JP5689088B2 - 冷間ピルガ圧延用潤滑剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、潤滑剤組成物に関し、さらに詳しくは、冷間ピルガ圧延に利用される潤滑剤組成物に関する。
冷間ピルガ圧延は、ステンレス鋼に代表される金属管の製造に利用される。冷間ピルガ圧延では潤滑剤組成物が使用される。冷間ピルガ圧延に利用される潤滑剤組成物は通常、油性剤や極圧添加剤等を含有する。油性剤はたとえば、油脂、脂肪酸、エステル類等である。極圧添加剤はたとえば、硫黄、塩素系化合物、リン等である。
塩素系化合物はたとえば、塩素化パラフィン、塩素化脂肪酸エステル等である。塩素系化合物は、他の極圧添加剤と比較して廉価である。塩素系化合物はさらに、潤滑性に優れ、かつ、引火しにくい。したがって、従来の潤滑剤組成物は、塩素系化合物を含有している。
しかしながら、塩素系化合物は生物及び環境には好ましくない。さらに、塩素系化合物を含有する潤滑剤を焼却処分する場合、塩化水素やダイオキシンが発生する。これらの化合物は、大気汚染の原因となり得る。したがって、塩素系化合物の含有量を抑制した潤滑剤組成物が求められている。
特開平8−333594号公報(特許文献1)、特開平8−34988号公報(特許文献2)、特開平6−256784号公報(特許文献3)及び特開2006−182809号公報(特許文献4)は、塩素系化合物を含有しない金属加工用潤滑剤組成物を提案する。
特許文献1に開示された型鍛造潤滑剤は、高塩基性のアルカリ土類金属塩を含有する。特許文献2に開示された潤滑剤組成物は、高塩基性の石油スルフォネートと、リン酸エステルのカルシウム塩又は硫黄系油脂類等に代表される極圧添加剤とを含有する。特許文献3に開示された潤滑剤組成物は、ZnDTPや硫化ラード等の被膜増強剤と、澱粉誘導体等の炭水化物とを含有する。特許文献4に開示された潤滑剤組成物は、特定の高塩基性の有機金属塩を含有する。
特開平8−333594号公報 特開平8−34988号公報 特開平6−256784号公報 特開2006−182809号公報
冷間ピルガ圧延は、Cr及びNiを多く含有する合金素材の加工に適する。しかしながら、特許文献1〜特許文献4に開示された潤滑剤組成物を冷間ピルガ圧延に用いた場合、合金素材表面に焼付きが発生したり、合金素材表面の耐食性が低下する場合がある。
本発明の目的は、塩素系化合物の含有量を抑えても、優れた耐焼付き性を有し、合金素材表面の耐食性の低下を抑制できる潤滑剤組成物を提供することである。
本発明による潤滑剤組成物は、冷間ピルガ圧延に利用される。潤滑剤組成物は、10〜40質量%の硫黄含有化合物と、20〜60質量%のカルシウム含有化合物とを含有する。硫黄含有化合物では、硫黄原子が3〜5個連続し、その両端に炭素数12〜18の炭化水素が付加される。カルシウム含有化合物は、第1及び第2カルシウムスルフォネートを含有する。第1カルシウムスルフォネートは、炭酸塩の結晶構造がアモルファス型結晶であり、全塩基価が300mgKOH/g以上である。第2カルシウムスルフォネートは、炭酸塩の結晶構造がカルサイト型結晶であり、全塩基価が150mgKOH/g以上である。第1カルシウムスルフォネートの第2カルシウムスルフォネートに対する比率RA/Cは1/4〜4である。
本発明による潤滑剤組成物は、塩素系化合物の含有量を抑えても、優れた耐焼付き性を有し、合金素材表面の耐食性の低下を抑制する。
以下、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
本発明者らは、塩素系化合物の含有量を抑えても優れた耐焼付き性を有し、合金素材表面の耐食性の低下を抑制できる潤滑剤組成物について調査、検討した。その結果、本発明者らは次の知見を得た。
硫黄系極圧剤は、ステンレス鋼に代表される合金素材に対する吸着性が高いといわれている。しかしながら、本発明者らによる調査の結果、次の事項が明かとなった。従来の硫黄系極圧剤は、冷間ピルガ圧延時に塑性変形により表面に露出したFe基材上、又は、Cr濃度の低いFeリッチな粒界に吸着されやすい。しかしながら、合金素材表面に形成される不活性な酸化被膜(クロミア)上には吸着しにくい。さらに、Cr及びNiへの吸着性も低いため、Cr含有量及びNi含有量の多い合金素材表面には吸着しにくい。
また、合金素材表面に塑性変形によりFe基材が露出しても、酸化被膜であるクロミアは速やかにFe基材上に形成される。具体的には、冷間ピルガ圧延で、ピルガミルのロールが1回転するごとに、合金素材が圧延されても、圧延終了後まもなく、合金素材表面にクロミアが形成される。そのため、合金素材表面には硫黄系極圧剤が吸着しにくい。したがって、潤滑剤組成物が従来の硫黄系極圧剤を含有していても、焼付きが発生する場合がある。
合金素材内のCr及びNi含有量がさらに高まれば、塑性変形により露出された合金素材表面が多量のCr及びNiを含有する。この場合、合金表面にクロミアが形成されていなくても、硫黄系極圧剤が吸着しにくい。そのため、冷間ピルガ圧延時に焼付きが発生しやすい。
さらに、上述のとおり、従来の硫黄系極圧剤は、Feリッチの粒界に吸着されやすい。したがって、従来の硫黄系極圧剤を含有する潤滑剤組成物により形成される境界潤滑被膜は、合金素材表面の全体を被覆しにくい。したがって、高面圧、高加工度の冷間ピルガ圧延では、焼付きが発生しやすい。また、粒界に吸着した従来の潤滑剤組成物は、化学反応により粒界を浸食して合金素材表面の耐食性を低下させるおそれがある。
本発明者らは、Cr及びNi含有量が多い合金素材の表面にも吸着しやすい硫黄系極圧剤を検討した。その結果、本発明者らは、硫黄原子が3〜5個連続し、その両端に炭素数12〜18の炭化水素が付加された硫黄含有化合物(以下、特定硫黄含有化合物という)は、Cr及びNiを含有する合金のオーステナイト粒内及び/又はフェライト粒内のCr及びNiに対して吸着しやすいことを初めて見出した。この理由は定かではないが、次の事項が推定される。特定硫黄含有化合物の−S−S−S−構造(以下、S連結構造という)に注目する。S連結構造のうち、両端にSが結合されるS(中央のS)の結合エネルギは、C−S結合と比較して低い。そのため、両端にSが結合されるSは、Cr及びNiと反応しやすい。したがって、特定硫黄含有化合物は、Cr及びNiと反応して、有機鎖を有するメルカプチド反応被膜、有機鎖が切れたNi−S系無機境界潤滑被膜、及び、有機鎖が切れたCr−S系無機境界潤滑被膜のいずれかを形成していると考えられる。
これらの吸着は、主としてS連結構造に起因する。しかしながら、S連結構造の両端に連結している炭化水素の鎖長も吸着に影響する。炭化水素鎖は、S分子の合金表面への吸着の際、立体的な障害となる。そのため、炭素鎖には適正な範囲が存在する。なお、引火点が問題となる場合、炭素鎖の適正範囲内であれば、炭化水素鎖の分子量を上げればよい。
硫黄系極圧剤は高温域(約225℃〜約300℃)で反応する。冷間ピルガ圧延では、ロール出側(ロール1回転後)での合金素材の表面温度は200℃以上である。一方、ロール入側(圧延開始時)での合金素材の表面温度はほぼ常温である。したがって、潤滑剤組成物は広い温度範囲で耐焼付き性を要求される。低温域(約100℃〜約175℃)及び中温域(約175℃〜約225℃)での耐焼付き性を得るために、従来の潤滑剤組成物は油性剤や、高塩基性の有機金属塩を含有する。
カルシウムスルフォネートに代表される有機金属塩は、炭酸カルシウムの微粒子を含んでいる。炭酸カルシウム微粒子は、(冷間ピルガ圧延時の)合金素材表面に吸着して、ロール表面と合金素材表面との金属接触を抑制する。そのため、低温域及び中温域で焼付きが発生しにくい。特に、アモルファス構造の炭酸カルシウムからなるカルシウムスルフォネート(以下、Aカルシウムスルフォネートという)は、他のカルシウムスルフォネートよりも粒径の小さい炭酸カルシウム微粒子を含む。Aカルシウムスルフォネートを高塩基化すれば、上述の炭酸カルシウム微粒子の含有量が増加し、耐焼付き性が高まる。
しかしながら、アモルファス構造の炭酸カルシウムの場合、粒子が脆いため粉砕されやすく、非常に微細な炭酸カルシウム微粒子が形成されやすい。このような微細な炭酸カルシウム微粒子は、合金素材表面のうち、Cr濃度の低い粒界を選択的に研削する。粒界は粒内よりも削られやすいためである。このような選択的な研削は、合金素材の耐食性を低下する。
カルサイト型の結晶構造の炭酸カルシウムを含有するカルシウムスルフォネート(以下、Cカルシウムスルフォネートという)では、炭酸カルシウムがAカルシウムスルフォネートの炭酸カルシウム微粒子よりも大きい。また、Cカルシウムスルフォネートの炭酸カルシウムは鱗片状の層状構造を有し、Aカルシウムスルフォネートのように、微細化しにくい。そのため、Cカルシウムスルフォネートの炭酸カルシウムは、Aカルシウムスルフォネートと比較して、粒界を研削しにくく、合金素材表面の耐食性の低下を抑制しやすい。しかしながら、Cカルシウムスルフォネートの炭酸カルシウムは、Aカルシウムスルフォネートの炭酸カルシウムよりも大きく、形状も鱗片状である。そのため、耐焼付き性は、Aカルシウムスルフォネートの方が、Cカルシウムスルフォネートよりも優れる。
したがって、合金素材表面の耐食性を高め、かつ、低温域及び中温域の耐焼付き性を高めるには、AカルシウムスルフォネートとCカルシウムスルフォネートとを特定の比率で含有することが有効である。具体的には、潤滑剤組成物内において、全塩基価(Total Base Number:TBN)300mgKOH/g以上のAカルシウムスルフォネートの、TBN150mgKOH/g以上のCカルシウムスルフォネートに対する比率RA/Cが1/4〜4であれば、低温域及び中温域での耐焼付き性が高まり、かつ、合金素材表面の耐食性を高める。
本発明の潤滑剤組成物はさらに、脂肪酸エステルを含有してもよい。脂肪酸エステルは油性剤の一種である。油性剤はカルシウムスルフォネートと同様に、低温域及び中温域で表面に吸着して焼付きを抑制する。油性剤は分子内に極性基を有する。油性剤の中でも脂肪酸エステルは、Cr及びNiを多く含有する合金の表面にも強固に吸着して耐焼付き性を抑制する。
しかしながら、脂肪酸エステルは、加工熱の影響を受けS連結構造の特定硫黄含有化合物と反応して高分子化し、潤滑油全体の粘度を経時的に高めてしまう場合がある。
脂肪酸エステルのうち、脂肪酸の炭素数が14〜18であり、アルコール部の炭素数が3〜8あり、不飽和結合を有さない脂肪酸モノエステル(以下、特定脂肪酸エステルという)は、特定硫黄含有化合物と併用しても高粘度化しにくい。
以上の知見に基づいて、次に示す本実施の形態の潤滑剤組成物が完成した。
本実施の形態による潤滑剤組成物は、冷間ピルガ圧延に利用される。潤滑剤組成物は、10〜40質量%の硫黄含有化合物と、20〜60質量%のカルシウム含有化合物とを含有する。硫黄含有化合物は、硫黄原子が3〜5個連続したS連結構造を有し、S連結構造の両端に炭素数12〜18の炭化水素を付加する。カルシウム含有化合物は、第1カルシウムスルフォネートと、第2カルシウムスルフォネートとを含有する。第1カルシウムスルフォネートは、炭酸塩の結晶構造がアモルファス型結晶であり全塩基価(TBN)が300mgKOH/g以上である。第2カルシウムスルフォネートは、炭酸塩の結晶構造がカルサイト型結晶であり全塩基価(TBN)が150mgKOH/g以上である。第1カルシウムスルフォネートの第2カルシウムスルフォネートに対する比率RA/Cは1/4〜4である。
本実施の形態による潤滑剤組成物は、塩素系化合物の含有量が抑制されても、優れた耐焼付き性を有し、合金素材表面の耐食性の低下を抑制する。
上述の潤滑剤組成物はさらに、脂肪酸モノエステルを含有してもよい。本明細書において、脂肪酸モノエステルは、脂肪酸の炭素数が14〜18であり、アルコール部の炭素数が3〜8であり、不飽和結合を有する脂肪酸エステルが10質量%以下のものである。不飽和結合を有する脂肪酸エステルとは、不飽和脂肪酸エステル、及び、飽和又は不飽和脂肪酸を有するジエステル、トリエステル、ポリオールエステル等である。
この場合、潤滑剤組成物の耐焼付き性が高まる。
冷間ピルガ圧延される合金素材はたとえば、Cr及びNiを合計で12質量%以上含有するCr合金、Ni合金又はNi基合金である。
上述の潤滑剤組成物は、上述の合金に有効である。
本実施の形態による金属管の製造方法は、Cr及びNiを合計で12質量%以上含有する合金素管を準備する工程と、上述の潤滑剤組成物を利用して、合金素管を冷間ピルガ圧延する工程とを備える。
この場合、焼付きが抑えられ、耐食性に優れた合金管が製造される。
以下、本実施の形態による潤滑剤組成物の詳細を説明する。
[潤滑剤組成物の構成]
本実施の形態による潤滑剤組成物は、特定硫黄含有化合物と、特定カルシウム含有化合物とを含有する。
[特定硫黄含有化合物]
特定硫黄含有化合物は、硫黄元素が3〜5個連続して配列された構造(S連結構造という)と、その構造の両端に付加される、炭素数12〜18の炭化水素とを含有する。特定硫黄含有化合物は、高温域において合金素材表面に吸着する。そのため、主として高温域における合金素材の耐焼付き性及び合金素材表面の耐食性を高める。
炭化水素の炭素数の上限は、物質選択の容易さの観点から18が好ましい。一方、炭素数の下限は12である。炭素数が12未満の場合、分子量が小さくなる。分子量が小さければ、蒸発又は揮発しやすくなる。そのため、潤滑剤組成物が初期の組成を保持できなくなり、潤滑性が低下する。
炭化水素の好ましい炭素数は、16〜18である。この場合、硫黄含有化合物の引火点を高めることができる。
特定硫黄含有化合物のS連結構造におけるS元素数が3未満であれば、特定硫黄含有化合物が合金素材表面に吸着しにくい。特定硫黄含有化合物の構造中にエネルギの弱い結合が欠如するためと推定される。一方、S連結構造におけるS元素数が5を超えると、S−S結合が不安定になり分子内から排除されやすくなる。その結果、硫黄結晶が析出されやすくなる。したがって、特定硫黄含有化合物のS連結構造におけるS元素数は3〜5である。
潤滑剤組成物中の特定硫黄含有化合物の含有量は、10〜40質量%である。特定硫黄含有化合物の含有量が少なすぎれば、高温域において、焼付きが発生しやすくなる。一方、硫黄含有化合物の含有量が多すぎれば、合金素材表面の耐食性が低下する。
特定硫黄含有組成物の含有量が10〜40質量%であれば、潤滑剤組成物は、特に高温域において、優れた耐焼付き性を示し、合金素材表面の耐食性を維持する。
特定硫黄含有化合物はたとえば、ジタシャリードデシルトリスルフィド、ジタシャリードデシルペンタスルフィド、ジヘキサデシルテトラスルフィド、ジオクタデシルテトラスルフィドである。
[特定カルシウム含有化合物]
特定カルシウム含有化合物は、低温域〜中温域での耐焼付き性を高め、かつ、合金素材表面の耐食性を高める。特定カルシウム含有化合物は、Aカルシウムスルフォネートと、Cカルシウムスルフォネートとを含有する。
[Aカルシウムスルフォネート]
Aカルシウムスルフォネートの炭酸塩(炭酸カルシウム)の結晶構造はアモルファス型の結晶構造であり、全塩基価(TBN)は300mgKOH/g以上である。Aカルシウムスルフォネート内の炭酸塩は、微細な粒子である。炭酸塩は、摩擦表面(冷間ピルガ圧延時の合金素材表面)に吸着して、ロール表面と合金素材表面との金属接触を抑制する。そのため、Aカルシウムスルフォネートは、焼付きの発生を抑制する。Aカルシウムスルフォネートの耐焼付き性は、Cカルシウムスルフォネートよりも優れる。
Aカルシウムスルフォネートの好ましいTBNは400mgKOH/g以上である。Aカルシウムスルフォネートは、周知の製造方法により製造される。Aカルシウムスルフォートの製造方法はたとえば、「石油製品添加剤の開発」岡部平八郎ら著、株式会社シーエムシー出版に開示されている。
Aカルシウムスルフォネートはたとえば、Chemtura Corporation製Hybase C-311(TBN 305mgKOH/g)、Hybase C-401(TBN 418mgKOH/g)、Hybase C-500(TBN 495mgKOH/g)、Afton Chemical製HiTEC611(TBN300mgKOH/g)、Lubrizol Corporation製LUBLIZOL 5347(TBN400mgKOH/g)、SOLTEX製AmorCalTM 400M(TBN400mgKOH/g)、AmorCalTM800(TBN400mgKOH/g)、PCAS製ARCOT 642N(TBN 380mgKOH/g)、ARCOT 644(TBN 410mgKOH/g)等である。
[Cカルシウムスルフォネート]
Cカルシウムスルフォネートの炭酸塩(炭酸カルシウム)の結晶構造はカルサイト型の結晶構造であり、TBNは150mgKOH/g以上である。Cカルシウムスルフォネートの炭酸塩は、Aカルシウムスルフォネートの炭酸塩よりも大きい。Cカルシウムスルフォネートの炭酸塩はさらに、鱗片状の層状構造を有する。そのため、Cカルシウムスルフォネートの炭酸塩は、Aカルシウムスルフォネートの炭酸塩と比較して、合金素材表面の粒界を研削しにくい。したがって、合金素材の耐食性の低下を抑制できる。
Cカルシウムスルフォネートの好ましいTBNは200mgKOH/g以上である。Cカルシウムスルフォネートの製造方法は周知である。Cカルシウムスルフォネートの製造方法はたとえば、米国特許第3242079号、米国特許第3376222号、米国特許第4560489号、米国特許第4597880号、米国特許第4824584号及び米国特許第5338467号等に開示されている。
Cカルシウムスルフォネートはたとえば、Chemtura Corporation製Hybase C-231(TBN 285mgKOH/g)、Calcinate C-400W(TBN 385mgKOH/g)、PCAS製ARCOT 645(TBN170mgKOH/g)、ARCOT 649(TBN250mgKOH/g)等である。
[特定カルシウム含有化合物の含有量]
本実施形態による潤滑剤組成物における特定カルシウム含有化合物の含有量は20〜60質量%である。特定カルシウム含有化合物の含有量が少なすぎる場合、低温域及び中温域において、焼付きが発生しやすい。一方、特定カルシウム含有化合物の含有量が多すぎる場合、Aカルシウムスルフォネート及びCカルシウムスルフォネートにより合金素材表面の粒界が削られ、合金素材表面の耐食性が低下しやすい。
特定カルシウム含有化合物の含有量が20〜60質量%であれば、潤滑剤組成物は、低温域及び中温域において、優れた耐焼付き性を示し、かつ、合金素材表面の耐食性を維持する。
上述のとおり、Aカルシウムスルフォネートは耐焼付き性に優れ、Cカルシウムスルフォネートは合金素材表面の耐食性の低下を抑制する。合金素材表面の耐食性を高め、かつ、低温域及び中温域の耐焼付き性を高めるには、AカルシウムスルフォネートのCカルシウムスルフォネートに対する比率RA/Cを特定の比率で含有することが有効である。具体的には、比率RA/Cは、1/4〜4である。
比率RA/Cが1/4未満である場合、特定カルシウム含有化合物中におけるAカルシウムスルフォネートの割合が少なすぎる。この場合、耐焼付き性が低下する。
比率RA/Cが4を超える場合、特定カルシウム含有化合物中におけるAカルシウムスルフォネートの割合が多すぎる。この場合、合金素材表面の粒界が削られ、合金素材表面の耐食性が低下する。
比率RA/Cが1/4〜4であれば、低温域及び中温域における耐焼付き性に優れ、合金素材表面の耐食性の低下も抑制される。
[潤滑剤組成物のその他の添加剤]
本実施の形態による潤滑剤組成物は、上述の特定硫黄含有化合物、特定カルシウム含有化合物の他に、従来の塑性加工油剤に含有される周知の添加剤を含有してもよい。周知の添加剤はたとえば、鉱油、ポリαオレフィン等の基油、油脂、ヒンダートエステル、アルキルアミン等の油性剤、ポリスルフィド、硫化油脂等の有機硫黄化合物や(亜)リン酸エステルや酸性(亜)リン酸エステル等の有機リン化合物等の極圧添加剤(ただし、塩素系のものは除く)、ジチオリン酸亜鉛、ジチオカルバミン酸モリブデン等の有機金属塩、黒鉛、二硫化モリブデン、ナノ炭素粒子等の固体潤滑剤、酸化防止剤、防錆剤、防食剤等である。
なお、本実施形態による潤滑剤組成物は、塩素系化合物を含有しない、塩素系化合物を含有しなくても、本実施形態による潤滑剤組成物は、優れた耐焼付き性を有し、合金素材表面の耐食性の低下を抑制する。
[特定脂肪酸エステル]
潤滑剤組成物はさらに、特定の脂肪酸エステルを含有してもよい。特定の脂肪酸エステルとは、具体的には、脂肪酸の炭素数が14〜18であり、アルコール部の炭素数が3〜8であり、不飽和結合を有する脂肪酸エステルが10質量%以下のもの(以下、特定脂肪酸エステルという)である。
上述のとおり、特定脂肪酸エステルは、Cr及びNiを多く含有する合金素材表面に強固に吸着して耐焼付き性を高める。さらに、不飽和結合を有する脂肪酸エステルが10質量%以下であるため、上述の特定硫黄含有化合物と併用しても、潤滑剤組成物が高粘度化しにくい。
潤滑剤組成物中の特定脂肪酸エステルが少しでも含有されれば、上述の効果が得られる。一方、特定脂肪酸エステルの含有量が多すぎれば、他の添加剤の吸着および反応を阻害する場合がある。好ましい特定脂肪酸エステルの下限は5%である。好ましい特定脂肪酸エステルの上限は40%である。
特定脂肪酸エステルはたとえば、ステアリン酸ブチル、パルチミン酸オクチル、ミリスチン酸ブチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸2−エチルヘキシル、イソステアリン酸イソプロピル等である。
[金属管の製造方法]
本実施の形態による潤滑剤組成物は、冷間ピルガ圧延による金属管の製造に利用される。以下、冷間ピルガ圧延による金属管の製造方法について説明する。
[合金素材の準備]
初めに、圧延対象となる合金素材を準備する。合金素材は、Cr含有量及びNi含有量の合計が質量%で12%以上である、Cr合金、Cr−Ni合金又はNi基合金である。合金素材はたとえば、SUS201、SUS202、SUS304、SUS316等のオーステナイト系ステンレス鋼、SUS430,SUSxm8等のフェライト系ステンレス鋼、SUS403、SUS410、SUS416、SUS420J2、SUS431等のマルテンサイト系ステンレス鋼、SUS630、SUS631等に代表される析出硬化型ステンレス鋼、NCF600、NCF690等のニッケル超合金等である。
本実施形態の潤滑剤組成物は、Cr含有量及びNi含有量の合計が25%以上のCr合金、Cr−Ni合金及びNi基合金の冷間ピルガ圧延に好適である。
[合金素管の製造]
準備された合金素材から、合金素管を製造する。合金素管は、周知の方法で製造される。たとえば、ユジーン・セジュルネ法に代表される熱間押出加工により、合金素管を製造する。丸棒の合金素材から、機械加工により合金素管の中心部に貫通孔を形成して、合金素管を製造してもよい。
[冷間ピルガ圧延]
製造された合金素管を用いて、冷間ピルガ圧延を実施して金属管を製造する。冷間ピルガ圧延は周知の圧延方法である。冷間ピルガ圧延には、ピルガミルを使用する。ピルガミルは、特殊な孔型形状を有する一対のロールと、マンドレルと、推進機とを備える。
合金素管にマンドレルを挿入する。その後、一対のロールに合金素管を挟む。一対のロールを1回転すると、合金素管のうち、ロールの孔型と接触する領域が圧延される。一対のロールを1回転したとき、合金素管はロールの孔型から離れる。推進機は、孔型から離れた合金素管を一定距離前進する。このとき、推進機は、マンドレル及び合金素管を中心軸周りに60度〜90度回転する。その後、一対のロールに合金素管を再び挟み、再びロールを1回転して合金素管を圧延する。1回転ごとのロール圧延を繰り返し、合金素管を冷間圧延して金属管を製造する。
冷間ピルガ圧延中、本実施形態の潤滑剤組成物を合金素管の内外面に供給する。たとえば、スプレーを用いて、潤滑剤組成物を合金素管の内外面に散布する。潤滑剤組成物は回収され、ピルガミル周辺に配置された大型タンクを介して循環して使用される。
合金素管の表面に、熱間押出加工後に生成される酸化スケールが付着したまま、冷間ピルガ圧延を実施してもよい。冷間ピルガ圧延前の合金素管の表面に付着した酸化スケールを除去した後、冷間ピルガ圧延を実施してもよい。合金素管の表面に対してショットブラストを実施して、合金素管表面に鉄分を付与した後、冷間ピルガ圧延を実施してもよい。この場合、潤滑剤組成物が合金素管表面に保持されやすくなり、潤滑剤組成物と合金素管表面とが反応しやすくなる。合金素管表面の粗度を高めて潤滑剤組成物が合金素管表面に保持されやすくしてもよい。好ましい合金素管表面の粗度は、JIS B0601(2001)で規定された算術平均粗さRaで0.01μm〜3μmである。この場合、潤滑剤組成物が保持されやすく、かつ、ロールと合金素管表面との間に引き込まれやすい。
合金素管に蓚酸塩化成処理やホウ酸塩化成処理を実施してもよい。この場合、合金素管の潤滑性が高まる。
表1に示す試験番号1〜21の潤滑剤組成物を準備した。
Figure 0005689088
表1を参照して、「構造」欄には、「成分」欄に記載された成分(化合物)の構造が記載されている。各試験番号欄の数値は質量%を意味する。たとえば、「30」は30%を意味する。「−」は、対応する成分が含有されていないことを意味する。
[潤滑性評価試験]
潤滑剤組成物の潤滑性(耐焼付き性)については、ボールオンディスク摩耗試験で評価した。ボールオンディスク摩耗試験は、次の方法により実施した。ボールオンディスク摩耗試験の試験片であるディスクは、直径110mm、厚さ10mmとした。ディスクの材質は、JIS規格のSUJ420J、SUS304、SUS329J4L、NCF690の4種類を準備した。ボールは、3/4インチ径であって、材質はSUJ2であった。
試験番号1〜21の潤滑剤組成物を、試験30秒前の各ディスクの試験面に塗布し、以降は塗布しなかった。ディスクにおける摩耗部分はディスク中心から45mmの位置とした。荷重は200kgfとし、試験時間は60秒とした。試験中のディスクに掛かるトルクをトルクメータで測定し、測定値と荷重とから摩擦係数を算出した。高周波誘導加熱により、ディスクを150℃(低温域想定)、200℃(中温域想定)、250℃(高温域想定)にそれぞれ保持して試験を実施した。
試験後のディスクの試験面を目視観察し、焼付きの発生有無を調査した。上記4種類の材質及び3つの温度域での試験(各試験番号ごとに、4種類の材質×3つの温度域=12個の条件)のいずれか1つ以上の条件において焼付きが発生した場合、耐焼付き性が低いため、「不可」と判断した。いずれの条件においても焼付きが発生しなかった場合、全条件の摩擦係数の平均(以下、平均摩擦係数という)を求めた。平均摩擦係数が0.15よりも大きい場合、「可」と判断した。平均摩擦係数が0.10〜0.15である場合、「良」と判断した。平均摩擦係数が0.10未満である場合、「優」と判断した。「可」、「良」、「優」の場合、耐焼付き性が高いと判断した。
[耐食性評価試験]
潤滑性評価試験後のディスク(各試験番号ごとに、4種類の材質×3種類の温度域=12個のディスク)を用いて、耐食性評価試験を実施した。潤滑性評価試験後のディスクから、摩耗部を含む10mm角のブロック試験片を採取した。ブロック試験片を用いて、JIS G0571(2003)に規定された蓚酸エッチング試験方法に準拠して試験を実施した。試験後のエッチング組織の評価は、上記JIS規格中の結晶粒界の状態を示す分類表に基づいて判断した。具体的には、各試験番号のディスク(12個)のうち、少なくとも1つ以上のエッチング組織が溝状組織(JIS規格の表中の記号C)である場合、耐食性が低く、「不可」と判断した。12個のディスクのいずれのエッチング組織も溝状組織ではなく、かつ、少なくとも1つ以上が混合組織(JIS規格の表中の記号B)である場合、耐食性が「良」と判断した。12個のディスクのいずれもが段状組織(JIS規格の表中の記号A)である場合、耐食性が「優」と判断した。「良」又は「優」である場合、耐食性が高いと判断した。
[試験結果]
表1に試験結果を示す。表1を参照して、試験番号1〜13の潤滑剤組成物は、耐焼付き性及び耐食性が高かった。
試験番号3及び5は、AカルシウムスルフォネートのTBNが400mgKOH/g以上であり、CカルシウムスルフォネートのTBNが200mgKOH/g以上であった。そのため、潤滑性及び耐食性共に、試験番号1及び2よりも高かった。
試験番号4の比率RA/Cは、1/3〜3の範囲内であった。そのため、潤滑性及び耐食性共に、試験番号1及び2よりも高かった。
試験番号6の潤滑剤組成物は、特定脂肪酸エステルを含有した。そのため、潤滑性及び耐食性共に、試験番号1及び2よりも高かった。
試験番号7は、特定脂肪酸エステルであるパルミチン酸オクチルを40質量%含有した。そのため、潤滑性が「優」であった。
試験番号8〜13の潤滑性組成物は、特定脂肪酸エステルを含有し、かつ、AカルシウムスルフォネートのTBNが400mgKOH/g以上であり、CカルシウムスルフォネートのTBNが200mgKOH/g以上であった。さらに、比率RA/Cは、1/3〜3の範囲内であった。そのため、潤滑性及び耐食性共に「優」であった。
一方、試験番号14〜21の潤滑剤組成物は、本発明の範囲外であったため、潤滑性又は耐食性が低かった。具体的には、試験番号14は、特定硫化物含有化合物を含有しなかった。そのため、潤滑性が「不可」であった。
試験番号15の特定硫化物含有化合物の含有量は、本発明の上限を超えた。そのため、耐食性が「不可」であった。
試験番号16の特定硫化物含有化合物の炭化水素の炭素数は12未満であった。そのため、潤滑性が「良」であった。しかしながら、3時間経過後に再び潤滑性評価試験を実施した結果、潤滑性が「不可」となった。分子量が小さいため、蒸発又は揮発しやすく、潤滑剤組成物が初期の組成を保持できなくなったためと推定される。
試験番号17の特定カルシウム含有化合物の含有量は、本発明の下限未満であった。そのため、潤滑性が「不可」であった。
試験番号18の特定カルシウム含有化合物の含有量は、本発明の上限を超えた。そのため、耐食性が「不可」であった。
試験番号19の比率RA/Cは4を超えた。そのため、耐食性が「不可」であった。
試験番号20の比率RA/Cは1/4未満であった。そのため、潤滑性が「不可」であった。
試験番号21の潤滑剤組成物は、特定硫化物含有化合物及び特定カルシウム含有化合物を含有しなかった。そのため、潤滑性及び耐食性共に「不可」であった。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
本実施の形態における潤滑剤組成物は、金属加工に広く適用可能である。特に、冷間ピルガ圧延による金属加工に好適である。

Claims (6)

  1. 冷間ピルガ圧延に利用される潤滑剤組成物であって、
    10〜40質量%の硫黄含有化合物と、20〜60質量%のカルシウム含有化合物とを含有し、
    前記硫黄含有化合物は、硫黄原子が3〜5個連続し、その両端に炭素数12〜18の炭化水素が付加された硫黄含有化合物であり、
    前記カルシウム含有化合物は、炭酸塩の結晶構造がアモルファス型であり全塩基価が300mgKOH/g以上である第1カルシウムスルフォネートと、炭酸塩の結晶構造がカルサイト型結晶であり全塩基価が150mgKOH/g以上である第2カルシウムスルフォネートとを含有し、第1カルシウムスルフォネートの第2カルシウムスルフォネートに対する比率RA/Cが1/4〜4である、潤滑剤組成物。
  2. 請求項1に記載の潤滑剤組成物であってさらに、
    脂肪酸の炭素数が14〜18であり、アルコール部の炭素数が3〜8であり、不飽和結合を有さない脂肪酸モノエステルを5〜40質量%含有する、潤滑剤組成物。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の潤滑剤組成物であって、
    前記第1カルシウムスルフォネートの全塩基価は350mgKOH/g以上であり、前記第2カルシウムスルフォネートの全塩基価は200mgKOH/g以上である、潤滑剤組成物。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の潤滑剤組成物であって、
    前記比率RA/Cは1/3〜3である、潤滑剤組成物。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の潤滑剤組成物であって、
    前記冷間ピルガ圧延される合金素管は、Cr及びNiを合計で12質量%以上含有するCr合金、Ni合金又はNi基合金である、潤滑剤組成物。
  6. Cr及びNiを合計で12質量%以上含有する合金素管を準備する工程と、
    請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の潤滑剤組成物を利用して、前記合金素管を冷間ピルガ圧延する工程とを備える、金属管の製造方法。
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