JP5693249B2 - 合金微粒子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、合金微粒子の製造方法及び製造装置に関し、特に、パルス細線放電法を用いた合金微粒子の製造方法及び製造装置に関する。
金属微粒子の製造方法としては、真空蒸発法、ガス中蒸発法等の物理的方法、共沈法、化学的気相反応法、水熱反応法等の化学的方法、粉砕法等の機械的方法が知られている。
物理的方法で合金微粒子を形成する場合には、原料となる合金を加熱し蒸発させ、冷却することで合金微粒子が形成される。物理的方法の一つとして古くから知られているガス中蒸発法では、容器に収容された原料となる固体の合金を、容器を排気して少量の不活性ガスを導入した低圧状態で加熱、蒸発し、蒸発させた原子又は分子を周囲の不活性ガスと衝突させることにより冷却、凝縮させて微粒子を得る。
また物理的方法の別の例としては、熱プラズマを用いた合金、又は金属間化合物ナノ粒子合成法が知られている。この方法では、10000℃以上のプラズマの高温領域に原料となる合金を導入し、原料を数千℃まで加熱することで原子やラジカルに分解する。その後、均一核生成が生じる千℃程度まで急冷することで合金ナノ粒子を得る。
また、活性液面連続真空蒸発法では、合金を真空中又は減圧環境下で加熱蒸発させて、発生する蒸気を液体媒体表面に接触させ冷却し、凝縮凝固させて合金微粒子を形成する(特許文献1参照)。
また、化学的方法の例としては、液体中に分散させた複数の金属粉を出発物質として、合金ナノ粒子を製造する方法が知られている(特許文献2参照)。この方法では、液体中に分散させた複数の金属粉に高出力のレーザーを照射すると、金属粉から原子、クラスターなどが溶液中で生成され、それらが結合、合体することによってナノ粒子が形成される。
一方、金属微粒子の製造方法として、金属細線に直接パルス電流を流し、その際に生じるプラズマを急冷することにより金属微粒子を作製するパルス細線放電法が知られている。これは、物理的気相反応法の一種で、一般には、雰囲気ガス中で金属細線にパルス大電流を流す。すると、金属細線は自らの抵抗によるジュール熱によって急速に加熱されて気化され金属蒸気となる。この金属蒸気は、膨張、拡散の過程で雰囲気ガスと衝突し、急速に冷却され、凝縮した後、衝突合体による粒成長を繰り返し微粒子が形成される。金属微粒子の製造法として、原理が単純であるため装置の作製が容易であり、エネルギー効率が高いため、金属微粒子を大量生産する場合には、コスト的に有利であり、微粒子の生成速度が速く、製造される微粒子が高純度である、という利点を有する。
また、パルス細線放電法を用いて粉末を生産する装置が知られている(特許文献3参照)。
特開2007−291443号公報 国際公開公報 WO 2006/030605 国際公開公報 WO 01/17671
機械的方法は、大量生産に適しているが、製造できる微粒子の粒径の小ささに限界があること、一様な粒子形状、粒径分布を得ることが容易ではないという問題があった。
化学的方法では、物理的方法に比べて、製造物中に不純物が混入しやすいという問題があった。また、微粒子の析出反応に時間が掛る場合には、大量生産には適さないという問題があった。
また、真空蒸発法やガス中蒸発法などの物理的方法では、原料となる合金を加熱、蒸発させるために大きなエネルギーを要し、しかも蒸発時のエネルギー損失が大きいという問題があった。特に、ガス中蒸発法は、真空蒸発法に比べて、原料となる合金を蒸発させるのに必要なエネルギーが大きく、効率や経済性の点で優れているとは言い難いと云う問題があった。
また、活性液面連続蒸発法では、原料である合金の組成から形成される合金の組成が変化しないように、原料合金の蒸気の全圧に対する成分元素の蒸気圧の分圧が所定の範囲内となるように原料合金の各元素の成分比を調整する必要があり、簡易ではないという問題があった。
さらに、合金を原料として機械的方法や物理的方法を用いて合金微粒子を製造する場合には、もともとバルクの合金又は合金細線が製造されていることが必要であり、バルクの合金又は合金細線が不安定である場合には、合金微粒子の製造が不可能であるという問題があった。
パルス細線放電法では、異なる金属を主成分とする金属材料を用いることによって合金や化合物微粒子の製造に成功した例があるものの、所望の組成や大きさの微粒子を製造することは不可能であった。
よって、エネルギー効率が高く、コスト的に有利であり、製造される微粒子が高純度である所望の組成及び所望の大きさの合金微粒子を大量生産することが可能な装置が要望されている。
上記目的を達成するために、本発明に係る合金微粒子の製造方法の1つの実施態様は、
各々所定の断面積を有する2本の金属細線を用いて、第1の金属細線の外周に第2の金属細線を6回/cm〜16回/cmの巻き数だけ巻きつけて金属撚り線を形成するステップと、
所定の長さの該金属撚り線にパルス電流を流して、前記第1の金属細線及び前記第2の金属細線を同時に気化させて複数の金属蒸気又は金属ラジカルを形成するステップと、
前記複数の金属蒸気又は金属ラジカルを互いに接触させつつ冷却ステップと、
を有する、前記前記第1の金属細線及び前記第2の金属細線に含まれる金属を所定の組成比で含む合金微粒子の製造方法である。
また、上記目的を達成するために、本発明に係る合金微粒子の製造装置の1つの実施態様は、
チャンバと、
前記チャンバ内に、被通電物との接点が所定の距離離れて配置された電極対と、
金属細線または複数の金属細線からなる金属撚り線である被搬送物を搬送する装置であって、該被搬送物が前記電極対を繋ぐように前記電極対の各接点に接触する位置まで、前記被搬送物を搬送する搬送装置と、
前記被搬送物が前記電極対に接触した状態で前記電極対の間にパルス電流を流すパルス電流供給装置と、を備え、
前記被搬送物が、第1の金属細線の外周に第2の金属細線を6回/cm〜16回/cmの巻き数だけ巻きつけて形成された前記金属撚り線であり、
前記パルス電流の供給により、所定の長さの該金属撚り線を構成する前記第1の金属細線及び前記第2の金属細線を同時に気化させ、その後、気化された金属を前記チャンバ内で冷却して、前記前記第1の金属細線及び前記第2の金属細線に含まれる金属を所定の組成比で含む合金微粒子を製造する製造装置である。
本発明に従う合金微粒子の製造装置の一実施形態を示す模式図である。 本発明に従う合金微粒子の製造装置のパルス電圧発生装置及び制御装置の一実施形態を示す模式図である。 本発明の実施例1で製造した合金微粒子のX線回折法による分析結果を示すグラフである。 本発明の実施例1で製造した合金微粒子の外形を示すTEM画像である。 本発明の実施例2で製造した合金微粒子のX線回折法による分析結果を示すグラフである。 本発明の実施例2で製造した合金微粒子の外形を示すTEM画像である。 本発明の比較例1で製造した合金微粒子のX線回折法による分析結果を示すグラフである。 本発明の比較例1で製造した合金微粒子の外形を示すTEM画像である。
(発明の全般的な説明)
上記目的を達成するために、本発明の実施形態に従う複数の金属細線に含まれる金属を所定の組成比で含む合金微粒子の製造は、各々所定の断面積を有する複数の金属細線を用いて金属撚り線を形成するステップと、所定の長さの該金属撚り線にパルス電流を流して、金属撚り線を構成する各金属細線を同時に気化させて複数の金属蒸気又は金属ラジカルを形成するステップと、複数の金属蒸気又は金属ラジカルを互いに接触させつつ冷却ステップと、を有することを特徴とする。
ここで、所定の長さの金属撚り線にパルス電流を流して、この金属撚り線を構成する各金属細線を同時に気化させて複数の金属蒸気又は金属ラジカルを形成するステップと、複数の金属蒸気又は金属ラジカルを互いに接触させつつ冷却ステップとは、気密に密閉された容器内で行うことができる。
本実施形態に従う合金微粒子の製造方法では、金属撚り線を構成する複数の金属細線はパルス電流の通電によって瞬間的に加熱され気化される。気化直後において、複数の金属細線から形成された複数種の金属蒸気又は金属ラジカルが、膨張、拡散しつつ互いに接触し合金の核を形成する均一核生成過程が進行する。そして核同士のブラウン運動による衝突合体等を繰り返すブラウン凝縮過程が進行し、合金微粒子が生成される。よって、合金微粒子中の金属の組成比は、成分金属の蒸気圧、複数の金属細線の体積比、蒸発直後の複数種の金属蒸気又は金属ラジカルのそれぞれの過飽和度、温度等によって決まるものと考えられる。
従って、合金微粒子中の金属の組成比は、複数の金属細線の断面積、長さ、それぞれの金属細線に通電するパルス電流の大きさ、パルス幅、本実施形態に従う方法が遂行される環境、つまり温度、圧力等によって変化し得る。
なお、後述するように、所定の断面積を有する第1の金属細線の外周に第2の金属細線を6回/cm〜16回/cmの巻き数だけ巻きつけて形成された金属撚り線を用いることにより、均一な組成で粒径の揃った所望の合金微粒子を製造することができる。
この場合、縒り線にパルス電流を流すと、縒り線を気化させて形成される蒸気に含まれる複数の金属は、膨張、拡散過程で分離せずに混合しているので、冷却過程で合金微粒子の核形成及び/又は粒子成長が効率良く進むという作用効果を得ることができる。
なお、上記の巻き数(6回/cm〜16回/cm)より多いより、密着した巻き方をした場合には、蒸発した時点で、第1及び第2の金属細線から発生した蒸気に濃度差が生じて、凝縮時に所定の組成比にならない。また、上記の巻き数(6回/cm〜16回/cm)よりも少ない、より間隔の空いた巻き方においても、同様に、第1及び第2の金属細線から発生した蒸気に濃度差が生じて、凝縮時に所定の組成比にならない。
よって、第1の金属細線の外周に第2の金属細線を6回/cm〜16回/cmの巻き数だけ巻きつけるという特定の範囲において、均一な組成で粒径の揃った所望の合金微粒子を製造することができる。
例えば、二元合金微粒子を考えてみると、成分金属の蒸気圧の差異の大きさに関わらず、多くの二元合金微粒子が、二元金属蒸気からの凝縮を経て形成されることが知られているので、本実施形態に従う方法は、多くの二元合金微粒子の製造に用いることができる。
気化直後における金属蒸気又は金属ラジカルの温度は、後のブラウン凝縮過程の持続時間に影響する。つまり、ブラウン凝縮過程の進行によって成長中の粒子の温度が融点以下になれば、ブラウン凝縮過程は終了するので、気化される複数の金属の体積が一定ならば、気化直後における金属蒸気又は金属ラジカルの温度が高いほど、ブラウン凝縮過程の持続時間は長くなる。ブラウン凝縮過程の持続時間が長くなると、粒成長過程の時間が長くなり、結果として、製造される合金微粒子の粒径は大きくなる傾向にある。
合金の材料として用意される金属細線としては、直径0.1〜0.5mm、長さ10〜50mm、例えば、直径0.25mm、長さ25mmを例示することができる。後者の場合の断面積は、0.20mmである。複数の金属細線の断面積は同一でも良いし、異なっていても良い。また金属細線の長さも同一でも良いし、異なっていても良い。
金属細線にパルス電流を流す際に、金属細線の両端に印加する電圧としては、1〜10kVを例示することができる。しかしながら、金属細線にパルス電流を流すために金属細線の両端に印加する電圧は、電流を流すことによって金属細線が全て気化される大きさであれば、上記の値に限定されない。
金属細線が気化するために必要な気化エネルギーは、金属細線中を形成する金属が沸点で有するエンタルピーと、金属細線に含まれるモル数の積から算出される。金属細線にパルス電流を流すことによって金属細線に投入されるエネルギーが、気化エネルギーを下回らないように、パルス電流の、大きさ、パルス幅等が調整される。しかしながら、金属細線の気化過程において、パルス電流による金属細線の加熱は不均一に生じる可能性もあり、金属細線を完全に気化させるためには、上記気化エネルギーより大きなエネルギーを、パルス電流を介して金属細線に投入することが必要なこともあり得る。
また、金属細線に流すパルス電流の充放電サイクルは、1〜10Hzを例示することができる。充放電サイクルが高くなればなるほど、合金微粒子の大量生産が可能である。
本実施形態に従う方法は、パルス細線放電法の一形態であると考えられる。パルス細線放電法は、単一金属からなる金属微粒子、または金属酸化物の微粒子の形成に有効的であることが知られている。しかし、本実施形態では、複数の金属を所定の組成比で含む合金微粒子が形成される。
また、本実施形態によれば、原理が単純であるため装置の作製が容易であり、エネルギー効率が高いため、金属微粒子を大量生産する場合には、コスト的に有利であり、製造される微粒子が高純度である、という利点を失うことなく、所望の組成を有する合金微粒子を製造することができる。
また、バルク合金又は合金細線が安定に存在しないものでも、合金微粒子を製造することができる。
本発明に従う方法の別の実施形態によれば、前記複数の金属細線の所定の長さを雰囲気ガス中で気化させることを特徴とする。
ここで平均粒径はメディアン粒径と書き換えても良い。以下の記載においても、同様に、平均粒径はメディアン粒径と書き換えても良い。
本実施形態では、複数の金属細線の所定の長さを希薄雰囲気ガス中で気化させるので、金属細線の気化によって得られた金属蒸気又は金属ラジカルの冷却過程を制御することができるので、所定の平均粒径を有する合金微粒子を製造することができる。
例えば、雰囲気ガスの圧力等を調整することによって、粒成長過程で支配的であると思われるブラウン凝縮過程を制御することができる。雰囲気ガスの圧力が高ければ、気化直後における金属蒸気又は金属ラジカルの膨張、拡散は抑制され、冷却過程の始まりにおける金属蒸気又は金属ラジカルの濃度は大きくなる。すると、ブラウン凝縮は起こりやすくなり、生成される合金微粒子の平均粒径は大きくなり得る。また、気化直後における金属蒸気又は金属ラジカルの温度が高い場合にも、合金微粒子が成長し続ける時間、即ち合金微粒子の温度が融点以下になるまでの時間が長くなり、平均粒径は大きくなり得る。気化直後の金属蒸気又は金属ラジカルの温度は、金属細線に通電するパルス電流の大きさやパルス幅によって制御が可能であるので、従って、金属細線に通電するパルス電流の大きさやパルス幅によって平均粒径を制御することも可能である。
また、本実施形態に従えば、金属蒸気又は金属ラジカルは、雰囲気ガスとの衝突によって急速に冷却されるので、合金微粒子の生成速度を高めることが出来、場合によっては、同時に合金微粒子に被膜を形成することが出来、雰囲気ガスとの衝突によって金属蒸気又は金属ラジカルの冷却速度が一定になることによって、ほぼ均一な平均粒径を有する合金微粒子を製造することができる。
平均粒径の大きさとしては、以下でも言及するように、50nm以下を例示することができる。また粒径分布の幾何標準偏差は1.0〜2.0を例示することができる。
また、本実施形態に従う合金微粒子の製造方法においても、上記実施形態に従う方法と同様の作用効果を得ることができる。
本発明に従う方法の別の実施形態によれば、雰囲気ガスが不活性ガスであることを特徴とする。
不活性ガスとしては、ヘリウム、アルゴン、窒素、ネオン、クリプトン等を例示することができる。
本実施形態に従えば、金属蒸気又は金属ラジカルは、不活性ガスと衝突して、化学反応を起こさないので、合金微粒子の生成速度を高めることが出来る。
また、不活性ガスの熱伝導度は、ヘリウム、ネオン、アルゴン、窒素の順で低くなる。雰囲気ガスとして不活性ガスを用いる場合、熱伝導度が大きいほど、金属蒸気又は金属ラジカルの冷却速度は速くなり、粒成長が抑制されるので、平均粒径が小さくなり得る。つまり、雰囲気ガスとして用いる不活性ガスの選択によって、製造される合金微粒子の平均粒径、粒径分布の標準偏差等を制御し得る。
さらに、不活性ガスの圧力も、製造される微粒子の平均粒径、粒径分布の標準偏差等に影響を与え得る。不活性ガスの圧力値としては、10〜100kPaを例示することができる。
また、本実施形態に従う合金微粒子の製造方法においても、上記実施形態に従う方法と同様の作用効果を得ることができる。
本発明に従う方法の別の実施形態によれば、雰囲気ガスに有機物霧を含むことを特徴とする。
つまり、本実施形態に従う複数の金属細線に含まれる金属を所定の組成比で含み、かつ有機物で被覆された合金微粒子を製造する方法は、各々所定の断面積を有する複数の金属細線にパルス電流を流し、複数の金属細線の所定の長さを気化させて複数の金属蒸気又は金属ラジカルを形成するステップと、複数の金属蒸気又は金属ラジカルを互いに接触させつつ有機物霧中で冷却するステップと、を含むことを特徴とする。
有機物霧としては、工業用鉱物油を気化させたもの、など大気中での酸化防止、予防のために用いられるものを用いることができる。
本実施形態に従えば、表面が有機物で被覆された合金微粒子を製造することができる。
また、有機物霧中で気化された金属蒸気又は金属ラジカルが凝集し核が形成された後の粒成長過程において、成長過程にある微粒子が有機物霧に衝突して、表面が有機物によって覆われると、微粒子が有機物を蒸発されるに十分な熱量を持っていれば、有機物は蒸発し、粒成長過程の進行は止まらない。逆に、粒成長過程にある、即ち、合金微粒子の融点より高い温度にある粒子が、表面に付着した有機物霧を蒸発させるだけの熱量を有していなければ、粒成長過程の進行は止まる。よって、有機物霧中で、気化された金属蒸気又は金属ラジカルの冷却を行うと、生成される合金微粒子の平均粒径は、他の場合、例えば不活性ガス中の場合より、小さくなり得る。
つまり、有機物霧の濃度は、製造される合金微粒子の平均粒径に影響を与え得る。
合金微粒子を被膜する有機物霧の厚さは、数nmのオーダーであり得る。
また、本実施形態に従う合金微粒子の製造方法においても、上記実施形態に従う方法と同様の作用効果を得ることができる。
本発明に従う方法の別の実施形態によれば、合金微粒子の組成比は、気化させる各々の金属細線長さと断面積の積で定義される体積の比に比例することを特徴とする。
本実施形態に従えば、気化させる細線の長さが複数の金属細線で同じであれば、用意する細線の断面積を変えることによって、製造される合金微粒子の組成を制御することができる。
また、本実施形態に従う合金微粒子の製造方法においても、上記実施形態に従う方法と同様の作用効果を得ることができる。
本発明に従う方法の別の実施形態によれば、製造される合金微粒子の平均粒径が50nm以下であることを特徴とする。
本実施形態に従えば、上記実施形態に従う方法と同様の作用効果を得ることができると同時に、大きさがナノサイズであり、同時に大きさの揃った合金微粒子を製造することができる。
本発明に従う方法の別の実施形態によれば、雰囲気ガスの圧力を調整することによって、製造される合金微粒子の平均粒径を調整することを特徴とする。
本実施形態に従えば、上記実施形態に従う方法と同様の作用効果を得ることができると同時に、例えば、雰囲気ガスの圧力を上げると金属蒸気又は金属ラジカルの冷却速度は速くなり、小さな微粒子が形成されやすくなるので、雰囲気ガスの圧力を調整することにより、所望の平均粒径を有する合金微粒子を製造することができる。
本発明に従う方法の別の実施形態によれば、製造される合金微粒子が、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、錫、パラジウム、マンガンの少なくとも二種を含むものであることを特徴とする。
本実施形態に従えば、上記実施形態に従う方法と同様の作用効果を得ることができると同時に、製造された合金微粒子を、微細な電気配線や接点の形成に用いられる導電性ペーストやナノインクの原材料として利用可能である。
本発明に従う方法の別の実施形態によれば、複数の金属細線に含まれる金属を含む金属間化合物を製造する方法は、各々所定の断面積を有する複数の金属細線にパルス電流を流し、前記複数の金属細線の所定の長さを気化させて複数の金属蒸気又は金属ラジカルを形成するステップと、前記複数の金属蒸気又は金属ラジカルを互いに接触させつつ冷却するステップと、を含むことを特徴とする。
ここで、金属間化合物とは合金の一種であるが、構成元素の組成比が整数比であるものを意味する。従って、本実施形態では、断面積等の細線のパラメータに関わらず、例えば元素AとBから構成される、ABのような金属間化合物が、同じ断面積の2本のA金属細線とB金属細線から製造することができる。
本実施形態に従う方法によれば、上記実施形態に従う方法と同様の作用効果を得つつ、金属化合物を製造することができる。
また、上記目的を達成するために、本発明実施形態に従う複数の金属細線に含まれる金属を所定の組成比で含む合金微粒子の製造装置は、チャンバと、チャンバ内に、被通電物との接点が所定の距離離れて配置された電極対と、金属細線または複数の金属細線からなる金属撚り線である被搬送物を搬送する装置であって、該被搬送物が電極対を繋ぐように電極対の各接点に接触する位置まで、被搬送物を搬送する搬送装置と、被搬送物が電極対に接触した状態で電極対の間にパルス電流を流すパルス電流供給装置と、を備え、パルス電流の供給により、被搬送物を構成する所定の長さの複数の金属細線を同時に気化させ、その後、気化された金属をチャンバ内で冷却して、複数の金属細に含まれる金属を所定の組成比で含むことを特徴とする。
本実施形態によれば、チャンバ内に配置される複数の金属細線にパルス電流供給装置によってパルス電流を流すと、複数の金属蒸気又は金属ラジカルが形成される。その複数の金属蒸気又は金属ラジカルは、チャンバ内で互いに接触する過程で合金微粒子の核生成過程及び粒子成長過程が進行し、複数の金属細線に含まれる金属を所定の組成比で含む合金微粒子が生成される。
特に、被搬送物として、所定の断面積を有する第1の金属細線の外周に第2の金属細線を6回/cm〜16回/cmの巻き数だけ巻きつけて形成された金属撚り線を用いることにより、均一な組成で粒径の揃った所望の合金微粒子を製造することができる。
また、本発明の別の実施形態に従う複数の金属細線に含まれる金属を所定の組成比で含む合金微粒子の製造装置は、チャンバ内を所定の圧力に保持する機構を備えていても良い。
パルス電流供給装置は、複数の金属細線を完全に気化させるため必要な気化エネルギーより大きなエネルギーを、パルス電流を介して金属細線に投入することができるように構成されている。金属細線にパルス電流を流す際に、金属細線の両端に印加する電圧としては、1〜10kVを例示することができる。
複数の金属細線には、同じ電圧が印加されることもあるし、異なる電圧が印加されることもある。
複数の金属細線の両端の電極の材料はタングステンを含み得る。
本実施形態によれば、複数の金属細線を準備すればよいので、バルク合金又は合金細線が安定に存在しないものでも、合金微粒子を製造できる。
本発明の別の実施形態に従う複数の金属細線に含まれる金属を所定の組成比で含む合金微粒子の製造装置は、チャンバ内で製造された合金微粒子を捕捉する微粒子捕捉装置を備えることを特徴とする。
本実施形態によれば、製造された合金微粒子を確実に捕捉して、製造歩留まりを向上できる。
本発明の別の実施形態に従う複数の金属細線に含まれる金属を所定の組成比で含む合金微粒子の製造装置は、チャンバ内に雰囲気ガスを供給するガス供給装置を含むことを特徴とする。
上述のように、雰囲気ガスとしては、不活性ガスを用いることができる。
また、このガス供給装置は、チャンバ内の雰囲気ガスの圧力を制御する雰囲気ガス圧力制御装置を含んでいても良い。
上記のように、雰囲気ガスの圧力は、製造される合金微粒子の粒径及び粒径分布に影響を与え得る。
本発明の別の実施形態に従う複数の金属細線に含まれる金属を所定の組成比で含む合金微粒子の製造装置は、鉱物油等の有機物を蒸発させるヒータを含むことを特徴とする。
ヒータを用いて有機物を蒸発させ有機物霧を生成した状態で、パルス電流供給装置から複数の金属細線にパルス電流を通電して気化させ、金属蒸気又は金属ラジカルを有機物霧中で冷却させることによって、有機物で表面が被覆された合金微粒子を生成することができる。
本発明の別の実施形態に従う複数の金属細線に含まれる金属を所定の組成比で含む合金微粒子の製造装置は、搬送装置が、毎秒あたり所定の頻度でチャンバ内に複数の金属細線の所定の長さを供給し、パルス電流供給装置において、パルス電流が所定の頻度で複数の金属細線に流されることを特徴とする。
本実施形態によれば、上記実施形態に従う装置と同様の作用効果を得つつも、金属細線が、所定の頻度でチャンバ内に供給し、パルス電流を金属細線に流すことによって自動的かつ連続的に合金微粒子が製造可能である。
本発明の別の実施形態に従う複数の金属細線に含まれる金属を所定の組成比で含む合金微粒子の製造装置は、チャンバ内に複数の金属細線の所定の長さを供給する頻度は、1〜10Hzの充放電サイクルに対応することを特徴とする。
本実施形態によれば、上記実施形態に従う装置と同様の作用効果を得つつも、複数種の金属を所定の組成比で含む合金微粒子を効率良く、大量に生産することができる。粒子生産速度としては、1時間当たり360g以上を得ることができる。
(図示された実施形態の説明)
次に、図1を参照しながら、本発明に係る合金微粒子の製造装置のひとつの実施形態の説明を行なう。図1は、合金微粒子の製造装置2の概要を示す模式図である。
<合金微粒子の製造装置全体の説明>
製造装置2は、主に、チャンバ6と、チャンバ6内に配置された電極対8a、8bと、複数の金属細線が縒り合わされた金属縒り線4を搬送する搬送装置10と、電極対8a、8b間にパルス電流を流すパルス電流供給装置12と、チャンバ6内で形成された合金微粒子を捕捉する微粒子捕捉装置14と、チャンバ6内に雰囲気ガスを供給する雰囲気ガス供給装置16と、チャンバ6内に有機物霧を供給する有機物霧供給装置18と、チャンバ6内の気体を排出する真空ポンプ34とを備える。
雰囲気ガス供給装置16は、不活性ガスを始めとする雰囲気ガスが充填されたガスボンベ32、接続配管56及びストップバルブ58を備え、ガスボンベ32は、接続配管56及びストップバルブ58を介してチャンバ6内部と連通している。有機物霧供給装置18は、チャンバ6内に配置されたヒ−ター36を備え、ヒ−ター36で有機物を加熱して有機物霧を発生させ、チャンバ6内に供給する。
チャンバ6は、真空ポンプ34により内部の空気が排出され、その後、雰囲気ガス供給装置16により、不活性ガスを始めとする雰囲気ガスが充填され、必要に応じて、有機物霧供給装置18により、雰囲気ガス中に有機物霧が供給される。
搬送装置10は、ボビン駆動装置22、搬送ローラ38及び矯正装置24を備え、ボビン駆動装置22を駆動して、金属縒り線4が巻き取られたワイヤーボビンを回転させて、金属縒り線4をワイヤーボビンから巻き戻す。そして、巻き戻された金属縒り線4を、図1で左から右へ搬送して、搬送ロール38、矯正装置24及びシール装置40を介してチャンバ6内に挿入し、金属縒り線4が電極対8a、8bを繋ぐように電極対8a、8bの各接点A、Bに接触する位置まで、金属縒り線4を搬送する。図1は、金属縒り線4が電極対8a、8bを繋ぐように電極対8a、8bの各接点A、Bに接触する位置まで搬送されたところを示している。
電極対8a、8bは、ケーブル54によりパルス電流供給装置12と電気的に接続されており、金属縒り線4が電極対8a、8bの各接点A、Bと接触した状態で、電極対8a、8bの間にパルス電圧を印加してパルス電流を流すことにより、所定の長さの金属縒り線4の複数の金属を同時に気化させて、複数の金属蒸気又は金属ラジカルを形成すことができる。
この複数の金属蒸気又は金属ラジカルは、雰囲気ガスにより、チャンバ6内で互いに接触しながら冷却され、金属縒り線4の複数の金属細線に含まれる金属を所定の組成比で含む合金微粒子が形成される。
微粒子捕捉装置14は、循環ポンプ28、捕捉フィルタ30及び接続ダクト52を備える。チャンバ6内に形成された合金微粒子は、循環ポンプ26の吸引力により、雰囲気ガスと共にチャンバ6から接続ダクト52へ流れ出し、流路の途中に配置された捕捉フィルタ30により捕捉される。雰囲気ガスは、捕捉フィルタ28を通過して、再びチャンバ6へ戻る。なお、図1の矢印は、循環する雰囲気ガスの流れを示す。
以上のようにして、搬送装置10により、所定の雰囲気ガスで満たされたチャンバ6内に金属縒り線4を搬送し、パルス電流供給装置12により、所定の長さの金属縒り線4にパルス電流を流すことにより、金属縒り線4の複数の金属細線に含まれる金属を所定の組成比で含む合金微粒子を形成し、微粒子捕捉装置14により、形成された合金微粒子を捕捉する。金属縒り線4を搬送する工程と、パスル電流を供給する工程を繰り返すことによって、合金微粒子を継続して製造することができる。
次に、製造装置2の主要な構成機器の詳細な説明を行なう。
<<チャンバ6の説明>>
チャンバ6内は、真空ポンプ34による排気で内部が真空状態となっても、大気圧で変形等を起こすことがない強度を有する外殻を有する。外郭は、ステンレス鋼、アルミニウム、チタンをはじめとする金属材料で構成することができるが、温度、強度の条件が合えば、樹脂材料、セラミック等のその他の材料で構成することもできる。
チャンバ6の内部には、電極対8a、8bや、有機物霧供給装置18のヒ−ター36が配置されている。シール装置40は、気密な状態で金属縒り線4をチャンバ6内に挿入可能にしており、任意の接触または非接触シール機構を用いることができる。また。必要に応じて、チャンバ6の内部を観察するためののぞき窓(図示せず)を設けることができる。
なお、チャンバの形状としては、直径100〜500mmの円筒形で、長さ100〜500mmを例示することができるが、これに限られるものではない。
<<電極対8a、8bの説明>>
電極対8a、8bは、搬送装置10により搬送された金属縒り線4と接する接点A、Bを有し、電極対8aの接点Aと電極8bの接点Bとの間の距離が長さLとなるように配置されている。ここで、長さLの寸法としては、10mm〜50mmを例示することができるが、これに限定されるものではない。
電極対8a、8bはケーブル54によりパルス電流供給装置12と電気的に接続されており、電極8aがマイナス側に接続され、電極8bがプラス側に接続されている。ただし、これに限られるものではなく、プラスマイナスが逆であってもよい。
電極の材料としては、タングステンを例示することができるが、これに限られるものではなく、気化させる金属に合わせて最適な材料を選択することができる。
<<搬送装置10の説明>>
搬送装置10では、ボビン駆動装置22を駆動してワイヤーボビンを反巻き取り方向に回転させることにより、ワイヤーボビンに巻き取られた金属縒り線4を巻き戻す。巻き戻された金属縒り線4は、ボビン駆動装置22の駆動力(ボビンの回転)で、図面で左から右へ搬送される。金属縒り線4は、搬送ロール38にサポートされながら、矯正装置24を通過して、シール装置4の開口部からチャンバ6の内部へ入る。
本実施形態では、搬送ロール38は駆動されないフリーロールとなっているが、駆動装置を備えて、ワイヤーボビンの回転速度に対応した回転速度で搬送ロール38を駆動することもできる。
巻き戻された金属縒り線4は、矯正装置24の矯正ロール(図示せず)ににより、曲がりが矯正されて直線状に伸びた形状となる。なお、本実施形態の矯正装置24として、任意の構成、機構の矯正装置を適用することができる。
チャンバ6の内部に搬送された金属縒り線4は、チャンバ6の中を図面で左から右へ進み、電極8aの接点Aと接触しながら更に進んで、電極8bの接点Bと接触したところで停止する。ボビン駆動装置22のワイヤーボビンの回転は、サーボモータでステップ制御されており、金属縒り線4の搬送を、電極8bの接点Bと接触した時点で正確に停止させることができる。これにより、複数の金属細線が縒り合わされた金属縒り線4が、電極対8a、8bとの間を繋ぐように電極対8a、8bの接点A、Bと接触するような位置まで搬送されて停止し、図1に示すような状態となる。
なお、電極対8a、8bは、それぞれバネ42a、42bによって金属縒り線4側に付勢されており、金属縒り線4が電極対8a、8bの接点A、Bと確実に接触するようになっている。なお、バネ42a、42bの強さは、金属縒り線4の剛性に比べて弱く、搬送される金属縒り線4は、電極対8a、8bと接触しても、矯正装置24により矯正された直線形状を維持する。
なお、バネの代わりに、電極対8a、8bにリトラクト機構を備えることもできる。この場合には、金属縒り線4の搬送時には、電極対8a、8bが引き込み位置にいて、搬送中の金属縒り線4とは接触せず、金属縒り線4が停止した後、電極対8a、8bを稼働位置に戻して、金属縒り線4と接触させることができる。
搬送装置10の搬送速度としては、パルス電流供給装置12によるパルス電流の供給インターバルの間に、金属縒り線4が電極対8a、8bとの間を繋ぐように電極対8a、8bの接点A、Bと接触するような位置まで、金属縒り線4を搬送する必要がある。
具体的には、パルス電流供給インターバル以内に、電極対8a、8bの接点A、Bの間の距離Lだけ、金属縒り線4を搬送する必要がある。よって、パルス電流供給インターバルをTとすれば、搬送装置10の搬送速度Vは、
V > L/T
となる。
具体的には、搬送速度V=100〜1000mm/秒を例示することができるが、これに限定されるものではない。
<<パルス電流供給装置12>>
図1に示す状態で、パルス電流供給装置12により電極対8a、8b間にパルス電圧を印加することにより、長さLの間隔で配置された接点A、Bの間の金属縒り線4(金属縒り線の長さLの部分)にパルス電流が流れて気化され、複数の金属蒸気又は金属ラジカルが形成される。
ここで、図2にパルス電流供給装置12及び制御装置の一実施形態の概要を示す。なお、図2に示す実施形態は、あくまで一例であり、これに限られるものではない。
パルス電流供給装置12の具体的な仕様としては、パルス電圧として1〜10kV、充放電サイクルとして1〜10Hzを例示することができるが、これに限られるものではない。
パルス電圧の印加により形成された複数の金属蒸気又は金属ラジカルは、雰囲気ガスによりチャンバ6内で互いに接触しながら冷却され、縒り合わされた複数の金属細線に含まれる金属を所定の組成比で含む合金微粒子が形成される。
<<微粒子捕捉装置14の説明>>
微粒子捕捉装置14は、接続ダクト52により、チャンバ6と循環ポンプ28との間、循環ポンプ28と捕捉フィルタ30との間、及び捕捉フィルタ30とチャンバ6との間を気密に接続されており、循環ポンプ28によりチャンバ6内の気体が循環する循環ルート(図1の矢印参照)が形成されている。パルス電圧の印加及び冷却により形成された合金微粒子は、チャンバ6内の気体とともに、チャンバ6から接続ダクト52内へ流れ、循環ルートの途中に設置された捕捉フィルタ30で捕捉される。
捕捉フィルタ30のフィルタ目開きは、形成される合金微粒子の最小粒径を捕捉できる大きさにする必要がある。例えば、0.05〜0.5μm(50〜500nm)のフィルタ目開きを例示ことができるが、これに限られるものではない。
<<雰囲気ガス供給装置16の説明>>
本実施形態の製造装置2では、雰囲気ガスの環境下で合金微粒子を形成することができるようになっている。これに対応するため、製造装置2は、雰囲気ガスが充填されたガスボンベ32が、接続配管56、ストップバルブ58を介してチャンバ6内部と連通した雰囲気ガス供給装置16を備える。雰囲気ガスとしては、ヘリウム、アルゴン、窒素、ネオン、クリプトン等の不活性ガスを用いることができるが、更に、酸素やNH等が充填されたガスボンベ32を用いて、それらのガスをチャンバ6内に供給することもできる。
真空ポンプ34でチャンバ6内の空気を排出後、ストップバルブ58を開けることによって、ガスボンベ32内の雰囲気ガスをチャンバ6内に充填することができる。
なお、チャンバ6内に充填された雰囲気ガスの圧力値としては、10〜100kPaを例示することができるが、これに限られるものではない。
<<有機物霧供給装置18の説明>>
本実施形態の製造装置2では、有機物霧が含まれた雰囲気ガス環境下で合金微粒子を形成することにより、合金微粒子の外側にコーティングを施すことができる。これに対応するため、製造装置2は、チャンバ6内に配置され、工業用鉱物を始めとする有機物を加熱して有機物霧を発生させるヒ−ター36を有する有機物霧供給装置18を備える。雰囲気ガスが充填された状態で、有機物霧を発生させることにより、有機物霧が含まれた雰囲気ガス環境を形成することができる。
なお、本実施形態のヒ−ター36は、電気ヒータであり、ケーブルにより電源と接続されている(図示せず)。
<<真空ポンプ34の説明>>
真空ポンプ34は、接続配管56、ストップバルブ58を介してチャンバ6内部と連通しており、チャンバ6を閉じた後、ストップバルブ58を開けて、真空ポンプ34を駆動することにより、チャンバ6内の空気を外部へ排出することができる。その後、ストップバルブ6を閉じて真空ポンプ34をチャンバ6から隔離し、真空ポンプ34を停止する。
なお、本実施形態においては、真空ポンプ34により、チャンバ6内の真空度を0.1Torr以下にすることができるが、これに限られるものではなく、チャンバ6のシール性能、真空ポンプ34の性能を適切選択して、その他の所望の真空度を得るようにすることができる。
<合金微粒子の製造方法の説明>
次に、上記の製造装置2を用いて、合金微粒子を製造する方法を説明する。
本実施形態で用いる金属縒り線4として、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、錫、パラジウム、マンガンの少なくとも二種の金属細線が縒り合わされたものを用いることができる。また、金属縒り線4の直径としては、0.1〜1.0mmを例示ことができるが、これに限られるものではない。また、各金属細線の直径としては、0.1〜0.5mmを例示ことができるが、これに限られるものではない。
なお、更に詳細な具体例に関しては、実施例1及び実施例2を用いて後述する。
本実施形態では金属縒り線を用いているが、複数の金属単線を電極の接点間に配置してパルス電圧を印加することもできる。この場合には、搬送装置により複数の金属単線を平行に搬送することもできるし、チャンバ6に対して対向する位置に2つの搬送装置を配置して、両側から金属単線を搬送することもできる。また、金属縒り線と金属単線とを組み合わせることもできる。
はじめに準備段階として、金属縒り線4が予め巻き取られたワイヤーボビンをボビン駆動装置22にセットし、チャンバ6が解放されている状態で、ボビン駆動装置22を回転させて、巻き戻した金属縒り線4を搬送して、図1に示すような金属縒り線4が電極対8a、8bとの間を繋ぐように電極対8a、8bの接点A、Bと接触するような状態を形成する。
更に、有機物霧を発生させる場合には、有機材を雰囲気ガス供給装置16のヒ−ター36にセットした後、チャンバ6を閉じる。その後、ストップバルブ58を開けて、真空ポンプ34を駆動することにより、チャンバ6内の空気を外部へ排出することができる。所望の真空度に達した後、ストップバルブ6を閉じて真空ポンプ34をチャンバ6から隔離し、真空ポンプ34を停止する。
次に、不活性ガス環境下で合金微粒子を製造する場合には、雰囲気ガス供給装置16を用いて、チャンバ6内に不活性ガスを充填する。具体的には、ストップバルブ58を開いて、接続配管56を介して、ガスボンベ32内の不活性ガスをチャンバ6内に供給する。
また、有機物霧を含む環境下で合金微粒子を製造する場合には、更に、有機物霧供給装置18を用いて、チャンバ6内に有機物霧を供給する。具体的には、ヒ−ター36に給電し、予めヒータ36にセットされていた有機物を加熱して、有機物霧を発生させてチャンバ6内に満たす。
この状態で、製造装置2を稼働開始させることにより、パルス電流の供給タイミングと、金属縒り線4の搬送タイミングとの同期が取られた微粒子製造サイクルが開始される。このとき、微粒子捕捉装置14の循環ポンプ28が定常的に稼働しており、製造された合金微粒子は捕捉フィルタ30で捕捉される。
各微粒子製造サイクルでは、パルス電圧の印加により、金属縒り線4の長さLの部分を気化させて、金属縒り線4の構成金属による複数の金属蒸気又は金属ラジカルを形成する。その後、形成された複数の金属蒸気又は金属ラジカルは、雰囲気ガスによりチャンバ6内で互いに接触しながら冷却されて、合金微粒子が形成される。また、有機物霧が存在する場合には、合金微粒子の外側に有機材のコーティング層が形成される。
金属蒸気又は金属ラジカルの冷却速度は、雰囲気ガス供給装置16により供給される雰囲気ガス(有機物霧を含む場合も含む)の圧力の影響を受け、供給圧力が高い場合には冷却速度が高くなり、製造される合金微粒子の平均粒径が小さくなる。よって、雰囲気ガスの供給圧力を制御することにより、製造される合金微粒子の平均粒径を調整することができる。
製造される合金微粒子の粒径としては、50μm以下が好ましく、30μm以下がより好ましく、10μm以下が更に好ましい。
各微粒子製造サイクルで製造される合金微粒子の組成比は、気化させる各々の金属細線長さと断面積の積で定義される体積の比に比例する。つまり、長さL(単位長さでも同様)の金属縒り線4を構成する各金属細線の断面積及び長さは概略一定であり、よって、各金属細線の体積は概略一定となるので、製造された合金微粒子の組成比はほぼ一定となる。仮に、金属縒り線4が電極対8a、8bの間を直線的に繋いでいない場合、例えば、曲線形状で繋いでいる場合であっても、直線の場合に比べて、1サイクルで製造される合金微粒子の量が異なっても、製造された合金微粒子の組成比は同一である。
以上のように本発明に係る合金微粒子の製造方法及び製造装置によれば、原理が単純であるため製造装置の作製が容易であり、エネルギー効率が高いため、合金微粒子を大量生産する場合にはコスト的に有利であり、製造される微粒子が高純度であるという利点を失うことなく、所望の組成を有する所望の大きさの合金微粒子を製造することができる。
また、バルク合金又は合金細線が安定に存在しないものでも、合金微粒子を製造することができる。
特に、下記の実施例に示すように、所定の断面積を有する第1の金属細線の外周に第2の金属細線を6回/cm〜16回/cmの巻き数だけ巻きつけて形成された金属撚り線を用いることにより、均一な組成で粒径の揃った所望の合金微粒子を製造することができる。
(実施例の説明)
次に、上記の製造装置を用いて、実際に合金微粒子を製造した結果を実施例として下記に示す。
製造装置として、下記の仕様のものを用いて合金微粒子を製造した。
製造装置の仕様
− 金属縒り線の直径:0.2〜0.4mm
− チャンバ内径: 300mm
− 電極間距離: 5〜30mm
− 金属縒り線の搬送速度: 0〜500mm/sec
− パルス電圧: 2.0〜10.0 kV
− 充放電サイクル:0.1〜10.0Hz
− 捕捉フィルタ目開き: 50〜200nm
− チャンバ真空度: 0.1Torr以下
下記の実施例で製造する微粒子の組成としては、Ni:Al=50:50(at%)の微粒子(重量比でNi:Al≒2.2:1)を得ることを目標として、Al線材及びNi線材の直径とNi線材の巻き数(回/cm)を定めた。
<実施例1>
はじめに、直径0.30mmの直線状のAl線材(芯材)に、直径0.25mmのNi線材を、AL線材の長さ1cm当たりNi線材を16回巻きつけて、16回/cmのNiAl撚り線を形成し、上記の製造装置を用いて合金微粒子を製造した。
下記の実施条件で、上述の合金微粒子の製造方法に基づいて製造を行なった。
電極間距離: 20mm
パルス電圧: 6.0 kV
捕捉フィルタ: メンブレンフィルタ 孔径100nm
雰囲気: N2 100kPa
以上の条件で製造した合金微粒子のX線回折法(XRD:X-Ray Diffraction spectroscopy)による分析結果を図3に示し、透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)によるTEM画像を図4に示す。なお、図3のグラフの横軸に示すθは、回折角を意味する。
図3のグラフのピーク部分から明らかなように、16回/cmのNiAl撚り線を用いることにより、均一な組成のNiAl微粒子を製造できることが判明した。また、図4のTEM画像から明らかなように、16回/cmのNiAl撚り線を用いることにより、粒径が50nm以下の粒径の揃ったNiAl微粒子を製造できることが判明した。
<実施例2>
次に、直径0.30mmの直線状のAL線材(芯材)に、直径0.25mmのNi線材を、AL線材の長さ1cm当たりNi線材を6回巻きつけて、6回/cmのNiAl撚り線を形成し、上記の製造装置を用いて合金微粒子を製造した。
実施条件は、上記の実施例1の場合と同様である。
以上の条件で製造した合金微粒子のX線回折法による分析結果を図5に示し、透過型電子顕微鏡によるTEM画像を図6に示す。
図5のグラフのピーク部分から明らかなように、6回/cmのNiAl撚り線を用いた場合においても、均一な組成のNiAl微粒子を製造できることが判明した。また、図6のTEM画像から明らかなように、6回/cmのNiAl撚り線を用いた場合においても、粒径が50nm以下の粒径の揃ったNiAl微粒子を製造できることが判明した。
<比較例1>
次に、直径0.30mmの直線状のAL線材(芯材)に、直径0.05mmのNi線材を、AL線材の長さ1cm当たりNi線材を200回巻きつけて、200回/cmのNiAl撚り線を形成し、上記の製造装置を用いて合金微粒子を製造した。
実施条件は、上記の実施例1の場合と同様である。
以上の条件で製造した合金微粒子のX線回折法による分析結果を図7に示し、透過型電子顕微鏡によるTEM画像を図8に示す。
図7のグラフから明らかなように、200回/cmのNiAl撚り線を用いた場合においては、AlNiを主相として、AlNi3、Al3Ni、NiAlを含む混合相が形成され、均一な組成のNiAl微粒子を製造できないことが判明した。また、図8のTEM画像から明らかなように、200回/cmのNiAl撚り線を用いた場合においては、30〜100nmの粒子と、200nm以上の粒子の混合体が生じており、粒径の揃ったNiAl微粒子を製造できないことが判明した。
このことは、16回/cmの巻き数の範囲より多いより密着した巻き方をした場合には、蒸発した時点で、AL線材及びNi線材からの蒸気に濃度差が生じて、凝縮時に所定の組成比にならないからと考えられる。
以上のような実施例1、2及び比較例1から明らかなように、芯線となる第1の金属細線に6回/cm〜16回/cmの巻き数で第2の金属細線を巻き付けた撚り線にパルス電流を流して気化させて、冷却させることにより、均一な組成を有し、かつ粒径が50nm以下の粒径の揃った所望の金属微粒子を製造できることが判明した。
(その他の実施形態の説明)
なお、上記の実施形態及び実施例の説明においては、二元合金微粒子の製造を例にとって説明したが、これに限られるものではなく、例えば、三元系以上の多元合金の製造に本発明を適用することができる。また、本発明は、上記のような金属細線の外周に他の細線を巻き付けていく巻き方に限定されるものではなく、例えば、線径の近い材料を互いに巻きつける巻き方を適用することも可能である。

Claims (9)

  1. 各々所定の断面積を有する2本の金属細線を用いて、第1の金属細線の外周に第2の金属細線を6回/cm〜16回/cmの巻き数だけ巻きつけて金属撚り線を形成するステップと、
    所定の長さの該金属撚り線にパルス電流を流して、前記第1の金属細線及び前記第2の金属細線を同時に気化させて複数の金属蒸気又は金属ラジカルを形成するステップと、
    前記複数の金属蒸気又は金属ラジカルを互いに接触させつつ冷却するステップと、
    を有する、前記前記第1の金属細線及び前記第2の金属細線に含まれる金属を所定の組成比で含む合金微粒子の製造方法。
  2. 前記所定の長さの金属撚り線を雰囲気ガス中で気化させる、請求項1に記載の合金微粒子の製造方法。
  3. 前記雰囲気ガスが不活性ガスである、請求項2に記載の合金微粒子の製造方法。
  4. 前記雰囲気ガスに有機物霧を含む、請求項2に記載の合金微粒子の製造方法。
  5. 前記合金微粒子の組成比は、気化させる前記第1の金属細線及び前記第2の金属細線の長さと断面積の積で定義される体積の比に比例する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の合金微粒子の製造方法。
  6. 製造される合金微粒子の平均粒径が50nm以下である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の合金微粒子の製造方法。
  7. 雰囲気ガスの供給圧力を調整することによって、製造される合金微粒子の平均粒径を調整する、請求項2乃至6のいずれか一項に記載の合金微粒子の製造方法。
  8. 製造される合金微粒子が、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、錫、パラジウム、マンガンの少なくとも二種を含む、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の合金微粒子の製造方法。
  9. 製造される合金微粒子が金属間化合物である、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の合金微粒子の製造方法。
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