JP5689101B2 - フェムトセル基地局、通信品質確認方法、および通信品質確認プログラム - Google Patents

フェムトセル基地局、通信品質確認方法、および通信品質確認プログラム Download PDF

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Description

本発明に係るいくつかの態様は、例えば、無線のバックホール回線を介して基地局と通信するフェムトセル基地局、通信品質確認方法、および通信品質確認プログラムに関する。
従来、この種のフェムトセル基地局として、公衆回線のパックホール回線を用いてインターネット網に有線で接続されるリレーフェムト基地局を備える無線システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2012−147051号公報
一般に、フェムトセル基地局と基地局との間のバックホール回線が有線(固定)回線である場合、十分な通信品質が保証(確保)されている。一方、バックホール回線が無線である場合、他の電波の影響(干渉)を受けるなど、十分な通信品質が保証(確保)できない場合がある。
しかしながら、従来のフェムトセル基地局には、無線のバックホール回線を介して基地局と通信する場合に、事前に基地局の方向(上り方向)の通信品質を確認する手段がなく、通信品質を確認せずに通信サービスを提供していた。
本発明のいくつかの態様は前述の問題に鑑みてなされたものであり、基地局の方向(上り方向)の通信品質を事前に確認することのできるフェムトセル基地局、通信品質確認方法、および通信品質確認プログラムを提供することを目的の1つとする。
本発明に係るフェムトセル基地局は、無線のバックホール回線を介して基地局と通信可能なフェムトセル基地局であって、前述の基地局の方向に所定サイズのファイルを送信して通信速度を測定する測定部を備える。
好ましくは、測定部により測定された通信速度に基づいて、前述の基地局への送信を制御する送信制御部をさらに備える。
好ましくは、送信制御部は、測定部により測定された通信速度が所定のしきい値以上である場合に、前述の基地局への送信を許可する。
好ましくは、送信制御部は、測定部により測定された通信速度が所定のしきい値より低い場合に、前述の基地局への送信を禁止する。
好ましくは、送信制御部は、測定部により測定された通信速度が所定のしきい値より低い場合に、移動局からの通話要求に関して前述の基地局への送信を禁止する。
好ましくは、前述の基地局と複数の通信規格で通信可能であり、測定部は、前述の基地局の方向に複数の通信規格のうちの一の通信規格で前述のファイルを送信して一の通信規格の通信速度を測定し、送信制御部は、測定部により測定された一の通信規格の通信速度が所定のしきい値以上である場合に、一の通信規格による前述の基地局への送信を許可する。
好ましくは、測定部により測定された通信速度が所定のしきい値より低い場合に、警報を出力する警報出力部をさらに備える。
また、本発明に係る通信品質確認方法は、無線のバックホール回線を介して基地局と通信可能なフェムトセル基地局が、前述の基地局の方向に所定サイズのファイルを送信して通信速度を測定する。
また、本発明に係る通信品質確認プログラムは、無線のバックホール回線を介して基地局と通信可能なフェムトセル基地局が、前述の基地局の方向に所定サイズのファイルを送信して通信速度を測定するステップを備える。
本発明のフェムトセル基地局、通信品質確認方法、および通信品質確認プログラムによれば、基地局の方向に(上り方向に)測定用ファイルを送信して通信速度を測定することにより、下り方向よりも必要性(優先度)が高い上り方向について、事前に、通信品質を知ることが可能となる。これにより、フェムトセル基地局が音声通話サービスおよびデータ通信サービスを提供する前に、上り方向の通信品質を確認することができる。
第1実施形態における公衆携帯電話通信網の概略構成を説明する構成図である。 図1に示したフェムトセル基地局の構成を説明するブロック図である。 図1および図2に示したフェムトセル基地局が上り方向の通信品質を確認する動作を説明するフローチャートである。 第2実施形態における公衆携帯電話通信網の概略構成を説明する構成図である。 図4に示したフェムトセル基地局の構成を説明するブロック図である。 図4および図5に示したフェムトセル基地局が上り方向の通信品質を確認する動作を説明するフローチャートである。
以下に本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号で表している。但し、図面は模式的なものである。したがって、具体的な寸法などは以下の説明を照らし合わせて判断するべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。なお、以下の説明において、図面の上側を「上」、下側を「下」、左側を「左」、右側を「右」という。
<第1実施形態>
図1ないし図3は、本発明に係るフェムトセル基地局、音声品質確認方法、および音声品質確認プログラムの第1実施形態を示すためのものである。図1は、第1実施形態における公衆携帯電話通信網PN1の概略構成を説明する構成図である。図1に示すように、公衆携帯電話通信網PN1は、本発明に係るフェムトセル基地局10と、バックホール回線BL1と、複数の基地局B1,B2,B3と、インターネット網INと、制御局Cと、コアネットワークCNと、無線ネットワーク制御局RCと、を備える。
フェムトセル基地局10は、例えば、屋内や地下などに設置され、半径数十メートル程度の通信エリアをカバーするフェムトセル10aを有する。フェムトセル基地局10は、フェムトセル10aの範囲内に位置する、例えば携帯電話などの移動局M1からの音声やデータを、バックホール回線BL1を介して基地局B1に中継する。
バックホール回線BL1は、フェムトセル基地局10と基地局B1との間を無線で通信可能にする。バックホール回線BL1は、例えば、Wi−Fi(Wireless Fidelity)などの無線LANや、3G(3rd Generation)やLTE(Long Term Evolution)などのモバイル回線(携帯電話回線)で構成することが可能である。
基地局B1は、フェムトセル基地局10から受信した音声データや通信データなどを、インターネット網INを介してコアネットワークCNに中継する。基地局B1は、例えば、xDSL(Digital Subscriber Line)、同軸ケーブル、光ファイバーなどの有線で、インターネット網INに接続する。インターネット網INは、TCP/IPプロトコルに準拠したネットワークである。
制御局Cは、インターネット網INを介して基地局B1を制御しており、基地局B1およびフェムトセル基地局10を介して移動局M1の接続制御などを行う。また、制御局Cは、ゲートウェイGWを介してコアネットワークCNに接続する。
ゲートウェイGWは、制御局Cを介するインターネット網INからのアクセス制限などを行う。ゲートウェイGWは、プロキシサーバやファイアウォールなどの機能を備えていてもよい。
コアネットワークCNには、サーバSが接続される。サーバSは、後述するように、フェムトセル基地局10から送信される測定用ファイルf1を受信する。また、サーバSは、例えば、FTP(File Transfer Protocol)を用いてフェムトセル基地局10にファイルを送信してもよい。この場合、サーバSは、FTPサーバとして機能する。
無線ネットワーク制御局RCは、コアネットワークCNに接続するとともに、複数の基地局B2,B3にそれぞれ接続する。無線ネットワーク制御局RCは、基地局B2または基地局B3を介する通信を制御しており、移動局M2の発着信や回線接続、位置登録やハンドオーバーの制御などを行う。
図2は、図1に示したフェムトセル基地局10の構成を説明するブロック図である。図2に示すように、フェムトセル基地局10は、アンテナ11と、無線通信部12と、制御部13と、記憶部14と、を備える。
アンテナ11は、所定の周波数帯の電波(電磁波)を放射(輻射)および受波可能である。無線通信部12は、所定の通信規格でアンテナ11およびバックホール回線BLを介して基地局B1との間で通信(送受信)する。
制御部13は、アンテナ11、無線通信部12、記憶部14などのフェムトセル基地局10の各部を制御するためのものである。制御部53は、例えば、CPU、ROMやRAMなどのメモリ、入出力インターフェースなどで構成することが可能である。また、制御部13は、その機能構成として、測定部20と、送信制御部30と、警報出力部40を備える。
記憶部14は、測定用ファイルf1と、しきい値d1と、を記憶するためのものである。測定用ファイルf1は、通信速度測定用に設計(調整)された所定のサイズを有するファイルである。しきい値d1は、測定した通信速度と比較するためのしきい値である。測定用ファイルf1およびしきい値d1は、あらかじめ記憶部14に記憶される。
測定部20は、フェムトセル基地局10から基地局B1への方向(以下、上り方向という)に、コアネットワークCNに接続されたサーバSに測定用ファイルf1を送信し、通信速度を測定する。通信速度は、測定用ファイルf1のサイズと測定用ファイルf1の送信が完了するまでの時間とに基づいて、測定(算出)することができる。また、通信速度の単位は、例えば、bps(bit per second)[ビット/秒]が用いられる。
ここで、無線のバックホール回線BL1を介する通信の品質、特に音声通話の品質は、通信速度の影響を受けることが分かっている。また、無線のバックホール回線BL1を介する通信では、基地局B1からフェムトセル基地局10への方向(以下、下り方向という)の通信速度と比較して、上り方向の通信速度の方が低い(遅い)傾向にあるので、下り方向よりも上り方向の方が、通信品質を確認する必要性(優先度)が高いといえる。よって、上り方向に測定用ファイルf1を送信して通信速度を測定することにより、下り方向よりも必要性(優先度)が高い上り方向について、事前に、通信品質を知ることが可能となる。
送信制御部30は、測定部20により測定された通信速度に基づいて、基地局B1への送信を制御する。
具体的には、測定部20により測定された通信速度がしきい値d1以上である場合に、送信制御部30は、基地局B1への送信を許可する。基地局B1への送信を許可するために、送信制御部30は、例えば、移動局M1からの音声通話およびデータ通信の要求(リクエスト)を受け入れるように設定する。
ここで、上り方向の通信速度が所定の速度以上である場合、QoS(Quality of Service)の観点から、上り方向の通信は所定の品質が保証(確保)されているといえる。よって、測定部20により測定された通信速度がしきい値d1以上である場合に、基地局B1への送信を許可することにより、上り方向の品質が保証(確保)された音声通話サービスおよびデータ通信サービスを提供することができる。
一方、測定部20により測定された通信速度がしきい値d1より低い(遅い)場合に、送信制御部30は、基地局B1への送信を禁止する。基地局B1への送信を禁止するために、送信制御部30は、例えば、移動局M1からの音声通話およびデータ通信の要求(リクエスト)を拒否(拒絶)するように設定する。これにより、上り方向の通信品質が保証(確保)できないときに、音声通話サービスおよびデータ通信サービスを停止することができ、低品質なサービスの提供を防止することができる。
警報出力部40は、測定部20により測定された通信速度がしきい値d1より低い(遅い)場合に、警報を出力する。警報を出力する手段としては、例えば、警報ランプを点灯したり、スピーカなどの音声出力手段から警報音を出力したり、ディスプレイなどの表示手段に警報メッセージを出力したりする。または、警報出力部40は、コアネットワークCNに接続されたサーバSに警報データを送信するようにしてもよい。この場合、サーバSはフェムトセル基地局10の通信速度を管理するサーバとして機能する。これにより、上り方向の通信品質が保証(確保)できないときに、フェムトセル基地局10を管理、運用する通信事業者に知らせることができ、例えば、バックホール回線BL1を無線から有線(固定回線)に変更するなど、通信事業者にバックホール回線BL1の検討や見直しを促すことができる。
フェムトセル基地局10には、商用電源(図示省略)から電力が供給される。しかし、フェムトセル基地局10は商用電源から電力が供給される場合に限定されず、例えば、フェムトセル基地局10がキャパシタや二次電池などの蓄電装置を備えるようにしてもよい。
本実施形態では、測定部20、送信制御部30、および警報出力部40が、制御部13の一機能である例を示したが、これに限定されない。例えば、フェムトセル基地局10が、測定部20、音声制御部30、および警報出力部40のうちの少なくとも1つをさらに備えるようにしてもよい。
次に、フェムトセル基地局10の動作について説明する。
図3は、図1および図2に示したフェムトセル基地局10が上り方向の通信品質を確認する動作を説明するフローチャートである。
フェムトセル基地局10は、例えば、起動時に、制御部13が図3に示す通信品質確認処理S110を実行する。
最初に、測定部20は、記憶部14に記憶された測定用ファイルf1を読み出し、無線通信部12およびアンテナ11を制御してサーバSに測定用ファイルf1を送信する(S111)。測定用ファイルf1の送信完了後、測定部20は上り方向の通信速度を測定する(S112)。
次に、送信制御部30は、記憶部14に記憶されたしきい値d1を読み出し、S112において測定した通信速度がしきい値d1より小さいか否かを判定する(S113)。
S113の判定の結果、測定した通信速度がしきい値d1より小さい場合、上り方向の通信速度が所定の速度より低いので、上り方向の通信品質を保証(確保)することができないものと考えられる。よって、警報出力部40は警報を出力する(S114)。また、送信制御部30は、基地局B1への送信を禁止し(S115)、通信品質確認処理S110を終了する。
なお、S115において、送信制御部30は、移動局M1からの通話要求に関してのみ、基地局B1への送信を禁止するようにしてもよい。
すなわち、音声通話サービスは所定の品質を保証(確保)することが求められている。これに対し、データ通信サービスは、その性質上、ベストエフォート型のサービスであるから、上り方向の通信品質が低い場合であっても、サービスを提供してもよいといえる。よって、測定部20により測定された通信速度がしきい値d1より低い場合に、移動局M1からの通話要求に関して基地局B1への送信を禁止することにより、上り方向の通信品質が保証(確保)できないときに、音声通話サービスのみを停止し、データ通信サービスを提供することができる。
一方、S113の判定の結果、測定した通信速度がしきい値d1より小さくない、すなわち、測定した通信速度がしきい値d1以上である場合、上り方向の通信速度が所定の速度以上であるから、上り方向の通信品質を保証(確保)することができると考えられる。よって、送信制御部30は、基地局B1への送信を許可し(S116)、通信品質確認処理S110を終了する。
本実施形態では、フェムトセル基地局10の起動時に通信品質確認処理S110を実行するようにしたが、これに限定されない。制御部13は、例えば、所定の間隔で定期的に、または、不定期に、通信品質確認処理S110を実行するようにしてもよい。この場合、以前の実行時に、S113の判定の結果、測定した通信速度がしきい値d1より小さく、S115において送信制御部30が基地局B1への送信を禁止し、音声通話サービスおよびデータ通信サービスを停止したときでも、今回の実行時に、上り方向の通信品質が向上(回復)し、S113の判定の結果、測定した通信速度がしきい値d1以上である場合、S116において送信制御部30は基地局B1への送信を許可し、上り方向の音声通話サービスおよびデータ通信サービスを再開することが可能となる。
また、本実施形態では、S113の判定の結果、測定した通信速度がしきい値d1より小さい場合に、S114において警報を出力し、S115において基地局B1への送信を禁止するようにしたが、これに限定されない。制御部13は、S114およびS115のいずれか一方のみを行うようにしてもよい。
このように、本実施形態によれば、上り方向に測定用ファイルf1を送信して通信速度を測定することにより、下り方向よりも必要性(優先度)が高い上り方向について、事前に、通信品質を知ることが可能となる。これにより、フェムトセル基地局10が音声通話サービスおよびデータ通信サービスを提供する前に、上り方向の通信品質を確認することができる。
<第2実施形態>
図4ないし図6は、本発明に係るフェムトセル基地局、通信品質確認方法、および通信品質確認プログラムの第2実施形態を示すためのものである。なお、特に記載がない限り、前述した第1実施形態と同一構成部分は同一符号をもって表し、その説明を省略する。また、前述した第1実施形態と類似する構成部分は類似の符号をもって表し、その詳細な説明を省略する。さらに、図示しない構成部分は、前述した第1実施形態と同様とする。
図4は、第2実施形態における公衆通信網PN2の概略構成を説明する構成図である。図4に示すように、公衆携帯電話通信網PN2は、本発明に係るフェムトセル基地局10Aと、バックホール回線BL2と、複数の基地局B2,B3,B4と、インターネット網INと、制御局Cと、コアネットワークCNと、無線ネットワーク制御局RCと、を備える。
フェムトセル基地局10Aは、例えば、屋内や地下などに設置され、第1実施形態のフェムトセル基地局10と同様に、フェムトセル10aを有する。フェムトセル基地局10Aは、フェムトセル10aの範囲内に位置する、例えば携帯電話などの移動局M1からの音声やデータを、バックホール回線BL2を介して基地局B4に中継する。
バックホール回線BL2は、フェムトセル基地局10Aと基地局B4との間を無線で通信可能にする。バックホール回線BL2は、例えば、Wi−Fiなどの無線LANや、3GやLTEなどのモバイル回線(携帯電話回線)で構成することが可能である。
基地局B4は、フェムトセル基地局10Aから受信した音声データや通信データなどを、インターネット網INを介してコアネットワークCNに中継する。基地局B4は、例えば、xDSL、同軸ケーブル、光ファイバーなどの有線で、インターネット網INに接続する。
フェムトセル基地局10Aおよび基地局B4は、バックホール回線BL2を介して、複数の通信規格で通信可能である。フェムトセル基地局10Aおよび基地局B4は、複数の通信規格の中から選択され、設定された一の通信規格で通信する。
図5は、図4に示したフェムトセル基地局10Aの構成を説明するブロック図である。図5に示すように、フェムトセル基地局10Aは、アンテナ11Aと、無線通信部12Aと、制御部13Aと、記憶部14と、を備える。
アンテナ11Aは、複数の周波数帯の電波(電磁波)を放射(輻射)および受波可能である。無線通信部12Aは、制御部13Aにより選択(設定)された通信規格で、アンテナ11Aおよびバックホール回線BL2を介して基地局B4との間で通信(送受信)する。
制御部13Aは、アンテナ11A、無線通信部12A、記憶部14などのフェムトセル基地局10Aの各部を制御するためのものである。制御部13Aは、例えば、CPU、ROMやRAMなどのメモリ、入出力インターフェースなどで構成することが可能である。また、制御部13Aは、その機能構成として、測定部20Aと、送信制御部30Aと、警報出力部40を備える。なお、警報出力部40は、第1実施形態と同様に、コアネットワークCNに接続されたサーバSに警報データを送信するようにしてもよい。
測定部20Aは、フェムトセル基地局10Aから基地局B4への方向(以下、上り方向という)に、複数の通信規格のうちから選択して設定した一の通信規格で、コアネットワークCNに接続されたサーバSに測定用ファイルf1を送信し、通信速度を測定する。通信速度は、測定用ファイルf1のサイズと測定用ファイルf1の送信が完了するまでの時間とに基づいて、測定(算出)される。また、通信速度の単位は、例えば、bps[ビット/秒]が用いられる。
ここで、無線のバックホール回線BL2を介する通信の品質、特に音声通話の品質は、通信速度の影響を受けることが分かっている。また、無線のバックホール回線BL2を介する通信では、基地局B4からフェムトセル基地局10Aへの方向(以下、下り方向という)の通信速度と比較して、上り方向の通信速度の方が低い(遅い)傾向にあるので、下り方向よりも上り方向の方が、通信品質を確認する必要性(優先度)が高いといえる。よって、上り方向に複数の通信規格のうちの一の通信規格で測定用ファイルf1を送信して通信速度を測定することにより、下り方向よりも必要性(優先度)が高い上り方向について、事前に、一の通信規格の通信品質を知ることが可能となる。
通信制御部30Aは、測定部20Aにより測定された通信速度に基づいて、基地局B4への送信を制御する。
具体的には、測定部20Aにより測定された一の通信規格の通信速度がしきい値d1以上である場合に、送信制御部30Aは、一の通信規格による基地局B4への送信を許可する。一の通信規格による基地局B4への送信を許可するために、送信制御部30は、例えば、移動局M1からの音声通話およびデータ通信の要求(リクエスト)を受け入れて一の通信規格で送信するように設定する。
ここで、一の通信規格の上り方向の通信速度が所定の速度以上である場合、QoSの観点から、一の通信規格の上り方向の通信は所定の品質が保証(確保)されているといえる。よって、測定部20Aにより測定された一の通信規格の通信速度がしきい値d1以上である場合に、一の通信規格による基地局B1への送信を許可することにより、上り方向の品質が保証(確保)された音声通話サービスおよびデータ通信サービスを提供することができる。
一方、複数の通信規格の全ての通信規格において、測定部20Aにより測定された通信速度がしきい値d1より低い(遅い)場合に、送信制御部30Aは、基地局B4への送信を禁止する。基地局B4への送信を禁止するために、送信制御部30Aは、例えば、移動局M1からの音声通話およびデータ通信の要求(リクエスト)を拒否(拒絶)するように設定する。これにより、上り方向の通信品質が保証(確保)できないときに、音声通話サービスおよびデータ通信サービスを停止することができ、低品質なサービスの提供を防止することができる。
フェムトセル基地局10Aには、商用電源(図示省略)から電力が供給される。しかし、フェムトセル基地局10Aは商用電源から電力が供給される場合に限定されず、例えば、フェムトセル基地局10Aがキャパシタや二次電池などの蓄電装置を備えるようにしてもよい。
本実施形態では、測定部20A、送信制御部30A、および警報出力部40が、制御部13Aの一機能である例を示したが、これに限定されない。例えば、フェムトセル基地局10Aが、測定部20A、送信制御部30A、および警報出力部40のうちの少なくとも1つをさらに備えるようにしてもよい。
次に、フェムトセル基地局10Aの動作について説明する。
図6は、図4および図5に示したフェムトセル基地局10Aが上り方向の通信品質を確認する動作を説明するフローチャートである。なお、以下の説明では、フェムトセル基地局10Aおよび基地局B4が、2.5GHzの周波数帯を使用するAXGP(Advanced eXtended Global Platform)の通信規格と、1.5GHzの周波数帯を使用する、HSPA(High Speed Packet Access)を高速化したHSPA+などの通信規格との2つの通信規格で通信可能である例を用いる。
フェムトセル基地局10Aは、例えば、起動時に、制御部13Aが図6に示す通信品質確認処理S210を実行する。
最初に、測定部20Aは、記憶部14に記憶された測定用ファイルf1を読み出し、無線通信部12Aおよびアンテナ11Aを制御してサーバSに複数の通信規格のうちの一の通信規格で測定用ファイルf1を送信する(S211)。測定用ファイルf1の送信完了後、測定部20Aは一の通信規格の上り方向の通信速度を測定する(S212)。
次に、送信制御部30Aは、記憶部14に記憶されたしきい値d1を読み出し、S212において測定した一の通信規格の通信速度がしきい値d1より小さいか否かを判定する(S213)。
S213の判定の結果、測定した一の通信規格の通信速度がしきい値d1より小さい場合、測定部20Aは、複数の通信規格のうち、上り方向の通信速度をまだ測定していない、他の通信規格がないか否かを判定する(S214)。
S214の判定の結果、他の通信規格がない場合、複数の通信規格のうちの全ての通信規格において、上り方向の通信速度が所定の速度より低いので、上り方向の通信品質を保証(確保)することができないものと考えられる。よって、警報出力部40は警報を出力する(S215)。また、送信制御部30Aは、基地局B4への送信を禁止し(S216)、通信品質確認処理S210を終了する。
なお、S216において、送信制御部30Aは、移動局M4からの通話要求に関してのみ、基地局B4への送信を禁止するようにしてもよい。
すなわち、音声通話サービスは所定の品質を保証(確保)することが求められている。これに対し、データ通信サービスは、その性質上、ベストエフォート型のサービスであるから、上り方向の通信品質が低い場合であっても、サービスを提供してもよいといえる。よって、複数の通信規格のうちの全ての通信規格において、測定部20Aにより測定された通信速度がしきい値d1より低い場合に、移動局M1からの通話要求に関して基地局B4への送信を禁止することにより、上り方向の通信品質が保証(確保)できないときに、音声通話サービスのみを停止し、データ通信サービスを提供することができる。この場合、送信制御部30Aは、移動局M1からのデータ通信要求に対して、複数の通信規格のうちの少なくとも一つの通信規格で、基地局B4への送信を許可する。
一方、S214の判定の結果、他の通信規格がある場合、測定部20Aは、当該他の通信規格を選択、設定し、再度、S211〜S213の処理を行う。例えば、先に、2.5GHzの周波数帯を使用するAXGPの通信規格が選択、設定されていた場合、測定部20Aは、1.5GHzの周波数帯を使用するHSPA+などの通信規格を選択、設定し、再度S211〜S213の処理を行う。
一方、S213の判定の結果、測定した一の通信規格の通信速度がしきい値d1より小さくない、すなわち、測定した一の通信規格の通信速度がしきい値d1以上である場合、一の通信規格の上り方向の通信速度が所定の速度以上であるから、一の通信規格の上り方向の通信品質を保証(確保)することができると考えられる。よって、送信制御部30Aは、一の通信規格による基地局B4への送信を許可し(S217)、通信品質確認処理S210を終了する。
前述した例では、例えば、先に選択、設定した2.5GHzの周波数帯を使用するAXGPの通信規格の通信速度がしきい値d1より小さく、次に選択、設定した1.5GHzの周波数帯を使用するHSPA+などの通信規格の通信速度がしきい値d1以上である場合、S217において、送信制御部30Aは、1.5GHzの周波数帯を使用するHSPA+などの通信規格による基地局B4への送信を許可する。このように、フェムトセル基地局10Aと基地局B4との間で通信可能な複数の通信規格のうち、測定部20Aにより測定された一の通信規格の通信速度がしきい値d1以上である場合に、一の通信規格による基地局B1への送信を許可することにより、他の通信規格の上り方向の通信品質を保証(確保)することができない場合でも、一の通信規格で上り方向の品質が保証(確保)された音声通話サービスおよびデータ通信サービスを提供することができる。
本実施形態では、フェムトセル基地局10Aの起動時に通信品質確認処理S210を実行するようにしたが、これに限定されない。制御部13Aは、例えば、所定の間隔で定期的に、または、不定期に、通信品質確認処理S210を実行するようにしてもよい。この場合、以前の実行時に、S216において送信制御部30Aが基地局B4への送信を禁止し、音声通話サービスおよびデータ通信サービスを停止したときでも、今回の実行時に、一の通信規格の上り方向の通信品質が向上(回復)し、S213の判定の結果、測定した一の通信規格の通信速度がしきい値d1以上である場合、S217において送信制御部30Aは基地局B4への送信を許可し、上り方向の音声通話サービスおよびデータ通信サービスを再開することが可能となる。
また、本実施形態では、S214の判定の結果、他の通信規格がない場合に、S215において警報を出力し、S216において基地局B4への送信を禁止するようにしたが、これに限定されない。制御部13Aは、S215およびS216のいずれか一方のみを行うようにしてもよい。
このように、本実施形態によれば、上り方向に複数の通信規格のうちの一の通信規格で測定用ファイルf1を送信して一の通信規格の通信速度を測定することにより、下り方向よりも必要性(優先度)が高い上り方向について一の通信規格の通信品質を知ることが可能となる。これにより、フェムトセル基地局10Aが音声通話サービスおよびデータ通信サービスを提供する前に、事前に上り方向の通信品質を確認することができる。
なお、前述した各実施形態の構成は、組み合わせたり、あるいは一部の構成部分を入れ替えたりしたりしてもよい。また、本発明の構成は前述した各実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えてもよい。
10,10A…フェムトセル基地局
10a…フェムトセル
11、11A…アンテナ
12、12A…無線通信部
13、13A…制御部
14…記憶部
20、20A…測定部
30、30A…送信制御部
40…警報出力部
B1,B2,B3,B4…基地局
BL1,BL2…バックホール回線
C…制御局
CN…コアネットワーク
d1…しきい値
f1…測定用ファイル
GW…ゲートウェイ
IN…インターネット網
M1,M2…移動局
PN1,PN2…公衆携帯電話通信網
RC…無線ネットワーク制御局
S…サーバ
S110,S210…通信品質確認処理

Claims (5)

  1. 無線のバックホール回線を介して基地局と通信可能なフェムトセル基地局であって、
    前記基地局の方向に所定サイズのファイルを送信して通信速度を測定する測定部と、
    前記測定部により測定された通信速度に基づいて、前記基地局への送信を制御する送信制御部と、を備え、
    前記測定部は、所定の間隔で通信速度を測定し、
    前記送信制御部は、前記測定部により測定された通信速度が所定のしきい値以上である場合に、前記基地局への送信を許可し、前記測定部により測定された通信速度が所定のしきい値より低い場合に、移動局からの通話要求に関して前記基地局への送信を禁止する、
    フェムトセル基地局
  2. 記基地局と複数の通信規格で通信可能であり、
    前記測定部は、前記基地局の方向に前記複数の通信規格のうちの一の通信規格で前記ファイルを送信して前記一の通信規格の通信速度を測定し、
    前記送信制御部は、測定部により測定された前記一の通信規格の通信速度が所定のしきい値以上である場合に、前記一の通信規格による前記基地局への送信を許可する、
    請求項に記載のフェムトセル基地局。
  3. 前記測定部により測定された通信速度が所定のしきい値より低い場合に、警報を出力する警報出力部をさらに備える、
    請求項1または2に記載のフェムトセル基地局。
  4. 無線のバックホール回線を介して基地局と通信可能なフェムトセル基地局が、前記基地局の方向に所定サイズのファイルを送信して通信速度を測定することと
    前記フェムトセル基地局が、測定された通信速度に基づいて、前記基地局への送信を制御することと、を備え、
    通信速度は、所定の間隔で測定され、
    前記制御することは、測定された通信速度が所定のしきい値以上である場合に、前記基地局への送信を許可することと、測定された通信速度が所定のしきい値より低い場合に、移動局からの通話要求に関して前記基地局への送信を禁止することと、を含む、
    通信品質確認方法。
  5. 無線のバックホール回線を介して基地局と通信可能なフェムトセル基地局が、前記基地局の方向に所定サイズのファイルを送信して通信速度を測定するステップと、
    前記フェムトセル基地局が、測定された通信速度に基づいて、前記基地局への送信を制御するステップと、を備え、
    通信速度は、所定の間隔で測定され、
    前記制御するステップは、測定された通信速度が所定のしきい値以上である場合に、前記基地局への送信を許可するステップと、測定された通信速度が所定のしきい値より低い場合に、移動局からの通話要求に関して前記基地局への送信を禁止するステップと、を含む、
    通信品質確認プログラム。
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