JP5688070B2 - ショックアブソーバ - Google Patents
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Description
(1) ショックアブソーバであって、
前記ショックアブソーバは、
筒状のシリンダ部と、
1つの部材として形成され、且つ前記シリンダ部内に配置されたピストンロッド部と、
前記ピストンロッド部の軸線方向における互いに離れた位置において前記ピストンロッド部の外周面から突出した一対の突出体と、
前記ピストンロッド部に貫通されており、前記ピストンロッド部の軸線方向において、前記一対の突出体の間の領域の内側から前記領域の外側に向けて、前記一対の突出体の各々と当接するピストンバルブアセンブリと
を備え、
前記ピストンバルブアセンブリは、
前記ピストンロッド部に貫通され、前記シリンダ部内を2つの領域に区画するピストン部と、
1枚又は複数枚の板状体からなり、前記ピストンロッド部の軸線方向において前記ピストン部に隣接し、変位又は変形により前記2つの領域を連通する作動流体の流路を開く弁体と、
前記ピストンロッド部に貫通され、互いに前記ピストンロッド部の径方向に対向して嵌め合わされる雄ネジ部と雌ネジ部とを有し、前記雌ネジ部が前記雄ネジ部に対して相対的に回転することにより前記ピストンロッド部の軸線方向に伸縮するネジ部と
を備え、
前記ピストンバルブアセンブリは、前記ネジ部の伸長により前記一対の突出体の間に突っ張り力を生じさせることにより、前記ピストン部及び前記弁体が前記ピストンロッド部に対して前記ピストンロッド部の軸線方向に移動しないように構成されている。
前記ネジ部は、前記ピストンロッド部に対して回転自在に支持されている。
前記ネジ部は、前記雄ネジ部と一体に形成され且つ前記ピストンロッド部の径方向外側に露出した第一露出部と、前記雌ネジ部と一体に形成され且つ前記ピストンロッド部の径方向外側に露出した第二露出部とを有する。
前記ショックアブソーバは、前記ピストンロッド部の軸線方向における前記一対の突出体の間の領域の外側から前記領域の内側に向けて前記ピストンバルブアセンブリに対して力を加える付勢体を備え、
前記ピストンロッド部の軸線方向における前記ピストンバルブアセンブリの一端部は、前記付勢体と接触する接触面を有しており、
前記接触面には、前記ピストンロッド部の軸線方向における前記一対の突出体の間の領域の外側から前記領域の内側に向かう方向に凹んだ収容凹部が形成されており、
前記一対の突出体のうち、一方の突出体の少なくとも一部は、前記収容凹部内に収容されている。
前記付勢体は、前記突出体に接していない状態で、前記接触面と接触する。
前記ピストンバルブアセンブリは、前記ピストンロッド部の軸線方向における前記一対の突出体の間に、少なくとも前記雄ネジ部と前記雌ネジ部とが位置している状態で、前記ネジ部の伸長により前記一対の突出体の間に突っ張り力を生じさせるように構成されている。
前記ピストンバルブアセンブリは、前記一対の突出体の間に位置する前記ピストンロッド部の外周面に、少なくとも前記雄ネジ部と前記雌ネジ部とが接触している状態で、前記ネジ部の伸長により前記一対の突出体の間に突っ張り力を生じさせるように構成されている。
前記ピストン部、前記弁体及び前記ネジ部は、別個の部材であり、互いに固定されておらず、前記ピストンロッド部の軸線方向における前記一対の突出体の間に配置されており、
前記ピストンバルブアセンブリは、前記ネジ部の伸長によって前記ピストン部、前記弁体及び前記ネジ部に前記突っ張り力を作用させることにより、前記ピストン部及び前記弁体が前記ピストンロッド部に対して前記ピストンロッド部の軸線方向に移動しないように構成されている。
前記ピストン部、前記弁体及び前記ネジ部は、別個の部材であり、
前記ピストン部及び前記弁体は、前記ネジ部に対して前記ピストンロッド部の軸線方向に移動しないように保持されており、
前記ピストンバルブアセンブリは、前記ネジ部の伸長によって前記ネジ部に突っ張り力を作用させることにより、前記ピストン部及び前記弁体が前記ピストンロッド部に対して前記ピストンロッド部の軸線方向に移動しないように構成されている。
図1は、本発明の第一実施形態に係るショックアブソーバを模式的に示す要部断面図である。図1に示すショックアブソーバ1は、例えば、車両に備えられ、車両において発生する振動を減衰させる。ショックアブソーバ1は、例えば自動二輪車に備えられる。ただし、本発明のショックアブソーバは、自動車等に備えられてもよい。
ショックアブソーバ1は、シリンダ部11と、ピストンロッド部12と、一対の固定クリップ13A,13Bと、ピストンバルブアセンブリA1とを備える。ここで、一対の固定クリップ13A,13Bは、本発明における一対の突出体の一例である。
ピストンバルブアセンブリA1は、シリンダ部11内に配置されており、ピストンロッド部12に貫通されている。ピストンバルブアセンブリA1は、ピストンロッド部12の軸線方向Xにおいて、一対の固定クリップ13A,13Bの間の間隔Sの内側から、間隔Sの外側に向けて固定クリップ13A,13Bのそれぞれと当接している。
ピストン部15は、ピストンロッド部12に貫通されている。つまり、ピストンロッド部12は、ピストン部15を含むピストンバルブアセンブリA1を貫通し、さらに、シリンダ部11に設けられた一対の閉塞部111,112も貫通している。
ピストン部15は、シリンダ内を2つの作動油室10A,10Bに区画している。2つの作動油室10A,10Bは、本発明における2つの領域の一例である。ピストン部15には、作動油が流れる流路15a,15bが設けられている。流路15a,15bのそれぞれは、ピストン部15を貫通した貫通孔で構成されており、2つの作動油室10A,10Bを連通する。流路15a、15b(貫通孔)は、ピストンロッド部12の軸線方向Xに沿ってピストン部15を貫通している。また、ピストン部15の外周面には、シリンダ部11の内面と接触するパッキン151(ピストンリング)が設けられている。ただし、ピストン部15の構造として、パッキン151を備えず、シリンダ部11の内面と直接接触する構造も採用可能である。また、流路15a,15bは、貫通孔ではなく、ピストン部15の外周面に形成される溝によって構成することも可能である。
第一リテーナ191及び第二リテーナ192は、減衰弁体16を保持するための部材である。第一リテーナ191及び第二リテーナ192は、減衰弁体16を挟んでピストン部15の反対側に配置されている。第一リテーナ191及び第二リテーナ192のそれぞれは、ピストンロッド部12に貫通された環状のセットカラーである。ただし、第一リテーナ191及び第二リテーナ192のそれぞれには、例えば座金も採用可能である。第一リテーナ191及び第二リテーナ192は、軸線方向Xに並んでいる。第一リテーナ191は固定クリップ13Aに接しており、第二リテーナ192は減衰弁体16に接している。第一リテーナ191及び第二リテーナ192は、ピストン部15に対し減衰弁体16を押すことによって、減衰弁体16を保持する。
第一リテーナ191には、減衰弁体16とは反対側を向いた面が設けられており、この面には、収容凹部19nが形成されている。収容凹部19nには、固定クリップ13Aが収容される。ただし、第一リテーナ191としては、収容凹部19nが形成されない形状も採用可能である。
接触面17mには、軸線方向Xにおける、一対の固定クリップ13A,13Bの間の間隔Sの外側から間隔Sの内側に向かう方向に凹んだ収容凹部17nが形成されている。収容凹部17nには、一対の固定クリップ13A,13Bの一方の固定クリップ13Bが収容されている。収容凹部17nは、環状の接触面17mの内周縁に沿って円形状に延びている。収容凹部17nの差渡し径は、固定クリップ13Bの外径よりも大きい。従って、一方の固定クリップ13Bの少なくとも一部は、収容凹部17nに収容されている。本実施形態では、軸線方向Xにおける固定クリップ13Bの全部が収容凹部17nに収容されている。従って、付勢体14は、固定クリップ13Bに接していない状態で接触面17mと接触する。
ショックアブソーバ1では、ピストンロッド部12が、図示しない車体側の部分又は車輪側の部分のいずれか一方の部分に連結される一方、シリンダ部11が他方の部分に連結される。ショックアブソーバ1は、荷重に応じて圧縮・伸張し、このとき、ピストンロッド部12及びピストン部15が、シリンダ部11内を移動する。図1の矢印L1は、ショックアブソーバ1の圧縮状態における作動油の流れを示しており、矢印L2は、ショックアブソーバ1の伸張状態における作動油の流れを示している。
ショックアブソーバ1の伸張状態では、ピストンロッド部12及びピストン部15が、シリンダ部11に対して相対的に、ピストン部15に対し減衰弁体16を後にした向き、図1における右に向かって移動する。このとき流路15bは逆阻止弁体18に閉じられるので、流路15bでの作動油の流れは規制される。この一方で、作動油は、作動油室10Bから、逆阻止弁体18とピストン部15との間を通じて流路15aに流れる。作動油は、減衰弁体16の弾性力に抗して減衰弁体16を変形させる。減衰弁体16の径方向外周側がピストンロッド部12の軸線方向Xにおいてピストン部15から離れる方向に撓む。この結果、流路15aが開き、作動油が、矢印L2で示すように流路15aから作動油室10Aに流れる。
付勢体14は、雌ネジ部材172に設けられた接触面17mに接触している。接触面17mには、固定クリップ13Bも接触している。しかし、固定クリップ13Bは、接触面17mに形成された収容凹部17nに収容されているため、接触面17mからの固定クリップ13Bの突出量が抑えられる。従って、付勢体14が接触面17mと接触する姿勢が安定する。
より詳細には、本実施形態における固定クリップ13Bは、接触面17mから突出していない。付勢体14は固定クリップ13Bに接していない状態で、接触面17mと接触する。付勢体14と固定クリップ13Bは互いに干渉しないので、付勢体14が接触面17mと接触する姿勢がより安定する。その結果、減衰力発生の安定性が向上する。
ショックアブソーバ1の組立工程について説明する。
ショックアブソーバ1の組立工程では、まず、一対の凹部12rが形成されたピストンロッド部12を用意する。凹部12rは、一対の固定クリップ13A,13Bをはめ込むための溝である。ピストンロッド部12の外周面のうち、少なくとも、ピストンバルブアセンブリA1が設けられた際にピストンバルブアセンブリA1と接する位置に、ネジ山は形成されていない。また、凹部12rは、ネジ山を含んでいない。
突っ張り力F1は、一対の固定クリップ13A,13Bに対し、軸線方向Xにおける一対の固定クリップ13A,13Bの間の間隔Sの外側に向かって作用する力である。ネジ部17は、軸線方向Xにおける固定クリップ13A,13Bの間で伸張するので、突っ張り力F1が効率よく一対の固定クリップ13A,13Bに作用する。
また、雄ネジ部材171及び雌ネジ部材172のそれぞれは、ピストンロッド部12の外周面に接触している。すなわち、雄ネジ部材171及び雌ネジ部材172が、一対の固定クリップ13A,13Bを互いに結ぶ線分上に位置する状態で、ネジ部17が伸長する。従って、突っ張り力F1がさらに効率よく一対の固定クリップ13A,13Bに作用する。
固定クリップ13A,13Bの間に突っ張り力F1が作用することにより、ピストン部15及び減衰弁体16がピストンロッド部12に対して軸線方向Xに移動しないように保持される。また、突っ張り力F1によって、減衰弁体16がピストン部15に押し付けられる。このようにして、ピストン部15及び減衰弁体16のピストンロッド部12に対する保持と、減衰弁体16のピストン部15に対する押し付けとが、1つの操作によって実施される。減衰弁体16は、シム161の枚数に拘わらず適切な力でピストン部15に対し押し付けられる。
ピストン部15及び減衰弁体16をピストンロッド部12に保持する時点で、雄ネジ部材171の操作部17bは、ピストンロッド部12の径方向外側に露出している。また、雌ネジ部材172のネジ形成部17g及び縮径部17hも、ピストンロッド部12の径方向外側に露出している。これら外側に露出した部分を、組立て機械又は作業者の手で把持しながら、雌ネジ部材172を雄ネジ部材171に対して相対的に回転させることによって、ピストン部15及び減衰弁体16をピストンロッド部12に対して軸線方向Xに移動しないように保持することができる。従って、組立ての操作が容易である。
また、雄ネジ部材171の操作部17bは、雌ネジ部材172にねじ込んだネジ形成部17aの外径よりも大きな外径を有する。従って、操作部17bが把持される際に、組立て機械又は作業者の手と、雌ネジ部材172との干渉が避けられる。また、雄ネジ部材171の操作部17bの外周面には、周方向に散在する突起17eが設けられており、雌ネジ部材172のネジ形成部17g及び縮径部17hの外周面には、周方向に散在する突起17kが設けられている。従って、雌ネジ部材172を雄ネジ部材171に対して回転させる操作が容易である。
以上の工程を経て、図1に示すショックアブソーバ1が組立てられる。
本実施形態のショックアブソーバ1によれば、ネジ加工に起因する変形がピストンロッド部12に生じないため、シム161の枚数調整に対応できるとともに、ピストン部15を挟んだ両側におけるピストンロッド部12の軸心線Jの一致度の低下が抑制される。
従って、本実施形態のショックアブソーバ1によれば、板状体の組換え等の分解時又は組立時の作業を容易に行うことができるとともに、ピストンロッド部12の強度を充分に確保でき、かつ、ピストン部15を挟んだ両側におけるピストンロッド部12の軸心線Jの一致度が高く確保される。これにより、安定して減衰力を発生させることが可能になる。
続いて、本発明の第二実施形態について説明する。
以下の第二実施形態の説明にあたっては、これまで説明してきた実施形態における各要素と同一の要素には同一の符号を付すか、又は符号を省略し、前述の実施形態との相違点について説明する。
図2に示すショックアブソーバ2において、ピストン部15、減衰弁体16、及びネジ部27は、別個の部材である。ピストンバルブアセンブリA2は、ネジ部27の他に締付ネジ部材273を備える。また、ショックアブソーバ2において、ネジ部27に備えられた雄ネジ部材271は、図1に示す第一実施形態の雄ネジ部材171よりも軸線方向Xに長く延びている。また、雄ネジ部材271は、ピストン部15及び減衰弁体16を軸線方向Xに貫通している。より詳細には、雄ネジ部材271は、締付ネジ部材273と、逆阻止弁体18と、逆阻止弁用リテーナ182と、加圧バネ181と、ピストン部15と、減衰弁体16と、リテーナ291とを貫通している。なお、雄ネジ部材271は、第一実施形態の雄ネジ部材171と同様にピストンロッド部12に貫通されており、雄ネジ部材271の内径は、ピストンロッド部12の外径よりも大きい。また、雄ネジ部材271及び雌ネジ部材172のそれぞれは、軸線方向Xにおける一対の固定クリップ13A,13Bの間の位置に配置されており、ピストンロッド部12の外周面に接触している。
ネジ形成部27aの外周面には、ネジ山27dが形成されている。ネジ形成部27aの先端部は雌ネジ部材172に嵌め合わされている。つまり、ネジ形成部27aのネジ山27dは、雌ネジ部材172のネジ山17jと螺合している。貫通部27fは、ネジ形成部27aに続いた筒状の部分である。貫通部27fは、ピストン部15と、減衰弁体16と、リテーナ291とを貫通している。
抜止部27pは、貫通部27fを挟んだネジ形成部27aの反対側に設けられている。抜止部27pは、貫通部27fに続いたフランジ形状の部分である。ただし、抜止部27pの形状は、例えば、雄ネジ部材271の周方向に散在した突起であってもよく、雄ネジ部材271に取り付けられた別部材であってもよい。抜止部27pは、リテーナ291の内径よりも大きな外寸法を有している。従って、抜止部27pによって、ピストン部15、減衰弁体16及びリテーナ291が、雄ネジ部材271からの抜けが阻止されている。抜止部27pは、ピストンロッド部12の径方向外側に露出している。抜止部27pは、本発明における第一露出部の一例である。
締付ネジ部材273は、減衰弁体16及びピストン部15を挟んだ抜止部27pの反対側の位置で、雄ネジ部材271に嵌め合わされている。より詳細には、雄ネジ部材271のネジ形成部27aが、締付ネジ部材273のネジ形成部27rに嵌め合わされている。
雄ネジ部材271のネジ形成部27aは、締付ネジ部材273を貫通し、雌ネジ部材172の途中まで挿入されている。つまり、雌ネジ部材172のネジ山17jと締付ネジ部材273のネジ山27uとの双方が、雄ネジ部材271のネジ山27dと螺合している。
締付ネジ部材273は、雄ネジ部材271に対して相対的に回転することによって、締め付け力F2を生じさせる。締め付け力F2は、締付ネジ部材273と抜止部27pとの間に減衰弁体16とピストン部15とを締め付ける軸線方向Xの力である。この締め付け力F2によって、ピストン部15及び減衰弁体16が、リテーナ291を介して抜止部27pに押し付けられるとともに互いに締め付けられる。この結果、ピストン部15及び減衰弁体16は、後述する突っ張り力F3なしで雄ネジ部材271に対してピストンロッド部12の軸線方向Xに移動しないように保持される。
ピストンバルブアセンブリA2は、ピストンロッド部12の軸線方向Xにおいて、一対の固定クリップ13A,13Bの間の間隔Sの内側から、間隔Sの外側に向けて固定クリップ13A,13Bのそれぞれと当接している。より詳細には、ネジ部27が有する雄ネジ部材271及び雌ネジ部材172は、ピストンロッド部12の軸線方向Xにおいて、一対の固定クリップ13A,13Bの間の間隔Sの内側から、間隔Sの外側に向けて固定クリップ13A,13Bのそれぞれと当接している。
雌ネジ部材172が雄ネジ部材271に対して相対的に回転することによりネジ部27が伸張すると、一対の固定クリップ13A,13Bの間に突っ張り力F3が生じる。この突っ張り力F3によって、雄ネジ部材271がピストンロッド部12に対して軸線方向Xに移動しないように保持される。つまり、雄ネジ部材271に保持されたピストン部15及び減衰弁体16が、ピストンロッド部12に対して軸線方向Xに移動しないように保持される。
本実施形態に係るショックアブソーバ2の組立工程について説明する。
図3は、図2に示すショックアブソーバ2を構成するピストンバルブアセンブリA2を示す断面図である。
ショックアブソーバ2の組立ては、図3に示すピストンバルブアセンブリA2の組立てと、サブアセンブリとしてのピストンバルブアセンブリA2を用いたショックアブソーバ2(図2参照)全体の組立てとに分けることができる。
このようにして、雄ネジ部材271にピストン部15及び減衰弁体16が保持されたピストンバルブアセンブリA2が完成する。
まず、一対の凹部12rが形成されたピストンロッド部12に、一対の固定クリップ13A,13Bのうち、1つの固定クリップ13Aを取り付ける。固定クリップ13Aは、凹部12rにはめ込まれることによって、ピストンロッド部12の外周面から突出した状態でピストンロッド部12に固定される。
突っ張り力F3は、ネジ部27すなわち雄ネジ部材271及び雌ネジ部材172から、一対の固定クリップ13A,13Bに対し、外向きに作用する軸線方向Xの力である。本実施形態におけるネジ部27は、第一実施形態の場合と同様に、軸線方向Xにおける固定クリップ13A,13Bの間で伸張するので、突っ張り力F3が効率よく一対の固定クリップ13A,13Bに作用する。また、雄ネジ部材271及び雌ネジ部材172のそれぞれは、ピストンロッド部12の外周面に接触している。すなわち、雄ネジ部材271及び雌ネジ部材172が、一対の固定クリップ13A,13Bを互いに結ぶ線分上に位置する状態で、ネジ部27が伸長する。従って、突っ張り力F3がさらに効率よく一対の固定クリップ13A,13Bに作用する。
雄ネジ部材271の抜止部27pと、雌ネジ部材172のネジ形成部17g及び縮径部17hとは、ピストンロッド部12の径方向外側に露出している。ピストンバルブアセンブリA2をピストンロッド部12に保持する工程では、これら外側に露出した部分を、組立て機械又は作業者の手で把持しながら、雌ネジ部材172を雄ネジ部材271に対して相対的に回転させることができる。
上述した工程を経て、図2に示すショックアブソーバ2が組立てられる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されない。
A1,A2 ピストンバルブアセンブリ
10A,10B 作動油室
11 シリンダ部
111,112 閉塞部
12 ピストンロッド部
12r 凹部
13A,13B 固定クリップ
14 付勢体
15 ピストン部
151 パッキン
15a,15b 流路
16 減衰弁体
161 シム
17,27 ネジ部
171,271 雄ネジ部材
172 雌ネジ部材
17a,17g,27a ネジ形成部
17d,17j,27d ネジ山
17n 収容凹部
17h 縮径部
17c 接触部
17m 接触面
17b 操作部
17e,17k 突起
27f 貫通部
27p 抜止部
18 逆阻止弁体
181 加圧バネ
182 逆阻止弁用リテーナ
191 第一リテーナ
192 第二リテーナ
19n 収容凹部
273 締付ネジ部材
27r ネジ形成部
27u ネジ山
27s 接触部
27t 突起
291 リテーナ
F1,F3 突っ張り力
F2 締め付け力
J,K 軸心線
L1 矢印
L2 矢印
S 間隔
X 軸線方向
Claims (9)
- ショックアブソーバであって、
前記ショックアブソーバは、
筒状のシリンダ部と、
1つの部材として形成され、且つ前記シリンダ部内に配置されたピストンロッド部と、
前記ピストンロッド部の軸線方向における互いに離れた位置において前記ピストンロッド部の外周面から突出した一対の突出体と、
前記ピストンロッド部に貫通されており、前記ピストンロッド部の軸線方向において、前記一対の突出体の間の領域の内側から前記領域の外側に向けて、前記一対の突出体の各々と当接するピストンバルブアセンブリと
を備え、
前記ピストンバルブアセンブリは、
前記ピストンロッド部に貫通され、前記シリンダ部内を2つの領域に区画するピストン部と、
1枚又は複数枚の板状体からなり、前記ピストンロッド部の軸線方向において前記ピストン部に隣接し、変位又は変形により前記2つの領域を連通する作動流体の流路を開く弁体と、
前記ピストンロッド部に貫通され、互いに前記ピストンロッド部の径方向に対向して嵌め合わされる雄ネジ部と雌ネジ部とを有し、前記雌ネジ部が前記雄ネジ部に対して相対的に回転することにより前記ピストンロッド部の軸線方向に伸縮するネジ部と
を備え、
前記ピストンバルブアセンブリは、前記ネジ部の伸長により前記一対の突出体の間に突っ張り力を生じさせることにより、前記ピストン部及び前記弁体が前記ピストンロッド部に対して前記ピストンロッド部の軸線方向に移動しないように構成されている。 - 請求項1に記載のショックアブソーバであって、
前記ネジ部は、前記ピストンロッド部に対して回転自在に支持されている。 - 請求項1又は2に記載のショックアブソーバであって、
前記ネジ部は、前記雄ネジ部と一体に形成され且つ前記ピストンロッド部の径方向外側に露出した第一露出部と、前記雌ネジ部と一体に形成され且つ前記ピストンロッド部の径方向外側に露出した第二露出部とを有する。 - 請求項1〜3のいずれか1に記載のショックアブソーバであって、
前記ショックアブソーバは、前記ピストンロッド部の軸線方向における前記一対の突出体の間の領域の外側から前記領域の内側に向けて前記ピストンバルブアセンブリに対して力を加える付勢体を備え、
前記ピストンロッド部の軸線方向における前記ピストンバルブアセンブリの一端部は、前記付勢体と接触する接触面を有しており、
前記接触面には、前記ピストンロッド部の軸線方向における前記一対の突出体の間の領域の外側から前記領域の内側に向かう方向に凹んだ収容凹部が形成されており、
前記一対の突出体のうち、一方の突出体の少なくとも一部は、前記収容凹部内に収容されている。 - 請求項4に記載のショックアブソーバであって、
前記付勢体は、前記突出体に接していない状態で、前記接触面と接触する。 - 請求項1〜5のいずれか1に記載のショックアブソーバであって、
前記ピストンバルブアセンブリは、前記ピストンロッド部の軸線方向における前記一対の突出体の間に、少なくとも前記雄ネジ部と前記雌ネジ部とが位置している状態で、前記ネジ部の伸長により前記一対の突出体の間に突っ張り力を生じさせるように構成されている。 - 請求項6に記載のショックアブソーバであって、
前記ピストンバルブアセンブリは、前記一対の突出体の間に位置する前記ピストンロッド部の外周面に、少なくとも前記雄ネジ部と前記雌ネジ部とが接触している状態で、前記ネジ部の伸長により前記一対の突出体の間に突っ張り力を生じさせるように構成されている。 - 請求項1〜7のいずれか1に記載のショックアブソーバであって、
前記ピストン部、前記弁体及び前記ネジ部は、別個の部材であり、互いに固定されておらず、前記ピストンロッド部の軸線方向における前記一対の突出体の間に配置されており、
前記ピストンバルブアセンブリは、前記ネジ部の伸長によって前記ピストン部、前記弁体及び前記ネジ部に前記突っ張り力を作用させることにより、前記ピストン部及び前記弁体が前記ピストンロッド部に対して前記ピストンロッド部の軸線方向に移動しないように構成されている。 - 請求項1〜7のいずれか1に記載のショックアブソーバであって、
前記ピストン部、前記弁体及び前記ネジ部は、別個の部材であり、
前記ピストン部及び前記弁体は、前記ネジ部に対して前記ピストンロッド部の軸線方向に移動しないように保持されており、
前記ピストンバルブアセンブリは、前記ネジ部の伸長によって前記ネジ部に突っ張り力を作用させることにより、前記ピストン部及び前記弁体が前記ピストンロッド部に対して前記ピストンロッド部の軸線方向に移動しないように構成されている。
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