JP5688272B2 - タイヤ製造方法及びタイヤ製造用治具 - Google Patents

タイヤ製造方法及びタイヤ製造用治具 Download PDF

Info

Publication number
JP5688272B2
JP5688272B2 JP2010256950A JP2010256950A JP5688272B2 JP 5688272 B2 JP5688272 B2 JP 5688272B2 JP 2010256950 A JP2010256950 A JP 2010256950A JP 2010256950 A JP2010256950 A JP 2010256950A JP 5688272 B2 JP5688272 B2 JP 5688272B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tread
tire
jig
groove
envelope
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2010256950A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012106411A (ja
Inventor
高史 小川
高史 小川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bridgestone Corp filed Critical Bridgestone Corp
Priority to JP2010256950A priority Critical patent/JP5688272B2/ja
Publication of JP2012106411A publication Critical patent/JP2012106411A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5688272B2 publication Critical patent/JP5688272B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Tyre Moulding (AREA)

Description

本発明は、タイヤの製造方法及びタイヤ製造用治具に関し、特に加硫済みの台タイヤに対して加硫済みのトレッドを配置することにより製造されるタイヤ製造方法及びタイヤ製造用治具に関する。
近年、タイヤの製造方法として、使用済みタイヤのトレッド部分を切削して表面を処理した後、予め作成しておいた加硫済みのトレッドをトレッド部切削後の台タイヤの周面に貼り付けて加硫することにより、使用済みタイヤを新たなタイヤとして再利用することが可能なタイヤの製造方法や、トレッド部が形成されていない台タイヤをモールドにより成型し、当該台タイヤとは別に加硫成型されたトレッドを台タイヤの外周面に貼付けて加硫することによりタイヤを製造する方法が提案されている。
上記製法において、台タイヤとトレッドとを一体化する具体的な方法としては、台タイヤの円周方向の表面にクッションゴムと呼ばれる接着剤を塗布し、接着剤を介在させた状態で台タイヤ上にトレッドを貼り付ける。そして、接着剤を介して一体化された台タイヤとトレッドとをエンベロープと呼ばれる被覆体内に収容した後にエンベロープ内の圧力を減圧し、加硫缶と呼ばれる施設内に投入する。加硫缶内の温度は、クッションゴムの加硫反応が進行するのに十分な温度に保たれており、エンベロープ内の台タイヤとトレッドとは、エンベロープによって内径方向に印加される圧力と、加硫缶の温度によりクッショゴムが加硫されることにより強固に一体化される。
しかしながら、上記製法においては、エンベロープによって内径方向への圧力が絶えず印加されることから、トレッドのトレッドパターンを形成する陸部や当該陸部を区画する溝部等に変形が生じ易くなるという欠点を有する。より詳細には、エンベロープの表面と接する陸部の表面がタイヤ円周方向或いは幅方向に歪んだ状態で台タイヤと一体化されることや、トレッド全体が台タイヤに対して幅方向に位置ずれした状態で一体化される結果、圧着不良となり、台タイヤとトレッドとの間に空気が混入するという事態が生じる。
特開2009−143099号公報
そこで、本発明は上記課題を解決すべく、加硫済みタイヤ及び加硫済みトレッドを一体化するに際して、トレッドに変形や圧着不足を生じさせることのないタイヤ製造方法及びタイヤ製造用治具を提供する。
上記課題を解決するため、第一の発明として、加硫済み台タイヤの円周方向表面に加硫済みトレッドを配置してタイヤを製造する方法であって、加硫済みトレッドのトレッドブロックにより区画され、当該加硫済みトレッドの幅方向に沿って連続して延長する複数の溝部それぞれに、当該溝部の底面と当接する溝底接触面と、トレッドブロックにおける幅方向外側の各側面と面一となる複数の側壁面と、トレッドブロックの踏面と面一となる封止面とを有し、各溝部と合致する治具を個別に嵌め込み、治具を嵌め込んだ状態で加硫済み台タイヤ及び加硫済みトレッドを減圧されたエンベロープ内に収容し、当該エンベロープが、トレッドブロックの踏面と治具の封止面、及びトレッドブロックの各側面と治具の複数の側壁面に接して押圧する状態とした。
本発明によれば、加硫済みトレッドのトレッドブロックにより区画され、当該加硫済みトレッドの幅方向に沿って連続して延長する複数の溝部それぞれに、当該溝部の底面と当接する溝底接触面と、トレッドブロックにおける幅方向外側の各側面と面一となる複数の側壁面と、トレッドブロックの踏面と面一となる封止面とを有し、各溝部と合致する治具が個別に嵌め込まれることから、溝部によって区画される陸部の動きが治具によって制限され、トレッドブロックの陸部や溝部に変形が生じることがない。また、陸部や溝部に変形が生じることがないから、エンベロープによって印加される圧力がタイヤ全体に対して十分かつ均一に加わり、台タイヤに対してトレッドを位置ずれさせることなく正確に一体化させることが可能となる。
また、タイヤ円周方向に連続するように治具を形成したときよりも、治具の取り扱いが容易になり、治具を加硫済みトレッドに装着する作業性が向上する。
また、上記発明に用いられる好適な第一の構成として、加硫済み台タイヤの円周方向表面に配置された加硫済みトレッドのトレッドブロックにより区画され、当該加硫済みトレッドの幅方向に沿って連続して延長する複数の溝部それぞれに、個別に嵌装されるタイヤ製造用治具であって、溝部の底面と当接する溝底接触面と、溝部に嵌装された状態においてトレッドブロックにおける幅方向外側の各側面と面一となり、減圧されたエンベロープ内に収容された状態において、各側面と共にエンベロープと接した状態で押圧される複数の側壁面と、溝部に嵌装された状態においてトレッドブロックの踏面と面一となり、減圧されたエンベロープ内に収容された状態において、踏面と共にエンベロープと接した状態で押圧される封止面とを有する構成とした。
本構成によれば、治具が溝部に嵌挿された場合に溝部から治具がはみ出ることなく、溝部内において埋設された状態となるため、エンベロープによって印加される圧力がタイヤ全体に対して十分かつ均一に加わり、台タイヤに対してトレッドを位置ずれさせることなく正確に一体化させることが可能となる。
また、タイヤ製造用治具を加硫済みトレッドの溝部に個別に嵌め込むようにすることで、タイヤ円周方向に連続するようにタイヤ製造用治具を形成したときよりも、タイヤ製造用治具の取り扱いが容易になり、タイヤ製造用治具を加硫済みトレッドに装着する作業性が向上する。
タイヤ構造体の溝部に嵌め込み治具が装着された外観斜視図。 嵌め込み治具が嵌装されたタイヤ構造体のタイヤ幅方向の断面図。 嵌め込み治具の外観斜視図及び嵌め込み治具の嵌挿されるタイヤ構造体の部分拡大図。 嵌め込み治具が嵌装されたタイヤ構造体の側面図。
以下、発明の実施形態を通じて本発明を詳説するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明される特徴の組み合わせのすべてが発明の解決手段に必須であるとは限らず、選択的に採用される構成を含むものである。
図1は、タイヤ構造体Tの溝部に嵌め込む嵌め込み治具60を装着したときの外観斜視図を示し、図2は、嵌め込み治具60が嵌装されたタイヤ構造体Tのタイヤ幅方向の断面図を示す。
以下、図1、図2を用いて嵌め込み治具60及びタイヤ構造体Tについて説明する。まず、タイヤ構造体Tについて説明する。
タイヤ構造体Tは、台タイヤ10の外周面にクッションゴム12を介してトレッド11が配設された加硫前のタイヤであって、本例では一例として未舗装地で使用されるオフロードタイヤである。
タイヤ構造体Tの土台となる台タイヤ10は、例えば、使用済みタイヤの摩耗したトレッド部をバフ掛けにより切削し、トレッド11を貼付するための所定形状の貼付面10aを成型することにより得られる。貼付面10aの形状は、タイヤの構造により最適な形状に成型される。具体的には、バフ掛け後の台タイヤ10を幅方向に断面視したときに、台タイヤ10の最外層に位置するベルト5を切削しないように、さらに、最外層に位置するベルト5よりも径方向外側に適度な厚さのゴム層6が残るように貼付面10aが成型される。
貼付面10aのタイヤ幅方向の断面形状は、バフラインと呼ばれる。バフラインは、台タイヤ10の構造に対応して予め設定されるものであって、貼付面10aが成型されるタイヤの構造に応じて適宜選択される。バフラインの設定は、バフ掛けされるタイヤが製造されるときの図面に基づき、使用済みタイヤの有する複数のベルトのうち径方向外側に位置するベルト5の両端5aの位置を基準にしてトレッド部が切削される。成型される貼付面10aの幅は、貼り付け対象たるトレッド11の幅よりも広くなるように設定される。
クッションゴム12は、JIS K6370に規定される一種の練り生地を所定幅の帯状に成型した未加硫のゴムからなり、トレッド11を台タイヤ10に接着するための接着層である。クッションゴム12は、幅が貼付面10aの幅と等しいものが用いられ、台タイヤ10の貼付面10aに対して円周方向に巻回されることにより配置される。
なお、トレッド11を台タイヤ10に接着するための接着層は、クッションゴム12に限らず生ゴム成分を含む液状の接着材を噴霧又は塗布するように構成しても良い。
トレッド11は、路面と対向する踏面側にトレッドパターン、貼付面10aと対向する非踏面側に貼付面10aの形状に対応する湾曲面を備え、貼付面10aの外周面の周長よりも僅かに長くなるように予め加硫成型されたものである。
本例のトレッドパターンは、タイヤ幅方向外側から内側に向かうに従って傾斜して形成される複数のトレッドブロック50を有する。複数のトレッドブロック50は、例えば円周方向に互いに均等な間隔で形成される。また、タイヤ幅方向における一方側のトレッドブロック群と他方側のトレッドブロック群とは、互いに円周方向に位置ずれしており、一方側のトレッドブロック50と他方側のトレッドブロック50とは、円周方向に交互に延長する(図3(b)参照)。
また、複数のトレッドブロック50の間には、トレッドブロックにより区画されるラグ溝40と呼ばれるタイヤ幅方向に連続するように延長する溝部が形成される。なお、トレッドブロック50は、ラグ溝40に対する陸部である。
図3(a)は、本発明に係る嵌め込み治具60の外観斜視図を示し、図3(b)は、嵌め込み治具60が嵌挿されるタイヤ構造体Tの部分拡大図を示す。図4は、嵌め込み治具60が嵌装されたタイヤ構造体Tの側面図を示す。
図3(a),(b)及び図4を用いてラグ溝40に嵌装される嵌め込み治具60について説明する。なお、図1,図2も適宜用いて説明する。
嵌め込み治具60は、複数のトレッドブロック50間に形成されるタイヤ幅方向に連続するラグ溝40の1つ分に相当するV字形状を有する。
具体的には、嵌め込み治具60は、ラグ溝40の底部に沿って当接する溝底接触面61と、ラグ溝40を形成するトレッドブロック50(51乃至54)の壁面51A乃至54Aに沿って当接する一対の溝壁接触面62,63と、ラグ溝40に嵌装されたときにタイヤ側面を構成するトレッドブロック50の側面52B;54Bと面一となる側壁面64と、トレッドブロック50の踏面(表面)51C乃至54Cと面一となる封止面65とにより構成される。
溝底接触面61は、トレッドブロック51,53において互いに対向する壁面51A,53Aにより区画されるタイヤ表面41Aと、トレッドブロック52,54において互いに対向する壁面52A,54Aにより区画されるタイヤ表面41Bとに渡って当接する連続面である。
溝壁接触面62は、トレッドブロック51,52を構成する壁面51A,52Aに渡って当接する連続面である。溝壁接触面63は、トレッドブロック53,54を構成する壁面53A,54Aに渡って当接する連続面である。具体的には、溝接触面62は、壁面51Aと当接する接触面62aと、壁面52Aと当接する接触面62bと、接触面62aと接触面62bとを接続し、何れのトレッドブロックにも当接しない接続面62cとにより構成される。溝壁接触面63は、壁面53Aと当接する接触面63aと、壁面54Aと当接する接触面63bと、接触面63aと接触面63bとを接続し、何れのトレッドブロックにも当接しない接続面63cとにより構成される。また、接続面62cと接続面63cは、嵌め込み治具60をラグ溝40に嵌装したときに、隣接する嵌め込み治具60の一方の接続面62cと他方の接続面63cとが互いに当接する。
左右の側壁面64,64は、トレッドブロック51,53の側面51B,53Bと面一、トレッドブロック52,54の側面52B,54Bと面一に形成される(図1,図2参照)。
封止面65は、トレッドブロック51,53の踏面51C,53C及びトレッドブロック52,54の踏面52C,54Cの湾曲と連続する曲面となるように面一に形成される。
つまり、嵌め込み治具60は、加硫済みトレッドのタイヤ幅方向に連続するラグ溝40毎に個別に嵌め込み可能なように円周方向に分割した形態であって、ラグ溝40毎に個別に嵌め込まれる。
上記説明から明らかなように、嵌め込み治具60は、複数のトレッドブロック50間に形成されるラグ溝40の形状と合致する形状として構成され、嵌め込み治具60がラグ溝40に嵌装されると、ラグ溝40及びトレッドブロック50により形成される凹凸の凹部が嵌め込み治具60により埋め込まれた状態となり、複数のトレッドブロック50の動きが規制される(図2,図4参照)。また、嵌め込み治具60を加硫済みトレッドのタイヤ幅方向に連続するラグ溝40毎に個別に嵌め込み可能なように、円周方向に分割して構成し、ラグ溝40毎に個別に嵌め込むことにより、嵌め込み治具60の取り扱いが容易となり、嵌め込み治具60を加硫済みトレッドに装着する作業性が向上する。
なお、本例において封止面65は、トレッドブロック50の踏面と面一となるように設定したが、溝底接触面61の溝底面から踏面51C〜54Cまでの高さHの80%から120%の高さとなるように設定しても良い。溝底接触面61の溝底面から封止面65までの高さを溝底接触面61の溝底面から踏面51C〜54Cまでの高さHの80%から120%の高さとする理由には、まず、トレッド11はゴムを素材とする成型製品であるので製造誤差が生じてしまうことがある。さらに、従来のように嵌め込み治具60を使用していないときのトレッド11を台タイヤ10に押圧する圧力ムラに比べて、高さHに80%から120%の差があったとしても嵌め込み治具60を使用したときの圧力ムラは十分許容できるからである。
また、嵌め込み治具60は、例えば、金属やゴム等の剛性を有する素材により構成される。剛性を有する素材とは、後工程の加硫工程において、嵌め込み治具が嵌装されたタイヤ構造体Tを被覆するエンベロープ18によってトレッド11に対して押圧力が作用しても変形しない強度を有するものである。具体的な素材としてアルミ合金や樹脂等の塑性素材、又は、硬質のゴム等の殆ど弾性変形しない弾性素材が挙げられる。また、嵌め込み治具60は、上記形状を有するように中実、又は、中空に成型したものや、踏面側を開放するように封止面65を設けず、断面U字状に構成しても良い。
嵌め込み治具60をすべてのラグ溝40に嵌装することにより、すべてのトレッドブロック50が嵌め込み治具60によって支持され、トレッドブロック50がタイヤ円周方向やタイヤ幅方向に変形することが抑制される。
嵌め込み治具60がラグ溝40に嵌装されたタイヤ構造体Tは、エンベロープ18により被覆される。エンベロープ18は、伸縮自在なゴム素材をトーラス状に形成したものであって、エンベロープ18の厚さ方向に貫通するバルブを備える。
ビードリング19は、エンベロープ18によって被覆されたタイヤ構造体Tのビード部にエンベロープ18を密着させる封止体である(図2参照)。
以下、本発明の嵌め込み治具60を用いてタイヤを製造する製造工程について説明する。
まず、摩耗したトレッド部を切削するためのバフ装置に使用済みタイヤを配置し、所定形状のバフラインが得られるようにトレッド部を切削して貼付面10aを形成し、台タイヤ10に成型する。
次に、台タイヤ10をクッションゴム巻付け装置に配置し、台タイヤ10の貼付面10aにクッションゴム12を巻回する。
次に、クッションゴム12が配設された台タイヤ10をトレッド巻付け装置に配置し、クッションゴム12上にトレッド11の巻き開始端と巻き終了端とが突き合わせ状態となるようにタイヤ1周分巻回する。
次に、トレッド11のすべてのラグ溝40に嵌め込み治具60を嵌装し、図外のエンベロープマシンと呼ばれる装置により拡張されたエンベロープ18によってタイヤ構造体Tの外表面を被覆する。
そして、タイヤ構造体Tのビード部とビードリング19とによりエンベロープ18を挟み込むようにビード部にビードリング19を嵌め込み、タイヤ構造体Tの外表面をエンベロープ18により被覆することでタイヤ構造体Tの外表面とエンベロープ18の内面との間に密閉空間を形成する。
次に、エンベロープ18によって被覆されたタイヤ構造体Tを加硫缶と呼ばれる施設内に投入する。加硫缶は、加熱機能と加圧機能とを備える一種の密閉炉であり、エンベロープ18の備えるバルブに接続される接続チューブを炉内に備える。接続チューブは加硫缶外に設けられる圧力制御装置と接続され、圧力制御装置の動作によりタイヤ構造体Tの外表面とエンベロープ18の内面とで形成される密閉空間の圧力を調整する。タイヤ構造体Tは、エンベロープ18のバルブと接続チューブとを接続した状態で、加硫缶内に配設される。
次に、タイヤ構造体Tの投入が完了した後に加硫缶を密閉して加硫が開始される。まず、接続チューブに負圧を印加してタイヤ構造体Tの外表面とエンベロープ18の内面とで形成される密閉空間から空気を脱気してタイヤ構造体Tの外表面にエンベロープ18を密着させる。このとき、エンベロープ18は、タイヤ外周面側とタイヤ側面側からトレッド11を押圧するが、トレッド11のラグ溝40には嵌め込み治具60が介在するため、トレッドブロック50と嵌め込み治具60との両方を押圧する。
次に、クッションゴム12を加硫可能な所定の温度まで加硫缶内を加熱するとともに加硫缶内を所定の圧力まで加圧する。そして、加硫缶内の圧力の上昇に応じて、圧力制御装置はタイヤ構造体Tの外表面とエンベロープ18の内面とで形成される密閉空間内の圧力を調整して、エンベロープ18がトレッド11を押圧し過ぎないようにする。詳細には、加硫缶内の圧力に略等しいか或いはやや低くなるように密閉空間内の圧力が調整される。
上記加硫によって、クッションゴム12は加熱溶融され、台タイヤ10にトレッド11が一体となる。
次に、所定時間経過後、加硫缶内の加熱及び加圧を停止して加硫缶からタイヤ構造体Tを取り出し、ビードリング19及びエンベロープ18を取外すことにより、トレッド11が台タイヤ10に接着され、トレッド11と台タイヤ10とが一体となったタイヤが製造される。その後、トレッド11の接着状態を検査することでタイヤが製品となる。
以上説明したように、加硫缶による加硫工程において、エンベロープ18は、トレッドブロック50の踏面と嵌め込み治具60の封止面65とをタイヤ中心方向に押圧するため、台タイヤ10に対してトレッド11をタイヤ中心方向に均等に押圧する。つまり、タイヤ中心方向への必要以上の押圧力がトレッドブロック50のみに作用することがない。また、嵌め込み治具60の側壁面64,64をトレッドブロック50の側面と面一となるようにしているため、エンベロープ18がタイヤ幅方向に押圧する圧力は、嵌め込み治具60の側壁面64とトレッドブロック50の側面とに作用する。つまり、タイヤ幅方向への必要以上の押圧力がトレッドブロック50のみに作用することがない。
よって、台タイヤ10に対してトレッド11は、エンベロープ18によってタイヤ中心方向及びタイヤ幅方向に均等に押圧されるので、加硫におけるトレッドブロック50の動きが嵌め込み治具60によって制限され、トレッドブロック50やラグ溝40に変形が生じることがない。また、トレッドブロック50やラグ溝40に変形が生じることがないから、エンベロープ18によって印加される圧力が全体に対して十分かつ均一に加わり、台タイヤ10に対してトレッド11を位置ずれさせることなく正確に一体化させることが可能となる。また、トレッド11と台タイヤ10との間に介在するクッションゴム12の厚さが均等になるように押圧されるので、嵌め込み治具60を用いてトレッド11を台タイヤ10に一体に成型したタイヤは、タイヤ半径方向のユニフォーミティに優れたものとなる。
なお、嵌め込み治具60は、タイヤ幅方向に連続するラグ溝40の1つ分を埋めるように一体に形成したが、タイヤ幅方向の左側治具、右側治具に分けて構成し、ラグ溝40に装着したときに左側治具と右側治具とが一体となるようにしても良い。また、上記例では、トレッドブロック50がタイヤ円周方向に均等に配置されるものとして説明したが、円周方向に隣接するトレッドブロック50の間隔が不等な、不等ピッチであっても良く、各ピッチに対応するように嵌め込み治具60を用意すれば良い。
また、ラグ溝40の1つ分に対応するように嵌め込み治具60を個別に形成したが、円周方向に隣接するラグ溝40の2つ分や3つ分に対応するように嵌め込み治具60を構成しても良く、ラグ溝40に対応する個数は適宜設定すれば良いが、好ましくは、加硫済みトレッドのタイヤ幅方向に連続するラグ溝40毎に治具を個別に嵌め込むように嵌め込み治具60を円周方向に分割し、ラグ溝40毎に嵌め込み治具60を個別に嵌め込むことで、タイヤ幅方向に連続する複数のラグ溝40と対応するように嵌め込み治具60をタイヤ円周方向に連続して形成したときよりも、治具の取り扱いが容易になり、嵌め込み治具60を加硫済みトレッドに装着する作業性が向上する。
上記実施形態では、ラグ溝40によって構成されるトレッドパターンを有するトレッド11の例について説明したが、ラグ溝40以外の周方向溝や周方向溝・ラグ溝からなるトレッドパターンを有するトレッド11であっても良い。即ち、上記例では、タイヤ幅方向に連通する1つのラグ溝40に対応するように嵌め込み治具60を構成し、各ラグ溝40に対して嵌装するようにしたが、トレッド11に形成されるトレッドパターンの溝部の形状に合致するように嵌め込み治具60を構成すれば良い。
また、使用済みタイヤを切削した台タイヤ10にトレッド11を貼着する更生タイヤだけでなく、トレッド部が設けられていない新品のタイヤにトレッドを貼着するときにも上記嵌め込み治具を用いることにより、嵌め込み治具によってトレッドのトレッドブロックの動きが制限され、トレッドブロックや溝部に変形が生じることがない。また、エンベロープによって印加される圧力がタイヤ全体に対して十分かつ均一に加わるので、台タイヤに対してトレッドを位置ずれさせることなく正確に一体化させることが可能となる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能である。
5 ベルト、6 ゴム層、10 台タイヤ、10a 貼付面、11 トレッド、
12 クッションゴム、18 エンベロープ、19 ビードリング、40 ラグ溝、
41A,41B タイヤ表面、50;51〜54 トレッドブロック、
51A〜54A 壁面、51B〜54B 側面、51C〜54C 踏面、
60 嵌め込み治具、61 溝底接触面、62,63 溝壁接触面、64 側壁面、
65 封止面、T タイヤ構造体。

Claims (2)

  1. 加硫済み台タイヤの円周方向表面に加硫済みトレッドを配置してタイヤを製造する方法であって、
    前記加硫済みトレッドのトレッドブロックにより区画され、当該加硫済みトレッドの幅方向に沿って連続して延長する複数の溝部それぞれに、当該溝部の底面と当接する溝底接触面と、前記トレッドブロックにおける幅方向外側の各側面と面一となる複数の側壁面と、前記トレッドブロックの踏面と面一となる封止面とを有し、各溝部と合致する治具を個別に嵌め込み、
    前記治具を嵌め込んだ状態で前記加硫済み台タイヤ及び加硫済みトレッドを減圧されたエンベロープ内に収容し、当該エンベロープが、前記トレッドブロックの踏面と前記治具の封止面、及び前記トレッドブロックの前記各側面と前記治具の複数の側壁面に接して押圧する状態とすることを特徴とするタイヤ製造方法。
  2. 加硫済み台タイヤの円周方向表面に配置された加硫済みトレッドのトレッドブロックにより区画され、当該加硫済みトレッドの幅方向に沿って連続して延長する複数の溝部それぞれに、個別に嵌装されるタイヤ製造用治具であって、
    前記溝部の底面と当接する溝底接触面と、
    前記溝部に嵌装された状態において前記トレッドブロックにおける幅方向外側の各側面と面一となり、減圧されたエンベロープ内に収容された状態において、前記各側面と共に前記エンベロープと接した状態で押圧される複数の側壁面と、
    前記溝部に嵌装された状態において前記トレッドブロックの踏面と面一となり、前記減圧されたエンベロープ内に収容された状態において、前記踏面と共に前記エンベロープと接した状態で押圧される封止面とを有することを特徴とするタイヤ製造用治具。
JP2010256950A 2010-11-17 2010-11-17 タイヤ製造方法及びタイヤ製造用治具 Expired - Fee Related JP5688272B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010256950A JP5688272B2 (ja) 2010-11-17 2010-11-17 タイヤ製造方法及びタイヤ製造用治具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010256950A JP5688272B2 (ja) 2010-11-17 2010-11-17 タイヤ製造方法及びタイヤ製造用治具

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012106411A JP2012106411A (ja) 2012-06-07
JP5688272B2 true JP5688272B2 (ja) 2015-03-25

Family

ID=46492595

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010256950A Expired - Fee Related JP5688272B2 (ja) 2010-11-17 2010-11-17 タイヤ製造方法及びタイヤ製造用治具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5688272B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015005034A1 (ja) 2013-07-11 2015-01-15 日産自動車株式会社 燃料電池システム及び燃料電池システムの制御方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6248536A (ja) * 1985-08-28 1987-03-03 Yokohama Rubber Co Ltd:The プレキユア−ドタイプ更生タイヤの製造方法
JPS62261406A (ja) * 1986-05-08 1987-11-13 Ohtsu Tire & Rubber Co Ltd 更生タイヤの製造方法
JPS62278026A (ja) * 1986-05-26 1987-12-02 Ohtsu Tire & Rubber Co Ltd 更生タイヤの製造方法
JP2004188610A (ja) * 2002-12-06 2004-07-08 Sumitomo Rubber Ind Ltd 更生タイヤの製造方法
JP2009178909A (ja) * 2008-01-30 2009-08-13 Bridgestone Corp 空気入りタイヤの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012106411A (ja) 2012-06-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0750984B1 (en) A truck tire having an improved precured tread and its method of manufacturing
JP2007331295A (ja) 空気入りタイヤの製造方法
JPH03148302A (ja) 空気入りタイヤ
JP2002347135A (ja) タイヤの製造方法
US11993044B2 (en) Method and apparatus for improved tread splicing
KR101150799B1 (ko) 트레드 몰드 세그먼트, 이를 포함하는 타이어 가류금형, 및 타이어 가류금형의 조립방법
US6264779B1 (en) Precurred tire tread for a truck tire and the method of assembly
JPH0529545B2 (ja)
JP5688272B2 (ja) タイヤ製造方法及びタイヤ製造用治具
EP2448772B1 (en) Tread band for retreaded tire
JP5495698B2 (ja) プレキュアトレッド、更生タイヤ及び更生タイヤの製造方法
JP5788680B2 (ja) タイヤの製造方法及び加硫治具
US20160221288A1 (en) Method of making pre-cured tread with textured bottom
JP2004188610A (ja) 更生タイヤの製造方法
CN104903082B (zh) 制备翻新轮胎的方法和装置
WO2005014310A1 (ja) 空気入りランフラットタイヤ用の支持体の製造方法
WO2018089479A1 (en) Method of forming non-pneumatic tire using uncured shear band ring and cured tread section
JP2009178909A (ja) 空気入りタイヤの製造方法
JP2811001B2 (ja) 中空車輪の製造方法
JPS6353025B2 (ja)
JP4308988B2 (ja) 空気入りタイヤの製造方法
JP2005178038A (ja) 更生タイヤの製造方法及びプレキュアトレッド体
JP5112788B2 (ja) ソリッドタイヤの再生方法
WO2013011888A1 (ja) 加硫済みトレッド及びタイヤ
JP2011042140A (ja) 更生タイヤ用円環状トレッド部材の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130610

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140117

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140121

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140324

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20140826

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20141125

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20141215

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150120

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150126

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5688272

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees