、1988年と、McLaughlin等による論文“J.Virol.”、62(6):1963 1973、1988年)。
AAVベクターを構築し、AAVベクターを使用する方法は、例えば、米国特許番号
5,139,941、4,797,368に記載されている。遺伝子送達でのAAVの使用は、更に、LaFace等による論文“Virology”、162(2):483 486、1988年と、Zhou等による論文“Exp.Hematol”、21:928 933、1993年と、Flotte等による論文“Am.J.Respir.Cell Mol.Biol.”、7(3):349 356、1992年と、Walsh等による論文“J.Clin.Invest”、94:1440 1448、1994年と、に記載されている。
組換えAAVベクターは、インビトロ及びインビボでの、標識遺伝子の形質導入(Kaplitt等による論文“Nat Genet”、8(2):148 54、1994年と、Lebkowski等による論文“Mol.Cell.Biol.”、8(10):3988 3996、1988年と、Samulski等による論文“EMBO J.”、10:3941 3950、1991年と、ShellingとSmithとによる論文“Gene Therapy”、1:165 169、1994年と、Yoder等による論文“Blood”、82 (Supp.):1:347A、1994年と、Zhou等による論文“Exp.Hematol”、21:928 933、1993年と、Tratschin等による論文“Mol.Cell.Biol.”、5:3258 3260、1985年と、McLaughlin等による論文“J.Virol.”、62(6):1963 1973、1988年)と、ヒト疾患内に取り込まれた遺伝子の形質導入(Flotte等による論文“J.Respir.Cell Mol.Biol.”、7(3):349 356、1992年と、Ohi等による論文“Gene”、89(2):279 282、1990年と、Walsh等による論文“J.Clin.Invest”、94:1440 1,448、1994年と、Wei等による論文“Gene Therapy”、1:261 268、1994年)と、に用いられ、成功している。
抗体
本発明は、また、ヒトMACに特有の抗体を使用し、免疫組織化学によって網膜の上でMAC沈着の範囲を測定することによって、黄斑変性の存在または進行を診断又は予後診断することに関するものである。“抗体”という語は、ここでは、全ての抗体と、任意の抗原結合性フラグメント(即ち、“抗体結合部分”)又はこれらの単一の鎖、を含む物として表されている。自然に生成している“抗体”は、ジスルフィド結合によって相互接続されている、少なくとも2つの重鎖(H)と、2つの軽鎖(L)とを含んでいる糖タンパク質である。
ここで用いられているように、抗体“特にヒトMACに結合する抗体”は、5×10−9M又はそれ以下、2×10−9M又はそれ以下、1×10−10M又はそれ以下、のKを備えているヒトMACに結合する抗体を表すように意図されている。例えば、抗体は、モノクロ^ナル又はポリクローナルのものである。ここで用いられている“モノクローナル抗体”又は“モノクローナル抗体組成物”は、単分子成分の抗体分子の生成を表すものである。モノクローナル抗体組成物は、MACのため、又は、MACの特定のエピトープに対する、特異的な、そして、親和性の単一結合を表している。抗体は、IgM,IgE、IgG1又はIgG4等のIgG、である。
また、組み替え抗体は、Macアッセイに役に立つものである。ここで用いられている“組換えヒト抗体”は、動物(例えば、マウス)から分離された抗体等の、組換え手段によって、用意され、発現され、生成され、又は、分離された、全ての抗体を含むものである。ここでの方法を用いることによって組み替え抗体を発現するための哺乳類宿主細胞は、例えば、P.J. KaufmanとP.A. Sharpとによる論文“1982 Mol.Biol.”、159:601−621に記載されている、DHFR選択可能な標識を用いた、UrlaubとChasinによる論文“Proc.Natl.Acad.Sci USA”、77:4216−4220、1980年、に記載された、dhfr−CHO細胞を含んでいるチャイニーズ・ハムスター・オーバーレイ(CHO細胞)と、NSO骨髄腫細胞と、COS細胞と、SP2細胞と、を含んでいる。特に、NSO骨髄腫細胞を用いるための、他の発現システムは、WO87/04462、WO89/01036、EP338,841に示されている、GS遺伝子発現システムである。抗体を生成するため、抗体遺伝子をコードしている発現ベクターは、哺乳類宿主細胞へと導入され、宿主細胞は、宿主細胞内の抗体の発現と、宿主細胞が成長している培養媒体内への抗体の分泌と、を可能にするのに十分な期間、培養される。抗体は、標準タンパク質生成方法を用いて培養液から回収することができる。
種々の種類の標的への抗体の結合能力を評価するための標準アッセイは、例えば、ELISA法、ウェスタンブロット法、RIA法を含め、よく知られている。交代の(例えば、結合親和性といった)結合反応速度は、また、Biacore解析によるもの等、よく知られている標準アッセイによって評価することができる。
抗血清の生成のため動物を選ぶときに考慮されるべき基準を含んでいる、抗体生産のための一般的な方法論は、Harlow等による論文“Antibodies”、Cold Spring Harbor Laboratory、pp. 93−117、1988年)に記載されている。例えば、ヤギ、犬、羊、マウス又はラクダ等の、適切なサイズの動物は、免疫反応をもたらすのに有効な、例えば、インタクトなタンパク質、又は、ヒトMACからのエピトープを含む、そのタンパク質等の、ある量の免疫原の投与によって免疫性が与えられる。プロトコルの例は、以下のようなものである。動物は、動物のサイズに応じた、100μg乃至100mgの抗体を、背中に皮下注入され、3週間の後、動物のサイズに応じた、100μg乃至100mgのアジュバント免疫原の腹腔内注射がなされる。例えば、フロイント不完全アジュバントの、アジュバントを伴う2週間毎の追加の腹腔内注射が、動物の血中に適切な抗体の力価が得られるまで、投与される。力価の一例は、少なくと、約1:5000又は1:10000、又は、それ以上の力価であり、即ち、希釈物が、検出可能に活性を有している、値を含んでいる。抗体は、例えば、ヒトMACを有しているカラムにおけるアフィニティ精製によって、精製される。
インビトロでの、ヒトリンパ球の免疫付与の技術は、モノクローナル抗体を生成するのに用いられている。体外での、ヒトリンパ球の免疫付与の技術は、当業者に周知である。Inai等による論文“Histochemistry”、99(5):335 362、1993年5月と、Mulder等による論文“Hum.Immunol.”、36(3):186 192、1993年と、Harada等による論文“J, Oral Pathol.Med”、22(4):145 15、1993年と、Stauber等による論文“J.Immunol.Methods”、161(2):157 168、1993年と、Venkateswaran等による論文“Hybridoma”、11(6) 729 739、1992年と、を参照。これらの技術は、抗原特異的IgGと、IgMモノクローナル抗体と、を含んでいる抗原反応性モノクローナル抗体を生産するのに用いられ得るものである。ヒトMAC用に親和性と特異性とを有している、その抗体又はフラグメントは、ここで与えられているMAC沈着用のアッセイの範囲内にある。
ここでの発明は、モデル細胞システム内の血清内の補体成分から隆起している黄班変性(MD)の及ぶ範囲をアッセイする方法の、ある実施例を与えるものである。該方法は、第1サンプル細胞を血清のサンプルへと曝露し、結果として生じる溶解を測定し、血清にそれほど曝露されておらず、換言すれば、実質同一の対照細胞の第2サンプルとの比較において、溶解の及ぶ範囲を比較し、この結果、第2サンプルとの比較において、第1サンプル内の溶解の及ぶ範囲が、補体を含んでいるMDを測る基準となるように、なっている、工程を含んでいる。
他の実施例において、発明は、モデル細胞システム内のヒト黄班変性(MD)の処置において、薬効に有力な治療薬をアッセイする方法を、与えている。該方法は、第1サンプル細胞を血清に接触し、結果として生じる溶解を測定し、換言すれば対照細胞である第2サンプルを血清とヒトCD59タンパク質のソースとに接触し、結果として生じる溶解を測定し、少なくとも1つの第3サンプル細胞を候補治療組成物(candidate therapeutic composition)、換言すれば血清と同一のものに接触し、溶解を測定し、この結果、第1サンプルと、第2サンプルと、のものとの比較において、第3サンプルの溶解の及ぶ範囲は、候補組成物による保護測定値であり、これによって、ヒトMDの処置における効果に有効な有力な治療薬をアッセイする、ことができるようになっている、工程を含んでいる。CD59のソースは、次の様な、制限なしに純粋に分離されただけのCD59を含んでいる。即ち、自然ソースから精製されたもの、又は、組換えによって形成され、精製されたもの、あるいは、ウィルスベクター又は核酸ベクター等のベクター、インビボで、CD59をコードし、CD59を発現できるベクター、によって送達されたもの、である。ここでの例において、CD59との接触は、CD59遺伝子をコードしているベクターによって、細胞又は組織を、事前処置することによって得られる。
これらの方法の実施例において、細胞溶解は、プロビジウムヨウ化物(PI)摂取によって測定される。PIは、例えば、Fluka Bio Chemica(Buchs、Switerland)によって市販されている。PIは、DNAに結合したときに蛍光する挿入剤である。PIは、膜非透過性で、概ね生存細胞から排除されたものであり、ゆえに、PIは、通常、混合群内の非生存細胞の量を認識し、及び/又は、測定するのに用いられている。
他の実施例において、発明は、黄班変性(MD)の予後診断又は診断のために、血清補体成分をアッセイする、モデル細胞システムの方法を与えている。該方法は、被験者からの血清に検出可能にラベル付けされた細胞を接触し、接触された細胞用の、細胞外及び/又は細胞内の、検出可能な薬剤の量を測定し、細胞内にある、細胞外及び/又は細胞内の薬剤を、血清に曝露されておらず、換言すれば同一の、検出可能にラベル付けされた対照細胞と、比較し、この結果、接触された細胞内の、細胞外及び/又は細胞内の薬剤の量を、対照細胞と比較できるようにし、この結果、血清に接触された細胞外の検出可能にラベル付けされた薬剤の、より多くの量が、MDの予後診断又は診断の指標である、ようになっている、工程を含んでいる。
他の実施例において、発明は、モデル細胞システム内のヒト黄班変性(MD)の処置における効果に有効な有力な治療薬をアッセイする方法を与えている。該方法は、被験者からの血清に第1サンプルの検出可能なラベル付けされた細胞を接触し、細胞外及び/又は細胞内の、検出可能な薬剤の量を測定し、血清とヒトCD59タンパク質ソースとに第2サンプル、換言すれば同一の、検出可能なラベル付けされた対照細胞と、接触し、細胞外及び/又は細胞内の、検出可能な薬剤の量を測定し、少なくとも1つの第3サンプルの検出可能にラベル付けされた薬剤を、少なくとも1つの候補治療組成物、換言すれば血清と同一のものに、接触し、細胞外及び/又は細胞内の、検出可能な薬剤の量を測定し、この結果、第1サンプルと第2サンプルとのものと比較された、第3サンプルの細胞外及び/又は細胞内の、検出可能な薬剤の量が、候補組成物による保護を測る基準になり、この結果、細胞外の検出可能にラベル付けされた薬剤の、より多くの量が、MDの指標となり、これによって、ヒトMDの処置における効果に有効な有力な治療薬をアッセイできるようになっている、工程を含んでいる。
これらの方法の実施例において、検出可能な薬剤は、例えば、検出可能なタンパク質を発現する能力のある遺伝子を有している組換え可能なベクターと、蛍光剤と、比色分析剤と、酵素剤と、放射性剤と、である。
ある実施例において、検出可能なタンパク質は、蛍光タンパク質であり、例えば、緑色蛍光タンパク質と、エクオリンと、シアン蛍光タンパク質と、DsRed蛍光タンパク質と、強化緑色蛍光タンパク質と、黄色蛍光タンパク質と、である。緑色蛍光タンパク質(GFP)と、エクオリンとは、オワンクラゲ(Aequorea victoria)というクラゲから分離された生物発光組成物である。カルシウムイオンがエクオリンに結合されたとき、錯体は、アポ・エクオリンと、蛍光組成物と、に分解される。該蛍光組成物は、青色に発光する。合成エクオリンは、Sealite、Sciences(Bogart、Ga.)からAQUALITEL(登録商標)として市販されている。GFPは、可視スペクトルの低い緑部分で発光し、合成GFPは、Clontech(Mountain View,CA)から市販されている。
GFPのアミノ酸配列に対する突然変異は、派生的な、異なる色を蛍光するGFPのアミノ酸配列を生成した。例えば、シアン蛍光タンパク質と、DsRed蛍光タンパク質と、強化緑色蛍光タンパク質と、黄色蛍光タンパク質と、である。合成シアン蛍光タンパク質と、合成DsRed蛍光タンパク質と、合成強化緑色蛍光タンパク質と、合成黄色蛍光タンパク質とは、Clontech(Mountain View,CA)から市販されている。
代わりの実施例において、検出可能な薬は、蛍光タンパク質でない蛍光薬である。例えば、インドシアニン・グリーンと、ドキソルビシンと、リボフラビンと、クロロフィルと、ポルフィリンとである。
インドシアニン・グリーン(ICG)は、トリカルボシアニン色素であり、該色素は、約800nm、約820nm、約840nm、又は、約860nmでの、励起によって、発光する。ICGは、H.W.Sands Corp.(Jupiter、FL)から市販されている。ドキソルビシンは、蛍光性のものであり、例えば、約550nm、600nm又は650nmの波長で発光する。ドキソルビシンは、Sigma−Aldrich(St.Louis、MO)から市販されている。リボフラビンは、Sigma−Aldrich(St.Louis、MO)から市販されており、蛍光性のものであり、例えば、約450nm、約550nm、約650nm又は約750nmの波長で発光する。クロロフィルAは、緑光合成色素であり、該色素は、例えば、約600nm、約700nm、又は、約800nmの波長で、発光する。クロロフィルAは、Sigma Chemical(St.Louis,MO)と、Turner Design(Sunnyvale,CA)などの供給者から市販されている。ポルフィリンは、4メチン架橋(=CH−)を介して反対側でリンクしている4ピロールサブユニットから生成された複素環大員環(heterocyclic macrocycle)である。ポルフィリンの広範囲に及ぶ共役構造は、有色の化合物、即ち、約600nm、又は、約650nm、又は、約700nmの波長で蛍光するものである。ポルフィリンは、Sigma−Aldrich(St.Louis、MO)から市販されている。
他の代わりの実施例において、検出可能な薬剤は、酵素剤であり、該薬剤は、例えば、ヌクレオチドベクター上で発現され得る、βガラクトシダーゼ又はアルカリホスファターゼといった、タンパク質である。
βガラクトシダーゼは、ヒドロラーゼ酵素であり、該酵素は、βガラクトシドの加水分解を触媒してモノサッカライドする。発光性のβガラクトシダーゼ検出キットは、Clontech(Mountain View,CA)から市販されている。アルカリホスファターゼは、ヌクレオチドとタンパク質とアルカロイドとを含んでいる、多くのタイプの分子、からフォスフェイトグループを除去する原因であるヒドラーゼ酵素である。発光性アルカリホスファターゼ検出キットは、Sigma−Aldrich(St.Louis、MO)から市販されている。
医薬組成物
本発明のある観点は、CD59タンパク質又はCD59タンパク質発現のソースを含んでいる医薬組成物を与える。ある実施例において、これらの組成物は、随意に、更に、1又はそれ以上の追加の治療薬を含んでいる。ある実施例において、追加の治療薬、複数の治療薬は、次のグループから選択される。即ち、該グループは、成長因子、抗炎症剤、一酸化窒素とカルシウムチャネルブロッカーを含むが、これに限らない昇圧剤、コラゲナーゼインヒビター、局所用のステロイド、マトリックスメタロプロテイナーゼインヒビター、アスコルビン酸塩、アンギオテンシンII、アンギオテンシンIII、カルレティキュリン、テトラサイクリン、フィブロネクチン、コラーゲン、トロンボスポンジン、トランスフォーミング成長因子(TGF)、ケラチン生成細胞成長因子(KGF)、線維芽細胞成長因子(FGF)、インシュリン様成長因子(IGF)、IGF結合タンパク質(IGFBPs)、上皮細胞増殖因子(EGF)、血小板由来成長因子(PDGF)、neu分化要因(NDF)、肝細胞増殖因子(HGF)、血管内皮成長因子(VEGF)、ヘパリン結合性EGF(HBEGF)、トロンボスポンジン、フォンウィルブラント要因C、ヘパリンとヘパリン硫酸塩と、ヒアルロン酸と、から成る。
他の実施例において、追加薬は、成分、組成物、生物学上の、又は、そのようなものであって、MAC沈着から細胞を保護するCD59タンパク質の能力を、強化し、安定させ、相乗作用を与え、又は、同等のものに置き換わる、ものである。また、含まれている治療薬は、同時又は関連して発生する症状、疾病、又は、疾患を同時に処置するのに用いられる薬等、CD59タンパク質を同時に、有益に、又は、便宜上、与えられるものでもよい。幾つかの実施例において、薬物は、限定するものではないが、抗腫瘍、抗ウイルス性、抗菌性、抗マイコバクテリウム、抗真菌性、抗増殖性、又は、抗アポトーシスの薬剤を含んでいる。発明の組成物内に含まれている薬品は、周知のものである。例えば、Goodman & Gilman’sによる論文“The Pharmacological Basis of Therapeutics”、9th Edと、Hardman等による論文、eds.、“McGraw−Hill”、1996年と、を参照。これらの内容は、ここに引用することによって取り込まれる。
ここで用いられている、“薬学的に許容可能な担体”は、任意の、そして全ての、溶媒、希釈剤、又は、他の液状ビヒィクル、分散又は懸濁補助、界面活性剤、等張剤、増粘剤又は乳化剤、防腐剤、固体結合剤、滑剤、所望の薬形に適切なもの、を含んでいる。Gennaroよる、Remington’s Pharmaceutical Sciences Ed.Mack Publishing、Easton、PA、1995年、は医薬組成物を処方するのに用いられている種々の担体を提供しており、それらの調整技術で知られている。薬学的に許容可能な担体として役に立つことができる幾つかの材料の例としては、限定するものではないが、処方者の判断によって、着色剤、解除剤、コーティング剤、防腐剤、そして、酸化防止剤が、組成物内に存在し得るのと同様に、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム等の、他の非毒性で相溶性ある滑剤と同様なものとして、例えば、ブドウ糖、蔗糖等の砂糖、例えば、カカオバター、座薬ワックス等の賦形剤、例えば、ピーナッツ油、綿実油、サフラワー油、ゴマ油、オリーブオイル、コーン油、大豆油等の油、プロピレングリコール等のグリコール、例えば、エチルオレイン酸塩、エチルラウリン酸塩等のエステル類、寒天、例えば、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の緩衝剤、アルギン酸、ピロゲンのない水、等張性食塩水、リンガー溶液、エチルアルコール、リン酸緩衝液を、含んでいる。
治療的に有効な服用
ここで与えられている方法によるAMD処置は、医薬組成物を備えている網膜色素細胞に接触することを含んでいる。前記医薬組成物は、例えば、活性剤として、CD59タンパク質又はCD59タンパク質の発現のソースを有している、所望の結果を達成するのに必要な、量と時間、被験者に必要なだけの、治療的に有効な量の医薬組成物を投与するものである。
本発明の方法による、組成物は、AMDを処置するための有効な投与の量と、経路と、を用いて、投与されても良い。ゆえに、“AMD処置に有効な量”とは、ここで用いられているように、AMDの症状を、有益に防ぎ、改善できるようにする、組成物の十分な量を表すものである。
正確な投与量は、処置されるべき患者の様子から個々の医者によって選択される。投与量と投与とは、活性薬剤の十分なレベルを与え、又は、所望の効果を維持するように、調整されている。考慮されても良い追加の要因は、病状を含んでいる。例えば、AMDの中間期又は末期、患者の年と体重と性別、投与の治療食と時間と周期、投与の経路、薬剤の組み合わせ、反応感度、処置に対する耐性/応答、である。長時間作用型医薬組成物は、特定の組成物の半減期、除去率によって、1時間毎、2時間毎、3乃至4時間毎、毎日、1日2回、3乃至4日毎、毎週、2週に1度、投与することとしてもよい。
発明の活性薬剤は、好ましくは、投与の簡便性と投与量の均一化とのため、投与ユニット形態内で調剤される。ここで用いられている“投与ユニット形態”は、処置されるべき患者のために、活性薬剤の物理的に分離しているユニットを表すものである。本発明の組成物の1日当たりの使用は、サウンドメディカル判断の範囲内で主治医によって決定されるだろう。任意の活性薬剤のため、処置上の有効な用量は、細胞培養アッセイ又は動物モデル、ここで与えられているように、普通はマウスであるが、ラット、ウサギ、犬、又は、豚の可能性もある動物モデル、によってはじめに評価される。ここで与えられている動物細胞モデルは、また、望ましい濃度、全投与量範囲、投与経路を得るために用いられる。前記情報は、その後、ヒト投与のための、有益な投与量、経路を定めるのに用いられ得る。
治療上の有効な投与量は、AMDの症状、状態を改善し、進行を防ぐ活性薬剤の量を表す。活性薬剤の、治療上の効果と毒性とは、細胞培養又は実験動物内での標準の製剤処方によって測定することができる。前記効果と毒性とは、例えば、ED50(投与量が母集団の50%の治療上の効果)とLD50(投与量が母集団の50%の致死である)とのことである。治療上の効果に対する毒性の用量率は、治療指数であり、LD50/ED50の率で示すことができる。大きな治療指数を示す医薬組成物が、好ましい。細胞培養アッセイと動物実験から得られるデータは、人用の投与量範囲を処方するのに用いることができる。
製品の毎日の投与量は、成人1日当たり、0.001乃至100mg等の広い範囲にわたって変えることができる。眼への投与のため、組成物は、好ましくは、処置されるべき患者に対する投与量の症状に応じた調節のため、活性成分の0.001、0.01、0.05、0.1、0.5、1.0、2.5、5.0、10.0、15.0、25.0、50.0、100.0、250.0、又は、500.0μgを含んでいる溶液の形式で与えられる。
ユニット用量は、典型的には、約0.001μg乃至約500μgの活性成分、好ましくは、0.1μg乃至100μgの活性成分、より好ましくは、1.0mg乃至10mgの活性成分を含んでいる。有効な薬物の量は、1日、体重比率、約0.0001mg/kg乃至25mg/kgの投与量レベルで与えられる。例えば、範囲は、1日、体重比率、約0.001乃至10mg/kg、又は、1日、体重比率、0.001mg/kg乃至1mg/kgである。組成物は、例えば、1日に1回乃至4回、又は、それ以上の回数で、レジメンで投与されても良い。
CD59タンパク質の発現のソースの投与は、ある投与量のウィルスベクター又は核酸ベクターの投与のであり、この結果、処置されるべき細胞当たり、少なくとも約50、100、500、1000、又は、少なくとも約5000の、粒子を含んでいる。細胞数は、AMDの当業者に周知の方法によって、処置に必要な網膜エリアから算出できる。
医薬組成物の投与
望ましい投与量内の適切な薬学的に許容可能な担体によって処方されたように、ここで与えられた医薬組成物は、人又は他の動物に、(溶液、軟膏又はドロップによって)眼に、経鼻的に、“頬側に、経口で、経直腸的に、非経口的に、嚢内に、膣内に、そして、腹腔内に、投与される。
眼への注入は、水を含む部分又は硝子体液への眼内注射、結膜下注射又はサブテノン嚢注射等の目の外層への注射、を含んでいる。
眼、口、又は他の全身投与のための液状の投薬形態は、限定するものではないが、薬学的に許容できる、エマルジョン、マイクロエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップ、エリキシル剤を含んでいる。活性薬剤に加え、液状の投与量形態は、一般によく知られている、次のような不活性希釈剤を含有していても良い。即ち、例えば、水、又は、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、エチル炭酸塩、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、(特に、綿実、落花生類、コーン、胚芽、オリーブ、キャスター、ゴマ油等の)油、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、ソルビタンの脂肪酸エステル、それらの混合物等の、他の溶液、可溶化剤、乳化剤である。不活性希釈剤に加えて、眼、口、又は、他の全身に送達された組成物は、また、湿潤剤等のアジュバントと、乳化し懸濁する薬剤と、を含んでいる。
発明の医薬品組成物の局所的又は経皮的な投与のための投薬形態は、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル類、粉、溶液、スプレー、吸入器、又は、パッチ、を含む。活性薬剤は、無菌状態のもとで、薬学的に許容可能な担体と、所望される任意の必要な防腐剤または緩衝剤と、混合される。例えば、眼又は皮膚経路への投薬は、水滴、霧、エマルジョン、又は、クリームによって達成される。投与は、治療又は予防のためのものでも良い。発明は、眼科の装置、外科装置、聴能学装置、又は、開示した組成物(例えば、ガーゼの包帯、細長い片)を包む製品と、前記装置又は製品等を製造又は使用する方法と、含んでいる。これらの装置は、ここに記載された組成物を、塗布、含浸、接着されたものであり、換言すれば、該組成物によって処置を行なうことができるものである。
経皮パッチは、体への活性成分の制御された送達を与えることについて優位性を有している。前記投与形態は、適切な媒体内の成分を溶解又は配合することによって作られる。吸収促進薬は、また、皮膚を通る成分の流量を増加するのに用いられる。率は、率を制御する細胞膜を与えることによって、又は、ポリマーマトリクス又はジェル内の成分を散布することによって、制御することができる。
注射用製剤、例えば、無菌注射可能な水性又は油性の懸濁液は、適切な頒布又は湿潤剤と懸濁剤を用いるときに、当業者によって処方され得るものである。無菌注射可能な製剤は、また、無菌注射可能な溶液、懸濁液、例えば、1,3ブタンジオールのような、無毒で非経口で受容できる希釈剤又は溶剤内のエマルジョンである。受容できるビヒィクル及び溶剤の内、用いられ得るものは、水と、リンガー溶液と、U.S.P.と、生理食塩液と、である。更に、無菌の、固形油は、溶剤又は縣濁媒体として用いられ得る。この目的で、任意の無刺激性の固形油が、合成のモノグリセリド又はジグリセリドを含め、用いられ得る。更に、オレイン酸等の脂肪酸が、注射剤の製剤に用いられている。注射剤の処方は、使用前に、例えば、細菌保持フィルターを介するろ過、又は、無菌の水又は他の無菌注射可能な媒体内に溶解また散布され得る無菌個体組成物の形式で組み込まれている殺菌剤、によって殺菌される。活性薬剤の効果を持続させるため、皮下注射又は筋肉注射から薬剤の吸収を遅くすることが、しばしば望まれる。非経口で投与された活性剤の遅延された吸収は、おいるビヒィクル内の溶解又は縣濁剤によって得られる。注射物質の貯蔵形態は、ポリラクチド・ポリグルコリド等の生分解性ポリマー内に薬剤のマイクロカプセル化されたマトリックス(microencapsule matrices)を形成することによって作られている。ポリマーに対する活性薬剤の率と、用いられている特定のポリマーの特性と、に依存して活性薬剤を放出する率は、制御できる。他の生分解性のポリマーの例は、ポリ(オルトエステル)と、ポリ(無水物)と、を含んでいる。貯蔵性注射剤の処方は、また、生体組織と相性の良いリポソーム、又は、マイクロエマルジョン内に薬剤を封入することによって、製剤される。
直腸又は膣内投与用の組成物は、好ましくは、座薬である。該座薬は、この発明の活性薬剤を、ココアバター、ポリエチレングリコール、又は、室温で固形で、体温で液体で、それ故、直腸又は膣内腔で溶け、活性薬剤を放出する、座薬ワックス等の、適切な刺激の無い賦形剤又はキャリヤに混合することによって、製剤することができる。
経口用固形投与形態は、カプセル、錠剤、ピル、粉末剤、粒剤を含む。前記固形投与形態において、活性薬剤は、少なくとも1つの、不活性の、薬学的に許容可能な、クエン酸ナトリウム又は第二リン酸カルシウム等の、賦形剤又は担体、及び/又は、(a)例えば、澱粉、蔗糖、ブドウ糖、マンニトール、ケイ酸等の、充填剤又は増量剤、(b)例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニールピロリジノン、蔗糖、アカシア等の、結合剤、(c)グリセロール等の湿潤剤、(d)例えば、寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモ又はタピオカ澱粉、アルギン酸、特定のケイ酸塩、炭酸ナトリウム等の崩壊剤、(e)パラフィン等の溶液遅延剤、(f)第四アンモニウム化合物等の吸収促進剤、(g)例えば、セチルアルコール、グリセロールモノステアレート等の、湿潤剤、(h)例えば、カオリン、ベントナイト粘土等の、吸収材、(i)例えば、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム等の、潤滑油、そして、それらの混合物等の、ものと混合される。
同様のタイプのものの固形組成物は、また、高分子量ポリエチレングリコールと同様のものと、同じように、乳糖のような賦形剤を用いている、柔らかい充填剤と硬い硬カプセルとして用いられても良い。錠剤、糖衣錠、カプセル、ピル、顆粒の固形投与形態は、腸溶コーティング、放出制御コーティング、薬学的に処方されている技術で周知の他のコーティング等の、コーティング、シェルによって製剤され得る。そのような固形投与形態において、活性薬剤は、ショ糖又はでんぷん等の、少なくとも1つの不活性希釈剤と混合されても良い。前記投与形態は、また、通例、不活性希釈剤以外の、例えば、錠剤化している希釈剤と、ステアリン酸マグネシウムと微結晶性セルロース等の、他の錠剤化補助剤と、の薬剤を備えていても良い。カプセル、錠剤、ピルの場合、投与形態は、また、緩衝剤を備えていても良い。それらは、随意に乳白剤を含んでいても良く、また、好ましくは、随意に遅延手法によって、腸管のある部分で活性薬剤を放出する組成物とすることができる。使用できる包埋組成物の例は、重合物質とワックスとを含んでいる。
発明は、これで、完全に記載された。発明は、更に、下記実例と請求の範囲とによって説明される。これらの実例と請求項とは、説明のためのものであり、限定するものではない。
この作業の部分は、発明者、Kasmir Ramo、Siobhan Cashman、Rajendra Kumar−Singhによる共著の“Evaluation Of Adenovirus−Delievered Human CD59 as a Potential Therapy for AMD in a Model of Human Membrane Attack Complex Formation on Murine RPE”(Invest Opthalmol Vis Sci、2008年9月、Vol.49、pp.4126−4136)という題の公報において、公にされており、該公報は、ここに引用によって取り込まれる。
これで、発明は、完全に説明された。発明は、更に、下記実例と請求の範囲とによって例示される。当業者は、日常の実験によって、個々に記載された特定の処理に対する多数の均等物を、認識し、又は、突き止めることができるであろう。前記均等物は、本発明と請求の範囲に含まれるものである。本願で引用された交付済み特許、公開された特許出願を含んでいる全ての引用文献の内容は、引用することによって、ここに取り込まれている。
実例
CD59タンパク質又はCD59タンパク質のインビボでの発現のソースを含む組成物は、AMDを処置するのに有効である、ということが下記実例によって示される。インビトロ及びインビボでのヒトMAC沈着の測定の、ヒト化マウスモデルは、下記実例に示されており、このモデルは、ヒトCD59タンパク質を発現するベクターによってヒトMACの有害な沈着から、マウスRPEの保護を測定するのに用いることができる。
実例1:アデノウィルスベクター構成
ヒトCD59cDNAは、American Type Tissue Culture Collection (ATCC、Manassas,VA)から得られ、XhoI部位(下線部分;5’ccccctcgagtggacaatcacaatggg3’、SEQ ID NO:1)を含んでいるフォワードプライマーと、EcoRV部位(下線部分;5’cccccgatatcaacggggagtttgggagaa3’、SEQ ID NO:2)を備えてるリバースプライマーと、を用いているPCR増幅から得られた。
PCRプロダクトは、ゲル精製され、XhoI/EcoRV消化の後、(pCAGENのSaII/BamHIフラグメントをXhoI/BglII消化pShuttleへとクローン化することによって構成された)XhoI/EcoRV消化pShCAGへとクローン化し、pShCAGCD59を生成している。自動配列決定は、CD59配列が、生成されたプラスミドへと導入されたことを確認した。このシャトルプラスミドは、その後、Klein等による論文“Ophthalmology”、114:253−262、2007年と、van Leeuwen等による論文“Eur.J.Epidemiol.”,18:845−854,2003年と、の内で公にされたプロトコルを用いるアデノウィルスベクターを生成するのに用いられた。pShCAGCD59は、Pmelによって線形化され、ゲル精製され、大腸菌BJ5183細胞の同時形質転換によって、pAdEasy−1と組換えられた。組換えられたプラスミドは、PacIによって直線化され、ヒト胚網膜芽細胞腫(911)細胞株へとトランスフェクトされ、結果として生じるベクター(AdCAGCD59)は、アデノウィルス精製キットAdenopure(Puresyn、Inc、Malvern、PA)を用いて精製された。
対照ベクターAdEMPTYは、pAdEasy−1に、Pmel直線化pSHCAGを組換えることによって、同様に精製された。AdCAGGFP対照ベクターは、Johnson等による論文“Exp.Eye Res.”、70:441−449、2000年に記載されている。
実例2:培養細胞株と、アデノウィルス接触による、CD59の事前処置
ヒト胚網膜芽培養細胞株911は、10%ウシ胎仔血清(FBS)によって補充されたダルベッコ・モディファイド・イーグル・培地(DMEM)内に維持され、マウスヘパトーマ培養細胞株hepa−1c1c7(ATCC、Manassas、VA)は、10%FBSによって補充されたα―MEM内に維持されている。細胞は、95%空気雰囲気中、5%二酸化炭素の環境下、37度で加湿インキュベータ内で培養された。
ウェスタンブロットアッセイ又はヒト血清細胞溶解アッセイのため、1.2×10のhepa―1c1c7細胞が、そして、CD59免疫組織化学又はヒト血清MAC沈着アッセイのため、2.5×10hepa−1c1c7細胞が、示されたように1細胞あたりに非常に多く感染ウィルス粒子のあるところで、AdCAGGFP又はAsCAGCD59ベクターの何れかに接触され、又は、対照細胞は、それほど接触されなかった。細胞に接触しているアデノウィルスは、2%FBSの培地内で実行された。接触してから3日の後、細胞は、更にここでの実例に記載されているように、処置された。ここに記載された特定の条件下の間、CD59によって細胞又は組織の有効な事前措置を得るための、培地、温度等の均等な条件は、ここの方法の範囲に含まれている。
一次マウスRPE細胞が、犠牲にされた6乃至10週齢C57Bl/6Jマウスの眼から採取された。後述するように、前房、レンズ、網膜の各々が除去された後、眼杯組織は、37度で、40乃至50分の間、1.5nlのエッペンドルフ型チューブ内、200μl、0.25%トリプシンEDTA内でインキュベートされた。眼杯組織は、その後、10%FBSで補充されたα―EMを含んでいる60mm細胞培養皿へと移された。RPE細胞は、ピペットの先でやさしく除去され、RPEシートは、200μlピペットを用いて吸引され、エッペンドルフチューブへと移された。複数回、媒体をピペット操作することによって、RPEシートを分散した後、細胞は、カウントされ、(一般に、1つの眼から得られる収率である)約3×10細胞が、ポリDリシン塗装チャンバースライドの1つのチャンバー内に播種された(Becton Dickinson、FranklinLakes、NJ)。培養して1週間後、細胞は、ここに記載した実例に用いられた。アデノウィルスベクターに細胞を接触させることは、2%FBSの培地内で実行された。
実例3:ウェスタンブロットアッセイ
細胞は、50mM、トリス塩酸、pH8.0/150mM、塩化ナトリウム/0.1%ドデシル硫酸ナトリウム/2%(v:v)プロテアーゼ阻害カクテル(Sigma−Aldrich、St.Louis、MO)を含んでいる、1%トリトンX−100内に、溶解された。細胞からの培地は、集められ、遠心分離され、残っている細胞残屑を除去するため、0.22μmフィルター又は図示されているような他のフィルターを通される。培地は、10,000ダルトン孔サイズのBiomax遠心分離フィルタ(Millipore Corporation、Billerica、MA)を用いて10倍に濃縮される。溶解は、15%トリスグリシンSDS−PAGE(ドデシル硫酸ナトリウム・ポリアクリルアミドゲル電気泳動)ジェル(Bio−Rad Laboratories、Hercules、CA)上で、非還元状態下、ゲル電気泳動によって解析される。タンパク質は、フッ化ポリビニリデン(PVDF)細胞膜(Millipore、Billerica、MA)に移された。5%(w:v)スキムミルク(Becton Dickinson、Sparks、MD)内でブロッキングしているとき、膜は、マウス抗ヒトCD59モノクローナル抗体(1:1000ダルトン、Clone Mem−43、Abcam、Cambridge、MA)を用い、次に、第2抗体西洋わさびペルオキシターゼ共役やぎ抗マウス抗体(1:10000ダルトン、Jackson Immunoresearch、West Grove、PA)を用いることによって、ヒトCD59を探索した。上述したように、ストリッピング、ブロッキングの後、同じ細胞膜が、マウス項βアクチンタンクローン抗体(1:5000ダルトン、Clone AC−15、Sigma−Aldrich、St.Louis、MO)を用いてβアクチンを探索した。第2検出は、上述したように実行された。
実例4:ヒト血清細胞溶解アッセイ
正常なヒト血清(NHS)は、Sigma(St.Louis,MO)からの凍結乾燥形態で購入され、粉末の得られたヒト血漿のものと等量の血清を得るため、(メーカーの説明書によって)1mlの冷たい滅菌脱イオン水でもどされる。43CH50ユニット/ml、又は、74CH50ユニット/mlの溶血性力価を、それぞれ、有している(KabatとMayerとの方法を使用しているメーカーによって測定される)、結果として得られるヒト血清のロットは、等分され、−80度で保存される。43CH50ユニット/mlの溶血性の力値を有する第1ロットは、hepa−1c1c7細胞による実験で用いられた。74CH50ユニット/mlの溶血性の力値を有する第2ロットは、他の実験に用いられた。
ヒト血清細胞溶解アッセイ用に、事前処置された細胞の単一の細胞縣濁液、即ち、全量500μl内の、ベクターに接触していない対照細胞、又は、アデノウィルス接触hepa―1c1c7細胞、を含んでいるものが、使用された。次に行なう媒体の除去では、細胞が、1倍のリン酸緩衝生理食塩水(PBS)によって2度洗浄され、短時間トリプシン処理(0.25%トリプシンEDTA、4乃至6分)を行なった後、0.5%FBSを含んでいる1倍のPBSによって採取された。細胞は、4℃で遠心分離によって集められ、Ca2+とMg2+とを有する、よく冷えたゼラチンベローナル緩衝液(GVB++、Complement Technology、Tyler、TX)内で再懸濁された。細胞は、血球計によってカウントされ、5×10細胞が、エッペンドルフチューブへと分注された。正常なヒト血清(NHS)又は(56℃、1時間)加熱によって不活性化された正常なヒト血清(HI−NHS)は、細胞に加えられ、細胞懸濁液は、やさしい回転振動を伴いながら、37℃で1時間インキュベートされた。細胞溶解は、プロビジウムヨウ化物(PI)除去法、次にFACS分析解析、によって測定される。
FACSの少し前、PIの1μl(1mg/ml、Fluka BioChemica、Buches Swizerland)は、細胞縣濁液に加えられ、サンプル毎に25000事象が、FACSCalibur(Becton Dickinson、Franklin Lakes、NJ).結果は、CellQuest ProSoftware(Becton Dickinson、Franklin Lakes、NJ)を用いることによって解析され、%細胞溶解は、次の「数1」の式を用いて算出された。
Figure 0005697027
実例5:細胞培養内でのMAC沈着アッセイ
マウスhepa―1c1c7細胞は、3日間培養され、ポリDリジン被覆・チャンバースライド(Becton Dickinson、Franklin Lakes、NJ)内で、AdCAGGFP(負の対照)又はAdCAGCD59に接触させることによって事前処置され、1倍のPBSによって2度洗浄された。細胞は、その後、1、3、5、7又は10分間、37度で、GVB++(Complement Technology、Tyler、TX)内で、10%(v:v)NHS又はHI−NHSを使ってインキュベートされた。
一次マウスRPE細胞は、1時間、GVB++(Complement Technology、Tyler、TX)内で、25μg/mlやぎ抗マウスEMMPRIN抗体(R&D System、Minneapolis、MN)と共に、又は伴うこと無く、インキュベートされ、何れであっても洗浄され、(EMMPRIN免疫組織化学用に)固定され、又は、MAC沈着アッセイ用に処置され、次に、NHS又はHI−NHS(最終濃度50%)を加えることによって4又は7分間処置される。その後、細胞は、氷のように冷たい1倍のPBSによって3度洗浄され、15分、1倍のPBS内で、3.7%のホルムアルデヒド(MP Biomedicals、Solon、OH)によって固定された。細胞は、残っている固定剤を除去するため、1倍のPBSによってその他に3度洗浄され、ここでの実例に記載しているように、免疫組織化学アッセイするときまで、4℃で、1倍のPBS内に貯蔵される。
実例6:免疫細胞化学/免疫組織化学
前記、固定された細胞又は組織は、優しく回転振動しつつ、2.5時間、6%(w:v)正常やぎ血清(Jackson Immunoresearch、West Grove、PA)を含んでいる1倍のPBS内で、(各々1:50ダルトン、Abcam、Cambridge、MAの)ヒトCD59(クローンM−43)又はヒトC5b−9(クローンaE11)に対する一次マウスモノクローナル抗体によってインキュベートされた。第2検出は、暗室内で、1.5時間の間、Cy共役やぎ抗マウス抗体(1:400ダルトン、Jackson、Immunoresearch、West Grove、PA)を用いることによって実行された。
RPE65免疫染色用に、一次RPE細胞は、1時間、6%(w:v)正常やぎ血清(Jackson、Immunoresearch、West Grove、PA)と、0.25%(v:v)トリトンX−100(Fisher Bio−reagents、Fair Lawn、NJ)と、を含んでいる1倍のPBS内で、事前ブロックされ、透過された。マウス抗RPE65抗体は、その後、適用され、そして、一次、二次の検出は、抗体と洗浄溶液とが0.25%(v:v)トリトンX−100(Fisher Bio−reagents、Fair Lawn、NJ)を含んでいることを除いて、前記のように、実行された。
マウスEMMPRIN染色用に、やぎ抗マウスEMMPEIN抗体の、処置され、固定された、細胞と組織とは、1時間、6%(w:v)正常ロバ血清(Jackson、Immunoresearch、West Grove、PA)を含んでいる1倍のPBS内でブロックされ、第2検出は、1.5時間、6%w:v)正常ロバ血清を含んでいる1倍のPBS内で、Cy共役ロバ抗やぎ抗体(1:400ダルトン、Jackson、Immunoresearch、West Grove、PA)を用いて実行された。
実例7:トリパンブルー排除アッセイ
細胞は、血清を除去するために洗浄された後、5分間、0.1%のトリパンブルー溶液内でインキュベートされることを除いて、前記実例内に記載されたように、細胞培養内でMAC沈着アッセイのために処置された。細胞は、その後、1倍のPBSによって2度洗浄され、前記実例に記載したように固定される。
実例8:網膜下注射
マウス(C57BJ/6J)は、Jackson Laboratories(Bar Harbor、ME)から購入され、12時間の明暗サイクルで、育てられ、保持される。マウスは、キシラジン(10mg/ml)/ケタミン(1mg/ml)の腹腔内注入によって麻酔がなされた。網膜下注射は、5μlのガラス製注射筒(Hamilton、Reno、NV)に取り付けられた32ゲージ注射器と共に、経強膜的、経脈絡膜的アプローチを用い、Andersonによる“Am J Ophthalmol.”134:411−431、2002年に記載されているように、実行された。1μlの、9分のAdEMPTYと1分のAdCAGGFP(全部で3×10ベクター粒子、対照)の対照混合物、又は、〜9分のAdCAGCD59と1分のAdCAGGFP(全部で3×10ベクター粒子)の混合物は、各被験マウスに注入された。
実例9:RPEと角膜との上へのMAC沈着
注入による事前処置のための投与6日後、マウスは、CO吸収によって犠牲になり、目が採取され、ペニシリン(100U/ml)とストレプトマイシン(100U/ml)とを含んでいる、1倍のPBS内に置かれた。円形の切開が、鋸状縁の後ろ1乃至2mm形成され、レンズを含んでいる完全な前房は、慎重に除去された。神経節の軸索を切るため、視神経の基部で、小さな切開を形成した後、網膜は、除去され、眼杯組織は、(CD59免疫組織化学用に)一晩中、リン酸緩衝液(pH7.4)内の、4%パラホルムアルデヒドで直ちに固定され、又は、1時間、4℃で、冷たいGVB++(Complement Technology、Tyler、TX)内に、25μg/mlのやぎ抗マウスEMMPRIN抗体(R&D Systems、Minneapolis、MN)によって、インキュベートされる。
眼杯組織は、その後、冷たいPBSによって3度洗浄され、EMMPRIN免疫組織化学用に固定される。MAC沈着アッセイ用に、等量のNHS又はHI−NHS(最終濃度50%)が、その後、15分間、37℃でインキュベートされる、眼杯へと加えられ、冷たいPBSによって3回洗浄され、固定される。
角膜組織は、注射されていないマウスから採取され、虹彩は、除去され、角膜は、2%FBSを含む300μlのDMEM内で培養された。角膜は、1.5×10ベクター粒子のAdCAGGFP(負の対照)又はAdCAGCD59ベクターに接触された。採取/接触の後3日で、未処置角膜(負の対照)、AdCAGGFP事前処置された角膜(負の対照)、AdCAGCD59事前処置された角膜、の各々は、眼杯組織と同様に、抗マウスEMMPRIN抗体に混合され、各々は、(EMMPRIN免疫組織化学のために)洗浄され、固定され、又は、(MAC沈着アッセイ用に)20分間、50%NHS又はHI−NHSに接触され、その後、洗浄され、固定される。免疫組織化学の前に、組織は、残っている固定液を除去するため、各々、1倍のPBSで、10分間、3度洗浄される
実例10:事前処置されたhepa−1c1c7細胞ベクター内のベクター構造とヒトCD59発現
体内で、マウスRPEと網膜とを事前処置するために、ヒトCD59(hCD59)を送達するため、チキンβアクチン(CAG)プロモーター(ADCAGCD59ヴェクター、図1A)の制御下において、hCD59cDNAを含んでいる第1代血清型5アデノウィルスが、製造された。2つの負のアデノウィルス対照ベクター、即ち、CAGプロモーターの制御下でGFPを発現しているAdCAGGFPと、AdEMPTYとが、また、作られた(図1A)。これらのベクターは、アデノウィルスの領域E1内で欠失部分を有するように、作られており、それ故、パッケージング細胞の外側に複製欠失が存在するものである。
ヒトCD59は、18−21kDaグリコシルホスファチジルイノシトール(GPI)−アンカー膜タンパク質である。タンパク質の発現を解析するため、マウスhepa−1c1c7細胞は、精製されたAdCAGCD59又は対照ベクターの多くの1000ベクター粒子(vp/cell)に、事前処置のために接触される。細胞溶解は、モノクローナル抗体を用いる、ウェスタンブロット法によって解析され、hCD59の存在は、AdCAGCD59事前処置細胞の細胞溶解内に認められた(図1B)。CD59タンパク質は、対照ベクター(AdCAGGFP、負の対照)、又は、ベクターによって事前処置されていない対照細胞(負の対照、図1B)に接触された細胞溶解内には、検出されなかった。
内因性のhCD59が、ヒト胚網膜芽細胞種(911)細胞溶解内に検出された(図1B)。しかし、このシグナルは、AdCAGCD59接触マウス細胞からのシグナルに比べてて非常に弱い。911細胞溶解内で検出された内因性hCD59と、AdCAGCD59接触マウス細胞溶解内で検出された組換えhCD59と、の間の電気泳動移動度の僅かなシフトは、タンパク質修飾での違い、例えば、2つの細胞株内でのタンパク質グリコシル化パターンの変形に、起因するものである。
細胞膜上のhCD59の発現と局所化とを示し(図1C)、本質的に100%の細胞を表した、抗hCD59抗体を用いて、マウスhepa−1c1c7に接触された非透過性AdCAGCD59の免疫染色は、タンパク質を発現していることを、示していた。染色剤は、負の対照ベクターに接触された細胞上では認められなかった。非処置細胞の免疫細胞化学を含む追加の対照と、細胞に接触したAdCAGCD59の免疫細胞化学の間の第1抗体の漏れと、は結果として、これらの対照が負のものであることが認められた。
実例11:ベクター接触によってhCD59によるアデノウィルス事前処理が、マウス細胞を、ヒト補体薬用細胞溶解から保護する
AdCAGCD59ベクターから発現されたhCD59の機能活性を試験するため、ヒト血清細胞溶解アッセイが、マウスhepa−1c1c7上で実行された。細胞懸濁は、細胞を補体へと曝露するため、(非補体特異的溶解用対照として)NHS又はHI−NHSによってインキュベートされる。%細胞溶解は、FACS解析によって検出され、定量化されたように、PIの摂取によって測定される。
対照未処置細胞の溶解の及ぶ範囲にある血清の濃度の効果は、最初に調べられる(図2A)。マウスhepa−1c1c7細胞は、ヒト補体を効率良く活性化した。結成は、0.5%(1−200ダルトン)と同じほど低い血清濃度は、細胞の50%以上を溶解することが認められた。細胞の溶解は、血清濃度に依存し、S字型の関数を表す(図2A)。試験された最も低い血清濃度は、最大細胞溶解内で生じ、1%(1/100ダルトン、細胞溶解は96.06%±0.87%)である。この血清濃度は、アデノウィルスベクターによる接触によって、事前処置された細胞を伴う、次の細胞溶解の実例で用いられる。
細胞は、AdCAGCD59、又は、負の対照AdCAGGFPベクターの100vp/cellによって、事前処置され、接触して65時間後に、細胞が採取され、ヒト血清細胞溶解の実験に用いられた。ここで用いられた量のアデノウィルス事前処置では、顕微鏡によって認められたように、又は、PI摂取によって検出され、その後、FACSされ、そして、ここに示したように、2つのベクターに接触した細胞から、そして、対照未処置細胞から、得られるデータを比較することによって、認められたように、細胞の毒性は、結果として生じなかった。HI−NHS内でインキュベートされた、接触細胞の細胞溶解は、最小のものであり、HI−NHSによってインキュベートされた(対照)ベクターによって、事前処置されていない細胞のものと同様であった(図2B、C、D)。AdCAGCD59ベクターによって事前処置された細胞は、補体薬用細胞溶解が、12.29%±0.18%に減少され(約8倍され)、かなり保護されている(細胞溶解が、殺細胞を示し、細胞生存の逆数を示している。図2B、D、E)。
対象的に、負の対照AdCAGGFPベクターによって事前処置されたマウス細胞は、細胞の95.27%±0.01%で認められた補体薬用細胞溶解の及ぶ範囲で、保護されておらず、即ち、ヒト補体に対して、依然感受性のものである(図2C、E)。同様に、未処置マウス細胞は、ヒト補体と、細胞溶解に対して感受性である、ということが認められた(図2A、B、E)。対照ベクターAdCAGGFPによる事前処置は、一方で、認められた溶解の及ぶ範囲が、95.27%±0.01%であるとき(図2C、E)、対照細胞用に認められたものと同様に(図2B、E)、細胞を保護しなかった。これらのデータは、保護が、それ自体、アデノウィルス事前処置に起因するものであるというよりも、hCD59の発現に起因する、ということを示している。
溶解からの細胞の保護は、AdCAGCD59ベクターによって事前処置された細胞内のヒトCD59の発現によって、ここに、得られた。保護が、投与された多くのAdCAGCD59ベクターに依存する、ということが認められる。250vp/cellと5000vp/cellとのAdCAGCD59を投与することは、それぞれ、細胞がそれぞれ50%、70%を超えることによって溶解することを抑制した。対象的に、AdCAGGFP事前処置された細胞は、投与されたベクターの多さによらず、溶解しやすい。ゆえに、AdCAGCD59ベクターからの組換えhCD59発現は、ヒト補体薬用細胞溶解から、マウス細胞をかなり保護した。
実例12:hCD59タンパク質が、ヒトMAC沈着からマウス細胞を保護する
前述の実例のデータは、正常なヒト血清マウスhepa−1c1c7細胞のインキュベーションが、補体活性化と広範な細胞溶解を導き、この溶解が、組換えヒトCD59がこれらのセル内で発現したときに、有効に抑制される、ということを示している。
実例は、アデノウィルス事前処置マウス細胞によって発現された、組換えヒトCD59は、この目的のために明らかにされた、インビトロでの、MAC沈着アッセイで、C5b−9複合体の形成を阻害するか否か、について定めるために、実行された。
ポリDリジン塗膜チャンバースライド内のマウス細胞は、1乃至10分間、37℃で、GVB++内で10%のNHS又はHI−NHSによってインキュベートされ、次に、洗浄され、固定された。5分間のNHSによる、これらの細胞のインキュベーションは、細胞形態内にかなりの変化を生じる(図3A、細胞のDIC可視化)。細胞は、それらの細胞質突起を失い、丸くなり、粒状物になっている、という悪影響を示した。対象的に、これらの作用は、補体が不活性化されている、HI−NHSによってインキュベートされた細胞には認められなかった(図3B、細胞のDIC可視化)。
C5b−9複合体上のネオエピトープを対象とするモノクローナル抗体を用いる免疫細胞化学アッセイは、これらの細胞上のMAC沈着を確認するNHSに曝露されている細胞の縁で、広範囲の細胞膜染色を、明らかにした(図3A)。HI−NHSに曝露されている細胞上には、MAC染色は、ほとんど認められなかった(図3B)。対照サンプルは、NHS接触された細胞の免疫細胞化学中の第1抗体の放出と同様に、(ヒト血清によってインキュベートされていない)未処置細胞の免疫細胞化学を含んでおり、これらのものは共に、得られた負のデータを制御するものである。ヒト血清内の補体へ曝露する条件下で、NHSに曝露された細胞の相当量の溶解は、また、トリパンブルー染色によって示された(図3C)。これらの細胞によるトリパンブルー摂取の無いことによって示されるように、HI−NHSに曝露された細胞上には溶解は認められなかった(図3C)。
1000vp/cellのAdCAGCD59ベクターによって、マウスhepa−1c1c7細胞を事前処置することは、これらの細胞がヒトMAC沈着と、結果として生じる溶解とから、かなりの保護されている、ということが見出された。次の5分間のNHSへ曝露することは、これらの処置した細胞が、それらの正常の形態学上の特性を維持した(図4B、DIC)。抗MAC抗体を用いる免疫細胞化学では、MAC沈着が略完全に無いことを示しており(図4B)、細胞溶解は、トリパンブルー染色の無い事によって示されたように、有効に抑制された。対象的に、GFPを発現している、負の対照ベクターによって事前処置された細胞は、次のNHSに5分間曝露することによるMAC沈着から保護されていない。形態変化(図4A、DIC)と、MAC免疫染色(図4A)と、これらの細胞溶解(図4C)とは、未処置対照細胞に認められたのと同様なものであり(対照、図3A、C)、即ち、MAC沈着と細胞溶解の特性は、同様のものである。
MAC染色は、7分間のNHS処置後、AdCAGCD59事前処置された細胞と同等なだけ現れ(図4B)、この数は、10分の血清処置後に増加した、ことが認められた。7分のNHS処置後、AdCAGGFP事前処置された細胞のMAC染色は、AdCAGCD59事前接触した細胞よりも、かなり強かった(図4B)。10分の血清処置後、ほとんど全てのAdCAGCD59事前処置された細胞は、完全な溶解に起因して細胞培養スライドから取り外され、一方、AdCAGCD59ベクターによって事前処置されたほんの僅かな細胞が、何らかの変化、又は、MAC沈着を示した。更に、MAC免疫発光のパターンは、細胞に対するより大きな損傷に相関する細胞境界をより詳しく描く強い点状の染色を伴って、細胞膜損傷の及ぶ範囲を示し(図3A、図4A、図5)、より拡散した染色が、傷の無い細胞に相関する細胞膜を通って広がっている。未処置対照細胞上及びAdCAGGFP処置後の細胞上、のMAC沈着は、短時間で、点状である。MAC沈着のより低い損傷レベルを示している、拡散染色は、AdCAGCD59事前処置された細胞上で最初に見られた(図4B、図5)。
細胞が、多様性の低いAdCAGCD59ベクターで事前処置されたとき、MAC免疫染色の異なるパターンは、より簡単に認識された。5分間NHSに曝露した後、100又は500vp/cellに接触した細胞は、1000vp/cellに接触された細胞との比較において、より一層のMAC染色を示した(図5、左下側顕微鏡写真内に特に拡大してある)。アデノウィルスを発現している多様性の低いhCD59でさえ、細胞に接触することによる事前処置は、MAC沈着から細胞をかなり保護できるようにした(比較のために図4Aを参照)。
実例13:マウスRPE、一次RPE細胞、角膜内皮上でのヒトMAC沈着のモデル
MAC沈着アッセイは、AMD損傷の及ぶ範囲又はAMD用の潜在力をアッセイするためにマウス眼組織を使用する目的で、そして、AMDを処置又は防ぐためのスクリーン剤として用いるために、開発された。
眼杯組織は、C57Bl/6Jマウスから採取され、種々の濃度のNHS又はHI−NHSに曝露された。抗ヒトC5b−9抗体による免疫組織化学分析のあとには、適切なCy3共役第2抗体がある。眼胚組織が50%の高さの濃度のNHSに接触されたときであっても、データは、RPE上に何の蛍光シグナルを示さなかった。100%のNHSに接触することは、結果として、散在性の弱い染色を生じた(図6C)。得られた矛盾のある弱いシグナルは、何の改良目的のためにも役立たなかった。更に、ヒトMAC沈着からマウス眼組織を保護するためにhCD59に送達されたアデノウィルスの潜在力を試験するため、角膜を用いるという試みは、また、失敗した。任意のNHS濃度の用いられるところでは、アデノウィルスによって有効に形質導入されたものであることが明らかな、角膜内皮上で何のMAC沈着も検出されなかった。その結果、強MAC免疫染色は、いつも角膜内皮上で検出された。
MAC沈着アッセイは、更に、ヒト血清に曝露した後に、マウスRPE細胞上にMAC沈着の無いことを調べるために、一次マウスRPE細胞上で実行され、その結果、眼組織上の細胞外マトリックスが、RPE又は内皮細胞表面に接近可能な補体タンパク質によって相互作用しているか否かについて決定した。RPE細胞は、RPE細胞標識、RPE65用の、典型的な色素、特徴的形態、ありふれた免疫染色の存在によって認識された(図7、上の横列が、細胞の照明された明視野を示し、3番目の横列が抗RPE65による染色を示す)。組織のように、弱く、一貫性のないMAC免疫染色が、50%NHSに曝露することによって、0継代マウスRPE細胞上で認められた(図8C)。
NHSに曝露することによって、RPEと角膜内皮上に広範なMAC沈着が無いことは、非効率な補体活性に起因するものかもしれず、及び/又は、マウス補体調節タンパク質による強化された保護は、これらの細胞の表面上に発現された。マウスRPE上の補体活性が強化され得ることを確認するため、角膜内皮と同様にRPE上の豊富に発現された膜たんぱく質である、マウスEMMPRINの細胞外ドメインに対する抗体が、次に用いられた。やぎ内に生成された抗マウスEMMPRIN抗体は、MAC染色用に用いられる第2抗体(Cy共役やぎ抗マウスIgGとIgM)によって交差反応を起こさないように選択された。
抗マウスEMMPRIN抗体によるマウス眼胚組織又は角膜組織のインキュベーションは、その後、NHS(37℃で角膜組織20分、眼杯15分、最終濃度50%)に曝露され、RPE切開組織(図9A)と角膜内皮(図9C)との広範で、明るいMAC免疫染色が得られた。この免疫染色は、補体活性化MAC沈着の結果物であり、NHSよりもむしろ対照HI−NHSの追加によって、染色は除去され、MAC免疫染色は、HI−NHSの使用によって認められなかった(図9B、D)。渦巻き型で、種々のパターンの染色が、しばしば現れたNHSに接触されたRPE単分子層は、異なる量のMAC沈着と種々の量の細胞損傷に起因することが認められた。追加の負の対照は、抗マウスEMMPRIN抗体とNHSの両方に接触された眼杯と角膜組織との免疫組織化学の間の、一次抗体の欠落と同様に、抗マウス抗体に接触されたが、しかし、ヒト血清に接触されていない、眼杯と角膜組織のMAC免疫染色を含み、そして、これらの対照による染色は、認められなかった。
同様の結果は、また、一次0継代マウスRPE細胞によって得られた(図8A、B)。抗EMMPRIN抗体によるインキュベーションと、4分間、50%のNHSに曝露することと、によって、細胞崩壊が、RPE細胞上で認められた(図8A)。7分間、NHSに曝露することによって、ほとんどの細胞が、スライドから剥離された。時折、高いコンフルエンスエリアの細胞凝集体のみが、残されていた(図8A)。最小限の染色のみが、対照HI−NHSに曝露された細胞に認められた(図8B)。
実例14:RPE細胞膜の補体媒体小水疱形成
MAC沈着と保護との作用を、更に、調べるため、一次(0継代)マウスRPE細胞は、AdCAGCD59+ADCAGGFP(それぞれ800+200vp/cell)の混合物、又は、AdEMPTY+AdCAGGFP(それぞれ800+200vp/cell)の対照混合物によって事前処置された。7分間のNHS処置後、洗浄と固定とが、細胞に施された。処置後3日後、これらの細胞は、MAC沈着アッセイによって解析された。
細胞に関連付けられている多数のGFPポジティブ水疱の発現が、認められた(図10A、B矢印)。細胞の試験は、多数のGFPポジティブ水疱の発現を明らかにした。これらの水疱の数とサイズとは、AdCAGCD59+AdCAGGFPの混合物によって事前処置された細胞(図10B)に比べて、AdEMPRY+AdCAGGFPの混合物によって事前処置された細胞(図10A)の方が実質大きかった。この観察は、ここで認められた小水疱形成が、MAC沈着の結果物であることを示している。更に、NHSによって接触した後、AdEMPTY+AdCAGGFPの混合物によって事前処置された細胞は、AdCAGCD59+AdCAGGFPの混合物によって事前処置された細胞の蛍光と比較して、減少したGFP蛍光を示した(図10Bと図10Aとの比較)。AdEMPTY+AdCAGGFPの混合物によって事前処置された細胞内の減少されたGFP蛍光は、GFPが、これらの対照細胞内で、細胞から漏れた、又は、細胞膜を横切りながら拡散したことを示している、これらの細胞の外側に認められた拡散グリーン蛍光内での随伴物の増加に関係付けられていた。
実例15:アデノウィルスによって送達されたhCD59によってMAC沈着から角膜組織と一次RPE細胞を保護する
ヒトMAC沈着からマウスRPEを保護するhCD59事前処置の効果が評価された。マウスは、各アデノウィルスベクターの網膜下注射によってインビボに投与された。注射して6日後、AdCAGCD59ベクターの網膜下注射の後のマウスRPE上のhCD59の発現は、抗hCD59抗体によって免疫組織化学によって認められた(図11A)。負の対照AdCAGGFPによって注射された眼杯組織内には、hCD59に対する染色は認められなかった(図11B、上の横列)。むしろ、GFP蛍光は、注射部位で可視化された(図11B、底の横列)。
MAC沈着アッセイ用に、網膜下注射は、2つのグループのマウスに実行された。あるグループのマウスは、9:1の率のAdCAGCD59とAdCAGGFPベクターの混合物が注射された(AdCAGGFPは、自然の蛍光による導入遺伝子の発現の注射部位とエリアの容易な認識を可能にするため、同時に注射された)。第2のグループのマウスは、また、9:1の率のAdEMPTYとAdCAGGFP(負の対照)の対照混合物が注射された。注射後6日、目は、採取され、眼杯組織は、注射されていない対照マウスからの眼杯組織に沿って、抗マウスEMMPRINとNHSとに曝露された。
AdCAGCD59とAdCAGGFP(n=10)の混合物の注射された眼組織のヒトMACの免疫組織化学は、眼杯組織の非接触残存エリアと比べて(hCD59発現を認定するのに用いられ、これと関連のあることが見出されている)GFP発現のエリアでのRPE上の染色がかなり減少したことを示した(図12Bについて、上横列の切開された組織を比較)。このエリアでのRPE細胞は、損傷を受けていない、定められていた細胞境界と、正常な6角形の形態とを、現していた(図12Bについて、図12A内の細胞の顕微鏡写真を比較)。対象的に、注射された眼杯組織(n=10)の負対照ベクター(AdEMPTYとAdCAGGFPベクターの混合物)の注射された組織のGFP発現エリアでのMAC免疫染色は、眼杯組織の非接触残存エリア(図12A)と同様であり、MAC免疫染色は、AdCAGCD59とAdCAGGFPとの混合物の注射された眼杯組織のGFP発現のエリアで認められたMAC免疫染色よりも、かなり広くて強いものであった。さらに、負対照の注射された眼杯組織のGFP発現エリアでのRPE細胞は、丸くなった形状、6角形の形態の消失、定められていた細胞境界の消失、で示されているように、広範囲にわたり損傷を受けていた(図12Aについて、図12B内の顕微鏡写真を比較)。
GFP発現のエリアでのMAC免疫蛍光の定量化は、統計的に有意な違い(ρ=0.0014、図13A)として、負対照(n=10)mp混合物の注射された眼杯組織との比較において、AdCAGCD59とAdCAGGFP(n=10)の混合物の注入された眼杯組織上の平均MAC免疫蛍光強度で、〜55%の全体的な減少を明らかにした。これらの計算は、AdCAGCD59とAdCAGGFPとの混合物の注射された眼杯組織上の平均MAC蛍光強度が、幾つかの眼杯組織が、GFP発現によって、図の55%が、これらサンプルの含有物によって影響を受けていたことが示されたように、hCD59発現が少ないという理由で、MAC沈着からのかなりの保護が欠けたことによって、増加した。AdCAGCD59とAdCAGGFPの混合物によって事前処置された、眼杯組織上のGFPとMAC蛍光強度(図13B)の間には、反比例関係が認められた。反比例関係が、CD59の発現を取り込んでいる有効な治療方法がMAC沈着から組織を保護することを、示している。
眼杯は、その後、減少したMACがベクターの変換機能である可能性を解析するため、AdEMPTYとAdCAGGFPとの混合物と、AdCAGCD59とAdCAGGFPとの混合物と、によって事前処置された。GFPレベル内の2つのグループ(グループ当たりn=10)の間の結果に有意な違いは認められなかった(図13B)。AdEMPTYとAdCAGGFPとによって事前処置された眼杯と、AdCAGCD59とAdCAGGFPとによって事前処置された眼杯とのRPE細胞形態は、同様のものであった(図12D、E)。更に、AdEMPTYとAdCAGGFPとによって事前処置された眼杯のMAC染色は、AdCAGCD59とAdCAGGFPとによって事前処置された眼杯のものよりもかなり大きかった(図12D、E)。
GFP発現のエリアでのMAC免疫蛍光内の減少の定量化は、AdEMPTY+AdCAGGFPによって事前処置された眼杯と比べて、AdCAGCD59+AdCAGGFPによって事前処置された眼杯上で7.5分間のNHS処置で約68%(p=0.0018)、15分間のNHS処置で約56%(p=0.0007)の平均値を明らかにした(図12C)。さらに、AdCAGCD59+AdCAGGFPによって事前処置された眼杯のGFPとMAC蛍光強度との間の反比例関係が、AdEMPTY+AdCAGGFPによって事前処置された眼杯のものと比べられた(図13B)。このことは、更に、MAC沈着からの保護が、hCD59発現のレベルの関数であることを示している。
AdCAGCD59と負対照とによって事前処置された眼杯間のMAC沈着の違いは、マウスEMMPRIN発現内の違い、及び/又は、抗EMMPRIN抗体結合の違い、に起因するものである。この可能性を評価するため、AdCAGCD59とAdCAGGFPとの混合物によって事前処置された眼杯組織上のマウスEMMPRIN、又は、負対照(AdEMPTY+AdCAGGFPの混合物)によって事前処置された眼杯組織上のマウスEMMPRIN、に対する免疫組織化学が、実行された。抗マウスEMMPRIN抗体分析は、MAC沈着アッセイとして、同じ手順を用いて実行された。そして、眼杯組織は、洗浄され、固定され、適切なCy3共役抗体によってインキュベートされた。RPE上のEMMPRIN免疫蛍内の違いは、導入遺伝子の発現エリアと、眼杯組織の他の部分との間、又は、注射されていない対照眼杯組織(対照)の他の部分との間には認められなかった(図14A、B)。さらに、EMMPRIN免疫蛍光の違いは、負対照の事前処置された眼杯組織と比べて、AdCAGCD59とAdCAGGFPとの混合物によって事前処置された眼杯組織の導入遺伝子の発現エリア間には、認められなかった(図14A、B)。これらのデータは、明確に、ヒトMAC沈着からのマウスRPEの保護がアデノウィルスによって送達されたhCD59のインビボでの発現に起因するものである、ということを示している。
EMMPRIN免疫蛍光の違いは、2つの倍率で観察された、AdCAGCD59+AdCAGGFPの混合物の遺伝子導入発現のエリア、そして、対照注射された眼杯(図14A、B、図15)内には、認められなかった。同様の結果が、一次マウスRPE細胞によって得られた(図16)。0継代RPE細胞は、約500vp/cellのAdCAGCD59ベクター又はAdCAGGFPベクターによって事前処置され、接触後3日、細胞は、抗マウスEMMPRIN抗体に接触され、次に、4分間50%NHSに曝露された。免疫組織化学は、AdCAGCD59ベクターによって事前処置された細胞は、AdCAGGFPベクターによって事前処置された細胞と比べて、MAC免疫染色のかなりの減少を示した(図16)。後者のもののMAC免疫蛍光のデータは、何のベクター(対照)にも接触していない一次マウスRPE細胞のものと同様であった。
免疫組織化学方法によってアッセイされた、AdCAGGFP(図14C)又はAdCAGCD59(図14D)によって事前処置された一次マウスRPE細胞は、hCD59の発現が、結果として、一次マウスRPE細胞内のEMMPRIN発現レベルに何の変化も生じなかったことを、示した。
MAC沈着からの保護は、マウスEMMPRINの免疫細胞化学が、対照とAdCAGCD59とによって事前処置された細胞の間に違いが無いことを明らかにしたのと同様に、EMMPRIN発現、及び/又は、抗EMMPRIN抗体結合内の違いに起因しない。記載されたデータは、RPE上の、一次RPE細胞上のヒトMAC沈着の破壊作用と、hCD59の発現によるこれらの細胞のかなりの保護とを実例説明するものである。
実例16:ベクター媒介でhCD59を送達することによる、MAC沈着からの角膜内皮の保護
MAC沈着と、アデノウィルスによって送達されたhCD59による保護とは、マウス角膜内皮を使用して更にアッセイされた。角膜内皮は、容易に使用できる組織であり、エクスビボ及びインビボで培養され、アデノウィルスと他のベクターによって事前処置された。さらに、角膜内皮を用いたここでのアッセイでは、効率化のための角膜内皮の均質な形質導入と、補体抑制因子のある薬等の他の因子の効率のよい測定とが示された。角膜内皮上のMAC沈着の調査は、更に、MAC沈着を阻害するものを選別し、インビトロおよびインビボでのRPE内の試験を補完するのに用いられた。
エクスビボでhCD59を角膜内皮に送達することは、更に、20分間、抗マウスEMMPRIN抗体と50%NHSとを混合することによって、ヒトMAC沈着からこれらの細胞を実質的に保護することが、ここで認められた(図17B,また図11Cを参照)。対象的に、対照マーカータンパク質GFPの送達は、ヒトMAC沈着から角膜内皮を保護できず、処置されていない角膜の角膜内皮上のMAC沈着の広がりと同様のものであると認識された(対照について、図9C)。NHSに接触された角膜の角膜内皮上のGFP発現は、例えば、MACの沈着による損傷によって、内皮細胞の消失に起因して、断片化して現れた(図17A)。この断片化は、NHSに曝露されていない対照角膜には認められなかった(図11D、図17C)。データは、AdCAGCD59によるMACからの角膜内皮の保護が、免疫組織化学がAdCAGCD59と対照AdCAGGFPの各々によって事前処置された角膜内皮上のEMMPRIN免疫染色に違いが無いことを明らかにしたのと同様に、EMMRPIN発現、及び/又は、抗EMMPRIN抗体結合の違いに起因するものでないことを示した。
角膜を抗マウスEMMPRIN抗体に接触させ、次に、37℃で20分間、50%NHSを加えたものに接触させることによって、角膜内皮上に、広い範囲に及ぶ、明るいMAC免疫染色が結果として得られた(図18A)。最小限の染色が、(37℃で20分間)50%HI−NHSによって処置された角膜の内皮上に認められた。ヒトMAC沈着から角膜内皮を保護するため、hCD59の有効性を評価するため、角膜は、エクスビボで、AdCAGCD59又は対照AdCAGGFPベクターによって事前処置された。
データは、その後、エクスビボで、AdCAGCD59に感染される、角膜内皮上のhCD59の発現が、抗hCD59抗体を用いる免疫組織化学によって確認され、一方で、hCD59の染色は、対照(AdCAGGFP)によって事前処置された角膜上に認められなかった、ということを示した(図18B)。データが、GFPによる事前処置に比べ、86%のMAC免疫蛍光強度の減少(p<0.0001、図18C)を示したように、角膜内皮のhCD59による事前処置は、ヒトMAC沈着からこれらの細胞がかなり保護された。前記GFPによる事前処置は、MAC沈着レベルが、事前処置されていない対照角膜の角膜内皮上のものと同様であるレベルで、角膜内皮の保護に欠けた。さらに、NHS処置後の角膜の角膜内皮上のGFP発現は、MACの沈着による損傷に起因して内皮細胞の断片化された指標を表した。この断片化は、NHSに曝露されていないAdCAGGFPによって事前処置された角膜上には認められなかった(図18B、D)
免疫組織化学データが、AdCAGCD59とAdCAGGFPとによって事前処置された、そして、事前処置されていない対照角膜の、角膜内皮上のEMMPRIN免疫染色に、違いがない、ことを示したように、AdCAGCD59によって事前処置された角膜の角膜内皮上のMAC沈着からの保護は、異なるEMMPRIN発現及び/又は抗EMMPRIN抗体結合の違いには起因しない、ということを示した(図18D)。
これらのデータは、さらに、hCD59の事前処置が、MAC沈着から眼組織を保護する、ということを示している。角膜内皮上の保護は、RPEのものよりも高いことが認められた。エクスビボで事前処置された角膜の内皮の高く、より均質な形質導入、血清成分の修飾因子(modulator)、制御因子(regulator)の薬効、黄班変性に作用する他の考え得る薬等の、更なる因子が、この保護に作用するかもしれない。
実例17:溶解性の分泌されたhCD59コンストラクトと、ベクターに接触された細胞内のヒトCD59発現
前記実例で用いられているCD59コンストラクトは、GPIリンカーを通じて膜結合性タンパク質を発現するように、構成されていた。C末端26アミノ酸の配列コードを欠いているヒトCD59は、(下線を付した)XhoI部分(5’ccccctcgagtggacaatcacaatggg3’、SEQ ID No.1)を含むフォワードプライマーと、(下線を付した)EcoRV部分(5’taaggagatatcttaatttcaagctgttcgtta3’、SEQ ID No.3)を含むリバースプライマーと、を用いるPCR増幅である。前記C末端26アミノ酸は、77位で、残基アミノ酸アスパラギンをコードしているヌクレオチドのGPIアンカーのアッタチメントのシグナル配列を含んでいる。リバースプライマーは、ヒトCD59の溶解型をコードする配列を結果として生じているアスパラギン77後の終止コドンを導入した。XhoI/EcoRVによって消化(digested)されたPCR産物は、XhoI/EcoRV消化pShCAGへとクローン化され、結果として生じるプラスミドpShCAGsCD59は、ここで記載されたように、アデノウィルスAdCAGCD59を生成するのに用いられた。これゆえ、GPIシグナルは、溶解性の分泌されたバージョンを発現するコンストラクトを得るための組換え方法によって除去され、分析は、分泌されたバージョンが、網膜に広がりやすく、遺伝子導入ベクターに直接接触され、形質導入されることなく、細胞に対するMAC沈着からの保護を与えるような、治療薬として有益か否かを試験するために実行された。
この構成を評価するため、細胞は、プラスミド上又はアデノウィルス上に発現された、溶解性CD59コンストラクトを保有するように用意され、成長され、媒体内の発現が測定された。図19は、ウェスタンブロット法の写真である。右から2番目のチャネルは、溶解性の分泌された(GPIリンカー除去された)バージョンであり、写真上でAdCAGsCD59/未ろ過媒体、とラベル付けされている。レーンは、約16kDの多量のタンパク質の分泌を示している。右のAdCAGsCD59/未ろ過媒体に対して2つ向こう側のチャネル(即ち、AdCAGCD59、右から1番目のチャネル)は、アデノウィルスからのCD59の非溶解性形態のものである。膜結合型のシグナルは、とても弱い。というのは、このブロットで用いられた抗体は、膜結合形態よりも、溶解性形態を、ずっとよく検出したからである。シグナル強度は、同じペプチド型の間でのみ比較を行った。
GPIシグナルを有していない、CD59発現の作用を評価するため、溶解性分泌CD59タンパク質が、網膜を通って細胞外へと広がり、遺伝子導入ベクターによって直接形質変換されていない細胞上のMAC沈着に対する保護を与え、溶解性CD59タンパク質が網膜細胞内と角膜内とに発現されるように、改変された。ゆえに、これらの細胞と組織とは、改善された治療薬として、溶解性分泌CD59のインビボでの試験を行なうために用意され、この構成が膜結合形態よりもMAC沈着の改善により有効であるか、否かについて測定された。
実験は、溶解性分泌CD59発現ベクターが、MAC沈着に関連している、細胞形態変化と細胞溶解とから、組織と細胞との保護の程度を決定するために、実行された。溶解性分泌CD59発現ベクターは、また、ウェットAMDのモデルにおいて試験された。
これらの実験からの結果は、膜結合形態と比べて黄班変性用の治療薬として、CD59の溶解形態の潜在的利点の指標になるだろう。追加の可能性は、異なる状況下で、又は、組み合わせによって、膜結合形態と、溶解性形態と、の両方の使用を含むものである。

Claims (19)

  1. 解性CD59タンパク質をコードする核酸の発現のソースを含む医薬組成物である、被験者中の黄班変性を処置するための前記組成物であって、
    前記CD59タンパク質をコードする核酸がグリコシルホスファチジルイノシトール(GPI)固定領域をコードする核酸配列の欠損を含み、
    前記組成物が、黄班変性を処置するのに有効な量で黄斑変性に感染した眼への送達のために処方され、眼への送達が黄斑変性に感染した眼の細胞による溶解性CD59タンパク質の発現及び分泌をもたらす、医薬組成物。
  2. 解性CD59タンパク質をコードする核酸の発現のソースが、溶解性CD59タンパク質をコードする遺伝子を備えている核酸ベクター、溶解性CD59タンパク質をコードする遺伝子を備えているウィルスベクター、溶解性CD59タンパク質を発現する宿主システム、からなるグループから選択される少なくとも1つである、請求項1記載の組成物。
  3. 眼への送達のために処方された組成物が、注射、点眼、軟膏からなるグループから選択される少なくとも1つである、請求項1記載の組成物。
  4. 注射が、眼内注射、結膜下注射、サブテノン嚢注射からなるグループから選択される少なくとも1つである、請求項3記載の組成物。
  5. 組成物が、更に、抗癌、抗ウィルス、抗バクテリア、抗マイコバクテリア、抗真菌、抗増殖性、抗アポトーシスからなるグループから選択される少なくとも1つの薬剤を含む、請求項1記載の組成物。
  6. ンビボの溶解性CD59タンパク質をコードする核酸の発現のソースを含む医薬組成物と、
    前記CD59タンパク質をコードする核酸がグリコシルホスファチジルイノシトール(GPI)固定領域をコードする核酸配列の欠損を含み、前記組成物が、黄班変性を処置するのに有効な量で黄斑変性に感染した眼への送達のために処方されている、眼への送達が黄斑変性に感染した眼の細胞による溶解性CD59タンパク質の発現及び分泌をもたらし
    容器と、使用説明書とを含む、黄班変性を処置するためのキット。
  7. CD59タンパク質が親液性である、請求項6記載のキット。
  8. 組成物が、注射、点眼、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、粉末、溶液、スプレー、および、パッチのグループの少なくとも1つから選択される投与経路のために処方される、請求項1記載の組成物。
  9. 組成物が、抗癌、抗ウィルス、抗バクテリア、抗マイコバクテリア、抗真菌、抗増殖性、抗アポトーシスのグループから選択される少なくとも1つの薬剤をさらに含む、請求項1記載の組成物。
  10. 可溶性CD59タンパク質が、野生型のCD59アミノ酸配列実質的に由来するアミノ酸配列を含む、請求項1記載の組成物。
  11. CD59タンパク質のアミノ酸配列が、野生型のCD59アミノ酸配列と、少なくとも85%同一で、または、少なくとも95%同一である、請求項10記載の組成物。
  12. CD59タンパク質のアミノ酸配列が保存配列改変を含む、請求項10記載の組成物。
  13. 保存配列改変が、置換、付加、又は、欠失の少なくとも1つを含む、請求項12記載の組成物。
  14. 成物が薬学的に許容可能な担体を含む、請求項1記載の組成物。
  15. D59タンパク質をコードする核酸の発現のソースが、膜独立性のCD59タンパク質をコードする核酸を含む、請求項1記載の組成物。
  16. 核酸が、CD59タンパク質組成物を発現するためのシグナルに操作可能にリンクされ、それによって、細胞がCD59タンパク質を発現し、分泌する、請求項15記載の組成物。
  17. 溶解性CD59タンパク質がヒト由来である、請求項1記載の組成物。
  18. 溶解性CD59タンパク質がヒト由来である、請求項6記載のキット。
  19. 前記ウィルスベクターが、アデノウィルス、アデノ随伴ウィルス、ヘルペスウィルス及びレンチウィルスからなる群から選択される少なくとも1つのウィルスの遺伝子組換ゲノム由来である、請求項2記載の組成物。
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