JP5696954B2 - 高純度の2−エチルヘキシル−アクリレート生産のための分離壁型蒸留塔及びこれを利用した製造方法 - Google Patents

高純度の2−エチルヘキシル−アクリレート生産のための分離壁型蒸留塔及びこれを利用した製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、高純度の2−エチルヘキシル−アクリレート製造用分離壁型蒸留塔及びこれを利用した製造方法に関する。
原油(Crude Oil)などのような各種原料物質は、通常、数多い化合物質の混合物である場合が多くて、その自体として産業に用いられることは珍しく、それぞれの化合物に分離された後に使用されるのが普通である。混合物を分離する化学工程のうち代表的なことが蒸留工程である。通常、蒸留工程は、高沸点成分と低沸点成分を両分するので、分離しようとする混合物の成分個数nより1つ少ない個数n−1の蒸留塔を使用するようになる。すなわち、従来の蒸留産業現場で粗製(crude)原料から高純度の製品を分離するための工程は、大部分、連続2基の蒸留塔構造を使用している。
従来の蒸留工程は、図1に示された通りである。従来の工程は、第1塔11で最も低沸点成分Dを分離し、第2塔21で中沸点成分Sと高沸点成分Bを分離する2塔方式である。
通常的なアルコール類の蒸留工程である既存の2基カラム蒸留方式において1番目のカラム内の組成プロファイル(profile)は、図2の通りである。図2に示されたように、1番目のカラムの下部領域で中沸点B物質の再混合現象が発生するのが一般的である。特に、ネオペンチルグリコールを中沸点に分離する場合、1番目のカラム内の組成プロファイルは、図3の通りである。図3に示されたように、2−エチルヘキシル−アクリレートの場合も、1番目のカラムの下部領域で再混合現象が発生することが分かる。
このような従来の工程は、製品生産物の組成は容易に制御することができる一方で、1番目の蒸留塔内で中間沸点物質の再混合過程が起きるようになる。これは、蒸留塔での熱力学的効率を落とす主要要因になって、エネルギーを不要に追加に消費する結果をもたらす。
このような問題点を改善するために、新しい蒸留構造に対する多い研究が進行されて来た。熱統合構造により分離効率を向上させようとする代表的な例として、図4のように、ペトリュク(Petlyuk)蒸留塔構造を挙げることができる。ペトリュク(Petlyuk)蒸留塔は、予備分離器12と主分離器22を熱的に統合された構造で配列することによって、低沸点物質と高沸点物質を1次的に予備分離器で分離した後、予備分離器の塔頂部分と塔底部分が主分離器の供給段にそれぞれ流入され、主分離器で低沸点D、中沸点S、高沸点B物質をそれぞれ分離するようになる。このような構造は、ペトリュク(Petlyuk)蒸留塔内の蒸留曲線が平衡蒸留曲線と類似になって、エネルギー効率を高くする。しかし、工程の設計及び運転が容易ではなく、特に塔内の圧力均衡を合わせにくいという問題点が存在する。
本発明は、高純度の2−エチルヘキシル−アクリレート製造用分離壁型蒸留塔及びこれを利用した製造方法を提供する。
本発明は、凝縮器;再沸器;及び分離壁を含む主塔;を含み、主塔は、塔頂区域、上部供給区域、上部流出区域、下部供給区域、下部流出区域及び塔底区域に区分され、1個以上の流入フローと3個以上の流出フローを有し、流入フローは、粗製(crude)2−エチルヘキシル−アクリレートが含有された原料が主塔の上部供給区域及び下部供給区域が接する供給中間段に流入されるものであり、流出フローのうち1つ以上は、2−エチルヘキシル−アクリレートのフローである分離壁型蒸留塔及びこれを利用した高純度の2−エチルヘキシル−アクリレートの製造方法を提供する。
本発明による分離壁型蒸留塔は、1基の蒸留塔で2基の蒸留塔の効果を発揮することができ、高純度の2−エチルヘキシル−アクリレートを生産するための従来の工程装置に比べてエネルギー節減が可能であり、装置の設備費用を節減することができる。
高純度の2−エチルヘキシル−アクリレートを生産するための従来の蒸留工程を示す概略図である。 2基カラム方式の蒸留工程で1番目のカラム内の組成プロファイルを示す図である。 2基カラム方式の蒸留工程で1番目のカラム内の2−エチルヘキシル−アクリレートの組成プロファイルを示す図である。 ペトリュク(Petlyuk)蒸留塔の内部構造を示す模式図である。 本発明の一実施例による分離壁型蒸留塔の構造を示す模式図である。 本発明の一実施例による分離壁型蒸留塔のカラム内の組成プロファイルを示す図である。 本発明の一実施例による分離壁型蒸留塔を利用して2−エチルヘキシル−アクリレートを蒸留する過程を示す模式図である。 2基カラム方式の蒸留塔を利用して2−エチルヘキシル−アクリレートを蒸留する過程を示す模式図である。
本発明による分離壁型蒸留塔は、凝縮器;再沸器;及び分離壁を含む主塔;を含む分離壁型蒸留塔において、主塔は、塔頂区域、上部供給区域、上部流出区域、下部供給区域、下部流出区域及び塔底区域に区分され、1個以上の流入フローと3個以上の流出フローを有し、流入フローは、粗製(crude)2−エチルヘキシル−アクリレートが含有された原料Fが主塔の上部供給区域及び下部供給区域が接する供給中間段NR1に流入されるものであり、流出フローのうち1つ以上は、2−エチルヘキシル−アクリレートのフローであることを特徴とする。
上記分離壁型蒸留塔(DWC:Dividing Wall Column)は、ペトリュク(Petlyuk)蒸留塔と熱力学的観点では類似しているが、構造的な観点で塔内に分離壁を設置することによって、予備分離器を主分離器の内部に統合させた形態である。このような構造の蒸留塔は、予備分離器と主分離器間の圧力均衡の難しさとこれによる運転上の難しさを自然に解消することによって、運転が容易になり、また、2基の蒸留塔が1つに統合され、投資費用をも大幅に節減されることができるという大きい長所を有するようになる。
また、本発明は、凝縮器;再沸器;及び分離壁を含む主塔;を含む分離壁型蒸留塔において、上記主塔は、塔頂区域、上部供給区域、上部流出区域、下部供給区域、下部流出区域及び塔底区域に区分され、粗製(crude)2−エチルヘキシル−アクリレートが含有された原料Fが主塔の上部供給区域及び下部供給区域が接する供給中間段NR1に流入され、低沸点成分Dは、塔頂区域で流出され、高沸点成分Bは、塔底区域で流出され、中沸点成分Sは、上部流出区域及び上記下部流出区域が接する流出中間段NR2に流出され、上記中沸点成分は、実質的に2−エチルヘキシル−アクリレートであることを特徴とする分離壁型蒸留塔を提供する。
上記原料Fは、2−エチルヘキシル−アクリレート2−エチルヘキシル−アクリレート含量が80重量%以上であることができる。
図5には、本発明の一実施例による分離壁型蒸留塔が示されている。図5を参照すれば、上記分離壁型蒸留塔は、主塔1と、主塔1の上端及び下端にそれぞれ連結された凝縮器31及び再沸器41を含む。
上記凝縮器31は、ガス状態の混合物の気化熱を奪って凝縮させる装置であって、従来、化学工学装置に使用される凝縮器を非制限的に使用することができる。また、上記再沸器41は、液体状態の混合物に気化熱を提供して気化させる装置であって、従来、化学工学装置に使用される再沸器を非制限的に使用することができる。
上記主塔1は、大きく、6部分の区域に区画されることができる。塔頂区域100は、分離壁がない主塔の上部の領域を言う。上部供給区域200は、分離壁51によって一面が区画される領域であり、流入物(原料)のフローよりも上部に位置するサブ領域である。上部流出区域300は、分離壁によって一面が区画される領域であり、流出物のフローよりも上部に位置するサブ領域である。下部供給区域400は、分離壁によって一面が区画される領域であり、流入物のフローよりも下部に位置するサブ領域である。下部流出区域500は、分離壁によって一面が区画される領域であり、流出物のフローよりも下部に位置するサブ領域である。また、塔底区域600は、分離壁がない主塔の下部領域を意味する。
また、主塔1は、少なくとも1個の流入フロー及び少なくとも3個の流出フローを有する。流入フローは、粗製2−エチルヘキシル−アクリレート(crude 2−EHA)である原料Fが主塔1の上部供給区域200及び下部供給区域400が接する供給中間段NR1に流入されることを含む。流出フローとしては、塔頂区域100で流出される低沸点成分D、塔底区域600で流出される高沸点成分B、上部流出区域300及び下部流出区域500が接する流出中間段NR2に流出される中沸点成分Sを含むことができる。この際、流出中間段NR2に流出される中沸点成分Sは、実質的に2−エチルヘキシル−アクリレートであることができる。
本発明において、「粗製2−エチルヘキシル−アクリレート原料」というのは、主成分が2−エチルヘキシル−アクリレートである混合物であって、当該蒸留工程の目的物(蒸留対象物)であることを言い、上記「主成分」は、混合物それぞれの個別成分のうち最も多く含まれた成分を称するものである。高純度の2−エチルヘキシル−アクリレートを得るためには、粗製2−エチルヘキシル−アクリレート原料の2−エチルヘキシル−アクリレートの含量が高いほど好ましく、99重量%以上の高純度の2−エチルヘキシル−アクリレートを得るためには、80重量%以上であることが好ましい。
また、「実質的に2−エチルヘキシル−アクリレートであること」の意味は、その混合物自体を実質的に(substantially)2−エチルヘキシル−アクリレートとして見なすことができるという意味であって、具体的には、2−エチルヘキシル−アクリレートを主成分とし、供給原料に比べて2−エチルヘキシル−アクリレート含量がさらに高く、2−エチルヘキシル−アクリレート成分が、全体混合物において、少なくとも90重量%超過することを言うものである。
分離壁型蒸留工程が従来の連続2基の蒸留工程よりもエネルギーが少なく所要される理由は、構造的差異と解釈することができる。分離壁型蒸留塔では、分離壁により分けられた空間が予備分離器の役目をするので、高沸点物質と低沸点物質の分離によって液体組成が平衡蒸留曲線とほぼ一致するようになり、再混合(remixing)効果が抑制され、分離のための熱力学的効率が向上する。
上部供給区域及び下部供給区域は、従来、工程の予備分離器と類似の役目をする。すなわち、上部供給区域及び下部供給区域を総称して予備分離領域であると言える。予備分離領域に流入される原料成分は、低沸点物質と高沸点物質に分離される。予備分離領域で分離された低沸点成分と高沸点成分の一部は、塔頂区域に流入され、一部は、さらに上部流出区域及び下部流出区域に流入されて再蒸留される。
上部流出区域及び下部流出区域は、従来、工程の主分離器の役目をする。すなわち、上部流出区域及び下部流出区域を総称して主分離器と言える。主分離領域の分離壁の上部部分では、主に低沸点物質と中沸点物質に分離され、下部部分では、主に中沸点物質と高沸点物質が分離される。
具体的には、本発明の一実施例による分離壁型蒸留塔内の組成プロファイル(profile)は、図6の通りである。
低沸点成分は、主塔の塔頂区域と凝縮器を経由した後、一部は、低沸点製品Dとして生産され、その残りは、液相流量LDとしてさらに主塔の塔頂区域に還流される。また、高沸点成分は、主塔の塔底区域と再沸器を経由した後、一部は高沸点製品Bとして生産され、その残りは、気相流量VBとしてさらに主塔の塔底区域に還流される。
分離壁付きの熱複合蒸留塔システムの設計は、既存の熱複合型蒸留塔の設計を基礎とし、最小段の塔設計に基礎を置いている。蒸留塔の効率は、塔内の蒸留段の液体組成分布が平衡蒸留曲線と類似しているとき、最大になるので、まず、全還流操作で蒸留塔が運転されると仮定して、最小段蒸留システムを設計した。すなわち、原料供給段での液体組成と原料の組成が同一であると仮定して、上部供給区域及び下部供給区域を設計し、上部流出区域及び下部流出区域は、中沸点製品の濃度を始まりに階段式平衡組成設計法により塔中間から上部に塔内の液体組成を計算し、さらに主分離器の役目をする下部流出区域を中間沸点製品の濃度を始まりに塔中間から塔底に平衡組成計算法により階段式で塔内の液体組成を順次計算した。
このように得られた液体組成の分布から原料供給段と製品の組成を有する段の数を数える場合、予備分離器の役目をする上部供給区域及び下部供給区域、及び主分離器の役目をする上部流出区域及び下部流出区域の段数をそれぞれ把握することができる。ここで得られた塔の段数は、理論段数であって、理想的な段数であるから、実際塔において段数は通常の設計基準によって変わることができる。
本発明による分離壁型蒸留塔において、塔頂区域、上部供給区域、上部流出区域、下部供給区域、下部流出区域及び塔底区域にそれぞれ設けられる段数は、蒸留曲線によって算出される理論段数の90〜140%範囲以内であることができる。算出された理論段数の90%未満である場合には、予備分離領域で低沸点と高沸点物質が良好に分離しないことがあり、140%超過の場合には、最小還流比領域なので、エネルギー節減効果がこれ以上増加せず、投資費用が増加するので好ましくない。
また、主塔の内部に設置される分離壁の長さは、上部供給区域及び下部供給区域;または上部流出区域及び下部流出区域の蒸留曲線に沿って算出された段数によってその長さが決定される。分離壁型蒸留塔において最適の分離壁区間を設計するとき、予備分離領域と主分離領域との液体組成に対する平衡蒸留曲線方法などで分離壁区間を定めて、理論段数及び還流量などを求める方法は多様であるが、本発明においては、フェンスケ‐アンダーウッド(Fenske−Underwood)式を利用して理論段数を求めた。上記フェンスケ‐アンダーウッド(Fenske−Underwood)式は、当該技術分野の通常の知識を有する者に知られた式である。
上記分離壁の長さは、蒸留曲線によって算出される塔頂区域、上部供給区域、下部流出区域及び塔底区域全体理論段数の40〜85%範囲であることができる。40%未満の場合には、予備分離領域で低沸点物質の一部が下部に垂れて、主分離器の製品として含まれる恐れがあり、85%超過の場合には、カラム内部で低沸点/中沸点物質の液相/気相及び中沸点/高沸点物質の液相/気相の円滑な平衡フローを維持しにくいため、カラム製作上、問題があり得る。
高純度の2−エチルヘキシル−アクリレートを製造するための分離壁型蒸留塔の運転条件は、次の通りである。
例えば、塔頂区域の温度は、15〜25torrの塔頂区域の圧力で88〜98℃範囲であることが好ましい。88℃未満の場合には、低沸点物質が予備分離領域の下部に垂れることができ、製品純度に影響を及ぼし、98℃を超過する場合には、上部に高沸点物質HEAVIESが予備分離領域の上部に上がって、製品純度に影響を及ぼす恐れがある。
塔底区域の温度は、15〜25torrの塔頂区域の圧力で138〜148℃範囲であることが好ましい。138℃未満の場合には、製品である中沸点物質が下部に落ちて、製品生産量が減少し、148℃を超過する場合には、高沸点物質HEAVIESが製品である中沸点物質とともに側流流出されるおそれがある。
また、上部流出区域及び下部流出区域が接する位置に設けられ、中沸点S成分が流出される流出中間段NR2の温度は、15〜25torrの塔頂区域の圧力で124〜134℃範囲であることが好ましい。124℃未満の場合には、低沸点物質の除去が容易ではなく、134℃を超過する場合には、高沸点物質の除去が容易ではないため、製品純度に大きい影響を及ぼすことができる。
蒸留塔を減圧または加圧運転する場合、上記温度範囲は変わることができる。一般的に圧力が上昇するほど上限温度及び下限温度が上昇する傾向にある。
例えば、塔頂区域の圧力が約15torrの場合、塔頂区域は、約83〜約93℃、塔底区域は、約135〜約145℃、流出中間段NR2は、約120〜約130℃が適当である。
また、塔頂区域の圧力が約30torrの場合、塔頂区域は、約95〜約105℃、塔底区域は、約140〜約150℃、流出中間段NR2は、約128〜約138℃が適当である。
圧力による温度の上限と下限は、下記表1に整理したものを参考することができる。
本発明による蒸留塔において温度と圧力の関係は、下記数式1〜3によって示すことができる。
上記塔頂区域の温度は、下記数式1による下限温度T1a〜上限温度T2aの範囲であることができる。
[数式1]
下限:T1a=−0.02P+1.7P+62
上限:T2a=−0.02P+1.7P+72
(ここで、T1a及びT2aは、温度であって、単位は℃;Pは、塔頂区域の圧力であって、単位はtorr;1≦P≦70)
上記塔底区域の温度は、下記数式2による下限温度T1b〜上限温度T2bの範囲であことができる。
[数式2]
下限:T1b=−0.0267P+1.5333P+118
上限:T2b=−0.0267P+1.5333P+128
(ここで、T1b及びT2bは、温度であって、単位は℃;Pは、塔頂区域の圧力であって、単位はtorr;1≦P≦70)
また、上部流出区域及び下部流出区域が接する位置に設けられ、中沸点S成分が流出される流出中間段NR2の温度は、下記数式3による下限温度T1c〜上限温度T2cの範囲であることができる。
[数式3]
下限:T1c=−0.0267P+1.7333P+100
上限:T2c=−0.0267P+1.7333P+110
(ここで、T1c及びT2cは、温度であって、単位は℃;Pは、塔頂区域の圧力であって、単位はtorr;0.1≦P≦70)
本発明による分割壁付きの熱複合蒸留塔システムは、3成分混合物に対する蒸留システムの塔効率改善を目的とし、このシステムは、主塔内に分離壁を設置し、高効率の平衡蒸留の蒸留システムと類似な液組成分布を有する予備分離器及び主分離器の機能をする空間を形成するようにして、2基の蒸留塔で構成されているものと同様の効果を有する。
また、本発明は、上記分離壁型蒸留塔を利用して2−エチルヘキシル−アクリレートを製造する方法を提供する。分離壁型蒸留塔に粗製2−エチルヘキシル−アクリレート原料を提供し、2−エチルヘキシル−アクリレートを分別蒸留することによって、高純度の2−エチルヘキシル−アクリレートを製造することができる。
上記分離壁型蒸留塔は、凝縮器、再沸器及び分離壁を含む主塔を含み、主塔は、塔頂区域、上部供給区域、上部流出区域、下部供給区域、下部流出区域及び塔底区域に区分され、1個以上の流入フローと3個以上の流出フローを有し、流入フローは、粗製2−エチルヘキシル−アクリレートが含有された原料Fが主塔の上部供給区域及び下部供給区域が接する供給中間段NR1に流入されるものであり、流出フローは、塔頂区域で流出される低沸点成分D、塔底区域で流出される高沸点成分B、及び上部流出区域及び下部流出区域が接する流出中間段NR2に流出される中沸点成分Sを含み、流出中間段NR2に流出されるフローは、実質的に2−エチルヘキシル−アクリレートであることができる。
[発明を実施するための形態]
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。本発明の実施例は、発明の詳細な説明のためのものに過ぎず、これによって権利範囲を制限しようとするものではない。
[実施例及び比較例]
本発明において提案したシステムの性能を検証するために、分離壁型蒸留塔(DWC)を設計製作し、運転を行った。実際運転を通じて要求する製品の組成が得られることを確認した。比較例は、従来の分離壁がない2基の蒸留塔を使用し、実施例は、分離壁がある1基の蒸留塔を使用した。
図7及び図8では、本発明の実施例及び比較例をそれぞれ示した。図7は、本発明の一実施例による分離壁型蒸留塔を利用した場合であり、図8は、従来の2基のカラムを含む蒸留塔を利用した場合である。図7及び図8の番号1〜8は、実施例及び比較例それぞれの図面に示された個別フロー(stream)を示す識別番号である。
実施例及び比較例は、表2のような理論段数を有し、実験結果は、下記表3及び表4の通りである。表3は、実施例によるフロー別の条件及び組成を示すものであり、表4は、比較例によるフロー別の条件及び組成を示すものである。
上記表3及び表4を比較すれば、実施例による分離壁型蒸留塔を利用すれば、再混合現象除去及び分離効率の増加によって99.9wt%の高純度の2−エチルヘキシル−アクリレートをさらに効率的に得ることができた。製品純度の増加による2−エチルヘキシル−アクリレートの追加的な精留リサイクル(recycle)段階を低減することができ、生産性向上が可能である。
また、表5は、実施例(DWC)と比較例(既存)によるエネルギー消費量を測定し、節減率を算出した結果である。
既存の蒸留塔を利用した比較例は、2基のカラムと4基の熱交換器が要求されるが、本発明による分離壁型蒸留塔は、1基のカラムと2基の熱交換器で構成されることができる。したがって、本発明の一実施例による分離壁型蒸留塔は、投資費用の側面において既存の投資費用に比べて約30%程度の節減が可能である。特に、エネルギー節減率は、既存に比べて約25.9%と大きく節減された。
本発明による分離壁型蒸留塔は、2−エチルヘキシル−アクリレートを利用する分野において多様に活用可能である。
1 主塔
11 第1塔
21 第2塔
12 予備分離器
22 主分離器
31 凝縮器
41 再沸器
51 分離壁
100 塔頂区域
200 上部供給区域
300 上部流出区域
400 下部供給区域
500 下部流出区域
600 塔底区域
NR1 供給中間段
NR2 流出中間段
F 原料(フィード)
B 高沸点物質
D 低沸点物質
S 中沸点物質

Claims (10)

  1. 主塔は、分離壁を含み、
    上記主塔は、塔頂区域、上部供給区域、上部流出区域、下部供給区域、下部流出区域及び塔底区域に区分され、
    1個以上の流入フローと3個以上の流出フローを有し、上記流入フローは、粗製2−エチルヘキシル−アクリレートが含有された原料が主塔の上部供給区域及び下部供給区域が接する供給中間段に流入されるものであり、
    上記流出フローのうち1つ以上は、2−エチルヘキシル−アクリレートのフローであり、
    上記上部流出区域及び上記下部流出区域が接する位置に設けられ、中沸点成分が流出される中間段の温度は、数式3による下限温度T 1c 〜上限温度T 2c 範囲以内である分離壁型蒸留塔:
    [数式3]
    1c =−0.0267P +1.7333P+100
    2c =−0.0267P +1.7333P+110
    (上記式中、T 1c 及びT 2c は温度であって、単位は℃;Pは塔頂区域の圧力で単位はtorr;1≦P≦70)。
  2. 低沸点成分は、上記塔頂区域で流出され、高沸点成分Bは、上記塔底区域で流出され、中沸点成分は、上記上部流出区域及び上記下部流出区域が接する流出中間段に流出され、
    上記流出中間段に流出されるフローは、2−エチルヘキシル−アクリレートである、請求項に記載の分離壁型蒸留塔。
  3. 上記原料は、2−エチルヘキシル−アクリレートの含量が80重量%以上である、請求項またはに記載の分離壁型蒸留塔。
  4. 上記主塔の上記塔頂区域、上記上部流出区域、上記下部供給区域、上記下部流出区域及び上記塔底区域に設けられるそれぞれの段数は、蒸留曲線によって算出される理論段数の90〜140%範囲である、請求項1から3のいずれか一項に記載の分離壁型蒸留塔。
  5. 上記分離壁の長さは、上記上部供給区域及び上記下部供給区域、または上記上部流出区域と上記下部流出区域が含む段数によってその長さが決定される、請求項1から4のいずれか一項に記載の分離壁型蒸留塔。
  6. 上記分離壁の長さは、蒸留曲線によって算出される上記塔頂区域、上記上部供給区域、上記下部流出区域及び上記塔底区域における全体理論段数の高さの40〜85%範囲である、請求項1から5のいずれか一項に記載の分離壁型蒸留塔。
  7. 上記塔頂区域の温度は、下記数式1による下限温度T1a〜上限温度T2a範囲以内である、請求項1から6のいずれか一項に記載の分離壁型蒸留塔:
    [数式1]
    1a=−0.02P+1.7P+62
    2a=−0.02P+1.7P+72
    (上記式中、T1a及びT2aは、温度であって、単位は℃;Pは、塔頂区域の圧力であって、単位はtorr;1≦P≦70)。
  8. 上記塔底区域の温度は、下記数式2による下限温度T1b〜上限温度T2b範囲以内である、請求項1から7のいずれか一項に記載の分離壁型蒸留塔:
    [数式2]
    1b=−0.0267P+1.5333P+118
    2b=−0.0267P+1.5333P+128
    (上記式中、T1b及びT2bは温度であって、単位は℃;Pは、塔頂区域の圧力であって、単位はtorr;1≦P≦70)。
  9. 上記上部流出区間及び上記下部流出区間が接する位置に設けられ、中沸点成分が流出される中間段の温度は、15〜25torrの塔頂区間の圧力で、124〜134℃の範囲以内である請求項1から8の何れか一項に記載の分離壁型蒸留塔。
  10. 請求項1から9のいずれか一項に記載の分離壁型蒸留塔を利用して2−エチルヘキシル−アクリレートを製造する方法。
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