JP5688755B2 - 車両のサイドドア装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の衝突時、車体の側壁に形成されたドア開口を閉じるサイドドアに対し何らかの衝撃力が与えられてドアが変形するとき、この変形に依りこのドアが上記側壁に係止されるようにした車両のサイドドア装置に関するものである。
上記車両のサイドドア装置には、従来、下記特許文献1,2に示されるものがある。これら各公報のものによれば、車両のサイドドア装置は、車体の側壁に形成されるドア開口と、このドア開口を開閉可能に閉じるサイドドアと、上記側壁に形成されたドア開口の開口縁部がわに取り付けられる係止体と、上記ドアに取り付けられる被係止体とを備えている。
上記特許文献1のものによれば、車両の側突時に、上記ドアの上下方向の中途部に対し、その外側方から衝撃力が与えられてこのドアが変形する場合、このドアの上、下端部が車体の外側方に向かって変形しがちとなり、この際、上記変形に依り上記係止体に被係止体が係止される。そして、この係止により、上記ドアは側壁に係止されて、上記ドアがそれ以上に無用に大きく変形したり、ドアが側壁に対し無用に大きく変位したりすることが防止されるようになっている。
一方、特許文献2のものによれば、車両の衝突時に、車室における乗員や荷物などが、上記ドアに対しその内側方から衝突することにより衝撃力が与えられる場合、上記ドアは、上記衝撃力により変形しつつ、上記側壁から外側方に向かって変位しようとする。すると、この際、上記ドアの変形に依り上記係止体に被係止体が係止される。そして、この係止による作用は、ドアに対しその内側方から衝撃力が与えられる場合の前記特許文献1のものと同様である。
特開2006−69430号公報 特開2010−215087号公報
ところで、車両の衝突時においては、ドアに対し、車体の外側方と内側方とのいずれの方向から衝撃力が与えられる場合でも、上記ドアが側壁に係止されて、ドアが無用に大きく変形したり、ドアが側壁に対し無用に大きく変位したりしないようにすることが望まれる。
そこで、前記特許文献1の係止体および被係止体と、特許文献2の係止体および被係止体とを併せて設けることが考えられる。しかし、このようにした場合には、サイドドア装置の部品点数が増加して構成が複雑となり、かつ、上記装置が高価になるおそれがある。
本発明は、上記のような事情に注目してなされたもので、本発明の目的は、車両の衝突時、車体の側壁に形成されたドア開口を閉じるドアに対し衝撃力が与えられてドアが変形する場合、このドアに与えられる衝撃力の方向が、車体の外側方と内側方とのいずれであるとしても、上記ドアが側壁に係止されて、このドアが無用に大きく変形したり、ドアが側壁に対し無用に大きく変位したりしないようにすることであり、かつ、これが、簡単な構成で安価に達成できるようにすることである。
請求項1の発明は、車体3の側壁9に形成されるドア開口15と、このドア開口15を開閉可能に閉じるサイドドア16と、上記側壁9がわに取り付けられる係止体46と、上記ドア16に取り付けられる被係止体48とを備え、上記ドア16に衝撃力F,F´が与えられてこのドア16が変形したとき、この変形に依り上記被係止体48が係止体46に係止されるようにした車両のサイドドア装置において、
車体3の平面視(図1)で、上記被係止体48の突出部48aをフック形状とし、かつ、このフック形状の内側において互いに対向する対向縁部48b,48cが車両1の前後方向で互いに対向するよう上記突出部48aを形成し、上記衝撃力Fが車体3の外側方からドア16に与えられる場合(図7(a)中一点鎖線)のドア16の変形に上記被係止体48が連動して変位し、この被係止体48の突出部48aにおける上記互いの対向縁部48b,48cのうち、一方の対向縁部48bが上記係止体46に摺接(図8中一点鎖線)した後、この係止体46に係止される(図1中三点鎖線)ようにし、上記衝撃力F´が車体3の内側方からドア16に与えられる場合(図7(b)中二点鎖線)のドア16の変形に上記被係止体48が連動して変位し、他方の対向縁部48cが上記係止体46に摺接(図8中二点鎖線)した後、この係止体46に係止される(図1中三点鎖線)ようにしたことを特徴とする車両のサイドドア装置である。
請求項2の発明は、車体3の正面視(図4)で、上記係止体46を上記側壁9がわに片持ち支持されたフック形状にしたことを特徴とする請求項1に記載の車両のサイドドア装置である。
なお、この項において、上記各用語に付記した符号や図面番号は、本発明の技術的範囲を後述の「実施例」の項や図面の内容に限定解釈するものではない。
本発明による効果は、次の如くである。
請求項1の発明は、車体の側壁に形成されるドア開口と、このドア開口を開閉可能に閉じるサイドドアと、上記側壁がわに取り付けられる係止体と、上記ドアに取り付けられる被係止体とを備え、上記ドアに衝撃力が与えられてこのドアが変形したとき、この変形に依り上記被係止体が係止体に係止されるようにした車両のサイドドア装置において、
車体の平面視で、上記被係止体の突出部をフック形状とし、かつ、このフック形状の内側において互いに対向する対向縁部が車両の前後方向で互いに対向するよう上記突出部を形成し、上記衝撃力が車体の外側方からドアに与えられる場合のドアの変形に上記被係止体が連動して変位し、この被係止体の突出部における上記互いの対向縁部のうち、一方の対向縁部が上記係止体に摺接した後、この係止体に係止されるようにし、上記衝撃力が車体の内側方からドアに与えられる場合のドアの変形に上記被係止体が連動して変位し、他方の対向縁部が上記係止体に摺接した後、この係止体に係止されるようにしている。
このため、車両の衝突時、車体の側壁に形成されたドア開口を閉じるドアに対し衝撃力が与えられてドアが変形する場合、このドアに与えられる衝撃力の方向が、車体の外側方と内側方とのいずれであるとしても、上記ドアが側壁に係止されて、このドアが無用に大きく変形したり、ドアが側壁に対し無用に大きく変位したりすることは防止される。
また、上記した衝突時における側壁へのドアの各係止は、上記した一組の係止体と被係止体との係止によってそれぞれ達成される。よって、上記した側壁へのドアの係止作用は、簡単な構成で、安価に達成できる。
請求項2の発明は、車体の正面視で、上記側壁がわに上記係止体を片持ち支持されたフック形状にしている。
このため、上記係止体による被係止体の係止は、フック形状同士の係合によることから、上記係止がより確実に達成されて、上記側壁へのドアの係止が、より確実に達成される。
また、上記係止体は片持ち支持されたものであって、両持ち支持に比べて弾性的に撓み易いことから、上記係止体に被係止体が衝撃的に係止されようとするとき、上記係止体が弾性的に撓んで、その衝撃を緩和する。よって、上記係止体に被係止体が係止される直前に、上記対向縁部が上記係止体に摺接することや、最終的な係止がそれぞれ円滑に達成される。
図3の部分拡大詳細図である。 車両の全体側面図である。 図2のIII−III線矢視簡略断面図である。 図1のIV−IV線矢視部分断面図である。 図1のV−V線矢視部分断面図である。 図1,4,5で示したものの斜視図である。 (a)(b)は、それぞれ図3の一部に相当する図で、作用説明図である。 図1の一部に相当する図で他の作用説明図である。
本発明の車両のサイドドア装置に関し、車両の衝突時、車体の側壁に形成されたドア開口を閉じるドアに対し衝撃力が与えられてドアが変形する場合、このドアに与えられる衝撃力の方向が、車体の外側方と内側方とのいずれであるとしても、上記ドアが側壁に係止されて、このドアが無用に大きく変形したり、ドアが側壁に対し無用に大きく変位したりしないようにすることであり、かつ、これが、簡単な構成で安価に達成できるようにする、という目的を実現するため、本発明を実施するための形態は、次の如くである。
即ち、車両のサイドドア装置は、車体の側壁に形成されるドア開口と、このドア開口を開閉可能に閉じるサイドドアと、上記側壁がわに取り付けられる係止体と、上記ドアに取り付けられる被係止体とを備える。上記ドアに衝撃力が与えられてこのドアが変形したとき、この変形に依り上記被係止体が係止体に係止されるようにする。
車体の平面視で、上記被係止体の突出部がフック形状とされ、かつ、このフック形状の内側において互いに対向する対向縁部が車両の前後方向で互いに対向するよう上記突出部が形成される。上記衝撃力が車体の外側方からドアに与えられる場合のドアの変形に上記被係止体が連動して変位し、この被係止体の突出部における上記互いの対向縁部のうち、一方の対向縁部が上記係止体に摺接した後、この係止体に係止されるようにし、上記衝撃力が車体の内側方からドアに与えられる場合のドアの変形に上記被係止体が連動して変位し、他方の対向縁部が上記係止体に摺接した後、この係止体に係止されるようにする。
本発明をより詳細に説明するために、その実施例を添付の図に従って説明する。
図2,3において、符号1は、自動車で例示される車両であり、矢印Frは、この車両1の進行方向の前方を示している。
車両1は、その内部が車室2とされる車体3と、この車体3を走行面4上に支持する前、後車輪5,6とを備えている。上記車体3は、その左右各側部を構成する側壁9を有している。この側壁9は板金製で、アウタ、インナパネル10,11を互いに結合させることにより、中空閉断面構造となるよう形成されている。上記側壁9にはサイドドア装置14が設けられている。
上記サイドドア装置14は、上記側壁9の前後方向の中途部に形成され、上記車室2の内外を連通させるドア開口15と、このドア開口15を車体3の外側方から開閉可能に閉じるサイドドア16とを備えている。
上記ドア開口15の開口縁部における上記側壁9のアウタパネル10は、上記ドア開口15の周辺部の一般部10aから車体3の内側方に向かって屈曲する屈曲部10bと、この屈曲部10bの端縁部に一体的に形成される内向きフランジ部10cとを有し、この内向きフランジ部10cで囲まれた空間が上記ドア開口15とされる。
上記屈曲部10bで囲まれた上記側壁9の外側面の凹所17に、上記ドア16が車体3の外側方から嵌脱可能に嵌合している。この場合、上記車体3の側面視(図2)における上記ドア16の外縁部と、上記内向きフランジ部10cとは車体3の幅方向で互いに近接して対面している。上記ドア16は板金製で、アウタ、インナパネル18,19を互いに結合させることにより、中空閉断面構造となるよう形成されている。
上記ドア16は、いわゆるスライド式のものであり、上記側壁9の外側面に沿って前、後方移動A,B可能となるよう上記側壁9に支持される。そして、上記ドア開口15をドア16が閉じた状態(図2,3中実線)からこのドア16を後方移動Bさせると、上記ドア開口15が開けられ(図2,3中三点鎖線)、この状態から前方移動Aさせると、上記ドア開口15が再び閉じられる。
具体的には、上記側壁9におけるドア開口15の上部開口縁部(ルーフサイドレール)にアッパガイドレール26が取り付けられる。一方、上記ドア16の前上端部に車体3の内側方に向かってアッパブラケットアーム27が突設される。また、このアッパブラケットアーム27の突出端にローラ28が支持され、このローラ28は上記アッパガイドレール26に嵌入されている。
また、上記側壁9におけるドア開口15の下部開口縁部(サイドシル)にロアガイドレール30が取り付けられる。一方、上記ドア16の前下端部に車体3の内側方に向かってロアブラケットアーム31が突設される。また、このロアブラケットアーム31の突出端にローラ32が支持され、このローラ32は上記ロアガイドレール30に嵌入されている。
上記ドア開口15よりも後方の側壁9の外側面にセンタガイドレール34が取り付けられる。一方、上記ドア16の上下方向の中途部における後端部に車体3の内側方に向かってセンタブラケットアーム35が突設される。また、このセンタブラケットアーム35の突出端にローラ36が支持され、このローラ36は上記センタガイドレール34に嵌入されている。
上記各レール26,30,34は、それぞれ全体的に前後方向に直線的に延びているが、それぞれその前端部側は、車体3の内側方に向かうよう屈曲させられている。そして、上記各レール26,30,34に嵌入された各ローラ28,32,36は、前後方向にのみ移動するよう案内され、これに従うよう上記ドア16が前、後方移動A,Bさせられる。
そして、前記したように、ドア開口15をドア16が閉じた状態(図2,3中実線)から、ドア開口15を開ける場合には、上記ドア16を後方移動Bさせる。すると、上記各レール26,30,34の各前端部側に案内されるローラ28,32,36の移動に従って、上記ドア16は後方移動Bを開始しつつ、車体3の外側方に移動させられる。これにより、上記ドア16は上記凹所17から離脱させられる。そして、その後、上記ドア16の直線的な後方移動Bにより、上記ドア開口15が開けられる(図2,3中三点鎖線)。
一方、上記ドア開口15をドア16が開けた状態(図2,3中三点鎖線)から、上記ドア開口15を閉じる場合には、上記ドア16を前方移動Aさせる。すると、まず、このドア16は直線的に前方移動Aする。そして、その後、上記ドア16がドア開口15を閉じる直前で、上記各レール26,30,34の各前端部側に案内されるローラ28,32,36の移動に従って、上記ドア16は前方移動Aしつつ車体3の内側方に移動させられる。これにより、上記ドア16は上記凹所17に嵌合させられ、上記ドア開口15が閉じられる(図2,3中実線)。
上記ドア開口15をドア16が閉じたとき、上記ドア開口15の上下方向の中途部における後端部を上記側壁9におけるドア開口15の後部開口縁部に解除可能にロックするロック装置38が設けられている。車体3の側面視(図2)で、上記ロック装置38は、上記センタガイドレール34の下方近傍に配置されている。
図1〜6において、上記側壁9におけるドア開口15の後上部の開口縁部を構成する屈曲部10bに、締結具40によりストッパ41が固着されている。このストッパ41は、上記屈曲部10bに上記締結具40により固着される板金製のストッパブラケット42と、このストッパブラケット42に嵌着されるゴム製で弾性のストッパ本体43とを有している。このストッパ本体43の内側面と後面とはそれぞれ上記屈曲部10bに当接している。
前記したように、ドア開口15をドア16が閉じたとき、このドア16の後上端部がわが、上記ストッパ41のストッパ本体43の外側面に弾性的に当接して、それ以上のドア16の車体3の内側方への移動が阻止される。一方、詳図しないが、前記したように、ドア16が後方移動Bして上記ドア16を全開にしたとき、上記アッパブラケットアーム27が上記ストッパ41のストッパ本体43の前面に弾性的に当接して、それ以上のドア16の後方移動Bが阻止される。
図1〜7において、前記したようにドア開口15をドア16が閉じた状態では、このドア16は側壁9の各レール26,30,34に対し各ブラケットアーム27,31,35やローラ28,32,36により支持され、かつ、側壁9に対しロック装置38により支持されている。このため、上記ドア16の前部がわと後下部がわとは上記側壁9に強固に支持されるが、上記ドア16の後上端部は、上記側壁9に支持されないことから、比較的、強度と剛性とが低くなりがちである。
そこで、サイドドア装置14は、次のように構成されている。
即ち、上記サイドドア装置14は、上記ドア開口15の後上部の開口縁部がわである上記ストッパブラケット42に溶接により取り付けられる係止体46と、上記ドア16の後上部のインナパネル19に締結具47により取り付けられる被係止体48とを備えている。図1で示すように、上記係止体46は、上記ドア開口15の開閉時に、ドア16と共に移動する上記被係止体48の移動軌跡49の外方近傍に配置されている。つまり、上記ドア開口15を開閉させるドア16の移動が、上記係止体46と被係止体48との互いの干渉を回避して円滑にできることとされている。
そして、車両1の衝突時の衝撃力F,F´が上記ドア16に与えられてこのドア16が変形したとき、この変形に依り上記被係止体48が上記係止体46に係止されて(図1中三点鎖線)、ドア16が側壁9に係止されるようになっている。
具体的には、上記被係止体48は、上記側壁9がわに向かって突設されている。車体3の平面視(図1)で、上記被係止体48の突出部48aは、車体3の外側方に向かって開くフック形状とされている。図例では、このフック形状はU字形状であるが、V字形状であってもよい。
図7(a)と図8とにおいて、車両1の側突時に、上記ドア16の前後方向の中途部に対し、その外側方から衝撃力Fが与えられて、このドア16が変形する場合、図7(a)中一点鎖線で示すように、上記衝撃力Fが与えられたドア16の中途部は車体3の内側方に向かって凸の円弧形状となるよう瞬間的に大きく変形させられるが、その一方、この瞬間的な変形の反動で、上記ドア16の前、後端部は車体3の外側方に向かって跳ね返るように変形しがちとなる。すると、この際、上記突出部48aにおけるフック形状の内側において、互いに前後方向で対向する前、後対向縁部48b,48cのうち、一方である後側の対向縁部48bが上記係止体46の後面に摺接(図8中一点鎖線)し、この摺接により、上記突出部48aが上記係止体46に向かうよう案内された後、この係止体46に係止される(図1中三点鎖線)。
そして、上記係止により、上記ドア16は側壁9に係止されて、上記ドア16がそれ以上に無用に大きく変形したり、ドア16が側壁9に対し無用に大きく変位したりすることが防止される。
図7(b)と図8とにおいて、車両1の衝突時に、車室2における乗員や荷物などが、上記ドア16に対しその内側方から衝突することにより衝撃力F´が与えられる場合、図7(b)中二点鎖線で示すように、上記衝撃力F´により、上記ドア16はその前後方向の中途部が側壁9の外側方に向かうよう変形する。また、この変形と同時に、上記ドア16は、前記した各レール26,30,34の前端部側の屈曲形状に沿うよう案内されて上記側壁9の凹所17の外側方かつ後方に向かって移動することにより、上記側壁9から変位しようとする。すると、この際、他方である前側の対向縁部48cが上記係止体46の前面に摺接(図8中二点鎖線)し、この摺接により、上記突出部48aが上記係止体46に向かうよう案内された後、この係止体46に係止される(図1中三点鎖線)。
そして、上記係止による作用は、前記したように、ドア16に対しその内側方から衝撃力Fが与えられる場合のものと同様である。
つまり、上記構成によれば、車両1の衝突時、車体3の側壁9に形成されたドア開口15を閉じるドア16に対し衝撃力F,F´が与えられてドア16が変形する場合、このドア16に与えられる衝撃力F,F´の方向が、車体3の外側方と内側方とのいずれであるとしても、上記ドア16が側壁9に係止されて、このドア16が無用に大きく変形したり、ドア16が側壁9に対し無用に大きく変位したりすることは防止される。
また、上記した衝突時における側壁9へのドア16の各係止は、上記した一組の係止体46と被係止体48との係止によってそれぞれ達成される。よって、上記した側壁9へのドア16の係止作用は、簡単な構成で、安価に達成できる。
なお、図7(b)では、上記ドア16に対しその内側方から与えられる衝撃力F´の作用点は、ドア16の前後方向のほぼ中央部であるが、上記ドア開口15の後部の開口縁部近傍における上記ドア16の後部がわに上記作用点があってもよく、この場合の上記係止体46と被係止体48とによる作用も、前記と同様である。
図4で示すように、車体3の正面視で、上記係止体46は断面円形の棒材もしくはパイプ材を屈曲形成することにより、上記側壁9がわであるストッパブラケット42に片持ち支持されたフック形状とされている。
上記構成によれば、上記係止体46による被係止体48の係止は、フック形状同士の係合によることから、上記係止がより確実に達成されて、上記側壁9へのドア16の係止が、より確実に達成される。
また、上記係止体46は片持ち支持されたものであって、両持ち支持に比べて弾性的に撓み易いことから、上記係止体46に被係止体48が衝撃的に係止されようとするとき、上記係止体46が弾性的に撓んで、その衝撃を緩和する。よって、上記係止体46に被係止体48が係止される直前に、上記対向縁部48b,48cが上記係止体46に摺接して、上記突出部48aが上記係止体46に案内されることや、最終的な係止がそれぞれ円滑に達成される。
なお、以上は図示の例によるが、上記ドア16は、その後部がわが、車体3の外側方に向かって往、復回動可能となるよう前端部が側壁9に枢支される片開き回動式のものであってもよい。また、上記係止体46は、上記側壁9がわに締結具により直接取り付けてもよい。
1 車両
2 車室
3 車体
9 側壁
10 アウタパネル
10a 一般部
10b 屈曲部
10c 内向きフランジ部
11 インナパネル
14 サイドドア装置
15 ドア開口
16 ドア
17 凹所
18 アウタパネル
19 インナパネル
38 ロック装置
40 締結具
41 ストッパ
42 ストッパブラケット
43 ストッパ本体
46 係止体
47 締結具
48 被係止体
48a 突出部
48b 対向縁部
48c 対向縁部
49 移動軌跡
A 前方移動
B 後方移動
F,F´ 衝撃力

Claims (2)

  1. 車体の側壁に形成されるドア開口と、このドア開口を開閉可能に閉じるサイドドアと、上記側壁がわに取り付けられる係止体と、上記ドアに取り付けられる被係止体とを備え、上記ドアに衝撃力が与えられてこのドアが変形したとき、この変形に依り上記被係止体が係止体に係止されるようにした車両のサイドドア装置において、
    車体の平面視で、上記被係止体の突出部をフック形状とし、かつ、このフック形状の内側において互いに対向する対向縁部が車両の前後方向で互いに対向するよう上記突出部を形成し、上記衝撃力が車体の外側方からドアに与えられる場合のドアの変形に上記被係止体が連動して変位し、この被係止体の突出部における上記互いの対向縁部のうち、一方の対向縁部が上記係止体に摺接した後、この係止体に係止されるようにし、上記衝撃力が車体の内側方からドアに与えられる場合のドアの変形に上記被係止体が連動して変位し、他方の対向縁部が上記係止体に摺接した後、この係止体に係止されるようにしたことを特徴とする車両のサイドドア装置。
  2. 車体の正面視で、上記係止体を上記側壁がわに片持ち支持されたフック形状にしたことを特徴とする請求項1に記載の車両のサイドドア装置。
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