JP5685790B2 - チャンネル文字用バックライトシステム - Google Patents

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Description

光装飾の分野において、チャンネル文字と呼ばれる製品が装飾効果の高い高級光広告・看板システムとして広く活用されている。図1に示すとおり、このチャンネル文字1aは、文字の筆跡を立体的に刻み、その内部に照明を施すことにより、筆跡を光で浮き上がらせる仕組みとなっている(内部に照明を持たない単なる切り文字の場合もチャンネル文字と呼ばれるが、本発明の対象外である)。
図2はその内部構造を示す断面図である。側壁2a、底面2bで構成される溝(チャンネル)の底に光源2cが設置され、筆跡をかたどって切り抜かれた乳白色の光拡散樹脂板2d(以下筆跡板と呼ぶ)をチャンネル内部から照らし、その透過光により筆跡を浮かびあげさせている。
本発明は、このチャンネル文字の照明方式(バックライトシステム)に関するものである。なお、以下、説明の便宜上”文字”を対象として本発明の適応について述べるものの”文字”以外の”ロゴマーク”、あるいは一般的”図形”についての本発明の適応を除外するものではない。
チャンネル文字は図2に示されるような底面2b、側壁2aで囲まれたチャンネルを成形し内部に光源2c(バックライト)を置くのが一般的方法である。
こうした、チャンネル文字の光源としては、近年、従来の 蛍光灯、ネオン管等に比して発光効率が高く、高輝度化、多色化、小型化が進んでいるLEDランプが採用されるようになってきた。
この場合、筆跡板2dを背後から均等に照らすためには、バックライトはチャンネル内に分散して配置する必要がある。図3は従来より使用されているチャンネル文字用LEDバックライトである。LEDランプ(3a)4,5個を4〜5cm角のユニット3bにまとめ、フレキシブルな配線3cで連ねられている。
このようにユニット化されたバックライト(以下ユニット化バックライト)は、ユニット自体が大きいため、精細な形状の筆跡板(例えば明朝体漢字など)には対応できない欠点がある。
精細文字への対応に加え、チャンネル文字の筆跡板の輝度の均一さを確保するためにも、光源はできるだけ細かく分けられ分散配置されることが望まれるが、次に述べるように、上記ユニット化バックライトではその目的(光源の分散化)を達成することがコスト面で難しい。
すなわち、ユニット化バックライトは、ユニット3b自体は複数のLEDランプ等をプリント基板上に搭載することにより製作されるものの、ユニット間の配線3cは、配置の柔軟性を確保するため、別途配線工程を必要とする。そのため、ユニットの数を多くすることは製造時のコスト高に直結してしまう。例えば、LEDランプ一個ずつを1ユニットとし底面に分散配置することも可能ではあるが、それらのLEDランプの光軸を正しく上方に向けるため、いずれにしてもベースとなるプリント基板上に個々のLEDを装着することが必要である上、それら多数のLEDランプを柔軟性を備える電線で結ぶ配線コストは飛躍的に増加してしまう。
また、そのような多数のLEDランプをチャンネル内に配置、接着剤等で固定する手間、コストも膨大なものとなる。
一方、筆跡板の輝度の均一性を確保するため、LEDからの放射光を何らかの方法で拡散させることもバックライトシステムの重要な役割である。
放射光を拡散させる最も簡便な方法は、バックライトと筆跡板の距離を確保することである。即ち、 一般に光源からの光は放射状に拡散していくため光源からの距離が遠くなるに従い広く拡散し、光源の光軸方向前方にはいわば「拡散空間」が広がっているものと考えられる。先述のように、従来のユニット化バックライトでは光源の分散化による拡散効果が期待できないため、光源を筆跡板から遠く引き離すことにより、大きな「拡散空間」確保する必要性がある。
この「拡散空間」を確保するため、ユニット化バックライトを用いたチャンネル文字の場合、通常、筆跡板とバックライト間の距離は筆跡板の幅の2倍以上必要であるといわれ、筆跡板の幅が40mm程度の場合、チャンネルの厚さ(側壁の高さ)は80mm程度となる。
即ち、従来のユニット化バックライトでは、チャンネル文字の高さ(側壁の高さ)を必然的に高くする必要があり、このことから様々な制約が生まれてきている(詳細後述)。
バックライトを伴う表示システムの薄型化に関連する従来技術としては、LEDをバックライトとして活用する液晶ディスプレイバックライト技術がよく知られている。
即ち、液晶ディスプレイにおいてのバックライトについては、面輝度を保ちつつ、厚さを薄く、かつ、輝度の均一性を実現するため、導光板方式、直下型方式(「特許文献1」)等、様々な技術が開発されている。
しかしながら、これらの既存のバックライト方式は、画面が矩形等の一定形状で、大量生産することを前提に開発され チャンネル文字のバックライトにおいて不可欠となる文字形状にあわせて光源を配置する光源配置に関する自由度が備わっていない。従って、顧客の仕様に従い、その都度、様々な形状で製作されるチャンネル文字のバックライトとして採用することは困難である。
特開 2008−34273 号公報
本発明は、先にも述べたように、光源の配置の自由度を確保しつつ、光源の分散化とチャンネル文字の薄型化を実現するバックライトシステムを提供することにあり、チャンネル文字の高精細文字・図形への対応、製作の自動化、効率化を目指している。
すなわち、従来のユニット化バックライトの欠点はユニット自身が大きいことと、筆跡板の輝度の均一性を確保するため光源と筆跡板との距離を大きくする必要があることである。 そうした制約により、ユニット化バックライトを用いたチャンネル文字では、側壁は 、通常、ステンレス等の金属加工により製作される。ステンレス薄板より図4に示すとおり、底面4aおよび縁板4bがまず筆跡形状に従って切り抜かれ、それら2枚の縁に沿って帯状のステンレス側板が溶接される(4c)。人手によるこの溶接作業は熟練を必要とし、筆跡が複雑になればなるほど困難な作業となり、チャンネル文字製作のコスト高の最大の要因となっている。
また、手作業による溶接のため細かな形状への対応が困難であり、製作できる文字は形状が比較的単純な英数字、それもゴシック体に限られ、また、一定以上の奥行きを必要とすることから、デザイン上、ビル壁面とりつけるなどの比較的大型の広告・看板に用途が限られてしまっている。
また、現状の人手による製造方式では、量産化(例えば同一のロゴマークを多数製造する)への対応が困難であり、注文に応じた一品生産に限定されてしまっている。
こうした現状に対して、本発明が解決しようとしている課題は、新たなバックライトシステムを開発することにより、筆跡板の必要輝度とその輝度の均一化を維持しつつ、漢字明朝体、複雑なロゴマークなど精細な形状のチャンネル文字を効率よく製作することを可能にし、溶接等の手作業を廃し、製作の機械化、効率化を計り量産化を可能とすると同時に、現場作業により手軽に製作可能とすることである。
先にも述べたとおり、本発明が提供する課題解決手段は、バックライトシステムが次の2つの機能を備えることにある。
(A)光源の配置の自由度を確保しつつ、その分散化を効率よく実現する機能
(B)光源からの放射光を効率よく拡散する機能。
(A)の機能は、光源としてフレキシブルLEDモジュール「特許文献2」を発展させることで実現されている。 このフレキシブルLEDモジュールは、図5に示すようにLEDランプを帯状のフレキシブル基板5aの縁に沿ってサイドビュウ(side view)タイプのLEDランプ5bを配し、光軸方向を一定に保ちつつ平面上の曲線に沿って自由に成形できる利点がある。
ただし、本発明で用いるLEDモジュールは、取り付け角度(光軸方向)が異なるLEDランプを用いる場合や、フレキシブルプリント基板形状が必ずしも両縁が平行の帯状ではない場合もある。
すなわち、本発明では、複数個のLEDランプがフレキシブル基板上に配置され、各LEDランプの放射光が上記フレキシブル基板の両面に放射されるよう取り付けられ、各LEDランプが同一平面上に位置する平面表示面を形成するようロール状に曲げ加工可能であるLEDモジュールを基本としている。
本発明では、上記バックライトLEDモジュールに対して、その所定形状でのチャンネル文字底板等への固定を容易にするため、底板等に刻まれるモジュール固定溝への埋込部と、2つのバックライトLEDモジュールを簡単に交差固定するための切り欠き部を設けた新しいLEDモジュールを採用している(「実施例1、2」参照)。
また、上記(B)の機能は、チャンネル文字の底板自身をLEDランプ放射光の反射板、拡散板として利用することを基本に実現されている。こうした構造のバックライトシステムの課題は、光源(あるいはその支持構造)自体が反射光を遮ってしまうこと、光源を反射板である底板から一定距離を保ちつつ光軸を底板に向けて固定しなければならないこと、なおかつ、光源配置の自由度が確保できなければならないことなどであるが、これらの課題も新らたな機能を備えるバックライトLEDモジュールを開発することで解決されている(「実施例3,4、5,6」参照)。
特開 2009−42260 号公報
前記(A)、(B)の機能を実現することにより、高さの低い(奥行きの浅い)側壁においても筆跡板の面輝度の均質性を確保でき、側壁高さは10mm程度へと大幅に減少させることが可能となる。本発明では、この程度の高さの側壁製造に最も適し、かつ、前記照明なしのチャンネル文字製作のため装飾・看板業界において広く普及している樹脂材のレーザ切断機、あるいはルータ切断機による切り出し加工法が用いられる。 すなわち、新しいバックライトシステムと既に普及している製造法の組み合わせにより、筆跡板の輝度、及び輝度の均一性を損なうことなく精細かつ薄型のチャンネル文字を低コストで効率的に製作することが可能となる。
「実施例1」は前記課題解決手段で述べた機能(A)に対応する実施例である。
前記フレキシブルLEDモジュールは、光源としての最小単位であるLEDランプ5b一個ずつを平面上の曲線に沿って自由に配置できる特性がある。即ち、光源の最小単位である個々のLEDランプを分散化でき、効率よく自由に配置できる機能を備える。
本実施例のバックライトLEDモジュールは図6に示されるようにフレキシブルプリント基板6aの片方の縁沿いにはLED6bが取り付けられ、反対側の縁沿いには一定幅の埋込部6cが設けられている。
埋込部6cには部品は搭載されず、従って厚みは帯状フレキシブル基板6aのみの厚さが保たれている。フレキシブル基板の厚みは通常100ミクロン前後であり、従って、埋込部の厚さも100ミクロン前後となる。
図7に示されるようにチャンネル文字の底板7aには、この埋込部7bを埋め込む溝(固定溝)7cが底板面と垂直に刻まれ、これによりバックライトLEDモジュールは固定溝7cの形状に従って一定形状で固定される。
従来のフレキシブルLEDモジュールも樹脂板等に刻まれた収納溝に固定されることを特徴としている(「特許文献2」、図11等)。この搭載部品を含めたフレキシブルLEDモジュールを収納するには少なくとも数ミリメートル幅の溝が必要であるが、本発明によるバックライトモジュールにおいては、埋込部6cを埋め込むだけで固定されるので、100ミクロン幅程度の溝で固定可能となる。
このことから生まれる利点は次の通りである。
(a)レザー切断機のレザービーム径は一般に100ミクロン程度(調整可)であり、樹脂材等に1パスで簡単に必要とする幅の溝を刻むことができる。
(b)従って設計時には実質的に溝幅を意識しなくてすみ、加工用NCデータの生成が簡単となる。
(c)チャンネル文字の場合、固定溝は底板に刻まれる。この底板自身も、通常、レーザー切断機を用い文字形に従って切り出される。すなわち、底板切り出し加工と同時に溝切加工も施工でき効率的である。
(d)埋込部厚と溝幅のクリアランスが小さいため、浅い溝でも確実に固定でき、、溝が浅い分、溝切り加工コストが低減できる。また、チャンネル文字の場合溝切りが施工される底板の厚みが薄くてすむ利点もある。
(e)埋込部を固定溝に差し込むだけで、バックライトLEDモジュールが確実に固定できるため作業性がよい。
(f)埋込部には部品は搭載できないが、電源、信号線等のパターンを設定することができ、回路構成上有効に活用することができる。
(g)底板を反射板として利用する場合、固定溝の幅が狭いのでその影響を最低限に止めることができる(詳細後述)。
また、従来のユニット化バックライトと比べた場合の本発明によるバックライトLEDモジュールの優位点は次の通りである。
(a)光源を最小単位(個別LEDランプ毎)で分散化でき、高精細なチャンネル文字に対応でき、かつ、筆跡板の輝度の均一性を容易に確保できる。
(b)ユニット化バックライトは各ユニットを個別に底板に両面テープ等で手作業で接着することで固定されるため、作業性が悪いのに対して、バックライトLEDモジュールの固定溝は自動加工でき、作業性がよく、量産にも容易に対応できる。
(c)バックライトLEDモジュールは基本的にプリント基板であるため、製作は実装を含め完全自動化でき、生産性がよい。
なお、バックライトLEDモジュールの埋込部6cは、必ずしも連続である必要はなく、必要に応じて切り欠き部を設けてもよい(「実施例5」参照)。すなわち、バックライトLEDモジュールの埋込部は一定幅の連続的あるいは断続的帯状区画であり、バックライトLEDモジュールのロール状曲げ加工に対して、その区画の両縁が描く2つの曲線がLEDランプにより形成される表示面と平行である、という制約さえ満足すればよい。
「実施例2」も先に述べた「問題解決手段」の(A)の分散配置の効率化に関する。即ち、チャンネル文字のバックライトはほぼ筆順に沿って配置するのが原則である。その場合、筆跡が交差する文字(例えば”十”)に対しては2つのバックライトも(電源線等を)切断することなく、かつ、双方のLEDランプで形成される表示面の高さもそろえ、交差させて対処できれば、2つのバックライトを別途繋ぐための手間が省けて都合がよい。
「実施例2」は、従来のフレキシブルLEDモジュールに対して、上記の交差機能を付加させたものである。 即ち、バックライトLEDモジュールの2つのLEDランプ間には、図8に示されるように、上方向、下方向に切り欠き部8a、8bが設けられ、交差は同図に示すように上下の切り欠き部8a、8bを噛み合わせることにより行われる。
なお、切り欠き部8a、8bは、交差させる必要があるとき、ニッパ等の工具と手作業で回路上影響のない箇所をその都度切り欠いて製作してもよいし(「実施例5」参照)、予め上方向切り欠き部のみをそなえるモジュールと下方向切り欠き部のみを備えるモジュールを用意し、それらを組み合わせることで交差を実現させることでもよい。
以下の実施例は、「問題解決手段」(B)の放射光拡散に関するものである。
限られたスペース内で筆跡板の輝度の均一性を維持する最も重要な要素は光源からの光線をいかに効率よく拡散するかということである。まず、本発明に関連する光拡散手法を列挙する。
「光散乱材による拡散」・・・拡散レンズ、樹脂材等を光拡散性のある媒体を通過させることにより、光を拡散させる手法であり、本発明においても(従来製品と同様)筆跡板には半透明乳白色樹脂材を採用し、この拡散手法を採用している。
「拡散空間による拡散」・・・・前記「拡散空間」を確保することによる拡散である。
「反射による拡散」・・・・鏡面以外の光拡散性をもつ素材に光を反射させ、反射方向にばらつきをもたせることによる拡散手法である。
本発明においては、上記の光拡散手法を、狭いスペース内で最大限活用するため、図9に示すように光源9bは、筆跡板9aと底板9cの中間に、その光軸を底板9cに向け設置され、筆跡板9aは底板9cからの反射光により照らされる。
この構造により、例えば底板9cが鏡面と仮定すると、実質的な光源は底板9cによる鏡像位置9dに移り、実質的に筆跡板9aと光源間の距離を広げることになり、より大きな「拡散空間」を確保することになり、拡散効果を高めることができる。
また、底板9cを鏡面以外の光拡散効果を有する反射材を用いることにより、上記「反射による拡散」効果も同時に得ることができる。すなわち、この構造により、側壁高さを低く設定したことによる、光拡散効果の減少を補うことが可能となる。
なお、光源に対して反射板を設定し、「拡散空間」を確保する手法は先に述べた液晶ディスプレイシステムの直下型バックライトシステムとして既に実現されている。しかしながら、それらの反射板は予め固定された光源に対して固定的に設定されるものであり、チャンネル文字で必要とされる光源の配置の自由度の確保には対応できない。
また、底板を反射板として利用するに関しては、反射光を光源が(あるいは光源に付帯する支持構造、配線等が)遮ることになり、その影が筆跡板の輝度の均一化を妨げる欠点がある。例えば、先述のユニット化バックライトの光軸を底板に向け、底板の反射光により拡散を計ったとしても、ユニット3bあるいは配線3cの影が筆跡板に落ち、輝度の均一化を実現することは困難である。
これらの問題に対処するため、本発明による底板を反射板として利用するバックライトシステムでは光源として前記フレキシブルLEDモジュールを採用している。
先に述べたように、フレキシブルLEDモジュールを構成するフレキシブルプリント基板5aは薄く、かつ幅狭く成形でき、常にLEDランプ5bの光軸と同方向に(光の流れを遮らない方向に)固定される。従って、底板からの反射光の遮りを最小限に止めることができる。
また、ロール状に曲げ加工でき、柔軟性を備えているに関わらず、その曲げ加工可能な方向軸と垂直な軸に関しての曲げに対しては”剛”であり、例えば図10に示されるように、フレキシブルLEDモジュール10bの適当箇所を底板から”浮かせるよう”支柱10cにより部分的に支持固定すれば垂れ下がることなくモジュール全体10bを容易に”浮かせ”固定することができる。
図11はフレキシブルLEDモジュールにより構成され、底板を反射板として利用したチャンネル文字の断面図である。筆跡板11a、両側板11bと反射板を兼ねている底板11cによりチャンネル構造が構成され、筆跡板11aと底板11cの中間にはフレキシブル基板11dとサイドビュウタイプLEDランプ11eにより構成される前記フレキシブルLEDモジュールが光軸を底板11cの方向に向けて設置されている。
上記フレキシブルLEDモジュールは先に示した図10の支持構造により、筆跡板11aと底板11cとの間で一定の距離を保ち支持固定される。 即ち、L字型支柱10cが、LEDランプの中間に設置され、その底面は底板11cに接着され、上端は前記フレキシブルLEDモジュールのフレキシブル基板11dに接着される。
先にも述べた通り、フレキシブル基板11dはロール状に曲げ加工できる方向と垂直方向(上下方向)には剛となるので、支柱10cが間欠的であっても支柱間で垂れ下がることなく、LEDランプ10eの光軸は常に底板11c方向を向くよう、かつ、底板11cとの間に一定距離が確保されるよう、所定位置で固定される。
底板11cを単純な反射板としてのみ利用する場合には底板として鏡面板が使用される。反射による拡散機能が付加される場合には、底板11cとしては、光反射機能と光拡散作用を備えた反射板が採用される。この反射と拡散効果のある反射板は、白色アクリル樹脂材、半透明アクリル乳白樹脂材等一般的樹脂材として幅広く市販されている。また、鏡面板に拡散シートを張り付ける等の複合材料を用いてもよい。
LEDランプ11eは底板11cより一定距離を隔てて設置されることにより、光源と筆跡板間の実質的距離を広げる効果を生むと同時に、LEDランプ11eより発せられた光がフレキシブル基板11dの両サイドに振り分けられる効果を生む。すなわち、フレキシブル基板11dの両側に「拡散空間」を確保でき、LEDランプからの放射光は底板11cによりフレキシブル基板11dの両側で筆跡板11a側に反射、拡散し、フレキシブル基板11dが筆跡板11a上に影を落とすことを防ぐ効果を生む。また、支柱10cによる遮光、影を防ぐため、支柱10cは最も影響の少ない隣接する2つのLEDランプの中間に配置される。
以上述べたように、本発明では、分散光源を効率的に実現でき、筆跡板11aによる「光散乱材による拡散」効果に加え、「拡散空間」による拡散効果、「反射による拡散」効果を効率的に加えることができる。
従って、例えば、前記フレキシブルLEDモジュールのフレキシブル基板幅が3〜4mm、LEDランプピッチ20mmの場合、 フレキシブル基板11dと筆跡板11a間距離3〜4mm程度、LEDランプ11eと底板11c間距離3〜4mm程度の距離が確保できれば、筆跡板11aの輝度の均一性が充分確保できる。言い換えるならば側板の高さが10mm程度のチャンネル文字が製作可能となる。
先にも述べた通り、この程度の高さの側板を製造するに当たっては、人手によるステンレス溶接工法より圧倒的にコストの低い樹脂板のレーザー切断機、あるいはルータ切断機による樹脂材の切り出し工法が採用できる。
この加工法では、図12に示すとおり、側壁の必要高さ12bと等しい厚みの樹脂材を切断機で垂直に切り抜いて製作される。こうして切り出され、厚みを備えた側壁12aに筆跡板11aと底板11cが両面接着テープ等を用いて張り付けられる。
なお、幅の広いチャンネル文字に対してはフレキシブルLEDモジュールを複数列設置することで対応でき、また、フレキシブルLEDモジュールは発光色が単色固定であるものと、フルカラー電飾映像表示可能のものとが存在し、筆跡板の色、パターンが変化するチャンネル文字の製作も可能となる。
以上の製法により、従来対応することのできなかった、例えば、明朝体漢字、ロゴマーク等複雑精細なチャンネル文字を含め、各種チャンネル文字を極めて低コストで提供することが可能となる。
本実施例は、「実施例3」におけるフレキシブルLEDモジュールに代わり、「実施例1」に示した埋込部付きのバックライトLEDモジュールを採用しているチャンネル文字の構成例である。
即ち、図13に示されるように、筆跡板13aと底板13cの間に透明樹脂板13fが設置され、その透明樹脂板13fに固定溝が刻まれている。 バックライトLEDモジュール13dは、上記固定溝に底板から”浮いた”状態で光軸を底板13cに向け差込固定される。
固定溝は予めレーザ切断機等で自動作成されるため、「実施例3」における支柱の
取り付け等の手作業を省くことができる。
「実施例4」では、バックライトLEDモジュールを底板から”浮かせ”固定するために、別途透明板を設置する必要があった。本実施例は、底板に固定溝を刻み、透明樹脂板を省くことを可能とする実施例である。
即ち「実施例5」では図14に示すようにバックライトLEDモジュールのフレキシブル基板14aには予め支柱14cが付加されている。支柱の下端14dは埋込部であり、底板の溝にはめ込むことにより、フレキシブルLEDモジュールが所定の曲げ形状で底板から”浮かぶように”固定される。
底板は反射板を兼ねるため、幅の広い溝は反射光に影響を与えるが、予め埋込部を設定しておく手法は、固定溝の溝幅が狭くてすみ、反射光に対する影響がほとんどないのも好都合である。
各支柱部は、底板の埋め込み部分で繋がっていてもよく、信号、電力等の配線をその埋め込み部分に移し、支柱部を介してLEDランプと接続してもよい。
それにより、支柱より上部の構造をより簡単化でき、反射光への影響をより少なくすることができる。
図15は埋込部が繋がっているバックライトLEDモジュールの例である。すなわち、図15に示されるように、このバックライトLEDモジュールは、そのいずれもがフレキシブルな帯状プリント基板である上部帯15aと下部帯15bから成り、両者は支柱部15cにて結合され、全体としても(穴あき状の)帯状フレキシブルプリント基板となっている。
上部帯15aの構造、機能は前記フレキシブルLEDモジュールとほぼ同様であり、必要とする信号、電力はその帯状基板に沿って流れ、帯状基板の下部にはLEDランプ15dが取り付けられる。LEDランプの下に位置する上部帯15a、下部帯15b、支柱15cで囲まれる空間は、このバックライトLEDモジュールを底板に対して垂直に立てたときLEDランプ15dの上部帯15aの両面に広がる「拡散空間」を形成する。すなわち、「実施例4」と同様、LEDランプからの放射光は、上部帯15aの両側で底板により筆跡板方向に反射、拡散される。
下部帯15bは図14の支柱下部14dと同様、底板の溝に埋められる。また、前記上部帯15aを流れる信号、電力は全て下部帯15bにも流され、それらの信号、電力はそれぞれ、支柱部15cをを介して相互に接続されている。即ち、必要とする信号、電力は上部帯15a、下部帯15bの双方に流され、2重系を構成している。このように上下帯において2重系を構成しているため、LEDランプ15dの点灯には支障することなくどちらか一方を部分的に切除することが可能となっている。図15の上部帯切断可能部15f、下部帯切断可能部15gはこの部分で(2つに分離されない範囲で)どちらか一方が切断されても、LEDランプ15dの点灯には支障がない切断可能部を示している。
筆跡の交差部においては、図16に示されるように一方のバックライトLEDモジュール16aの上部帯を切り欠き、他方のバックライトLEDモジュール16bの下部帯を切り欠くことにより、それぞれの電気的な接続を維持しつつ立体的に交差させることができる。
「実施例5」においては上部帯15aが反射光にさらされている。これによる影響を解消するため「実施例6」では、実質的に上部帯15aを取り除き、図17に示されるように支柱17aと埋込部となる下部帯17bのみでバックライトLEDモジュールを形成する。
各支柱17aには2つのLEDランプ17cが、それぞれ、反射光が支柱部17aを避け、より大きな拡散空間を確保できるよう、底板に対して一定の角度をもって取り付けられている。
同一支柱17aに取り付けられるこれら2つのLEDランプ17c相互間の放射光線角度も、埋込部(下部帯17b)の形状にフレキシブルに追随するよう、支柱には空間17dが設けられている。
なお、この構造においては、必要な電源線、信号線は全て下部帯17b(埋込部)により、供給され、交差部を構成するための上、下切り欠き部は、下部帯17b内で構成される。
チャンネル文字 従来のチャンネル文字の構造を示す。 従来型バックライトを示す。 溶接によるチャンネル文字の構造を示す。 フレキシブルLEDモジュールを示す。 埋込部付きバックライトLEDモジュールを示す。 固定溝で固定された埋込部付きバックライトLEDモジュールを示す。 交差可能なバックライトLEDモジュールを示す。 底板を反射板とするチャンネル文字の断面を示す。 フレキシブルLEDモジュールによる底板を反射板とするチャンネル文字の構造を示す。 フレキシブルLEDモジュールによる底板を反射板とするチャンネル文字の断面を示す。 樹脂材より切り出された側壁を示す。 埋込部付きバックライトLEDモジュールによる底板を反射板とするチャンネル文字の断面を示す。 支柱付きバックライトLEDモジュールを示す。 上部帯、下部帯から構成されるバックライトLEDモジュールを示す。 上部帯、下部帯から構成されるバックライトLEDモジュールの交差方法を示す。 下部帯、支柱より構成されるバックライトLEDモジュールを示す。
1a・・・チャンネル文字
2a・・・側壁
2b・・・底板
2c・・・光源
2d・・・・筆跡板
3a・・・LEDランプ
3b・・・バックライトユニット
3c・・・配線
4a・・・底板
4b・・・縁板
4c・・・ステンレス製溶接チャンネル
5a・・・帯状フレキシブルプリント基板
5b・・・サイドビュータイプLEDランプ
6a・・・帯状フレキシブルプリント基板
6b・・・サイドビュータイプLEDランプ
6c・・・埋込部
7a・・・底板
7b・・・埋込部
7c・・・固定溝
7d・・・帯状フレキシブルプリント基板
7e・・・サイドビュータイプLEDランプ
8a・・・下部に切り欠きをもつバックライトLEDモジュール
8b・・・上部に切り欠きをもつバックライトLEDモジュール
9a・・・筆跡板
9b・・・光源
9c・・・底板
9d・・・光源鏡像
9e・・・側壁
10a・・・サイドビュータイプLEDランプ
10b・・・帯状フレキシブルプリント基板
10c・・・支柱
11a・・・・筆跡板
11b・・・側壁
11c・・・底板
11d・・・帯状フレキシブルプリント基板
11e・・・サイドビュータイプLEDランプ
12a・・・側壁
12b・・・側壁高さ
13a・・・筆跡板
13b・・・側壁
13c・・・底板
13d・・・帯状フレキシブルプリント基板
13e・・・サイドビュータイプLEDランプ
13f・・・透明樹脂板
13g・・・埋込部
14a・・・帯状フレキシブルプリント基板
14b・・・サイドビュータイプLEDランプ
14c・・・支柱部
14d・・・埋込部
15a・・・上部帯
15b・・・下部帯
15c・・・支柱部
15d・・・サイドビュータイプLEDランプ
15e・・・光拡散空間
15f・・・上部帯切り欠き可能部
15g・・・下部帯切り欠き可能部
16a・・・下部帯に切り欠きをもつバックライトLEDモジュール
16b・・・上部帯に切り欠きをもつバックライトLEDモジュール
17a・・・支柱部
17b・・・下部帯
17c・・・サイドビュータイプLEDランプ
17d・・・空間

Claims (3)

  1. 筆跡板、帯状のフレキシブル基板に搭載されている複数個のLEDランプからなるバックライトLEDモジュール、及び、光拡散性を備える底板から構成され、次の(1)〜(5)の要件を備えていることを特徴とするチャンネル文字。
    (1)前記バックライトLEDモジュールの複数個の各LEDランプは、前記フレキシブル基板の片側の縁に沿い、各放射光が前記フレキシブル基板によって遮られないよう搭載されている。
    (2)前記バックライトLEDモジュールのフレキシブル基板は前記複数個のLEDランプが同一平面上に位置するようロール状に曲げ加工できる。
    (3)前記筆跡板、前記底板、及び、前記複数個のLEDランプが位置する平面は相互に平行である。
    (4)前記複数個の各LEDランプの放射光の光軸は前記底板に対して垂直である。
    (5)前記複数個の各LEDランプからの放射光は、前記底板において反射、拡散され前記筆跡板を照射する。
  2. フレキシブル基板上に搭載されている複数個のLEDランプにより構成され、次の(1)〜(4)の要件を備えるバックライトLEDモジュール。
    (1)前記フレキシブル基板は、それぞれが帯状の上部帯と下部帯、及びそれらを相互に結ぶ支柱部とから構成されている。
    (2)上部を前記上部帯の片側の縁、下部を前記下部帯の片側の縁、左右を前記支柱部の縁で囲まれる拡散空間が形成され、前記複数個の各LEDランプは、前記上部帯の前記拡散空間に面する縁に沿い、各放射光が前記上部帯により遮られないよう搭載されている。
    (3)前記下部帯には電力供給線が設けられ、前記支柱部を介して、前記各LEDランプに電力が供給されている。
    (4)前記フレキシブル基板は、前記複数個のLEDランプが同一平面上に位置するよう、かつ、
    前記下部帯の前記拡散空間に面する縁が同一平面上に含まれる曲線を描くよう、
    かつ、
    前記複数個の各LEDランプの放射光の光軸が、前記拡散空間に面する下部帯の縁が描く曲線を含む平面に対して垂直となるよう、
    ロール状に曲げ加工できる。
  3. 請求項1記載のチャンネル文字のバックライトLEDモジュールは、請求項2記載のバックライトLEDモジュールであり、かつ、
    請求項1記載のチャンネル文字の底板には前記バックライトLEDモジュールの下部帯を収納する固定溝が設けられ、前記下部帯が前記固定溝に収納されていることを特徴とするチャンネル文字。
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