JP5689588B2 - 発光パネル装置に用いる3dパネル版 - Google Patents

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Description

本発明は、透明樹脂より成るパネル本体に光線を照射し、その光線によって、パネル本体に形成されている凹凸構造から成る所定の平面パターンを浮き立たせる構成を備えた発光パネル装置に用いる3Dパネル版に関するものである。
3Dパネルと通称されているパネルは、文字通り平面的なパネルであるにも拘らず絵や図柄、文字などが立体的に見えることを特徴としており、見る者に与える訴求力の強いものである。この種の3Dパネルは、例えば、特公昭42‐25797号、或いは特開平9‐207254号に見られるように公知の技術であり、それは、かまぼこ型等の微小なレンズ群から成るレンチキュラー構造と、左眼用と右眼用の視差が生じる2枚の画像を組み合わせることによって、原画を立体的画像として把握させるものであるということができる。
このように、3Dパネルは原画を立体的に人の左右の眼に映じさせるために、レンチキュラー構造を、分解した原画の上に重ねて配置したものであって、レンチキュラー構造は透明なパネルの表面と裏面に設けられ、原画は裏面側に配置するが、レンチキュラー構造の裏面自体に印刷されることもある。何れにせよ3Dパネルの画像は常に見えており、人の視覚に訴えるものであるので好むと好まざるとに拘らず立体的に見えてしまうという性質がある。3Dパネルは、それを見る人の目に立体的に見るような強制力を有するので、短時間であればともかく、長い間見続けていると疲労し、不快感を覚えるという訴えを聞くことがある。
このように、従来の3Dパネルは強い訴求力などの長所を持ちながら、見続けることによって目を疲れさせるという、好ましくない一面を有するものであるとすれば、そのことが普及の妨げになっていると見ることができる。また、3Dパネルを装飾パネルや表示パネルに使用すると、場合によっては不快感のために逆効果になる可能性もあるが、原画自体がインクを用いて印刷されているという印刷物の性質上、上記の問題を避けることはできない。しかし、この問題を解決しなければ、3Dパネルの実用性は向上せず、普及の可能性も限られたものとなる。
特公昭42‐25797号 特開平9‐207254号
本発明は前記の点に着目してなされたもので、その課題は、パネル本体に光線が照射されたときのみ、凹凸構造から成る所定のパターンを浮き立たせて、3D効果を明瞭化する構成を備えた発光パネル装置に用いる3Dパネル版を提供することである。また、本発明の他の課題は、人の視覚に不快感を生じさせることなく3D効果を表示し、3Dパネルのデザイン性、表現力或いは訴求力を余すところなく活用できるようにすることである。
前記の課題を解決するため、本発明は、透明樹脂より成るパネル本体に光線を照射し、その光線によって、パネル本体に形成されている凹凸構造から成る所定の平面パターンを浮き立たせる構成を備えた発光パネル装置に用いるパネル版について、
射出成形方式又は熱プレス方式を用いて、パネル本体に凹入する凹状構造により網点で表現され所定の平面パターンより成る主模様部をパネル本体の裏面に形成し、パネル本体より突出する凸状構造より成る、網点で表現され所定の平面パターンを有する透明な副模様部をパネル本体の表面に形成し、パネル本体の裏面の主模様部の平面パターンと表面の副模様部の平面パターンは、スクリーン線数が異なり、かつ、表面から見てモアレ模様を生ずる網点角度に構成され、透明樹脂より成るパネル本体に光線が照射されたときのみ、凹状構造から成る所定のパターンを浮き立たせて3D効果を発揮させるために、パネル本体の端面に光導入部を設けた構成を有するものとするという手段を講じたものである。

本発明の3Dパネル版は発光パネル装置に用いるものであり、発光パネル装置は3Dパネル版に光線を照射するための構成を備えている。本発明が対象とする3Dパネル版は、大きなものでは、例えば屋内用又は屋外用の表示パネル、建材用の装飾パネル、ゲーム機用の装飾パネル、自動販売機用の装飾パネル、家電製品の装飾パネル等である。また、小さなものでは、額縁や写真立ての類も本発明の対象となる。本発明の3Dパネル版の有する印刷パターンは、パネル本体の表面に印刷によって形成された文字、図柄を含む装飾、或いは装飾的なものを指す。しかし、装飾的ではないものであっても、それをパネル本体の面に形成することができるのは当然である。
このような構成を有する発光パネル装置に用いる3Dパネル版は、本件出願人の先行出願に係る特開2008−55761号に開示したものと共通した構成を有しており、それは成型金型を用いて形成したパネル本体の裏面側に転写されている平面パターンを表面側から見るように構成されており、そのパネル本体はレンチキュラー構造を有している。また、本発明の3Dパネル版は、同じく本件出願人の先行出願に係る特開2009−25666号に開示したものとも共通する構成を有し、これは熱プレス方式を用いて形成したパネル本体の裏面側に転写されている平面パターンをやはり表面側から見るものである。これらのパネル版はPMバンと通称され、当業界において高い評価を受けている。
上記成型金型を用いてパネル本体を形成するには、射出成形法によるのが望ましい。射出成形法は、平面パターンの凹凸構造と相補的関係にある凸凹構造から成る平面パターンを表面に有する転写原版を成形金型内に配置し、透明なプラスチックを成形金型内に射出することにより行う。適用可能な成形方法には後述するような各種の方法があるが、成形品の寸法精度が良いこと、印刷による微細な柄、模様の表現に優れていること等の理由が射出成形法の利点である。成形後、パネル本体から転写原版を剥離することでその凸凹構造が、凹凸構造として透明プラスチックシートから成るパネル本体の表面に転写される。従って転写された凹凸構造は転写原版の凸凹構造と相補的関係にあるといえる。
転写原版の表面に盛り上がっている凸凹構造は印刷手段によって形成される。印刷によって平面パターンを形成することができるので、形成可能な文字、図柄等の範囲は極めて広く、自由度が大きい。適用し得る印刷方法には、種々の方法があるが、インクの塗布量が大きいほど一般には多彩な表現が可能になると考えて良く、本発明にも適当である。例えば、スクリーン印刷はインクの塗布量が多いので本発明に適用する印刷方法として好適である。他に適用可能な印刷方法には、オフセット印刷、グラビア印刷、シール印刷、フレキソ印刷がある。さらに孔版印刷を含む公知の印刷方法は、いずれも、本発明において転写原版表面に印刷を施すために適用することができる。
もう一つの熱プレス方式を用いてパネル本体を形成する場合、全体として凹状構造から成る平面パターンと相補的関係にある凸状のパターンを透明なパネル本体の裏面に押し付けて凹状構造を形成する。そのために、凸状パターンを表面に有する押し版を、上記パネル本体の裏面側に配置し、照射される光線を受光する、凹状構造から成る平面パターンに微細な凹凸構造を成型するように、相補的関係にある微細な凸凹構造を表面に有する転写原版を透明なパネル本体の裏面と上記押し版の間に配置する。そして、上記押し版を転写原版とともに透明なパネル本体に加熱条件のもとに押し付け、表面に微細な凸凹構造を有するパターンを透明なパネル本体の表面に転写することにより凹凸構造の賦形を行う。熱プレス方式において使用する転写原版も、その凸凹構造をパネル本体に転写するという意味において、成型金型を用いる方式における転写原版と同じであり、従って、上記スクリーン印刷以下の様々な印刷方式を適用して形成することができる。
ここで、本発明の3Dパネル版に使用する転写原版の印刷について説明を捕捉する。転写原版は、上記のとおりスクリーン印刷以下各種の印刷方式によって形成することができるものであり、印刷機を用いて印刷に供され、特定の性質を有するインクを使用して印刷を行う。即ち、インクには成型圧力や熱プレス圧力に耐えて割れや潰れを起こさず、実質的に変質しない耐熱性を具備し、流れず、平面パターンとして一定の形状を保つという、特定の性質を有する凹部形成用インクを使用する。
このように特定の性質を有する凹部形成用インクを使用して、透明プラスチックから成るパネル本体の裏面に平面パターンを形成するときには、凹部形成用インクもプラスチックから成るパネル本体と同様に熱を帯びるため、転写原版とパネル本体とが接着された状態になり、射出成形方式や熱プレス方式で形成されたパネル本体から転写原版とその表面の凹部形成用インクを分離することが困難となる。そこで、このような場合には、転写原版表面に印刷された上記インクによる凹凸を含む表面に、剥離材を塗布しておくことが望まれる。剥離材を塗布することにより転写原版が凹部形成用インクの凸凹構造とともにパネル本体から容易に剥離され、転写原版の表面に所定パターンで印刷されていた凸凹構造をパネル本体に凹凸構造として転写することができ、また、転写部分以外の透明部分の透明性も維持される。上記剥離材としては、シリコン、ステアリン酸塩などがあり、どれも使用可能である。
パネル本体の裏面に平面パターンを形成するには、上記の射出成形等の金型を用いる成型方法、熱プレス成形など以外に、真空成形、圧空成形等公知の成形方法を適用することができる。転写原版を成形金型内に配置して行なう成形方法は、ある意味ではインサート成形法に類似しており、また、印刷したプラスチックフィルムを用いて射出成形するという意味では絵付け成形法(いわゆるインモールド成形法)にも類似している。しかしながら、上記のインサート成形法やいわゆるインモールド成形法は、本発明のように、印刷パターンをパネル本体に転写するためのものではなく、整形の形態の類似というべきであるが、本発明に適用することは可能である。
転写原版の素材には、プラスチックから成るシート状ないしフィルム状の形態のものを使用可能である。転写原版に使用されるプラスチックとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)等があり、厚みを必要とする場合にはシート状のものを使用し、薄くて良い場合にはフィルム状のものを使用する。印刷インクとしては、UV硬化型樹脂インクや2液硬化型樹脂インク、蒸発乾燥形樹脂インク、その他の混合樹脂インク等を使用することができる。よって、これらのインクの中から、パネル本体の樹種や成形方法、表現方法などを考慮して好適なものを選択する。また、上記のインクには、UVマット剤、マット剤、ウレタンビーズ、ガラスビーズ、金粉、銀粉、パール粉などの粉末状材料を添加し、特殊な効果を発揮させることも可能である。
パネル本体の裏面に平面パターンを形成する第3の手段として、高精度のフレキソ印刷を可能にしたことでも知られているレーザー彫刻方式等の彫刻手段がある。レーザー彫刻方式では、パネル本体に凹入する凹状構造を直に彫刻することで平面パターンをパネル版の裏面に形成することになり、加工部分に白濁する傾向が現れるが、白濁によって光線を照射しなくても所定の平面パターンを薄い色ではあるがはっきりと把握することができることにつながるので、このことは本発明の場合には却って好都合である。
上記のようにして形成することができるパネル本体に凹入する凹状構造を用いて、網点で表現され所定の平面パターンより成る主模様部を、パネル本体の裏面に形成する。パネル本体に形成される凹凸構造は、それと相補的関係にある凹部形成用インクの凸凹構造による模様の転写であるから主として凹状構造であるが、凹部の中には凸部も形成されるので、凹凸の混在し得るものである。また、透明プラスチックから成るパネル本体は、側面又は裏面から光線を照射すると、凹入している凹状構造の界面に光線が反射し、それによって発光しているように見えるパネル版となる。
パネル本体の側面又は裏面に導かれる光線の照射によって凹凸構造から成る所定の平面パターンを浮き立たせるために、パネル本体は、例えば、アクリル樹脂又はポリカーボネート(PC)などの透明度の高いにプラスチックよって形成するのが良い。アクリル樹脂が適当であるのは透明度が高いにも拘らず価格は相対的に安価なためであり、ポリカーボネートは透明度においてベストであるが用途によっては高価な場合がある。より高い付加価値を求められる対象に対しては、ポリカーボネート等の高透明度のものを使用することについて経済上の問題はなくなる。
所定の平面パターンより成る主模様部は網点で表現される。主模様部は、3Dパネル版の意図している表示効果の主要な模様を含むべき部分の意味であって、模様を構成する要素には、図、写真、柄模様、文字、その他諸々の形があり、何れも網点として表現される。網点は単色(グレースケールを含む)、又は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)という色のセットから成る。それぞれの色のインクについて網点のパターンを生成し、重ね合わせて使用することで、所定の色調を有する主模様部が形成されている。網点スクリーンは1インチ当たりの網点で描かれる線数(スクリーン線数:lpi)で解像度を表し、また、スクリーンの角度も与えられる。通常の印刷では線数及び異なる網点角度のスクリーンを重ねると、モアレが生じることがあるのでモアレ発生を防ぐために、上記の網点角度を変えてスクリーンを重ねるのであるが、本発明ではこの現象を逆に利用してモアレ模様を生じさせ、3D効果を発揮する3Dパネル版を構成するものである。
本発明では、パネル本体裏面の凹状構造との関係においてモアレ模様を生じさせるために、パネル本体の表面より突出する凸状構造を用いて、透明な網点で表現され所定の平面パターンより成る副模様部をパネル本体に形成する。透明な網点は透明インクを用いて、印刷手段によってパネル本体の表面に形成される。副模様部は表面/裏面関係し合って、パネル本体の正面から見たときにモアレ模様を生じ、3D効果を発揮させる部分であり、モアレ模様を構成する要素は副模様部のそれと同様の要素から選ばれる。従って、副模様部が網点として表現されるのは当然のことである。副模様部に求められる事項は、透明インクを用いてパネル本体表面に印刷されることと、透明インクの盛り上がりから成る凸状構造を有することである。副模様部の凸状構造の透明な網点を構成するスクリーン線数と網点角度の設定と、主模様部の凹状構造の網点を構成するスクリーン線数と網点角度の設定を調整することによって、正面から見てモアレ模様を生ずることになり、所期の3D効果を奏するものである。
さらに本発明のものは、パネル本体の一部に、主模様部と副模様部を形成していない無構造部を有するものとし、それによってパネル本体の裏面に別の表示体を重ねて配置したときに、別の表示体が正面から主模様部と副模様部を透視して見得る構成を取ることができる。つまり、無構造部とは凹状構造や凸状構造の一方又は両方を有していないことに基づく命名であり、パネル本体の任意の部位に透明な窓のように設定される部分のことであ
って、このような窓状の部分に別の表示体を配置する。例えば、主模様部と副模様部をパネル本体の周縁部分に設けて、中央部分に無構造部を設けると額縁状になるから、窓状の部分に写真、カード、ポスター等を配置することで、3D効果を額縁状の装飾に利用した表示装置を形成することができる。この場合、別の表示体を窓状の部分に該当するパネル本体の裏面に貼り付けても良いが、別の表示体を取り付けるための保持部をパネル本体の裏面の該当箇所に設けても良い。また、無模様部分のみならず、主模様部と副模様部が設けられている箇所の裏側に別の表示体を配置しても、パネル本体は透明であるからパネル本体の正面から別の表示体を透視して見ることができる。
パネル本体の内部に凹入する凹状構造に光線を照射するために、本体内部へ光線を導入するための光導入部をパネル本体に設ける。つまり、透明度の高いアクリル樹脂やポリカーボネート樹脂等は、パネル本体の内部に導入された光線を凹状構造に伝える媒介手段としても利用される。光導入部は、アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂等の透明性が損なわれていないパネル本体の側面(端面)に設けることができるが、或いは、パネル本体の裏面に表れている凹状構造自体も光導入部となるので、後方から光線を照射しても良い。パネル本体の端面が光学的に十分に綺麗であれば、成形金型から取り出したままでも光導入部として利用することができるが、そうでない場合には切削、研磨などの方法によって加工することも必要になる。光導入部は、パネル本体の正面形状が例えば4角形の場合、その複数の辺部に必要な数だけ設けることができる。パネル本体内部へ導入する光線の光源には、赤、緑、青、白又は無色の光線を発するLEDを使用し、それを本体の光導入部に接近して配置するのが特に側面照射の場合には望ましい。
本発明は以上のように構成されかつ作用するものであるから、パネル本体に光線が照射されたときのみ、凹凸構造から成る所定のパターンを浮き立たせて、3D効果を明瞭化することができるとともに、光線を照射しない状態では生じている3D効果を目立たせないという構成を備えた発光パネル装置に用いる3Dパネル版を提供することができる。従って、本発明によれば、人に視覚的な不快感を生じさせることなく3D効果を表示し、しかも、実際にそれが必要とされる状態において3D効果を明瞭化させるものであるので、3Dパネルのデザイン性、表現力或いは訴求力を余すところなく活用できるようにすることができるという効果を奏する。
以下図示の実施形態を参照して本発明をより詳細に説明する。図1は、本発明の発光パネル装置に用いる3Dパネル版10を示すもので、11は透明樹脂より成り、光線が照射されるパネル本体を示すものとする。パネル本体11を形成している樹脂は、この例では透明度の高いアクリル樹脂であり、その裏面側に凹凸構造から成る主模様部12が形成されている。図示の主模様部12は、所定のパターンとして数字の「1」のみを有し、図2に示された「1」という主模様部12は、裏面側の凹状構造(21)と表面側の凸状構造(26)を有しており、3D効果を発揮させるものとする。
上記のパネル本体11は、射出成型手段によって、アクリル樹脂を厚さ数mmのシート状に型成形したものの裏面に形成されている。図3は射出成型工程を示すもので、13は射出成型用固定金型、14は射出成型用移動金型、15は凹部形成用インクの盛り上がりから成る平面パターン原型であり、転写原版16に印刷によって設けたもので、この平面パターン原型15がキャビティ17に面する側に位置するように金型装置にセットされている。図3aは型締め状態を示しており、キャビティ17に前記の透明なアクリル樹脂が射出して成形が行なわれる。図3bは、射出成型の後に成形機から取り出した成形品であるパネル本体11を示しており、この表面には、所定パターンの印刷されている転写原版16が、剥離材を介して一体に貼り付いている。図3cは剥離工程を示しており、型成形されたパネル本体11から転写原版16を取り外している状態である。転写原版16の剥離作業は、樹脂成形の常識から判断して行なえば良く、通常はパネル本体11のプラスチックが自然冷却で常温以下に冷却される前の作業である。転写原版16を所定のパターンと共にパネル本体11から剥離すると、凹部形成用インクによる平面パターン原型15の凸凹構造18′がパネル本体11の表面に転写され、相補的関係にある凹凸構造18のための主模様部12の凹状構造が形成されるものである。
前述したように、本発明の3Dパネル版は、熱プレス方式を用いてパネル本体に所定の平面形状から成る主模様部を形成する方式を取ることができる。図4はその例示であり、任意の図柄、模様などから成る所定パターンの印刷されている転写原版19の面が下向きで配置されている押し版20を上位に配置し、パネル本体11を下位に配置して、それらの間に、表面に微細な網点21を有する網点シート22を配置し、パネル本体11に接して網点シート22を配置するとともに、この網点シート22に対して、所要の加熱、加圧条件にて押し版20を圧し付ける方法で行われる(図4a)。23は上位に配置される熱盤であり、図示していない昇降機構により基台24に対して接近、離間可能に設けられている。本例では透明なパネル本体11としてアクリル樹脂製の厚板(0.5mm〜30mm)を使用し、網点シート22にはポリエチレンテレフタレート(PET、又はポリカーボネートPCも可。)から成るシート(12〜200μm)を使用し、熱盤23を100〜180℃の温度に設定している。
次の工程では押し版20を下降させ、転写原版19の所定のパターンを網点シート22に所要の加圧力で、所要秒時(0.5秒〜5秒)圧し付け、それにより凹状構造の微細な網点21を有する所定パターン19の主模様部12を透明なパネル本体11の表面に転写する。即ち押し版20を網点シート22から引き離し(図4b)、冷却硬化を見計らい所要時間経過後に、網点シート22をパネル本体11から剥離する(図4c)。かくして、透明なパネル本体11の表面に転写原版19が転写され、微細な網点21で表現された凹凸構造18のための主模様部12の凹状構造が形成される。パネル本体11の表面には、図4dに示すように、凹状構造から成る所定のパターンとして「1」という数字から成る主模様部12の裏面側が、微細な網点から成る集合体として形成されることが分かる。なお、図2に示された主模様部12は、3D効果を発揮するために、パネル本体11の裏面のみならず表面にも形成される。パネル本体表面の凸状構造のためには、パネル本体表面に対して、別に印刷手段が施される。
射出成形法と熱プレス方式によって製造方法を説明したが、パネル本体11は、まだ、裏面にパネル本体11に凹入する凹状構造を持つ、網点で表現された所定の平面パターンより成る主模様部12が形成されている段階のものである(図2の右側の凹状構造及び図5参照を参照のこと)。このパネル本体11に対して、さらにパネル本体11より突出する凸状構造(図2の左側)として、透明な網点で表現され、所定の平面パターンより成る主模様部12の表面側の凸状構造と、副模様部25の凸状構造をその表面に形成する。図6は、「1」という数字から成る主模様部12が反転(裏返し)状態で図示されていることから理解されるように、パネル本体11をその裏面から見た状態であり、図6の副模様部25はパネル本体11に額縁状に設けられており、そのため副模様部25を示す引き出し線を破線とし、主模様部12を示す実線と区別している。26は、主模様部12及び副模様部25を構成する凸状構造の網点を示す。
表面及び裏面の副模様部25も、主模様部12と関係し合って、パネル本体11の正面から見たときにモアレ模様を生じさせる部分であり、そのために網点21、26の相互干渉に関する印刷技術を利用して形成されている。副模様部25を印刷によって形成する際に副模様部25に求められる事項は、透明インクを用いてパネル本体11の表面に印刷されることと、透明インクの盛り上がりから成る凸状構造を有することである。従って、主模様部12の凹状構造の網点21を構成するスクリーン線数と網点角度の設定と、副模様部25の凸状構造の透明な網点26を構成するスクリーン線数及び網点角度の設定を調整することによって、正面から見てモアレ模様を生じ、所期の3D効果を発揮させることができるものである。
図6における網点の設定例に言及すると、パネル本体裏面の「1」という数字から成る主模様部12には、一例として、裏面側で網点21の面積が40%、線数には58lpiの数値が与えられ、主模様部12の表面側は同様に網点面積40%、線数55lpiが与えられており、主模様部以外の部分には、同じく一例として、網点21の面積が75%、線数は58lpiの数値が与えられている。これに対してパネル本体表面の副模様部25には、一例として網点26の面積が40%、線数には60lpiが与えられている。ブラック(K)のみの単色であるので、網点角度は全て45度の設定である。このような設定に基づいて四角の錯覚によってモアレ効果を生じ、「1」の数字から成る主模様部12の部分は手前に見え、「1」以外の額縁状の部分は奥に見えるので、3D効果が表現されることになる。
次に3Dパネル版の適用例を図7及び図8に示す。図7は本発明の3Dパネル版10′をゲーム機の発光パネル装置30に適用した状態を示しており、発光パネル装置30は、基台27の3Dパネル版10′を嵌めこむ溝部28にシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)という色のセットから成るLEDを組み込み、点灯制御装置29によってLEDの点灯を制御する構成を持つ。しかし、この場合の3Dパネル版10は前述のブラック(K)のみの単色とは異なるので、例えば、シアン(C)15度、ブラック(K)45度、マゼンタ(M)75度、イエロー(Y)90度、というように網点角度を設定する。上記溝部28の底にLEDを組み込むことによって、基台27を構成している前後の壁がフードの役を果たして、LEDの光線が外部へ漏れることなく全反射を繰り返して主模様部12と副模様部25を照射する効果を奏する。
図7に示した3Dパネル版10についても透明樹脂から成ることは本発明の構成上必要なことであり、主模様部31も副模様部32も透明パネル本体11に着色インクを用いることなく印刷されたものであるから、熱による白濁やレーザー加工による白濁が主模様部31と副模様部32として明瞭に見える。従って、主模様部31と副模様部32も立体的に見えはするものの、透明なパネル本体11に白濁している程度の着色であるから、目立つものではなく、目を疲れさせることもない。このコントラストの低い状態を示すものが図8のAである。
今、ゲーム機の電気コード31が電源に接続され、かつ、操作部33が操作され電源が投入されると発光パネル装置30が起動し、内蔵のLEDによって透明樹脂より成るパネル本体11に光線を照射する状態になる。それによって、LEDの上記CMYKの4色又はその内の何色かの光線が、パネル本体11の裏面の主模様部31の平面パターンと表面の副模様部32の平面パターンを照射することになり、その結果主模様部31も副模様部32も明瞭に照明されるので、裏面の主模様部31と表面の副模様部32が浮き立ちモアレ効果を得て、3D効果が明瞭になるものである。このコントラストの高い状態を示すものが図8のBである。このように必要な状態において発光パネル装置30を点灯させると明瞭な3D効果を発揮し、光線が照射されないときには目立たないという表示効果を奏するので、むやみに目を疲れさせることがない。
本発明の3Dパネル版は、パネル本体11の一部に、主模様部と副模様部を形成していない無構造部を有するものとし、それによってパネル本体11の裏面に別の表示体を重ねて配置する構成を取ることができる。そこで、この点について説明を補足しておくと、図6において、額縁状に設けている部分を副模様部25のみならず主模様部についても適用し、枠34で囲まれた内側を無構造部とすることによって、その実施形態を説明することができる。この場合枠34の内側のパネル本体は単なる透明な版面であり、従って裏面に写真などの別の表示体35を貼り付けるなどして固定すると、別の表示体35が正面からパネル本体を透視して見得ることとなり、額縁状の主模様部と副模様部が構成する3D模様は別の表示体35を取り囲むようにして飾ることになる。
本発明は上記の如く構成されており、ゲーム機など各種のアミューズメント機器における装飾に利用できるほか、例えば、自動車の内装の装飾の一部として、或いは家庭電化製品の外装の装飾の一部として利用することができ、さらには掲示板、表示板などにおいて特に注意を喚起する手段としても利用価値がある。
本発明に係る発光パネル装置に用いる3Dパネル版の一例を示す斜視図である。 同上のII−II線の断面図とその部分拡大図である。 本発明におけるパネル版の制作を説明する工程abcを示す説明図である。 同じくパネル版の制作を説明する工程abcdを示す説明図である。 同じくパネル版を示す正面図とその部分拡大図である。 同じくパネル版の他の例を示す正面図とその表裏の部分拡大図である。 同じく本発明に係る発光パネル装置の適用例を示す斜視図である。 図7の例における3Dパネル版を示すものでAは点灯前のコントラストの弱い状態、B点灯後のコントラストが高まった状態をそれぞれ示す説明図である。
10、10分 3Dパネル版
11 パネル本体
12 主模様部
13 固定金型
14 移動金型
15 平面パターン原型
16 転写原版
17 キャビティ
18、18′ 凹凸及びそれと相補的関係にある凸凹
19 転写原版
20 押し板
21 網点
22 網点シート
23 熱盤
24 基台
25 副模様部
26 網点
27 基台
28 溝部
29 点灯制御装置
30 発光パネル装置
31 主模様部
32 副模様部
33 操作部
34 枠
35 別の表示体

Claims (3)

  1. 透明樹脂より成るパネル本体に光線を照射し、その光線によって、パネル本体に形成されている凹凸構造から成る所定の平面パターンを浮き立たせる構成を備えた発光パネル装置に用いるパネル版であって、
    射出成形方式又は熱プレス方式を用いて、パネル本体に凹入する凹状構造により網点で表現され所定の平面パターンより成る主模様部をパネル本体の裏面に形成し、パネル本体より突出する凸状構造より成る、網点で表現され所定の平面パターンを有する透明な副模様部をパネル本体の表面に形成し、
    パネル本体の裏面の主模様部の平面パターンと表面の副模様部の平面パターンは、スクリーン線数が異なり、かつ、表面から見てモアレ模様を生ずる網点角度に構成され
    透明樹脂より成るパネル本体に光線が照射されたときのみ、凹状構造から成る所定のパターンを浮き立たせて3D効果を発揮させるために、パネル本体の端面に光導入部を設けた構成を有する
    発光パネル装置に用いる3Dパネル版。
  2. パネル本体の裏面の主模様部は、その凹状構造が、平面パターンの凹凸構造と相補的関係にある凸凹構造から成る平面パターンを表面に有する転写原版を用いる射出成型手段又は熱プレス方式によって形成されている請求項1記載の発光パネル装置に用いる3Dパネル版。
  3. パネル本体は、パネル本体の裏面に別の表示体を重ねて配置したときに、別の表示体が正面からパネル本体を透視して見得るように、その一部に、主模様部と副模様部を形成していない無構造部を有している請求項1記載の発光パネル装置に用いる3Dパネル版。
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