JP5689412B2 - コード化された異種機能性縫合糸及び方法 - Google Patents

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Description

(発明の分野)
本発明は、一般的に外科手順用フィラメント、外科手順用フィラメントの製造方法、及びその使用に関する。
(発明の背景)
縫合糸、ステープル及びタック等の創傷閉鎖デバイスは、ほんの数例を挙げれば、創傷を閉鎖するため、外傷性傷害若しくは欠損を修復するため、組織を結合する(切断された組織を接近させる、解剖学的空間を閉鎖する、単一又は複数の組織層を貼り合わせる、2つの中空/管腔構造間に吻合を生じさせる、組織を隣接させる、組織をその正しい解剖学的位置に取り付けるか又は再び取り付ける)ため、異質要素を組織に取り付ける(医療インプラント、デバイス、プロステーシス及び他の機能性又は支持性デバイスをくっつける)ため、及び組織を新しい解剖学的位置に再配置する(修復、組織挙上、組織移植及び関連手順)ためヒト及び動物の表面及び深部外科手順で広く使用されている。
縫合糸は創傷閉鎖デバイスとして使用されることが多い。縫合糸は、典型的に先鋭な針に取り付けられたフィラメント状縫合スレッドから成る。縫合スレッドは、生体吸収性(すなわち、体内で経時的に完全に分解する)又は非吸収性(永続的:非分解性)材料を含めた種々多様の材料から作製され得る。吸収性縫合糸は、縫合糸の除去が修復を危うくする状況又は創傷治癒が完了した後に自然の治癒プロセスが、縫合糸材料によって与えれる支持を不要にする状況で(例えば、複雑でない皮膚閉鎖を完了するときのように)特に有用であることが分かっている。非分解性(非吸収性)縫合糸は、治癒が長期化すると予想されるか又は縫合糸材料が創傷に物理的支持を与えるために長時間必要である創傷で(例えば、深部組織修復、高張力創傷、多くの整形外科的修復及びいくつかのタイプの外科的吻合術におけるように)使用される。また、種々多様の外科針が利用可能であり、針本体の形状とサイズ及び針先端のコンフィギュレーションは典型的に特定用途の必要性に基づいて選択される。
普通の縫合糸を使用するため、縫合糸針を創傷の片側の所望組織に通して進めてから創傷の隣側に進める。次に縫合糸を「ループ」の形にして、縫合糸内に結び目を作って創傷を閉じておくことによって完了する。結び目を作るには時間がかかり、かつ一連の面倒な事態、例えば限定するものではないが、(i)スピッティング(spitting)(皮下閉鎖後に縫合糸、通常は結び目が皮膚を押す状態)、(ii)感染(結び目によって生じた空間に細菌が付着して増殖することが多い)、(iii)バルク/塊(創傷内に残った有意量の縫合糸材料は結び目を含む部分である)、(iv)滑り(結び目が滑るか又はほどけてしまうことがある)、及び(v)刺激(結び目は創傷内のバルク「遺物」として働く)などを引き起こす。糸結びに伴う縫合糸ループは、虚血(結び目が張力点を生じさせて、組織を絞扼してその領域への血流を制限することがある)及び手術創傷における離開又は破裂のリスク上昇をもたらし得る。糸結びは労働集約的でもあり、手術創傷を閉じるのに費やされる時間のかなりの割合を構成し得る。追加の手術手順時間は患者にとって悪いばかりでなく(麻酔下で費やされる時間と共に面倒な事態が起きる率が上昇する)、手術の全体的費用をも増加させる(多くの外科手順は、手術時間1分当たり$15〜$30の費用がかかると見積もられる。
留置縫合糸(バーブ付き(barbed)縫合糸を含む)は、多数のリテーナー(retainer)(例えばバーブ(barb))を留置縫合糸が有するという点で通常の縫合糸と異なる。リテーナーは、展開後の組織中に留置縫合糸を固定してリテーナーが面する方向と反対の方向への縫合糸の移動に抵抗することによって、隣接組織を結合するための結び目を作る必要性を排除する(「結び目のない」閉鎖)。バーブを有する結び目のない組織接近デバイスは、以前に例えば、米国特許第5,374,268号明細書(バーブ様突起を有するアーム付きアンカーを開示している)に記載され、バーブ付き側面部材を有する縫合糸アセンブリーは米国特許第5,584,859号及び第6,264,675号明細書に記載されている。縫合糸の大きい部分に沿って配置された多数のバーブを有する縫合糸は、米国特許第5,931,855号明細書(単方向性バーブ付き縫合糸を開示する)、及び米国特許第6,241,747号(双方向性バーブ付き縫合糸を開示する)に記載されている。縫合糸上にバーブを形成するための方法及び装置は、例えば、米国特許第6,848,152号明細書に記載されている。また、創傷閉鎖用の留置システムは、創傷縁のより良い接近をもたらし、創傷の長さに沿って一様に張力を分布し(破壊し得るか又は虚血につながり得る張力の領域を減らす)、創傷内に残存する縫合糸材料のバルクを減らし(結び目を排除することによって)、かつスピッティング(縫合糸材料、典型的に結び目が皮膚の表面を押すこと)を減らす。これらの全ての特徴が瘢痕を減らし、美容術を改善し、かつ単純な縫合糸又はステープルを用いた創傷閉鎖に比べて創傷強度を高めると考えられる。従って、留置縫合糸は糸結びを回避するので、該縫合糸により患者は改善された臨床結果を体験することができ、かつ拡張手術及び追跡治療に伴う時間と費用を節約することもできる。全体を通じて特定される全ての特許、特許出願及び特許公報は、参照によってその全体が本明細書に援用される。
結び目によって縫合糸に張力を加えない場合でさえ、組織を適所に固定かつ保持する留置縫合糸の能力は、単純な縫合糸を超えた優位性をも提供するという特徴である。張力を受けている創傷を閉鎖する場合、いくつかの点でこの利益が自ずと現れる:(i)別々の点に張力を集中させる、結び目で中断された縫合糸とは対照的に、留置縫合糸は、縫合糸の全長に沿って張力を消散させ得る複数のリテーナーを有する(数百の「アンカー」点ならば、優れた美容上の結果をもたらし、かつ縫合糸が「滑る」か又は貫入する機会を減らす);(ii)中断された縫合糸で達成し得るより高い精度と正確さで均一様式で複雑な創傷形状(円形、弓形、ギザギザの縁)を閉じることができる;(iii)伝統的な縫合及び糸結び中に創傷を横断する張力を維持するために必要なことが多い(糸結び中に張力が直ちに解放されるときの「滑り」を防止するため)、「第3の手」の必要性を留置縫合糸は排除する;(iv)留置縫合糸は、深部創傷におけるような糸結びが技術的に困難な場合の手順又は腹腔鏡下/内視鏡下手順において優れている;及び(v) 最終的閉鎖前に、留置縫合糸を用いて創傷を接近させて保持することができる。結果として、留置縫合糸は、解剖学的にタイト又は深い場所(例えば骨盤、腹部及び胸部)で簡単に取扱うことができ、かつ腹腔鏡下/内視鏡下で組織を容易に近接させることができ、侵襲的手順を最小限にし;全て結び目によって閉鎖を確保する必要がない。より複雑な閉鎖(例えば、直径が一致しない場合、より大きい欠損又は巾着縫合(purse string suturing)による閉鎖など)のため、単純な縫合糸で達成できるより高い正確さで留置縫合糸を使用することができる。
留置縫合糸は、縫合スレッドの長さに沿って一方向に向けられた1つ以上のリテーナーを有する単方向性であってよく;或いは典型的に縫合スレッドの一部に沿って一方向に向けられた1つ以上のリテーナーを有し、次に該スレッドの異なる部分上の別(多くの場合、反対)方向に向けられた1つ以上のリテーナーを有する双方向性であってよい(米国特許第5,931,855号及び第6,241,747号明細書にバーブ付きリテーナーと共に記載されているように)。いずれの数の連続的又は間欠的コンフィギュレーションのリテーナーも可能であるが、一般的形態の双方向性留置縫合糸は、縫合スレッドの一端に針を含み、縫合スレッドには、縫合糸の遷移点(多くの場合、中点)に達するまで、針から「離れて」突出する先端を有するバーブがあり;遷移点で、縫合スレッドの残存長に沿ってバーブのコンフィギュレーションはそれ自体約180°逆転し(今やバーブは反対方向に面するように)、反対端で第2の針に取り付けられる(その結果、縫合糸のこの部分上のバーブも、最も近い針から「離れて」突出する先端を有する)。針から「離れて」突出するとは、バーブの先端がさらに針から離れており、バーブを含む縫合糸の部分が、反対方向より針の方向に組織をより容易に貫入し得ることを意味する。言い換えれば、典型的な双方向性留置縫合糸の両「ハーフ」上のバーブは、中央を向く先端を有し、それらの間に遷移セグメント(バーブを欠いている)が組み入れられ、両端に針が取り付けられている。
(発明の概要)
単方向性及び双方向性留置縫合糸の利点の多さにもかかわらず、種々の制限を排除することができ、向上した及び/又はさらなる機能性を与えるように、縫合糸の設計について改良する必要性が残っている。
一態様により、本発明は、異なる特徴を備えた縫合フィラメントのセクションを有する異種機能性(heterofunctional)縫合糸及び留置縫合糸を提供する。
別の態様により、本発明は、異なる特徴を有する縫合フィラメントのセクションの同定及び差別化を促進するため、付随する可視/認識可能徴候を有する異種機能性縫合糸及び留置縫合糸を提供する。
別の態様により、本発明は、異なる特徴を有する縫合フィラメントのセクションの同定及び差別化を促進するため、付随する機械可読徴候を有する異種機能性縫合糸及び留置縫合糸を提供する。
別の態様により、本発明は、張力のような、縫合フィラメントの状態を示す、付随する可視又は機械可読徴候を有する縫合糸及び留置縫合糸を提供する。
別の実施形態により、本発明は、異種機能性縫合糸であって、該縫合糸及び/又は該縫合糸のセクションの特徴若しくは状態を示す機械可読標識を有する異種機能性縫合糸を提供する。
別の実施形態により、本発明は、異種機能性縫合糸であって、該縫合糸及び/又は該縫合糸のセクションの特徴若しくは状態を示す、非光学手段によって読むことができる標識を有する異種機能性縫合糸を提供する。
別の実施形態により、本発明は、異種機能性縫合糸であって、該縫合糸及び/又は該縫合糸のセクションの特徴若しくは状態を示す活性標識を有する異種機能性縫合糸を提供する。
特定の実施形態によれば、標識された異種機能性縫合糸が双方向性留置縫合糸である。
他の実施形態により、本発明は、上記縫合糸とともに使用するための方法及び装置を提供する。
1つ以上の実施形態の詳細を以下の説明で述べる。他の特徴、目的及び利点は、下記説明、図面、及び特許請求の範囲から明白であろう。さらに、本明細書で引用した全ての特許及び特許出願の開示は、参照によってその全体が本明細書に援用される。
(図面の説明)
本発明の特徴、その性質及び種々の利点は、添付図面及び種々の実施形態の下記詳細な説明から明白であろう。
本発明の実施形態の双方向性留置縫合糸の斜視図である。 図1Aの縫合糸の部分拡大図である。 図1Aの縫合糸の部分拡大図である。 図1Aの縫合糸の部分拡大図である。 本発明によって解決される問題を実証するための双方向性留置縫合糸の内視鏡図を示す。 本発明の実施形態による異なる特徴を有する2つ以上のセクションを有する異種機能性縫合糸の例を示す。 本発明の実施形態による異なる特徴を有する2つ以上のセクションを有する異種機能性縫合糸の例を示す。 本発明の実施形態による異なる特徴を有する2つ以上のセクションを有する異種機能性縫合糸の例を示す。 本発明の実施形態による異なる特徴を有する2つ以上のセクションを有する異種機能性縫合糸の例を示す。 本発明の実施形態の図2Bの異種機能性縫合糸のような異種機能性縫合糸の適用例を示す。 本発明の実施形態の図2Bの異種機能性縫合糸のような異種機能性縫合糸の適用例を示す。 本発明の実施形態による異なる特徴を有する縫合糸の1つ以上のセクションに付随し得る縫合糸標識の例を示す。 本発明の実施形態による異なる特徴を有する縫合糸の1つ以上のセクションに付随し得る針及び綿撒糸標識の例を示す。 本発明の実施形態による、縫合糸の状態、例えば張力を示すため、縫合糸に付随し得る縫合糸標識及び針標識の例を示す。 本発明の実施形態の縫合糸の特徴及び/又は状態を示すため縫合糸の1つ以上のセクションに付随し得る活性縫合糸標識の例を示す。 本発明の実施形態の縫合糸の不変特徴又は状態を示すため縫合糸の1つ以上のセクションに付随する機械可読縫合糸標識及び針標識を利用できる内視鏡システムを示す。 本発明の実施形態の縫合糸の不変特徴又は状態を示すため縫合糸に付随する機械可読縫合糸標識及び針標識を利用できるビデオスコープ(videoscopic)システムの操作の工程を示すフローチャートを示す。 本発明の実施形態の縫合糸標識から導かれた縫合糸情報で増大されたビデオディスプレイの例を示す。 遷移セグメント変形を有する本発明の留置縫合糸の部分正面図である。 遷移セグメント窪みを有する本発明の留置縫合糸の部分正面図である。 遷移セグメント窪みを有する本発明の留置縫合糸の部分正面図である。 遷移セグメントレリーフ形態を有する本発明の留置縫合糸の部分正面図である。 遷移セグメントレリーフ形態を有する本発明の留置縫合糸の部分正面図である。
(発明の説明)
(定義)
以後使用し得る特定用語の定義として、以下のものが挙げられる。
「留置システム」は、縫合糸を組織中に展開するためのデバイスと共に留置縫合糸を表す。このような展開デバイスとしては、限定ではなく、縫合針及び他の展開デバイス並びに縫合糸自体にある、組織を貫入するのに十分堅くかつ鋭い端部が挙げられる。
「留置縫合糸」は、結び目又は縫合糸アンカーを必要とせずに組織と係合するため縫合フィラメント上に特徴を含む縫合糸を表す。
「組織リテーナー」(又は単に「リテーナー」)又は「バーブ」は、機械的に組織と係合し、かつ少なくとも一方の軸方向への縫合糸の移動に抵抗するようになっている、縫合フィラメントの物理的特徴を表す。例の目的のみでは、組織リテーナー又はリテーナーとして、フック、突起、バーブ、ダート(dart)、伸長、膨隆(bulge)、アンカー、隆起、距状突起(spur)、瘤(bump)、先端(point)、歯(cog)、組織係合体(tissue engager)、牽引デバイス、表面粗さ、表面不規則さ、表面欠陥、エッジ、ファセット等が挙げられる。一定のコンフィギュレーションでは、組織リテーナーは、組織と係合して、医師が組織中に縫合糸を展開する(実質的に展開方向の方を向くように方向づけることによって)方向以外の方向への縫合糸の移動に抵抗するようになっている。一部の実施形態では、リテーナーは、展開方向に引かれると平らに横たわり、展開方向と反対の方向に引かれると開く又は「扇形に広がる(fan out)」。各リテーナーの組織貫入端は、展開中に組織を進むときは展開方向から見て外方に向いているので、この段階では組織リテーナーは組織を捕らえず、又はつかまないはずである。留置縫合糸が展開されたらすぐに、別の方向(多くの場合、展開方向の実質的に反対)に及ぼされた力が、リテーナーを展開位置から動かし(すなわち、実質的に縫合糸本体に沿って静止する)、周囲組織を捕らえて中に貫入するように、縫合糸本体からリテーナー端部を開かせ(又は「扇形に広げさせ」)、結果としてリテーナーと縫合糸本体との間に組織を捕らえることになり;これによって留置縫合糸を適所に「固定し」又は取り付ける。一定の他の実施形態では、扇形に広げ又は展開することなく、一方向への縫合糸の動きを許容し、別の方向への縫合糸の移動に抵抗するように組織リテーナーを構成してよい。一定の他のコンフィギュレーションでは、組織リテーナーを他の組織リテーナーと共に構成するか又は併用して、両方向への縫合フィラメントの動きに抵抗するようにし得る。典型的に該リテーナーを有する縫合糸は、縫合糸が所望位置になるまでリテーナーと組織との間の接触を防止するカニューレ等のデバイスを介して展開される。
「リテーナーコンフィギュレーション」は、組織リテーナーのコンフィギュレーションを表し、サイズ、形状、可撓性、表面特性等のような特徴を包含し得る。これらを「バーブコンフィギュレーション」と称することもある。
「双方向性縫合糸」は、一端に一方向に向けられたリテーナーを有し、かつ他端に他方向に向けられたリテーナーを有する留置縫合糸を表す。双方向性縫合糸は、典型的に縫合スレッドの各端部に針を装備している。多くの双方向性縫合糸は、2つのバーブ方向間に位置する遷移セグメントを有する。
「遷移セグメント」は、一方向に向けられた第1セットのリテーナー(バーブ)と別方向に向けられた第2セットのリテーナー(バーブ)との間に位置する、双方向性縫合糸のリテーナーのない(バーブのない)部分を表す。遷移セグメントは、留置縫合糸の略中央にあってよく、或いは留置縫合糸の一端に近くて、非対称留置縫合糸システムを形成してもよい。
「縫合スレッド(suture thread)」は、縫合糸のフィラメント状体成分を表す。縫合スレッドはモノフィラメントであってよく、編み縫合糸におけるようにマルチフィラメントを含んでよい。縫合スレッドはいずれの適切な生体適合性材料製であってもよく、かつ、縫合糸の強度、弾力性、長寿命、又は他の品質を増強しようがしなかろうが、或いは組織を結合すること、組織を再配置すること、又は異質要素を組織に取り付けることに加えてさらなる機能を縫合糸に備えさせようがしなかろうが、いずれの適切な生体適合性材料で縫合スレッドをさらに処理してもよい。
「モノフィラメント縫合糸」はモノフィラメント状縫合スレッドを含む縫合糸を表す。
「編み縫合糸」は、マルチフィラメント状縫合スレッドを含む縫合糸を表す。該縫合スレッドのフィラメントは典型的に一緒に編まれ、縒られ、又は織られている。
「分解性縫合糸(「生分解性縫合糸」又は「生体吸収性縫合糸」とも称する)」は、組織内への導入後に分解して生体によって吸収される縫合糸を表す。典型的に、分解プロセスは少なくとも部分的に生体系によって媒介され、或いは生体系内で遂行される。「分解」は、ポリマー鎖がオリゴマー及びモノマーに開裂される鎖切断プロセスを表す。鎖切断は、例えば、化学反応(例えば、加水分解、酸化/還元、酵素メカニズム又はこれらの組合せ)によって、又は熱プロセス若しくは光分解プロセスによってといった種々のメカニズムを介して起こり得る。例えば、浸食及び分解中のポリマー分子量の変化をモニターするゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて、ポリマー分解を特徴づけ得る。分解性縫合糸材料としては、ポリグリコール酸などのポリマー、グリコリドとラクチドのコポリマー、トリメチレンカルボナート及びグリコリドとジエチレングリコールのコポリマー(例えば、MAXONTM, Tyco Healthcare Group)、グリコリド、トリメチレンカルボナート、及びジオキサンで構成されるターポリマー(例えば、BIOSYNTM [グリコリド(60%)、トリメチレンカルボナート(26%)、及びジオキサン(14%)], Tyco Healthcare Group)、グリコリド、カプロラクトン、トリメチレンカルボナート、及びラクチドのコポリマー(例えば、CAPROSYNTM, Tyco Healthcare Group)が挙げられる。溶解性縫合糸は、部分脱アセチル化ポリビニルアルコールをも包含し得る。分解性縫合糸で使うのに適したポリマーは、線形ポリマー、分岐ポリマー又は多軸ポリマーであってよい。縫合糸で使用する多軸ポリマーの例は、米国特許出願公開第20020161168号、第20040024169号、及び第20040116620号に記載されている。分解性縫合糸材料製の縫合糸は、該材料が分解するにつれて引張り強さを失う。分解性縫合糸は、編みマルチフィラメント形態又はモノフィラメント形態のいずれであってもよい。
「非分解性縫合糸(「非吸収性縫合糸」とも称する)は、化学反応プロセス(例えば、加水分解、酸化/還元、酵素メカニズム又はこれらの組合せ)等の鎖切断によって又は熱プロセス若しくは光分解プロセスによって分解されない材料を含む縫合糸を表す。非分解性縫合糸材料としては、ポリアミド(ナイロン、例えばナイロン6及びナイロン6.6としても知られる)、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタラート)、ポリテトラフルオロエチレン(例えば、延伸(expanded)ポリテトラフルオロエチレン)、ポリエーテル-エステル、例えばポリブテステル(polybutester)(ブチレンテレフタラートとポリテトラメチレンエーテルグリコールのブロックコポリマー)、ポリウレタン、合金、金属(例えば、ステンレス鋼線材)、ポリプロピレン、ポリエチレン、絹、及び綿が挙げられる。非分解性縫合糸材料製の縫合糸は、縫合糸が永続的に残留するように意図されているか又は生体から物理的に除去されるように意図されている用途に適している。
「縫合糸径」は、縫合糸本体の直径を意味する。当然のことながら、本明細書に記載の縫合糸では種々の縫合糸長を使用してよく、かつ用語「直径」は円周と関連づけられることが多いが、本明細書では、いずれの形状の周囲と関連する断面寸法をも示すものと解釈すべきである。縫合糸の寸法は直径に基づく。縫合糸サイズの米国薬局方(「USP」)記号表示は、より大きい範囲では0〜7の値をとり、より小さい範囲では1-0〜11-0の値をとり;より小さい範囲では、ハイフンで結んだゼロに先行する値が高いほど、縫合糸径が小さい。縫合糸の実直径は縫合糸材料によって決まるので、例として、サイズ5-0かつコラーゲン製の縫合糸は0.15mmの直径を有し、一方、同じUSPサイズ記号表示を有するが合成吸収性材料又は非吸収性材料製の縫合糸はそれぞれ0.1mmの直径を有するであろう。特定の目的のための縫合糸サイズの選択は、縫合すべき組織の性質及び美容上の関心事の重要性などの要因によって決まり;より小さい縫合糸は、密接した手術部位により容易に通して操作し得るし、付随する瘢痕がより小さいが、所定材料製の縫合糸の引張り強さは、サイズが小さくなるにつれて減少する傾向がある。当然のことながら、本明細書で開示する縫合糸及び縫合糸の製造方法は、限定ではなく、7、6、5、4、3、2、1、0、1-0、2-0、3-0、4-0、5-0、6-0、7-0、8-0、9-0、10-0及び11-0などの種々の直径に適している。
「針取付け」は、組織中に展開するために針が必要な縫合糸に針を取り付けることを表し、例えば、圧着する、スウェージ加工する(swaging)、接着剤を利用する等の方法が挙げられる。圧着、スウェージ加工及び接着剤などの方法を利用して縫合針に縫合スレッドを取り付ける。縫合糸及び外科用針の取付けは、米国特許第3,981,307号、第5,084,063号、第5,102,418号、第5,123,911号、第5,500,991号、第5,722,991号、第6,012,216号、及び第6,163,948号、並びに米国特許出願公開第US2004/0088003号の各明細書に記載されている。針への縫合糸の取付け点は、スウェージ(swage)として知られる。
「縫合針」は、組織中に縫合子を展開するために使用する針を指し、多くの異なる形状、形態及び組成で提供される。2つの主要タイプの針、すなわち外傷性針と非外傷性針がある。外傷性針は導管又は穿孔端(drilled end)(すなわち、穴又は目)を有し、縫合スレッドとは別に供給され、現場で糸が通される。非外傷性針は目がなく、工場でスウェージ加工するか又は縫合糸材料を針の平滑末端で導管内に挿入してから縫合糸と縫合針を一緒に保持するための最終形状に変形させる他の方法によって縫合糸に取り付けられる。非外傷性針は、それ自体、現場では糸を通すための余分な時間が不要であり、針取付け部位の縫合糸端は針本体より一般的に小さい。外傷性針では、両側の針穴から糸が出てきて、多くの場合、縫合糸が組織を通過するときに縫合糸が組織をある程度まで引き裂く。最新の縫合糸は、スウェージ加工された非外傷性針である。非外傷性針を縫合糸に永続的にスウェージ加工してよく、或いは鋭くまっすぐに強く引くと縫合糸から外れるように設計してよい。中断(interrupted)縫合糸ではこれらの「ポップオフ(pop-off)」が一般的に利用され、この場合、各縫合糸を一回だけ通してから結ぶ。中断されないバーブ付き縫合糸では、これらの非外傷性針が好ましい。
縫合針を針の先又は先端の形状に応じて分類することもできる。例えば、針は、(i)「テーパー付き」(そのため針本体は円形であり、かつ先端に向かって滑らかに先細になる);(ii)「切削」(そのため針本体は三角形であり、かつ尖った切削縁が内側にある);(iii)「逆切削」(そのため切削縁が外側にある);(iv)「外套針先端」又は「テーパーカット」(そのため針本体は円形であり、先細であるが、小さい三角形の切削先端となる);(v)脆弱な組織を縫うための「平滑」先端;(vi)「側面切削」又は「スパチュラ先端」(そのため針は上下に平坦であり、一方の側への前面に沿って切削縁がある(これらは典型的に眼科手術のために使用される))であり得る。
縫合針はいくつかの形状のものでもよく、(i)直線、(ii)半湾曲又はスキー板、(iii)1/4円、(iv)3/8円、(v)1/2円、(vi)5/8円、及び(v)複合曲線が挙げられる。
縫合針は、例えば、米国特許第6,322,581号明細書及び第6,214,030号明細書(Mani, Inc., Japan);及び第5,464,422号明細書(W.L. Gore, Newark, DE);及び第5,941,899号明細書;第5,425,746号明細書;第5,306,288号明細書及び第5,156,615号明細書(US Surgical Corp., Norwalk, CT);及び第5,312,422号明細書(Linvatec Corp., Largo, FL);及び第7,063,716号明細書(Tyco Healthcare, North Haven, CT)に記載されている。他の縫合針は、例えば、米国特許第6,129,741号明細書;第5,897,572号;第5,676,675号明細書;及び第5,693,072号明細書に記載されている。種々の針のタイプ(限定ではなく、湾曲、直線、長い、短い、微小などが挙げられる)、針の切削面(限定ではなく、切削、テーパー付き等が挙げられる)、及び針の取付け手法(限定ではなく、穿孔端、圧着などが挙げられる)を利用して、本明細書に記載の縫合糸を展開することができる。さらに、本明細書に記載の縫合糸自体が、展開針の必要性を全くなしで済ますのに十分に堅くかつ鋭い端部を含んでもよい。
「針径」は、縫合糸展開針の、当該針の最も広い点の直径を表す。用語「直径」は円周に関連する場合が多いが、本明細書では、当然のことながら、いずれの形状の外周に関連する断面寸法をも示す。
「アーム付き縫合糸」は、少なくとも一方の縫合糸展開端部に縫合針を有する縫合糸を表す。「縫合糸展開端部」は、縫合糸の、組織中に展開される端部を指し;縫合糸の一方又は両方の端部が縫合糸展開端部であり得る。縫合糸展開端部を縫合針などの展開デバイスに取り付けてよく、或いは縫合糸展開端部自体が組織に貫入するのに十分に鋭くかつ堅くてもよい。
「創傷閉鎖」は、創傷を閉じるための外科手順を表す。傷害、特に皮膚又は別の外面若しくは内面が、切断され、裂かれ、突き刺され、又は他のやり方で破壊された場合の傷害が創傷として知られる。創傷は、一般的にいずれの組織の完全性が損なわれた場合にも生じる(例えば、皮膚が破壊又は焼灼し、筋肉が裂け、又は骨折する)。銃撃、落下、又は外科手順などの作用によって;感染症によって;又は根底にある医学的状態によって、創傷が生じることもある。外科的創傷閉鎖は、組織が裂かれ、切断され、又は他のやり方で分離された当該創傷の縁を繋ぎ、又は密接に近づけることによって、治癒という生物学的事象を促進する。外科的創傷閉鎖は組織層を直接並置するか又は近づけて、創傷の2つの縁間の間隙を架橋するために必要な新組織形成量を最小限にするのに役立つ。閉鎖は、機能的及び審美的の両目的に役立ち得る。これらの目的には、皮下組織を近づけることによる死腔の排除、慎重な表皮アラインメントによる瘢痕形成の最小化、及び皮膚縁の正確な外返しによる陥没瘢痕の回避が含まれる。
「組織挙上手順」は、より低い高度からより高い高度に組織を再配置する(すなわち、組織を重力の方向と反対の方向に移動する)外科手順を表す。顔の保持靱帯は、顔の軟組織を正常な解剖学的位置で支持する。しかし、年齢とともに、重力作用及び組織量の減少が組織に下方牽引をもたらし、表層及び深部の顔筋膜間の平面内に脂肪が下降し、ひいては顔の組織をたるませる。フェースリフト(face-lift)手順は、これらのたるみ組織を持ち上げるように設計され、組織挙上手順として知られるさらに一般的分類の医療手順の一例である。さらに一般的に、組織挙上手順は、経時的な加齢及び重力の作用、並びに遺伝作用のような組織をたるませる他の一時的作用に起因する外観の変化を逆転させる。挙上せずに組織を再配置することもできることに留意すべきであり;手順によっては、対称性を回復させるため、組織を外側に(正中線から離して)、内側に(正中線に向けて)又は下方に(降下)再配置する(すなわち、体の左右を「調和させる」ように再配置する)。
「医療デバイス」又は「インプラント」は身体機能を回復させ、疾患に伴う症状を軽減/緩和し、及び/又は損傷若しくは罹病器官及び組織を修復及び/又は交換する目的で体内に置くいずれの物体をも表す。一般的に、外来性である生体適合性合成材料(例えば、医療グレードステンレススチール、チタン及び他の金属又はポリマー、例えばポリウレタン、シリコン、PLA、PLGA及び他の材料)で構成されるが、動物(例えば、全動物器官のような「異種移植片」;心臓弁のような動物組織;天然に存在するか又は化学修飾分子、例えばコラーゲン、ヒアルロン酸、タンパク質、炭水化物その他)由来、ヒトドナー(例えば全器官のような「同種移植片」;骨移植片、皮膚移植片その他のような組織)由来、又は患者自身(例えば、伏在静脈移植片、皮膚移植片、腱/靱帯/筋肉移植片のような「自家移植片」)由来の材料を包含する医療デバイス及びインプラントもある。本発明とともに手順で使用できる医療デバイスとして、限定するものではないが、整形用インプラント(人工関節、靱帯及び腱;スクリュー、プレート、及び他の移植可能ハードウェア)、歯科インプラント、血管内インプラント(動脈及び静脈血管バイパス移植片、血液透析接続移植片;自家性と合成の両方)、皮膚移植片(自家性、合成)、チューブ、ドレイン、移植可能組織充填剤(bulking agent)、ポンプ、シャント、シーラント、外科用メッシュ(例えば、ヘルニア修復メッシュ、組織スキャフォールド)、フィステル(fistula)処置、脊髄インプラント(例えば、人工椎間板、脊椎固定デバイス等)などが挙げられる。
(標識された異種機能性縫合糸)
上述したように、本発明は、種々の制限を排除し、かつ増強された及び/又は追加の機能性を提供する、外科手順における縫合糸、異種機能性縫合糸及び留置縫合糸を製造する組成物、コンフィギュレーション、方法及びそれらの使用方法を提供する。本明細書で使用する場合、異種機能性縫合糸は、縫合フィラメントの2つ以上の機能的に別個のセクション(フィラメントのセクションは異なる特徴を有する)を有する縫合糸である。異種機能性縫合糸は、例としてのみ挙げると針のような、フィラメントのセクションに付随するデバイスが異なる特徴を有する、2つ以上のセクションを有する縫合糸をも包含し得る。本明細書で使用する場合、用語「特徴」を用いて、縫合糸の不変特性、例えば材料、リテーナーの方向性、公称直径、針コンフィギュレーションなどを表す。用語「状態」を用いて、縫合フィラメントの可変特性、例えば張力、温度などを表す。用語「特性」を用いて、縫合糸の特徴(不変特性)と状態(可変特性)の両者を包含する。異種機能性縫合糸内の縫合フィラメントの2つ以上のセクションはいずれかの特定の長さである必要はないが、セクションはその特性の差異が該セクションの機能性に影響を与えるのに十分な長さでなければならない。これは典型的に、使用条件下で組織の少なくと1回の通過又は咬合(bite)に十分長い縫合糸の長さを必要とする。典型的に「縫合糸のセクション」は、縫合糸の直径より少なくとも2倍大きい長さ、さらに典型的には縫合糸の直径の3倍又は4倍大きい長さを有する、縫合糸の部分であろう。
特定の実施形態により、本発明は、デュアルアーム縫合糸;トリプルアーム縫合糸;マルチプルアーム縫合糸;異なる特徴を有する、縫合糸の2つ以上のセクションを有する異種機能性縫合糸;各端部に異なるタイプ(又はサイズ)の針を有するデュアルアーム縫合糸;異なる層/深さ及びタイプの組織用のシングル又はデュアルアーム縫合糸;異なる層/深さ及びタイプの組織用の異なる直径を有するフィラメントのセクションを備えたシングル又はデュアルアーム縫合糸;非対称に置かれた遷移セクションを有するデュアルアーム縫合糸;及びこれらの特徴の2つ以上の組合せを有する縫合糸である、縫合糸及び留置縫合糸を提供する。本発明の特定の実施形態によれば、これらの縫合糸、留置縫合糸及び/又はそのセクションは、標識されず、標識され、或いは1種以上のタイプの標識又は標識の組合せによって差次的に標識され得る。標識された縫合糸の例として、縫合糸の各端部に異なる標識を有するデュアルアーム縫合糸;縫合糸の異なるセクションに異なる標識を有する異種機能性縫合糸;縫合糸のセクション内にリテーナーの存在、非存在及び/又は方向性を示す標識を有する留置縫合糸;各針上に異なる標識を有するデュアルアーム縫合糸;デュアルアーム縫合糸の端部の方向性又は方向を同定するための標識を有するデュアルアーム縫合糸;ロボット支援外科ツールで利用され、内視鏡外科ツールと共に利用される標識を有する縫合糸;縫合糸のタイプと特性を同定し、かつ医師のために当該情報を表示するか又は展開しているときに縫合糸に張力をかけるという点で医師ができることを限定するコンピュータデバイス(コンピュータ支援外科デバイス)内のテーブルから該データを呼び出す標識を有する縫合糸;並びに縫合糸上の応力、歪み及び/又は張力によって、医師に提供される刺激を変える音響若しくは可変音響発生装置又は光若しくは可変光発生装置又は触覚デバイスと組み合わせた標識を有する縫合糸が挙げられる。
外科手順中の医師の縫合糸の使用を容易にするために標識された縫合糸に加えて、本明細書で開示する縫合糸は、異種機能性縫合糸を展開し、外科手順が完了した後に異種機能性縫合糸のセクションを同定するために使用できる標識を備えた縫合糸を包含する。例えば、コンピュータ断層撮影又はコンピュータ体軸断層撮影で検出可能な標識は、患者が外科手順によって治癒した後の縫合糸の位置決めをよく支援することができる。
縫合糸上又は針上又は縫合糸若しくは縫合糸のセクションに付随する別のデバイス上、例えば綿撒糸上に標識を設けてよい。標識としては、限定するものではないが、縫合糸の特徴、例えば材料及び/又は他の不変特性を同定する標識;縫合糸の状態、例えば張力及び/又は他の可変特性を同定する標識;可視光周波数範囲で見える標識;裸眼では見えないが外科使用条件下で可視化される標識;非可視放射線周波数範囲、例えば紫外線又は他の蛍光スペクトルで認識可能な標識;超音波で検出可能な標識;x線で検出可能な標識;磁気共鳴画像法で検出可能な標識;コンピュータ断層撮影(CT)スキャン、又はコンピュータ体軸断層撮影(CAT)スキャンで検出可能な標識;機械可読である標識;遠隔で読める標識;活性標準的である標識;受動的標識(受動的RFID)である標識;LED及び加速度計又は歪みセンサーを含む標識;光源及び縫合糸の状態に応答性のセンサーを含む標識;リテーナーの存在、非存在及び/又は方向性を同定する標識;異なる特徴を有する縫合糸の異なるセクションを同定する標識;縫合糸の応力、歪み及び/又は張力に起因して変色する標識;縫合糸の応力、歪み及び/又は張力に応じて色が混じり合って異なる色を生じさせる交互色の標識;応力及び/又は張力;異なる深さ又は隣り合って置かれた異なる色を備え、縫合糸の応力、歪み及び/又は張力に応じて色が混じり合って異なる色を生じさせる標識;1種以上のパターンを有し、該パターンが互いに干渉しあって縫合糸の応力、歪み及び/又は張力に応じて目に見えるか又は認識できる変化を生じさせる標識;縫合糸本体が応力を受けて伸びているときに顕著な誤整列があるように、伸縮性縫合糸本体と相対的に伸縮性でないリテーナー(いくらか本体から分離されている)の橋渡しをする標識;並びに縫合糸が応力を受けているときに変形するか又はコンフィギュレーションを変える標識;縫合糸が応力を受けているときに針若しくは縫合糸のハウジング又はスリーブ又は穴から伸長する標識;立体/3D画像デバイスで有用な標識が挙げられる。
A. 標識された異種機能性留置縫合糸システム
図1Aは、異種機能性留置縫合糸システム100を示す。留置縫合糸システム100は、留置縫合スレッド102に取り付けられた針110、112を含む。留置縫合スレッド102は、フィラメント120の表面上に分布する複数のリテーナー130を含む。フィラメント120の導入セクション140にはリテーナー130がない。フィラメント120のセクション142には、縫合糸を針110の方向に展開できるが、針112の方向の動きに抵抗するように整えられた複数のリテーナー130がある。遷移セクション144にはリテーナー130がない。セクション146には、縫合糸を針112の方向に展開できるが、針110の方向の動きに抵抗するように整えられた複数のリテーナー130がある。セクション146のリテーナー130はセクション142のリテーナー130より大きい。より大きいリテーナーは、柔らかい及び/又は密度が低い組織をつかむのに小さいリテーナーより適している。フィラメント120の導入セクション148にはリテーナー130がない。
各セクションの長さは、縫合糸を使用するつもりの用途によって変化し、選択し得ることを示すため、各セクション140、142、144、146及び148を分解して示す。例えば、所望により、遷移セクション144を針110又は針112に近く非対称的に位置付けることができる。非対称的に位置付けられた遷移セクション144を有する留置縫合糸は、創傷に沿って反対方向に縫合する必要がある手法において自分の利き手を使用することを好む医師に気に入られるであろう。医師は、創傷の他端より遠い一端から開始して、遷移セクション144から遠くに位置付けられている針で創傷のより長い部分を縫い合わせ得る。これにより医師は自分の利き手を用いて、縫合糸のより長いアームで創傷の大部分を縫い合わせることができる。縫合糸のより長いアームは、遷移セクションと、遷移セクションから遠くに位置付けられている針との間の当該セクションである。
異種機能性留置縫合糸システム100は、異なる機能を有する2つのアームで構成されている。各アームを留置縫合糸システム100のセクションとみなすことができる。留置縫合スレッド102のセクション142とセクション140及び曲がり針110を有する第1アームは、より硬い/高密度の組織に係合するのに適した相対的に小さいリテーナーを有する。留置縫合スレッド102のセクション146とセクション148及び針112を有する第2アームは、より柔らかい/低密度の組織に係合するのに適した相対的に大きいリテーナーを有する。図1Aの留置縫合スレッド102は、縫合糸の各アームが異なる特徴を有するので、異種機能性縫合スレッドである。例えば、前述したように、第1アームは、より硬い/高密度の組織に係合するのに適した相対的に小さいリテーナーを有し、第2アームは、より柔らかい/低密度の組織に係合するのに適した相対的に大きいリテーナーを有する。しかし、手術中、医師が留置縫合糸システム100の一方のアーム又は針を他方のアームと区別すること又は留置縫合スレッド102の一方のアーム又は針を他方のアームと同定かつ区別することは困難であり得る。そこで、本発明の一定の実施形態により、留置縫合糸システム100は、留置縫合糸システムの一方若しくは他方のアーム又は針或いは異種機能性縫合スレッド102のセクションに付随する可視標識を備えることができる。可視標識は、医師が異種機能性留置縫合糸システム100のアーム及び/又は異種機能性縫合スレッド102のセクションを認識かつ区別できるようにする。
図1Bは、セクション142内の留置縫合スレッド102の拡大図を示す。図1Bに示すように、複数のリテーナー130がフィラメント120の表面に分布している。組織に展開後の留置縫合糸の添加が周囲組織中へのリテーナー端132の貫入を伴い、リテーナー130と縫合フィラメント120の本体との間に組織を捕えることとなる。リテーナー130とフィラメント120の本体との間に捕えられる組織と接触する、リテーナー130の内面134を本明細書では「組織係合面」又は「リテーナー内面」と称する。図1Bに示すように、各リテーナー130は先端132と組織リテーナー面134を有する。留置縫合スレッド102が矢印136の方向に動くと、リテーナー130はフィラメント120の本体に対して平らになる。しかし、留置縫合スレッド102が矢印138の方向に動くと、リテーナー130の先端132がフィラメント120の周囲の組織と係合し、リテーナー130をフィラメント120から扇形に広げさせて組織を組織係合面134と係合させ、これによって当該方向の縫合糸の動きを阻止する。図1Bに示すように、セクション142内のフィラメント120は2つの三角形で構成された標識152を持っている。三角形の先端はフィラメント120の縦軸に沿った一方向を指す。矢印136で示されるこの方向は、リテーナー130が組織と係合せずに留置縫合スレッド102のセクション142が展開できる方向である。このようにして標識152は、セクション142を同定し、かつその方向性を示す。図1Aに示すように、針110も同一標識152で標識してもよい。
図1Cは、セクション144内の留置縫合スレッド102の拡大図を示す。図1Cに示すように、セクション144にはリテーナー130がない。セクション144を留置縫合糸システム100の遷移セクションと呼ぶこともできる。セクション144は、矢印136及び138で示される両方向のどちらにも展開し得る。多くの手順では、縫合糸展開の初めに遷移領域を設置して、遷移領域を正確に位置付けることが望ましい。図1Cに示すように、セクション144内のフィラメント120は菱形で構成された標識154を持っている。菱形の先端は両方向を指し、留置縫合スレッド102のセクション144がどちらの方向にも展開できることを示し、かつセクション144をセクション142と区別する。
図1Dは、セクション146内の留置縫合スレッド102の拡大図を示す。図1Dに示すように、複数のリテーナー130がフィラメント120の表面に分布している。図1Dに示すように、各リテーナー130は先端132と組織リテーナー面134を有する。留置縫合スレッド102が矢印138の方向に動くと、リテーナー130はフィラメント120の本体に対して平らになる。しかし、留置縫合スレッド102が矢印136の方向に動くと、先端132又はリテーナー130がフィラメント120の周囲の組織と係合し、リテーナー130をフィラメント120から扇形に広げさせて組織を面134と係合させ、これによって当該方向の縫合糸の動きを阻止する。従って、セクション146ではリテーナー130がセクション142のリテーナー130と反対方向を向いている。図1Dに示すように、セクション146内のフィラメント120は、単一の三角形で構成された標識156を持っている。三角形の先端は、リテーナー130が組織と係合せずに留置縫合スレッド102のセクション146が展開できる矢印138の方向を指す。標識156は、留置縫合糸システム100のアームを認識かつ区別できる標識152とは異なることに留意されたい。従って、標識156は、セクション146内のリテーナーを同定し、セクション146をセクション144及び142と区別する。図1Aに示すように、針112を同一標識156で標識してもよい。さらに、標識の差異には、ほんの数タイプの標識を挙げれば、異なる形状、異なる色、異なる数、及び異なる文字が含まれる。
図1Eは、本発明が解決する問題を示す。図1Eに示すように、非標識留置縫合糸システム100を人体の空洞内で用いて組織162の開口160を閉じる。手順は内視鏡を用いて行なわれ、医師の視野は破線円内のセクションに制限される。医師が開口160の両側の組織160を咬み合わせた。2つの内視鏡器具166及び168を医師が制御し、医師は術野164内を目で見ることができる。医師は、針112で開口160の各側の組織162を咬み合わせ、セクション146を組織に通して、図1Eに示す位置まで引いた。医師は、内視用器具を用いて留置縫合糸システム100を一時的に解放した。針112と留置縫合糸システム100の一部は視野の外にある。
医師は、開口160をほぼ中心にしてから針112を持ち上げて右から左に動かしながら開口160の各側の組織がもう一度咬み合うように、遷移セクション144を動かしたい。しかしながら、医師は回りのリテーナー130が内視鏡によっては十分に見えない。また、内視用器具166及び168は、リテーナー130がある場所を医師が感じられるほど十分な触覚を与えない。
医師の最初の課題は、どのようにしてセクション114を同定し、それをセクション142及び146と区別してからセクション144を開口160の中心に置けばよいかである。セクション144が、図1A、1Cに示すように、標識154を備えていれば、医師はセクション144を同定し、それをセクション142及び146と区別してから、セクション144が開口160の中心になるまで縫合糸を引くことができる。
医師の次の課題は、開口160の右側に存在する縫合糸に付随する針を見つけること及び同定することである。開口160の右側にある、縫合糸のセクション142は、視野164から離れることに留意されたい。破線円の外側のすべてのものは、内視鏡を動かさなければ医師には見えない。何らかの方法で針112が標識されていない限り、医師は、針112が留置縫合糸システム100のセクション142に付随していると誤って予測し得る。しかし、図1Aに示すように、針112が標識されていれば、医師は針112を誤った針として同定することができる。
医師の次の課題は、針110を見つけてつかむことである。医師が針110を獲得するための1つの方法は、縫合糸のセクション142を開口160から末端までずっと追跡することである。これは時間がかかり、ある時点でセクション142及び146が交差又は移動したら、医師はおそらく困惑するであろう。高速技術では、医師は視野164内の縫合糸のセクション142の可視セグメント170から始めるであろう。しかし、縫合スレッドのセクション142が何らかの方法で標識されていない限り、縫合糸の可視セグメント170がセクション142の一部であることを確かめる方法がない。同様に医師は、縫合糸の可視セグメント172がセクション142の一部又はセクション146の一部であるかどうか見分けられない。セクション142が何らかの方法で標識されていれば、医師は可視部170でセクション142を獲得し得る。セクション142が縫合糸の方向性を示すように標識されていれば、医師は、針110が可視部170からどの方向に位置するかを知ることもでき、医師が最も便利かつ正確な方法で針110を獲得することを可能にする。針110も何らかの方法で標識されていれば、医師は該手順の次工程用の正確な針を獲得したことを確認することができる。従って、縫合糸、縫合糸セクション及び/又は縫合針を標識すると、誤りを減らし、時間を節約する。
B. 異種機能性留置縫合糸システム
上述したように、留置縫合糸の異なるセクションの特徴/有用性に差異がある場合、留置システムの部分を標識かつ同定することが特に望ましい。留置縫合糸の場合、縫合糸のセクション間の特徴の差異は、該セクションに付随するリテーナーの存在、非存在及び方向性であってよい。図1Aでは、留置縫合糸システム100の2つのアーム間の機能の差異はリテーナー130の長さである。しかし、異種機能性縫合糸のセクション間の特徴及び/又は有用性の差異はリテーナーの存在、非存在及び方向性に限定されず、針長、針径、針コンフィギュレーション、針先端コンフィギュレーション;針取付け方法、針材料、針表面処理、縫合糸長、縫合糸径、縫合糸材料、縫合糸製法、縫合糸コーティング、縫合糸テクスチャー、縫合糸表面処理、付随医薬品、縫合糸形状記憶特徴、縫合糸強度、縫合糸弾性、縫合糸硬度、縫合糸吸収性、リテーナーコンフィギュレーション、リテーナー寸法、リテーナー分布、及びリテーナー挙上のような差異が挙げられる。図2A〜2Dは、本発明の実施形態の異なる特徴を有する2つ以上のセクションを有する異種機能性縫合糸の例を示す。
図2Aに示すように、異種機能性留置縫合糸システム210の例は、遷移セクション214で連結された2つのアーム212、213を含む。各アーム212、213は針216、217で終結する。しかし、アーム212の縫合フィラメントの長さはアーム213の縫合フィラメントの長さより有意に短い。この異種機能性留置縫合糸システムは、例えば医師が創傷の中心点で始め、縫合糸を縫合糸の一方のアームで創傷の一端に向け、縫合糸の他方のアームで創傷の他端に向ける創傷閉鎖で有用である。通常、医師は他方向にしたりせずに一方向に縫合するのが気楽である。そこで、図2Aの異種機能性留置縫合糸システム210であれば、医師は創傷の中心ではなく創傷の一端のより近くで開始し得る。従って、医師は、アーム213を用いて好ましい方向に多く縫合し、アーム212を用いてあまり好ましくない方向に少し縫合することを遂行できる。
図2Bに示すように、異種機能性留置縫合糸システム220の別の例は、遷移セクション224で連結された2つのアーム222、223を含む。各アーム222、223は針226、227で終結する。この実施形態では、アーム222の縫合フィラメントは、アーム223の縫合フィラメントより有意に太い。さらにアーム222の針226は、対応してアーム223の針227より大きい。この異種機能性留置縫合糸システムは、例えば医師が縫合糸の一方のアームを用いてより深い組織を閉じ、縫合糸の別のアームを用いて表面組織を閉じる創傷閉鎖で有用である。典型的に、表面閉鎖のためにはより微細な縫合糸を用いて、縫合糸に対する組織反応性を低減し、美容術の向上をもたらすことが好ましい。図2Bの異種機能性留置縫合糸システムであれば、医師は、強度の必要性がより重要な因子である深い創傷の閉鎖のためにまずアーム222を利用してから、組織反応性の低減と美容術の向上の必要性がより重要な因子である創傷の表面を閉じるためにアーム223を使用することができる。
双方向性留置縫合糸システムのアーム間の機能の差異は、縫合フィラメント自体ではなく針(又はフィラメントに取り付けられた他のデバイス)の差異によってもよい。例えば、図2Cに示すように、別の典型的な異種機能性留置縫合糸システム230は、遷移セクション234で連結された2つのアーム232、233を含む。各アーム232、233は針236、237で終結する。アーム232の縫合フィラメントは縫合フィラメント233と同じ太さと長さであり、同様のリテーナーコンフィギュレーションを有する(各アームのリテーナーは当該アームの針の方向に展開でき、かつ反対方向の動きに抵抗するように方向づけられている)。しかし、アーム232は直針236を含むが、アーム233は曲がり針237を含む。医師は、異なる縫合、組織接近及び組織挙上技術のために異なる外科用針を使用するので、1つの留置縫合糸で異なる技術を使いやすいことは有利である。図2Cの異種機能性留置縫合糸システム230であれば、医師は、ある技術を用いてアーム232の直針236を利用し、異なる技術を用いてアーム233の曲がり針237を利用することができる。
異種機能性留置縫合糸システムは2つのアーム(デュアルアーム縫合糸)に限定されない。異種機能性留置縫合糸システムは2つより多くのアームを有し得る。他のマルチアーム縫合糸は、2、3、4、5以上のアームを含み得る。図2Dに示すように、異種機能性留置縫合糸システム240の別の例は、遷移セクション244で連結された3つのアーム241、242、243を含む。各アーム241、242、243は針245、246、247で終結する。アーム242及び243は同タイプのフィラメントと針を有する。しかし、アーム241の縫合フィラメントはアーム242、243の縫合フィラメントの太さより有意に太い。さらにアーム241の針245は、対応してアーム242、243の針246、247より大きい。この異種機能性留置縫合糸システムは、例えば医師が縫合糸の1つのアームを用いてより深い組織を近づけ、縫合糸の別のアームを用いて表面組織を近づける創傷閉鎖で有用である。典型的に、表面閉鎖のためにはより微細な縫合糸を用いて、縫合糸への組織反応性を低減し、美容術を向上させることが好ましい。図2Bの異種機能性留置縫合糸システムであれば、医師はまず、強度の必要性がより重要である深い創傷閉鎖のためにアーム241を利用してから、組織反応性と美容術がより重要である創傷の表面を閉じるためにアーム242、243を使用することができる。
図2E及び2Fは、図2Bに示すような異種機能性縫合糸を用いる多層創傷閉鎖の例を示す。図2Bに示すように、異種機能性留置縫合糸システム220は、遷移セクション224で連結された2つのアーム222、223を含む。各アーム222、223は針226、227で終結する。アーム222の縫合フィラメントはアーム223の縫合フィラメントの太さより有意に太い。さらにアーム222の針226は、対応してアーム223の針227より大きい。図2E及び2Fに示すように、医師は、第1端部252で開始し、第2端部254に向けて縫合して創傷250を閉鎖する。医師は創傷を二層で閉鎖する。医師はまず深い創傷閉鎖のためアーム222を利用してから(図2Eに示す)、創傷の表面を閉じるためにアーム223を利用する(図2Fに示す)。この閉鎖技術の1つの利点は、外科医が閉鎖を創傷250のどちらの端部(252又は254)から開始するかを選択することができ、一方向に縫合して創傷を閉鎖できるので、医師は、排他的に自分の利き手で縫合することができ、縫合中に患者の一方の側から他方の側に変わることを回避できることである。
ここで、深い組織層の閉鎖を示す図2Eを参照する。医師は、表皮下層、深部真皮及び軟部組織の縁に針226を通し、アーム223のリテーナーが組織と係合し始めるまで創傷に通してアーム222を引く。医師は、らせん又は正弦縫合コンフィギュレーションを利用して深層を閉鎖する。針226は相対的に大きいので、医師は、組織を裂くか又は虚血を生じさせることなく、創傷を閉鎖するためにより大きい張力を組織に加えることができるこの深層閉鎖では組織を大きく咬み合わせることができる。外科医は、端部252から端部254に縫合が進むにつれてアーム222に張力をかけることができ、それによって創傷250を漸次閉鎖する。必要ならば、医師は、針227で皮下を通過させて、アーム223のより多くのリテーナーを組織内に設定して、アーム222で組織の深層を閉鎖しながら貫通を阻止してもよい。アーム222の縫合フィラメントは相対的に太いので、そうでない場合に可能であったより大きい張力を加えて創傷250を閉鎖することができる。
今度は、創傷閉鎖の表面部分を示す図2Fを参照する。図2Fに示すように、医師は、創傷の側面を交互に咬み合わせながら皮下組織を通過する。針が組織に入って外に現れるときの針の深さは各咬合及び創傷の反対側で同一でなければならない。咬合の半径は針227の半径によって決まる。従って該咬合は、アーム222及び針226によって作られる咬合より小さい。従って、アーム223は、より小さい張力を創傷250に加えることができる。しかしながら、創傷250を閉じるために必要な張力の大部分はアーム222で既に加えられている。従って、図2Fに示すように表面創傷を閉じるには、より小さい直径のフィラメント及び針227のより小さい咬合で十分である。さらに、アーム223は相対的に小さい直径のフィラメント製なので、縫合フィラメントへの組織反応性が低いであろう。これは美容術を高め、かつ開裂などの有害な結果を減らすであろう。創傷閉鎖が進行するにつれて、医師は深層縫合糸アーム222にさらに張力を加えたいだろう。適切な張力が達成されたら、医師は縫合糸でJ-ループパスを作り、アーム222の残存縫合糸と針を切除し得る。医師が表面閉鎖を終えたら、医師は、創傷250の第2端部254を越えて皮膚から出して組織2cmで最後の皮下咬合を作る。医師は組織を押し下げて残存針及び皮膚と同一平面の縫合糸をカットする。
C. 異種機能性縫合糸用の可視縫合糸標識
上述したように、デュアルアーム留置縫合糸システムにおけるような、縫合糸の異なるセクションが異なる特徴を有する、異種機能性縫合糸システムの部分を標識及び同定することが特に望ましい。異種機能性留置縫合糸システムでは、縫合糸のセクション間の機能の差異がリテーナーの存在、非存在及び/又は方向性であってよい。医師が縫合糸セクションを同定及び区別できるという目的を果たすため、縫合糸標識は、縫合糸を使用する予定の条件下で医師によって容易に認識及び識別されなければならない。例えば、顕微鏡下手術用途では、標識は顕微鏡下では見えるが、裸眼では必ずしも見えない標識を使用し得る。同様に、内視鏡下用途では、内視鏡及び付随ディスプレイシステムで見える標識を使用すべきである。蛍光透視可視化と共に縫合糸を使用する場合、標識は放射線不透過性標識を含んでよい。超音波可視化と共に縫合糸を使用する場合、エコーを発生する標識を含んでよい。従って、手順の環境及び該手順で利用される走査/画像処理/可視化技術にもよるが、異なる環境下では異なる標識及び異なるタイプの標識が適切であろう。
相互に同定及び識別され得る種々の形態で標識を提供することができる。標識は、識別可能なパターン、形状、長さ、色、サイズ、方向及び配置を含み得る。標識として、異なる色、例えば赤色、緑色、橙色、黄色、緑色、青色などが挙げられる。このような色を均一密度で又は可変密度で使用してよく、可変密度で使用する場合は、色密度のグラデュエーションを利用して例えば方向性を区別することができる。留置縫合糸システムの全長に沿って、又はいくつかの離散点に、又は留置縫合糸の端部若しくは遷移セクションのみに標識を含めてよい。手術環境ではあまり見られない色を標識に使用することが望ましい場合もある。例えば、人体では緑色はあまり見られないので、緑色の使用が望ましいこともある。内視鏡下用途で緑色を使用すると、画像の残部と干渉することなく緑色を強調し、標識の可視化を促進するようにビデオシステムをプログラムすることができるので有利である。
種々の常法で標識を形成することができる。例えば、標識を留置縫合糸システム又はその成分にコーティングし、噴霧し、接着し、着色し、染色し、又は他の方法で添加することができる。伝統的な着色料適用方法としては、限定ではなく、問題の縫合糸セクションを着色料に浸漬し、又は問題の縫合糸セクション着色料を噴霧(例えば、インクジェットで)、塗布、印刷、貼り付け及び/又はコーティングする方法が挙げられる。臨界流体抽出(例えば酸化炭素)を利用して標識したいセクションの全て又は一部に局所的に着色料を付加してもよい。或いは、問題の縫合糸セクション用の着色料を、縫合糸本体を形成するために使用する縫合糸材料の一部(当該部分は、製造された縫合糸の問題のセクション内にある)に含めてよい。
さらに、エネルギー活性化着色剤を用いて、問題の縫合糸セクションの境界を画定することができる。例えば、レーザー活性化着色料(すなわち、レーザーエネルギーにさらされた後に永久的に変色する色素又は染料)を用いて縫合糸を着色すると、レーザーエネルギーを用いて問題の縫合糸セクション中の縫合糸コーティングを永久に変えることによって問題の縫合糸セクションの境界を画定することができる。これは、他のエネルギー源、例えば、限定するものではないが、熱、化学薬品、マイクロ波、紫外線、又はx線によって活性化される他のエネルギー活性化着色料の使用にも当てはまる。例えば、漂白化学薬品、例えば次亜塩素酸ナトリウム又は過酸化水素は着色料の色を永久的に変えて、問題の縫合糸セクションの分界(demarcation)を可能にする。問題の縫合糸セクションの標識が1つ以上の機械的タブであってよい。このタブは、吸収性又は非吸収性の両材料製であってよい。例えば、ポリエステルフェルト又はポリテトラフルオロエチレンフェルト製の非吸収性タブを遷移標識として使用することができる。この場合、医師は、創傷の組織閉鎖を完了する前に問題の縫合糸セクションが組織内にあるときに該タブを穏やかに引いて縫合糸から除去する。手術中に除去を容易にするため、部分的にタブを通るカット又はスライスを有することによって、タブの除去を促進し得る。吸収性材料の例としてはグリコリド及びグリコリド-ラクチドポリマーが挙げられる。タブのコンフィギュレーションとして、限定するものではないが、矩形タブ、円形タブ、らせん状タブが挙げられる。例えば、限定するものではないが、穴(縫合糸がタブを通過する)のある縫合糸、部分的なカット/スライス(縫合糸はタブスライス内に位置づけられる)のある縫合糸に、縫合糸の周囲にテーブルを折り畳むことによって、又は縫合糸にタブをクリンプすることによって、又は縫合糸の回りにタブを巻き付けることによって、又は縫合糸にタブを結び付けることによって、又は縫合糸への接着(例えば、超音波溶接、接着剤「糊付け」、熱溶接など)によってタブを取り付け得る。吸収性タブの使用は、外科医が体内に吸収性タブを残すことを選択してよい深部空洞組織閉鎖のために特に役立ち得る。
さらに、機械的タブを着色して、問題の縫合糸セクションを標識するためのタブの視感度を高めることができる。これには、限定するものではないが、蛍光着色料、無線探知可能(radio detectable)化合物、又は核磁気共鳴画像検出可能化合物の使用が挙げられる。
さらに、問題の縫合糸セクションの境界を画定するために利用される着色料は、問題のセクションで縫合糸に適用される生体適合性プラスチック材料に含まれ得る。該層は、問題の縫合糸セクションを標識するための着色料を有するポリグリコリドコーティングのように吸収性であってよく、或いはシリコーンのように非吸収性材料であってもよい。着色材料は合成であっても、又はコラーゲンのような天然源由来でもよい(該材料が変性され、又は変性されていなくても)。生体適合性プラスチック材料は、縫合糸本体上にリテーナーを形成する前又は後に縫合糸に適用してよい。
或いは、縫合糸本体が既に目に見えるほどに着色されている場合、問題の縫合糸セクションの少なくとも一部を外科医が縫合糸の残部と光学的に区別できるように、問題の縫合糸セクションの全て又は一部に色がないというように、問題の縫合糸セクションを逆標識してもよい。このような縫合糸は、縫合糸本体の製造(例えば、押出)中に、問題の縫合糸セクションエリアに縫合糸材料の着色料のない部分を含めることによって、又は縫合糸本体を製造した後(縫合糸本体上にリテーナーを形成する前でも後でも)に問題の縫合糸セクションから着色料を除去することによって、製造され得る。例えば、臨界流体抽出(例えば、酸化炭素など)によって局所的に着色料を除去し得る。縫合糸の問題のセクションと残部との間に外科医が区別できる差異がある限り、縫合糸の問題のセクションから必ずしも全ての着色料を除去する必要はない。
逆標識縫合糸の別の例は、縫合糸本体の残部に存在する着色層を欠くものである。着色料を有する生体適合性プラスチック材料を縫合糸の他のセクション及び少なくとも他のセクションが問題のセクションに接しているところに適用し得る。前記例におけるように、問題の縫合糸セクションの境界を画定する工程は、リテーナーを形成する前又は後のどちらの縫合糸製造プロセスに行なってもよい。
逆標識縫合糸の別の例は、同軸構造(各同軸層は異なる色を有する)を有するものであり、最外層の一部が除去されて下層が目に見える。例えば、二重層モノフィラメントポリプロピレン縫合糸を、白色内側コア(同軸間層)と青色外側同軸層で製造することができ、外側層の部分を除去して白色内側モノフィラメントを目に見えるようにして、問題の縫合糸セクションを標識することができる。
逆標識縫合糸のさらに別の例は、問題の縫合糸セクション内の縫合糸から外部コーティングが除去(又は部分的に除去)され、かつコーティング又はベース縫合糸のどちらかが対照的な色の差異を有するものである。問題の縫合糸セクションの材料を除去(又は部分的に除去)するこの技術は、問題の縫合糸セクションの触覚分界をももたらし得る。
標識は無線探知可能化合物又は磁気共鳴画像検出可能化合物も包含し得る。例えば硫酸マグネシウムで縫合糸を含浸させるか又は硫酸マグネシウムを含むコーティングを付加することによってのように硫酸マグネシウム(BaSO4)を備えた問題の縫合糸セクションは、電磁エネルギーによって検出可能であろう。x線検出の場合、硫酸マグネシウム標識された問題のセクションが放射線不透過性であろう。同様に、コンピュータ断層撮影(CT)スキャン又はコンピュータ体軸断層撮影(CAT)スキャンを利用して問題の無線検知可能セクションを検出することができる。無線探知用の電磁エネルギーの利用は、他の高周波を使用し得るので、x線波長の使用に限定されない。同様に、特に磁気共鳴画像(MRI)を利用して検出を行なう場合、ガドリニウム(Gd)又はガドリニウム化合物を問題の縫合糸セクションの標識のために使用することができる。遷移ゾーンの無線探知可能又は磁気共鳴画像検出可能標識の使用は、腹腔鏡下手術手順中の外科医に役に立ち得る。
或いは、例えば、商標付け(branding)、テクスチャリング、エンボス加工、刻印などによって縫合糸システムの表面を処理して、目に見える変化を生じさせることによって、標識を作ることができる。或いは、標識が、異なる色の縫合フィラメントの異なるセクションを連結して留置縫合糸システムを形成することによってのように、留置縫合糸システムを形成する材料の不可欠な部分であってもよい。標識は、縫合フィラメント、針、又は別のアイテム、例えば留置縫合糸システム又はフィラメントのセクションに付随する綿撒糸の1つ以上の上に設けられる。例えば特定色の材料のリテーナーを作製することによってか又は特定色の材料を露出することによって、標識を留置縫合糸のリテーナーの不可欠な部分として形成する場合もあり、異なるリテーナーパターンを用いて留置縫合糸の異なるセクションを区別することができる。
図3A〜3Iは、縫合フィラメント上の標識を用いて縫合糸の一セクションを同定し、それを他のセクションと区別する多くの方法のいくつかを示す。標識は単独で用いても他の標識と併用してもよい。標識は、異なる特徴を有する縫合糸又は縫合糸セクションを同定し、区別し、及び/又は描写し得る。
図3Aは、留置縫合フィラメントのセクション300を示す。セクション300は、フィラメントの色と区別できるべた色のバンド302で一定の間隔にて標識されている。バンドは、セクション300を同定するのに役立つが、孤立しているので、セクション300内のリテーナー304の方向性を示さない。
図3Bは、留置縫合フィラメントのセクション310を示す。セクション310は、フィラメントの背景色と区別できるべた色のバンド312で一定の間隔にて標識されている。バンドは、セクション310を同定するのに役立つが、孤立しているので、セクション310内のリテーナー314の方向性を示さない。セクション310のバンド312間の間隔は、セクション300のバンド302間の間隔より有意に小さい。バンド312とバンド302の異なる配置を視覚的に観察できるので、医師はセクション310をセクション300と区別することができる。
図3Cは、留置縫合フィラメントのセクション320を示す。セクション320は、フィラメントの背景色と区別できるべた色のバンド322で一定間隔にて標識されている。バンドは、セクション320を同定するのに役立つが、孤立しているので、セクション320内のリテーナー324の方向性を示さない。セクション320のバンド322の色(又は色密度)は、セクション300のバンド302の色(又は色密度)(バンド322の陰影付けによって図3Cの陰影によって表される)と区別可能である。バンド322とバンド302の異なる色及び/又は色密度は視覚的に観察できるので、医師はセクション320をセクション300と区別することができる。
図3Dは、留置縫合フィラメントのセクション330を示す。セクション330は、フィラメントの背景色と区別できるべた色の形状332で一定間隔にて標識されている。形状は、セクション330の縦軸に対して非対称である識別可能な方向性を有する。例えば形状332は、右側の頂点の方向を指しているとみなすことができる。従って、形状332を用いてセクション330を同定し、かつセクション300内のリテーナー304の方向性をも示すことができる。標識が指す方向は、慣例によりセクション330内で割り当てられるが、形状332は、留置縫合フィラメントのセクション330がリテーナー334による抵抗なしで組織を通って展開し得る方向を指す。従って留置縫合糸システムの一部として形状はフィラメントに沿って、セクション330を含むアームに付随する展開針の方向を指すであろう。バンド332とバンド302の異なる配置を視覚的に観察し得るので、医師はセクション330をセクション300と区別することもできる。
図3Dの形状を利用して留置縫合フィラメントの方向性を示すことができる。図3Eは、セクション300の反対向きに方向づけられた留置縫合フィラメントのセクション340を示す。セクション340もフィラメントの背景色と区別できるべた色の形状342で一定間隔にて標識されている。形状342は、左側の頂点の方向を指しているとみなすことができる。しかし、それ以上なければセクション340がセクション330と混同されることがあるだろう。従って、さらなる特徴を利用してセクション340をセクション330と区別する。セクション340は、形状342に加えて、図3Dに示すように、フィラメントの色と区別できるべた色のバンド346で一定間隔にて標識されている。従って、セクション340を同定し、セクション330と区別することができ、かつ各セクション330、340内のフィラメントの方向性を標識から決定することができる。
図3Fは、留置縫合フィラメントのセクション350を示す。セクション350は、縫合糸の他のセクションと区別できるべた色を有するか又はべた色で標識された材料で形成されている。色はセクション350を同定するのに役立つが、孤立しているので、セクション350内のリテーナー354の方向性を示さない。色は視覚的に観察し得るので、医師はクション350を、異なる色のセクションと区別することができる。縫合糸の異なる色のセクションをそれらを着色した後に連結するか、或いは同一フィラメントの異なるセクションを例えばフィラメントのセクションを染色して色を付加するか、又はフィラメントのセクションを処理して色を除去する等によって処理して異なる色を持たせることによって、異なる色を利用して留置縫合糸システムのセクションを同定することができる。
図3Gは、留置縫合フィラメントのセクション360を示す。セクション360は、フィラメントの背景色と区別できるべた色の長軸方向線362で標識されている。長軸方向線362は、セクション360を同定するのに役立つが、孤立しているので、セクション360内のリテーナー364の方向性を示さない。線362の長軸方向性は、セクション300のバンド302と容易に区別できる。異なる方向性の線362とバンド302は視覚的に観察し得るので、医師は、セクション360をセクション300と区別することができる。異なる太さ、パターン又は色を有すること以外に、線362のような長軸方向線を用いて、フィラメントの一セクションを異なる太さの別のセクションと区別することもできる。
図3Hは、留置縫合フィラメントのセクション370を示す。セクション370は、フィラメントの背景色と区別できるべた色のらせん372で標識されている。らせんは左巻き又は右巻きであり得るので、らせんを用いてフィラメントの方向性を示さすことができる。らせんの巻き方向の差異を視覚的に観察し得るので、医師はリテーナーの方向性を決定することができる。しかしながら、らせんの巻き方向を見分けるのは、例えば図3D及び3Eに示すような単純な形状より見分けるのが難しく、特定の方向性のリテーナーと関連づけるのが困難である。
図3Iは、留置縫合フィラメントのセクション380を示す。セクション380は、印刷文字(例えば右では「R」、左では「L」)で標識されている。英数字382のような文字及び矢印384を医師が観察できれば、それらを用いて縫合糸のセクション及び当該セクションのリテーナーの方向性を同定することができる。しかし、多くの環境下では、縫合糸は外科手順中に利用できる拡大レベルで医師が該標識を見分けるには微細すぎる。
D. 可視/認識可能針/綿撒糸標識
上述したように、異種機能性縫合フィラメントのセクションに付随する針又は別の物体を標識して、縫合フィラメント自体を標識する代わりに、又はそれに加えて、当該セクションを同定して他のセクションと区別することができる。図4A〜4Eは、留置縫合糸システムの針及び/又は綿撒糸上に置くことができる代替標識を示す。当然のことながら、該標識、かつ実際には本明細書に記載のいくつかの他の標識は、所望により、可視光波長範囲又は非可視波長範囲の画像として存在してもよい。非可視(しかし別の方法で認識可能)波長範囲では、医師がこの標識を用いて利益を得るように、検出器を用いて非可視標識を位置づけて画像化するであろう。
図4Aは半円形針410を示し、これは針410の表面の残部と異なる視覚的/認識可能特性を備えた2つのバンド412を有する。バンド412は、着色セクション、或いは光の反射を減じるか又は変えるように処理したセクションであってよい。異なる数、色又は配置のバンドを用いて、ある針を別の針と区別することができる。バンド412は、例えば、針表面の印刷セクション、又は針表面の酸化セクションであってよい。
図4Bは、複合曲線針420を示す。針420の表面は、例えば針410の表面とは異なる視覚的特性を示す。針は典型的に、外科用鋼の特性を示す反射的銀色を有する。異なる金属を使用することによって、或いは何らかの手段、例えば酸化、熱処理などで着色、処理するか又は鋼針の反射率を変えることによって、異なる視覚的特性を得ることができる。従って、一方の針が銀色で、他方の針が黒色であってよい。
図4Cは、四分の一円針430を示す。針430は、針のシャンク上で観察できる2つの円周溝を有する。異なる数、サイズ、又は配置の溝を用いて、ある針を別の針と区別することができる。他の構造上の特徴を、それらの特徴が区別可能であり、かつ針の機能を妨害しない限り、例えば彫刻又は刻印などの方法で針の表面に切り込むか又は付加することができる。
図4Dは、J形針440を示す。針440は、英数字442で標識されている。医師が文字を見分け、かつ区別できる限り、該文字で針を標識することができる。いずれの上記技術を利用して針上に文字を標識してもよい。
図4Eは、穴452、454にフィラメントを通すことによって、縫合糸のセクションと関連づけ得る綿撒糸450を示す。前述したいずれの手段を用いて綿撒糸を標識しても縫合糸のセクションを同定し、かつ該セクション内リテーナーの方向性を示すことができる。綿撒糸などを縫合糸又は縫合糸のセクションに永久的に取り付けても除去可能に取り付けてもよい。
E. 縫合糸の状態を示す可視標識
異種機能性縫合糸のセクションを同定かつ区別し、縫合糸の方向性を示すことに代えて、或いはそれに加えて、他の機能のために視覚的/認識可能標識を使用し得る。標識を利用して、縫合糸の他の特徴又は状態を示すこともできる。縫合糸が作られる材料等の不変特性を示す標識は、医師が使用している縫合糸に関して、その包装をチェックしなくても、医師に視覚的/認識可能な手がかりを与える色コード等の形態であってよい。縫合糸包装の非無菌部分は、例えば、医師がラベルを観察するか又は観察せずに、医師の補助者によって除去され得る。従って、縫合糸に付随する不変標識は、医師が要求した縫合糸を使用していることを医師が確認するのに役立ち得る。この場合もやはり、標識は可視及び/又は非可視光範囲の画像を提供することができる。
縫合糸の状態を示す標識は、状態の変化に応じて外観又は他の認識可能な特性で見分けられる変化を起こさなければならない。例えば、ポートを通じて長い器具を使用するか又は遠隔操作でさえある内視鏡下用途では、器具によって縫合糸に又は縫合糸によって組織に加えられる張力を医師が感じることは困難又は不可能であろう。低減されたか又は欠けている触覚フィードバックに取って代わるため、縫合糸の張力を示す可変標識を設けることが有利である。可変標識は、内視鏡を介して医師が観察できる(又は他の手段で認識できる)視覚的又は認識可能な手がかりを与える。
単純な例では、図5A及び5Bに示すように、留置縫合フィラメント500には、縫合フィラメントに沿って一定の間隔を空けて複数のバンド502が備わっている。留置縫合フィラメント500は、いくらか弾力があるので、縫合糸に加えらた張力に応じて伸びる。従って、図5Aの縫合フィラメントに張力を加えると、図5Bに示すコンフィギュレーションに縫合フィラメントが伸びる。しかし、バンド502がなければ、医師がフィラメント500の伸長を認識及び/又は観察することは困難又は不可能であり得る。留置縫合フィラメント500が伸びるにつれてバンド502の間隔が増すことによって、フィラメントの伸長に関する視覚的手がかりを医師に与える。フィラメントの伸縮はフィラメント内の張力に関係するので、バンドの間隔はフィラメント内の張力についての視覚的手がかりを医師に与える。この場合、標識自体は変化せず、バンドの間隔の変化は、縫合フィラメントの伸びに左右せれることに留意されたい。さらに、バンドがリテーナーを部分的に覆い、また縫合フィラメントを部分的に覆うことがある。縫合糸が伸びると、フィラメントは伸びるであろうが、リテーナーは伸びず、リテーナー上のバンド部分とフィラメント上のバンド部分との間に不整合を生じさせるであろう。この不整合は、フィラメントが張力下にあったことを示唆するであろう。
代替留置縫合糸フィラメント510を図5C及び5Dに示す。フィラメント510には、縫合フィラメント510内の張力に応じて視覚状態を変える可変標識が備わっている。この標識は表面標識であるか又はフィラメント510を作る材料の特徴であってよい。さらに、標識がフィラメント全体を覆ってよく、或いはフィラメントの特定セクションに限定され得る。図5C及び5Dに示すように、フィラメント510に張力を加えると、標識が図5Cの視覚外観(白色として示される)から図5Dの視覚外観(陰影として示される)に変わる。視覚外観の変化は、色、光透過、光反射などの変化であってよい。視覚外観の変化は、裸眼で観察できないが、使用中に内視鏡又は別の可視化システムを用いて可視化できる外観の変化であってよい。このような変化には、偏光、つまり裸眼では見えないが、適切な構造のビデオカメラを用いて観察できる波長における光学特性の変化が含まれる。
例えば、応力化で混じり合って、応力の度合に応じて第3の色又は異なる色の種々の強度の陰影を呈する2つの色で標識を作ることができる。2つの異なる色を縫合糸の異なる深さに置くことができ、縫合糸に応力を加えると、色が混じり合うか又は相互に重なって異なる色を呈する。縫合糸に応力を加えたときに異なる程度に伸びる異なる材料で縫合糸の異なる深さを作ることができるので、異なる色が異なる深さで混じり合うか又は相互に重なって異なる色を呈するであろう。異なるレベルを同時押出して、要望通りに、異なるタイプの縫合糸材料及び異なる着色標識を備えた各層を与えることができる。さらに異なる着色標識を隣り合わせで置くことができ、縫合糸に応力を加えると、色が異なる色又は陰影を呈するように、色が混じり合うか又は重なるか又は相互に異なる方向を向く。色又は陰影は、縫合糸に加えられた応力の程度に左右され得る。異なる色の代わりに、異なるパターンを使用することができる。すると、縫合糸上にかけられている応力に起因して、パターンが重なるか又は別のやり方で混じり合って、干渉又は干渉パターン等の異なるパターンを発現させ得る。
代替留置縫合フィラメント520を図5E、5Fに示す。フィラメント520には、縫合糸に加えられた張力に応じて目に見える物理的変化を受ける機械的特徴522が備わっている。図5E及び5Fに示すように、張力をフィラメント520に加えると、機械的特徴522が図5Eのコンフィギュレーションから図5Fのコンフィギュレーションに変化する。縫合糸を使用する状態下で医師が観察できるように構造上の外観の変化が選択される。構造上の外観の変化は裸眼では観察できないが、使用中に内視鏡又は他の可視化システムを用いて可視化できる外観の変化であってよい。好ましくは構造上の外観の変化は、針の機能を妨げない。
図5G及び5Hに示すように、可変標識はフィラメント自体の一部ではなく、縫合フィラメントに固定された針又は他のデバイスの一部を形成し得る。図5G及び5Hに示すように、針534にメカニカルセンサー532を含めて、フィラメント530に加えられた張力を示す。メカニカルセンサー532はフィラメント530にスウェージ加工されたキャップ536を含み、キャップ536が針534の空洞538に受け取られる。張力に応じて伸長するバネ539等のデバイスをキャップ536と空洞538の端部との間に配置する。フィラメント530に張力を加えると、バネ539が伸長し、キャップ536が空洞538からスライドして、それまで空洞538内に隠れていた標識533を見せる。バネ539のバネ定数は、所望張力に達したときに視覚指標が見えるようになるように選択される。縫合糸、及び/又は異なる最大張力を必要とする用途に合わせて異なるバネを使用してよい。メカニカルセンサー532は、針によって縫合糸に加えられた張力を示す。張力を示したい他の場所に縫合フィラメントに沿って同様のメカニカルセンサーを取り付けてよい。バネの代わりに、空洞538内で針に直接フィラメント530を接続することができる。図5Hに示すように、フィラメントが伸びるにつれて、標識533が空洞538から張り出してくるだろう。なおさらに、上記実施形態を縫合糸本体に配置できるであろう。この場合、縫合糸に応力をかけると、標識が空洞から又は縫合糸本体のスリーブ下から伸長する。
他の受動的メカニカルセンサーは、可視標識又は光学的に検出可能な標識を表示する以外の手段を通じて縫合糸特性を示すことができる。例えば、無線受動的歪みセンサーを縫合糸又は針又は縫合糸に付随する別のデバイスに組み入れて、非光学センサーを用いて張力の遠隔検知を可能にすることができる。このようなセンサーの1つが、Tan et al., “A wireless, passive strain sensor based on the harmonic response of magnetically soft materials” Smart Materials And Structures 17:1-6 (2008)(参照によて本明細書に援用される)に開示されている。Tanらは、永久磁石帯鋼由来の変形性弾性材料によって隔てらた強磁性検知材料製のセンサーを開示している。センサーに加えられる歪みを調整すると、弾性材料を変形させることによってセンサーと永久磁石との間の距離を変えた。この距離の変化が、交番磁場へのセンサーの調和応答に検出可能な変化を引き起こした。このようにして、単純な受動的センサーは外部磁場を用いて遠隔で検出できる歪みシグナルを与える。同様に縫合糸又は針に付随した受動的歪みセンサーを他の遠隔検知技術、例えば超音波、蛍光透視などを利用して解読することができる。
F. 「活性」縫合糸標識
他の標識方法に代えて、又は他の標識方法に加えて、活性システムによって縫合フィラメント用の不変又は可変標識を設けてもよい。
図6Aは活性可視縫合糸標識の1つの簡単な例を示す。このような活性可視標識を利用して縫合糸の特徴又は状態を示すことができる。図6Aに示すように、縫合フィラメント610を針612にスウェージ加工する。活性標識システム614は、縫合フィラメント610に隣接する針612内に配置される。活性標識システム614は動力源616、光コントローラ617及び光源618を含む。光源618は、光源618からの光が縫合フィラメント610の方向に向けられ、医師が観察できるように、縫合フィラメント610に隣接している。光シグナルは、縫合フィラメントの長さに沿って縫合フィラメント内では見えるであろう。光シグナルが光源から離れてフィラメントに伝えると、フィラメントの特性にもよるが減衰するであろう。
光源618は、動力源616から動力を取る光コントローラ617で制御される。光コントローラ617は、光源618が供給する光シグナルの特性を決定する。光シグナルは、経時的に例えば、供給を始める、供給を止める及び/又は異なる速度で突然放つなどによって変化し得る。光源618が異なる波長の光を生成できる場合は、光シグナルの色を変えることもできる。電力源616が電池の場合、利用できる動力が光源618を操作し得る時間を制限するだろう。従って、縫合フィラメント610を利用する手順の最初だけ光コントローラ617で光源618を活性化することが望ましいだろう。磁気スイッチ、機械スイッチ、電磁センサー等を用いて活性化を達成することができる。一実施形態では、光源がLEDであってよく、コントローラは応力、歪み又は張力を測定するセンサーであってよい。LED及びセンサーを半導体チップ内に作ることができる。動力供給は受動的、例えば受動的RFIDタグであってよい。次に放射線源がRF動力源を活性化して、センサー及びLED光源に動力を供給することができる。一部の実施形態では、センサーが加速度計を含み得る。
デュアルアーム縫合糸システムでは、縫合フィラメント610の反対端にスウェージ加工された別の針内に別の活性標識システム614を設けてよい。2つの活性標識システム614を使用する場合、光源618が供給する光シグナルの特性に基づいてそれらを区別することができる。例えば、各光源を制御して、他方と異なる波長の光を供給するようにし得る。或いは、一方の光源が一定の光シグナルを供給し、他方の光源が点滅光シグナルを供給してもよい。両光源からの光シグナルが縫合フィラメント内で重なった場合、光シグナルの動力を調整することによって、又は縫合フィラメントの光透過を減少させることによって、又は縫合フィラメント610の1つのセクションと縫合フィラメント610の別のセクションとの間の光透過を遮断するための不透明セクションのようなバリアを配置することによって、光シグナルを減衰させることができる。
異種機能性縫合糸のセクションを作る材料、又は留置縫合糸の特定セクション内のリテーナーの方向性などの特徴を示す活性標識は、医師が使用している縫合糸に関する視覚的手がかりをその包装をチェックしなくても医師に与える色コード等の形態であってよい。縫合糸包装の非無菌部分は、例えば医師がラベルを観察しながら医師の補助者によって除去され得る。従って、縫合糸に付随する活性可視標識は、医師が要求した縫合糸を使用していることを確認するために役立ち得る。
活性可視標識を利用して、縫合糸の状態を示すこともできる。縫合糸の状態を示す活性可視標識は、状態に応じて観察できる外観の変化を起こす。従って、一例では、縫合糸内の張力に応じて光シグナルを調節して、医師が観察できる可視手がかりを与えることができる。図6Bは、可変状態を示す活性可視縫合糸標識の1つの簡単な例を示す。図6Bに示すように、縫合フィラメント620が針622にスウェージ加工されている。縫合フィラメント620に隣接する針622内に活性標識システム624が配置されている。活性標識システム624は、動力源626、光コントローラ627及び光源628を含む。活性標識システム624は縫合フィラメント620の状態のモニタリング用センサー625をも含む。光源628は、動力源626から動力を取る光コントローラ627で制御される。光コントローラ627は、光源628が供給する光シグナルの特性を制御する。光シグナルは、経時的に例えば、供給を始める、供給を止める及び/又は異なる速度で突然放つなどによって変化し得る。光源628が異なる波長の光を生成できる場合は、光シグナルの色を変えることもできる。
光源628が供給する光シグナルは、センサー625の出力に応じてコントローラ627によって調節される。従って、光源628が供給する光シグナルは、センサー625によってモニターされた状態に応じて調節される。例えば、センサー625が加速度計のような力センサーであってよく、コントローラ627(例えば、この実施形態では、加速度計の一部でもある)が、縫合フィラメント620内の許容限界張力に達したことをセンサーが示すまで、縫合フィラメント620に光シグナルを供給しないように光源628を制御する。張力が許容限界を通過すると、コントローラ627が光源628をオンにして医師に手がかりを与える。或いは、光源が最初はオン状態であり、張力が許容限界に達すると点滅させてもよい。
図6Cに示すように、活性標識システムは針の部分でなくてよい。活性標識システム634は、例えば、綿撒糸632又は縫合フィラメント632に取り付けられたか若しくは付随する別のデバイス内に設けてよい。活性標識システム634は縫合フィラメント630、綿撒糸632を利用するか又は光源638から直接、光シグナルを医師に供給することができる。或いは、図6Dに示すように、活性縫合糸標識システム644の一部又は全てを小型化して縫合フィラメント640内に包埋してよい。
図6C及び6Dに示すように活性標識システムを縫合フィラメントの端部以外の場所に設ける場合、活性標識システムは有利なことに2つの光シグナルを供給することができる。第1のシグナルは活性標識システムから第1の方向の縫合フィラメントを示し、第2のシグナルは第2の方向の縫合フィラメントを示す。2つの光シグナルは、例えば、2つの光源によって供給され、1つの光源は、活性標識システムからフィラメントに沿って各方向に向いている。従って、図6Dに示すように、縫合フィラメント640に包埋された活性標識システム644は、図のように、縫合フィラメント640に沿って反対方向を向いている2つの光源648を含み得る。
G. 機械可読標識
上述したように、縫合フィラメントは、縫合フィラメントの特徴若しくは状態を示す及び/又は異なる特徴を有する縫合フィラメントの特定セクションを示す可視標識を備え得る。このような標識は、操作条件下(顕微鏡下手順の拡大及びビデオディスプレイが挙げられる)、例えば内視鏡手順で波長の変換/増強などで医師によって観察される。しかし、縫合糸標識を読み、走査し、解読するために機械を利用できる場合、該標識は可視標識又は視覚的に解読できる標識である必要はない。医師が直接見ることができる代わりに、或いはそれに加えて、標識を機械可読となるように設計することができる。ビデオ追跡及び解析システムを利用して可視標識を同定及び解読し得るが、異なる可視標識は機械認識にもっと適しているだろう。さらに、コンピュータシステで非可視縫合糸標識又はコーディングを用いて縫合糸のセクション及び状態を同定することもできる。縫合糸のセクション及び/又は状態をシステムで認識及び評価したら、システムは、縫合糸のセクション及び状態の情報を医師に提供することができる。視覚、聴覚又は触覚ディスプレイなど、いずれの利用可能なディスプレイシステムを通じても情報を医師に提供することができる。
図7Aは、機械可読標識を利用して縫合フィラメント700のセクション及び条件を同定する内視鏡手術システム720を(一般的に)示す。内視鏡手術システム720は、手術部位で患者と相互作用する患者側システム730と、医師710と相互作用する医師側システム740とを含む。患者側システム730は、例えば内視鏡、フルオロスコープ、超音波などの画像システム及び手術器具、カテーテル等の1つ以上の手術エフェクターを含む。医師側システム740は、医師710に情報を提供するためのビデオスクリーンのようなディスプレイシステム742、及び1つ以上の手術エフェクターを医師が制御できるようにするためのジョイスティック等の制御システム744を含む。制御システム744は、手術器具への単純な機械的接続であってよい。
図7Aに示すように、患者側システム730は、光出力733と、CCD734、735及び術野を画像化するための関連光学の形態の2つの画像デバイスとを有する内視鏡732を含む。CCD734、735は、内視鏡732の幅で隔てられているので、術野の2つの別々のビューを含む両眼画像を与える。これらの2つのビューを利用して術野の三次元画像を生成し、かつ各画像によって同定できる物体及び標識の三次元追跡データをも生成することができる。患者側システム730も縫合フィラメント、針及び組織を操作するための2つの手術器具736、737を含む。手術器具736、737は内視鏡器具として示されており、手動操作又は自動制御操作することができる。手術器具736、737は、鉗子、持針器、捕捉器具及び/又は特定手順に適合するように利用可能ないずれの種々多様の手術器具であってもよい。
図7Aに示すように、医師側システム740は、医師710に情報を提供するディスプレイシステム742を含む。ディスプレイシステム742は、視覚、聴覚及び触覚ディスプレイ成分を含み得る。医師側システム740は、手術器具736、737の動きを制御するなど、医師710がシステムを制御できるようにする医師制御インタフェース744をも含む。医師制御インタフェース744は、キーボード、マウス、ジョイスティック等を含んでよい。医師制御インタフェース744は力フィードバックコントローラを含むことがあり、これも医師ディスプレイシステムの一部として医師に情報を提供するのに役立つ。医師側システムは、内視鏡からの情報を受け取り、それを解読して縫合糸についての情報を生成する縫合糸情報システム746をも含む。医師側システムは、内視鏡から画像情報を受け取り、それを他の情報と統合してディスプレイシステム742で医師710に表示するためのディスプレイ処理システム748をも含む。
図7Aに示すように、縫合糸情報システム746は、患者側システム730のCCD734、735から画像データを受け取る。縫合糸情報システム746は、CCD734から画像データを受け取って解読する左画像デコーダー750と、CCD735から画像データを受け取って解読する右画像デコーダー751とを含む。画像デコーダー750、751は、内視鏡732のCCD734、735から受け取ったビデオ画像データ中の縫合糸標識を同定する。標識追跡システム752は、画像デコーダー750及び751から標識同一性及び位置データを受け取る。標識の位置は、左画像と右画像との間でわずかに異なるであろう。位置の差異から、標識追跡システム752が標識の場所を三次元で同定することができる。一実施形態では、縫合糸情報システム746が、縫合糸内の張力を標識追跡情報から計算する縫合糸張力計算機754を含む。縫合糸張力情報及び標識追跡情報が縫合糸データ出力システム756に供給される。縫合糸データ出力システム756が情報をディスプレイ処理システム748に供給し、ディスプレイ処理システム748が、患者側システムから受け取った他の情報と縫合糸データを統合する。
図7A、7B、及び7Cの実施形態では、システム及び例えば、縫合糸張力計算機は、視覚、聴覚若しくは触覚又は他の警告シグナルを発生させて医師に送ることに加えて、縫合糸上に置くことができる応力の最大量についての制限を設けることができる。さらに各タイプの縫合糸は異なる性質を有するので、システムはデータベースを用いて、いずれのタイプの縫合糸も置かれ得る応力の量を同定することができ、かつ当該手順中に患者に展開する縫合糸のタイプに応じて医師が縫合糸上に設置できる応力の量をシステムに制限させることができる。さらにシステムは、その時点で患者に展開している縫合糸上の応力の量及び縫合糸のタイプに応じて、種々のレベル又は強度の音、光又は触覚フィードバックを生じさせ得る。この場合もやはり各縫合糸の種々の特性をシステム内のデータベースに保存することができ、システムは、展開している縫合糸のタイプを認識し、フィードバック及び/又は縫合糸が置かれ得る最大応力を調整することができる。
図7Bは、機械可読縫合糸標識又は活性縫合糸標識を利用するシステムを操作するための一般的プロセス工程を示すフローチャートである。フローチャートでは、種々のアルゴリズム工程を個々の「ブロック」に要約している。該ブロックは、アルゴリズムが進行するにつれて引き起こされ又は実行される特有の作用又は決定を示す。マイクロコントローラ(又は等価物)を利用する場合、本出願で提示されるフローチャートは、該マイクロコントローラ(又は等価物)がデバイスの所望制御を達成するために使用し得る「制御プログラム」の基礎を提供する。当業者は、このフローチャート及び本明細書で提示される他の記載に基づいてこのような制御プログラムを容易に書くことができる。
図7Bに示すように、システムはビデオデータ760の形でデータ入力を受ける。システムが縫合糸状態を示すさらなるセンサーデータ762をも受け得る。センサーデータ762は、図6A〜6Cに示すようなセンサーデバイスによってシステムに伝達されるデータであってよい。センサーデータ762は、縫合糸又は縫合糸と関係があるセンサーからシステムが受け取った全てのデータを含む。システムはキーボード、マウス、バーコード等からのデータのようなデータ入力764をも受け得る。データ入力764は、例えば、製品識別子を入力すること、バーコード等を解読することによる縫合フィラメントの同定を包含し得る。異なる縫合糸は異なる特徴を有するであろうことから、システムも、保存縫合糸データ766(異なる縫合糸、縫合糸の特徴、及び縫合糸の標識を同定する縫合糸情報のデータベースであり得る)を入手するであろう。保存縫合糸データ766はシステム内に保存されることもあり、或いはネットワークを通じてアクセスされることもある。
再び図7Bを参照すると、工程770では、システムがビデオデータ760を受け取り、ビデオデータ内に存在する標識を同定する。工程772では、システムが工程770で同定された標識を解析して、例えば縫合糸の同定セクション、縫合糸のセクションの方向性、縫合糸の位置及び縫合糸の状態、例えば張力などの縫合糸についての情報を生成する。工程774では、システムがデータ入力764に基づいて縫合糸を同定する。或いは、標識が縫合糸の特性を示す場合(例えばバーコードのような)、工程772における標識の解析に基づいて縫合糸を同定することができる。縫合糸の同一性を利用して、縫合糸の特徴についての保存縫合糸データを同定する。これには、製造業者、縫合糸のサイズと材料、縫合糸の強度、並びに縫合糸の標識と、縫合糸及び/又は縫合糸のセクションの特定の特徴との間の相関関係に関する情報をも含まれる。例えば、保存データは、使用中の特定縫合糸が7ポンド(3kg)の最大強度及び1ポンド(0.45kg)当たり1%の伸びを有することを示し得る。工程776でこれらの特徴を検索してから工程778で用いて該縫合糸についてのさらなる情報を導く。例えば、システムはビデオデータ760から標識位置を解析して縫合糸の伸びを決定することができる。縫合糸又は縫合糸のセクションの伸びから、システムは保存縫合糸データを用いて縫合糸内の張力を決定することができる。システムは、保存縫合糸データを用いて、計算された縫合糸張力と最大縫合糸張力を比較することもできる。場合によっては、次にシステムは、計算された縫合糸張力が許容限界(最大張力の所定パーセンテージであり得る)を超えた場合に警告を発することができる。工程770では、システムが追加の縫合糸情報を用いて縫合糸画像データを増大する。工程768にて縫合糸情報を含む増大された画像が医師に表示される。次にシステムは一巡して元に戻ってさらなるビデオデータ760を受け取り、増大された表示を工程768で更新する。
図7Aのディスプレイ処理システム748は、縫合糸データ出力を多くの異なる手段で他のディスプレイデータに統合することができる。図7Bの工程770を参照されたい。触覚、視覚又は聴覚フィードバックとして、縫合糸張力データを医師に表示することができる。触覚フィードバックでは、計算された張力を力フィードバックとして力フィードバックコントローラに表示し得る。聴覚フィードバックでは、音を出して縫合糸内の張力を医師に示すことができる。特定の望ましい縫合糸張力に達するか又はそれを超えたときに一定の音を出すことができる。或いは、縫合糸内の張力が増すにつれて、例えば、発生頻度、ピッチ又は音量が増す種々の音を使用し得る。視覚フィードバックでは、縫合糸張力を示す値、記号又は色を術野のビデオディスプレイの一部としてかそれに隣接して医師に表示することができる。場合によっては、例えば、縫合糸700又は手術器具736、737の画像に値、記号又は色を重ねることによって、視覚データを術野の画像に加えることができる。このようにして、ディスプレイシステム742は、縫合糸情報746を用いて縫合糸標識から導かれた情報で増大された術野の表現を含む増大された表示を医師710に提供する。
図7Cは、図7Aの患者側システム730の増大されたビデオディスプレイ780を示す。図7Cは、視覚表示を増大して縫合糸の特徴及び/又は状態を示し得るいくつかの方法を示す。縫合糸782のタイプとサイズをディスプレイ上に重ね合わせてよい。張力計784を用いて最大張力と実際の張力を相対値で示すことができる。或いは、実際の張力と最大張力を絶対値で提供してよい。縫合糸の張力又は他の状態を縫合糸の画像及び/又は道具を用いて登録し、その上に重ね合わせてよい。例えば、システムは、標識データ又は他のデータから導かれた縫合糸の特徴(例えばリテーナーの方向性又は張力など)に基づいた異なる色を有する縫合糸を重ね合わせることができる。このようにして、図7Cに示すように、器具736、737間の縫合糸700のセクションは、縫合糸700の張力を表現する色786で強調される。一方、道具736、737で張力をかけられない縫合糸700のセクションは異なる色788で強調される(又は強調されない)。
H. 触覚縫合糸標識
外科手順を手動又は十分に感度の高いロボット支援手段で遂行する場合、触覚標識を設けることができ;これらは非留置型である縫合糸及び/又は留置縫合糸のリテーナーを含まないセクションで特に役立ち得る。例えば、留置縫合糸の場合、医師は遷移セグメントを同定したいであろう。従って、単にリテーナーが存在しないだけより触ることによって容易に検出できることによって、外科医が遷移セグメントを位置づけるために繰り返し及び/又は激しく縫合糸本体に沿って感じる外科医の必要性を取り除くコンフィギュレーションを遷移セグメントに与えることができる。縫合糸のいずれの問題のセクションに該触覚標識を設けてもよく、例えば、図8に示す縫合糸800の遷移セクション802の変形804のような、問題のセクションの変形を含み得る。これは、縫合糸遷移セグメント内に折り目を導入して、容易に感じることができる(かつ実際に目で見ることができる)変形を与えることによって達成することができる。他のタイプの触覚的に検出可能な縫合糸の変形を同様に設けてよい。
問題のセクションに、例えば該セクション内の縫合糸材料を変形させるため該セクションの全て又は一部の加圧(例えば、刻印)によって、また、窪みを生じさせるため問題の縫合糸セクションの全て又は一部から縫合糸材料を除去(例えば、切削、エッチング、研磨、レーザー除去)することによってのように、容易に検出可能な窪みを設けてもよい。窪みは、該窪みにおける縫合糸本体の直径が他の場所の縫合糸本体の直径より小さい限り、かつ該窪みにおける縫合糸本体の直径が縫合糸の展開及び係合中に普通に及ぼされる力による破損に十分耐性のままである限り、いずれの形態(例えば、限定ではないが、溝、ウェル(well)、デント(dent))を取ってもよい。例えば、遷移セグメントにおける窪み又は縫合糸径の狭小化は、遷移セグメントを位置づける際に医師を助け得る。図9aを参照すると、双方向性留置縫合糸900は、第1の複数のリテーナー904と、第2の複数のリテーナー906と、遷移セグメント902(リテーナーの配列によって、縫合糸の実際の中点に相当することもありそうでないこともある)とを含む。縫合糸900の直径は、遷移セグメント902で徐々に狭くなるので、直径が位置y及びy'で、位置x及びx'又は/並びにz及びz'のどちらの直径より小さくなる。図9Bでは、縫合糸950のリテーナーが複数ある954と956の間の遷移セグメント952に、より切形の窪み958が設けれている。この場合もやはり、位置yとy'(窪み958の深さが最も大きいところ)における縫合糸の直径が位置x及びx'又は/並びにz及びz'のどちらの直径より小さい。
触覚縫合糸標識の他の例は、問題のセクションの全て又は一部で縫合糸本体の直径の触覚的に検出できる増加を含む。例えば、図10aの縫合糸1000上の遷移セグメント1002内の当該突起1004のような、容易に検出可能かつ組織と区別できるリテーナーである、問題のセクションの表面上の突起は、問題のセクションを位置づける際に外科医を助け得る。或いは、問題のセクションの全て又は一部に沿って縫合糸の外周の回りに連続的又は不連続に走る隆線(ridge)を設けるか、又は該隆線が問題のセクションの外周の一部だけの回りを走ってもよい;例えば、図10bの縫合糸550の遷移セクション552内の隆線1054を参照されたい。同様に、他のタイプのレリーフコンフィギュレーション又は形態(例えば、フィラメント状突起、四角形又は他の形状)を問題のセクションの外周に設けてもよい。該レリーフ形態は組織リテーナーと触覚的に容易に区別できなければならないが、必ずしも組織内の線維化反応を誘発するのを回避するように構成する必要はないことに留意すべきである。問題のセクションにおける縫合糸径のこのような増加は、縫合スレッド(例えば、押出製造プロセス中に特定長さの縫合スレッド用の大量の縫合糸材料を押し出し、又は拡大した直径部分を有する縫合スレッドを切削又は刻印することによって)、又は縫合スレッドの製造後(例えば、縫合スレッドの端部から材料を切削すること、又は例えば、重合によって該スレッドの所望部分に材料を付加すること等によって)に起こり得る。
他の形態の触覚分界にはテクスチャーの差異が含まれる。遷移セグメントの全て又は一部にテクスチャーの差異を与えることには、問題のセクションに縫合糸本体の直径が増加及び/又は減少した複数の領域を設けることが含まれる。限定するものではないが、加圧、切削、コーティング、及び研磨剤、重合剤、酸エッチング液、塩基エッチング液などの薬剤の適用といった方法によって、例えば、複数の窪み、複数のレリーフコンフィギュレーション、及びそのいずれかの組合せを問題のセクションに設けてよい。
I. 材料
限定するものではないが、射出成形、刻印、切削、レーザー、押出し等のいずれの適切な方法によっても本明細書に記載の縫合スレッドを作製することができる。切削に関して、縫合糸本体のために重合糸又はフィラメントを製造又は購入し、引き続き縫合糸本体上にリテーナーを切削することができる;ブレード、切削ホイール、粉砕ホイール等を用いてリテーナーを手動切削、レーザー切削、又は機械的に機械切削することができる。切削中、切削デバイス又は縫合スレッドのどちらかを他方に対して動かし、或いは両方動かしてカット210のサイズ、形状及び深さを制御することができる。フィラメント上にバーブを切削するための特定方法は、Genovaらに与えられた表題「縫合糸上にバーブを形成する方法及び縫合糸上にバーブを形成するための装置(Method Of Forming Barbs On A Suture And Apparatus For Performing Same)」の米国特許出願第09/943,733号、及びLeungらに与えられた表題「バーブ付き縫合糸(Barbed Sutures)」の米国特許出願第10/065,280号に記載されており、これらの文献は参照によって本明細書に援用される。いずれの適切な生体適合性材料からも縫合糸を作ることができ、かついずれの適切な生体適合性材料によっても、縫合糸の強度、弾力性、長寿命、又は他の品質を増強するか、或いは組織を結合すること、組織を最配置すること、又は組織に異質要素を取り付けることに加えて、縫合糸にさらなる機能を備えさせようとさせなかろうと、縫合糸をさらに処理してよい。
さらに、本明細書に記載の留置縫合糸は、治癒を促進し、かつ瘢痕形成、感染、痛み等のような望ましくない作用を阻止するための組成物を備えてよい。これは種々の方法で達成されるが、例えば、(a)縫合糸に製剤を直接添加することによって(例えば、縫合糸にポリマー/薬物フィルムを噴霧することによって、又は縫合糸をポリマー/薬物溶液に浸漬することによって)、(b)組成物を次々に吸収するであろうヒドロゲルのような物質で縫合糸をコーティングすることによって、(c)マルチフィラメントの場合は製剤をコーティングした糸(又は糸の中に形成されたポリマー自体)を織り合わせることによって、(d)製剤で構成されているか、又は製剤でコーティングされたスリーブ又はメッシュ内に縫合糸を挿入することによって、或いは(e)縫合糸自体を組成物で構築する方法が挙げられる。該組成物として、限定ではなく、抗増殖剤、血管新生阻害剤、抗感染剤、線維症誘導剤、抗瘢痕剤、潤滑剤、エコー発生剤、抗炎症剤、細胞周期阻害剤、鎮痛剤、及び微小管阻害剤が挙げられる。例えば、リテーナーを形成する前に組成物を縫合糸に適用することができ、そうすると、リテーナーが係合したとき係合面には実質的にコーティングがない。このようにして、縫合糸が導入されると、縫合される組織が縫合糸のコーティング面と接触するが、リテーナーが係合すると、リテーナーの非コーティング面が組織と接触する。或いは、例えば、選択的コーティング縫合糸よりむしろ完全コーティングが望ましい場合、縫合糸上にリテーナーを形成後又は形成中に縫合糸をコーティングすることができる。さらに別の代替法では、縫合糸の選択した部分だけをコーティングにさらすことによって、リテーナーの形成中又は形成後のどちらかに縫合糸を選択的にコーティングすることができる。縫合糸を設置しようとする特定の目的又は組成物が、完全コーティング若しくは選択的コーティング縫合糸のどちらが適切かを決定し得る。例えば、潤滑性コーティングの場合、例えば、縫合糸の組織係合面を未コーティングのままにして、当該表面の組織係合機能が損なわれるのを防止するため、縫合糸を選択的にコーティングするのが望ましいだろう。他方、抗感染剤のような化合物を含む当該コーティングのようなコーティングは、縫合糸全体に適用するのが適切であり、線維化剤を含む当該コーティングのようなコーティングは、縫合糸の全て又は一部(例えば組織係合面)に適用するのが適切であろう。縫合糸の目的は、縫合糸に適用するコーティングの種類をも決定し得る。例えば、抗増殖コーティングを有する留置縫合糸は、腫瘍切除部位の閉鎖に使用してよく、線維化コーティングを有する留置縫合糸は組織再配置手順で使用してよく、抗瘢痕剤を有する当該コーティングは皮膚の創傷閉鎖のために使用してよい。同様に、縫合糸の構造はコーティングの選択及び範囲に影響し得る。例えば、膨張セグメントを有する縫合糸は、その膨張セグメント上に線維症誘導組成物を含有して、該セグメントを組織内の適所にさらに固定することができる。コーティングが、複数の組成物をどれも一緒に、又は縫合糸の異なる部分に含んでもよい。この場合、複数の組成物を異なる目的のため(例えば鎮静剤、抗感染剤及び抗瘢痕剤の組合せ)、又はそれらの相乗効果のために選択することができる。
J. 臨床用途
一般的な創傷閉鎖及び軟組織修復適用に加えて、種々の他の徴候に留置縫合糸を使用することができる。
本明細書に記載の留置縫合糸は、種々の歯科手順、すなわち、口腔及び顎顔面外科手順で使用しう得るので、「留置歯科用縫合糸」と呼ぶことができる。上記手順としては、限定するものではないが、口腔外科(例えば、埋伏歯又は破壊歯の除去)、骨増生をもたらすための手術、歯牙顔面変形を修復するための手術、外傷後の修復(例えば、顔面骨折及び傷害)、歯原性及び非歯原性腫瘍の外科的処置、再建手術、口唇裂又は口蓋裂の修復、先天性頭蓋顔面変形、及び美容顔面手術が挙げられる。留置歯科用縫合糸は分解性又は非分解性であってよく、典型的にサイズがUSP 2-0〜USP 6-0の範囲であり得る。
本明細書に記載の留置縫合糸は、組織再配置外科手順でも使用し得るので、「留置組織再配置縫合糸」と呼ぶことができる。該外科手順として、限定ではなく、フェースリフト、ネックリフト、眉リフト、大腿リフト、及び胸部リフトが挙げられる。組織再配置手順で使用する留置縫合糸は、再配置する組織によって変動し得る。例えば、より大きいか又はさらに間隙を介したリテーナーを備えた縫合糸は、脂肪組織のような相対的に軟らかい組織で使用するのに適しているであろう。
本明細書に記載の留置縫合糸は、手術用顕微鏡下で行う顕微手術手順でも使用し得る(従って「留置マイクロ縫合糸」と呼ぶことができる)。該外科手順としては、限定するものではないが、末梢神経の再付着及び修復、脊髄顕微手術、手の顕微手術、種々の形成性顕微手術手順(例えば、顔面再建)、男性又は女性の生殖器系の顕微手術、及び種々のタイプの再建顕微手術が挙げられる。顕微手術再建は、一次閉鎖、二次癒合による治癒、皮膚移植、局部内皮移植(local flap transfer)、及び遠位内皮移植(distant flap transfer)等の他の選択肢が妥当でない場合の複雑な再建手術問題のために使用される。留置マイクロ縫合糸は非常に小さい直径を有し、多くの場合USP 9-0又はUSP 10-0ほど小さく、対応するサイズの針を取り付け得る。マイクロ縫合糸は分解性又は非分解性であってよい。
本明細書に記載の留置縫合糸は、眼科手術手順のため同様に小さい直径範囲で使用され得るので、「眼科用留置縫合糸」と呼ぶことができる。該手順としては、限定するものではないが、角膜移植、白内障、及び硝子体網膜顕微手術手順が挙げられる。眼科用留置縫合糸は分解性又は非分解性であってよく、対応して小さい口径の針が取り付けてある。
動物の健康における多数の外科目的及び外傷目的のための種々の獣医用途で留置縫合糸を使用することができる。
本発明のほんの数例の典型的実施形態について本発明を示して詳述したが、当業者は、開示された特有の実施形態に本発明を限定する意図でないことを理解すべきである。本発明の新規な教示及び利点から実質的に逸脱することなく、特に前記教示に照らして、開示実施形態に種々の修正、省略、及び付加を為し得る。従って、以下の特許請求の範囲で定義される本発明の精神及び範囲内に含まれる限り、全ての該修正、省略、付加、及び均等物を包含するものとする。

Claims (12)

  1. 複数のセクションを含む異種機能性外科フィラメントであって、
    第1のセクションが、第2のセクションの特徴と異なる特徴を有し、
    前記第1のセクションが、前記第1のセクションの前記特徴を前記第2のセクションの前記特徴と区別できるようにする少なくとも1つの分界を有し、かつ
    前記分界が、可視標識でなく、視覚的に解読できず、コンピュータシステムによって検出又は識別できるコーディングを含む、異種機能性外科フィラメント。
  2. 前記異種機能性外科フィラメントが、留置縫合糸である、請求項1に記載の異種機能性外科フィラメント。
  3. 前記分界が、コンピュータ可読コーディングを含む、請求項1に記載の異種機能性外科フィラメント。
  4. 前記フィラメントがコーティングを含む、請求項1に記載の異種機能性外科フィラメント。
  5. さらに針を含む、請求項1に記載の異種機能性外科フィラメント。
  6. 前記第1のセクションの前記特徴が、針径又は縫合糸径である、請求項1に記載の異種機能性外科フィラメント。
  7. 前記第1のセクションの前記特徴が、縫合糸長又は縫合糸材料である、請求項1に記載の異種機能性外科フィラメント。
  8. 前記第1のセクションの前記特徴が、前記フィラメントの状態である、請求項1に記載の異種機能性外科フィラメント。
  9. 前記分界が、前記異種機能性外科フィラメントの2つ以上の特徴を同定する、請求項1に記載の異種機能性外科フィラメント。
  10. 異種機能性外科フィラメントを使用するためのシステムであって、
    (a)請求項1に記載の前記異種機能性外科フィラメント、
    (b)前記分界を検出し、同定するコンピュータシステム、及び、
    (c)前記区別できるようにする特徴を使用者に同定するディスプレイ装置、を含むシステム。
  11. 前記分界が、前記異種機能性外科フィラメントの2つ以上の特徴を同定する、請求項10に記載のシステム。
  12. 前記ディスプレイ装置が、前記異種機能性外科フィラメントの2つ以上の特徴を同定する、請求項11に記載のシステム。
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