JP5691900B2 - 中継コネクタ - Google Patents

Description

本発明は、中継コネクタに関する。

例えば、中継端子を内部に保持する中継コネクタとして、特許文献１に記載の中継コネクタが知られている。このものは、相手側コネクタの相手側フード部内に嵌合される合成樹脂製のハウジング本体と、このハウジング本体内に保持された導電部材と、導電部材と相手側コネクタに保持された相手側導電部材とを導通可能に接続する中継端子と、この中継端子をハウジング本体に抜け止めするホルダとを備えて構成されている。

特開２０１１−２９０２１号公報

ところで、上記の中継コネクタによると、中継端子を抜け止めするために、ハウジング本体の前端部を全周に亘って覆うようにホルダが装着される。このため、中継端子の周辺部分は、ハウジング本体の前端部とホルダとの２部材の壁部を重ねあわせた構造となっている。この結果、中継端子の周辺部分は大型化し、中継端子の周辺部分を内部に嵌合する相手側コネクタの相手側フード部も大型化してしまう。

本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、中継端子の周辺部分が大型化することを抑制することを目的とする。

上記の目的を達成するための手段として本発明は、相手側ハウジングに設けられた相手側フード部内に嵌合可能な中継コネクタであって、導電部材を保持するハウジング本体と、前記導電部材と前記相手側フード部内に設けられた相手側導電部材とを導通可能に接続する中継端子と、前記ハウジング本体から突出する形態をなして同ハウジング本体に装着されたホルダとを備え、前記ホルダのうち前記中継端子が内嵌されているホルダ側フード部が前記相手側フード部内に嵌合されるようになっており、前記中継端子は、内部に弾性接触片を有する接続筒部を有しており、前記導電部材には、前記接続筒部内に挿入されることで前記弾性接触片と導通可能に接続されるタブ部と、このタブ部の側縁部から前記タブ部の挿入方向と交差する方向に突出する突出部とが形成されており、前記ホルダには、前記タブ部の挿入方向に延びて形成され、前記突出部が嵌合することにより前記タブ部を前記接続筒部に対して正規の姿勢に案内する案内部が設けられているところに特徴を有する。
このような構成の中継コネクタによると、中継端子の周辺部分がホルダの壁部のみからなる構造であるので、従来のように、中継端子の周辺部分がハウジング本体とホルダとの２部材の壁部からなる構造のものに比べて、中継端子の周辺部分が大型化することを抑制することができる。ひいては、中継端子の周辺部分を内部に嵌合する相手側コネクタの相手側フード部が大型化することを抑制することができる。
また、例えば、突出部と案内部が形成されていない場合には、ハウジング本体に対してホルダを組み付ける際に、ハウジング本体に対してホルダが正規の姿勢に対して傾いた姿勢となり、タブ部に対して中継端子の接続筒部が傾いた姿勢で挿入され、接続筒部内の弾性接触片とタブ部との間でこじりが生じてしまう。このため、弾性接触片やタブ部が変形などして損傷する虞がある。しかしながら、上記の構成によると、突出部を案内部に嵌合させることでタブ部に対して接続筒部を正規の姿勢に案内することができるので、弾性接触片やタブ部が損傷することを抑制することができる。

本発明の実施の態様として、以下の構成が好ましい。
前記ホルダには、前記ハウジング本体側に位置して前記ホルダ内に前記中継端子を挿入する端子挿入口が形成されており、前記端子挿入口は、前記ホルダを前記ハウジング本体に装着することで前記ハウジング本体によって閉止される構成としてもよい。
このような構成によると、予めホルダ内に中継端子を収容しておくことができる。

本発明によれば、中継端子の周辺部分が大型化することを抑制することができる。

実施形態に係る中継コネクタの正面図 同平面図 同側面図 図２のＡ−Ａ線断面図 実施形態に係るハウジング本体の正面図 同側面図 実施形態に係るホルダの平面図 同側面図 同底面図 図７のＢ−Ｂ線断面図 図７のＤ−Ｄ線断面図 実施形態に係る中継端子の正面図 同平面図 同側面図 図１２のＥ−Ｅ線断面図 図１１のホルダに中継端子を装着した状態に相当する断面図 関連技術１に係る中継コネクタの正面図 同平面図 同側面図 図１８のＦ−Ｆ線断面図 関連技術１に係るホルダの正面図 同平面図 同背面図 関連技術１に係る中継端子の側面図 関連技術１に係るホルダに中継端子が装着された状態を示す正面図 同平面図 同背面図 図２２のＧ−Ｇ線の断面に相当するホルダに中継端子を挿入する前の状態を示す断面図 図２８のホルダに対して中継端子が半挿入された状態に相当する断面図 図２６のＨ−Ｈ線断面図 図３０のＩ−Ｉ線断面図 関連技術２に係る中継コネクタの正面図 同平面図 同側面図 同底面図 図３３のＪ−Ｊ線断面図 関連技術２に係るホルダの正面図 同平面図 同側面図 同背面図 図３８のＫ−Ｋ線の断面に相当するホルダに中継端子を挿入する前の状態を示す断面図 図４１のホルダに対して中継端子が正規の位置まで挿入された状態に相当する断面図 図４１のホルダに対して中継端子が半挿入された状態に相当する断面図であって、ホルダの外部突起とハウジング本体の蓋部とが干渉している状態を示した断面図

＜実施形態＞
本発明の実施形態について図１乃至図１６を参照して説明する。
本実施形態は、略矩形状の電子制御ユニット（ＥＣＵ）ケースＣに一体に設けられた中継コネクタ１０を例示している。この中継コネクタ１０は、例えば、モータケースのモータ側ハウジングに設けられたモータ側フード部（本発明の「相手側フード部」の一例）Ｆ内に嵌合可能とされている（図４参照）。なお、以下の説明において、上下方向とは図１における上下方向を基準とし、左右方向とは図１における左右方向を基準とし、前後方向とは図３における左右方向を基準とし、ＥＣＵケースにおける中継コネクタ１０が設けられた側（図３の左側）を前側とする。

中継コネクタ１０は、ＥＣＵケースＣと一体に形成されたハウジング本体２０と、ハウジング本体２０に装着されるホルダ３０と、このホルダ３０内に収容される中継端子４０とを備えて構成されている。

ハウジング本体２０は合成樹脂製であって、図６に示すように、ＥＣＵケースＣの前面から前方に向かって突出する本体部２１と、本体部２１からさらに前方に突出する蓋部２２とを備えて構成されている。
本体部２１の内部には、図４及び図５に示すように、ＥＣＵケースＣを内外に貫通する複数（本実施形態では２つ）のバスバー２３（本発明の「導電部材」の一例）が左右方向に横並びに保持されている。
バスバー２３は、導電性を有する金属板を打ち抜き形成して、曲げ加工を施すことによってクランク状に形成されている。このバスバー２３は、クランク状の中央部分が本体部２１を前後方向に貫通するように本体部２１に保持固定されている。また、バスバー２３には、本体部２１の前端から前方に突出することでＥＣＵケースＣから外側に露出した端子接続部２４が形成されている。
端子接続部２４は、本体部２１の前面から前方に突出した後、下方に屈曲された形態をなし、端子接続部２４における下方に延びた部分は、中継端子４０と導通可能に接続される平板状のタブ部２５とされている。また、複数のタブ部２５のうち、左右方向両側に配されたタブ部２５における外側に位置する側面には、図５に示すように、突出片（本発明の「突出部」の一例）２６がそれぞれ形成されている。この両突出片２６は、長細い略矩形の平板状をなし、互いに離れる方向に突出して形成されている。

蓋部２２は、図２及び図３に示すように、ハウジング本体２０におけるバスバー２３の上方に形成されており、本体部２１の前端部から前方に突出した形態をなしている。また、蓋部２２は、本体部２１の左右方向略中央部から前方に突出して左右方向両側に広がったＴ字状に形成されている。蓋部２２の下面には、図１及び図３に示すように、ホルダ３０が下方から装着されている。

ホルダ３０は、合成樹脂製であって、図７及び図８に示すように、上方に向かって開口するフード部（本発明の「ホルダ側フード部」の一例）３１と、フード部３１の左右方向両側に設けられた一対の保持片３２とを備えて構成されている。
一対の保持片３２は、フード部３１の上下方向略中央部からＥＣＵケース側（後方）に突出した後、上方に張り出した形態とされている。また、保持片３２は、両保持片３２間を左右方向に連結する棚板３３によって一体に形成されている。また、両保持片３２は、上方に張り出した部分がそれぞれ左右方向に弾性変形可能であって、両保持片３２には、左右方向（板厚方向）に貫通する略矩形状の保持孔３２Ａが形成されている。一方、ハウジング本体２０の本体部２１における左右方向両側面には、図６に示すように、この保持孔３２Ａに嵌合可能な一対の保持突起２７が突設されている。両保持片３２は、ホルダ３０がハウジング本体２０に下方から装着される過程で、保持突起２７に押圧されることで互いに離れる方向に弾性変形し、保持片３２の保持孔３２Ａに保持突起２７が嵌合されることで弾性復帰する。そして、図３に示すように、保持突起２７と保持孔３２Ａの内面とが係止することで、ホルダ３０がハウジング本体２０に保持固定されている。

フード部３１は、図１，図７及び図９に示すように、左右方向に横長に形成されており、フード部３１の下半分は、図４に示すように、モータ側フード部Ｆ内に嵌合可能とされている。
フード部３１の内部には、図７及び図１１に示すように、隔壁３６Ａで仕切られた複数（本実施形態では２つ）のキャビティ３６が左右方向に並んで形成されている。また、フード部３１には、中継端子４０を挿入するための端子挿入口３４がキャビティ３６毎に形成されている。この端子挿入口３４は、フード部３１における棚板３３が設けられた高さ位置において上方に向かって開口した形態で形成されている。
各キャビティ３６には、フード部３１の端子挿入口３４から中継端子４０が個別に収容可能とされており、キャビティ３６内には、図４及び図１６に示すように、中継端子４０が適合して内嵌されるようになっている。これにより、中継端子４０を予めホルダ３０のフード部３１内に収容しておくことができるようになっている。また、接続筒部４１の外周部分である中継端子４０の周辺部分は、全周に亘ってフード部３１の壁部によってのみ覆われた状態となっている。
また、フード部３１の端子挿入口３４は、図３及び図４に示すように、ホルダ３０がハウジング本体２０に装着されると、ハウジング本体２０の蓋部２２によって、上方から閉止されるようになっている。

中継端子４０は、導電性を有する金属板を打ち抜き形成して、金属板の左右方向両側に位置する両側縁を対向するように曲げ加工を施すことで略角筒状に形成されている。
中継端子４０は、図１２及び図１５に示すように、略角筒状の接続筒部４１と、接続筒部４１内に配された弾性接触片４２とを備えて構成されている。
接続筒部４１は、上下方向両側に開口して形成されており、接続筒部４１における上端には、タブ部挿入口４３が形成されている。このタブ部挿入口４３は、ハウジング本体２０に設けられた端子接続部２４のタブ部２５が上方から挿入可能とされている。一方、接続筒部４１における下端は、モータ側端子挿入口４４が形成されている。このモータ側端子挿入口４４は、モータ側フード部Ｆに装着されたモータ側バスバーＢ（本発明の「相手側導電部材」の一例）が下方から挿入可能とされている。

弾性接触片４２は、図１５に示すように、接続筒部４１の下縁から上方に折り返すことで弾性変形可能に形成されている。また、弾性接触片４２は、接続筒部４１の下縁から上方に向かうほど前方に張り出して、最も前方に張り出した部分を頂点に後方に折り返され、その後、上方に向かうほど後方に張り出して、最も後方に張り出し部分を頂点に前方に折り返された形態をなしている。
また、弾性接触片４２における後方に最も張り出した部分は、ハウジング側接点部４２Ａとされている。このハウジング側接点部４２Ａは、図４に示すように、接続筒部４１のタブ部挿入口４３から端子接続部２４のタブ部２５が挿入されて、弾性接触片４２のハウジング側接点部４２Ａと接続筒部４１における後側内面との間でタブ部２５を弾性的に挟持することで、タブ部２５と導通可能に接続されるようになっている。一方、弾性接触片４２における前方に最も張り出した部分は、モータ側接点部４２Ｂとされている。このモータ側接点部４２Ｂは、接続筒部４１のモータ側端子挿入口４４からモータ側バスバーＢが挿入されて、弾性接触片４２のモータ側接点部４２Ｂと接続筒部４１における前側内面との間でモータ側バスバーＢを弾性的に挟持することで、モータ側バスバーＢと導通可能に接続されるようになっている。

一方、ホルダ３０におけるフード部３１の底壁３１Ａには、図９及び図１１に示すように、複数（本実施形態では２つ）のバスバー挿入口３５が左右方向に並んで形成されている。このバスバー挿入口３５は、キャビティ３６毎に形成されており、バスバー挿入口３５には、モータ側フード部Ｆに設けられたモータ側バスバーＢが挿入可能とされている。したがって、図４に示すように、フード部３１がモータ側フード部Ｆ内に嵌合されると、モータ側バスバーＢがバスバー挿入口３５から挿入され、フード部３１内に収容された中継端子４０のモータ側端子挿入口４４からモータ側バスバーＢが接続筒部４１内に挿入されるようになっている。

また、フード部３１の左右方向両側に位置する側壁３１Ｂには、図８に示すように、フード部３１の上端縁から下方に向かって切り欠かれた第一スリット（本発明の「案内部」の一例）３７と、フード部３１の底壁３１Ａから上方に向かって切り欠かれた二本の第二スリット３８とが形成されている。
第一スリット３７の内部には、タブ部２５の突出片２６が嵌合可能とされており、ホルダ３０をハウジング本体２０に装着する際に、図２及び図３に示すように、突出片２６が第一スリット３７内に上方から嵌合されるようになっている。また、第一スリット３７内には、中継端子４０の接続筒部４１にハウジング本体２０のタブ部２５が挿入される前に、タブ部２５の突出片２６が嵌合されるように設定されている。これにより、ホルダ３０をハウジング本体２０に組み付ける際には、第一スリット３７内に突出片２６が嵌合されることで、ハウジング本体２０に対してホルダ３０が正規の姿勢に案内され、ホルダ３０がハウジング本体２０に対して傾いた姿勢で装着されることを規制できるようになっている。すなわち、ホルダ３０がハウジング本体２０に対して正規の姿勢で装着されることで、接続筒部４１に対してタブ部２５が正規の姿勢で挿入されるようになっている。

フード部３１の側壁３１Ｂにおける二本の第二スリット３８の間の部分は、左右方向に弾性変形可能な弾性部３８Ａとされている。この弾性部３８Ａの内面には、キャビティ３６内に突出する仮保持突起３９が形成されており、この仮保持突起３９は、図１６に示すように、中継端子４０における接続筒部４１の係止孔４５に嵌合可能とされている。このため、仮保持突起３９は、キャビティ３６内に中継端子４０が上方から挿入されると、中継端子４０の接続筒部４１によって押圧され、フード部３１の弾性部３８Ａが弾性変形することで、キャビティ３６から押し出される。そして、中継端子４０が正規の位置まで挿入されると、図１６に示すように、仮保持突起３９と係止孔４５とが嵌合することで弾性部３８Ａが弾性復帰し、仮保持突起３９と係止孔４５の内面とが係止することで、中継端子４０がフード部３１のキャビティ３６内に保持される。これにより、ホルダ３０のフード部３１の端子挿入口３４がハウジング本体２０の蓋部２２によって閉止されるまで、フード部３１のキャビティ３６内に中継端子４０を仮保持することができるようになっている。

さて、ホルダ３０におけるフード部３１の下半分は、図４に示すように、中継端子４０が内嵌された状態で、モータ側フード部Ｆ内に嵌合可能な状態となっている。
すなわち、本実施形態の中継コネクタ１０によると、中継端子４０がホルダ３０におけるフード部３１の壁部のみによって覆われた構造となっている。そして、ホルダ３０のフード部３１がモータ側フード部Ｆ内に嵌合されると、図４に示すように、ホルダ３０におけるフード部３１の壁部の内面３１Ｃには中継端子４０の接続筒部４１が近接した状態で配され、ホルダ３０におけるフード部３１の壁部の外面３１Ｄには、モータ側フード部Ｆの内面が近接した状態で配されるようになっている。これにより、従来のように中継端子４０の周辺部分がハウジング本体の壁部とホルダの壁部との２部材の壁部からなる構造のものに比べて、中継端子４０の周辺部分が大型化することを抑制することができる。ひいては、中継端子４０の周辺部分を内部に嵌合するモータ側フード部Ｆが大型化することを抑制することができる。

ところで、本実施形態とは異なり、フード部３１に第一スリット３７が形成されておらず、タブ部２５に突出片２６が形成されていない場合には、ホルダ３０をハウジング本体２０に組み付ける際に、ハウジング本体２０に対してホルダ３０のフード部３１が正規の姿勢に対して傾いた姿勢となる虞がある。ハウジング本体２０に対して中継端子４０が傾いた姿勢で装着されると、ハウジング本体２０のタブ部２５に対して中継端子４０の接続筒部４１が傾いた姿勢で装着され、接続筒部４１内の弾性接触片４２とタブ部２５との間でこじりが生じることで、弾性接触片４２やタブ部２５が変形などして損傷してしまう。ところが、本実施形態によると、タブ部２５の突出片２６をフード部３１の第一スリット３７に嵌合させることで接続筒部４１をタブ部２５に対して正規の姿勢に案内してホルダ３０をハウジング本体２０に装着させることができる。これにより、弾性接触片４２とタブ部２５との間でこじりが生じることを抑制し、弾性接触片４２とタブ部２５とが損傷することを抑制することができる。

＜関連技術１＞
次に、本発明に関連する関連技術１について図１７乃至図３２を参照して説明する。
関連技術１の中継コネクタ１１０は、上記実施形態におけるハウジング本体２０の蓋部２２と、ホルダ３０におけるフード部３１と、中継端子４０の接続筒部４１の形状を変更したものであって、上記実施形態と共通する構成、作用、および効果については重複するため、その説明を省略する。また、上記実施形態と同じ構成については同一の符号を用いるものとする。

関連技術１における中継端子１４０の接続筒部１４１は、略各筒状に形成されている。この接続筒部１４１は、上記実施形態の接続筒部４１と異なり、図２４に示すように、左右方向両側面に係止孔が形成されていない形態に形成されている。
関連技術１におけるハウジング本体１２０の蓋部１２２は、上記実施形態の蓋部２２と異なり、図１８及び図１９に示すように、本体部２１の幅寸法とほぼ同じ幅寸法の略板状をなし、本体部２１の前縁上端部から前方に突出して形成されている。

関連技術１におけるホルダ１３０のフード部１３１は、図２０及び図２２に示すように、左右方向に横長に形成されており、上方に向かって開口した形態をなしている。また、フード部１３１の下半分は、図２０に示すように、モータ側フード部Ｆ内に嵌合可能とされている。
フード部１３１の内部には、図２２に示すように、隔壁１３６Ａで仕切られた複数（本関連技術では２つ）のキャビティ１３６が左右方向に並んで形成されている。また、フード部１３１には、中継端子１４０を挿入するための端子挿入口１３４がキャビティ１３６毎に形成されている。この端子挿入口１３４は、フード部１３１における棚板３３が設けられた高さ位置において上方に向かって開口した形態に形成されている。
各キャビティ１３６には、フード部１３１の端子挿入口１３４から中継端子１４０が個別に収容可能とされており、キャビティ１３６内には、図２０及び図２６に示すように、中継端子１４０が適合して内嵌されるようになっている。また、フード部１３１の端子挿入口１３４は、図１７乃至図１９に示すように、ホルダ１３０がハウジング本体１２０に装着されると、ハウジング本体１２０の略板状の蓋部１２２によって、上方から完全に閉止されるようになっている。このため、中継コネクタ１１０の上方からフード部１３１の内部を視認することができないようになっている。

一方、ホルダ１３０におけるフード部１３１の底壁１３１Ａには、図２０及び図２６に示すように、複数（本関連技術では２つ）のバスバー挿入口１３５が左右方向に並んで設けられている。このバスバー挿入口１３５は、キャビティ１３６毎に形成されており、バスバー挿入口１３５には、モータ側フード部Ｆに設けられたモータ側バスバーＢが挿入可能とされている。したがって、図２０に示すように、フード部１３１がモータ側フード部Ｆ内に嵌合されると、モータ側バスバーＢがバスバー挿入口１３５から挿入され、フード部１３１内に収容された中継端子１４０における接続筒部１４１のモータ側端子挿入口４４からモータ側バスバーＢが接続筒部１４１内に挿入されるようになっている。

フード部１３１の前側に位置する前壁部１３１Ｅには、図２１及び図２５に示すように、前壁部１３１Ｅを板厚方向（前後方向）に貫通する貫通孔１５１が左右方向に複数（本関連技術では２つ）並んで形成されている。この貫通孔１５１は、略矩形状をなし、フード部１３１のキャビティ１３６毎にそれぞれ形成されている。
貫通孔１５１における上側に位置する内周面には、係止片１５２が形成されている。係止片１５２は、図２２及び図２８に示すように、キャビティ１３６内に突出するように片持ち状に形成されている。また、係止片１５２は、係止片１５２の基端部に設けられたくびれ部１５３と、くびれ部１５３よりも先端側に設けられた抜け止め部１５４とを備えて構成されている。

くびれ部１５３は、図２８に示すように、板厚方向にくびれた形態をなしており、係止片１５２はこのくびれ部１５３を支点に前後方向に弾性変形可能とされている。すなわち、係止片１５２は、中継端子１４０をフード部１３１に挿入する挿入方向と交差する前後方向に弾性変形可能とされている。
抜け止め部１５４は、ブロック状に形成されている。抜け止め部１５４には、図２８に示すように、後述する初期位置において、くびれ部１５３から後方に延びて上方に臨む押圧面１５４Ａと、押圧面１５４Ａの下方に位置して前方から後方に向かうほど上方に向かって傾斜する係止面１５４Ｂとが形成されている。

また、係止片１５２は、図２１及び図２８に示すように、中継端子１４０がホルダ１３０のフード部１３１に未挿入の未挿入状態では、フード部１３１のキャビティ１３６内における中継端子１４０の挿入経路上に突出した初期位置に配されている。そして、係止片１５２は、フード部１３１のキャビティ１３６内に中継端子１４０が挿入されると、抜け止め部１５４の押圧面１５４Ａが中継端子１４０の接続筒部１４１によって下方に向かって押圧され、係止片１５２が前方に弾性変形して抜け止め部１５４が接続筒部１４１に乗り上げることで、図２９に示すように、抜け止め部１５４がフード部１３１の前面から前方に突出する途中位置に配される。

また、係止片１５２は、中継端子１４０がフード部１３１に対して正規の挿入位置まで挿入された時には、抜け止め部１５４と接続筒部１４１との当接状態が解除されることで、前記途中位置からフード部１３１の内側（後側）に向かって弾性復帰する。そして、係止片１５２は、図１７及び図３０に示すように、中継端子１４０の接続筒部１４１の上端縁を抜け止め部１５４の係止面１５４Ｂによって上方から係止して、中継端子１４０をフード部１３１内に抜け止めする係止位置に配される。

すなわち、係止片１５２は、中継端子１４０に上方から押圧されることで、前記初期位置から前記係止位置を経た後に前記途中位置に配され、中継端子１４０との当接状態が解除されると後方に向かって弾性復帰することで前記係止位置に配されるようになっている。これにより、係止片１５２の状態を貫通孔１５１から外観検査することで、中継端子１４０の装着状態を容易に検知することができる。

また、係止片１５２は、貫通孔１５１の内面に片持ち状に形成されているので、係止片が貫通孔の内面に両持ち状に形成される場合に比べて、係止片１５２をより大きく弾性変形させることができる。これにより、外観検査の際に、係止片１５２が何れの位置に配されているのかを検知し易くすることができる。
更に、フード部１３１の下半分は、モータ側フード部Ｆ内に嵌合可能とされているので、外観検査において、中継端子１４０がフード部１３１に対して半挿入状態であることを見過ごしたとしても、フード部１３１をモータ側フード部Ｆ内に嵌合させる際に、前記途中位置に配された係止片１５２がモータ側フード部Ｆの開口縁部と干渉して、フード部１３１とモータ側フード部Ｆとを嵌合させることができなくなる。これにより、フード部１３１に対して中継端子１４０が半挿入状態で有ることを確実に検知することができる。

また、貫通孔１５１の内周面における左右方向両側には、図１７、図２１及び図３１に示すように、前後方向に弾性変形可能な一対のロック部１５５が形成されている。このロック部１５５は、貫通孔１５１の内側に向かって張り出した形態をなし、係止片１５２が前記係止位置から前記途中位置に至る移動軌道上に形成されている。

一方、係止片１５２における抜け止め部１５４の左右方向両側面には、図２２及び図３１に示すように、一対の被ロック部１５６が形成されている。一対の被ロック部１５６は、抜け止め部１５４における左右方向両側面から互いに離れる方向にそれぞれ突出して形成されており、貫通孔１５１に設けられた一対のロック部１５５と対応する位置に配されている。また、被ロック部１５６は、図３１に示すように、抜け止め部１５４の前縁から後方に向かって抜け止め部１５４の左右方向両側面から離れる方向に傾斜する傾斜面１５６Ａを有し、傾斜面１５６Ａの後端から僅かに後方に延びて、その後端から抜け止め部１５４に向かって延びる当接面１５６Ｂを有する形状に形成されている。

ロック部１５５は、係止片１５２が前記係止位置から前記途中位置に至る際に、被ロック部１５６の傾斜面１５６Ａによって後方から押圧され、前方に向かって弾性変形する。そして、ロック部１５５は、弾性変形することで、図２９に示すように、被ロック部１５６を乗り越えさせ、被ロック部１５６との当接状態が解除されることで弾性復帰する。更に、ロック部１５５は、係止片１５２が前記途中位置から前記初期位置に向かって弾性復帰する際に、ロック部１５５の前端面１５５Ａにおいて被ロック部１５６の当接面１５６Ｂをフード部１３１の内側（後方）から係止することで、図３０及び図３１に示すように、係止片１５２を前記係止位置に保持するようになっている。したがって、係止片１５２が前記初期位置に配された状態では、被ロック部１５６は、図２１乃至図２３、図２８に示すように、ロック部１５５よりも後方（キャビティ１３６内）に配されており、係止片１５２が前記途中位置及び前記係止位置に配された状態では、被ロック部１５６は、図１７、図２５、図２９及び図３０に示すように、ロック部１５５よりも前方に配されている。すなわち、ロック部１５５は、フード部１３１に中継端子１４０を挿入する際に、係止片１５２を前記係止位置から前記途中位置に弾性変形させることを許容し、係止片１５２が前記途中位置から前記初期位置に向かって弾性復帰する際に、抜け止め部１５４における被ロック部１５６の当接面１５６Ｂをロック部１５５の前端面１５５Ａによって後方から確実に係止することができる。これにより、係止片１５２を前記係止位置に確実に保持することができる。

以上のように、関連技術１によると、係止片１５２の状態を外観検査することで、中継端子１４０の装着状態を容易に検知することができる。また、係止片１５２の被ロック部１５６がロック部１５５よりも外側（前方）に位置しているか否かを外観検査することで、中継端子１４０の装着状態を容易、かつ、確実に検知することができる。

＜関連技術２＞
次に、本発明に関連する関連技術２について図３２乃至図４３を参照して説明する。
関連技術２の中継コネクタ２１０は、上記実施形態におけるハウジング本体２０の蓋部２２と、ホルダ３０におけるフード部３１と、中継端子４０の接続筒部４１の形状を変更したものであって、上記実施形態と共通する構成、作用、および効果については重複するため、その説明を省略する。また、上記実施形態と同じ構成については同一の符号を用いるものとする。

関連技術２における中継端子１４０の接続筒部１４１は、関連技術１と同様のものであって、上記実施形態の接続筒部４１とは異なり、図２４に示すように、接続筒部１４１の左右方向両側面に係止孔が形成されていない形態に形成されている。
また、中継端子１４０は、上記実施形態のフード部３１に対する中継端子４０の挿入方向と異なり、図３６に示すように、中継端子１４０を前後に反転させた状態で、関連技術２におけるホルダ２３０のフード部２３１に装着されている。したがって、中継端子１４０のハウジング側接点部４２Ａは、前方に突出した状態となっており、ハウジング側接点部４２Ａと接続筒部１４１の前側内面との間で、タブ部２５を弾性的に挟持するようになっている。また、中継端子１４０のモータ側接点部４２Ｂは、後方に突出した状態となっており、モータ側接点部４２Ｂと接続筒部１４１の後側内面との間でモータ側バスバーＢを挟持するようになっている。

関連技術２におけるハウジング本体２２０の蓋部２２２は、上記実施形態の蓋部２２とは異なり、図３２乃至図３４に示すように、下方に向かって開口したフード状をなし、本体部２１よりも左右方向にやや幅広に形成されている。また、蓋部２２２の内部には、図３６に示すように、ホルダ２３０のフード部２３１の上部が嵌合可能とされている。
蓋部２２２の前側に位置する壁部２２２Ａの内面には、図３５及び図３６に示すように、上下方向に延びる突起収容溝２２８が左右方向に複数（本関連技術では２つ）並んで形成されている。この突起収容溝２２８は、前方に向かって凹状に凹んだ形態をなし、蓋部２２２の開口縁部から蓋部２２２の上下方向略中央部まで延びて形成されている。

関連技術２のホルダ２３０におけるフード部２３１は、図３７及び図３８に示すように、左右方向に横長に形成されており、上方に向かって開口した形態をなしている。また、フード部２３１の下半分は、図３６に示すように、モータ側フード部Ｆ内に嵌合可能とされている。
フード部２３１の内部には、図３８に示すように、隔壁２３６Ａで仕切られた複数（本関連技術では２つ）のキャビティ２３６が左右方向に並んで形成されている。フード部２３１には、中継端子１４０を挿入するための端子挿入口２３４がキャビティ２３６毎に形成されている。この端子挿入口２３４は、フード部２３１における棚板３３が設けられた高さ位置において上方に向かって開口した形態で形成されている。
各キャビティ２３６には、フード部２３１の端子挿入口２３４から中継端子１４０が個別に収容可能とされており、キャビティ２３６内には、図３６及び図４２に示すように、中継端子１４０が適合して内嵌されるようになっている。また、フード部２３１は、図３２乃至図３６に示すように、ホルダ２３０がハウジング本体２２０に装着されると、ハウジング本体２２０のフード状の蓋部２２２内に嵌合され、フード部２３１の端子挿入口２３４が上方から完全に閉止されるようになっている。このため、中継コネクタ２１０の上方からフード部２３１の内部を視認することができないようになっている。

一方、ホルダ２３０におけるフード部２３１の底壁２３１Ａには、図３６及び図３８に示すように、複数（本関連技術では２つ）のバスバー挿入口２３５が左右方向に並んで設けられている。このバスバー挿入口２３５は、キャビティ２３６毎に形成されており、バスバー挿入口２３５には、モータ側フード部Ｆに設けられたモータ側バスバーＢが挿入可能とされている。したがって、フード部２３１がモータ側フード部Ｆ内に嵌合されると、モータ側バスバーＢがバスバー挿入口２３５から挿入され、フード部２３１内に収容された中継端子１４０のモータ側端子挿入口４４からモータ側バスバーＢが接続筒部１４１内に挿入されるようになっている。

フード部２３１の前側に位置する前壁２３１Ｅには、図３７に示すように、前壁２３１Ｅを板厚方向に貫通するＵ字状のスリット２６１を複数設けることで、複数（本関連技術では２つ）の弾性片２６２が形成されている。
このスリット２６１は、フード部２３１の下端よりやや上方の位置から上方に延びる二本のスリットの上端部を左右方向に連結することでＵ字状に形成されており、スリット２６１に囲まれた部分が弾性片２６２とされている。このため、フード部２３１のキャビティ２３６内に中継端子１４０が挿入されると、図３２に示すように、スリット２６１からフード部２３１内を視認することができるようになっている。これにより、ホルダ２３０がハウジング本体２２０に装着された後でも、フード部２３１内に中継端子１４０が挿入されているか否かを容易に確認することができる。

弾性片２６２は、フード部２３１の底壁２３１Ａ側に位置する基端部を支点に前後方向に弾性変形可能に形成されている。すなわち、弾性片２６２は、フード部２３１内に中継端子１４０を挿入する挿入方向と交差する前後方向に弾性変形可能となっている。
弾性片２６２の先端部（上端部）には、図３８乃至図４１に示すように、フード部２３１のキャビティ２３６内に突出する内部突起２６３と、フード部２３１の前面（外面）２３１Ｆから前方に突出する外部突起２６４とが形成されている。

内部突起２６３は、図４１に示すように、弾性片２６２の上端から下方に延びるほど弾性片２６２から離れるように傾斜する押圧面２６３Ａを有し、この押圧面２６３Ａから僅かに下方に延びた後、この下端部から前方に向かって延びる係止面２６３Ｂを有する形態に形成されている。また、内部突起２６３の下方に位置するフード部２３１の底壁２３１Ａには、内部突起２６３を形成するための型抜き孔２６５が設けられている。この型抜き孔２６５は、図３５に示すように、略矩形状をなしている。また、フード部２３１の底壁２３１Ａにおいて型抜き孔２６５が設けられた位置は、図３６及び図４２に示すように、フード部２３１に中継端子１４０が装着された状態において、フード部２３１の前側内面と中継端子１４０の接続筒部１４１の前面との間の隙間２６６と対応する位置とされている。これにより、ホルダ２３０がハウジング本体２２０に装着された後に、図示しない導通プローブを型抜き孔２６５に挿入することで、中継端子１４０とタブ部２５との導通状態を確認することができるようになっている。すなわち、内部突起２６３の型抜き孔２６５を導通プローブを挿入する孔として利用することで、フード部２３１に導通プローブを挿入するための孔を別途形成することなく、中継端子１４０とタブ部２５との装着状態を導通プローブによって検知することができる。

また、内部突起２６３は、図３８及び図４１に示すように、フード部２３１のキャビティ３６内における中継端子１４０の挿入経路上に配されている。
このため、中継端子１４０をフード部２３１のキャビティ２３６内に挿入する過程では、内部突起２６３における押圧面２６３Ａが中継端子１４０の接続筒部１４１によって下方に押圧されることで、弾性片２６２が外側（前方）に向かって弾性変形し、内部突起２６３がキャビティ２３６内における中継端子１４０の挿入経路上から押し出される。そして、中継端子１４０がフード部２３１に対して正規の位置まで挿入されると、内部突起２６３と中継端子１４０の接続筒部１４１との当接状態が解除され、図４２に示すように、弾性片２６２が弾性復帰することで内部突起２６３が中継端子１４０の上方に配され、内部突起２６３の係止面２６３Ｂが接続筒部１４１の上端縁を上方から係止する。これにより、中継端子１４０がフード部２３１から抜け止めされる。

外部突起２６４は、図４１に示すように、弾性片２６２の先端から前方に延びる前止め面２６４Ａを有し、この前止め面２６４Ａの前端部から下方に向かうほど弾性片２６２に近づくように傾斜した形状をなす側面視略三角形状に形成されている。
この外部突起２６４は、中継端子１４０をフード部２３１のキャビティ２３６内に挿入する過程において、内部突起２６３が中継端子１４０に押圧され、弾性片２６２が前方に弾性変形すると、図４３に示すように、フード部２３１の前面２３１Ｆより更に前方に突出する干渉位置に配されるように設定されている。したがって、中継端子１４０がフード部２３１に対して半挿入である半挿入状態では、外部突起２６４は、フード部２３１の前面２３１Ｆから更に前方に突出した前記干渉位置に配された状態となり、この状態のまま、フード部２３１をハウジング本体２２０の蓋部２２２内に嵌合させると、前記干渉位置に配された外部突起２６４の前止め面２６４Ａと蓋部２２２の開口縁部とが干渉してフード部２３１と蓋部２２２とを嵌合させることができなくなる。すなわち、外部突起２６４をフード部２３１に対して中継端子１４０が半挿入状態であることを検知させる半挿入検知手段として機能させることができる。

また、外部突起２６４は、フード部２３１がハウジング本体２２０の蓋部２２２内に嵌合された際に、図３５及び図３６に示すように、蓋部２２２の突起収容溝２２８内に嵌合されるように形成されている。すなわち、外部突起２６４を突起収容溝２２８内に嵌合させることで、外部突起２６４をフード部２３１と蓋部２２２とを嵌合させる際のガイドとして機能させることができる。

更に、外部突起２６４は、フード部２３１が蓋部２２２に対して嵌合完了位置まで嵌合されると、図３６に示すように、突起収容溝２２８の奥壁２２８Ａと外部突起２６４の前止め面２６４Ａとが当接するようになっている。これにより、外部突起２６４をフード部２３１と蓋部２２２とが嵌合完了位置に至った際の前止まりとして機能させることができる。なお、突起収容溝２２８の奥壁２２８Ａと外部突起２６４の前止め面２６４Ａとが当接した際に、蓋部２２２の開口縁部と、ホルダ２３０の棚板３３とが当接し、より確実にフード部２３１を前止めすることができるようになっている。
このように、関連技術２によると、外部突起２６４を、半挿入検知機能とガイド機能と前止まり機能として兼用させることができるようになっている。

＜他の実施形態＞
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。

（１）上記実施形態では、ホルダ３０に中継端子４０を２つ収容する構成としたが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、ホルダ３０に中継端子４０を１つや３つ以上内嵌して収容する構成にしてもよい。
（２）上記実施形態では、１つの接続筒部４１内にタブ部２５とモータ側バスバーＢを挿入する構成としたが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、中継端子の両端部に接続筒部をそれぞれ形成し、一方の接続筒部にタブ部を挿入し、他方の接続筒部にモータ側バスバーＢを挿入するように構成してもよい。

１０：中継コネクタ
２０：ハウジング本体
２３：バスバー（導電部材）
２５：タブ部
２６：突出片（突出部）
３０：ホルダ
３１：フード部（ホルダ側フード部）
３４：端子挿入口
３７：第一スリット（案内部）
３９：仮保持突起
４０：中継端子
４１：接続筒部
４２：弾性接触片
４５：係止孔
Ｂ：モータ側バスバー（相手側導電部材）
Ｆ：モータ側フード部（相手側フード部）

Claims (2)

1. 相手側ハウジングに設けられた相手側フード部内に嵌合可能な中継コネクタであって、
   導電部材を保持するハウジング本体と、
   前記導電部材と前記相手側フード部内に設けられた相手側導電部材とを導通可能に接続する中継端子と、
   前記ハウジング本体から突出する形態をなして同ハウジング本体に装着されたホルダとを備え、
   前記ホルダのうち前記中継端子が内嵌されているホルダ側フード部が前記相手側フード部内に嵌合されるようになっており、
   前記中継端子は、内部に弾性接触片を有する接続筒部を有しており、
   前記導電部材には、前記接続筒部内に挿入されることで前記弾性接触片と導通可能に接続されるタブ部と、このタブ部の側縁部から前記タブ部の挿入方向と交差する方向に突出する突出部とが形成されており、
   前記ホルダには、前記タブ部の挿入方向に延びて形成され、前記突出部が嵌合することにより前記タブ部を前記接続筒部に対して正規の姿勢に案内する案内部が設けられていることを特徴とする中継端子コネクタ。
2. 前記ホルダ側フード部には、前記ハウジング本体側に位置して前記ホルダ側フード部内に前記中継端子を挿入する端子挿入口が形成されており、
   前記端子挿入口は、前記ホルダを前記ハウジング本体に装着することで前記ハウジング本体によって閉止されることを特徴とする請求項１記載の中継コネクタ。

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