JP3608786B1 - レンズプレートを用いた立体装飾体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 短時間で大量生産が可能で、かつ歩留まりも良く、所望のレンズ径を有した凸レンズまたは凹レンズを設けたレンズプレートとそれを用いた立体装飾体を提供する。
【解決手段】 光透過性を有する平板状の樹脂基材の表面および/または裏面に複数の凸レンズまたは凹レンズを配設したレンズプレートにおいて、射出成形用の金型にレンズプレートの凸凹形状に対応する凹凸形状を設け、凹凸形状の設けられたキャビティ内に樹脂材料を射出充填し、冷却・固化することにより射出成形した構成である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、凹凸の感じられないプレート状のプラスチック板にレンズの形成されたレンズプレートに関し、特に金型成形により製造されるレンズプレートおよびそれを用いた立体装飾体に関する。
近年、平面形状でありながら立体に見える立体印刷や3D印刷と呼ばれる印刷手法で形成された立体印刷体が数多く提案されている。立体印刷体は、その意外性から装飾品としての人気が高まっており、それに伴って用いられる印刷技術も年々進歩しつつある。従来からある立体印刷体としては、平面に印刷する画像を立体的に見えるように印刷したり(立体視)、見る角度によって異なる画像を印刷する(可変視)技術を使用した製品であり、代表的な例としてレンチキュラーレンズを用いた立体印刷体が挙げられる。
レンチキュラーレンズによる立体印刷体は、表面に細長いかまぼこ型の凸レンズが並べて形成されている透明な樹脂製の薄く平板なシートであるレンチキュラーレンズの裏面に、立体視または可変視用の画像が印刷された樹脂シートが貼り付けられている。画像は、凸レンズを通して見ることを考慮して描かれており、レンチキュラーレンズの凸レンズのピッチ幅に合わせて、短冊状に分断して配列された状態で印刷されている。
一方、立体視用の場合、右目用の画像と左目用の画像を並べて順次配列することにより、同時に両目でこの画像を見る事により両目が別々の画像を結ぶことによって立体感を表現することができる構成である。
しかし、レンチキュラーレンズは、細長いかまぼこ型の凸レンズを縦方向に並べることにより正面から見た場合に立体に見える効果を発揮する構造であり、細長凸レンズを横方向に並べては効果が発揮できず、またすべての方向から立体的に視認することは出来ないという問題点があった。また、レンズと画像を別々に製造して貼り合わせる構造であるため、製造に手間がかかるだけでなく、失敗などにより歩留まりも悪いという問題点もあった。そこで、レンチキュラーレンズではなく、半球形状のレンズを二次元方向に規則配置したレンズシートを用いた立体印刷体が提案されている。
レンズを形成する方法として、シルクスクリーン印刷による技術が開発されている。シルクスクリーン印刷の技術を用いたレンズの製造方法は、光硬化樹脂(UV樹脂)に光を照射して硬化させてレンズを形成する技術であり、レンズ径を変更する場合にも新たな成形型を用意する必要がない点が利点として上げられている。
しかしながら、シルクスクリーン印刷技術を用いたレンズ形成技術にはいくつかの問題点がある。まず、製造時にレンズに気泡が入ってしまい、レンズとして機能しないことがあるという問題があった。第二の問題点は、光硬化樹脂の自然流動固化を利用した技術であるため、レンズの径は樹脂の表面張力により形成可能な範囲に限定されてしまい、多種多様なレンズの成形が出来ないという欠点がある。一般に、より立体的に見せるためにはレンズ径を小さくする必要があるが、シルクスクリーン印刷では限界があるため、レンズと物体の焦点を合せるためにプレートの厚みで調整をする必要があった。
また、シルクスクリーン印刷は、版下の耐久性にも問題がある。一般にシルクスクリーン印刷の版下は、目詰まりなどの理由によってすぐに使用不可能になってしまうため、一つの版下から大量の印刷物を製造することが出来なかった。また、立体印刷物は基本的に両面印刷のため、印刷工程が非常に長く、時間がかかりすぎるという問題点もあった。結果としてシルクスクリーン印刷技術によりレンズを成形する技術を用いた製品は非常に高コストであり、安価な商品として提供することが出来ないという問題点があった。
さらに、シルクスクリーン印刷では凸レンズを形成することは出来ても凹レンズを形成することは出来ないという問題点もある。その他にも、一般にレンズ部分は剥き出しの状態で全く保護されていないので、凸部の間に埃が溜まったり、磨耗などにより凸レンズ表面に傷が生じてレンズの効果が失われやすいという欠点があった。
そこで、短時間で大量生産が可能で、かつ歩留まりも良く、所望のレンズ径を有した凸レンズおよび凹レンズを設けたレンズプレートを用いた安価な立体装飾体の開発が待たれていた。
特開2003−307799
上記問題を解決するために、本発明のレンズプレートを用いた立体装飾体は、短時間で大量生産が可能で、かつ歩留まりも良く、所望のレンズ径を有した凸レンズまたは凹レンズを設けたレンズプレートを用いた立体装飾体を提供する事を目的としている。
本発明にかかるレンズプレートを用いた立体装飾体は、光透過性を有する平板状の樹脂基材の表面および/または裏面に、略半円球形状またはダイヤ形状の複数の凸レンズまたは凹レンズまたは凹彫刻を配設したレンズプレートであって、射出成形用の金型にレンズプレートの凸凹形状に対応する凹凸形状を設け、凹凸形状の設けられたキャビティ内に樹脂材料を射出充填し、冷却・固化することにより射出成形により形成したレンズプレートを用いた立体装飾体において、表面側から樹脂基材を見たときに裏面のレンズまたは彫刻の模様が拡大されて立体的に視認できるように、樹脂基材の表面に複数の凸レンズまたは凹レンズを形設するともに、裏面に凸レンズまたは凹レンズまたは凹彫刻を形設した構成である。
また、光透過性を有する平板状の樹脂基材の表面および/または裏面に、略半円球形状またはダイヤ形状の複数の凸レンズまたは凹レンズまたは凹彫刻を配設したレンズプレートであって、射出成形用の金型にレンズプレートの凸凹形状に対応する凹凸形状を設け、凹凸形状の設けられたキャビティ内に樹脂材料を射出充填し、冷却・固化することにより射出成形により形成したレンズプレートを用いた立体装飾体において、樹脂基材の表面または裏面に複数の凸レンズまたは凹レンズを形設した第一レンズプレートと、第一レンズプレートの裏面に接する面に凹レンズまたは凹彫刻を設けた第二レンズプレートとを向かい合わせに接合し、第一レンズプレート側から見たときに第二レンズプレートの凹レンズまたは凹彫刻の模様が拡大されて立体的に視認できる構成とすることも出来る。
また、レンズプレートを用いた立体装飾体は、中央部と周囲のレンズの立体感の差による装飾効果を得るために、第一レンズプレートのレンズの設けられた面の中央の一部と、第二レンズプレートのレンズまたは彫刻の設けられた接合面の相応する中央の一部に、レンズを設けない平滑部を設けた構成である。また、第一レンズプレートの平滑部、および/または第二レンズプレートの接合面の平滑部に、装飾のための文字または記号、標章を刻設した構成とすることも出来る。さらに、レンズプレートを用いた立体装飾体は、第一レンズプレートの平滑部及び第二レンズプレートの接合面の平滑部に、装飾のための文字または記号、標章、絵を印刷した薄型フィルムを挟装した構成とすることも出来る。
また、樹脂基材は、着色され、かつ光透過性を有した樹脂素材からなる構成とすることも可能である。
詳述した通り、本発明にかかるレンズプレートを用いた立体装飾体は、上記のような構成であるので、以下のような効果を奏する、
1.金型から取り出した時点で既に完成しているので、後加工などの工程が必要ないため、製造時間を短縮できる。さらに、コストが低減できる。また、レンズ径を自由に設定することが出来るため、薄型でも大きな立体感を有した製品が提供できる。さらに、凹レンズ形状を採用すれば、レンズ表面が傷つきにくくなるため、レンズ効果を長期にわたって持続することができる。金型で成形するために、レンズの形状は半円球形状とすることもダイヤ形状にすることも可能である。また、一枚のレンズプレートでありながら、大きな立体感のある立体装飾体を提供できる。射出成形であるために、短時間で製造可能であり、薄型で大きな立体感のある立体装飾体が提供できるという利点がある。
.立体的な模様をさらに立体視することにより、従来に無い立体装飾体を提供できる。また、表面が平滑であるため、利用する用途が限定されない。さらに、レンズ面が第一レンズプレートと第二レンズプレートに挟まれた構成であるため、レンズ間にゴミが入ったり、レンズ面に傷が付く恐れが全くないため、半永久的にレンズ効果を持続することができる。
.部分的に平滑面を設けることにより、通常は平面板では実現できなかった当該平滑面部分が周囲より浮き上った状態に視認することが可能となった。
.平滑部分に各種のマークや社票等を刻設することにより刻設した部分がより強調される装飾体が提供できる。
.平滑部分に、マークや社票等を挟むことも可能であり、刻設しなくても挟持させるだけで、挿入したマークや社票等を簡易に且つ安価で目立たせることができるという利点がある。
6.レンズそのものに着色することができるため、様々なカラーバリエーションが演出可能であり、従来に無い美観を有した製品を提供できる。
以下に本発明に係るレンズプレートおよびレンズプレートを用いた立体装飾体を図面により詳細に説明する。図1(a)は本実施例の1のレンズプレートの平面図であり、図1(b)は本実施例の1のレンズプレートの正面図であり、図2は本実施例の2の立体装飾体の断面図であり、図3は本実施例の3の立体装飾体の断面図である。
図1を用いて、本実施例1のレンズプレート10について詳細に説明する。本発明のレンズプレート10は、樹脂基材20の表面に複数のレンズ30が形成された構成である。また、レンズプレート10は、レンズプレートの外形に対応するキャビティを有した金型のキャビティに樹脂を射出し、冷却固化して形成される、従来にはないレンズプレートである。金型を用いた射出成形技術による樹脂製品の成形は従来から行われていたが、本発明で用いているような、レンズの凹凸に対応した微細な細工を施した金型は従来には存在しなかった。例えば成形後のレンズを凸レンズにしたければ、キャビティには凸レンズ形状に対応する凹部を設ければよい。
なお、本発明のレンズプレートの製造に用いる金型は、レンズプレートの外形に対応するキャビティを形成した構成であれば、金型の種類は問わず、適宜選択することができる。
樹脂基材20は、光透過性のある樹脂材からなる平面板であり、本実施例では薄型で四角形形状の平面板材である。本実施例では四角形形状を採用しているが、円形または扇形、その他の多角形など、様々な形状とすることが可能であり、目的に応じて適宜な形状を選択することが出来る。
樹脂基材20の素材には、光を透過する透明な樹脂材であれば、一般的に射出成形による樹脂製品に用いられる樹脂素材を適宜選択可能である。例えば、本実施例では、比較的透明感の強いアクリル系の樹脂やポリカーボネイトを用いているが、光を透過する透明な樹脂材であればこれに限定されない。また、光透過性を有し、かつ着色された樹脂を用いれば、様々な色の製品を提供することも可能である。さらに複数の色を混在させて、独自の美観を有する製品を提供することも考えられる。
レンズ30は、樹脂基材20の裏面に配設された略半球形状のレンズであり、本実施例1では略半球形状に形設された凹レンズを採用している。本発明のレンズプレートはレンズの形状に対応した凹凸形状の設けられたキャビティ内に樹脂材料を射出充填し、冷却・固化することにより形成するため、金型の形状を変更すればレンズ径は自由に選択することが可能である。つまり、従来のように、所望の立体感を実現するために樹脂基材20の厚みを増す必要がなく、樹脂基材20が薄型であってもレンズ径を調節すれば大きな立体感を得られる構成である。また、図1に示したレンズは半球形状のレンズであるが、ダイヤ形状等の別の形状のレンズも自由に選択可能である。さらに、本実施例1では凹レンズを採用しているが、凸レンズとすることも可能であり、目的に応じて適宜選択することが出来る。
なお、本実施例のレンズプレート10は、文字または記号等を印刷した薄型フィルムを裏面に設け、レンズが配設された表側から背面の文字または記号を立体的に視認できるように構成すれば、立体装飾体として利用することも可能である。ただし、レンズ径は印刷物が立体的に視認できるように設定する必要がある。
さらに、本実施例は同一形状のレンズを規則的に配したレンズプレートであるが、一部に異なる種類のレンズを配設した構成とすることも可能である。例えば、中心部分は半球形状の凸レンズを配し、その周囲の部分にはダイヤ形状の凹レンズを配置した構成とすることも考えられる。
本発明の実施例2の立体装飾体110を図2を用いて詳細に説明する。本実施例2の立体装飾体110は、樹脂基材120の表面に複数の凸レンズ130を配設した凸レンズ面を形成するともに、裏面に複数の凹レンズ132を設けた凹レンズ面を形成した構成である。また、本実施例2の立体装飾体110は、実施例1に示したレンズプレートと同様に金型を用いて成形されている。
本実施例の立体装飾体110は、立体的に凸レンズが形設された面側から見たときに、裏面の凹レンズが立体的に視認できるように構成されている。従来の立体装飾体は、平面的な2次元の像が幾層かに分かれて立体的に見えるものであり、立体といっても平面的な像の組み合わせでしかなかったが、本実施例の立体装飾体110は、立体形状のものがさらに立体化されて3次元の像を視認することができることが特徴であり、従来にない立体装飾体である。
本発明の実施例2の樹脂基材120は、実施例1の樹脂基材20と同様のものであり、材質および形状は目的に応じて適宜選択することが出来る。また、実施例1と同様に、着色され、かつ光透過性を有した樹脂基材を用いることも可能である。ただし、本実施例では両面にレンズを設けた構成であるため、実施例2の樹脂基材120の厚みは、両面にレンズを配設することを考慮した厚みに設定する必要がある。
凸レンズ130は、樹脂基材20の表面に設けられた略半球形状の凸レンズである。凹レンズ132は、樹脂基材20の裏面に設けられた略半球形状の凹レンズである。各レンズは共に樹脂基材20に規則的に配列されている。各レンズの配列規則は、目的とする立体像に応じて適宜設定する必要がある。また、各レンズのレンズの形状およびレンズ径、配列規則は、表側から見た際に、裏面のレンズが拡大されて立体的に見えるように設定されている。
本発明の実施例2では表面に凸レンズ、裏面に凹レンズを設けた構成であるが、表面から見た際に裏面のレンズが立体的に見えるようにレンズの形状およびレンズ径を設定すれば、表面に凹レンズおよび裏面に凸レンズを形設した構成としてもよいし、両面とも凹レンズまたは凸レンズとしても良く、目的に応じて適宜選択することが出来る。例えば、実施例では裏面のレンズは凹レンズであり、表面から見ると手前方向に凸な半球形状の立体像を視認することができる。裏面のレンズを凸レンズとすれば、奥行き方向に凸な半球状の立体像を視認できる立体装飾体を提供することも可能である。
また、樹脂基材120の裏面は凹レンズを設けた構成であるが、表面から立体像を視認できれば特にレンズ機能を有していなくともよく、例えば凹彫刻を設けた構成とすることも可能である。
この実施例は、樹脂基材120に同一径のレンズを規則的に配置した構成であるが、異なるレンズ径または種類のレンズを形設した構成とすることも考えられる。例えば、中心部のレンズ径を小さくし、その周囲のレンズ径を大きくすることによって、中心部の立体像とその周囲の立体像の奥行きが異なる立体装飾体を提供することも可能である。
図3を用いて本発明の実施例3の立体装飾体200を詳説する。本実施例の立体装飾体は、表面が平滑で裏面に複数の凹レンズ230を形設した平板状の樹脂基材220からなる第一レンズプレート210と、裏面が平滑で表面に凹レンズを設けた樹脂基材22からなる第二レンズプレート212と、を向かい合わせに接合するとともに、第一レンズプレート210と第二レンズプレート212の間に、文字、記号、標章または絵などを印刷した薄型フィルムを挟装した構成である。実施例2に示したレンズプレートと同様に、立体形状のものがさらに立体化されて3次元の像を視認することができる。さらにレンズを向かい合わせに接合しているため、表面が完全な平滑面であっても立体像を視認することができる従来にない立体装飾体である。
樹脂基材220および樹脂基材222は、実施例1の樹脂基材20と同様のものであり、材質および形状は目的に応じて適宜選択することが出来る。また、実施例1と同様に、着色され、かつ光透過性を有した樹脂基材を用いることも可能である。ただし、本実施例3では、各凹レンズを形設することを考慮して樹脂基材220の厚みを決定する必要がある。
凹レンズ230は、第一の樹脂基材220の裏面に設けられた略半球形状の凹レンズであり、第一の樹脂基材220の裏面の中央の一部に設けられた平滑部240を除いた範囲に、規則的に配列されている。
凹レンズ230のレンズの種類、レンズ径および配列規則は、後述する第二レンズプレートに形設された凹レンズ232を立体的に見せることが出来れば、所望の形状のレンズを選択することができる。ただし、本実施例3では、第一レンズプレートと第二レンズプレートのレンズが設けられている面を接合する構成であるため、レンズを凸レンズとすると第一レンズプレートと第二レンズプレートを接合することは出来ない。したがって、本実施例では凹レンズを採用する必要があるが、第一レンズプレートと第二レンズプレートの間に適度な隙間を有するように構成すれば、凸レンズを採用することも可能である。
凹レンズ232は、第二の樹脂基材222の裏面に設けられたレンズであり、第二の樹脂基材222の裏面の中央の一部に設けられた平滑部242を除いた範囲に、規則的に配列されている。凹レンズ232のレンズの種類、レンズ径および配列規則は、第一レンズプレートの表面から見たときに凹レンズ232を立体的に視認することが出来れば、所望の形状のレンズを採用することができる。ただし、凹レンズ230と同様に、レンズを凸レンズとすると第一レンズプレートと第二レンズプレートを接合することが出来ないため、本実施例では凹レンズを採用することが望ましいが、第一レンズプレートと第二レンズプレートの間に、適度な隙間を有するように構成したときは、凸レンズを採用することも考えられる。また、本実施例では凹レンズ232を採用しているが、表面から立体像を視認できれば特にレンズ機能を有していなくともよく、例えば凹彫刻を設けた構成とすることも可能である。
平滑部240は、第一レンズプレートの凹レンズの設けられた裏面の中央の一部に設けた、レンズを形設しない範囲である。本実施例では、第一の樹脂基材220のレンズを形設した面の中心部分の四辺形の範囲に設けられている。また、平滑部242は、第二の樹脂基材222の裏面の一部に設けられた、レンズを配設していない部分である。本実施例では、第二の樹脂基材222の中心部分に設けられた四辺形の範囲であり、第一の樹脂基材220に設けられた平滑部240に相応する範囲に、平滑部240と同様の四辺形形状の範囲で設けられている。
なお、本実施例の平滑部240は、薄型フィルムを収容可能な凹形状に形成して薄型フィルム挟設用のスペースを設けているが、薄型フィルムを挟設しない場合は凹部を設ける必要はない。また、本実施例では第一レンズプレート側の平滑部240を凹形状にしているが、第二レンズプレート側の平滑部242側を凹形状としても薄形フィルムを挟設する目的を果たすことができ、適宜選択することができる。
薄型フィルム250は、光透過性を有した樹脂製の薄型のシートである。この実施例は、樹脂基材の平滑部と同様の形状の透明シートの表面に文字、記号、標章または絵を印刷し、第一レンズプレート210と第二レンズプレート212の間に、平滑部と対応する位置に挟設した構成である。薄型フィルム250には文字、記号、標章または絵など、所望のデザインを印刷することが出来る。また、光透過性を有した絵などにすることも考えられる。
実施例3の薄型フィルムは、文字、記号、標章または絵を印刷した構成であるが、第一レンズプレート210と第二レンズプレート212に挟むことが可能なシートであれば、所望の薄型フィルムを使用することが出来る。また、実施例3では平滑部と同様の形状の薄型フィルムを用いているが、第一レンズプレートおよび第二レンズプレートと同様のサイズの薄型フィルムを用いることも考えられる。例えば、単に着色された薄型フィルムを用いれば、無色透明な樹脂基材を用いても、様々なカラーバリエーションの立体装飾体を提供することが可能である。
なお、本実施例では、薄型フィルムを第一レンズプレートと第二レンズプレートに挟装する構成としているが、各レンズプレートの平滑部に直接印刷することも考えられる。しかし、レンズが形設されたレンズプレートは平滑ではないため、直接印刷するのは困難であり、本実施例3のように薄型フィルムに印刷して挟装させる構成とすることが望ましい。
また、本実施例の薄型フィルムを設けないで、第一レンズプレートまたは第二レンズプレートの平滑部に文字または記号、標章を刻設した構成とすることも可能である。文字または記号、標章は、金型による成形時に同時に成形される構成とすることも出来るし、成形後に彫刻することも考えられる。また、第一レンズプレートおよび第二レンズプレートのどちらにも設けることが可能であり、どちらか片方、もしくは両方に設けた構成とすることも可能である。
なお、本発明の立体装飾体は、CDやDVDなどのケース、遊戯機の装飾、文具等の事務用品、名刺等のネームプレート、家具の装飾、店頭ディスプレイ、建物の装飾、表札等の他、様々な用途に使用することが考えられる。また、従来のレンチキュラーレンズを用いた立体装飾体とは異なって、装飾体を回転させても立体像を視認できる特徴を有するので、モータ等の駆動装置により立体装飾体を回転させたディスプレイに用いることも考えられる。さらに、本実施例の3の装飾体は、第一レンズプレートまたは第二レンズプレートのどちらかを固定し、もう一方を駆動装置等で動作させれば、動的に変化する立体像を有した立体装飾体を提供することも可能である。
(a)本実施例の1のレンズプレートの平面図(b)本実施例の1のレンズプレートの正面図 本実施例の2の立体装飾体の断面図 本実施例の3の立体装飾体の断面図
符号の説明
10 レンズプレート
20 樹脂基材
30 レンズ
110 実施例2の立体装飾体(レンズプレート)
120 樹脂基材
130 凸レンズ
132 凹レンズ
200 実施例3の立体装飾体
210 第一レンズプレート
212 第二レンズプレート
220 第一レンズプレートの樹脂基材
222 第二レンズプレートの樹脂基材
230 第一レンズプレートの樹脂基材の凹レンズ
232 第二レンズプレートの樹脂基材の凹レンズ
240 第一レンズプレートの樹脂基材の平滑面
242 第二レンズプレートの樹脂基材の平滑面
250 薄型フィルム

Claims (6)

  1. 光透過性を有する平板状の樹脂基材の表面および/または裏面に、略半円球形状またはダイヤ形状の複数の凸レンズまたは凹レンズまたは凹彫刻を配設したレンズプレートであって、射出成形用の金型にレンズプレートの凸凹形状に対応する凹凸形状を設け、該凹凸形状の設けられたキャビティ内に樹脂材料を射出充填し、冷却・固化することにより射出成形により形成したレンズプレートを用いた立体装飾体において、
    表面側から樹脂基材を見たときに裏面のレンズまたは彫刻の模様が拡大されて立体的に視認できるように、前記樹脂基材の表面に複数の凸レンズまたは凹レンズを形設するともに、裏面に凸レンズまたは凹レンズまたは凹彫刻を形設したことを特徴とするレンズプレートを用いた立体装飾体
  2. 光透過性を有する平板状の樹脂基材の表面および/または裏面に、略半円球形状またはダイヤ形状の複数の凸レンズまたは凹レンズまたは凹彫刻を配設したレンズプレートであって、射出成形用の金型にレンズプレートの凸凹形状に対応する凹凸形状を設け、該凹凸形状の設けられたキャビティ内に樹脂材料を射出充填し、冷却・固化することにより射出成形により形成したレンズプレートを用いた立体装飾体において、
    樹脂基材の表面または裏面に複数の凸レンズまたは凹レンズを形設した第一レンズプレートと、該第一レンズプレートの面に接する面に凹レンズまたは凹彫刻を設けた第二レンズプレートとを向かい合わせに接合し、第一レンズプレート側から見たときに第二レンズプレートの凹レンズまたは凹彫刻の模様が拡大されて立体的に視認できることを特徴とするレンズプレートを用いた立体装飾体
  3. 前記請求項2記載のレンズプレートを用いた立体装飾体は、中央部と周囲のレンズの立体感の差による装飾効果を得るために、第一レンズプレートのレンズの設けられた面の中央の一部と、第二レンズプレートのレンズまたは彫刻の設けられた接合面の相応する中央の一部に、レンズを設けない平滑部を設けたことを特徴とする前記請求項記載のレンズプレートを用いた立体装飾体
  4. 前期請求項3記載のレンズプレートを用いた立体装飾体は、第一レンズプレートの平滑部、および/または第二レンズプレートの接合面の平滑部に、装飾のための文字または記号、標章を刻設したことを特徴とする前記請求項記載のレンズプレートを用いた立体装飾体
  5. 前記請求項3乃至4記載のレンズプレートを用いた立体装飾体は、第一レンズプレートの平滑部及び第二レンズプレートの接合面の平滑部に、装飾のための文字または記号、標章、絵を印刷した薄型フィルムを挟装したことを特徴とする前記請求項3乃至4記載のレンズプレートを用いた立体装飾体
  6. 前記樹脂基材は、着色され、かつ光透過性を有した樹脂素材からなることを特徴とする前記請求項1乃至5記載のレンズプレートを用いた立体装飾体
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