JP4097565B2 - 支持物曲線測定方法および支持物曲線測定システム - Google Patents

支持物曲線測定方法および支持物曲線測定システム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、負荷荷重によって鉄筋コンクリート柱のような支持物が描く輪郭の曲線の座標を簡易かつ厳密に解析するための支持曲線測定方法および支持曲線測定システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
支持物には木柱、鉄柱、鉄筋コンクリート柱、複合柱、鉄塔等各種含まれるが、現状最も一般的に使用されている鉄筋コンクリート柱を例に挙げて以下説明する。
鉄筋コンクリート柱における支持曲線測定の第1の先行技術としては、鉄筋コンクリート柱の製造過程における耐性試験が挙げられる。
この耐性試験では、例えば、鉄筋コンクリート柱を寝かせて地際側を固定し、この固定した鉄筋コンクリート柱に負荷荷重を与え、各高さ位置における無負荷時からの変位を変位計により計測し、全体の湾曲程度から耐性を計測するというものであった。
【0003】
また、鉄筋コンクリート柱における支持曲線測定の第2の先行技術としては、既設の鉄筋コンクリート柱の各高さにおける変位計測が挙げられる。電線等の負荷荷重により湾曲する既設の鉄筋コンクリート柱に対して直接変位計測を行うため、実情に応じた変位を計測することができる。この変位計測では測量器を用いて座標を計測する。
【0004】
さらにまた、鉄筋コンクリート柱の支持曲線測定の第3の先行技術として、特許発明に係る特許文献1(発明の名称:電柱の湾曲程度を測定する装置)が知られている。この特許発明は画像データを解析して、電柱の湾曲程度を測定している。
【0005】
【特許文献1】
特許第3043910号公報
(段落番号0007〜0023,図1〜図15)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
近年、既設の鉄筋コンクリート柱の輪郭曲線を簡易かつ厳密に計測する手法の必要性が高まっている。
先に説明した第1の先行技術である、鉄筋コンクリート柱の製造過程における耐性試験は、厳密な測定が可能であるが、高コストかつ手間を要するという問題があり、簡易な測定手法ではなかった。さらには、計測が必要となっている既設の鉄筋コンクリート柱の輪郭曲線を計測することができなかった。
【0007】
また、先に説明した第2の先行技術は、負荷荷重による既設の鉄筋コンクリート柱の各高さで変位計測を行うというものであり、既設の鉄筋コンクリート柱に対して行うことができ、厳密な計測が可能ではあるが、測量に専門の知識を必要とする上、非常に手間がかかるという問題があり、簡易な計測手法ではなかった。その結果、敷設後の負荷加重による鉄筋コンクリート柱の各高さにおける変位計測は、目視による非定量的な測定判断を行って、正確な計測もなされなくなるおそれがあるという問題もあった。
【0008】
さらにまた、先に説明した第3の先行技術の特許文献1に記載された画像解析による電柱の湾曲程度の測定は、画像データを解析するもので第1,第2の先行技術と比較しても大変簡易ではあるが、例えば、画角、撮影位置等を特に考慮しておらず、また、湾曲程度を全て直線の組み合わせとしたため、厳密性に欠けるという問題点があった。
【0009】
まとめると、第1〜第3の先行技術では、厳密であっても簡易でない(第1,第2の先行技術)、または簡易であっても厳密でない(第3の先行技術)というものであった。そこで、簡易かつ厳密に既設の鉄筋コンクリート柱の変位を解析できる実用的な手法の具体化が望まれている。
【0010】
そこで、本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、定量的な輪郭曲線を表す近似曲線式を算出して既設の鉄筋コンクリート柱のような支持物の変位を簡易かつ厳密に解析できるようにし、解析結果から支持物の耐性および負荷状態を診断するための支持曲線測定方法および支持曲線測定システムを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の支持物曲線測定方法は、請求項1に記載するように、
撮像手段により地面に対して略垂直方向に並ぶ複数の特徴点とともに支持物の全体が撮像された画像データに対し、
画像データに含まれる複数の特徴点を検出してカメラ座標系の特徴点画像座標を算出する特徴点画像座標算出行程と、
カメラ座標系の特徴点画像座標に基づいて地面から撮像手段までの高さ、撮像手段から支持物までの撮影距離、および、地面を基準とする撮像手段の撮影角度、からなる撮像手段の姿勢データを算出する姿勢データ算出行程と、
カメラ座標系の複数の特徴点画像座標を結ぶ直線により直線状の支持物のカメラ座標系の理想軸を算出する理想軸算出行程と、
画像データ上の支持物の輪郭線上のサンプル点を入力してカメラ座標系のサンプル座標を算出するサンプル点入力行程と、
輪郭線上のサンプル座標間を補間してカメラ座標系の補間座標を算出する補間座標算出行程と、
撮像手段の姿勢データを用いてカメラ座標系で表されたサンプル座標および補間座標を世界座標系の曲線座標へ変換し、また、カメラ座標系で表された理想軸を世界座標系の理想軸に変換して算出する曲線座標算出行程と、
世界座標系の曲線座標を用いて近似曲線式を算出する近似曲線式算出行程と、
近似曲線式により世界座標系の理想軸上の所定位置の座標における曲がりを特定することを特徴とする。
【0012】
また本発明の支持曲線測定方法は、請求項2に記載するように、
請求項1記載の支持曲線測定方法において、
撮像手段に固有の光学的歪みを予め補正変換した画像データを用いて支持曲線測定を行うことを特徴とする。
【0013】
また本発明の支持物曲線測定方法は、請求項3に記載するように、
請求項1または請求項2に記載の支持物曲線測定方法において、
前記画像データの複数の特徴点は、支持物の地際から支持物の輪郭線に沿わせて固定する標尺に等間隔で並べて付された特徴点であることを特徴とする。
【0014】
また本発明の支持曲線測定システムは、請求項4に記載するように、
請求項1〜請求項3の何れか一項に記載された支持曲線測定方法の各行程を行って支持曲線測定を行う解析手段を備えることを特徴とする。
【0015】
また本発明の支持曲線測定システムは、請求項5に記載するように、
支持物全体を撮影して画像データを出力する撮像手段と、
前記撮像手段から伝送路を介して読み出された画像データを用いて請求項1〜請求項3の何れか一項に記載された支持曲線測定方法の各行程を行って支持曲線測定を行う解析手段と、
を備えることを特徴とする。
【0016】
【作用】
本発明の支持物(鉄筋コンクリート柱)の輪郭曲線を解析する手法では、支持物の全体像を任意の姿勢で撮影し、画像データのカメラ姿勢、さらには光学的歪み(必要時)による歪みを補正し、支持物の輪郭線が描く世界座標系の近似曲線式を算出する。これにより、支持物が描く輪郭の曲線を簡易かつ厳密に計測する。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図に沿って本発明の支持曲線測定方法および支持曲線測定システムを一括して説明する。図1は本実施形態の支持曲線測定システムのシステム構成図である。なお、本実施形態でも支持物の具体例として鉄筋コンクリート柱を挙げて以下説明する。
【0018】
この支持曲線測定システムは2種類あり、例えば、図1で示す支持曲線測定システム(1)のように、解析手段1のみのシステムとし、伝送路2を介して撮像手段3と接続される解析手段1が画像データを取り込み、画像処理により支持曲線測定を行うようにしても良い。
【0019】
例えば、現場にてデジタルカメラ(撮像手段3)で既設の鉄筋コンクリート柱を撮像して画像データを取得し、後で他の箇所に設置されているコンピュータ(解析手段1)にケーブル(伝送路2)を介して取り込み、本発明の支持曲線測定方法に基づき作成された解析プログラムによって解析作業を行うような場合を想定している。
または、カメラ付き携帯電話(撮像手段3)で既設の支持物を撮像して画像データを取得し、後で移動体通信回線・データ回線(伝送路2)を介して遠隔地にあるコンピュータ(解析手段1)に取り込むような場合も想定している。
【0020】
また、図1で示す支持曲線測定システム(2)のように、解析手段1、伝送路2および撮像手段3を一体としたシステムとしても良い。
例えば、カメラ(撮像手段3)とコンピュータ(解析手段1)とが一体に組み込まれた携帯型コンピュータ・携帯型装置などの支持曲線測定システムを想定している。
支持曲線測定システム(1)(2)の何れの場合でも解析手段1が伝送路2を介して撮像手段3と接続され、撮像手段3が撮像した画像データを読み込めるようになされている。
【0021】
続いて、このような支持曲線測定システムを用いる支持曲線測定方法について図を参照しつつ説明する。図2は鉄筋コンクリート柱への標尺の設置を説明する説明図、図3は標尺の構成図、図4はz方向に眺めたときの鉄筋コンクリート柱を示す図、図5はx方向に眺めたときの鉄筋コンクリート柱を示す図である。図6は、支持曲線測定の各行程を説明するフローチャート、図7は画像データの回転変換を説明する説明図、図8は撮像手段のカメラ姿勢の算出原理を説明する説明図、図9は輪郭線の抽出範囲の切り出しを説明する説明図、図10は輪郭線の抽出を説明する説明図、図11は座標変換を説明する説明図、図12は別方向からの座標変換を示す図である。
【0022】
支持曲線測定の各行程は、図6で示すような行程となる。
行程1は、撮像前に予め鉄筋コンクリート柱に標尺を固定する行程である。
具体的には、図2で示すように、標尺20が鉄筋コンクリート柱10に固定治具30により固定される。この標尺20は、図3で示すように直線棒状に形成され、その両端と中間に等間隔に計3点の特徴点21,22,23が印されており、後述するが、画像解析での指標点となる。なお、標尺20は鉄筋コンクリート柱10の曲り計測を行う輪郭曲線上に地際から沿わせて標尺20を固定するものであり、水準計等を利用して、地面から垂直に立設するように調整される。
【0023】
図6に戻るが、行程2は、鉄筋コンクリート柱を撮像手段により撮像して画像データを取得する行程である。なお、撮像手段としてデジタルカメラを、伝送路としてケーブルを、解析手段としてコンピュータを用いるものとして以下説明する。
【0024】
例を挙げると、図5で示すようにz軸方向に沿ってデジタルカメラ(撮像手段3)を向け、鉄筋コンクリート柱10の全体を一画面内に収めることのできる任意の撮影距離、撮影角度により鉄筋コンクリート柱10と標尺20を撮像して画像データを取得する。
【0025】
図6に戻るが、行程3は、デジタルカメラ(撮像手段3)から出力される画像データをコンピュータ(解析手段1)へ入力する行程である。この場合、デジタルカメラとコンピュータとにケーブル(伝送路2)を接続し、このケーブルを介して画像データが取り込まれる。
【0026】
以後、行程4〜行程13の行程は、コンピュータ(解析手段1)により行われる行程である。行程4では撮像手段に固有の光学的歪みを予め補正変換した画像データとする行程である。デジタルカメラ(撮像手段3)のレンズの光学的歪みをあらかじめ解析して登録したデータを読み出し、入力された画像データの光学的歪みを補正変換して画像データを生成する処理を行う。これにより光学的歪みによる解析誤差を軽減する。なお、光学的歪みが無視できる程度に小さい場合もあり、その場合は本行程を省略することも可能である。この結果図7(a)で示すような画像データが生成されたものとする。
【0027】
行程5では、画像データに含まれる標尺20の3点の特徴点21,22,23を画像処理によって検出して特徴点画像座標を算出する行程(特徴点画像座標算出行程)である。
例えば、図7(a)で示す画像データから特徴点21,22,23が位置する特徴点画像座標を抽出することとなる。この場合、各特徴点の重心が特徴点画像座標として特定される。
【0028】
この行程5では、さらに、特徴点21,22,23の特徴点画像座標を解析し、画像データが傾いていると判断したならば光軸座標を中心に画像データを回転させる回転変換を行う。回転角度は、例えば、変換後の特徴点21,22,23の特徴点画像座標のx座標が全て一致するような回転角度を選択すればよい。ここに特徴点画像座標は回転変換後の座標となる。このようにして回転変換された画像データは図7(b)に示すように標尺20が垂直な画像となる。
【0029】
図6に戻るが、行程6では、この標尺20の3点の特徴点21,22,23の特徴点画像座標から、デジタルカメラ(撮像手段3)の高さ・撮影距離・撮影角度からなるデジタルカメラ(撮像手段3)の姿勢データを算出する行程である(姿勢データ算出行程)。デジタルカメラの姿勢の算出方法について図8を用いて説明する。
【0030】
先の行程5で求められた特徴点21,22,23の特徴点画像座標は、図8に示すように、カメラ座標系におけるP’,A’,B’の各点の座標であり、P’(x,y)、A’(x,y)、B’(x,y)という値である。
また、予め解析されたレンズの焦点距離f、光軸とカメラ座標系との交点である光軸座標t(x,y)、デジタルカメラのCCD1画素の寸法(縦、横)、および、標尺20の実寸法PAと寸法ABの比kが既知で与えられる。
さらにまた、カメラ座標系にて光軸と各特徴点がなす角度γ(∠POT),α(∠POA),β(∠POB)が得られる。これらは光軸座標(t)から特徴点座標(P’、A’またはB’)までの距離と、焦点距離と、の逆正接により算出する。
【0031】
これら値により、(1)撮影角度θ、(2)撮影距離OR、および、(3)地際からデジタルカメラまでのカメラ高さRB、というデジタルカメラの姿勢データを算出する。PA=kABという条件より次式の連立方程式が成り立つ。
【0032】
【数1】
Figure 0004097565
【0033】
ここにρ=θ−γであり、デジタルカメラを通る水平線ORと直線OPとがなす角度である。
続いて上記の連立方程式を解く導出過程について説明する。上記連立方程式からPAとABとを消去すると次式のようになる。
【0034】
【数2】
Figure 0004097565
【0035】
加法定理により変換すると次式のようになる。
【0036】
【数3】
Figure 0004097565
【0037】
ここで次式で示すように変数の変換を行う。
【0038】
【数4】
Figure 0004097565
【0039】
この変数を用いると次式で示すようになる。
【0040】
【数5】
Figure 0004097565
【0041】
まとめると次式で示すようになる。
【0042】
【数6】
Figure 0004097565
【0043】
ここにpは実数であり、(p+1)は0でないため消去できる。まとめると次式で示すようになる。
【0044】
【数7】
Figure 0004097565
【0045】
さらにθ=γ−ρの関係と先の数4による変数の関係とから次式のように変換される。
【0046】
【数8】
Figure 0004097565
【0047】
このようにして(1)撮影角度θが算出される。
続いて(2)撮影距離ORについて算出する。PAとRPとの比を取ると次式のようになる。
【0048】
【数9】
Figure 0004097565
【0049】
これにより次式の関係を満たす。
【0050】
【数10】
Figure 0004097565
【0051】
このようにして(2)撮影距離ORが算出される。
続いて(3)カメラ高さRBについて算出される。カメラ高さRBは次式を満たす。
【0052】
【数11】
Figure 0004097565
【0053】
ここにRP=OR・tanρであり、またPBは標尺20の長さであって、何れも既知の値から算出することができる。
このようにして地際Bに対するカメラ高さRBが算出される。
以上、(1)撮影角度θ、(2)撮影距離OR、および、(3)地際からデジタルカメラまでのカメラ高さRB、というデジタルカメラの姿勢データを算出する。
【0054】
さて、図6に戻る。
行程7は、標尺20の3点の特徴点21,22,23の特徴点画像座標から、無負荷状態における直線上(すなわち湾曲していない)の鉄筋コンクリート柱10の理想軸を算出する行程(理想軸算出行程)である。
特徴点は標尺20上に描かれた点であるから、標尺20と輪郭線が接する直線と、特徴点重心とを結ぶ直線と、でなす角度により逆算して真の理想軸を定義する。
【0055】
行程8は、画像データ上の鉄筋コンクリート柱10の輪郭線上のサンプル点を入力してサンプル座標を算出する行程(サンプル点入力行程)である。
この行程では、コンピュータ(解析手段1)の図示しないディスプレイ装置に画像データを表示させ、マウス等のポインティングディバイスを用いてユーザがポインティングし、鉄筋コンクリート柱10の輪郭線上のサンプル点を数箇所、末口点まで入力する。
【0056】
敷設状態の鉄筋コンクリート柱10にはさまざまな装柱機器やケーブルがあり、輪郭線が隠れてしまう部分があるため、ここでは輪郭線が明瞭に目視できる箇所をサンプル点として入力する。鉄筋コンクリート柱の頂部までまんべんなく3点以上を入力する。サンプル点は装柱機器やケーブルなどで隠れた部分を除く輪郭線が目視できる画素とする。このようなサンプル点についてサンプル座標を算出する。
【0057】
行程9は輪郭線上のサンプル座標間を補間して補間座標を算出する行程(補間座標算出行程)である。
この行程では、入力されたサンプル点間の輪郭線を画像処理によって抽出し補間する。すなわち、数箇所入力されたサンプル点を補間し増やすことにより後述する行程11にて得られる近似曲線式の整合性を高めることができる。
【0058】
具体的には、図9に示すように地際から頂部に向かって各サンプル点から次のサンプル点までの矩形状の輪郭線を切り出す。ここに、輪郭線の抽出範囲はサンプル点を結ぶ直線が対称軸となるような矩形とする。切り出した各抽出範囲にて輪郭線をたどり、それらを結合することにより一本の輪郭線を生成する。
【0059】
また、前後のサンプル点の傾きから輪郭線の方向性を加味し、輪郭線が誤った方向に大きく反れることがないよう抽出範囲の幅aを制限することで安定した抽出を実現する。
ただし入力されたポイント間の傾き差θがほとんど変わらない部分は抽出範囲の幅は1画素すなわちほぼ直線であると思われるためそのまま直線で補間を行う。
【0060】
続いてこのようにして切り出した各抽出範囲にて輪郭線をたどる手順について図10を用いて説明する。
まず、切り出した矩形画像の軸が垂直になるよう回転補正し、水平方向への濃度変化を表したエッジ画像に変換する。このエッジ画像を用い、地際側つまり下部に位置するサンプル点よりその上部に位置する3画素(左上、上、右上)の中から最もエッジの強い画素を輪郭線とする。
【0061】
さらにその画素の上部に位置する3画素の中から最もエッジの強い画素を輪郭線とする。もし、装柱機器などで輪郭線が隠れているなど、強いエッジが存在しない場合はそのまま上へ進む。これを繰り返すことにより次のサンプル点までたどりつき、1本の輪郭線が生成される。これを回転補正時の角度に基づき元にもどし各抽出範囲にて生成した輪郭線を結合することにより全体の輪郭線を生成する。
【0062】
図6に戻るが、行程10は、撮像手段の姿勢データを用いてカメラ座標系で表されたサンプル座標および補間座標を、行程7によって得られた理想軸を高さ方向のY軸とする世界座標系の曲線座標へ変換して算出する行程(曲線座標算出行程)である。
【0063】
輪郭線に該当する画像座標をレンズの光軸位置を原点としたカメラ座標に変換する。
図11,図12で示すように、先に行程6で算出した撮影距離Lz、カメラ高さCyおよび撮影角度θを利用してカメラ座標系の座標P(Px,Py)から世界座標系の座標R(Rx,Ry)へ変換する。
まず、カメラ座標系のY軸座標P(0,Py)とレンズとを結ぶ直線と、光軸と、がなす角度θyを算出する。
【0064】
【数12】
Figure 0004097565
【0065】
このθyより実座標Ryが算出される。
【0066】
【数13】
Figure 0004097565
【0067】
レンズと実座標R(0,Ry)との距離Ctを算出する。
【0068】
【数14】
Figure 0004097565
【0069】
レンズと、P(0,Py),P(Px,Py)をそれぞれ結ぶ直線のなす角度θxを算出する。レンズとP(0,Py)を結ぶ直線の長さLPは、次式のようになる。
【0070】
【数15】
Figure 0004097565
【0071】
であるから、実座標Rxが算出できる。
【0072】
【数16】
Figure 0004097565
【0073】
以上のようにしてすべての輪郭線上にあって、カメラ座標に対して算出した実座標を、標尺20の傾きをもとに回転補正する。これにより撮影したコンクリート柱が傾いていた場合や角度をつけて撮影した画像でもその理想軸をY軸とした世界座標が得られる。そしてカメラ座標系でのサンプル座標および補間座標から、世界座標系の曲線座標を得る。
【0074】
図6に戻るが、行11では、世界座標系の曲線座標を用いて近似曲線式を算出する行程(近似曲線式算出行程)である。
この近似曲線式は、鉄筋コンクリート柱の高さを入力値とすると、理想軸上の変位を出力値とし、世界座標上における実際の鉄筋コンクリート柱の描く曲線を表す式である。
【0075】
すなわち、得られた世界座標系の曲線座標を用いて最小二乗法により多項式近似を行い、図4に示すように、鉄筋コンクリート柱10の地際点を原点とし、標尺20から得られた理想軸を高さ方向のY軸とし、輪郭線各高さにおける変位をX軸とする。そして高さYと変位Xの近似曲線X=f(Y)を結果として出力する。
近似曲線X=f(Y)は、例えば、次式のようになる。
【0076】
【数17】
Figure 0004097565
【0077】
この行程により、画像の分解能による誤差のばらつきを軽減し、装柱機器などによる隠れた輪郭線の推定を可能とし、滑らかな輪郭線を表す近似曲線式を得ることができる。
【0078】
行程12では、予め鉄筋コンクリート柱10の装柱状態や土質状態からシミュレーション解析された理論曲線と重ねてグラフ出力することによりその安全を評価する。
行程13では、解析の結果となるデータを出力する。例えば、ディスプレイ表示・印刷などである。
支持曲線測定方法および支持曲線測定システムはこのようなものである。
【0079】
【発明の効果】
本発明によれば、定量的な輪郭曲線を表す近似曲線式を算出して既設の鉄筋コンクリート柱のような支持物の変位を簡易かつ厳密に解析できるようにし、解析結果から支持物の耐性および負荷状態を診断するための支持曲線測定方法および支持曲線測定システムを提供することができる。
鉄筋コンクリート柱の製造過程における耐性試験を簡素化する他、輪郭曲線を非破壊で解析することができ、敷設後の経年劣化および過負荷状態の診断に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態の支持曲線測定システムのシステム構成図である。
【図2】 鉄筋コンクリート柱への標尺の設置を説明する説明図である。
【図3】 標尺の構成図である。
【図4】 z方向に眺めたときの鉄筋コンクリート柱を示す図である。
【図5】 x方向に眺めたときの鉄筋コンクリート柱を示す図である。
【図6】 支持曲線測定の各行程を説明するフローチャートである。
【図7】 画像データの回転変換を説明する説明図である。
【図8】 撮像手段のカメラ姿勢の算出原理を説明する説明図である。
【図9】 輪郭線の抽出範囲の切り出しを説明する説明図である。
【図10】 輪郭線の抽出を説明する説明図である。
【図11】 座標変換を説明する説明図である。
【図12】 別方向からの座標変換を示す図である。
【符号の説明】
1 解析手段
2 伝送路
3 撮像手段
10 鉄筋コンクリート柱
20 標尺
21,22,23 特徴点
30 固定治具

Claims (5)

  1. 撮像手段により地面に対して略垂直方向に並ぶ複数の特徴点とともに支持物の全体が撮像された画像データに対し、
    画像データに含まれる複数の特徴点を検出してカメラ座標系の特徴点画像座標を算出する特徴点画像座標算出行程と、
    カメラ座標系の特徴点画像座標に基づいて地面から撮像手段までの高さ、撮像手段から支持物までの撮影距離、および、地面を基準とする撮像手段の撮影角度、からなる撮像手段の姿勢データを算出する姿勢データ算出行程と、
    カメラ座標系の複数の特徴点画像座標を結ぶ直線により直線状の支持物のカメラ座標系の理想軸を算出する理想軸算出行程と、
    画像データ上の支持物の輪郭線上のサンプル点を入力してカメラ座標系のサンプル座標を算出するサンプル点入力行程と、
    輪郭線上のサンプル座標間を補間してカメラ座標系の補間座標を算出する補間座標算出行程と、
    撮像手段の姿勢データを用いてカメラ座標系で表されたサンプル座標および補間座標を世界座標系の曲線座標へ変換し、また、カメラ座標系で表された理想軸を世界座標系の理想軸に変換して算出する曲線座標算出行程と、
    世界座標系の曲線座標を用いて近似曲線式を算出する近似曲線式算出行程と、
    近似曲線式により世界座標系の理想軸上の所定位置の座標における曲がりを特定することを特徴とする支持物曲線測定方法。
  2. 請求項1記載の支持物曲線測定方法において、
    撮像手段に固有の光学的歪みを予め補正変換した画像データを用いて支持物曲線測定を行うことを特徴とする支持物曲線測定方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の支持物曲線測定方法において、
    前記画像データの複数の特徴点は、支持物の地際から支持物の輪郭線に沿わせて固定する標尺に等間隔で並べて付された特徴点であることを特徴とする支持物曲線測定方法。
  4. 請求項1〜請求項3の何れか一項に記載された支持物曲線測定方法の各行程を行って支持物曲線測定を行う解析手段を備えることを特徴とする支持物曲線測定システム。
  5. 支持物全体を撮影して画像データを出力する撮像手段と、
    前記撮像手段から伝送路を介して読み出された画像データを用いて請求項1〜請求項3の何れか一項に記載された支持物曲線測定方法の各行程を行って支持物曲線測定を行う解析手段と、
    を備えることを特徴とする支持物曲線測定システム。
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