JP5686878B2 - テールクリアランスを特定するための装置、方法、プログラムおよび記録媒体 - Google Patents

テールクリアランスを特定するための装置、方法、プログラムおよび記録媒体 Download PDF

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Description

本発明は、シールド掘進機を用いたトンネルの掘削作業においてテールクリアランスを特定するための技術に関する。
シールド掘削機を用いたトンネルの掘削作業において、スキンプレートの内側面と、掘削したトンネルの表面を被覆するようにリング状に組み立てられたセグメントの外側面との間の距離であるテールクリアランスを適正に確保することは、掘削作業におけるスキンプレートとセグメントとの干渉によるスキンプレートの損傷やセグメントの欠損等の不都合を回避するために必要不可欠である。
テールクリアランスを特定するための方法として、まず手動でテールクリアランスを計測する方法がある。手動による計測は計測作業に手間を要し、特に複数箇所のテールクリアランスを特定したい場合、その手間が計測箇所の数に応じて増大する。また、特に、シールド掘進機の断面が数メートル〜数十メートルといった大断面である場合、計測作業が高所作業となり危険であるとともに、足場の設置等の手間も要する。
そのため、テールクリアランスを自動的に計測する仕組みが提案されている。テールクリアランスを自動的に計測する仕組みの多くは、接触型と非接触型のいずれかに分類される。接触型のテールクリアランスの計測方法においては、スキンプレートの内側面とセグメントの外側面の各々に対し接触子を押し付け、接触子間の距離等を計測することによりテールクリアランスが特定される。例えば、特許文献1には、スキンプレートの内側部に、スキンプレートの円周方向に所定間隔おきに複数の接触式変位計を配置し、掘削作業中においてもそれらの複数の箇所におけるテールクリアランスをリアルタイムに自動計測可能とする仕組みが開示されている。
接触型のテールクリアランスの計測方法による場合、接触子の物理的な破損等の故障を生じやすい。また、少なくとも計測時に接触子がセグメント等に接触する必要があるため、接触子をセグメント等に押し付けるためのエアー配管や、計測装置に接続される電源ケーブル、信号ケーブル等を、ジャッキストロークが最長となった状態を考慮して十分に長く確保する必要がある。これらの配管やケーブルは掘削作業中に引っかけや切断等の事故を招きやすい。
これに対し、非接触型のテールクリアランスの計測方法においては、超音波やレーザーを用いた距離計によりスキンプレートとセグメントの間の距離が計測される。非接触型の計測装置はセグメント等に接触する接触子を持たないため、物理的な故障が生じにくい、というメリットがある。しかしながら、非接触型であっても、距離計がスキンプレートとセグメントの間に配置される計測方法においては、電源ケーブルや信号ケーブル等を長く確保する必要があり、事故を招きやすい点は接触型と同様である。また、距離計に切羽の洗浄水や掘削泥土等がかかって汚れると容易に機能不能に陥る場合もある。
上記の問題を解消すべく、テールクリアランスの計測装置をスキンプレートとセグメントの間の空間の外に配置する非接触型の計測方法が提案されている。
例えば、特許文献2には、組み立てたセグメントの端面に向かってレーザーのスリット光を投光するレーザースリット投光器と、レーザースリット光が照射されるセグメントの端面付近を撮影するCCDカメラとをスキンプレートの内面に設け、レーザースリット光が照射されたセグメント端面付近をCCDカメラで撮影して得られた画像をコンピュータにより処理することによりセグメント端面位置を特定し、セグメント端面位置と、ジャッキストロークに応じて算定されるスキンプレートの位置との差をテールクリアランス値として算出する仕組みが開示されている。
特開平5−79279号公報 特開平8−86618号公報
特許文献2に開示の仕組みによれば、計測装置がスキンプレートとセグメントの間の空間の外に配置されるため、そのメインテナンスが容易である。また、計測装置がテールクリアランスの内面の定位置に設置されるため、電源ケーブルや信号ケーブルを固定配線とすることができ、これらのケーブルによる事故も生じにくい。
しかしながら、特許文献2に開示の仕組みにおいては、計測装置としてレーザースリット投光器とCCDカメラを備える専用の計測装置が用いられるため、コスト高となる。
上記の事情に鑑み、本発明は、メインテナンスが容易でケーブル等による事故も生じにくいテールクリアランスの計測の仕組みを低コストで実現する手段を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、シールド掘進機の前後方向に垂直な平面であって前記シールド掘進機のスキンプレートと一体で移動する平面の上に設けられた第1の座標系における撮影点の座標を示す座標データを取得する座標取得手段と、前記第1の座標系における、前記シールド掘進機により掘削されたトンネルの被覆に用いられるセグメントの前方端面上の2つの特徴点間の距離を示す距離データを取得する距離取得手段と、前記座標データが示す前記撮影点から前記シールド掘進機の後方向に行われた撮影により生成された画像データを取得する画像取得手段と、前記画像取得手段により取得された画像データが表わす画像の表示面上に設けられた第2の座標系における当該画像に示されるセグメントと当該セグメントの外側の背景との境界線上のいずれかの点である外側端点と前記撮影点との間の距離と、前記第2の座標系における前記撮影点から前記外側端点への方向と、前記第2の座標系における当該画像に示されるセグメントの前方端面上の2つの特徴点間の距離と、前記距離取得手段により取得された前記距離データが示す距離とに基づき、前記外側端点の前記第1の座標系における座標を特定する座標特定手段とを備えるテールクリアランスを特定するための装置を第1の態様として提案する。
また、本発明は、上記の第1の態様において、前記座標取得手段は、前記第1の座標系における3以上の撮影点の座標を各々示す3以上の座標データを取得し、前記画像取得手段は、前記3以上の座標データが示す前記3以上の撮影点の各々から前記シールド掘進機の後方向に行われた撮影により生成された3以上の画像データを取得し、前記座標特定手段は、前記3以上の撮影点の各々に関し、前記外側端点の前記第1の座標系における座標を特定し、前記第1の座標系における、前記シールド掘進機のスキンプレートの内側面が示す図形を示す図形データを取得する図形取得手段と、前記座標特定手段により前記3以上の撮影点の各々に関し特定された座標に基づき、前記第1の座標系において、前記トンネルの内壁面を被覆しているセグメントの前方端面の外縁が示す図形を特定する図形特定手段と、前記第1の座標系における、前記図形データが示す図形の上のいずれかの点と前記図形特定手段により特定された図形の上のいずれかの点との間の距離をテールクリアランスとして算出する距離算出手段とを備える、という構成を第2の態様として提案する。
また、本発明は、上記の第2の態様において、前記図形特定手段は、前記トンネルの内壁面を被覆しているセグメントの前方端面の外縁が示す図形として円を特定する、という構成を第3の態様として提案する。
また、本発明は、上記の第2の態様において、前記図形特定手段は、前記トンネルの内壁面を被覆しているセグメントの前方端面の外縁が示す図形として、前記座標特定手段により前記3以上の撮影点の各々に関し特定された座標の点を全て通る図形を特定する、という構成を第4の態様として提案する。
また、本発明は、上記の第1乃至第4のいずれかの態様において、前記座標特定手段は、前記画像取得手段により取得された画像データが表わす画像に示されるセグメントの前方端面上の前記2つの特徴点を画像認識により特定し、当該特定した2つの特徴点間の距離を特定し、
前記座標特定手段は、前記画像取得手段により取得された画像データが表わす画像に示されるセグメントと当該セグメントの外側の背景との境界線である外側境界線を画像認識により特定し、当該特定した外側境界線上のいずれかの点を前記外側端点として特定する、という構成を第5の態様として提案する。
また、本発明は、上記の第1乃至第5のいずれかの態様において、前記3以上の画像データを無線通信により受信する無線受信手段を備え、前記画像取得手段は前記無線受信手段により受信された前記3以上の画像データを取得する、という構成を第6の態様として提案する。
また、本発明は、上記の第2の態様において、前記シールド掘進機の前後方向に垂直な平面と、前記トンネルの内壁面を被覆しているセグメントの前方端面に沿った平面との位置関係を特定する位置関係特定手段を備え、前記図形特定手段は、前記位置関係特定手段により特定された位置関係に基づき、前記トンネルの内壁面を被覆しているセグメントの前方端面の外縁が示す図形を特定する、という構成を第7の態様として提案する。
また、本発明は、上記の第7の態様において、前記位置関係特定手段は、前記画像取得手段により取得された画像データが表わす画像に示されるセグメントの前方端面上の3以上の特徴点を通る図形を画像認識により特定し、当該特定した図形の形状に基づき前記位置関係を特定する、という構成を第8の態様として提案する。
また、本発明は、シールド掘進機の前後方向に垂直な平面であって前記シールド掘進機のスキンプレートと一体で移動する平面の上に設けられた第1の座標系における撮影点の座標を取得するステップと、前記第1の座標系における、前記シールド掘進機により掘削されたトンネルの被覆に用いられるセグメントの前方端面上の2つの特徴点間の距離を取得するステップと、前記座標が示す前記撮影点から前記シールド掘進機の後方向に行われた撮影により生成された画像を取得するステップと、前記画像を取得するステップにおいて取得した画像の表示面上に設けられた第2の座標系における当該画像に示されるセグメントと当該セグメントの外側の背景との境界線上のいずれかの点である外側端点と前記撮影点との間の距離と、前記第2の座標系における前記撮影点から前記外側端点への方向と、前記第2の座標系における当該画像に示されるセグメントの前方端面上の2つの特徴点間の距離と、前記距離を取得するステップにおいて取得した距離とに基づき、前記外側端点の前記第1の座標系における座標を特定するステップとを備えるテールクリアランスを特定するための方法を第9の態様として提案する。
また、本発明は、上記の第9の態様において、前記撮影点の座標に応じた位置に撮影装置を配置するステップと、前記撮影点の座標に応じた位置から見て後方の前記スキンプレート上の位置に予め定められた形状および大きさの光軸合わせ用器具を配置するステップと、前記撮影装置を配置するステップにおいて配置された撮影装置の撮影領域の基準点を、当該撮影領域内に見える前記光軸合わせ用器具を配置するステップにおいて配置された光軸合わせ用器具の基準点と一致させるように前記撮影装置の光軸の方向を調整するステップとを備える、という構成を第10の態様として提案する。
また、本発明は、コンピュータに、シールド掘進機の前後方向に垂直な平面であって前記シールド掘進機のスキンプレートと一体で移動する平面の上に設けられた第1の座標系における撮影点の座標を各々示す座標データを取得する処理と、前記第1の座標系における、前記シールド掘進機により掘削されたトンネルの被覆に用いられるセグメントの前方端面上の2つの特徴点間の距離を示す距離データを取得する処理と、前記座標データが示す前記撮影点から前記シールド掘進機の後方向に行われた撮影により生成された画像データを取得する処理と、前記画像データを取得する処理において取得された画像データが表わす画像の表示面上に設けられた第2の座標系における当該画像に示されるセグメントと当該セグメントの外側の背景との境界線上のいずれかの点である外側端点と前記撮影点との間の距離と、前記第2の座標系における前記撮影点から前記外側端点への方向と、前記第2の座標系における当該画像に示されるセグメントの前方端面上の2つの特徴点間の距離と、前記距離データを取得する処理において取得された距離データが示す距離とに基づき、前記外側端点の前記第1の座標系における座標を特定する処理とを実行させるためのプログラムを第11の態様として提案する。
また、本発明は、コンピュータに、シールド掘進機の前後方向に垂直な平面であって前記シールド掘進機のスキンプレートと一体で移動する平面の上に設けられた第1の座標系における撮影点の座標を各々示す座標データを取得する処理と、前記第1の座標系における、前記シールド掘進機により掘削されたトンネルの被覆に用いられるセグメントの前方端面上の2つの特徴点間の距離を示す距離データを取得する処理と、前記座標データが示す前記撮影点から前記シールド掘進機の後方向に行われた撮影により生成された画像データを取得する処理と、前記画像データを取得する処理において取得された画像データが表わす画像の表示面上に設けられた第2の座標系における当該画像に示されるセグメントと当該セグメントの外側の背景との境界線上のいずれかの点である外側端点と前記撮影点との間の距離と、前記第2の座標系における前記撮影点から前記外側端点への方向と、前記第2の座標系における当該画像に示されるセグメントの前方端面上の2つの特徴点間の距離と、前記距離データを取得する処理において取得された距離データが示す距離とに基づき、前記外側端点の前記第1の座標系における座標を特定する処理とを実行させるためのプログラムを持続的に記録するコンピュータ読み取り可能な記録媒体を第12の態様として提案する。
本発明によれば、スキンプレートとセグメントと間の空間の外に汎用的な撮影装置を配置することにより、テールクリアランスの特定が可能となる。そのため、本発明によれば、メインテナンスが容易でケーブル等による事故も生じにくいテールクリアランスの計測の仕組みが低コストで実現される。
一実施形態にかかる計測システムの全体構成を示した図である。 一実施形態にかかる端末装置のハードウェアを構成するコンピュータの構成を示した図である。 一実施形態にかかる端末装置の機能構成を示した図である。 一実施形態にかかる撮像装置の配置位置を示した図である。 一実施形態にかかる光軸合わせ用器具を示した図である。 一実施形態にかかる光軸合わせの作業を説明するための図である。 一実施形態にかかる撮像装置の方向の調整においてファインダもしくはモニタに表示される画像を示した図である。 一実施形態にかかる光軸合わせ用器具がスキンプレートに取り付けられた状態を示した図である。 一実施形態にかかる端末装置が行う処理のフローを示した図である。 一実施形態にかかる端末装置が表示するマーカ合わせ用画面を示した図である。 一実施形態にかかる端末装置が表示するカメラ位置補正画面を示した図である。 一実施形態にかかる端末装置が表示するマーカ合わせ用画面を示した図である。 一実施形態にかかる端末装置が表示するテールクリアランス表示画面を示した図である。 一変形例にかかる端末装置が図形を特定する方法を説明するための図である。 直進しないシールド掘進機とセグメントの位置関係を例示した図である。 一変形例にかかる端末装置の機能構成を示した図である。 一変形例にかかる端末装置が表示するテールクリアランス表示画面を示した図である。 一変形例にかかる端末装置が表示するテールクリアランス表示画面を示した図である。
[実施形態]
以下に、本発明の一実施形態にかかる計測システム1について図面を参照しつつ説明する。
図1は、計測システム1の全体構成を模式的に示した図である。計測システム1は、シールド掘進機11と、シールド掘進機11に取り付けられた3台の撮像装置12(図1では1台のみ図示)と、撮像装置12の各々をシールド掘進機11に取り付けるための取付台13(図1において図示略)と、複数の端末装置14(図1では、例として、端末装置14−1〜3の3台を図示)と、撮像装置12から無線により送信されるデータを端末装置14に転送する中継装置15を備えている。
シールド掘進機11は、前方端面に配置されたカッターヘッドにより地盤を掘り進む全体として円柱形状のシールド掘進機本体111と、シールド掘進機本体111から後方に延伸し既設のセグメント9にスプレッダを押し付けながら伸張することによりシールド掘進機本体111を前方に移動させる複数本のシールドジャッキ112(図1では2本のみ図示)と、セグメント9による被覆前に掘削面から土が崩れ落ちないように支えるためにシールド掘進機本体111の外側面から後方に延伸するように設けられた円筒形の金属プレートであるスキンプレート113を備えている。
なお、撮像装置12は取付台13を介して、シールド掘進機本体111が備えるリングガータ1111に取り付けられている。また、シールド掘進機本体111にはシールド掘進機11のローリング値(軸周りの回転角度)を計測するための傾斜計(図示略)が設置されている。当該傾斜計は無線通信装置に接続されており、傾斜計により計測されたローリング値を示すデータは、例えば所定時間間隔毎に当該無線通信装置および中継装置15経由で端末装置14に送信される。
また、本願において、「前方」という場合、シールド掘進機11の掘進の方向(図1において矢印Fが示す方向)を意味し、「後方」という場合、シールド掘進機11の掘進の方向と逆の方向(図1において矢印Bが示す方向)を意味する。
端末装置14のハードウェア構成は一般的なコンピュータである。図2は、端末装置14のハードウェアを構成するコンピュータ10の構成を示した図である。コンピュータ10は、プログラムその他のデータを記憶するメモリ101と、メモリ101に記憶されているプログラムに従った各種データ処理を行うプロセッサ102と、ディスプレイやキーボード、タッチパネル等の入出力装置との間でデータの入出力を行う入出力I/F(Interface)103と、無線または有線により他の装置との間でデータ通信を行う通信I/F104を備えている。なお、メモリ101、プロセッサ102、入出力I/F103、通信I/F104はバス109を介して互いにデータの受け渡しを行う。
メモリ101には、予め、3台の撮像装置12の各々の位置を示す座標データと、セグメント9の厚さ(セグメント9の外側端点と当該外側端点に最も近いセグメント9の内側端点との間の距離)を示す距離データと、スキンプレート113を後方に見たときのスキンプレート113の内側面が示す円を示す図形データが記憶されている。撮像装置12の位置を示す座標データは、ユーザが端末装置14に登録した設計上の位置を示す座標データを、端末装置14が実際の位置を示すように補正したものである。なお、端末装置14による座標データの補正処理については後述する。また、セグメント9の厚さを示す距離データとスキンプレート113の内側面が示す円を示す図形データは、設計値もしくはユーザが実測により得た値を示すデータを、端末装置14に登録したものである。なお、スキンプレート113の内側面が示す円を示す図形データは、例えば当該円の中心点の座標および半径の長さを示すデータである。
なお、端末装置14は、入出力I/F103に接続されるディスプレイ、キーボード、タッチパネル等の入出力装置を内蔵していてもよい。例えば、図1に例示の端末装置14−1にはタッチディスプレイが内蔵されたタブレット型のコンピュータが用いられ、端末装置14−2にはディスプレイとキーボードが内蔵されたノート型のコンピュータが用いられ、端末装置14−3にはディスプレイとキーボードが外付けされたデスクトップ型のコンピュータが用いられている。
端末装置14−1は、例えば切羽計測員が用いる端末装置であり、端末装置14−2は、例えばシールド掘進機11のオペレータが用いる端末装置である。端末装置14−1および端末装置14−2は、無線により中継装置15を介して撮像装置12および他の端末装置14との間でデータの送受信を行う。また、端末装置14−3は、例えば現場事務所等に配置され、データの管理等に用いられる端末装置であり、有線により中継装置15に接続され、中継装置15を介して撮像装置12および他の端末装置14との間でデータの送受信を行う。
端末装置14は本実施形態にかかるアプリケーションプログラムに従う処理を行うことにより、図3に示す構成部を備える装置として機能する。すなわち、端末装置14は機能構成部として、まず、3台の撮像装置12の各々の位置を示す座標データをメモリ101から読み出して取得する座標取得手段141と、セグメント9の厚さを示す距離データをメモリ101から読み出して取得する距離取得手段142と、撮像装置12により撮像された画像を表わす画像データを無線により受信する無線受信手段143と、無線受信手段143から画像データを取得する画像取得手段144を備える。
また、端末装置14は、座標取得手段141により取得された座標データ、距離取得手段142により取得された距離データ、画像取得手段144により取得された画像データを用いて、セグメント9の外側端点の座標を特定する座標特定手段145と、座標特定手段145により特定された座標に基づき、セグメント9の前方端面の外縁が示す図形を特定する図形特定手段146を備える。
さらに、端末装置14は、スキンプレート113を後方に見たときのスキンプレート113の内側面が示す図形を示す図形データをメモリ101から読み出して取得する図形取得手段147と、図形特定手段146により特定された図形上の点と図形取得手段147により取得された図形データが示す図形上の点との間の距離をテールクリアランスとして算出する距離算出手段148を備える。
端末装置14−1〜端末装置14−3は、各々、図3に示す機能構成部を備える装置として機能することができる。従って、端末装置14−1〜端末装置14−3の各々が個別に後述する端末装置14が行う処理の全てを行うことができる。ただし、端末装置14−1〜端末装置14−3の各々が互いに自装置において生成したデータを他装置に送信することにより、異なる端末装置14において同じ処理が重複して行われる無駄を省く構成が採用されてもよい。その場合、例えば、撮像装置12の位置を示す座標データの補正に伴う処理(後述)は端末装置14−1が行い、セグメント9の前方端面の外縁が示す図形の特定に伴う処理(後述)は端末装置14−3が行い、テールクリアランスの算出および表示に伴う処理(後述)は端末装置14−1〜端末装置14−3の各々が行う、といった具合に、端末装置14のいずれがいずれの処理を担当してもよい。従って、以下、端末装置14−1〜端末装置14−3の各々を区別することなく、端末装置14として説明する。
上述したように、計測システム1においては3台の撮像装置12がシールド掘進機本体111のリングガータ1111に取り付けられている。図4は、スキンプレート113の中から前方に向かいシールド掘進機本体111を見た場合の撮像装置12(撮像装置12−1〜3)の配置位置を示した図である。図4に示されるように、撮像装置12−1〜3はいずれも、シールド掘進機本体111から後方に向かい撮像を行うように設置されている。
撮像装置12はシールド掘進機11に固定されているため、シールド掘進機11がローリングしたり、掘進の方向に応じて傾斜したりしても、スキンプレート113との位置関係は保持される。
計測システム1においては、撮像装置12の位置を用いてテールクリアランスを算出する。撮像装置12の位置は、シールド掘進機11の前後方向、すなわち、シールド掘進機11の形状である円柱の軸の方向と垂直で、シールド掘進機11と一体で移動(すなわち、スキンプレート113と一体で移動)する平面上に設けられる座標系(第1の座標系の一例、以下、「M座標系」という)により特定される。
本実施形態において、M座標系の原点は、図4に示される点MO(以下、「原点MO」という)、すなわちシールド掘進機11の軸の位置である。また、M座標系のX軸はシールド掘進機11のローリングがない状態における鉛直方向(上方向が正)であり、M座標系のY軸はシールド掘進機11のローリングがない状態における水平方向(前方に向かって右方向が正)である。
図4に示される撮像装置12−1〜3の位置は、それらの設計上の設置位置である。以下、M座標系における撮像装置12−1〜3の設計上の光軸(すなわちレンズの中心)の位置を、各々、点M1MC1MC1)、点M2MC2MC2)、点M3MC3MC3)とする。また、M座標系におけるX軸正方向を基準とした点M1、点M2、点M3の、原点MOを中心とする時計回りの角度を各々、角度M1、角度M2、角度M3とする。なお、図4の例では、撮像装置12−1は天頂部に配置されており、MC1=0、M1=0°である。また、図4の例では、撮像装置12−2は撮像装置12−1から120°、撮像装置12−3は撮像装置12−2から120°の位置に配置されており、M2=120°、M3=240°である。
例えばシールド掘進機11のオペレータ等のユーザは、撮像装置12−1〜3の設計上の設置位置である点M1MC1MC1)、点M2MC2MC2)、点M3MC3MC3)を端末装置14に登録する。その結果、端末装置14のメモリ101には、これらの座標を示す座標データが記憶される。ユーザにより登録されるこれらの座標はあくまで設計上の配置位置の座標であり、製作誤差等により、必ずしも撮像装置12−1〜3の実際の位置を示すとは限らない。そのため、本実施形態においては、後述する補正処理により、これらの座標データの補正が行われる。
また、計測システム1においては、テールクリアランスの算出において、撮像装置12−1〜3の各々により撮像された画像における座標系であるS座標系(後述)の座標をM座標系の座標に変換する処理が行われる。仮にS座標系とM座標系の位置関係がシールドジャッキ112のストローク長に応じて変化すれば、この座標の変換を行うために、ストローク長を計測する必要が生じる。しかしながら、撮像装置12−1〜3の光軸がシールド掘進機11の軸と平行であれば、シールドジャッキ112のストローク長が変化してもS座標系とM座標系の位置関係は変化しない。従って、計測システム1においては、事前準備として撮像装置12−1〜3の光軸がシールド掘進機11の軸と平行となるように撮像装置12−1〜3の方向を調整する作業(以下、「光軸合わせ」をいう)を行うことにより、シールドジャッキ112のストローク長の計測を要することなく、テールクリアランスの算出が行われる。
以下に、計測システム1の利用に先立ちユーザ(切羽計測員、オペレータ等)が行う光軸合わせの作業を説明する。なお、撮像装置12−1〜3の光軸合わせの作業はいずれも同様であるため、以下、撮像装置12−1〜3を区別しない場合は、単に「撮像装置12」という。
本実施形態においては、光軸合わせの作業において、図5に示す構造の光軸合わせ用器具2を用いる。なお、図5(a)〜(c)は各々、光軸合わせ用器具2の側面図、正面図、背面図である。
光軸合わせ用器具2は、磁石を有してスキンプレート113に磁力により固着する板状の部材である台座21と、台座21から図5における上方に延伸する細長い枠状の部材である支柱22と、支柱22に固定され支柱22に対向しない側の面にチェック模様の描かれた板状の部材である視準板23と、支柱22に視準板23を固定するための固定ナット24を備えている。ユーザは、固定ナット24を緩めて視準板23を上下方向に移動させた後に固定ナット24を締めることにより、視準板23の上下方向の位置を調整することができる。
なお、台座21の前方側面および後方側面には、台座21のセンターライン(中心線)を示すマークが印されている。また、視準板23の上下方向の長さは、セグメント9の厚さT(セグメント9の外側面と内側面の間の距離)と同じ長さとなっている。また、以下、視準板23の上下をいう場合、鉛直方向とは無関係に、支柱22の長手方向の台座21に近づく方向を下方向、台座21から遠ざかる方向を上方向とする。
図6は、光軸合わせの作業を説明するための図である。光軸合わせの作業を容易にするために、スキンプレート113の内側面上には、図6(a)に示すガイド線Nが、例えばシールド掘進機11の製作時等に予め罫書かれている。ガイド線Nは、撮像装置12−1〜3の各々に関し、シールド掘進機11の軸から見て、撮像装置12の設計上の光軸をスキンプレート113の内側面上に投影した線であり、シールド掘進機11の軸と平行である。
ユーザは、まず、図5(b)に示されるように、台座21の底面から視準板23の中心までの高さ方向の距離が距離Gとなるように、定規等を用いて視準板23の上下方向の位置を調整する。この距離Gは、図6(b)に示されるように、スキンプレート113の内側面から、設計上の配置位置に配置された撮像装置12の光軸までの距離である。
続いて、ユーザは、光軸合わせ用器具2の視準板23のチェック模様が前方を向くように、台座21をスキンプレート113に取り付ける。その際、ユーザは台座21のセンターラインを示すマークをガイド線Nの上に合わせる。その結果、視準板23が正確に前方に向くとともに、光軸合わせ用器具2の左右方向の中心がガイド線N上となる。なお、光軸合わせに際して、撮像装置12と光軸合わせ用器具2との間の距離は可能な限り長い方が望ましい。従って、既設のセグメント9がある場合、ユーザはシールドジャッキ112を最大に伸長させた状態で、光軸合わせ用器具2をセグメント9の前方端面に近い位置に取り付けることが望ましい。
続いて、ユーザは、リングガータ1111の設計位置に配置されている取付台13が有する雲台(図示略)に撮像装置12を取り付ける。
続いて、ユーザは、取付台13に取り付けた撮像装置12のファインダもしくはモニタに表示される画像を見ながら、光軸位置を示す十字マークの交点が視準板23の中心に一致するように、取付台13の雲台を操作して撮像装置12の方向を調整する。図7は、撮像装置12の方向の調整の前(図7(a))および後(図7(b))において、撮像装置12のファインダもしくはモニタに表示される画像を示した図である。この撮像装置12の方向調整により、撮像装置12の光軸がシールド掘進機11の軸と平行となるとともに、撮像装置12により撮影される画像の中心を通る上下方向の直線がM座標系の原点MOを通るようになる。
以上が、光軸合わせの作業の説明である。続いて、ユーザは、座標データの補正処理を端末装置14に行わせる。この補正処理は、ユーザが端末装置14に登録した撮像装置12の設計上の位置を示す座標データを、実際の撮像装置12の位置を示す座標データに補正する処理である。
ユーザは、端末装置14に座標データの補正処理を指示する前に、次に述べる準備作業を行う。まず、ユーザは、光軸合わせ用器具2の視準板23の上下方向の位置を、台座21の底面から視準板23の下端までの高さ方向の距離が距離Cとなるように、定規等を用いて調整する。この距離Cは、テールクリアランスが全方向において均一である理想状態の場合、すなわち、正しく組み立てられた既設のセグメント9の前方端面の外縁が示す円の中心とシールド掘進機11の軸が一致する場合における、設計上のテールクリアランスである。ユーザは、上記のように視準板23の位置調整を行った光軸合わせ用器具2を3つ準備し、それらをスキンプレート113の撮像装置12−1〜3の各々に応じたガイド線N上に取り付ける。
図8は、台座21の底面から視準板23の下端までの高さ方向の距離が距離Cとなるように調整された光軸合わせ用器具2の1つがスキンプレート113に取り付けられた状態を示した図である。ただし、図8に示すセグメント9は実際に既設されているセグメント9ではなく、上述した理想状態における仮想的なセグメント9の位置を示している。既述のように、視準板23の上下方向の長さは、セグメント9の厚さTと同じ長さとなっている。従って、図8に示されるように、視準板23の位置は理想状態におけるセグメント9の位置を見立てたものとなる。
ユーザは、上記の準備作業を終えると、端末装置14に対し所定の操作を行い、座標データの補正処理を指示する。この指示に応じて、端末装置4は座標データの補正処理を開始する。図9は、端末装置14が行う座標データの補正処理(一部、ユーザが行う操作を含む)のフローを示した図である。
まず、端末装置14は撮像装置12−1〜3の各々に対し、撮像処理を指示する指示データを送信する。撮像装置12−1〜3は端末装置14から送信されてくる指示データを受信すると、当該指示データに従って撮像処理を行い、撮像した画像を表わす画像データを端末装置14に送信する。端末装置14の無線受信手段143は、撮像装置12−1〜3から送信されてくる画像データを受信する(ステップS101)。
無線受信手段143は、撮像装置12から送信されてくる画像データを受信すると、受信した画像データを画像取得手段144に引き渡す。画像取得手段144は無線受信手段143から取得した画像データを座標特定手段145に引き渡す。座標特定手段145は、画像取得手段144から画像データを受け取ると、座標取得手段141に撮像装置12の設計上の位置を示す座標データを、また、距離取得手段142にセグメント9の厚さを示す距離データを要求する。この要求に応じて、座標取得手段141はメモリ101から座標データを読み出し座標特定手段145に引き渡し、距離取得手段142はメモリ101から距離データを読み出し座標特定手段145に引き渡す(ステップS102)。
続いて、端末装置14は撮像装置12から受信した画像データを用いて、理想状態におけるセグメント9の前方端面の外縁上の点(以下、「セグメント9の外縁点」という)のM座標系における座標を特定するためのマーカ合わせ用画面を表示する(ステップS103)。図10は、撮像装置12−1から受信した画像データを用いて端末装置14が表示するマーカ合わせ用画面を例示した図である。なお、図10(a)はマーカ合わせが行われる前のマーカ合わせ用画面を示し、図10(b)はマーカ合わせが行われた後のマーカ合わせ用画面を示している。
撮像装置12により生成される画像データが表わす画像上の位置は、M座標系とは異なるS座標系(第2の座標系の一例)における座標により特定される。以下、撮像装置12−1〜3により生成される画像データが表わす画像の各々に関し設けられるS座標系を区別する場合、それらをS1座標系、S2座標系、S3座標系という。
S座標系の原点は、画像の中心点(対角線の交点)である。また、S座標系のX軸は画像の上下方向(上方向が正)であり、S座標系のY軸は画像の左右方向(右方向が正)である。なお、図10には、画像の位置がS座標系により特定されることを示すためにS1座標系の原点S1Oと、X軸およびY軸が示されているが、実際のマーカ合わせ用画面にはこれらは表示されなくてもよい。また、S2座標系の原点は点S2O、S3座標系の原点は点S3Oとなり、それらの座標系においても、X軸は画像の上下方向(上方向が正)であり、Y軸は画像の左右方向(右方向が正)である。
マーカ合わせ用画面には、画像データが表わす画像とともに、「H」を横に倒したような形状のマーカ(以下、「演算マーカ」という)が表示される。以下、演算マーカの2本の左右方向に延伸する線分のうち、上側の線分の中心点(上下方向に延伸する線分との交点)を「照合ゼロ点」と呼び、演算マーカの2本の左右方向に延伸する線分のうち、下側の線分の中心点(上下方向に延伸する線分との交点)を「照合スパン点」と呼ぶ。
演算マーカは、ユーザにより、サイズ、位置、方向が調整可能である。ユーザは、例えばキーボード、マウス等の入力装置を用いて、マーカ合わせ用画面に表示される演算マーカの照合ゼロ点が視準板23の下側の端辺の中心に、また照合スパン点が視準板23の上側の端辺の中心に、各々一致するように、演算マーカのサイズ、位置、方向を調整(マーカ合わせ)する(ステップS104)。
以下、図10(b)に示されるように、マーカ合わせの完了した後の照合ゼロ点を点S1Zと呼び、S1座標系における点S1Zの座標を(S1ZS1Z)とする。また、マーカ合わせの完了した後の照合スパン点を点S1Sと呼び、S1座標系における点S1Sの座標を(S1SS1S)とする。同様に、S2座標系におけるマーカ合わせ後の照合ゼロ点を点S2Z(S2ZS2Z)、照合スパン点を点S2S(S2SS2S)とし、S3座標系におけるマーカ合わせ後の照合ゼロ点を点S3Z(S3ZS3Z)、照合スパン点を点S3S(S3SS3S)とする。
ユーザが上記のマーカ合わせの操作を終了し、端末装置14に対し所定の操作を行うと、座標特定手段145は、S1座標系における照合ゼロ点S1Z(S1ZS1Z)と照合スパン点S1S(S1SS1S)の間の距離S1T、S2座標系における照合ゼロ点S2Z(S2ZS2Z)と照合スパン点S2S(S2SS2S)の間の距離S2T、S3座標系における照合ゼロ点S3Z(S3ZS3Z)と照合スパン点S3S(S3SS3S)の間の距離S3Tを算出する(ステップS105)。
また、座標特定手段145は、S1座標系における照合ゼロ点S1Z(S1ZS1Z)と原点S1O(0,0)の間の距離S1Z、S2座標系における照合ゼロ点S2Z(S2ZS2Z)と原点S2O(0,0)の間の距離S2Z、S3座標系における照合ゼロ点S3Z(S3ZS3Z)と原点S3O(0,0)の間の距離S3Zを算出する(ステップS106)。
続いて、座標特定手段145は、先に座標取得手段141から受け取った座標データが示すM座標系における撮像装置12の設計上の配置位置を示す点M1MC1MC1)、点M2MC2MC2)、点M3MC3MC3)の原点MO周りの角度M1、角度M2、角度M3を算出する。
続いて、座標特定手段145は、以下の数1に示す式に従い、S1座標系における照合ゼロ点S1Zの座標(S1ZS1Z)、S2座標系における照合ゼロ点S2Zの座標(S2ZS2Z)、S3座標系における照合ゼロ点S3Zの座標(S3ZS3Z)を、M座標系の座標に変換する(ステップS107)。ただし、M座標系に変換後の照合ゼロ点S1Z、照合ゼロ点S2Z、照合ゼロ点S3Zに対応する点を各々、照合ゼロ点M1MZ1MZ1)、照合ゼロ点M2MZ2MZ2)、照合ゼロ点M3MZ3MZ3)とする。なお、Tは座標特定手段145が先に距離取得手段142から受け取った距離データが示すセグメント9の厚さTである。
Figure 0005686878
以上のように座標特定手段145が算出した照合ゼロ点M1MZ1MZ1)、照合ゼロ点M2MZ2MZ2)、照合ゼロ点M3MZ3MZ3)は、各々、M座標系における理想状態のセグメント9の外縁点である。
上記のように座標特定手段145によりM座標系における照合ゼロ点M1、照合ゼロ点M2、照合ゼロ点M3の座標が特定されると、続いて、図形特定手段146は以下の数2に示す連立方程式を解いて、これらの3点を通る円のM座標系における中心点MQの座標(MOQMOQ)および半径の長さMQを算出する。
Figure 0005686878
その結果、図形特定手段146は、数3に示す円の方程式を得る(ステップS108)。ただし、座標(x,y)が円上の点を示す。
Figure 0005686878
上記のように特定された方程式が示す円は、理想状態におけるセグメント9の前方端面の外縁が示す円である。図形特定手段146は、特定した理想状態におけるセグメント9の前方端面の外縁が示す円の方程式を示すデータを距離算出手段148に引き渡す。
距離算出手段148は、図形特定手段146から円の方程式を示すデータを受け取ると、図形取得手段147に対し、スキンプレート113の内側面が示す円の中心点の座標および半径の長さを示す図形データを要求する。この要求に応じて、図形取得手段147はメモリ101から図形データを読み出し、距離算出手段148に引き渡す(ステップS109)。
距離算出手段148は、図形取得手段147から受け取った図形データが示す中心点(以下、「中心点MP」とする)の座標(以下、「座標(MOPMOP)」とする)および半径の長さ(以下、「長さMP」とする)により、スキンプレート113の内側面が示す円のM座標系における方程式として、数4に示す方程式を得る(ステップS110)。ただし、中心点MPは原点MOと一致するため、MOP=0、MOP=0であり、数4に示す式には現われない。
Figure 0005686878
続いて、距離算出手段148は、図形特定手段146から受け取った数3に示される円の方程式と、図形取得手段147から受け取った図形データに基づき特定される数4に示される円の方程式とを用いて、M座標系の原点MO周りに、例えば30°毎の方向における原点MOとそれらの円との距離の差を、それらの位置におけるテールクリアランスとして算出する(ステップS111)。
続いて、端末装置14は、M座標系における撮像装置12の配置位置の座標を補正するための画面であるカメラ位置補正画面を表示する(ステップS112)。図11は、カメラ位置補正画面を例示した図である。カメラ位置補正画面には、M座標系の原点MOおよびX軸、Y軸と、スキンプレート113の内側面が示す円(外側の円)と、理想状態におけるセグメント9の前方端面の外縁が示す円(内側の円)と、原点MO周りに30°毎の方向におけるテールクリアランスが表示される。また、カメラ位置補正画面の領域A01には、撮像装置12−1〜3の各々に関し、X座標、Y座標を調整するための入力ボックスが表示される。
カメラ位置補正画面に表示される内側の円は理想状態におけるセグメント9の前方端面の外縁が示す円であるため、本来、カメラ位置補正画面に表示されるテールクリアランスはいずれも同じ値(設計値)と一致するべきである。ただし、実際には多くの場合、撮像装置12−1〜3の設置位置が製作誤差、取付台13の取付位置の誤差等により設計された配置位置からずれるので、カメラ位置補正画面に表示されるテールクリアランスは必ずしも一致しない。
従って、ユーザは、領域A01の入力ボックスの各々の右側に表示される上下方向の矢印を操作して、撮像装置12−1〜3の座標を補正する。ユーザの操作により領域A01の入力ボックスの値が変更されると、端末装置14は補正後の座標値を用いて上述した処理を繰り返し、再計算したテールクリアランスをカメラ位置補正画面に表示する。ユーザは、カメラ位置補正画面に表示されるテールクリアランスを確認しながら、それらの値が概ね全て一致するまで、座標の補正の操作を繰り返す(ステップS113)。
以下、補正が完了した後の撮像装置12−1〜3の配置位置を、点M1’(MC1’,MC1’)、点M2’(MC2’,MC2’)、点M3’(MC3’,MC3’)とし、原点MO周りのそれらの点の角度を、角度M1’、角度M2’、角度M3’とする。端末装置14は、これらの補正後の撮像装置12−1〜3の配置位置を示す座標データで、メモリ101に記憶されている座標データを更新する。
以上が座標データの補正処理の説明である。ユーザが光軸合わせ用器具2をスキンプレート113から取り外すと、テールクリアランスの計測および表示が可能となる。なお、上述した光軸合わせの作業と、座標データの補正処理は、撮像装置12の交換等を行わない限り、一度行えばよい。
テールクリアランスの計測が行われる際の端末装置14の処理は、図9を用いて説明した座標データの補正処理におけるステップS101〜S112の処理と概ね同じである。従って、以下に図9を用いて、テールクリアランスの計測が行われる際の端末装置14の処理を説明する。
まず、ユーザはテールクリアランスの計測をしたいタイミングで、端末装置14に対し所定の操作を行い、計測の指示を行う。この操作に応じて、端末装置14は撮像装置12−1〜3の各々に対し撮像処理を指示する。撮像装置12−1〜3の各々は端末装置14の指示に従い撮像処理を行い、生成した画像データを端末装置14に送信する。端末装置14は撮像装置12から画像データを受信すると(ステップS101)、座標データおよび距離データを読み出した後(ステップS102)、マーカ合わせ用画面を表示する(ステップS103)。なお、ステップS102において端末装置14が読み出す座標データは、上述した補正処理において補正された、撮像装置12の実際の位置を示す座標データである。
テールクリアランスの計測においては、マーカ合わせ用画面に表示される画像には実際に既設されているセグメント9の前方端面の画像が含まれる。図12は、テールクリアランスの計測において端末装置14により表示されるマーカ合わせ用画面を例示した図である。なお、図12(a)はマーカ合わせが行われる前のマーカ合わせ用画面を示し、図12(b)はマーカ合わせが完了した後のマーカ合わせ用画面を示している。図12に示すように、テールクリアランスの計測においては、ユーザは、セグメント9の内側端辺および外側端辺に演算マーカの左右方向の線分が概ね一致するように、演算マーカのサイズ、位置、方向を調整する(ステップS104)。
続いて、端末装置14により、ステップS105〜S111の処理が行われる。ただし、ステップS107において、端末装置14は数1に示した式に代えて、補正後の撮像装置12の座標を用いて、以下の数5に示す式に従い、M座標系における照合ゼロ点の座標を算出する。
Figure 0005686878
端末装置14は、ステップS111においてテールクリアランスの算出を行うと、カメラ位置補正画面に代えて、テールクリアランスの表示を行うテールクリアランス表示画面を表示する。図13は、テールクリアランス表示画面を例示した図である。テールクリアランス表示画面には、M座標系の原点MOおよびX軸、Y軸と、スキンプレート113の内側面が示す円(外側の円)と、既設のセグメント9の前方端面の外縁が示す円(内側の円)と、原点MO周りに、例えば30°毎の方向におけるテールクリアランスが表示される。また、テールクリアランス表示画面におけるM座標系は、シールド掘進機11の傾斜計から送信されてくるデータに従い、シールド掘進機11のローリングに応じた角度だけ回転表示される。そのため、作業者等はテールクリアランス表示画面に表示されるテールクリアランスが実際のスキンプレート113のどの位置におけるテールクリアランスを示すかを直感的に知ることができる。以上がテールクリアランスの計測および表示の処理の説明である。
以上説明した計測システム1によれば、ユーザは、端末装置14に表示されるテールクリアランスを見ながら、シールド掘進機11の望ましい掘進方向を容易に判断することができる。
計測システム1においては、いったん撮像装置12がシールド掘進機11に正しく設置されれば、その後はユーザが端末装置14に対し所定の操作により指示を行うだけで、様々な方向におけるテールクリアランスを端末装置14に表示させることができる。その際、ユーザが高所に上ったりする必要はないため、極めて安全かつ迅速に計測作業が行われる。
また、計測システム1においては、撮像装置12が掘削時に水、泥等のかかることのない位置に配置されているため、撮像装置12が機能不全を生じたり、故障したりする危険性が少ない。さらに、撮像装置12として一般的なデジタルカメラが利用可能であるため、仮に撮像装置12が故障しても低コストで交換可能である。
また、計測システム1においては、撮像装置12が端末装置14との間のデータ通信を無線により行うため、撮像装置12に接続される通信ケーブルが排されており、作業員等にとって通信ケーブルが邪魔になることはない。
[変形例]
上述した実施形態は、本発明の一実施例であって、本発明はこれに限定されるものではなく、技術的思想の範囲内で様々に変形可能である。以下にそれらの変形の例を示す。なお、上述した実施形態と以下に例示する変形例はそれらの2以上が組み合わされてもよい。
(1)上述した実施形態においては、計測システム1が3台の撮像装置12を備える構成が採用されている。撮像装置12の数は3台に限れず、1〜2台、もしくは4台以上であってもよい。
計測システム1が備える撮像装置12の数が2以下である場合、座標特定手段145により特定される照合ゼロ点の数は2つとなる。従って、図形特定手段146によりセグメント9の前方端面の外縁が示す図形を特定することはできず、距離算出手段148が任意の方向のテールクリアランスを算出することはできない。ただし、距離算出手段148により、例えば、M座標系の原点MOから座標特定手段145により特定された1つまたは2つの照合ゼロ点に向かう方向のテールクリアランスが算出され、テールクリアランス表示画面に表示される。なお、撮像装置12の数が2以下である場合、座標データの補正処理において、図11に例示のカメラ位置補正画面に代えて、撮像装置12が配置されている1つまたは2つの位置におけるテールクリアランスが表示される。ユーザは、それらのテールクリアランスが理想状態におけるテールクリアランスに一致するように、座標データの補正を行えばよい。
一方、計測システム1が備える撮像装置12の数が4以上である場合、座標特定手段145により特定される照合ゼロ点の数も4以上となる。この場合、図形特定手段146がセグメント9の前方端面の外縁が示す図形を特定する方法として複数の選択肢が考えられる。以下に、撮像装置12の数が4である場合を例に、図形特定手段146がセグメント9の前方端面の外縁が示す図形を特定する方法を例示する。
まず、図形特定手段146が、座標特定手段145により特定された4つの照合ゼロ点の近傍を通る1つの円の方程式を、最小二乗法等の近似曲線の算出方法により特定することが考えられる。
また、図形特定手段146が、座標特定手段145により特定された4つの照合ゼロ点から選択される3つの照合ゼロ点を通る円の特定を、3つの照合ゼロ点の組み合わせの各々に関し行い、特定した複数の円を用いて、セグメント9の前方端面の外縁が示す図形を特定する方法が考えられる。照合ゼロ点が4つの場合、3つの照合ゼロ点の組み合わせは4つできるため、4つの円が特定されることになる。図形特定手段146は、例えば、特定した4つの円の中心点の重心を中心とし、4つの円の半径の平均値を半径とする円や、原点MOからの距離が4つの円までの距離の平均値である点を繋いで得られる図形等を、セグメント9の前方端面の外縁が示す図形として特定してもよい。
ただし、上記の最小二乗法を用いる方法や、4つの円の中心点の重心および半径の平均値を用いる方法、原点MOからの距離の平均を用いる方法等によれば、図形特定手段146により特定される図形は必ずしも照合ゼロ点を通らない。従って、これらの方法による場合、少なくとも照合ゼロ点付近においては、距離算出手段148により算出されるテールクリアランスは誤差を含むことになる。
そこで、図形特定手段146が特定する図形が、必ず4つの照合ゼロ点を通る図形となるような方法が採用されてもよい。そのような方法の例として、図形特定手段146が4つの円を特定した後、それらの円の円弧のうち隣接する2点を通らない円弧を除外し、除外しなかった円弧を用いてセグメント9の前方端面の外縁が示す図形を特定する方法が考えられる。
図14は、隣接する2点を通らない円弧を除外してセグメント9の前方端面の外縁が示す図形を特定する方法の一例を説明するための図である。図14において、点a、点b、点c、点dは各々、座標特定手段145によりM座標系における座標が特定された照合ゼロ点である。円C1、円C2、円C3、円C4は各々、図形特定手段146により特定された円であり、円C1は点a、c、dを通り、円C2は点b、c、dを通り、円C3は点a、b、cを通り、円C4は点a、b、dを通る。
この場合、図形特定手段146は、セグメント9の前方端面の外縁が示す図形として、点a−b間に関しては、それらの2点を通る円C3および円C4の円弧を採用し、点b−c間に関しては、それらの2点を通る円C2および円C3の円弧を採用し、点c−d間に関しては、それらの2点を通る円C1および円C2の円弧を採用し、点d−a間に関しては、それらの2点を通る円C1および円C4の円弧を採用する。距離算出手段148は、図形特定手段146により、2つの照合ゼロ点間の領域において2つ特定された円弧の各々に関しテールクリアランスを算出し、例えばそれらの平均値をテールクリアランス表示画面に表示するテールクリアランスとして算出する。
なお、この場合、原点MOからの距離が、除外されなかった円弧までの距離の平均値である点を繋いで得られる図形が、セグメント9の前方端面の外縁が示す図形として特定されることになる。
(2)上述した実施形態においては、計測システム1は、シールド掘進機11の軸に垂直な平面と、セグメント9の前方端面に沿った平面が平行であるものとしてテールクリアランスの算出を行う構成が採用されている。ただし、図15に示すように、シールド掘進機11が直進していない場合、シールド掘進機11の軸に垂直な平面と、セグメント9の前方端面に沿った平面との間に角度が生じ、計測されるテールクリアランスに誤差が生じる。そこで、計測システム1において、上記の誤差を補正する構成が採用されてもよい。
シールド掘進機11の軸に垂直な平面と、セグメント9の前方端面に沿った平面との間に生じる傾きに伴うテールクリアランスの誤差を補正する仕組みの一例として、セグメント9の前方端面上に円を罫書き等により描いておき、撮像装置12により撮像された画像に含まれる円の歪みの方向および程度を計測する方法が考えられる。シールド掘進機11の軸に垂直な平面と、セグメント9の前方端面に沿った平面との間に傾きがある場合、撮像装置12により撮影された画像に含まれる円は歪んで楕円となる。その楕円の長径が傾きの軸を示し、楕円の長径と短径との比が傾きの程度を示す。
この変形例において、端末装置14は機能構成部として、図16に示すように、シールド掘進機11の軸に垂直な平面と、セグメント9の前方端面に沿った平面との間の位置関係を特定する位置関係特定手段149を備える。位置関係特定手段149は、撮像装置12から受信した画像データが示す画像に含まれる楕円(セグメント9に描かれた円を示す楕円)上の複数点の座標(S座標系における座標)を、例えば画像認識処理により特定し、特定した点の近傍を通る楕円の方程式を、例えば最小二乗法により特定する。位置関係特定手段149は、3つのS座標系の各々に関し特定した楕円の、例えば長軸のベクトルの平均ベクトルを長軸とし、長径と短径の比率の平均値を長径と短径の比率とする楕円を特定し、そのように特定した楕円の方程式を示すデータを、シールド掘進機11の軸に垂直な平面と、セグメント9の前方端面に沿った平面との間の位置関係(傾き)を示すデータとして、図形特定手段146に引き渡す。
図形特定手段146は、座標特定手段145により特定された照合ゼロ点を通り、位置関係特定手段149から受け取ったデータが示す楕円と相似の楕円を、セグメント9の前方端面の外縁が示す図形として特定する。図17は、この変形例において端末装置14が表示するテールクリアランス表示画面を例示した図である。図17に示されるように、この変形例によれば、シールド掘進機11の軸に垂直な平面と、セグメント9の前方端面に沿った平面との間に傾きがある場合、テールクリアランス表示画面にはセグメント9の前方端面の外縁が示す図形(円の内側の図形)として楕円が表示される。この楕円は、M座標系が載っている平面に対し傾きを持ったセグメント9の前方端面の外縁が示す図形を、M座標系が載っている平面に対し投射して得られる図形である。
この変形例において位置関係特定手段149により特定される楕円の方程式を用いて、距離算出手段148がセグメント9の前方端面に沿った平面上におけるテールクリアランスを算出する構成が採用されてもよい。具体的には、図形特定手段146が特定した楕円を真円に変形するようにM座標系の座標を変換すると、変換後の座標系においては、M座標系において円であったスキンプレート113の内側面が示す図形は楕円となる。このように変換された座標系はセグメント9の前方端面に沿った平面上の座標系であり、当該平面におけるスキンプレート113の内側面の位置を示している。図18は、セグメント9の前方端面に沿った平面上のテールクリアランスを表示するテールクリアランス表示画面を例示した図である。図18に例示のテールクリアランス表示画面においては、セグメント9の前方端面の外縁が示す図形は円であり、スキンプレート113の内側面が示す図形は楕円となっている。
上記の図17もしくは図18に示されるテールクリアランス表示画面においては、シールド掘進機11の軸に垂直な平面と、セグメント9の前方端面に沿った平面との間の傾きに伴う誤差の補正されたテールクリアランスが表示されるため、ユーザはより適切にシールド掘進機11の望ましい掘進方向を判断することができる。
なお、この変形例において、セグメント9の前方端面上に描かれる図形は円に限られず、例えば正三角形等のように、3以上の特徴点が特定可能な図形(例えば、所定の位置関係の3点を示す図柄等を含む)であれば、いずれの図形が用いられてもよい。なお、セグメント9の前方端面上に描かれる図形が円である場合、円周上の任意の3点がこの場合の特徴点となる。
(3)上述した実施形態においては、取付台13に取り付けた撮像装置12の光軸を光軸合わせ用器具2の視準板23の中心に合わせることで、撮像装置12の光軸が正確にシールド掘進機11の後方を向くことが仮定されている。しかしながら、例えば取付台13の設置位置が設計位置からずれていたりすると、撮像装置12の光軸が正確に後方を向かない。
上記の不都合を解消するため、光軸合わせにおいて、光軸合わせ用器具2を用いた視準を、ガイド線N上の異なる2カ所以上で行うようにしてもよい。
この場合、ユーザは、例えば光軸合わせ用器具2をガイド線N上の撮像装置12から最も遠い位置に取り付けて視準を行った後、光軸合わせ用器具2をガイド線N上の撮像装置12から半分程の距離の位置に取り付けて再び視準を行う。撮像装置12の光軸が正確に後方を向いていれば、ガイド線N上の異なる位置に配置された光軸合わせ用器具2による視準において、視準板23上における光軸の位置は変化しない。従って、ユーザは、視準板23上における光軸の位置が安定するまで、撮像装置12の方向の調整と、光軸合わせ用器具2の位置を変更しながらの視準とを繰り返す。これにより、撮像装置12の光軸を、より正確にシールド掘進機11の後方に向けることができる。
(4)上述した実施形態においては、ユーザがマーカ合わせ用画面に表示される演算マーカを手動で視準板23またはセグメント9の画像に一致させることにより、照合ゼロ点および照合スパン点の特定が行われる構成が採用されている。これに代えて、例えば座標特定手段145が画像認識処理により、視準板23の下端および上端や、セグメント9の前方端面の外縁や内縁の位置を特定し、特定した位置に基づき、照合ゼロ点や照合スパン点の座標を特定する構成が採用されてもよい。
(5)上述した実施形態においては、画像におけるセグメント9の厚さを照合ゼロ点と照合スパン点との距離として特定し、画像におけるセグメント9の厚さと、実際のセグメント9の厚さTとの比率により、画像と実物との間の縮尺率を特定する構成が採用されている。セグメント9の厚さ、すなわち、セグメント9の外側端点と当該外側端点に最も近いセグメント9の内側端点との間の距離は、セグメント9の前方端面上の2つの特徴点間の距離の一例であって、画像と実物との間の縮尺率を特定するために用いられる特徴点はいかなるものであってもよい。例えば、セグメント9の前方端面上の2つの所定位置にボルトやナットなどの部材が配置されていれば、座標特定手段145は、これらの2つの部材の位置を特徴点として用いて、画像と実物との間の縮尺率を特定することができる。また、ボルトやナット等の特徴点となり得る構造物がセグメント9の前方端面上にない場合、セグメント9の前方端面上に所定の距離で離れた2つの特徴点を示すマーク(例えば、所定の長さの線分等)を描けば、座標特定手段145は、当該マークが示す2つの特徴点を、画像と実物との間の縮尺率の特定に用いることができる。
(6)上述した実施形態においては、3つの撮像装置12がM座標系における0°、120°、240°の方向に配置されている。撮像装置12の配置位置はこれに限られず、図形特定手段146による図形の特定が十分な精度で行われる限り、撮像装置12の位置はいずれの位置であってもよい。
(7)上述した実施形態においては、M座標系の原点MOはシールド掘進機11の軸の位置であるものとしたが、M座標系の原点MOは他の位置であってもよい。また、M座標系のX軸およびY軸の方向も、上述した実施形態に例示のものに限られない。また、S座標系の原点SOは画像(撮像領域)の中心点であるものとしたが、S座標系の原点SOは他の位置であってもよい。また、S座標系のX軸およびY軸の方向も、上述した実施形態に例示のものに限られない。
(8)上述した実施形態においては、スキンプレート113の内側面が示す図形は円であるものとしたが、例えばスキンプレート113が歪んでいる場合において、実際のスキンプレート113の内側面が示す図形がテールクリアランスの算出に用いられてもよい。その場合、例えば実測されたスキンプレート113の内側面が示す図形を表わすデータをメモリ101に記憶させておき、図形取得手段147が読み出して用いるようにすればよい。
(9)上述した実施形態においては、撮像装置12はリングガータ1111に取り付けられるものとしたが、撮像装置12の設置位置は、スキンプレート113と一体で移動する限り、いずれの位置であってもよい。
(10)上述した実施形態において、端末装置14は汎用的なコンピュータに、アプリケーションプログラムに従った処理を実行させることにより実現されるものとしたが、それに代えて、端末装置14がいわゆる専用機として構成されてもよい。
(11)上述した実施形態では、撮像装置12の位置を示す座標データの補正は、ユーザがカメラ位置補正画面(図11)に表示されるテールクリアランスを見ながら手動で行われる。これに代えて、端末装置14が、距離算出手段148により算出されるテールクリアランスの値が理想状態の値に近づくように、自動的に座標データの補正を行う構成が採用されてもよい。
(12)上述した実施形態において、端末装置14を実現するコンピュータにより実行されるアプリケーションプログラムは、持続的にデータを記録可能な磁気記録媒体(HDD(Hard Disk Drive)等)、光記録媒体(光ディスク等)、半導体メモリ(フラッシュメモリ等)等のコンピュータ読取可能な記録媒体に記憶された状態で提供され、コンピュータに読み取られて用いられてもよいし、インターネット等の通信回線を介してコンピュータに配信されて用いられてもよい。
1…計測システム、2…光軸合わせ用器具、9…セグメント、10…コンピュータ、11…シールド掘進機、12…撮像装置、13…取付台、14…端末装置、15…中継装置、21…台座、22…支柱、23…視準板、24…固定ナット、101…メモリ、102…プロセッサ、103…入出力I/F、104…通信I/F、109…バス、111…シールド掘進機本体、112…シールドジャッキ、113…スキンプレート、141…座標取得手段、142…距離取得手段、143…無線受信手段、144…画像取得手段、145…座標特定手段、146…図形特定手段、147…図形取得手段、148…距離算出手段、149…位置関係特定手段、1111…リングガータ

Claims (12)

  1. シールド掘進機の前後方向に垂直な平面であって前記シールド掘進機のスキンプレートと一体で移動する平面の上に設けられた第1の座標系における撮影点の座標を示す座標データを取得する座標取得手段と、
    前記第1の座標系における、前記シールド掘進機により掘削されたトンネルの被覆に用いられるセグメントの前方端面上の2つの特徴点間の距離を示す距離データを取得する距離取得手段と、
    前記座標データが示す前記撮影点から前記シールド掘進機の後方向に行われた撮影により生成された画像データを取得する画像取得手段と、
    前記画像取得手段により取得された画像データが表わす画像の表示面上に設けられた第2の座標系における当該画像に示されるセグメントと当該セグメントの外側の背景との境界線上のいずれかの点である外側端点と前記撮影点との間の距離と、前記第2の座標系における前記撮影点から前記外側端点への方向と、前記第2の座標系における当該画像に示されるセグメントの前方端面上の2つの特徴点間の距離と、前記距離取得手段により取得された前記距離データが示す距離とに基づき、前記外側端点の前記第1の座標系における座標を特定する座標特定手段と
    を備えるテールクリアランスを特定するための装置。
  2. 前記座標取得手段は、前記第1の座標系における3以上の撮影点の座標を各々示す3以上の座標データを取得し、
    前記画像取得手段は、前記3以上の座標データが示す前記3以上の撮影点の各々から前記シールド掘進機の後方向に行われた撮影により生成された3以上の画像データを取得し、
    前記座標特定手段は、前記3以上の撮影点の各々に関し、前記外側端点の前記第1の座標系における座標を特定し、
    前記第1の座標系における、前記シールド掘進機のスキンプレートの内側面が示す図形を示す図形データを取得する図形取得手段と、
    前記座標特定手段により前記3以上の撮影点の各々に関し特定された座標に基づき、前記第1の座標系において、前記トンネルの内壁面を被覆しているセグメントの前方端面の外縁が示す図形を特定する図形特定手段と、
    前記第1の座標系における、前記図形データが示す図形の上のいずれかの点と前記図形特定手段により特定された図形の上のいずれかの点との間の距離をテールクリアランスとして算出する距離算出手段と
    を備える請求項1に記載の装置。
  3. 前記図形特定手段は、前記トンネルの内壁面を被覆しているセグメントの前方端面の外縁が示す図形として円を特定する
    請求項2に記載の装置。
  4. 前記図形特定手段は、前記トンネルの内壁面を被覆しているセグメントの前方端面の外縁が示す図形として、前記座標特定手段により前記3以上の撮影点の各々に関し特定された座標の点を全て通る図形を特定する
    請求項2に記載の装置。
  5. 前記座標特定手段は、前記画像取得手段により取得された画像データが表わす画像に示されるセグメントの前方端面上の前記2つの特徴点を画像認識により特定し、当該特定した2つの特徴点間の距離を特定し、
    前記座標特定手段は、前記画像取得手段により取得された画像データが表わす画像に示されるセグメントと当該セグメントの外側の背景との境界線である外側境界線を画像認識により特定し、当該特定した外側境界線上のいずれかの点を前記外側端点として特定する
    請求項1乃至4のいずれか1項に記載の装置。
  6. 前記3以上の画像データを無線通信により受信する無線受信手段を備え、
    前記画像取得手段は前記無線受信手段により受信された前記3以上の画像データを取得する
    請求項1乃至5のいずれか1項に記載の装置。
  7. 前記シールド掘進機の前後方向に垂直な平面と、前記トンネルの内壁面を被覆しているセグメントの前方端面に沿った平面との位置関係を特定する位置関係特定手段を備え、
    前記図形特定手段は、前記位置関係特定手段により特定された位置関係に基づき、前記トンネルの内壁面を被覆しているセグメントの前方端面の外縁が示す図形を特定する
    請求項2に記載の装置。
  8. 前記位置関係特定手段は、前記画像取得手段により取得された画像データが表わす画像に示されるセグメントの前方端面上の3以上の特徴点を通る図形を画像認識により特定し、当該特定した図形の形状に基づき前記位置関係を特定する
    請求項7に記載の装置。
  9. シールド掘進機の前後方向に垂直な平面であって前記シールド掘進機のスキンプレートと一体で移動する平面の上に設けられた第1の座標系における撮影点の座標を取得するステップと、
    前記第1の座標系における、前記シールド掘進機により掘削されたトンネルの被覆に用いられるセグメントの前方端面上の2つの特徴点間の距離を取得するステップと、
    前記座標が示す前記撮影点から前記シールド掘進機の後方向に行われた撮影により生成された画像を取得するステップと、
    前記画像を取得するステップにおいて取得した画像の表示面上に設けられた第2の座標系における当該画像に示されるセグメントと当該セグメントの外側の背景との境界線上のいずれかの点である外側端点と前記撮影点との間の距離と、前記第2の座標系における前記撮影点から前記外側端点への方向と、前記第2の座標系における当該画像に示されるセグメントの前方端面上の2つの特徴点間の距離と、前記距離を取得するステップにおいて取得した距離とに基づき、前記外側端点の前記第1の座標系における座標を特定するステップと
    を備えるテールクリアランスを特定するための方法。
  10. 前記撮影点の座標に応じた位置に撮影装置を配置するステップと、
    前記撮影点の座標に応じた位置から見て後方の前記スキンプレート上の位置に予め定められた形状および大きさの光軸合わせ用器具を配置するステップと、
    前記撮影装置を配置するステップにおいて配置された撮影装置の撮影領域の基準点を、当該撮影領域内に見える前記光軸合わせ用器具を配置するステップにおいて配置された光軸合わせ用器具の基準点と一致させるように前記撮影装置の光軸の方向を調整するステップと
    を備える請求項9に記載の方法。
  11. コンピュータに、
    シールド掘進機の前後方向に垂直な平面であって前記シールド掘進機のスキンプレートと一体で移動する平面の上に設けられた第1の座標系における撮影点の座標を各々示す座標データを取得する処理と、
    前記第1の座標系における、前記シールド掘進機により掘削されたトンネルの被覆に用いられるセグメントの前方端面上の2つの特徴点間の距離を示す距離データを取得する処理と、
    前記座標データが示す前記撮影点から前記シールド掘進機の後方向に行われた撮影により生成された画像データを取得する処理と、
    前記画像データを取得する処理において取得された画像データが表わす画像の表示面上に設けられた第2の座標系における当該画像に示されるセグメントと当該セグメントの外側の背景との境界線上のいずれかの点である外側端点と前記撮影点との間の距離と、前記第2の座標系における前記撮影点から前記外側端点への方向と、前記第2の座標系における当該画像に示されるセグメントの前方端面上の2つの特徴点間の距離と、前記距離データを取得する処理において取得された距離データが示す距離とに基づき、前記外側端点の前記第1の座標系における座標を特定する処理と
    を実行させるためのプログラム。
  12. コンピュータに、
    シールド掘進機の前後方向に垂直な平面であって前記シールド掘進機のスキンプレートと一体で移動する平面の上に設けられた第1の座標系における撮影点の座標を各々示す座標データを取得する処理と、
    前記第1の座標系における、前記シールド掘進機により掘削されたトンネルの被覆に用いられるセグメントの前方端面上の2つの特徴点間の距離を示す距離データを取得する処理と、
    前記座標データが示す前記撮影点から前記シールド掘進機の後方向に行われた撮影により生成された画像データを取得する処理と、
    前記画像データを取得する処理において取得された画像データが表わす画像の表示面上に設けられた第2の座標系における当該画像に示されるセグメントと当該セグメントの外側の背景との境界線上のいずれかの点である外側端点と前記撮影点との間の距離と、前記第2の座標系における前記撮影点から前記外側端点への方向と、前記第2の座標系における当該画像に示されるセグメントの前方端面上の2つの特徴点間の距離と、前記距離データを取得する処理において取得された距離データが示す距離とに基づき、前記外側端点の前記第1の座標系における座標を特定する処理と
    を実行させるためのプログラムを持続的に記録するコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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