以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。ここでは遊技媒体に遊技メダルを用いる回胴式遊技機を例にする。
<機械的構成:図1〜図3>
図1は、本発明の一実施形態に係る回胴式遊技機の外観を示す斜視図である。
本実施形態に係る回胴式遊技機は、遊技機本体として、図1に示すように、遊技に供する各種遊技部品を収納するための遊技機筐体1と、遊技機筐体1の前面側に開閉自在に取り付けられた前扉2とを備えている。
図1に示すように、前扉2には、そのほぼ中央に第1の表示窓3が、またその上側に第2の表示窓4が設けられている。
下側の第1の表示窓3は回胴視認部であり、回胴装置210の横並びに3個配設された回胴5a、5b、5c(必要に応じて、回胴5aを「左回胴5a」、回胴5bを「中回胴5b」、回胴5cを「右回胴5c」と称する)が、この回胴視認部3に臨ませて、遊技者側から視認し得るようになっている。
この回胴5a、5b、5cは、その外周に複数種類の図柄が施された図柄配列帯を有しており、各回胴5a、5b、5cの停止時の図柄の組合せによって遊技結果を表示する回胴装置210を構成している。
図2は、各回胴5a、5b、5cが有する図柄配列帯を例示したものである。図に示す「1ST」図柄配列帯は左回胴5aに、「2ND」図柄配列帯は中回胴5bに、「3RD」図柄配列帯は右回胴5cに対応している。
図柄配列帯200には、役(詳細は後述する)に対応する図柄の組合せを構成するための図柄(構成要素図柄)が施されている。本実施形態の図柄配列帯200には、その図柄種として、7図柄の赤7図柄31(以下、「赤7」と略す)、緑7図柄32(以下、「緑7」と略す)、および青7図柄33(以下、「青7」と略す)と、丸図柄の黄丸図柄34(以下、「黄丸」と略す)、赤丸図柄35(以下、「赤丸」と略す)、および緑丸図柄36(以下、「緑丸」と略す)、ベル37(以下、「ベル」と略す)と、リプレイ38(以下、「リプレイ」と略す)と、チェリー39(以下、「チェリー」と略す)と、ブランク40(以下、「ブランク」と略す)との計10種類の図柄が施されており、これらの図柄が回胴の回転方向に計21コマ配置され、図柄の並び順に沿って図柄番号0番〜20番のコマ番号が割り当てられている。
各回胴5a、5b、5cは、それぞれパルスモータからなる回胴駆動モータ211a、211b、211c(図3参照)により回転駆動され、これにより、図柄が回胴視認部3に変動表示されるようになっている。
回胴視認部3には、複数本の入賞ライン3aが施されている。具体的には図3に示すように、回胴視認部3の上段部(枠内上段)部および下段部(枠内下段)を水平方向に横断する2つの入賞ライン(同図(A)、(B))と、括弧型(L字型、逆L字型)の4つの入賞ライン(同図(C)〜(F))と、V字型(山型)の入賞ライン(同図(G))と、逆V字型(谷型)の入賞ライン(同図(H))とからなり、所謂、8ライン機の構成となっている。
これらの入賞ラインは、単位遊技(1ゲーム)に対する賭け数(所謂、「ベット数」)に応じて有効として扱われるライン数が変化する。この有効とされた入賞ライン(以下、「有効入賞ライン」と称する)上で、3つの回胴5a、5b、5cが停止した際の停止図柄の組合せが、内部抽選により当選した役(以下、「当選役」と称する)に対応する図柄の組合せと一致したことを条件に、その図柄の組合せに応じた遊技価値が遊技者に付与される。たとえば、遊技メダルの払い出しを伴う役に当選し、これに対応する図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止した場合(図柄の組合せについて遊技メダル等を獲得するために必要な組合せとしてあらかじめ定められたものが表示された場合)、つまり「入賞」となった場合、遊技機筐体1内のホッパーユニット500(メダル払出装置:図3参照)が作動して、配当として所定枚数の遊技メダルの払い出しが行われる。この遊技メダルは、遊技者が遊技を開始する際に必要なものであり、遊技価値を有するものといえる。
回胴視認部3の上側に設けられた第2の表示窓4は液晶画面視認部であり、前扉2の裏側に装着された画像表示装置としての液晶表示装置6(LCDユニット)の表示画面(液晶画面)6aに対応して、たとえば、回胴視認部3よりも少し小さい矩形状に形成されている。この液晶画面6aが液晶画面視認部4に臨ませて、遊技者側から視認し得るようになっている。液晶画面6aには、遊技に関する種々の演出が画像により表示される。なお、本実施形態では液晶表示装置6により画像表示装置を構成しているが、これに限らず、画像表示装置として、プラズマディスプレイ(PDP:Plasma Display Panel)、電子ペーパディスプレイ、有機ELディスプレイ(OELD:Organic ElectroLuminescent Display)で構成しても良い。また、画像表示装置に限らず、7セグメント、LED等を用いた表示装置であっても良い。
回胴視認部3の左右両側には、遊技に関する演出を光の装飾により現出する装飾ランプ13が設けられている。装飾ランプ部13は発光手段(LED)を内蔵し、その発光色の種類や発光態様(点滅・点灯、発光強度の増減等)により光演出効果を発揮する。
回胴視認部3の下方の段部には、遊技媒体である遊技メダルを投入するためのメダル投入口7と、貯留装置(遊技機に投入された遊技メダル、または入賞によって獲得した遊技メダルを貯留して、その貯留数を電磁的方法よって記憶可能とする機能部(所謂、クレジット機能):図示せず)にクレジットされた範囲内において、1ゲームに対して許容される賭け数の上限値(1ゲームに対して投入可能な遊技メダル数)まで遊技メダルを一度に擬似投入し得るMAXベットボタン8、押した回数に応じて上記賭け数の上限値まで遊技メダルを加算的に擬似投入し得る1ベットボタン9、クレジット精算を行うための貯留メダル精算ボタン10等が設けられている。
また、回胴視認部3の上記段部の下側に横長状に設けられた操作パネル部14には、メダル投入口7内に詰まったメダルを返却させるための返却ボタン15、回胴5a、5b、5cの回転を開始させるための回胴回転始動レバー11、各回胴5a、5b、5cの回転を個別に停止させるための3個の回胴回転停止ボタン12a、12b、12c(以下、必要に応じて、回胴回転停止ボタン12aを「左回胴回転停止ボタン12a」、回胴回転停止ボタン12bを「中回胴回転停止ボタン12b」、回胴回転停止ボタン12cを「右回胴回転停止ボタン12c」と称し、またこれら回胴回転停止ボタンを総称して、単に「回胴回転停止ボタン12」と称する場合がある)が設けられている。上記の回胴回転始動レバー11や回胴回転停止ボタン12には、内部に発光手段(LED)が設けられ、そのLEDの発光態様(たとえば、発光色)により操作の有効・無効が遊技者に報知されるようになっている。
なお、上記したMAXベットボタン8、1ベットボタン9、貯留メダル精算ボタン10、回胴回転始動レバー11、および回胴回転停止ボタン12a、12b、12cのそれぞれには、これらが操作されたときの操作検出情報(検出信号)を生成するスイッチ(MAXベットスイッチ8a、1ベットスイッチ9a、貯留メダル精算スイッチ10a、回胴回転始動スイッチ11a、回胴回転停止スイッチ12a’、12b’、12c’:図3参照)が設けられている。また、メダル投入口13の内部には、投入された遊技メダルを検出するメダル検出センサ(メダル検出センサ7a:図3参照)が設けられている。
また、操作パネル部14の下方には、遊技機の魅力をアピールするための色彩や絵柄が施され装飾パネル部17が設けられている。
さらにまた、装飾パネル部17の下方には、前扉2と一体的に装着された横長状のメダル受け皿18が設けられ、このメダル受け皿18には、ホッパーユニット500から払い出された遊技メダルや返却された遊技メダルを前側に排出するための遊技メダル払出口19が開口している。
さらにまた、前扉2の前扉上部両側と前扉下部両側には、遊技に関する効果音を外部に出力する音響出力部としてのスピーカ16が設けられている。
<制御装置:図4および図5>
次に、図4を参照して、本実施形態に係る回胴式遊技機の制御装置について説明する。図4は、遊技動作制御を行うための制御装置の構成の概要を示す制御ブロック図である。なお、図1と同じ構成要素には同じ参照番号を付してある。
本実施形態に係る回胴式遊技機の制御装置は、遊技動作制御を統括的に司る主制御基板(主制御部)400と、主制御基板400から演出制御コマンドを受けて、光と音についての演出制御を行う演出制御基板420と、この演出制御基板420からの指示を受けて画像についての演出制御を行う液晶制御基板460と、を中心に構成される。そして、液晶制御基板460には、画像表示装置としての液晶表示装置6が接続されている。なお、本明細書においては、場合により、演出制御基板420の機能と液晶制御基板460の機能とを特に区別することなく、両機能を併せ持つ制御装置部分を「演出制御部410」として説明する。また、本明細書において「演出手段」といった場合、液晶表示装置6や装飾ランプ13やLEDや音響発生装置(スピーカ16)の他、可動体や加振(振動発生)装置等、人間の五感を刺激することにより演出効果を発揮可能な装置を広く指す。
符号440は電源基板であり、電源基板440は外部電源に接続され、変圧トランス(図示せず)から供給される交流電圧(AC24V:メイン電源)から所要の電源を生成し、所定の制御基板に供給する。なお、図3において電源供給ルートは省略してある。
主制御基板400には、遊技中継基板370を介して、メダル投入口7からの遊技メダルを検出するメダル検出センサ7aと、MAXベットボタン8の操作を検出するMAXベットスイッチ8aと、1ベットボタン9の操作を検出する1ベットスイッチ9aと、貯留メダル精算ボタン10の操作を検出する貯留メダル精算スイッチ10aと、回胴回転始動レバー11の操作を検出する回胴回転始動スイッチ11aと、停止スイッチ基板360と、が接続され、主制御基板400はこれらの各検出信号を受信可能となっている。また、上記停止スイッチ基板360には、回胴回転停止ボタン12a、12b、12cの操作を検出する回胴回転停止スイッチ12a’、12b’、12c’や、回胴回転停止ボタン12a、12b、12cを内側から照らすLED(図示せず)がそれぞれ設けられている。また、MAXベットボタン8や1ベットボタン9には、スイッチ8a、9aの他、当該ボタンを内側から照らすLED(図示せず)がそれぞれ設けられている。これらの上記LEDの発光態様により、各ボタンの操作の有効期間・無効期間が外部に報知可能に構成されている。
また主制御基板400には、回胴中継基板330を介して回胴装置210の回胴5a、5b、5cを回転駆動するための回胴駆動モータ211a、211b、211cが接続され、主制御基板400は、これら回胴駆動モータを駆動させる制御信号を送信可能となっている。
また主制御基板400には、回胴位置検出センサ(各回胴に設けられ、回胴の現在の回転位置や回胴の回転を検出するためのセンサ)212a、212b、212cが接続され、主制御基板400は、各回胴位置検出センサからの検出信号を受信可能となっている。
また主制御基板400には、払出中継基板350を介してホッパーユニット500に設けられた払出制御基板450と、ホッパーユニット500から払い出される遊技メダルを検出するメダル払出センサ520と、ホッパータンク(図示せず)から溢れた余剰の遊技メダルを監視する満杯検知金具600と、が接続されている。主制御基板400は、入賞による遊技メダルの払い出しが必要な場合、払い出し枚数を指定する払出制御コマンドを払出制御基板450に送信可能となっている。上記払出制御コマンドを受けた払出制御基板450は、ホッパーモータ510を駆動させて、目的枚数の遊技メダルの払い出しを行う。払い出された遊技メダルは、メダル払出センサ520により検出され、その検出信号は主制御基板400に入力される。
また主制御基板400には、外部集中端子基板310を介してパチンコホールの遊技機を統括的に管理するホールコンピュータHCが接続され、主制御基板400は、所定の遊技情報をホールコンピュータHCに送信可能となっている。
また主制御基板400には回胴設定基板430が接続され、回胴設定基板430からの検出信号を受信可能となっている。回胴設定基板430には、出玉率に変化をもたらす「設定」を変更する設定スイッチ(図示せず)や、遊技動作エラーを解除するリセットスイッチ(図示せず)等が設けられ、回胴設定基板430は上記各スイッチの操作を検出し、その検出信号を主制御基板400に出力する。
さらにまた主制御基板400には、演出I/F基板340を介して演出制御基板420が接続されている。この演出制御基板420の主な役割は、主制御基板400からの演出制御コマンドの受信、演出パターンの抽選、AT遊技(詳細は後述する)に関する抽選、液晶制御基板460への液晶制御コマンドの送信やスピーカ46の音制御や装飾ランプ13・LEDの発光制御等である。
この演出制御基板420には、演出I/F基板340を介して液晶制御基板460が接続されている。この液晶制御基板460の主な役割は、演出制御基板420からの液晶制御コマンドの受信や液晶制御コマンドに基づく液晶表示装置6の画像表示制御等である。
次に、図5を参照して、主制御基板400および演出制御基板420の回路構成とその機能について説明する。図5は図4に示す主制御基板400および演出制御基板420の回路構成を概略的に示すブロック図である。
先ず、主制御基板400の回路構成について説明する。主制御基板400は、メインCPU401cを内蔵したマイクロプロセッサを搭載すると共に、一連の遊技機制御手順を記述した制御プログラムの他、回胴の停止制御用の停止データが記述された停止テーブル(図8A〜図8P)や、役抽選テーブル(図示せず)や、有効入賞ライン上に停止した図柄に応じた払い出し枚数を設定するための入賞払出テーブル(図示せず)や、誤入賞判定用のデータを設定するためのイリーガル判定用データセットテーブル(図42〜図45)等の所定のデータを格納したメインROM401aと、ワークエリアが形成されるメインRAM401bと、を搭載したマイクロコンピュータ401を中心に構成され、その他、周辺基板との間の信号を入出力するI/Oポート回路402、カウンタ回路403、主制御基板400に接続された外部周辺基板との信号のやり取りを仲介するインターフェース(I/F)回路404〜406、モータ駆動回路407、およびスイッチ入力回路408が設けられている。
主制御基板400からは、処理状態を特定可能な制御情報としての演出制御コマンドが、演出制御基板420とのI/F回路404が備える出力バッファ回路404aを介して出力され、演出I/F基板340を通して、正確にはその内部に設けられた主制御基板400用の入力バッファ回路340aを介して演出制御基板420に入力されるようになっている。
マイクロコンピュータ401(本実施形態ではZ80システム相当品を採用している)は、メインROM401a、メインRAM401b、メインCPU401cの他、CTC(Counter Timer Circuit)401dやメインCPU401cに割り込み信号を付与する割り込みコントローラ回路401eを備えている。
カウンタ回路403は、ハードウェア的に一定範囲の乱数を生成する乱数生成回路と当該乱数生成回路から所定のタイミングで乱数値をサンプリングするサンプリング回路とを含む。メインCPU401cは、処理状態に応じて上記サンプリング回路に指示を送ることで、上記乱数発生回路が示している数値を内部抽選用乱数値として取得する。この内部抽選用乱数値は、主に役の抽選に利用される。ここで上記役の抽選は、マイクロコンピュータ401がその機能を担う「役抽選手段」により行われる。上記役抽選手段は、各回胴5a、5b、5cの回転による単位遊技の実行ごとに、役抽選テーブルに基づき行われる。
この役抽選テーブルには、ハズレおよび役に対応付けられた当選領域(たとえば、図28Aおよび図28Bの「役種別」および「当選領域」の欄参照)を有する抽選領域(本実施形態の抽選領域の大きさは、65536となっている)が記述されている。上記役抽選手段は、この役抽選テーブルを参照し、取得した上記内部抽選用乱数値がどの当選領域に属するかを判定し、いずれの役に当選したのか、またはハズレであるのかを決定する。当選役が決定された場合には、その抽選結果情報としての当選フラグを成立させる。この当選フラグは、所定の処理が終了するまでメインRAM401bの所定の領域に格納される。なお、役抽選テーブルは、設定および遊技状態ごとに設けられている(図示せず)。
再び図5の説明に戻り、I/F回路としては、演出制御基板420とのI/F回路404、遊技中継基板370とのI/F回路405、およびその他の基板とのI/F回路406が配置されている。I/F回路405のスイッチ入力回路408には、遊技機本体に配置された各種スイッチやセンサからの信号が入力される。
モータ駆動回路407は、マイクロコンピュータ401の制御の下、回胴駆動モータ211a、211b、211cを制御するための駆動パルス信号を出力する。
各回胴5a、5b、5cの回転制御および停止制御は、マイクロコンピュータ401とモータ駆動回路407とによって行われる。
マイクロコンピュータ401(メインCPU401c)は、メダル検出センサ7aからのメダル検出信号や、MAXスイッチ8a、または貯留メダル投入スイッチ9aからの操作検出信号により遊技開始条件となる規定枚数(たとえば1〜3枚)の遊技メダルが投入されたことを確認すると、遊技開始条件を成立させる。この遊技開始条件成立下で回胴回転始動スイッチ11aからの操作検出信号の入力を確認すると、モータ駆動回路407から出力される駆動パルス信号を制御し、3つの回胴5a、5b、5cを回転始動させ、その後、各回胴を一定速度で回転させる。これにより、回胴を回転させる回転動作を実現している。
またマイクロコンピュータ401は、各回胴位置検出センサ212a、212b、212cからの位置検出信号により、現在、基点となる位置からどれだけの移動量で回胴が回転しているかを監視し、所定位置(本実施形態では、回胴視認部3の最下段水平方向の入賞ライン上(「枠内下段」位置))に存在する図柄番号を把握している。そして、各回胴回転停止スイッチ12a’、12b’、12c’からの操作検出信号を受けたタイミングで、上記所定位置に存在する図柄情報を取得し、停止テーブル(詳細は後述する)に基づいて、その取得した図柄情報からどれだけのコマ数分移動させて回胴を停止させるかを割り出し、目的とする位置に回胴を停止させる停止動作を実現している。
上記停止テーブルには、回胴の停止制御を行う際の停止データとして、回胴回転停止ボタン12a、12b、12cが操作されたタイミング、つまり回胴回転停止スイッチ12a’、12b’、12c’が操作されたタイミングで、そのスイッチに対応する回胴の上記所定位置に存在している図柄と、その回胴が実際に停止したときに上記所定位置に表示する図柄との関係とを関連付けて定めてあり、いわゆる「引き込み制御」を実現するための停止データが定められている。
上記「引き込み制御」とは、従来から知られているように、役抽選手段による抽選で当選役が決定された場合、各回胴回転停止ボタン12が操作されたタイミングで有効入賞ライン上に存在するその役の構成要素図柄(役に対応する図柄の組み合わせを構成するための図柄)を除き、所定の滑りコマ数(本実施形態では最大4コマ)の範囲内に有効入賞ライン上に停止可能な当該役の構成要素図柄が存在する場合、その図柄を有効入賞ライン上に引き込む形態で回胴の停止位置を制御する停止制御態様をいう。このような引き込み制御の特性を利用し、各回胴における図柄の配置構成や滑りコマ数を定めれば、回胴の停止操作タイミングにかかわらず、当選役に対応する図柄の組み合わせを有効入賞ライン上に必ず停止可能にしたり(引き込み率100%(100%引き込み可能))、停止操作タイミングによっては最大滑りコマ数引き込んでも有効入賞ライン上に停止不可能にしたり(「取りこぼし」を可能とする)することもできる。
本実施形態の図柄配列帯200(図2参照)には、緑7、赤7、青7のそれぞれが最大滑りコマ数(本実施形態では4コマ)より多いコマ数(7コマ)離間して配置され、それ故、各7図柄同士が同時に有効入賞ライン上に停止可能とする停止操作位置が存在せず(一の7図柄と他の7図柄とを同時に引き込み可能となる停止操作範囲が重複して存在しない)、かつ各回胴回転停止ボタン12の操作タイミングにかかわらず、各7図柄のいずれかが有効入賞ライン上に引き込まれて停止可能とする図柄配置構成となっている。すなわち、引き込み制御下において、所定の有効入賞ライン上への引き込み率100%となるように各7図柄(ボーナス役に対応する図柄の組合せを構成する図柄)が配置されている。なお、各丸図柄(緑丸、赤丸、黄丸)も同様の配置構成となっている。
次に、演出制御基板420について説明する。演出制御基板420は、サブCPU421cを内蔵したマイクロプロセッサを搭載すると共に、演出制御手順を記述した制御プログラムや演出用データ(演出シナリオ(演出パターン)データ)等の所定のデータを格納したサブROM421aと、ワークエリアが形成されるサブRAM421bとを搭載したマイクロコンピュータ421を中心に構成され、その他、演出I/F基板340との間の信号を入出力するI/Oポート回路422、カウンタ回路423が設けられている。またマイクロコンピュータ421は、サブROM421a、サブRAM421b、サブCPU421の他、CTC421dやサブCPU421cに割り込み信号を付与する割り込みコントローラ回路421eを備えている。
また演出制御基板420には、主制御基板400からの演出制御コマンドを受けて光と音についての演出処理を行うため、装飾ランプ13やLEDを含む光表示装置に対する光表示制御部と、スピーカ16を含む音響発生装置に対する音響制御部が設けられている。
カウンタ回路423は、カウンタ回路403と同様に乱数生成回路とサンプリング回路とを含む。サブCPU421cは、演出処理状態に応じて上記サンプリング回路に指示を送ることで、上記乱数発生回路が示している数値を演出用乱数値として取得する。この演出用乱数値は、主として演出パターンの抽選に利用される。
演出制御基板420は、主制御基板400から送られてくる演出制御コマンドに基づき、演出シナリオに対応する演出パターンを、あらかじめ用意された複数種類の演出パターンの中から抽選によりまたは一意に決定し、これを実行指示する制御信号を上記音響発生装置や光表示装置に送信する。これにより、演出パターンに対応する効果音の再生と、装飾ランプ13やLED等の点灯点滅駆動とが実現される。また、演出制御基板420は、演出制御コマンドに関連付けられた液晶制御コマンドを、液晶表示装置6に表示する画像再生が必要なタイミングで液晶制御基板460に送信する。
液晶制御基板460は、演出制御基板420から受信した液晶制御コマンドに基づき、液晶表示装置6の表示制御を行うために必要な制御データを生成してVDPに出力する液晶制御CPUと、液晶制御CPUの動作手順を記述したプログラムを内蔵する制御ROMと、ワークエリアやバッファメモリとして機能する制御RAMとを備えている。また、液晶制御基板460には、上記液晶制御CPUに接続されて画像展開処理を行う映像表示プロセッサVDP(Video Display Processor)と、VDPが画像展開する必要な画像データを格納した画像データROMと、VDPが展開した画像データを一時的に記憶するVRAMとを備えている。液晶制御基板460側では、演出制御基板420から送られてくる上記液晶制御コマンドに基づき、液晶表示装置6に対する画像表示制御が行われる。これにより、演出パターンに対応する画像表示演出が実現される。
なお、演出制御コマンドは、1バイト長のモード(MODE)と、同じく1バイト長のイベント(EVENT)からなり、これらの情報を有効なものとして送信する場合、モード(MODE)およびイベント(EVENT)各々に対応してストローブ信号が出力される。すなわち、メインCPU401cは、送信すべきコマンドがある場合、演出制御基板にコマンドを送信するためのモード(MODE)情報の設定および出力を行い、この設定から所定時間経過後に1回目のストローブ信号の送信を行なう。さらに、このストローブ信号の送信から所定時間経過後にイベント(EVENT)情報の設定および出力を行い、この設定から所定時間経過後に2回目のストローブ信号の送信を行なう。サブCPU421cは、ストローブ信号が送信されて来ると、これに対応して割り込みを発生させ、この割り込み処理によりコマンドを受信する。ストローブ信号はメインCPU401cにより、サブCPU421cが確実にコマンドを受信することが可能になるように所定期間アクティブ状態に制御される。
液晶制御コマンドの送信に際しては、演出制御基板420は割り込み用ストローブ信号を発生し、液晶制御基板460にMODE信号とEVENT信号とで構成される2バイト長の液晶制御コマンドを前後して送信する。
<役:図6A〜図6C>
次に、図6A〜図6Cを参照しながら、本実施形態に係る回胴式遊技機の役について説明する。図6A〜図6Cは、役種別、役に対応する図柄の組合せ(入賞となる図柄の組合せ)を例示したものである。なお、図示の「左回胴」「中回胴」「右回胴」の欄に対応する図柄は、回胴5a、5b、5cそれぞれにおける有効入賞ライン上の停止図柄を示し、これら停止図柄の組合せが役に対応する図柄の組合せとして示してある。また図中の表記、たとえば、「緑7/赤丸/黄丸」(AT役1の「左回胴」の欄参照)は、「‘緑7’または‘赤丸’あるいは‘黄丸’」を意味する(他の役についても同様)。つまり、「A/B」という表記は、「AまたはB」を意味する。また、説明の便宜上、図柄の組合せを表現するに際し、たとえば、「緑7」(左回胴に対応)−「赤7」(中回胴に対応)−「赤7」(右回胴に対応)と簡略化して記載する。
本実施形態では役種別として、AT役1〜27、順押ベル役1〜9、逆押ベル役1〜9、リプレイ役1〜2、チャンス役、チェリー役1〜4、ボーナス役を設けてある。
(AT役1〜27)
まず、AT役1〜27について、入賞となる図柄の組合せを説明する。ここでは、重複記載を避けるため、代表的に「AT役1」を例にとって説明する。
AT役1の当選により入賞が可能になる図柄の組合せは、(1)「緑7/緑丸/黄丸」−「赤7」−「赤7」の計3種類の図柄の組合せ、(2)「緑丸/赤丸/黄丸」−「緑7/青7」−「赤7」の計6種類の図柄の組合せ、(3)「緑丸/赤丸/黄丸」−「緑7/赤7/青7」−「緑7/青7」の計18種類の図柄の組合せ、(4)「緑丸/赤丸/黄丸」−「緑丸/赤丸/黄丸」−「緑丸/赤丸/黄丸」の計27種類の図柄の組合せで構成され、合計54種類の図柄の組合せが設けられている。この上述した54種類のうち、いずれの図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止するか否かは、回胴の停止操作順(以下、「押し順」と称する)と停止操作タイミングとにより決定されるようになっている(AT役2〜27についても同様)。
上述の54種類の図柄の組合せのうち、上記(1)における「緑7」−「赤7」−「赤7」の7図柄の組合せは‘ボーナス図柄’となっており、このボーナス図柄が有効入賞ライン上に停止すると(入賞した場合)、ボーナス遊技(詳細は後述する)へ移行するようになっている。一方、残りの53種類の図柄の組合せのいずれかが有効入賞ライン上に停止すると、所定枚数(たとえば、3枚)の遊技メダルが配当として払い出されるようになっている。したがって、AT役1は、ボーナス遊技への移行契機となるボーナス役と遊技メダルの払い出しを伴う小役とに重複当選可能な重複役としての性質を有している。ここで、本実施形態のボーナス図柄には、「緑7/赤7/青7」−「緑7/赤7/青7」−「緑7/赤7/青7」の計27種類設けられているが、いずれのボーナス図柄が有効入賞ライン上に停止するか否かは、回胴の停止操作手順(押し順や停止操作タイミング)従い定まる。本実施形態においては、AT役が当選した当該ゲームにおいて実際に有効入賞ライン上に停止させることができるボーナス図柄は、上記27種類のうちの1種類となっている。たとえば、AT役1が当選した場合には「緑7」−「赤7」−「赤7」が、AT役2が当選した場合には「緑7」−「赤7」−「青7」が、AT役3が当選した場合には「緑7」−「赤7」−「緑7」が有効入賞ライン上に停止可能になる(図6Aおよび図6B「AT役1」〜「AT役27」の欄参照)。
このように、上述した図柄の組合せのうちいずれの図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止するか否かは、押し順と停止操作タイミングとにより決定される。以下、図7A〜図7Dを参照しながら、AT役1に対応する図柄の組合せを回胴の停止操作手順に着目しながら詳細に説明する。
(イ)第1番目に停止操作した回胴(第1停止回胴)が左回胴5aであった場合(「順押し」の場合):図7A
順押しの場合、各回胴5a、5b、5cの有効入賞ライン上には、停止操作タイミングに応じて「緑丸/赤丸/黄丸」が停止する。したがって、図7A(上記(4)に相当する)に示す計27種類の図柄の組合せのうち、いずれかの図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止することになる。
(ロ)第1停止回胴が左回胴5a以外であった場合(第1停止回胴が中回胴5bまたは右回胴5c)であった場合(「変則押し」の場合):図7B〜図7D
変則押しの場合、第1停止回胴(中回胴5bまたは右回胴5c)には停止操作タイミングに応じて「緑7/赤7/青7」が有効入賞ライン上に停止する。そして、第2番目に停止操作した回胴(第2停止回胴)が左回胴5aであるか否かにより、残りの回胴における停止図柄が決定されていく。以下、場合分けをしながら説明する。
(ロ−1)第1停止回胴が左回胴5a以外であって、第2停止回胴が左回胴5aであった場合(押し順:中回胴5b→左回胴5a(以下、「2−1押し」と称する)、または押し順:右回胴5c→左回胴5a(以下、「3−1押し」と称する)であった場合):図7B
この場合、第1停止回胴にボーナス図柄を構成し得る図柄が有効入賞ライン上に停止しているか否かで、最終的な図柄の組合せが異なる。ここでは、第1停止回胴が左回胴5a以外であるので、当該第1停止回胴は中回胴5bまたは右回胴5cである。また中回胴5bおよび右回胴5cにおけるボーナス図柄を構成し得る図柄は「赤7」である。以下では、「2−1押し」の場合について説明し、「3−1押し」についての説明は、重複記載を避けるため省略する。
(ロ−1−1)第1停止回胴(ここでは、中回胴5b)の有効入賞ライン上の停止図柄が、ボーナス図柄を構成し得る図柄「赤7」でなかった場合(第1停止回胴7図柄の色不正解時)
この場合は、第1停止回胴(中回胴5b)の有効入賞ライン上に「赤7」を引き込めるタイミングで停止操作しなかった場合に該当する。このように、停止操作対象の回胴の有効入賞ライン上に、当選したAT役に対応するボーナス図柄を構成し得る図柄が停止しなかった状態を、「7図柄の色が不正解(7図柄色不正解)」であると称する。本例であれば、‘第1停止回胴の「7図柄の色が不正解」’ということになる。
再び説明に戻り、このときの第1停止回胴(中回胴5b)の有効入賞ライン上の停止図柄は「緑7/青7」であり、第2停止回胴(左回胴5a)には停止操作タイミングに応じて「緑丸/赤丸/黄丸」が有効入賞ライン上に停止し、最後に停止操作した回胴(第3停止回胴(右回胴5c))には停止操作タイミングに応じて「緑7/赤7/青7」が有効入賞ライン上に停止する。すなわち、押し順が変則押しの場合にボーナス図柄を構成し得る図柄を有効入賞ライン上に停止できなかった場合には、小役に対応する図柄の組合せを有効入賞ライン上に引き込むように回胴の停止制御が行われるようになっている。
このように(ロ−1−1)のケースでは、「緑丸/赤丸/黄丸」−「緑7/青7」−「緑7/赤7/青7」の計18種類うち、いずれかの図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止することになる。
(ロ−1−2)第1停止回胴(中回胴5bまたは右回胴5c)の有効入賞ライン上の停止図柄が、ボーナス図柄を構成し得る図柄「赤7」であった場合(第1停止回胴7図柄の色正解時)
この場合は、第1停止回胴(ここでは、中回胴5b)の有効入賞ライン上に「赤7」を引き込めるタイミングで停止操作した場合に該当する。このように、停止操作対象の回胴の有効入賞ライン上に、当選したAT役に対応するボーナス図柄を構成し得る図柄が停止した状態を「7図柄の色が正解(7図柄色正解)」と称する。本例であれば、‘第1停止回胴の「7図柄の色が正解」’ということになる。
再び説明に戻り、このときの第1停止回胴(中回胴5b)の停止図柄は「赤7」であり、第2停止回胴(左回胴5a)には停止操作タイミングに応じて「緑丸/黄丸/赤丸」が有効入賞ライン上に停止する。
ここで、第2停止回胴(左回胴5a)の有効入賞ライン上に「赤丸(「緑7」直近に位置する丸図柄)」を引き込めるタイミングで停止操作した場合、第3停止回胴(右回胴5c)には停止操作タイミングに応じて「青7/緑7」が停止する。したがって、本例では「赤丸」−「赤7」−「緑7/青7」の計2種類うち、いずれかの図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止することになる。ここで、第3停止回胴(右回胴5c)に「青7/緑7」を停止することができなかった場合、図6A〜図6Cに示す入賞となる図柄の組合せのいずれもが停止しないことになり、AT役1の取りこぼしが発生する。すなわち、「赤丸」が左回胴5aの有効入賞ライン上に停止してしまった場合には、AT役1の取りこぼす可能性がある。このように、所定の条件下で取りこぼしを誘発する丸図柄(ここでは「赤丸」)が特定の回胴(ここでは左回胴5a)に停止した状態を、その回胴の「丸図柄の色が不正解(丸図柄色不正解)」と称する。本例であれば、‘第2停止回胴の「丸図柄の色が不正解」’ということになる。
一方、第2停止回胴(左回胴5a)が「緑丸/黄丸」であった場合、第3停止回胴(たとえば、右回胴5c)には停止操作タイミングに応じて「緑7/青7/赤7」が有効入賞ライン上に停止する。したがって、本例では「緑丸/黄丸」−「赤7」−「緑7/青7/赤7」の計6種類うち、いずれかの図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止することになる。この場合には、AT役1の取りこぼしが発生しないことになる。このように、所定の条件下で取りこぼしを誘発する丸図柄(ここでは「赤丸」)が特定の回胴(ここでは左回胴5a)に停止していない状態を、その回胴の「丸図柄の色が正解(丸図柄色正解)」と称する。本例であれば、‘第2停止回胴の「丸図柄の色が正解」’ということになる。
このように(ロ−1−2)のケースでは、「赤丸」−「赤7」−「青7/緑7」の計2種類と、「緑丸/黄丸」−「赤7」−「緑7/青7/赤7」の計6種類と、を合計した8種類のうち、いずれかの図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止することになる。
以上を総合すると、「2−1押し」または「3−1押し」の場合に入賞が可能になる図柄の組合せは、図7Bに示すように、「緑丸/赤丸/黄丸」−「緑7/青7」−「緑7/赤7/青7」(または「緑丸/赤丸/黄丸」−「緑7/赤7/青7」−「緑7/青7」)の計18種類と、「緑丸/黄丸」−「赤7」−「赤7」の計2種類と、「緑丸/黄丸」−「赤7」−「緑7/青7/赤7」(または「緑丸/黄丸」−「緑7/青7/赤7」−「赤7」)の計6種類と、を合計した26種類となる。
(ロ−2)第1停止回胴および第2停止回胴が左回胴5a以外であった場合(押し順:中回胴5b→右回胴5c(以下、「2−3押し」と称する)、または押し順:右回胴5c→中回胴5b(以下、「3−2押し」と称する)であった場合):図7C〜図7E
この場合、第2停止回胴にボーナス図柄を構成し得る図柄が有効入賞ライン上に停止しているか否かで、最終的な図柄の組合せが異なる。ここでは、第1停止回胴および第2停止回胴が左回胴5a以外であった場合であるので、第3停止回胴は左回胴5aである。以下では、「2−3押し」の場合について説明し、「3−2押し」についての説明は、重複記載を避けるため省略する。
(ロ−2−1)第2停止回胴(ここでは、右回胴5c)の有効入賞ライン上の停止図柄が、ボーナス図柄を構成し得る図柄「赤7」であった場合(第2停止回胴7図柄の色正解時):図7C
まず、第1停止回胴(ここでは、中回胴5b)の有効入賞ライン上の停止図柄がボーナス図柄を構成し得る図柄「赤7」でなかった場合、第1停止回胴(中回胴5b)の停止図柄は「緑7/青7」であり(第1停止回胴の7図柄の色が不正解)、第2停止回胴(右回胴5c)の停止図柄は「赤7」である(第2停止回胴の7図柄の色が正解)。このとき、第3停止回胴(左回胴5a)には停止操作タイミングに応じて「緑丸/赤丸/黄丸」が有効入賞ライン上に停止する。したがって、本例では、図7Cに示すように、「緑丸/赤丸/黄丸」−「緑7/青7」−「赤7」の計6種類うち、いずれかの図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止することになる。
一方、第1停止回胴の停止図柄(中回胴5b)がボーナス図柄を構成し得る図柄「赤7」であった場合、第1停止回胴(中回胴5b)の停止図柄は「赤7」であり(第1停止回胴の7図柄の色が正解)、第2停止回胴(右回胴5c)の停止図柄も「赤7」である(第2停止回胴の7図柄の色が正解)。このとき、第3停止回胴(左回胴5a)には停止操作タイミングに応じて「緑7/緑丸/黄丸」が有効入賞ライン上に停止する。したがって、本例では、図7Cに示すように、ボーナス図柄(「緑7」−「赤7」−「赤7」)を含む「緑7/緑丸/黄丸」−「赤7」−「赤7」の計3種類うち、いずれかの図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止することになる。すなわち、第1停止回胴および第2停止回胴が左回胴5a以外であって、第1停止回胴および第2停止回胴にボーナス図柄を構成し得る図柄が停止した場合には、第3停止回胴には停止操作タイミングに応じて「緑7」が停止し、ボーナス図柄入賞となる。
このように(ロ−2−1)のケースでは、第2停止回胴(中回胴5bまたは右回胴5c)の有効入賞ライン上の停止図柄がボーナス図柄を構成し得る図柄「赤7」であった場合、「緑丸/赤丸/黄丸」−「緑7/青7」−「赤7」の計6種類と、「緑7/緑丸/黄丸」−「赤7」−「赤7」の計3種類と、を合計した9種類となる。
(ロ−2−2)第2停止回胴(中回胴5bまたは右回胴5c)の有効入賞ライン上の停止図柄が、ボーナス図柄を構成し得る図柄「赤7」でなかった場合(第2停止回胴7図柄の色不正解時):図7D
まず、第1停止回胴の停止図柄(中回胴5b)もボーナス図柄を構成し得る図柄「赤7」でなかった場合、このときの第1停止回胴(中回胴5b)の停止図柄は「緑7/青7」であり(第1停止回胴の7図柄の色が不正解)、第2停止回胴(右回胴5c)の停止図柄も「緑7/青7」である(第2停止回胴の7図柄の色が不正解)。このとき、第3停止回胴(左回胴5a)には停止操作タイミングに応じて「緑丸/赤丸/黄丸」が有効入賞ライン上に停止する。したがって、本例では、図7Dに示すように、「緑丸/赤丸/黄丸」−「緑7/青7」−「緑7/青7」の計12種類うち、いずれかの図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止することになる。
一方、第1停止回胴の停止図柄(中回胴5b)がボーナス図柄を構成し得る図柄「赤7」であった場合、このときの第1停止回胴(中回胴5b)の停止図柄は「赤7」であり(第1停止回胴の7図柄の色が正解)、第2停止回胴(右回胴5c)の停止図柄は「緑7/青7」である(第2停止回胴の7図柄の色が不正解)。このとき、第3停止回胴(左回胴5a)には停止操作タイミングに応じて「緑丸/赤丸/黄丸」が有効入賞ライン上に停止する。したがって、本例では、図7Dに示すように、「緑丸/赤丸/黄丸」−「赤7」−「緑7/青7」の計6種類うち、いずれかの図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止することになる。
このように(ロ−2−2)ケースでは、第2停止回胴(中回胴5bまたは右回胴5c)の有効入賞ライン上の停止図柄が、ボーナス図柄を構成し得る図柄「赤7」でなかった場合、「緑丸/赤丸/黄丸」−「緑7/青7」−「緑7/青7」の計12種類と、「緑丸/赤丸/黄丸」−「赤7」−「緑7/青7」の計6種類と、を合計した18種類となる。なお、以上の各説明部においては、「2−3押し」を例に説明してある。
以上を総合すると、「2−3押し」または「3−2押し」の場合に入賞が可能になる図柄の組合せは、「緑丸/赤丸/黄丸」−「赤7」−「緑7/青7」(または「緑丸/赤丸/黄丸」−「緑7/青7」−「赤7」)の計6種類と、「緑7/緑丸/黄丸」−「赤7」−「赤7」の計3種類と、「緑丸/赤丸/黄丸」−「緑7/青7」−「緑7/青7」の計12種類と、「緑丸/赤丸/黄丸」−「赤7」−「緑7/青7」(または「緑丸/赤丸/黄丸」−「緑7/青7」−「赤7」)の計6種類と、を合計した27種類となる。
AT役において、押し順が「2−3押し」および「3−2押し」場合と、押し順が「2−1押し」および「3−1押し」場合とで大きく異なる点は、当該「2−3押し」および「3−2押し」の場合には、ボーナス図柄が有効入賞ライン上に停止する可能性があり、「2−1押し」および「3−1押し」の場合には、その可能性がない点である。換言すれば、最終の停止回胴(第3停止回胴)が左回胴5aである場合に限り、ボーナス図柄の入賞の可能性がある。このように本実施形態では、ボーナス当選フラグ成立状態下において、回胴の停止操作手順に応じてボーナス図柄を入賞可能とする役が設けられている。
以上では、第3停止回胴が左回胴5aである場合に限り、ボーナス図柄の入賞の可能性がある例について説明したがこれに限られない。上述した停止制御形態を利用し、第3停止回胴が中回胴5bまたは右回胴5cである場合に限り、ボーナス図柄の入賞の可能性があるように構成しても良い。たとえば、図6Aおよび図6Bの各AT役の「左回胴」「中回胴」「右回胴」に対応して示されている図柄の組合せについて、「左回胴」に対応する図柄の組合せを「右回胴」に対応する図柄の組合せに、「中回胴」に対応する図柄の組合せを「左回胴」に対応する図柄の組合せに、「右回胴」に対応する図柄の組合せを「中回胴」に対応する図柄の組合せに替えることにより、第3停止回胴が右回胴5cである場合に限り、ボーナス図柄の入賞の可能性があるものに置換することができる。また同様の手法により図6Aおよび図6Bの各AT役の「左回胴」「中回胴」「右回胴」に対応して示されている図柄の組合せについて、「左回胴」に対応する図柄の組合せを「中回胴」に対応する図柄の組合せに、「中回胴」に対応する図柄の組合せを「右回胴」に対応する図柄の組合せに、「右回胴」に対応する図柄の組合せを「左回胴」に対応する図柄の組合せに替えることで、第3停止回胴が中回胴5bである場合に限り、ボーナス図柄の入賞の可能性があるものに置換することができる。また、これらを組合せて上述した停止制御形態を利用すれば、第3停止回胴が所定の回胴、つまり左回胴5a、中回胴5b、および右回胴5cの少なくともいずれか1つである場合、ボーナス図柄の入賞の可能性があるように構成することができる。
なお、本実施形態では、各回胴5a、5b、5cの図柄配列帯の全てに対して、3種類の7図柄(特殊図柄)および3種類の丸図柄(特定図柄)が配置され、その図柄を利用してAT役に対応する図柄の組合せを定めているがこれに限られない。本発明は、小役の性質を有する役の一部として複数種類のAT役を設け、複数の回胴のうち少なくとも1つの回胴に複数種類の特殊図柄を配置し、AT役を当該特殊図柄と所定の図柄の組合せで構成し、一のAT役に対応する図柄の組合せと他のAT役に対応する図柄の組合せとが上記特殊図柄が配置された回胴のうち少なくとも1つの回胴における特殊図柄が互いに異なる図柄の組合せで構成すると共に、その図柄の組合せが上記停止制御手段により所定の有効入賞ライン上に停止するための各回胴回転停止ボタン12を操作する際の停止操作手順(押し順や停止操作タイミング等)がそれぞれ割り当てられていれば良い。
(順押ベル役1〜9)
次に、図6B参照しながら、順押ベル役1〜9について、入賞となる図柄の組合せを説明する。ここでは、重複記載を避けるため、代表的に「順押ベル役1」を例にとって説明する。
順押ベル役1の当選により入賞が可能になる図柄の組合せは、「緑丸」−「緑丸」−「緑丸」、「緑丸」−「赤丸」−「赤丸」、「緑丸」−「黄丸」−「黄丸」、「ベル」−「ベル」−「ベル」の計4種類の図柄の組合せとなっている。上記役抽選手段により順押ベル役1が当選役として決定された場合には、原則として、上記4種類の図柄の組合せのうち、いずれかの図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止可能になる(例外については後述する)。順押ベル役2〜9についても同様に、当該役が当選役として決定された場合には、図6Bに示す4種類の図柄の組合せのうち、いずれかの図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止可能になる。これらの図柄の組合せのいずれかが有効入賞ライン上に停止すると、所定枚数(たとえば、3枚)の遊技メダルが配当として払い出されるようになっている。したがって、順押ベル役1〜9は、遊技メダルの払い出しを伴う小役としての性質を有している。
上述した4種類のうち、いずれの図柄の組合せが停止するかは、押し順と停止操作タイミングとにより決定される。ここで、順押ベル役1〜9には押し順が規定され、その押し順が正解した場合には、停止操作タイミングにかかわらず「ベル」−「ベル」−「ベル」が有効入賞ライン上に停止するようになっている。順押ベル役1〜9において上記正解となる押し順は、第1停止回胴が左回胴5aの場合(順押しの場合)である。
しかし、押し順不正解の場合、つまり第1停止回胴が左回胴5a以外の場合には、残りの回胴における停止操作タイミングが所定のタイミングである場合に限り(押し順不正解時丸図柄の色正解の場合)、「緑丸」−「緑丸」−「緑丸」、「緑丸」−「赤丸」−「赤丸」、または「緑丸」−「黄丸」−「黄丸」が有効入賞ライン上に停止するようになっている。したがって、上述のタイミング以外で停止操作をした場合には、配当を得ることができない図柄の組合せ(図示せず)が停止する。つまり、順押ベル役の取りこぼしが発生する。
(逆押ベル役1〜9)
次に、図6Cを参照しながら、逆押ベル役1〜9について、入賞となる図柄の組合せを説明する。ここでは、重複記載を避けるため、代表的に「逆押ベル役1」を例にとって説明する。
逆押ベル役1の当選により入賞が可能になる図柄の組合せは、「緑丸」−「緑丸」−「緑丸」、「緑丸」−「赤丸」−「赤丸」、「緑丸」−「黄丸」−「黄丸」、「ベル」−「ベル」−「ベル」の計4種類の図柄の組合せとなっている。上記役抽選手段により逆押ベル役1が当選役として決定された場合には、原則として、上記4種類の図柄の組合せのうち、いずれかの図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止可能になる(例外については後述する)。逆押ベル役2〜9についても同様に、当該役が当選役として決定された場合には、図6Cに示す4種類の図柄の組合せのうち、いずれかの図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止可能になる。これらの図柄の組合せのいずれかが有効入賞ライン上に停止すると、所定枚数(たとえば、3枚)の遊技メダルが配当として払い出されるようになっている。したがって、逆押ベル役1〜9は、遊技メダルの払い出しを伴う小役としての性質を有している。
上述した4種類のうち、いずれの図柄の組合せが停止するかは、押し順と停止操作タイミングとにより決定される。ここで、逆押ベル役1〜9には押し順が規定され、その押し順が正解した場合には、停止操作タイミングにかかわらず「ベル」−「ベル」−「ベル」が有効入賞ライン上に停止するようになっている。逆押ベル役1〜9において上記正解となる押し順は、第1停止回胴が右回胴5cの場合(逆押しの場合)である。
しかし、押し順が不正解の場合、つまり第1停止回胴が右回胴5c以外の場合には、残りの回胴における停止操作タイミングが所定のタイミングである場合に限り(押し順不正解時丸図柄の色正解の場合)、「緑丸」−「緑丸」−「緑丸」、「赤丸」−「赤丸」−「緑丸」、または「黄丸」−「黄丸」−「緑丸」が有効入賞ライン上に停止するようなっている。したがって、上述のタイミング以外で停止操作をした場合には、配当を得ることができない図柄の組合せ(図示せず)が停止する。つまり、逆押ベル役の取りこぼしが発生する。
(ベル役)
次に、図6Cを参照しながら、ベル役について、入賞となる図柄の組合せを説明する。
ベル役の当選により入賞が可能になる図柄の組合せは、「ベル」−「ベル」−「ベル」の図柄の組合せとなっている。このベル役は、上記順押ベル役1〜9や逆押ベル役1〜9とは異なり、押し順は不問である。したがって、上記役抽選手段によりベル役が当選役として決定された場合、押し順や停止操作タイミングにかかわらず、「ベル」−「ベル」−「ベル」の図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止する。「ベル」−「ベル」−「ベル」の図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止すると、所定枚数(たとえば、3枚)の遊技メダルが配当として払い出されるようになっている。したがって、ベル役は、遊技メダルの払い出しを伴う小役としての性質を有している。
(リプレイ役1)
次に、リプレイ役1について、入賞となる図柄の組合せを説明する。
リプレイ役1の当選により入賞が可能になる図柄の組合せは、「リプレイ」−「リプレイ」−「リプレイ」と、「緑7/赤7/青7」−「緑7/赤7/青7」−「緑7/赤7/青7」の計28種類の図柄の組合せとなっている。上記役抽選手段によりリプレイ役1が当選役として決定された場合には、上記28種類の図柄の組合せのうち、いずれかの図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止可能になる。しかし、本実施形態では、後述する引き込み優先順位の下、リプレイ役1が当選した当該ゲームにおいては、ボーナス図柄ではなく「リプレイ」−「リプレイ」−「リプレイ」が優先的に停止することになる。なお、次回以降のゲームにおいては、ボーナス当選フラグが持ち越されるため(「持ち越し」については後述する)、「緑7/赤7/青7」−「緑7/赤7/青7」−「緑7/赤7/青7」の計27種類のボーナス図柄の停止可能状態が維持される。
上記の「リプレイ」−「リプレイ」−「リプレイ」の図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止すると、今回のゲームで投入した遊技メダルの枚数と同一の枚数を擬似的に付与して次回のゲームを開始可能とする再遊技が付与される。この再遊技は、遊技者が遊技メダルを減らすことなく次回のゲームが可能になるという点で、遊技メダルと同様に遊技価値を有するものといえる。したがって、リプレイ役1は、ボーナス役と再遊技を付与する再遊技役とに重複当選可能な重複役としての性質を有している。
(リプレイ役2)
次に、図6Cを参照しながら、リプレイ役2について、入賞となる図柄の組合せを説明する。
リプレイ役2の当選により入賞が可能になる図柄の組合せは、「リプレイ」−「リプレイ」−「リプレイ」の図柄の組合せ(以下、この図柄の組合せを、単に「リプレイ図柄」と略称する場合がある)となっている。上記役抽選手段によりリプレイ役2が当選役として決定された場合には、「リプレイ」−「リプレイ」−「リプレイ」の図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止可能になる。「リプレイ」−「リプレイ」−「リプレイ」の図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止すると、配当として上記再遊技が付与される。したがって、リプレイ役2は、上記再遊技を付与する再遊技役としての位置付けである。
(チャンス役)
次に、図6Cを参照しながら、チャンス役について、入賞となる図柄の組合せを説明する。
チャンス役の当選により入賞が可能になる図柄の組合せは、「緑丸/赤丸/青丸」−「緑7/赤7/青7」−「緑7/赤7/青7」の計27種類の図柄の組合せとなっている。上記役抽選手段によりチャンス役が当選役として決定された場合には、上記27種類の図柄の組合せのうち、いずれかの図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止可能になる。これらの図柄の組合せのいずれかが有効入賞ライン上に停止すると、所定枚数(たとえば、3枚)の遊技メダルが配当として払い出されるようになっている。このチャンス役は、AT役の当選により入賞が可能になる図柄の組合せの一部と同一の図柄の組合せで構成され、ボーナス図柄入賞の期待感を与えるという役割を果たす。
(チェリー役1〜4)
次に、図6Cを参照しながら、チェリー役1〜4について、入賞となる図柄の組合せについて説明する。
チェリー役1〜4の当選により入賞が可能になる図柄の組合せは、「ANY」−「チェリー」−「ANY」の図柄の組合せとなっている。ここで、「ANY」とは、図柄種は問わないという意味である。上記役抽選手段によりチェリー役1〜4が当選役として決定された場合には、「ANY」−「チェリー」−「ANY」の図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止可能になる。「ANY」−「チェリー」−「ANY」の図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止すると、所定枚数(たとえば、1枚)の遊技メダルが配当として払い出される。したがって、チェリー役1〜4は、遊技メダルの払い出しを伴う小役としての性質を有している。
なお、各チェリー役の図柄の組合せは同じであるが、右回胴5cの停止パターンはそれぞれ異なり、個々に特徴的な停止パターンを有している。以下に各チェリー役が当選したゲームにおける右回胴5cにおける停止パターンについて説明する。
チェリー役1が当選した場合、右回胴5cの回胴視認部3の上段部(以下、「枠内上段」と称する)もしくは下段部(以下、「枠内下段」と称する)には、「緑7」、「赤7」、「青7」のいずれかが停止可能となる。しかし、その中段部(以下、「枠内中段」と称する)には、「緑7」、「赤7」、「青7」のいずれも停止しない。
チェリー役2が当選した場合、右回胴5cの枠内中段には「緑7」が停止可能となり、その枠内上段または枠内下段には「赤7」が停止可能となる。しかし、「青7」は、枠内に停止しない。
チェリー役3が当選した場合、右回胴5cの枠内中段には「赤7」が停止可能となり、その枠内上段または枠内下段には「青7」が停止可能となる。しかし、「緑7」は、枠内に停止しない。
チェリー役4が当選した場合、右回胴5cの枠内中段には「青7」が停止可能となり、その枠内上段または枠内下段には「緑7」が停止可能となる。しかし、「赤7」は、枠内に停止しない。
このように、各チェリー役に当選した場合の右回胴5cのおける停止パターンは、それぞれ特徴的な停止パターンとなっている。詳細は後述するが、上述したチェリー役1〜4のいずれかに当選した場合、上述の停止パターンを利用した特別演出(任務指示演出)が発生し、その演出内容は、右回胴5cの停止操作手順に関連する任務を遊技者に対して提示するもの(たとえば、「枠内(右回胴5bの枠内)に7図柄を停止せよ!」)となっている。
(ボーナス役)
次に、図6Cを参照しながら、ボーナス役について、入賞となる図柄の組合せを説明する。
ボーナス役の当選により入賞が可能になる図柄の組合せは、既に説明したように、「緑7/赤7/青7」−「緑7/赤7/青7」−「緑7/赤7/青7」の計27種類である。本実施形態では、ボーナス役の単独当選はなく、AT役1〜27またはリプレイ役1に当選することが条件となる。
上記ボーナス役は、その当選フラグを次回のゲームに持ち越し可能な持越役として設定されている。このため、ボーナス役に当選した場合においては、ボーナス図柄が入賞するまでの間、その当選フラグの成立状態が維持される。このボーナス当選フラグが持ち越されている状態を「ボーナス持越遊技」と称する。一方、小役や再遊技役に属する役については、その当選フラグを次回のゲームに持ち越すことができない持越不可能役として設定されている。したがって、AT役1〜27のいずれかに、またはリプレイ役1に当選した当該当選ゲームにおいてボーナス図柄が有効入賞ライン上に停止しなかったとしても、ボーナス当選フラグが持ち越され、次回のゲームにおいてもボーナス図柄の入賞許容状態が維持されることになる。
ところで、ボーナス持越遊技中においても、通常通りに各役の抽選が行われる。このため、AT役1〜27またはリプレイ役1の当選ゲームを含み、ボーナス当選フラグと他の役の当選フラグが同時に成立する重複当選状態が発生し得る。このような場合、いずれの役の図柄の組合せを停止させるかどうかは、所定の引き込み優先順位に基づいて決定される。本実施形態では、「再遊技を伴う図柄の組合せ>小役による遊技メダル払い出しを伴う図柄の組合せ(以下、必要に応じ「小役図柄」と略称する)>ボーナス図柄」の順位で優先的に引き込み制御が行われるように、その優先順位に関し定めてある(所謂、小役優先制御)。これにより、重複当選中のゲームでは、上記の引き込み優先順位に基づき停止制御が行われることになる。
上述の引き込み優先順位が規定されている関係上、ボーナス図柄が有効入賞ライン上に停止するのは、AT役当選ゲームにおいて所定の停止操作手順で回胴を停止操作した場合か、またはボーナス持越遊技中に「ハズレ」に当選した場合のいずれかになる。
本実施形態の回胴の停止制御下では、上記ボーナス持越遊技中に「ハズレ」に当選した場合、押し順や停止操作タイミングにかかわらず、必ず有効入賞ライン上にボーナス図柄が停止するようになっている。本明細書中では、場合により、取りこぼしが発生した場合の「ハズレ」と、純粋に「ハズレ」に当選した場合とを区別するため、当該純粋な「ハズレ」を「純ハズレ」と称して説明する。
なお、本実施形態ではボーナス役の単独当選はない例を説明したが、本発明はこれに制限されない。ボーナス役はAT役における小役以外の他の小役(順押しベル役、逆押しベル役、またはベル役(押し順不問ベル役)やチェリー役等の小役)と重複当選可能なものであっても良いし、単独当選するものであっても良い。
<停止テーブル:図8A〜図8P、図9>
次に、図8A〜8P、図9を参照しながら、本実施形態に係る回胴式遊技機の停止テーブルに基づく回胴の停止制御形態ついて説明する。図8A〜図8Pは本実施形態に係る回胴式遊技機の停止テーブルを示す図であり、図9は、各停止テーブルの機能を簡潔に示したものであり、各停止テーブルの説明に供する図である。
図8A〜図8Pに示す停止テーブルには、回胴の停止制御を行う際の停止データとして、回胴回転停止ボタンが操作されたタイミング、つまり回胴回転停止スイッチがONされたタイミングで、停止操作が行われた回胴における上記所定位置に存在している図柄と、その回胴が実際に停止したときに、当該所定位置に表示する図柄との関係が定められている。これら停止テーブルが内部抽選結果や押し順に応じて各回胴の停止操作があるごとに参照され、役の抽選結果に応じた図柄の組合せが決定される。
ここで、図8A〜図8Pに示す「停止操作位置」とは、回胴回転停止ボタン12が操作されたときに上記所定位置(本実施形態では、回胴視認部3の枠内下段に相当する位置)に存在する図柄を示し、同図に示す「止」の欄における「↑(矢印)」は、上記停止操作位置の図柄から「滑」の欄に記載されたコマ数(0〜4コマ)分だけ移動することを示している。たとえば、滑りコマ数が「0」の場合には、停止操作位置の図柄が枠内下段にそのまま停止(いわゆる、ビタ止まり)し、滑りコマ数が「1」の場合には、停止操作位置の図柄が1コマ分移動して停止することを示している。また「●(黒丸印)」は、上記停止操作位置の図柄が指定された滑りコマ数分移動した後に、実際に枠内下段に停止する図柄を示している。
次に、図8A〜図8Pおよび図9を参照しながら、本実施形態に係る回胴式遊技機の停止テーブルについて説明する。以下では、各停止テーブルが有する機能のうち特徴的な部分に着目しつつ説明する。
(停止テーブル番号1−0:図8A)
図8Aに示す停止テーブル番号1−0は、左回胴5a、中回胴5b、および右回胴5cにおいて、「ベル」を有効入賞ライン上に停止可能にする停止データを定めた‘ベル引き込み用’停止テーブルである。本停止テーブルでは、各回胴共に、停止操作タイミングにかかわらず、「ベル」を有効入賞ライン上に引き込んで停止させる。
(停止テーブル番号1−1:図8B)
図8Bに示す停止テーブル番号1−1は、左回胴5a、中回胴5b、および右回胴5cにおいて、「リプレイ」を有効入賞ライン上に停止可能にする停止データを定めた‘リプレイ引き込み用’停止テーブルである。本停止テーブルでは、各回胴共に、停止操作タイミングにかかわらず、「リプレイ」を有効入賞ライン上に引き込んで停止させる。
(停止テーブル番号1−2:図8C)
図8Cに示す停止テーブル番号1−2は、左回胴5a、中回胴5b、および右回胴5cにおいて、「緑7」、「赤7」、または「青7」のいずれかを有効入賞ライン上に停止可能にする停止データを定めた‘全7引き込み用’停止テーブルである。本停止テーブルでは、各回胴共に、停止操作位置が図柄番号6〜12の場合には「緑7」を、図柄番号13〜19の場合には「赤7」を、図柄番号0〜5、20の場合には「青7」を、有効入賞ライン上に引き込んで停止させる。したがって、特定の停止操作タイミングであれば、特定色の7図柄が有効入賞ライン上に引き込まれて停止し、また停止操作タイミングにかかわらず、7図柄のいずれかが有効入賞ライン上に引き込まれて停止する。
(停止テーブル番号2−0:図8D)
図8Dに示す停止テーブル番号2−0は、左回胴5a、中回胴5b、および右回胴5cにおいて、「緑丸」、「赤丸」、または「黄丸」のいずれかを有効入賞ライン上に停止可能にする停止データを定めた‘全丸引き込み用’停止テーブルである。本停止テーブルでは、たとえば、左回胴5aを停止操作した場合において、そのときの停止操作位置が図柄番号0〜4、19〜20の場合には「緑丸」を、図柄番号5〜11の場合には「赤丸」を、図柄番号12〜18の場合には「黄丸」を、有効入賞ライン上に引き込んで停止させる。したがって、特定の停止操作タイミングであれば、特定色の丸図柄が有効入賞ライン上に引き込まれて停止し、また停止操作タイミングにかかわらず、丸図柄のいずれかが有効入賞ライン上に引き込まれて停止する。
(停止テーブル番号2−1:図8E)
図8Eに示す停止テーブル番号2−1は、中回胴5bにおいて、「チェリー」を有効入賞ライン上に停止可能にする停止データを定めた‘チェリー役1停止用’停止テーブルである。本停止テーブルでは、中回胴5bにおいて、停止操作タイミングにかかわらず、「チェリー」を有効入賞ライン上に引き込んで停止させる。また、本停止テーブルでは、右回胴5cを停止操作した場合において、停止操作タイミングにかかわらず、7図柄のいずれかを枠内上段または枠内下段に停止させることができるようになっている。しかし、7図柄のいずれも枠内中段には停止しないようになっている。
(停止テーブル番号2−2:図8F)
図8Fに示す停止テーブル番号2−2は、中回胴5bにおいて、「チェリー」を有効入賞ライン上に停止可能にする停止データを定めた‘チェリー役2停止用’停止テーブルである。本停止テーブルでは、中回胴5bにおいて、停止操作タイミングにかかわらず、「チェリー」を有効入賞ライン上に引き込んで停止させる。また、本停止テーブルは、上述の停止テーブル番号2−1(‘チェリー役1停止用’停止テーブル)とは異なり、右回胴5cの枠内中段に第1特定色の7図柄(緑7)を停止させることができるようになっており、また枠内上段または枠内下段に第2特定色の7図柄(赤7)を停止させることができるようになっている。具体的には、右回胴5cを停止操作した場合において、そのときの停止操作位置が図柄番号10〜11の場合には右回胴5cの枠内中段に「緑7」を、また停止操作位置が図柄番号17の場合には右回胴5cの枠内上段に「赤7」を、停止操作位置が図柄番号18の場合には右回胴5cの枠内下段に「赤7」を、停止させることができるようになっている。なお、第3特定色の7図柄(青7)は、停止操作タイミングにかかわらず、枠内には停止しないようになっている。
(停止テーブル番号3−0:図8G)
図8Gに示す停止テーブル番号3−0は、左回胴5aにおいて「緑7」を、中回胴5bにおいて「緑7/赤7」を、右回胴5cにおいて「緑7/赤7」を有効入賞ライン上に停止可能にする停止データを定めた‘左回胴緑7図柄引き込み用’停止テーブルである。本停止テーブルでは、たとえば、左回胴5aを停止操作した場合において、そのときの停止操作位置が図柄番号9〜12の場合、「緑7」を有効入賞ライン上に引き込んで停止させる。
(停止テーブル番号3−1:図8H)
図8Hに示す停止テーブル番号3−1は、左回胴5aにおいて「赤7」を、中回胴5bにおいて「緑7/青7」を、右回胴5cにおいて「緑7/青7」を有効入賞ライン上に停止可能にする停止データを定めた‘左回胴赤7図柄引き込み用’停止テーブルである。本停止テーブルでは、たとえば、左回胴5aを停止操作した場合において、そのときの停止操作位置が図柄番号16〜19の場合、「赤7」を有効入賞ライン上に停止させることができるようになっている。
(停止テーブル番号3−2:図8I)
図8Iに示す停止テーブル番号3−2は、左回胴5aにおいて「青7」を、中回胴5bにおいて「赤7/青7」を、右回胴5cにおいて「赤7/青7」を有効入賞ライン上に停止可能にする停止データを定めた‘左回胴青7図柄引き込み用’停止テーブルである。本停止テーブルでは、たとえば、左回胴5aを停止操作した場合において、そのときの停止操作位置が図柄番号2〜5の場合、「青7」を有効入賞ライン上に引き込んで停止させる。
(停止テーブル番号4−0:図8J)
停止テーブル番号4−0は、左回胴5a、中回胴5b、および右回胴5cにおいて、「緑丸」を有効入賞ライン上に停止可能にする停止データを定めた‘緑丸図柄引き込み用’停止テーブルである。本停止テーブルでは、たとえば、左回胴5aを停止操作した場合において、そのときの停止操作位置が図柄番号0〜4、19〜20の場合、「緑丸」を有効入賞ライン上に引き込んで停止させる。
(停止テーブル番号4−1:図8K)
図8Kに示す停止テーブル番号4−1は、左回胴5a、中回胴5b、および右回胴5cにおいて、「赤丸」を有効入賞ライン上に停止可能にする停止データを定めた‘赤丸図柄引き込み用’停止テーブルである。本停止テーブルでは、たとえば、左回胴5aを停止操作した場合において、そのときの停止操作位置が図柄番号5〜11の場合、「赤丸」を有効入賞ライン上に引き込んで停止させる。
(停止テーブル番号4−2:図8L)
図8Lに示す停止テーブル番号4−2は、左回胴5a、中回胴5b、および右回胴5cにおいて、「黄丸」を有効入賞ライン上に停止可能にする停止データを定めた‘黄丸図柄引き込み用’停止テーブルである。本停止テーブルでは、たとえば、左回胴5aを停止操作した場合において、停止操作位置が図柄番号12〜18の場合、「黄丸」を有効入賞ライン上に引き込んで停止させる。
(停止テーブル番号6−0:図8M)
図8Mに示す停止テーブル番号6−0は、主にボーナス遊技中に用いられる‘ボーナス遊技中用’停止テーブルである。
(停止テーブル番号6−1:図8N)
図8Nに示す停止テーブル番号6−0は、「ハズレ」の場合に用いられる‘ハズレ停止用’停止テーブルである。
(停止テーブル番号6−2:図8O)
図8Oに示す停止テーブル番号6−2は、中回胴5bにおいて、「チェリー」を有効入賞ライン上に停止可能にする停止データを定めた‘チェリー役3停止用’停止テーブルである。本停止テーブルでは、中回胴5bにおいて、停止操作タイミングにかかわらず、「チェリー」を有効入賞ライン上に引き込んで停止させる。また、本停止テーブルは、上述の停止テーブル番号2−1(チェリー役1停止用停止テーブル)と異なり、右回胴5cの枠内中段に第2特定色の7図柄(赤7)を停止させることができるようになっており、また枠内上段または枠内下段に第3特定色の7図柄(青7)を停止させることができるようになっている。具体的には、右回胴5cを停止操作した場合において、そのときの停止操作位置が図柄番号17〜18の場合には右回胴5cの枠内中段に「赤7」を、また停止操作位置が図柄番号3の場合には右回胴5cの枠内上段に「青7」を、停止操作位置が図柄番号4の場合には右回胴5cの枠内下段に「青7」を、停止させることができるようになっている。なお、第1特定色の7図柄(緑7)は、停止操作タイミングにかかわらず、枠内には停止しないようになっている。
(停止テーブル番号7−0:図8P)
図8Pに示す停止テーブル番号7−0は、中回胴5bにおいて、「チェリー」を有効入賞ライン上に停止可能にする停止データを定めた‘チェリー役4停止用’停止テーブルである。本停止テーブルでは、中回胴5bにおいて、停止操作タイミングにかかわらず、「チェリー」を有効入賞ライン上に引き込んで停止させる。また、本停止テーブルは、停止テーブル番号2−1(チェリー役1停止用停止テーブル)と異なり、右回胴5cの枠内中段に第3特定色の7図柄(「青7」)を停止させることができるようになっており、また枠内上段または枠内下段に第1特定色の7図柄(緑7)を停止させることができるようになっている。具体的には、右回胴5cを停止操作した場合において、そのときの停止操作位置が図柄番号3〜4の場合には右回胴5cの枠内中段に「青7」を、また停止操作位置が図柄番号10の場合には右回胴5cの枠内上段に「緑7」を、停止操作位置が図柄番号11の場合には右回胴5cの枠内下段に「緑7」を、停止させることができるようになっている。なお、第2特定色の7図柄(赤7)は、停止操作タイミングにかかわらず、枠内には停止しないようになっている。
<遊技形態:図10>
ここで、本発明の理解を容易なものとするために、本実施形態に係る回胴式遊技機の遊技形態(ゲーム性)について説明しておく。
図10は、本実施形態に係る回胴式遊技機の遊技形態を示すゲームフローである。
本実施形態に係る回胴式遊技機では、主制御部側で行なわれる内部抽選による基本的な遊技状態の他、副制御部側(演出制御部410側)でその発生が制御される追加的な遊技状態が設けられている。具体的には、図示のように、通常遊技、AT(アシストタイム)遊技、ボーナス遊技等が設けられている。この各遊技状態をゲームの進行状況に応じて行き来させることにより、遊技者の遊技意欲を向上させている。先ず、上記各遊技状態について説明する。
(AT遊技)
AT遊技は、役の抽選結果に関連する情報を、液晶表示装置6、装飾ランプ部15、スピーカ16等の演出手段を用いて、画像表示演出、効果音、光演出等により遊技者に報知(以下、この報知態様を「アシスト報知」と称する)する特典遊技状態であり、主制御部(主制御基板400)側で制御される遊技状態(通常遊技やボーナス遊技)とは異なり、演出制御部410(演出制御基板420)側で制御される遊技状態である。
本実施形態では、回胴の停止操作手順に応じて入賞可能な図柄の組合せが異なる役(AT役1〜27、順押ベル役1〜9、および逆押ベル役1〜9)が複数種類設けられている。通常のゲームにおいては、これらの役に当選しても、特定の図柄の組合せを入賞させるための停止操作手順は遊技者に報知されない。したがって、たとえば、AT役1の当選ゲームにおいてボーナス図柄が入賞したり、または押順(逆押)ベル役1の当選ゲームにおいて配当が得られる図柄の組合せが入賞したりするのは、停止操作手順が偶然一致した場合に限られる。そこで、役の抽選結果に関連する情報として、特定の図柄の組合せを入賞可能にする停止操作手順をサポートするAT遊技が設けられている。このAT遊技によるアシスト報知に従い回胴を停止操作すれば、相対的に高い配当が得られる図柄の組合せを容易に入賞させることができるようになっている。なお、AT遊技に移行するかどうかは、所定の移行条件が成立したか否かで決定される(詳細は後述する)。
(本前兆モード、フェイク前兆モード)
また本実施形態では、移行先の遊技状態を暗示する演出をなす演出モードとして、本前兆モードとフェイク前兆モードとが設けられている。これらの演出モードは、AT遊技移行への期待感を与える演出をなす演出モードである。上記本前兆モードはAT遊技に移行する前段階の演出モードであり、上述のAT遊技は、この本前兆モードを経由して発生する。一方、上記フェイク前兆モードは、本前兆モードかの如く装う演出をなす演出モードである。
原則として、本前兆モードに移行した場合には規定ゲーム数(たとえば、32ゲーム)を消化するとAT遊技に移行するようになっており、フェイク前兆モードに移行した場合には規定ゲーム数(たとえば、32ゲーム)を消化すると通常演出モード(通常遊技中の演出モード)に移行するようになっている。上記のフェイク前兆モード、本前兆モード、およびAT遊技中は、主制御部側においては同じ通常遊技中と同列に扱われることになるが、演出制御部410側では別個の遊技状態(演出状態)として管理されている。したがって、上述したAT遊技も「アシスト報知」という演出をなす演出モードといえるが、AT遊技は入賞率に直接関係する演出モードであり、また本前兆モードは当該AT遊技発動前段階の演出モードとして重要な位置付けであるので、本明細書中では、フェイク前兆モードと通常遊技中とを同列の遊技状態として扱い、AT遊技中および本前兆中モードとは区別した遊技状態として扱う。
(ボーナス遊技)
ボーナス遊技は、ボーナス図柄の入賞を条件に移行する遊技状態であり、通常遊技とは異なる特別遊技状態である。本実施形態のボーナス遊技中においては、役の抽選結果にかかわらず、複数種類の小役(AT役、ベル役、順押ベル役、逆押ベル役、チェリー役等)の当選フラグが成立状態となり(ただし、ボーナス役は対象外)、これら小役図柄が入賞可能状態に置かれる。また、ボーナス遊技の終了条件は、規定枚数(たとえば、29枚)以上の遊技メダルの払い出しとなっている。このため、押し順や回胴の停止操作タイミングにより入賞し得る小役図柄が異なることになり、それ故、ボーナス遊技中に遊技者が得られる利益(獲得枚数(純増枚数))が異なることになる。
そこで本実施形態では、ボーナス遊技中にAT遊技が発生するハイパーボーナス遊技(第1のボーナス遊技)と、AT遊技が発生しないチャレンジボーナス遊技(第2のボーナス遊技)の2種類のボーナス遊技を設けてある。
上記ハイパーボーナス遊技中においては、AT遊技により、相対的に利益が高い役に入賞させるための停止操作手順や、役を入賞させるための最適な賭け数等(たとえば、「1枚賭け」を指示する報知演出)に関するアシスト報知が行われる。一方、チャレンジボーナス遊技中においては、上記のようなアシスト報知が行われない。これにより、同じボーナス遊技であっても、遊技者が得られる利益が異なるようになっている。本実施形態のチャレンジボーナス遊技は、アシスト報知がないために、純増枚数がほぼ0枚かマイナスとなるように定められている。なお、いずれのボーナス遊技に移行するかどうかは、ボーナス図柄が入賞した遊技状態に応じて決定される(詳細は後述する)。
次に、図10のゲームフローを参照しながら、本実施形態に係る回胴式遊技機の遊技形態について詳細に説明する。以下では、ボーナス遊技に移行するまでの基本的なルートに着目しながら説明する。
ボーナス遊技に移行する遊技ルートには、複数のルートが存在する。具体的には、ボーナス持越遊技中(本前兆モード中、フェイク前兆モード中、およびAT遊技中を含む)に「純ハズレ」を引いてボーナス図柄が入賞した場合、またはAT役1〜27に当選した当該ゲームにおいて、停止操作手順が一致した場合である。
ここで、役の当選確率に着目すると、本実施形態の回胴式遊技機では、小役の当選確率(AT役1〜27、順押ベル役1〜9、逆押ベル役1〜9、ベル役、チャンス役、およびチェリー役1〜4の当選確率を合算した確率)は約1/1.16、リプレイ役の当選確率(リプレイ役1およびリプレイ役2の当選確率を合算した確率)は約1/7.28となっている。また、ボーナス役への当選確率(AT役1〜27およびリプレイ役1の当選確率を合算した確率)は約1/10となっている。すなわち、毎ゲーム高確率で小役や再遊技役に当選する一方で、ボーナス役との重複当選状態(ボーナス持越遊技を含む)も高確率で発生することになる。なお、上記の当選確率は、図28Aおよび図28Bに示す当選領域を抽選領域(65536)で除した値の概算値を示している。
ところが、引き込み優先順位の関係上、ボーナス図柄よりもリプレイ図柄や小役図柄の方が優先的に有効入賞ライン上に引き込まれるので、ボーナス図柄が有効入賞ライン上に停止するのは、AT役が当選した当該ゲームにおいて停止操作手順が一致した場合か、またはボーナス持越遊技中に「純ハズレ」に当選した場合のいずれかに限られる。しかし、各AT役の当選確率は略同一の約1/271となっており、当選ゲームにおいて停止操作手順を一致させて個別に対応するボーナス図柄を入賞させることは難しい。また停止操作手順にかかわらず、ボーナス図柄の入賞が可能になる「純ハズレ」の当選を待つとしても、純ハズレの当選確率は他の役に比べて非常に低確率の約1/1111となっており、これを待つだけでは、遊技が単調化して、遊技者の遊技意欲を減退させる恐れがある。
そこで本実施形態では、AT遊技中にAT役1〜27のいずれかに当選した場合、その当選したAT役に対応するボーナス図柄の入賞に向けた停止操作手順を報知し、容易にボーナス図柄を入賞させることができるようにしている。これは主制御部側で制御される遊技状態だけでなく、演出制御部410側で制御される遊技状態(AT遊技)により、ボーナス遊技の移行頻度(ボーナス遊技の連荘率)を変化させることができることを意味する。
ボーナス遊技移行への要となるAT遊技には、ボーナス遊技後から規定ゲーム数(たとえば、1001ゲーム)消化して天井ゲーム数に達した場合か、または所定のゲーム演出の結果(詳細は後述する)に応じて移行するようになっている。そして、AT遊技中にボーナス図柄が入賞した場合には、ハイパーボーナス遊技に移行し、それ以外でボーナス図柄が入賞した場合には、チャレンジボーナス遊技に移行するようになっている。なお、ハイパーボーナス遊技には、ボーナス持越遊技中に「純ハズレ」に当選した場合にも移行するようになっている。
本実施形態では、AT遊技移行への期待感を遊技者に与えて遊技意欲を向上させるべく、上記ゲーム演出として、通常遊技中(フェイク前兆モード中を含む)にチェリー役1〜4のいずれかに当選したことを条件に、遊技者参加型ゲーム演出である「任務指示演出」を発生させる(図10の「特定役当選」の箇所参照)。この任務指示演出は、遊技者に任務を提示し、その任務を達成できた場合には、これを契機として、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態を付与する、所謂、「指令(ミッション)演出型」に属する遊技者参加型のゲーム演出である。以下に、上記任務指示演出について、チェリー役当選時における回胴の停止制御の観点からさらに詳細に説明する。
既に説明したように、チェリー役1〜4が当選した際の入賞が可能になる図柄の組合せは同じであるが、右回胴5cの停止パターンはそれぞれ異なる固有の停止パターンを有している。具体的には、チェリー役1に当選した場合には右回胴5cの枠内中段に7図柄のいずれも停止させることはできないが、枠内上段または枠内下段に7図柄のいずれかを停止させることができるようになっている(停止テーブル番号2−1:図8E参照)。チェリー役2に当選した場合には同回胴の枠内中段に「緑7」を停止させることができるようになっており、また枠内上段または枠内下段に「赤7」を停止させることができるようになっている(停止テーブル番号2−2:図8Fの「右回胴」の欄参照)。チェリー役3に当選した場合には同回胴の枠内中段に「赤7」を停止させることができるようになっており、また枠内上段または枠内下段に「青7」を停止させることができるようになっている(停止テーブル番号6−2:図8Oの「右回胴」の欄参照)。チェリー役4に当選した場合には同回胴の枠内中段に「青7」を停止させることができるようになっており、また枠内上段または枠内下段に第1特定色の「緑7」を停止させることができるようになっている(停止テーブル番号7−0:図8Pの「右回胴」の欄参照)。
本実施形態では、上述した各チェリー役それぞれに対応する固有の停止パターンを利用し、ゲーム演出として、たとえば、「右回胴の枠内中段に‘7図柄’を停止せよ!」や「右回胴の枠内中段に‘緑7’を停止せよ!」という停止操作手順に関連する任務を遊技者に対して提示する任務指示演出を発生させるようになっている。そして、提示された任務を達成することができた場合には、その特典として本前兆モードに移行させてAT遊技への移行を約束し、任務を達成できなかった場合には、所定のモード移行抽選(状態移行抽選)により、本前兆モードまたはフェイク前兆モードに移行するようになっている。つまり、ゲーム演出の結果に応じてAT遊技の発生に影響を及ぼすようになっている。
さらにまた本実施形態の回胴式遊技機では、遊技者参加型ゲーム演出の一貫として、上記任務指示演出の発生を遊技者に知らせるべく、遊技の進行を所定期間に亘り一時的に停止状態に置くフリーズ演出(以下、「停止後フリーズ演出」と称する)が発生する。この停止後フリーズ演出は、たとえば、回胴の停止操作の受付を一時的に無効にして遊技の進行を中断させることにより、通常とは異なる遊技動作を発生させて遊技者に意外性を与える演出として用いられる。
上述した任務指示演出は、特定の回胴(ここでは、右回胴5c)の特定位置(たとえば、枠内)に7図柄(または7図柄のいずれか)を停止指示する演出である。そこで、本実施形態の回胴式遊技機では、少なくとも1つの回胴が停止しており、かつ任務指示演出に関連する特定の回胴が回転中であることを条件に上記停止後フリーズ演出を発生させ、これに伴い任務指示演出を発生させるようになっている。ここでは、押し順が「2−1押し」または「1−2押し」であることを条件に上記停止後フリーズ演出を発生させるようになっており、換言すれば、「2−1押し」または「1−2押し」以外であることを条件に上記停止後フリーズ演出がキャンセルされるようになっている。この停止後フリーズ演出がキャンセルされた場合には、これに伴い任務指示演出もキャンセルされる。これは、任務指示演出に関連する特定の回胴(ここでは、右回胴5c)が停止後フリーズ演出の発生に起因する回胴(ここでは、左回胴5aまたは中回胴5b)よりも先に停止してしまった場合、上記停止後フリーズ演出および任務指示演出をキャンセルされることを意味する。これにより、各回胴の回転状態または停止状態に応じた演出発生契機を制御することができるので、多彩なゲーム演出を実現することができるようなる。さらに付言すれば、遊技者の停止操作に応じて演出の発生を制御することができる、という効果も奏することができる。また、任務指示演出に関連する特定の回胴が停止後フリーズ演出の発生に起因する回胴よりも先に停止してしまった場合には、もはや停止後フリーズ演出を発生させる意義がないので、ゲームをスムーズに進行させる上で、これをキャンセルすることが好ましいからである。なお、上記各演出がキャンセルされた場合、所定のモード移行抽選(状態移行抽選)により、本前兆モードまたはフェイク前兆モードに移行される。
本実施形態では、各チェリー役1〜4それぞれに対応する固有の停止制御パターンを利用し、任務指示演出における任務内容のバリエーションを豊富なものとすることができる。また任務指示演出の発生に係る停止後フリーズ演出を任務指示演出に関連する特定の回胴の停止操作が行われたタイミングに応じてその発生を制御することができる。この結果、多彩なゲーム演出(指令演出型に属する遊技者参加型ゲーム演出)を実現することができる。
また本実施形態では、上記停止後フリーズ演出の他、回胴回転開始時に行われるフリーズ演出(以下、「開始時フリーズ演出」と称する)が設けられている。この開始時フリーズ演出は、ボーナス持越遊技中に「純ハズレ」に当選したことを条件に発生し、回胴の回転を一時的に不回転状態に置く演出態様となっている。
ボーナス持越遊技中に「純ハズレ」に当選すると、当該ゲームにてボーナス図柄が必ず有効入賞ライン上に停止する。そこで、この停止制御パターンに着目し、上記開始時フリーズ演出の発生期間を利用して、ボーナス開始演出(ボーナス図柄入賞時に行われるボーナス遊技開始前の演出)を行うようにしている。そして、開始時フリーズ演出が発生した際には、ボーナス図柄入賞時のボーナス開始演出を行う必要性はなく、その演出およびこれに伴う待ち時間をキャンセルし、スムーズにボーナス中演出を発生させることができるようにしている。
なお、ボーナス遊技には、主に、「本前兆モード→AT遊技→アシスト報知に従いボーナス図柄入賞」という遊技ルートで移行するので、ボーナス遊技が終了した後には、当該ルートを繰り返しループするチャンスを遊技者に与えることができるように、ボーナス遊技終了後に移行先となる遊技状態を決定することが好ましい。ボーナス遊技終了後に移行先となる遊技状態は、所定の抽選により決定しても良いし、ボーナス遊技中に遊技者参加型ゲーム演出を発生させ、その任務の成否に応じて決定しても良いし、ボーナス図柄入賞時の遊技状態に応じて決定しても良いし、どのような方法で移行先の遊技状態を決定するかは自由である。また、移行先となる遊技状態も通常遊技、本前兆モード、またはフェイク前兆モードに限定されず、直接AT遊技に移行させても良いし、どの移行先とするかも自由に定めることができる。
<遊技動作制御処理>
次に、本実施形態に係る回胴式遊技機の遊技動作制御に関する処理手順について詳細に説明する。
<1.主制御側メイン処理:図11〜図45>
まず、図11〜図45を参照して、主制御基板400側における処理手順について説明する。
図11は、遊技動作制御プログラムに従い主制御基板(主制御部)400側の処理手順を示すフローチャートである。本処理はメインCPU401cにより実行されるものであるが、説明の便宜上、処理を実行する主体を主制御基板400と称して説明する。
遊技機に電源が投入されると、電源基板440から電源が投入された旨の電源投入信号が送られる。この電源投入信号を受けて主制御基板400は、図11に示す主制御側メイン処理を開始する。
この主制御側メイン処理では、電源投入が行われてから初めての処理としてステップS11が行われ、これ以外の場合には正常動作時の処理としてステップS12〜S27が行われる。
まず、演出制御基板400は、電源投入が行われてから初めての処理として、遊技動作開始前における必要な初期設定を実行する(ステップS11)。
上記の初期設定処理が正常に終了した後、次に、RAM初期化処理(ステップS12)を行う。このRAM初期化処理では、前回のゲーム終了時においてメインRAM401bに記憶されていた所定のデータをクリアし、今回のゲームに必要なワークエリアを確保する。
次に、遊技状態フラグ生成処理を行う(ステップS13)。この遊技状態フラグ生成処理では、今回のゲームの遊技状態(ボーナス持越遊技、通常遊技、ボーナス遊技中等)に対応する遊技状態フラグを設定する。
次に、遊技メダル投入処理を行う(ステップS14)。この遊技メダル投入処理では、主に、遊技機本体に投入された遊技メダルの検出、クレジットの管理、再遊技の要求があった場合の遊技メダルの自動投入処理等を行い、遊技開始に要する規定枚数の遊技メダルが投入された否かの監視を行う。そして、上記規定枚数の遊技メダルが投入された場合には遊技開始条件を成立させ、この条件成立状態を保持したまま、回胴回転操作始動スイッチ11aからの操作検出信号が送られてくるのを待つ。
回胴回転操作始動スイッチ11aからの操作検出信号を受けると、主制御基板400は、カウンタ回路403のカウンタ値に基づき、内部抽選用乱数値を取得する(ステップS15)。
次に、内部抽選用乱数値に基づく内部抽選処理を行う(ステップS16)。この内部柄抽選処理では、主に、取得した内部抽選用乱数値と役抽選テーブルとに基づき、役に関する抽選を行う。以下に、内部抽選処理ついて詳細に説明する。
(1−2.内部抽選処理:図12)
図12は、ステップS16の内部抽選処理を示すフローチャートである。
図12において、まず主制御基板400は、ステップS13で設定した遊技状態フラグを取得し、現在の遊技状態を確認する(ステップS101)。
次に、遊技状態に応じた役抽選テーブルを選択し(ステップS102)、その役抽選テーブルと取得した内部抽選用乱数値とに基づいて、役の抽選を行う(ステップS103)。
次に、開始時フリーズ演出設定処理を行う(ステップS104)。この開始時フリーズ演出設定処理では、開始時フリーズ演出を行うか否かを判定し、その結果に基づき、開始時フリーズ演出発生に必要な設定を行う。
(1−2−1.開始時フリーズ演出設定処理:図13)
図13は、ステップS104の開始時フリーズ演出設定処理を示すフローチャートである。
図13において、まず、主制御基板400は、現在のボーナス持越遊技中である否かを判定する(ステップS111)。ボーナス持越遊技中でない場合(ステップS111:NO)、開始時フリーズ演出は行わないので、何もせずに開始時フリーズ演出設定処理を抜ける。一方、ボーナス持越遊技中である場合(ステップS111:YES)、次に、役の抽選結果に基づき、「純ハズレ」に当選したか否かを判定する(ステップS112)。
純ハズレに当選していない場合(ステップS112:NO)、開始時フリーズ演出は行わないので、何もせずに開始時フリーズ演出設定処理を抜ける。
一方、ボーナス「純ハズレ」に当選していた場合(ステップS112:YES)、開始時フリーズ演出発生条件が成立したとして「開始時フリーズフラグ」をセットし(ステップS113)、続いて演出制御コマンドとして「開始時フリーズコマンド」をセットする(ステップS114)。この開始時フリーズコマンドには、ボーナス開始演出の実行指示情報が含まれる。これにより、開始時フリーズ演出設定処理を抜ける。
図12に戻り、開始時フリーズ演出設定処理を終えると、次に停止後フリーズ演出設定処理を行う(ステップS105)。停止後フリーズ演出設定処理では、停止後フリーズ演出を行うか否かが判定し、その結果に基づき、停止後フリーズ演出発生に必要な設定を行う。
(1−2−2.停止後フリーズ演出設定処理:図14)
図14は、ステップS105の停止後フリーズ演出設定処理を示すフローチャートである。
図14において、まず主制御基板400は、役の抽選結果に基づき、チェリー役1〜4のいずれかに当選したか否かを判定する(ステップS121)。
チェリー役1〜4のいずれかに当選した場合(ステップS121:YES)、停止後フリーズ演出の発生条件の一部が成立したとして、第2停止後フリーズフラグをセットし(ステップS122)、停止後フリーズ演出設定処理を抜ける。一方、上記チェリー役1〜4に当選していない場合には、停止後フリーズ演出は行わないので、何もせずに停止後フリーズ演出設定処理を抜ける。
図12に戻り、停止後フリーズ演出設定処理を終えると、次に、上記役の抽選結果に基づいて当選データをセットする(ステップS106)。具体的には、図28Aおよび図28Bに示す当選データがセットされる。この当選データには、ハズレまたはいずれの役に当選したかを示す当選番号、当選フラグ、参照変更テーブル要求データが含まれる。「当選番号」は、ハズレおよび当選役種別を示すデータであり、8ビットパターン(図示せず)により管理される。「当選フラグ」と「参照変更テーブル要求データ」も同様に8ビットパターンにより管理される。
ここで、図29Aおよび図29Bを参照しながら、本発明の理解を容易なものとするために、主制御基板400側(マイクロコンピュータ401)が管理する主なデータについて説明しておく。以下では、最下位ビットから順に、第0(最下位ビット)、第2ビット、・・・第6ビット、第7ビット(最上位ビット)と称して説明する。なお、図29Aおよび図29Bの「ビット」の欄における「0」〜「7」の数字は、上述のビット番号を示している。
図29Aを参照して、「ボーナスフラグ」はボーナス当選フラグの持ち越し状態を管理するデータであり、このデータはボーナス役当選時に設定され、ボーナス遊技作動開始時にクリアされる。
「当選フラグ」は、当選フラグの成立状態を管理するデータであり、このデータは1ゲーム毎にクリアされる。この当選フラグの第1ビットは「丸図柄(緑丸/赤丸/黄丸)−丸図柄(緑丸/赤丸/黄丸)−丸図柄(緑丸/赤丸/黄丸)」に、第2ビットは「丸図柄(緑丸/赤丸/黄丸)−7図柄(緑7/赤7/青7)−7図柄(緑7/赤7/青7)」に、第3ビットは「ベル−ベル−ベル」に、第5ビットはリプレイ図柄に、第6ビットはチェリーに、第7ビットはボーナス図柄に対応し、第0ビットおよび4ビットは未使用となっている。このように簡易化してデータを管理する理由は、次の通りである。たとえばAT役1は、役種別としては1つの役として区分されているが、AT役1の当選により入賞が可能になる図柄の組合せ種は54種類存在している。換言すれば、AT役1は、54種類の役に重複当選する役といえる。この場合、54種類をすべて別個の当選フラグとして考え、当該当選フラグとこれに対応する図柄の組合せとを1対1として管理してしまうと、データ量が膨大になり制御の負担が増大してしまう。したがって、1つのフラグに対して複数の図柄の組合せを割り当てている場合、本実施形態の当選フラグのように、共通性を有する図柄種をグループ化して管理すると、データ量が削減され制御の負担を軽減することができるという利点があるからである。
上記の当選フラグが示すビットパターンを、ハズレ、AT役1〜27、順押ベル役1〜9を例にとって説明する。なお、図示はしていないが、ボーナス遊技中またはボーナス持越遊技中の場合には、当選フラグを修正する成立修正フラグが設けられている。この成立修正フラグに基づき、ボーナス遊技中やボーナス持越遊技中の場合の回胴の停止制御が変更される。
図28Aを参照すれば、「ハズレ」は「00000000B」となっており、いずれの当選フラグも成立状態とはなっていない。つまり、いずれの役に対応する図柄の組合せも許容されることはなく、遊技結果は「ハズレ」となることを示している。なお、「純ハズレ」時は、ボーナス当選フラグ成立状態下におけるハズレ当選となるので、ボーナス図柄が入賞する。またAT役1〜27は、当選フラグが「10000110B」となっており、第1ビット、第2ビット、第7ビットの当選フラグが成立状態となっている。つまり、「丸図柄−丸図柄−丸図柄」の組合せ、「丸図柄−7図柄−7図柄」の組合せ、ボーナス図柄の入賞が許容されることを示している。また、図28Bを参照すれば、順押ベル役1〜9および逆押ベル役1〜9は当選フラグが「00001010B」となっており、第1ビット、第3ビットの当選フラグが成立状態となっている。つまり、「丸図柄」−「丸図柄」−「丸図柄」の組合せ、「ベル」−「ベル」−「ベル」の組合せの入賞が許容されることを示している。
「参照変更テーブル要求データ」は、後述する停止用初期設定処理(ステップS17)で設定された初期設定時の停止テーブルを遊技の進行に従い、他の停止テーブルに変更要求の有無を管理するデータであり、このデータは1ゲーム毎にクリアされる。この参照変更テーブル要求データの第1ビットは変則押しをした場合における第1番目の回胴停止操作時(第1停止時)の7図柄の色が正解か否かを、第2ビットは第2回胴停止後に停止テーブルの変更を要求するか否かを、第3ビットは変則押し(2−1押し、3−1押し)をした場合の第2停止時に停止テーブルの変更を要求するか否かを、第4ビットは第1回胴停止後に停止テーブルの変更を要求するか否かを、第5ビットは第1停止回胴が右回胴5cの場合、その停止操作時に停止テーブルの変更を要求するか否かを、第7ビットは第1停止回胴が左回胴5aの場合、その停止操作時に停止テーブルの変更を要求するか否かを示し、第0ビットおよび第6ビットは未使用となっている。
「フリーズ演出用フラグ」は、フリーズ演出フラグの成立状態を管理するデータであり、1ゲーム毎にクリアされる。このフリーズ演出用フラグの第2ビットは開始時フリーズ演出フラグを、第3ビットは停止後フリーズフラグに対応する。
「入賞ラインデータ」は、各回胴の停止毎の図柄停止情報(各回胴において、いずれの入賞ライン上に如何なる図柄番号の図柄が停止したかに関する情報)を管理するデータであり、1ゲーム毎にクリアされる。この入賞ラインデータは12バイト分のデータ量からなる。
「イリーガル判定用データ」は、今回のゲームで入賞の可能性がある図柄の組合せに関する情報を管理するデータであり、具体的には、AT役1〜27または押し順ベル(順押ベル役1〜9または逆押ベル役1〜9)の当選時の第1停止回胴の停止後に設定されるデータであり、1ゲーム毎にクリアされる。このイリーガル判定用データは、後述する入賞判定処理(ステップS20)の誤入賞判定処理で用いられるデータであり、丸図柄の組合せまたは7図柄の組合せが色情報を含めた形態で管理されている。
上記イリーガル判定用データにおいて、第6ビットは7図柄を、第7ビットは丸図柄を示す。また第0ビットおよび第1ビットは右回胴5c用のデータ、第2ビットおよび第3ビットは中回胴5b用のデータ、第4ビットおよび第5ビットは左回胴5a用のデータに対応し、これらの2つのビット値が「01」であれば「緑」、「10」であれば「赤」、「11」であれば「黄(丸図柄の場合)」または「青(7図柄の場合)」を示す。これら8ビットパターンにより、丸図柄または7図柄の組合せが色情報を含めた形態で表現される。具体例を挙げて説明すると、たとえば、ビットパターンが「01011010B」であれば、まず第6ビットが「1」で第7ビットが「0」であるので「7図柄」を示し、続いて左回胴5aに対応する第4ビットおよび第5ビットが「01」であるので「緑」を示し、中回胴5bに対応する第2ビットおよび第3ビットが「10」であるので「赤」を示し、右回胴5cに対応する第0ビットおよび第1ビットが「10」であるので「赤」を示している。したがって、このビットパターンの場合は、「緑7」−「赤7」−「赤7」を示すものとなる。
「当り図柄フラグ1」は、最終的に有効入賞ライン上に停止した図柄の組合せ(全回胴停止後の図柄の組合せ)を管理するデータであり、このデータは1ゲーム毎にクリアされる。この当り図柄フラグ1の第1ビットは「丸図柄(緑丸/赤丸/黄丸)−丸図柄(緑丸/赤丸/黄丸)−丸図柄(緑丸/赤丸/黄丸)」に、第2ビットは「丸図柄(緑丸/赤丸/黄丸)−7図柄(緑7/赤7/青7)−7図柄(緑7/赤7/青7)」に、第3ビットは「ベル−ベル−ベル」に、第5ビットはリプレイ図柄に、第6ビットはチェリーに、第7ビットはボーナス図柄に対応し、第0ビットおよび4ビットは未使用となっている。この当り図柄フラグ1は、上述した当選フラグと同じように簡易化したデータとなっている。
「当り図柄フラグ2」は、最終的に有効入賞ライン上に停止した図柄の組合せ(全回胴停止後の図柄の組合せ)を管理するデータであり、このデータは1ゲーム毎にクリアされる。この当り図柄フラグ2は、上述したイリーガル判定用データと同じ構成、つまり丸図柄の組合せまたは7図柄の組合せが色情報を含めた形態で管理され、第6ビットは7図柄を、第7ビットは丸図柄を示し、第0ビットおよび第1ビットは右回胴5c用のデータ、第2ビットおよび第3ビットは中回胴5b用のデータ、第4ビットおよび第5ビットは左回胴5a用のデータに対応し、これらの2つのビット値が「01」であれば「緑」、「10」であれば「赤」、「11」であれば「黄」または「青」を示す。
再び、図12の説明に戻り、ステップS106の当選データの設定処理を終えると、次に、演出制御コマンドとして「遊技開始コマンド」をセットし(ステップS107)、これにより、内部抽選処理を抜ける。この遊技開始コマンドには、当選役に関する情報(抽選結果情報)や現在の遊技状態(通常遊技中、ボーナス持越遊技中、ボーナス遊技中、ボーナス開始中、ボーナス終了中等)情報が含まれる。
再び図11の説明に戻り、ステップS16の内部抽選処理を終えると、次に、停止用初期設定処理を行う(ステップS17)。この停止用初期設定処理では、ステップS16の内部抽選処理で得られた結果と図30Aおよび図30Bに示す初期設定テーブルとに基づき、回胴回転始動時の停止テーブル(以下、「初期停止テーブル」と称する)を設定する。
具体的には、たとえば、「AT役1」の場合(図30Aの「AT役1」の欄参照)、初期停止テーブルとして、左回胴5a用の停止テーブルには停止テーブル番号3−0(左回胴緑7図柄引き込み用停止テーブル)が、中回胴5b用の停止テーブルには停止テーブル番号1−2(全7引き込み用停止テーブル)が、右回胴5c用の停止テーブルには停止テーブル番号1−2(全7引き込み用停止テーブル)が、それぞれ設定される。ハズレおよび各役についても同様に各回胴に対応した停止テーブルが初期停止テーブルとして設定される。ただし、ボーナス遊技中またはボーナス持越遊技中のハズレ(純ハズレ)の場合には、特別に図30Bに示す初期停止テーブルが設定される。詳細は後述するが、この初期停止テーブルは、回胴の停止操作手順に従い上記参照変更要求データが参照され、順次変更される可能性があるものである。
次に、回胴回転始動時の設定処理(回胴回転開始設定処理)を行う(ステップS18)。この回胴回転開始設定処理では、各回胴5a、5b、5cの回転を開始時に必要となるデータが設定される。以下に、回胴回転開始設定処理ついて詳細に説明する。
(1−3.回胴回転開始設定処理:図15)
図15は、ステップS18の回胴回転開始設定処理を示すフローチャートである。
図15において、まず主制御基板400は、遊技開始ウェイトタイマが0であるか否かを確認し(ステップS201)、遊技開始ウェイトタイマが0でない場合、当該タイマが0になるまで待つ(ステップS201:NO)。この遊技開始ウェイトタイマは1ゲームの遊技時間を規制するためのタイマであり、後述のステップS205の処理で設定される。これにより、1ゲームに要する時間が最短でも4.1秒となるようになっている。
遊技開始ウェイトタイマが0である場合には(ステップS202:YES)、次に、開始時フリーズフラグがON(設定状態)であるか否かを判定する(ステップS202)。
開始時フリーズフラグがONでない場合(ステップS202:NO)、開始時フリーズ演出を行わないので、何もせずにS205の処理に進む。一方、開始時フリーズフラグがONである場合(ステップS202:YES)、開始時フリーズ演出の時間幅である開始時ウェイト時間をセットし(ステップS203)、その時間が経過するまで待つ(ステップS204)。これにより、回胴回転始動時に回胴の回転を一時的に不回転状態に置くフリーズ演出が発生する。なお、上記開始時ウェイト時間は、開始時フリーズ演出と共に発生するボーナス開始演出と同じ時間幅(たとえば、5秒)であることが好ましいが、特に制限されず、フリーズ演出が発生することにより違和感を与えることができる時間であれば良い。
次に、ステップS205の処理に進み、主制御基板400は、回胴回転始動時に必要となるデータを設定する。ここでは、遊技開始ウェイトタイマを4.1秒にセットしたり、回胴の回転状態を示す回胴状態フラグを全回胴回転中にセットしたり、演出制御コマンドとして回胴回転始動レバー11が操作された旨を示す「回転開始コマンド」をセットしたりする。これにより、回胴回転開始設定処理を終了する。
再び図11に戻り、ステップS18の回胴回転開始設定処理を終えると、続いて回胴停止処理を行う(ステップS19)。この回胴停止処理では、回胴の停止操作が行われた場合、停止テーブルに基づいて、その回胴を目的の位置に停止させるための処理を行う。
(1−4.回胴停止処理:図16)
図16は、ステップS18の回胴停止処理を示すフローチャートである。
この回胴停止処理において、後述のステップS304の図柄停止制御処理およびステップS307の参照停止テーブル変更処理においては、内部抽選処理(図12のステップS106)で設定される参照変更テーブル要求データ(当選データ:図28Aおよび図28Bの「参照変更テーブル要求データ」の欄参照)にチェンジ要求があるか否かに応じて処理ルートが異なる。端的にいえば、上記設定時の参照変更テーブル要求データにいずれのチェンジ要求がない当選役(リプレイ役1〜2、チャンス役、ベル役(押し順不問ベル)、チェリー役1〜4、およびハズレについては、初期停止テーブルに基づく回胴の停止制御が行われ、参照変更テーブル要求データにいずれかのチェンジ要求がある当選役(AT役1〜27および押し順ベル(以下、順押ベル役1〜9や逆押ベル役1〜9のように押し順が規定されたベル役を総称して「押し順ベル」と称する場合がある)については、初期停止テーブルが停止操作手順に従い所定の停止テーブルに変更され、変更後の停止テーブルに基づいて回胴の停止制御が行われる。
すなわち、上記チェンジ要求がない当選役(リプレイ役1〜2、チャンス役、ベル役(押し順不問ベル)、チェリー役1〜4、およびハズレ)については、ステップS304の図柄停止制御処理およびステップS307の参照停止テーブル変更処理を何もせずに抜けて、全回胴が停止するまでステップS301〜S310の処理を繰り返し行うことになる。しかし、上記のチェンジ要求がある役(AT役1〜27および押し順ベル)については、ステップS304の図柄停止制御処理およびステップS307の参照停止テーブル変更処理において、初期停止テーブルから停止操作手順に従い所定の停止テーブルに変更されていくことになる。
したがって、以下では、説明の便宜上、上記のチェンジ要求がない当選役についての説明は省略する。また、以下では、本発明と係りの深い通常遊技中(ボーナス持越遊技中を含む)の回胴停止処理について説明し、図示しないボーナス遊技中の回胴停止処理についての説明は省略する。
図16おいて、まず主制御基板400は、有効な回胴回転停止ボタン12の操作があったか否かを判定する(ステップS301)。本実施形態では、回胴回転始動レバー11が操作されて各回胴が回転された後、すべての回胴が概ね一定の回転速度になった場合、回転している回胴に対応する回胴回転停止ボタン12についての操作が受け付け可能な状態となるように構成されている。このため回胴回転停止ボタン12の操作は、その操作が受け付け可能な状態にある場合にのみ有効となり、受け付け可能な状態にない場合には、仮に遊技者により回胴回転停止ボタン12が操作されても無効な操作として扱われる。以下、第1停止操作時、第2停止操作時、および第3停止操作時に場合分けをしながら説明する。
(第1停止操作時)
有効な停止操作があった場合(ステップS301:YES)、続いて停止準備データをセットする(ステップS302)。この停止準備データは、押し順を示すデータ(停止操作順データ)、現在停止している回胴数を示すデータ(停止回胴数データ(本例では、第1停止操作時であるので、停止回胴数は0個となる))、停止操作対象となる回胴を示すデータ(停止対象回胴データ)、停止間隔タイマ(引き込み制御下で回胴が完全に停止するのに要する余裕時間を含めた時間(たとえば、213ms))等がセットされる。
次に、演出制御コマンドとして停止情報受付コマンドをセットする(ステップS303)。この停止情報受付コマンドには、上記の停止操作順データ、停止回胴数データ、および停止対象回胴データに関する情報が含まれる。
次に、図柄停止制御処理を行う(ステップS304)。この図柄停止制御処理では、主に、参照変更テーブル要求データに基づいて目的とする停止テーブルに変更する処理を行う。以下、図柄停止制御処理について詳細に説明する。
(1−4−1.図柄停止制御処理(第1停止操作時:第1停止回胴停止前):図17Aおよび図17B)
図17Aおよび図17Bは、ステップS304の図柄停止制御処理を示すフローチャートである。
図17Aにおいて、まず主制御基板400は、内部抽選処理(ステップS16)で設定される参照変更テーブル要求データを取得する(ステップS321)。
次に、取得した参照変更テーブル要求データを参照し、「第1停止前チェンジ要求」があるか否かを判定する(ステップS322)。ここでは、参照変更テーブル要求データの第5ビット(右第1停止前チェンジ要求:図29A参照)または第7ビット(左第1停止前チェンジ要求:図29A参照)が設定状態であるか否かが確認される。そして、「第1停止前チェンジ要求」があるか否かで、処理ルートが分岐する。以下では、ステップS324〜S326の処理を辿るルートを「処理ルートA」と称し、ステップS327〜S332の処理を辿るルートを「処理ルートB」と称する。
ここで、「第1停止前チェンジ要求」があるのは、当選役がAT役1〜27または押し順ベルの場合である。ここでは、第1停止操作時について述べているので、これらの役に当選した場合には、この処理ルートAを辿ることになる。しかし、後に述べる第2停止操作時には、ステップS323の判定結果が‘NO’となり(ステップS324の処理で「第1停止前チェンジ要求ビット」がクリアされているため)、処理ルートBを辿ることになる。つまり、処理ルートAには、AT役1〜27または押し順ベルの第1停止操作時に辿る処理ルートとなる。したがって、ここでは処理ルートAについて説明し、処理ルートBについては、第2停止操作時の説明に譲る。
(処理ルートA:ステップS324〜S326)
第1停止前チェンジ要求がある場合(ステップS323:YES)、第1停止前チェンジ要求ビットをクリアする(ステップS324)。
次に、当選データに基づき当選役の種別を判定し(ステップS325)、第1停止前当選役別停止テーブル変更処理(ステップS326)に入る。
(1−4−1(イ).第1停止前当選役別停止テーブル変更処理:図18)
図18は、ステップS326の第1停止前当選役別停止テーブル変更処理を示すフローチャートである。
図18において、まず主制御基板400は、ステップS326の判定結果が「AT役1〜27」であるか「押し順ベル」であるかどうかにより、処理ルートを分岐させる(ステップS341)。
(押し順ベルの場合)
ステップS325の処理の判定結果が「押し順ベル」である場合、規定された押し順(たとえば、順押ベル役ならば、順押し)と一致するか否かを判定し(ステップS342)、押し順が一致していない場合(ステップS343:NO)、つまり押し順不正解の場合には、何もせずに第1停止前当選役別停止テーブル変更処理を抜ける。したがって、ここでは、初期設定テーブルが維持されることになり、停止操作タイミングに応じて、3色の丸図柄のうちいずれかが停止する(停止テーブル番号2−0(‘全丸引き込み用’停止テーブル)による停止制御)。
一方、押し順が一致した場合(ステップS343:YES)、つまり押し順が正解した場合には、参照変更テーブル要求データをクリアし(参照変更テーブル要求データを「0000000B」にする)(ステップS344)、今回、参照する停止テーブルを変更する(ステップS345)。
図31を参照しながら、上述のステップS345の処理について具体的に説明する。ここでは、順押ベル役1を例にとって説明し、他の押し順ベル(順押ベル役2〜9、逆押ベル役1〜9)についての説明は、重複記載を避けるため省略する。
順押ベル役1の場合には初期停止テーブルとして、全回胴に対して停止テーブル番号2−0(全丸引き込み用停止テーブル)が設定されている(図30B参照)。
本処理では、この設定されている停止テーブルを、図31に示す「第1停止前順押ベル役押し順正解時変更テーブル」に基づいて、所定の停止テーブルに変更する。具体的には、全回胴に対する停止テーブルを「停止テーブル番号1−0(ベル引き込み用停止テーブル)」に変更する。なお、押し順正解時の場合には、ステップS344の処理で参照変更テーブル要求データがクリアされているので、以後、停止テーブルの変更要求はない。したがって、第2停止操作時および第3停止操作時共に、全回胴が停止テーブル番号1−0の下で停止制御が行われることになる。これにより、停止操作タイミングにかかわらず、「ベル」−「ベル」−「ベル」の図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止することになる(図中、「入賞可能図柄」の欄参照。なお図には、第1停止回胴(本例では左回胴)が停止したものとして表記してある)。
このようにして他の押し順ベルも同様に、図31の第1停止前順押ベル役押し順正解時変更テーブルに基づいて所定の停止テーブルに変更する。そして、ステップS345の処理を終えると、第1停止前当選役別停止テーブル変更処理を抜けて図17BのステップS333の処理に進む。
(AT役の場合)
ステップS325の処理の判定結果が「AT役(AT役1〜27)」である場合、次に、押し順を判定する(ステップS346)。このとき、第1停止回胴が左回胴5aでない場合、つまり変則押しの場合(ステップS347:NO)、何もせずに第1停止前当選役別停止テーブル変更処理を抜ける。したがって、ここでは、初期設定テーブルが維持されることになり、停止操作タイミングに応じて、3色の7図柄のうちいずれかが停止する(停止テーブル番号1−2(‘全7引き込み用’停止テーブル)による停止制御)。
一方、第1停止回胴が左回胴5aである場合(ステップS347:YES)、つまり順押しの場合、参照変更テーブル要求データをクリアし(ステップS348)、今回、参照する停止テーブルを変更する(ステップS349)。
図32を参照しながら、ステップS349の処理について具体的に説明する。ここでは、AT役1を例にとって説明し、他のAT役(AT役2〜27)についての説明は、重複記載を避けるため省略する。
AT役1の場合には初期停止テーブルとして、左回胴5a用の停止テーブルには停止テーブル番号3−0(左回胴緑7図柄引き込み用停止テーブル)が、中回胴5b用の停止テーブルには停止テーブル番号1−2(全7引き込み用停止テーブル)が、右回胴5c用の停止テーブルには停止テーブル番号1−2(全7引き込み用停止テーブル)が設定されている。
本処理では、この設定されている停止テーブルを、図32に示す「第1停止前AT役順押し時変更テーブル」に基づいて、所定の停止テーブルに変更する。具体的には、全回胴に対する停止テーブルを、停止テーブル番号2−0(全丸引き込み用停止テーブル)に変更する。なお、順押しの場合には、ステップS348の処理で参照変更テーブル要求データがクリアされているので、以後、停止テーブルの変更要求はない。したがって、第2停止操作時および第3停止操作時共に、全回胴が停止テーブル番号2−0の下で停止制御が行われることになる。これにより、停止操作タイミングに応じて「緑丸/赤丸/黄丸」−「緑丸/赤丸/黄丸」−「緑丸/赤丸/黄丸」の27種類の図柄の組合せのいずれかが有効入賞ライン上に停止することになる(図中、「入賞可能図柄」の欄参照。なお図には、第1停止回胴(本例では左回胴)が停止したものとして表記してある)。
このようにして他のAT役(AT役2〜27)も同様に、図32の第1停止前AT役順押し時変更テーブルに基づいて所定の停止テーブルに変更する。そして、ステップS349の処理を終えると、第1停止前当選役別停止テーブル変更処理を抜けて図17BのステップS333の処理に進む。
図17Bに戻り、第1停止前当選役別停止テーブル変更処理を終えると、次に、停止対象となる回胴に対応した停止テーブルを取得し(ステップS333)、停止操作位置に基づく滑りコマ数を算出しセットする(ステップS334)。
次に、ステップS334の処理で算出された滑りコマ数が消化されてゼロになったか否かを監視し、上記の滑りコマ数分、回胴が移動するまで待つ(ステップS335)。滑りコマ数だけ回胴が滑ることにより、滑りコマ数がゼロになったと判定された場合(ステップS335:YES)、停止対象となった回胴の停止指令フラグをセットする(ステップS336)。
そして、停止位置に基づいて、図柄停止情報を作成し、メインRAM401bの所定のバッファ(図29Aの入賞ラインデータに該当)に格納する(ステップS337)。これにより、図柄停止制御処理を抜ける。
再び図16に戻り、次に、演出制御コマンドとして「停止結果情報コマンド」をセットする(ステップS305)。停止結果情報コマンドには、上記図柄停止情報が含まれる。
次に、イリーガル判定用データ設定処理を行う(ステップS306)。以下、イリーガル判定用データ設定処理について詳細に説明する。
(1−4−2.イリーガル判定用データ設定処理(第1停止操作時:第1停止回胴停止後):図19)
先ず、イリーガル判定用データ設定処理の概要について説明しておく。このイリーガル判定用データ設定処理では、後述する入賞判定処理(ステップS20)の誤入賞判定処理において用いられる‘イリーガル判定用データ(図29B参照)’を設定する。具体的には、全回胴停止前に、今回のゲームで有効入賞ライン上に停止する図柄の組合せ(入賞の可能性がある図柄の組合せ)を予測し、その予測した図柄の組合せに関する情報をメインRAM401bの所定のバッファ(図29Bのイリーガル判定用データに該当)に格納する。このように、上記予測した図柄の組合せに関する情報をあらかじめ記憶しておく理由は次の通りである。
1回の抽選により、1または複数種類の役に当選し、当該ゲームにおいて入賞となる図柄の組合せが複数種類許容される場合、従来のように、その複数種類の図柄の組合せと実際に停止した図柄の組合せとを逐一照合して誤入賞であるか否かの判定を行うとすれば、誤入賞に関する判定データが膨大になる上、これに伴い制御負担が著しく増加してしまう。
そこで本発明では、上記のような役に当選した場合、全回胴停止前に入賞の可能性がある図柄の組合せがある程度絞られた段階で、入賞の可能性がある図柄の組合せ(遊技結果として導出表示されることが予測される図柄の組合せに関する図柄情報)に関する情報を記憶する一方、入賞の可能性がない図柄の組合せ(遊技結果として導出表示されない図柄の組合せに関する図柄情報)に関する情報は記憶しないようにし、誤入賞判定の際、当該記憶した情報と全回胴停止後の図柄の組合せに関する情報とを照合して、誤入賞であるか否かの判定を行うようにしている。このようにすれば、入賞の可能性がない図柄の組合せに対して誤入賞の判定を行う必要がなくなり、誤入賞の判定を行う際に必要とするデータ量を削減することができるので、制御負担を軽減することができるようになる。
本実施形態では、上記のように、当選ゲームにおいて入賞となる図柄の組合せを複数種類許容する役として、押し順ベル(順押ベル役1〜9、逆押ベル役1〜9)やAT役1〜27が設けられている。これらの役は、既に説明したように、当選により許容される複数種類の図柄の組合せが停止制御手段により遊技結果として導出表示される(有効入賞ライン上に停止させる)ための停止操作手順がそれぞれ割り当てられており、それ故、停止操作手順、具体的には、押し順および停止回胴の停止位置の少なくともいずれか一方に基づいて、今回のゲームで入賞の可能性がある図柄の組合せを全回胴停止前に予測することができるようになっている。
押し順ベルに関し入賞となる図柄の組合せを大別すると、押し順が‘正解’の場合(順押ベル役1〜9については第1停止回胴が左回胴5aの場合、逆押ベル役1〜9については第1停止回胴が右回胴5cの場合)には「ベル−ベル−ベル」が有効入賞ライン上に必ず停止し、押し順が‘不正解’の場合(順押ベル役1〜9については第1停止回胴が左回胴5a以外の場合、逆押ベル役1〜9については第1停止回胴が右回胴5c以外の場合)には停止操作タイミングに応じて「丸図柄(緑丸/赤丸/黄丸)−丸図柄(緑丸/赤丸/黄丸)−丸図柄(緑丸/赤丸/黄丸)」のうちいずれかの丸図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止可能となる。ここで、上述の押し順が‘不正解’の場合に入賞が許容される丸図柄の組合せについては、各押し順ベルごとに定められており(図6Bおよび図6C参照)、第1停止回胴の停止後、当該回胴の有効入賞ライン上に停止した丸図柄の種類(緑丸、赤丸、または黄丸)により、入賞となる図柄の組合せが定まるようになっている。つまり、本実施形態の押し順ベルは、第1停止回胴の有効入賞ライン上に停止した図柄の種類に応じて、今回のゲームで入賞の可能性がある図柄の組合せが一意的に定まることを意味する。
そこで、押し順ベルに関しては、押し順が不正解の場合に各押し順ベルごとに定められた図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止可能となることに着目し、第1停止回胴の有効入賞ライン上に停止した丸図柄の種類(緑丸、赤丸、黄丸)に基づいて、今回のゲームで入賞の可能性がある図柄の組合せを予測し、その予測した図柄の組合せに関する情報をイリーガル判定用データとして記憶し、その他の図柄の組合せ、つまり入賞の可能性がない図柄の組合せに関する情報は記憶しないようにしている。
順押ベル役1を代表的に説明すれば、順押ベル役1は、押し順が不正解の場合に入賞となる図柄の組合せとして、「緑丸」−「緑丸」−「緑丸」または「緑丸」−「赤丸」−「赤丸」あるいは「緑丸」−「黄丸」−「黄丸」の計3種の図柄の組合せ定められており(図6Bの「順押ベル役1」の欄参照)、いずれの図柄の組合せが入賞するかどうかは、第1停止回胴の有効入賞ライン上に停止した丸図柄の種類により定まる。たとえば、第1停止回胴が中回胴5bである場合、その有効入賞ライン上に停止した丸図柄が「赤色」であれば、今回のゲームで入賞の可能性がある図柄の組合せは「緑丸」−「赤丸」−「赤丸」であると予測することができる。したがって、このケースでは、「緑丸」−「赤丸」−「赤丸」に関する情報を上記イリーガル判定用データとして記憶し、その他の「緑丸」−「赤丸」−「赤丸」と「緑丸」−「黄丸」−「黄丸」に関する情報は記憶しないようにしている。
また、AT役に関し入賞となる図柄の組合せを大別すると、順押しの場合には「丸図柄(緑丸/赤丸/黄丸)−丸図柄(緑丸/赤丸/黄丸)−丸図柄(緑丸/赤丸/黄丸)」が有効入賞ライン上に必ず停止し、変則押しの場合には「丸図柄(緑丸/赤丸/黄丸)−7図柄(緑7/赤7/青7)−7図柄(緑7/赤7/青7)」のうちいずれかの図柄の組合せか、またはボーナス図柄が有効入賞ライン上に停止可能となる。ここで、今回のゲームで入賞が許容されるボーナス図柄については、各AT役に対応する固有のボーナス図柄が定められている(図6Aおよび図6B参照)。
そこで、AT役に関しては、各AT役固有のボーナス図柄が有効入賞ライン上に停止可能となることに着目し、変則押しの場合には、当選したAT役に対応するボーナス図柄に関する情報をイリーガル判定用データとして記憶し、その他の図柄の組合せに関する情報は記憶しないようになっている。
AT役1を代表的に説明すれば、AT役1の当選により、今回のゲームで入賞が許容されるボーナス図柄は「緑7」−「赤7」−「赤7」である(図6Aの「AT役1」の欄参照)。したがって、この「緑7」−「赤7」−「赤7」関する情報を上記イリーガル判定用データとして記憶し、その他の図柄の組合せに関する情報は記憶しないようになっている。
以下に、イリーガル判定用データ設定処理について詳細に説明する。図19は、ステップS306のイリーガル判定用データ設定処理を示すフローチャートである。
図19において、まず主制御基板400は、参照変更テーブル要求データを取得する(ステップS401)。
次に、取得した参照変更テーブル要求データを参照し、「第1停止後チェンジ要求」があるか否かを判定する(ステップS402)。ここでは、参照変更テーブル要求データの第4ビット(第1停止後チェンジ要求:図29A参照)が設定状態であるか否かが確認される。
ここで、「第1停止後チェンジ要求」がある場合は、押し順ベル(順押ベル役1〜9または逆押ベル役1〜9)の押し順が「不正解」の場合か、またはAT役1〜27における押し順が「変則押し」の場合である。ここでは第1停止操作時について述べているので、上記以外では、「第1停止後チェンジ要求」はない。これは、押し順ベルにおける押し順が「正解」、またはAT役1〜27における押し順が「順押し」ならば、図18の第1停止前当選役別停止テーブル変更処理のステップS344またはS348の処理で「参照変更テーブル要求データ」がクリアされているためである。
「第1停止後チェンジ要求」がない場合、つまり押し順ベル(順押ベル役1〜9または逆押ベル役1〜9)の押し順「正解」の場合、またはAT役1〜27における押し順が「順押し」の場合(ステップS403:NO)、イリーガル判定用データには何もセットせずにイリーガル判定用データ設定処理を抜ける。この場合には、イリーガル判定用データとして、「00000000B」がセットされていることになる。
一方、「第1停止後チェンジ要求」がある場合、つまり押し順ベル(順押ベル役1〜9または逆押ベル役1〜9)の押し順「不正解」の場合、またはAT役1〜27における押し順が「変則押し」の場合(ステップS403:YES)、次に、当選データに基づき当選役の種別を判定し(ステップS404)、ステップS404の処理の判定結果が「AT役1〜27」であるか「押し順ベル」であるかどうかにより、処理ルートを分岐させる(ステップS405)。
(押し順ベルの場合)
ステップS405の処理の判定結果が「押し順ベル」である場合、当選役種別(当選番号36〜53)と第1停止回胴の有効入賞ライン上に停止した丸図柄の種類(丸図柄の色)とに基づき、イリーガル判定用データをセットする(ステップS406)。具体的には、図42〜図44のイリーガル判定用データセットテーブルに基づき、イリーガル判定用データをセットする。これらのイリーガル判定用データセットテーブルには、当選役(当選番号)と第1停止回胴の有効入賞ライン上に停止した丸図柄の色とに応じたイリーガル判定用データが定められている。図42は第1停止回胴が左回胴5aである場合に参照される「第1停止左回胴イリーガル判定用データセットテーブル」、図43は第1停止回胴が中回胴5bである場合に参照される「第1停止中回胴イリーガル判定用データセットテーブル」、図44は第1停止回胴が右回胴5cである場合に参照される「第1停止右回胴イリーガル判定用データセットテーブル」である。なお、図には説明の便宜上、押し順が正解の場合についても表記してある(押し順が正解の場合のイリーガル判定用データは、上記ステップS403の判定結果がYESの箇所で説明したように、「00000000B」となる)。
たとえば、当選役が順押ベル役1(当選番号36)の場合、押し順が「不正解」となるのは、第1停止回胴が中回胴5bの場合か、または右回胴5cの場合である。したがって、第1停止回胴が中回胴5bである場合には図43の第1停止中回胴イリーガル判定用データセットテーブルを選択し、たとえば、当該回胴の有効入賞ライン上に停止した丸図柄の色が「赤色」である場合には、予測される入賞図柄の組合せ‘「緑丸」−「赤丸」−「赤丸」’であることを示すイリーガル判定用データ「10011010B」がセットされる。他の押し順ベルについても同様に、対応するイリーガル判定用データがセットされる。
(AT役の場合)
ステップS405の処理の判定結果が「AT役」である場合、当選したAT役(当選番号1〜27)に応じたイリーガル判定用データをセットする(ステップS407)。具体的には、図45のAT役変則押しイリーガル判定用データセットテーブルに基づき、イリーガル判定用データをセットする。上記AT役変則押しイリーガル判定用データセットテーブルには、当選番号に応じたイリーガル判定用データが定められている。
たとえば、当選役がAT役1(当選番号1)の場合、予想されるボーナス図柄の組合せ「緑7」−「赤7」−「赤7」であることを示すイリーガル判定用データ「01011010B」がセットされる。他のAT役についても同様に、対応するイリーガル判定用データがセットされる。
上記のステップS406またはS407の処理を終えると、イリーガル判定用データ設定処理を抜ける。
以上では、たとえば、押し順ベルは、第1停止回胴の有効入賞ライン上に停止した図柄の種類に応じて、今回のゲームで入賞の可能性がある図柄の組合せが一意的に定まる例について説明した。しかしこれに限らず、入賞の可能性がある図柄の組合せが全回胴停止前に一意的に定めることができない場合であっても、入賞の可能性がある図柄の組合せがある程度絞られた段階で(たとえば、回胴回転時にN(Nは自然数)種類の図柄の組合せがあったとして、回胴を順次停止してく段階で、M(Mは自然数)種類(N>M)の図柄の組合せに絞られた段階)、入賞の可能性がない図柄の組合せに関する情報を記憶しないようにすることにより、その分、当該図柄の組合せに対して誤入賞の判定を行う必要がなくなる。つまり、誤入賞の判定の際に必要とするデータ量を削減することができる。この場合には、たとえば、5種類から2種類の図柄の組合せに絞ることができた段階で、その2種類分に対応する図柄の組合せに関するイリーガル判定用データを設定するように構成しても良い。
イリーガル判定用データ設定処理を終えると、次に、図16の参照停止テーブル変更処理を行う(ステップS307)。この参照停止テーブル変更処理では、主に、停止した回胴の停止位置と参照変更テーブル要求データとに基づいて目的とする停止テーブルに変更する処理を行う。以下、参照停止テーブル変更処理について詳細に説明する。
(1−4−3.参照停止テーブル変更処理(第1停止操作時:第1停止回胴停止後):図20)
図20は、ステップS307の参照停止テーブル変更処理を示すフローチャートである。
図20において、まず主制御基板400は、参照変更テーブル要求データを取得する(ステップS351)。
次に、取得した参照変更テーブル要求データを参照し、「第1停止後チェンジ要求」があるか否かを判定する(ステップS352)。ここでは、参照変更テーブル要求データの第4ビット(第1停止後チェンジ要求:図29A参照)が設定状態であるか否かが確認される。そして、「第1停止後チェンジ要求」があるか否かで、処理ルートが分岐する。以下では、ステップS354〜S356の処理を辿るルートを「処理ルートC」と称し、ステップS357〜S362の処理を辿るルートを「処理ルートD」と称する。
既に説明したように、「第1停止後チェンジ要求」がある場合は、押し順ベル(順押ベル役1〜9または逆押ベル役1〜9)の押し順が「不正解」の場合か、またはAT役1〜27における押し順が「変則押し」の場合である。ここでは第1停止操作時について述べているので、上記以外では、「第1停止後チェンジ要求」はない。これは、押し順ベルにおける押し順が「正解」、またはAT役1〜27における押し順が「順押し」ならば、図18の第1停止前当選役別停止テーブル変更処理のステップS344またはS348の処理で「参照変更テーブル要求データ」がクリアされているためである。つまり、処理ルートCには、押し順ベルにおける押し順が「不正解」の場合の第1停止回胴停止後、またはAT役1〜27における押し順が「変則押し」の場合の第1停止回胴停止後に辿る処理ルートになる。ここでは処理ルートCについて説明し、処理ルートDについては、第2停止操作時の説明に譲る。
(処理ルートC:ステップS354〜S356)
第1停止後チェンジ要求がある場合(ステップS353:YES)、第1停止後チェンジ要求ビットをクリアする(ステップS354)。
次に、当選データに基づき当選役の種別を判定し(ステップS355)、第1停止後当選役別停止テーブル変更処理(ステップS356)に入る。
(1−4−3(イ).第1停止後当選役別停止テーブル変更処理:図21)
図21は、ステップS356の第1停止後当選役別停止テーブル変更処理を示すフローチャートである。
図21において、まず主制御基板400は、ステップS355の処理の判定結果が「AT役1〜27」であるか「押し順ベル」であるかどうかにより、処理ルートを分岐させる(ステップS371)。
(押し順ベルの場合)
ステップS355の処理の判定結果が「押し順ベル」である場合、第2停止操作時に参照する停止テーブルを第1停止回胴の停止位置、具体的には、その回胴の有効入賞ライン上に停止した丸図柄の色に応じて変更する(ステップS372)。
図33〜図36を参照しながら、上述のステップS372の処理について具体的に説明する。ここでは、順押ベル役1を例にとって説明し、他の押し順ベル(順押ベル役2〜9、逆押ベル役1〜9)についての説明は、重複記載を避けるため省略する。
順押ベル役1の場合には初期停止テーブルとして、全回胴に対して停止テーブル番号2−0(全丸引き込み用停止テーブル)が設定されている(図30B参照)。
たとえば、第1停止回胴が中回胴5bであった場合、図33に示す「第1停止後順押ベル役押し順不正解時変更テーブル1を参照し、その中回胴5bにおける有効入賞ライン上に停止した丸図柄の色に応じて、停止テーブルを変更する。なお、図33の「第1停止後順押ベル役押し順不正解時変更テーブル1」は、第1停止回胴が中回胴5bである場合に用いられ、図34の「第1停止後順押ベル役押し順不正解時変更テーブル2」は、第1停止回胴が右回胴5cである場合に用いられるものである。また、図35および図36に示す「第1停止後逆押ベル役押し順不正解時変更テーブル1〜2」については、逆押ベル役1〜9の場合に用いられるものである。
第1停止回胴が中回胴5bであった場合、その有効入賞ライン上に「緑丸」が停止した場合には、左回胴5a用の停止テーブルを停止テーブル番号4−0(緑丸図柄引き込み用停止テーブル)に変更し、右回胴5c用の停止テーブルを停止テーブル番号4−0(緑丸図柄引き込み用停止テーブル)に変更する。このとき、入賞の可能性がある図柄は、「緑丸−緑丸−緑丸」である(図33の「入賞可能図柄」の欄参照)。また「赤丸」が停止した場合には、左回胴5a用の停止テーブルを停止テーブル番号4−0(緑丸図柄引き込み用停止テーブル)に変更し、右回胴5c用の停止テーブルを停止テーブル番号4−1(赤丸図柄引き込み用停止テーブル)に変更する。このとき、入賞の可能性がある図柄は、「緑丸−赤丸−赤丸」である(図33の「入賞可能図柄」の欄参照)。また「黄丸」が停止した場合には、左回胴5a用の停止テーブルを停止テーブル番号4−0(緑丸図柄引き込み用停止テーブル)に変更し、右回胴5c用の停止テーブルを停止テーブル番号4−2(黄丸図柄引き込み用停止テーブル)に変更する。このとき、入賞の可能性がある図柄は、「緑丸−黄丸−黄丸」である(図33の「入賞可能図柄」の欄参照)。
このように、第1停止回胴の有効入賞ライン上に停止した丸図柄の色に応じ、図33〜図36の押し順不正解時変更テーブルに基づいて所定の停止テーブルに変更する。そして、ステップS372の処理を終えると、第1停止後当選役別停止テーブル変更処理抜けて、これにより、参照停止テーブル変更処理を抜ける。
(AT役の場合)
ステップS355の処理の判定結果が「AT役(AT役1〜27)」である場合、次に、第1停止回胴の有効入賞ライン上に停止した7図柄の色が正解であるか否かを判定する(ステップS373)。
7図柄の色が正解の場合(ステップS373:YES)、参照変更テーブル要求データに、第1停止変則押し7図柄色正解フラグをセットし(ステップS375)、第1停止後当選役別停止テーブル変更処理抜けて、これにより、参照停止テーブル変更処理を抜ける。
一方、7図柄の色が不正解の場合(ステップS373:NO)、第2停止操作時に参照される停止テーブルを、図37に示す「第1停止後AT役変則押し時変更テーブル」に基づいて変更する(ステップS374)。ここでは、変則押し時の第1停止回胴停止後を述べているので、第1停止回胴が中回胴5bならば左回胴5aと右回胴5c用の停止テーブルが変更され、第1停止回胴が右回胴5cならば左回胴5aと中回胴5b用の停止テーブルが変更される。
図37を参照しながら、ステップS374の処理について具体的に説明する。ここでは、AT役1を例にとって説明し、他のAT役(AT役2〜27)についての説明は、重複記載を避けるため省略する。
AT役1の場合には初期停止テーブルとして、左回胴5a用の停止テーブルには停止テーブル番号3−0(左回胴緑7図柄引き込み用停止テーブル)が、中回胴5b用の停止テーブルには停止テーブル番号1−2(全7引き込み用停止テーブル)が、右回胴5c用の停止テーブルには停止テーブル番号1−2(全7引き込み用停止テーブル)が設定されている。本処理では、この設定されている停止テーブルを、図37に示す「第1停止後AT役変則押し時変更テーブル」に基づいて停止テーブルを変更する。
たとえば、第1停止回胴が中回胴5bであった場合、「第1停止後AT役変則押し不正解時変更テーブル」が参照され、左回胴5a用の停止テーブルを停止テーブル番号2−0(全丸引き込み用停止テーブル)に変更し、右回胴5c用の停止テーブルを停止テーブル番号1−2(全7引き込み用停止テーブル)に変更する。
このように、第1停止回胴の有効入賞ライン上に停止した7図柄の色に応じて、図37示す第1停止後AT役変則押し不正解時変更テーブルに基づいて、所定の停止テーブルに変更する。そして、ステップS374の処理を終えると、第1停止後当選役別停止テーブル変更処理抜けて、これにより、参照停止テーブル変更処理を抜ける。
再び図16に戻り、次に、停止間隔タイマを監視し(ステップS308)、停止間隔タイマが0でない場合、当該タイマが0になるまで待つ。そして、停止間隔タイマが0になったならば(ステップS308:YES)、次に、停止後演出用待ち時間処理(ステップS309)に入る。
(1−4−3.停止後演出用待ち時間処理(第1停止操作時:第1停止回胴停止後):図23)
図23は、ステップS309の停止後演出用待ち時間処理を示すフローチャートである。
図23において、まず主制御基板400は、第2停止後フリーズフラグがONであるか否かを判定する(ステップS501)。
第2停止後フリーズフラグがONでない場合(ステップS501:NO)、停止後フリーズ演出を行わないので、何もせずに停止後演出用待ち時間処理を抜ける。一方、第2停止後フリーズフラグがONである場合(ステップS501:YES)、停止操作順データを取得し(ステップS502)、停止操作順が「1−2押し」であるか、または「2−1押し」であるかを判定する(ステップS503)。ここでは、第1停止操作時について述べているので、ステップS503の判定はNOとなり、何もせずに停止後フリーズ演出用待ち時間処理を抜けて図16のステップS310に進む。
ステップS310では、全回胴が停止したか否か判定する(ステップS310)。ここでは、第1停止操作時について述べているので、その判定はNOとなり、ステップS301に戻り、第2停止操作を待つことになる。
(第2停止操作時)
第1停止操作時に続いて、第2停止操作時について説明する。なお、この第2停止操作時の説明においては、上述した第1停止操作時の処理内容と実質的に同じ内容についての説明は、重複記載を避けるため適宜省略する。
有効な停止操作があった場合(ステップS301:YES)、続いて、第2停止操作時の停止準備データをセットし(ステップS302)、演出制御コマンドとして停止情報受付コマンドをセットする(ステップS303)。そして、再び図柄停止制御処理(ステップS304)に入る。
(1−4−1.図柄停止制御処理(第2停止操作時:第2回胴停止操作前):図17Aおよび図17B)
図17Aにおいて、まず主制御基板400は、参照変更テーブル要求データを取得する(ステップS321)。
次に、取得した参照変更テーブル要求データを参照し、「第1停止前チェンジ要求」があるか否かを判定する(ステップS322)。ここでは、第2停止操作時について述べているので、ステップS323の判定結果が‘NO’となり(ステップS324の処理で「第1停止前チェンジ要求ビット」がクリアされているため)、処理ルートBを辿ることになる。つまり、処理ルートBには、AT役1〜27または押し順ベルの第1停止操作時以外(第2停止操作時または第3停止操作時)に辿る処理ルートとなる。
(処理ルートB:ステップS327〜S332)
処理ルートBでは、まず主制御基板400は、参照変更テーブル要求データを取得し(ステップS327)、「第2停止前変則押し(2−1、3−1押し)チェンジ要求」があるか否かを判定する(ステップS328)。ここでは、参照変更テーブル要求データの第3ビット(第2停止前2−1、3−1押しチェンジ要求:図29A参照)が設定状態であるか否かが確認される。
ここで、「第2停止前変則押しチェンジ要求」があるのは、AT役1〜27における押し順が「変則押し」の場合である。それ以外の場合は(ステップS329:NO)、図17BのステップS333〜S337の処理を行い、図柄停止制御処理を抜ける。
第2停止前変則押しチェンジ要求がある場合(ステップS329:YES)、第2停止前変則押しチェンジ要求をクリアする(ステップS330)。
次に、第2停止回胴が左回胴5aであるか否かを判定する(ステップS331)。第2停止回胴が左回胴5aでない場合(ステップS331:NO)、図17BのステップS333〜S337の処理を行い、図柄停止制御処理を抜ける。
一方、第2停止回胴が左回胴5aである場合(ステップS331:YES)、図38の「第2停止前AT役変則押し(2−1押し、3−1押し)時変更テーブル」に基づいて停止テーブルを変更する。つまり、左回胴5aに対する停止テーブルを停止テーブル番号2−0(全丸引き込み用停止テーブル)に変更する。これにより、2−1押し、3−1押し時に入賞の可能性がある図柄は、図7Bに示す26種類の図柄の組合せとなる(なお図7Bには、第2停止回胴(本例では左回胴)が停止したものとして表記してある)。
そして、ステップS332の処理を終えると、図17BのステップS333〜S337の処理を行い、図柄停止制御処理を抜ける。
再び図16に戻り、続いて演出制御コマンドとして「停止結果情報コマンド」をセットする(ステップS305)。
次に、イリーガル判定用データ設定処理を行う(ステップS306)。
(1−4−2.イリーガル判定用データ設定処理(第2停止操作時:第2停止回胴停止後):図19)
図19において、まず主制御基板400は、参照変更テーブル要求データを取得する(ステップS401)。次に、取得した参照変更テーブル要求データを参照し、「第1停止後チェンジ要求」があるか否かを判定する(ステップS402)。ここで、第1停止後チェンジ要求ビットは、上述した図20の参照停止テーブル変更処理のステップS354の処理でクリアされるため、第2停止操作時以降では、ステップS403の判定結果が‘NO’となる。したがって、第2停止操作時以降は、何もせずにイリーガル判定用データ設定処理を抜けることになる。
イリーガル判定用データ設定処理を終えると、再び参照停止テーブル変更処理(ステップS307)に入る。
(1−4−3.参照停止テーブル変更処理(第2停止操作時:第2停止回胴停止後):図20)
図20において、まず主制御基板400は、参照変更テーブル要求データを取得する(ステップS351)。
次に、取得した参照変更テーブル要求データを参照し、「第1停止後チェンジ要求」があるか否かを判定する(ステップS352)。ここでは第2停止操作時について述べているので、「第1停止後チェンジ要求」はない(第1停止操作時に辿る処理で、「第1停止後チェンジ要求」は必ずクリアされるため)。そこで、ステップS357〜S362の処理ルートD辿ることになる。つまり、処理ルートDには、押し順ベルにおける押し順が「不正解」の場合の第2停止回胴停止後、またはAT役1〜27における押し順が「変則押し」の場合の第2停止回胴停止後に辿る処理ルートになる。
(処理ルートD:ステップS357〜S362)
処理ルートDでは、まず主制御基板400は、第2回胴停止後か否かを判定する(ステップS357)。ここでは第2停止操作時について述べているので、その判定結果はYESとなる。
次に、参照変更テーブル要求データを取得し(ステップS358)、取得した参照変更テーブル要求データを参照して「第2停止後チェンジ要求」があるか否かを判定する(ステップS359)。ここでは、参照変更テーブル要求データの第2ビット(第2停止後チェンジ要求:図29A参照)が設定状態であるか否かが確認される。
ここで、「第2停止後チェンジ要求」がある場合は、押し順ベルにおける押し順が「不正解」の場合か、またはAT役1〜27における押し順が「変則押し」の場合である。ここでは第2停止操作時について述べているので、上記以外では、「第2停止後チェンジ要求」はない。これは、押し順ベルにおける押し順が「正解」、またはAT役1〜27における押し順が「順押し」ならば、図18の第1停止前当選役別停止テーブル変更処理のステップS344またはS349の処理で「参照変更テーブル要求データ」がクリアされているためである。
第2停止後チェンジ要求がある場合(ステップS360:YES)、当選データに基づき当選役の種別を判定し(ステップS361)、第2停止後当選役別停止テーブル変更処理(ステップS362)に入る。
(1−4−3(ロ).第2停止後当選役別停止テーブル変更処理(第2停止操作時:第2停止回胴停止後):図22)
図22は、ステップS362の第2停止後当選役別停止テーブル変更処理を示すフローチャートである。
図22において、まず主制御基板400は、ステップS361の判定結果が「AT役1〜27」であるか「押し順ベル」であるかどうかにより、処理ルートを分岐させる(ステップS381)。
(押し順ベルの場合)
ステップS361の処理の判定結果が「押し順ベル」である場合、次に、第2停止回胴の有効入賞ライン上に停止した丸図柄の色が、第1停止操作時に変更された停止テーブル(順押ベル役1〜9については、図33および図34に示す「第1停止後順押ベル役押し順不正解時変更テーブル1」または「第1停止後順押ベル役押し順不正解時変更テーブル2」、逆押ベル役1〜9については、図35および図36に示す「第1停止後逆押ベル役押し順不正解時変更テーブル1」または「第1停止後逆押ベル役押し順不正解時変更テーブル1」により、変更された停止テーブル)により停止可能となる丸図柄の色であったか否かを判定する(ステップS382)。ここでは、上記の「第1停止操作時に変更された停止テーブル」により停止可能となる丸図柄が停止した場合を「丸図柄の色が正解」と称し、そうでない場合(その色の丸図柄以外の図柄が停止した場合)は「丸図柄の色が不正解」と称して説明する。
具体的に上記の「丸図柄の色が正解・不正解」について順押ベル役1を例にとって説明すれば、第1停止回胴が右回胴5cの場合、図21のステップS372の処理において、図33に示す第1停止後順押ベル役押し順不正解時変更テーブル1により、左回胴5aおよび中回胴5b用の停止テーブルは、停止テーブル番号4−0(‘緑丸図柄引き込み用’停止テーブル)に変更される。このとき、変更後の停止テーブル番号4−0により停止可能となる丸図柄は、「緑丸」となる。したがって、第2停止回胴の有効入賞ライン上に停止した丸図柄が「緑丸」であれば「丸図柄の色が正解」となり、そうでなければ「丸図柄の色が不正解」となる。
ステップS382の処理の説明に戻り、丸図柄の色が正解の場合(ステップS382:YES)、現在設定されている停止テーブルは変更せずに、第2停止後当選役別停止テーブル変更処理抜ける。これにより、押し順不正解であっても、図6Bまたは図6Cに示す図柄の組合せが停止する可能性があり、入賞の可能性が残ることになる。
一方、丸図柄の色が不正解の場合(ステップS382:NO)、第3停止操作時に参照される停止テーブルを、図39に示す「第2停止後押し順ベル丸図柄の色不正解時変更テーブル」に基づいて変更する(ステップS383)。ここでは、停止テーブル番号1−0(ベル引き込み用停止テーブル)に変更する。これにより、第3停止回胴の有効入賞ライン上には「ベル」が必ず停止し、図6Bおよび図6Cに示す図柄の組合せに該当しない図柄の組合せが停止し、押し順ベル役の取りこぼしが発生することになる。そして、ステップS382の処理を終えて、第2停止後当選役別停止テーブル変更処理抜ける。
(AT役の場合)
ステップS361の処理の判定結果が「AT役」である場合、次に、押し順が判定され、押し順が「2−3押し、3−2押し」または「2−1押し、3−1押し」のいずれかにより処理ルートが分岐する(ステップS384)。
(「2−3押し」または「3−2押し」の場合)
「2−3押し」または「3−2押し」の場合、まず第2停止回胴の7図柄の色が正解か否かを判定する(ステップS384)。
(第2停止回胴の7図柄の色が正解である場合)
第2停止回胴の7図柄の色が正解である場合(ステップS385:YES)、何もせずに、第2停止後当選役別停止テーブル変更処理抜ける。
この場合について、代表例としてAT役1について現在の有効入賞ライン上の停止状態に着目すれば、まず、第1停止回胴に正解色の7図柄が停止している場合、第1停止回胴には「赤7」が停止しており(第1停止操作時は停止テーブル番号1−2(‘全7引き込み用’停止テーブル)による停止制御)、第2停止回胴にも正解色の「赤7」が停止している(第2停止操作時は停止テーブル番号1−2による停止制御)。そしてここでは、何もせずに第2停止後当選役別停止テーブル変更処理を抜けるので、第3停止回胴(左回胴5a)用の停止テーブルは、初期設定テーブルのままの停止テーブル番号3−0(左回胴緑7図柄引き込み用’停止テーブル)となる(図21のステップS375参照)。したがって、本例における最終的な図柄の組合せは、「緑7/緑丸/黄丸」−「赤7」−「赤7」の計3種類となり(図7Cの「第2停止時7図柄の色正解時」の欄参照)ボーナス図柄である「緑7」−「赤7」−「赤7」の入賞が可能である。このように、AT役に当選した場合には、停止操作手順さえ一致すれば、ボーナス図柄を入賞させることができる。したがって、ボーナス当選フラグが持ち越されているストック状態であっても、そのストック放出のための放出抽選を経ることなく、AT役に当選した時点でボーナス図柄の入賞機会が与えられることになる。
一方、第1停止回胴に正解色の7図柄が停止していない場合、第1停止回胴には不正解色の「緑7/青7」が停止しており(第1停止操作時は停止テーブル番号1−2による停止制御)、第2停止回胴には「赤7」が停止している(第2停止操作時は停止テーブル番号1−2による停止制御)。そしてここでは、何もせずに第2停止後当選役別停止テーブル変更処理を抜けるので、第3停止回胴(左回胴5a)用の停止テーブルは、停止テーブル番号2−0(‘全丸引き込み用’停止テーブル)となる(図21のステップS374参照)。したがって、本例における最終的な図柄の組合せは、「2−3押し」ならば「緑丸/赤丸/黄丸」−「緑7/青7」−「赤7」の計6種類のうちのいずれかとなり、「3−2押し」ならば「緑丸/赤丸/黄丸」−「緑7/青7」−「赤7」の計6種類のうちのいずれかとなる(図7Cの(A)「第1停止中回胴7図柄の色不正解時」、(B)「第1停止右回胴7図柄の不正解時」の欄参照)。
したがって、第2停止回胴の7図柄の色が正解の場合、最終的な図柄の組合せは、第1停止回胴に正解色の7図柄(赤7)が停止している場合の3種類と、第1停止回胴に正解色の7図柄(赤7)が停止していない場合の6種類との合計9種類となる(図7C参照)。
(第2停止回胴の7図柄の色が不正解である場合)
第2停止回胴の7図柄の色が不正解である場合(ステップS385:NO)第3停止操作時に参照される停止テーブルを、図40に示す「第2停止後(2−3押し、3−2押し)AT役7図柄の色不正解時変更テーブル」に基づいて変更する(ステップS386)
この場合について、代表例としてAT役1について現在の有効入賞ライン上の停止状態に着目すれば、まず、第1停止回胴に正解色の7図柄(赤7)が停止している場合、第1停止回胴には「赤7」が停止しており(第1停止操作時は停止テーブル番号1−2による停止制御)、第2停止回胴には不正解色の「緑7/青7」が停止している(第2停止操作時は停止テーブル番号1−2による停止制御)。そしてここでは、第3停止回胴(左回胴5a)用の停止テーブルは、停止テーブル番号2−0となる。したがって、本例における最終的な図柄の組合せは、「2−3押し」ならば「緑丸/赤丸/黄丸」−「赤7」−「緑7/青7」の計6種類のうちのいずれかとなり、「3−2押し」ならば「緑丸/赤丸/黄丸」−「緑7/青7」−「赤7」の計6種類のうちのいずれかとなる(図7Dの「第1停止中回胴7図柄の色正解時」の欄、図7Eの「第1停止右回胴7図柄の色正解時」の欄参照)。
一方、第1停止回胴に正解色の7図柄(赤7)が停止していない場合、第1停止回胴には不正解色の「緑7/青7」が停止しており(第1停止操作時は停止テーブル番号1−2による停止制御)、第2停止回胴には「緑7/青7」が停止している(第2停止操作時は停止テーブル番号1−2による停止制御)。そしてここでは、第3停止回胴(左回胴5a)用の停止テーブルは、停止テーブル番号2−0(全丸引き込み用’停止テーブル)となる(図21のステップS374で変更された停止テーブルと同じ停止テーブル)。したがって、本例における最終的な図柄の組合せは、「2−3押し」ならば「緑丸/赤丸/黄丸」−「緑7/青7」−「緑7/青7」の計12種類のうちのいずれかとなり、「3−2押し」ならば「緑丸/赤丸/黄丸」−「緑7/青7」−「緑7/青7」の計12種類のうちのいずれかとなる(図7Dの「第1停止中回胴7図柄の色不正解時」の欄、図7Eの「第1停止右回胴7図柄の色不正解時」の欄参照)。
したがって、第2停止回胴の7図柄の色が不正解の場合、最終的な図柄の組合せは、第1停止回胴に正解色の7図柄(赤7)が停止している場合の6種類と、第1停止回胴に正解色の7図柄(赤7)が停止していない場合の12種類との合計18種類となる。
(「2−1押し」または「3−1押し」の場合)
「2−1押し」または「3−1押し」の場合、まず参照変更テーブル要求データを取得し(ステップS387)、第1停止変則押し7図柄色正解フラグがONであるか判定する(ステップS388)。
第1停止変則押し7図柄色正解フラグがONでない場合(ステップS389:NO)、何もせずに、第2停止後当選役別停止テーブル変更処理抜ける。この場合について、代表例としてAT役1について現在の有効入賞ライン上の停止状態に着目すれば、第1停止回胴には不正解色の「緑7/青7」が停止しており(第1停止操作時は停止テーブル番号1−2による停止制御)、第2停止回胴には「緑丸/赤丸/黄丸」が停止している(第2停止操作時は停止テーブル番号2−0による停止制御)。そしてここでは、何もせずに第2停止後当選役別停止テーブル変更処理抜けるので、第3停止回胴用の停止テーブルは、初期設定テーブルのままの停止テーブル番号1−2となる。したがって、本例における最終的な図柄の組合せは、「2−1押し」ならば「緑丸/赤丸/黄丸」−「緑7/青7」−「緑7/赤7/青7」の計18種類のうちのいずれかとなり、「3−1押し」ならば「緑丸/赤丸/黄丸」−「緑7/赤7/青7」−「緑7/青7」の計18種類のうちのいずれかとなる。
一方、第1停止変則押し7図柄色正解フラグがONである場合(ステップS389:YES)、第2停止回胴の有効入賞ライン上に停止した丸図柄が正解であるか否かを判定する(ステップS390)。
第2停止回胴の丸図柄の色が正解である場合(ステップS390:YES)、何もせずに、第2停止後当選役別停止テーブル変更処理抜ける。この場合について、代表例としてAT役1について現在の有効入賞ライン上の停止状態に着目すれば、第1停止回胴には正解色の「赤7」が停止しており(第1停止操作時は停止テーブル番号1−2による停止制御)、第2停止回胴(左回胴5a)には正解色の「緑丸/黄丸」が停止している(第2停止操作時は停止テーブル番号2−0による停止制御)。そしてここでは、何もせずに第2停止後当選役別停止テーブル変更処理抜けるので、第3停止回胴用の停止テーブルは、停止テーブル番号1−2となる。したがって、本例における最終的な図柄の組合せは、「2−1押し」ならば「緑丸/黄丸」−「赤7」−「緑7/赤7/青7」の計6種類のうちのいずれかとなり、「3−1押し」ならば「緑丸/黄丸」−「緑7/赤7/青7」−「赤7」の計6種類のうちのいずれかとなる。
一方、第2停止回胴の丸図柄の色が不正解である場合(ステップS390:NO)、第3停止操作時に参照される停止テーブルを、図41に示す「第2停止後(2−1押し、3−1押し)AT役丸図柄の色不正解時変更テーブル」に基づいて変更する(ステップS391)。ここでは、各AT役に応じて、特定の色の7図柄を有効入賞ライン上に停止させるための停止テーブルが設定される。この場合について、代表例としてAT役1について現在の有効入賞ライン上の停止状態に着目すれば、第1停止回胴には正解色の「赤7」が停止しており(第1停止操作時は停止テーブル番号1−2による停止制御)、第2停止回胴には不正解色の「赤丸」が停止している(第2停止操作時は停止テーブル番号2−0による停止制御)。そしてここでは、「第2停止後(2−1押し、3−1押し)AT役丸図柄の色不正解時変更テーブル」に基づいて、第3停止回胴用の停止テーブルを、「2−1押し」ならば停止テーブル番号3−1(‘左回胴赤7図柄引き込み用’停止テーブル:右回胴5cにおいて「緑7/青7」引き込みとなる)に変更し、「3−1押し」も同様に停止テーブル番号3−1に変更する。したがって、本例における最終的な図柄の組合せは、「2−1押し」ならば「赤丸」−「赤7」−「緑7/青7」の計2種類のうちのいずれかとなり、「3−1押し」ならば「赤丸」−「緑7/青7」−「赤7」の計2種類のうちのいずれかとなる。
再び図16に戻り、停止間隔タイマが0である場合(ステップS308:YES)、再び停止後演出用待ち時間処理(ステップS309)に入る。
(1−4−3.停止後演出用待ち時間処理(第2停止操作時:第2停止操作後):図23)
図23において、まず主制御基板400は、第2停止後フリーズフラグがONであるか否かを判定し(ステップS501)、第2停止後フリーズフラグがONでない場合(ステップS501:NO)、停止後フリーズ演出を行わないので、何もせずに停止後演出用待ち時間処理を抜ける。
一方、第2停止後フリーズフラグがONである場合(ステップS501:YES)、停止操作順データを取得し(ステップS502)、停止操作順が「1−2押し」であるか、または「2−1押し」であるかを判定する(ステップS503)。
ここでは、第2停止操作時について述べているので、停止操作順が「1−2押し」または「2−1押し」であれば(ステップS503:YES)、第2停止後フリーズ時間をセットする(ステップS504)。この第2停止後フリーズ時間は、停止後フリーズ演出の発生時間を規定するものである。したがって、停止後フリーズ演出発生により任務指示演出が発生したことを遊技者が認識し得る程度の時間幅であることが好ましい。
次に、演出制御コマンドとして「第2停止後フリーズコマンド」をセットする(ステップS505)。この第2停止後フリーズコマンドには、停止後フリーズ演出の実行指示情報が含まれる。
次に、ステップS504の処理でセットした第2停止後フリーズ時間を監視し(ステップS506)、当該タイマが0になるまで待つ。第2停止後フリーズ時間が0になったならば(ステップS506:YES)、停止後フリーズ演出用待ち時間処理を抜けて図16のステップS310に進む。
一方、停止操作順が「1−2押し」または「2−1押し」のいずれの押し順でもない場合には(ステップS503:NO)、そのまま停止後演出用待ち時間処理を抜けて、図16のステップS310に進む。本実施形態の停止後フリーズ演出では、これに伴い発生する任務指示演出において、特定の回胴(右回胴5c)の特定位置(たとえば、枠内)に7図柄(たとえば、緑7)を停止指示する演出であるので、当該停止指示された特定の回胴が先に停止操作されたときは、本処理にて、その発生がキャンセルされるようになっている。
そしてステップS310に進み、全回胴が停止したか否か判定する(ステップS310)。ここでは、第2停止操作時について述べているので、その判定はNOとなり、ステップS301に戻り、第3停止操作を待つことになる。
(第3停止操作時)
第2停止操作時に続いて、第3停止操作時について説明する。第3停止操作時については、第1および第2停止操作時で決定された停止テーブルに基づいて回胴の停止制御が行われ、他の処理については既に説明した通りであるので重複記載を避けるため省略する。
第1〜第3停止操作を経て、全回胴が停止したならば(ステップS310:YES)、回胴停止処理を終えて、図11の入賞判定処理(ステップS20)に進む。
図11に戻り、全回胴停止後、主制御基板400は入賞判定処理を行う(ステップS20)。この入賞判定処理では、誤入賞であるか否かを確認し、誤入賞であるならば所定のエラー処理を行い、誤入賞でないならば、有効入賞ライン上に停止した図柄の組合せに応じて、配当(払い出し枚数)に関する設定を行う。以下、入賞判定処理について詳細に説明する。
(1−5.入賞判定処理:図24)
図24は、ステップS20の入賞判定処理を示すフローチャートである。
図24において、まず主制御基板400は、入賞ラインデータに基づき、当り図柄フラグ1および当り図柄フラグ2を作成し、これらをメインRAM401bの所定の領域に格納する(ステップS601)。なお、当り図柄フラグ2は、色情報を含めた形態での丸図柄の組合せまたは7図柄の組合せについて管理するデータであるので、これら以外の図柄の組合せである場合には、当り図柄フラグ2のデータは作成されない。この場合、当り図柄フラグ2のビットパターンは「00000000B」が設定される。
次に、上記入賞払出テーブル(図示せず)を参照し、有効入賞ライン上に停止した図柄の組合せに応じた遊技メダルの払い出し枚数を設定する(ステップS602)。
次に、誤入賞判定処理を行う(ステップS603)。この誤入賞判定処理では、大別して、ステップS610〜S614のボーナス役に関する誤入賞の判定処理(以下、「第1誤入賞判定処理」と称する)、ステップS615〜S619のボーナス役以外の役に関する誤入賞の判定処理(以下、「第2誤入賞判定処理」と称する)、ステップS620〜627の色情報に基づく停止図柄の誤入賞の判定に関する判定処理(以下、「第3誤入賞判定処理」と称する)の3つの判定処理を行い、これらの結果に基づき、誤入賞あるか否かの判定を行う。以下、上記誤入賞判定処理について、第1誤入賞判定処理、第2誤入賞判定処理、第3誤入賞判定処理に分類して説明する。
(1−5−1.誤入賞判定処理:図25Aおよび図25B)
図25Aおよび図25Bは、ステップS603の誤入賞判定処理を示すフローチャートである。
(第1誤入賞判定処理:ステップS610〜S614)
以下に説明するステップS610〜S614の処理では、ボーナス持越情報(ボーナスフラグ)と実際に停止した図柄の組合せ(当り図柄フラグ1)とを照合し、ボーナス持越遊技中でない状態(ボーナス非持越遊技中)に、ボーナス図柄(7図柄の組合せ)が停止してしまったか否かを判定している。なお、照合対象となる当り図柄フラグ1は、7図柄の色情報を含まない形態での図柄の組合せを示しているが、ここでは、ボーナス持越情報と7図柄の色を不問とする図柄の組合せとに着目した誤入賞判定であるので問題はない。
図25Aにおいて、まず主制御基板400は、ボーナスフラグと当り図柄フラグ1を取得する(ステップS610)。
次に、その取得したボーナスフラグと当り図柄フラグ1の排他的論理和を演算する(ステップS611)
次に、ステップS611の演算結果と当り図柄フラグ1の論理積を演算する(ステップS612)。
次に、ステップS612の演算結果とボーナスビット情報(10000000B)の論理積を演算する(ステップS613)。
次に、ステップS613の演算結果に基づき、誤作動であるか否か、つまり誤入賞であるか否かを判定する(ステップS614)。ステップS613の演算結果が「00000000B」であれば誤作動でないとして(ステップS614:NO)、ステップS615の処理に進む。しかし、これ以外のビットパターンであれば誤作動(誤入賞)であるとして(ステップS614:YES)、図25BのステップS628の処理に進み、所定のエラー処理を行う。なお、後述のステップS619と図25BのステップS625の判定処理においても、上記演算結果が「00000000B」であれば誤作動ではないと判定し、これ以外のビットパターンであれば誤作動であると判定される。
ステップS628のエラー処理では、たとえば、ステップS602の処理で設定された遊技メダルの払い出し枚数の設定を無効にしたり、当り図柄フラグ1や当り図柄フラグ2をクリアしたり、演出制御部(演出制御基板420)側にエラー表示の実行指示情報を含むエラー表示コマンドを送信したりする。なお、演出制御部側が上記エラー表示コマンドを受信した場合、液晶表示装置6、装飾ランプ部15、スピーカ16等の演出手段を介して、エラーが生じた旨が外部に報知される。
上記ステップS610〜S614の処理について、具体例を挙げて説明と以下のようになる。
(誤入賞である場合)
たとえば、ボーナスフラグがボーナス非持越遊技中を示す「00000000B」であり、当り図柄フラグ1がボーナス図柄を示す「10000000B」であったとすると、これらの排他的論理和は「10000000B」となり(ステップS611)、この排他的論理和「10000000B」と当り図柄フラグ1「10000000B」の論理積は「10000000B」となる(ステップS612)。そして、この論理積「10000000B」とボーナスビット情報「10000000B」の論理積は「10000000B」となる(ステップS613)。したがって、この場合には、ボーナス非持越遊技中にもかかわらず、ボーナス図柄が停止してしまった状態、すなわち誤入賞であると判定され(ステップS614:YES)、所定のエラー処理が行われる(ステップS628)。
(誤入賞でない場合)
たとえば、ボーナスフラグがボーナス非持越遊技中を示す「00000000B」であり、当り図柄フラグ1が丸図柄の組合せを示す「00000010B」であったとすると、これらの排他的論理和は「00000010B」となり(ステップS611)、この排他的論理和「00000010B」と当り図柄フラグ1「00000010B」の論理積は「00000010B」となる(ステップS612)。そして、この論理積「00000010B」とボーナスビット情報「10000000B」の論理積は「00000000B」となる(ステップS613)。したがって、この場合には、ボーナス非持越遊技中にボーナス図柄が停止していない状態、すなわち誤入賞でないと判定され(ステップS614:NO)、ステップS615の処理に進み、第2誤入賞判定処理を行う。
(第2誤入賞判定処理:ステップS615〜S619)
以下に説明するステップS615〜S619の処理では、当選フラグの成立状態と実際に停止した図柄の組合せ(当り図柄フラグ1)とを照合し、当選フラグの成立により入賞が許容される図柄の組合せが停止したか否かを判定している。なお、照合対象となる当り図柄フラグ1は、色情報を含まない形態での図柄の組合せを示しているので、ここでは、当選フラグの成立状態と色情報を含まない形態での図柄の組合せとを照合した誤入賞判定となる。したがって、この第2誤入賞判定処理では、実質的には、色情報を含んだ形態での図柄の組合せを照合する必要のない、チェリー役1〜4やリプレイ役等の誤入賞判定となる。色情報を含めた図柄の組合せが問題となるAT役1〜27や押し順ベル(順押ベル役1〜9、逆押ベル役1〜9)についての最終的な誤入賞判定は、後述の第3誤入賞判定処理段階において行われる。
再び説明に戻り、ステップS615の処理では、当選フラグと当り図柄フラグ1を取得する。
次に、取得した当選フラグと当り図柄フラグ1のボーナスビット(第7ビット:(図29Aの「当選フラグ」の欄、図29Bの「当り図柄フラグ1」の欄参照))をクリアする(ステップS616)。ここでは、ステップS611〜S614の処理行ったボーナス役以外の役に関する誤入賞を判定するため、ボーナスビットをクリアしている。
次に、取得した当選フラグと当り図柄フラグ1の排他的論理和を演算する(ステップS617)
次に、ステップS617の演算結果と当り図柄フラグ1の論理積を演算する(ステップS618)。
次に、ステップS618の演算結果に基づき、誤作動(誤入賞)であるか否かを判定する(ステップS619)。ステップS618の演算結果が「00000000B」であれば誤作動でないとして(ステップS619:NO)、ステップS620の処理に進む。しかし、これ以外のビットパターンであれば誤作動(誤入賞)であるとして(ステップS619:YES)、図25BのステップS628の処理に進み、所定のエラー処理を行う。
上記ステップS615〜S619の処理について、具体例を挙げて説明と以下のようになる。
(誤入賞である場合)
たとえば、当選フラグがAT役1の当選を示す「10000110B」であり、当り図柄フラグ1がチェリー図柄を示す「01000000B」であったとすると、ボーナスビットクリア後のこれらの排他的論理和は「01000110B」となり(ステップS616)、この排他的論理和「01000110B」と当り図柄フラグ1「1000110B」の論理積は「01000110B」となる(ステップS618)。したがって、当選フラグの成立により入賞が許容される図柄の組合せが停止していない状態(本例では、AT役1に当選したにもかかわらず、チェリー図柄が停止した状態)、すなわち誤入賞であると判定され(ステップS619:YES)、所定のエラー処理が行われる(ステップS628)。
(誤入賞でない場合)
たとえば、当選フラグがAT役1の当選を示す「10000110B」であり、当り図柄フラグ1が丸図柄を示す「00000010B」であったとすると、ボーナスビットクリア後のこれらの排他的論理和は「00000100B」となり(ステップS616)、この排他的論理和「00000100B」と当り図柄フラグ1「00000010B」の論理積は「00000000B」となる(ステップS618)。したがって、この場合には、当選フラグの成立により入賞が許容される図柄の組合せが停止した状態(本例では、リプレイ役1の当選により入賞が許容されるリプレイ図柄が停止した状態)、すなわち誤入賞でないと判定され(ステップS619:NO)、ステップS620の処理に進み、第3誤入賞判定処理を行う。
(第3誤入賞判定処理:ステップS620〜S627)
以下に説明するステップS622〜S627の処理では、全回胴停止前に予測した図柄の組合せ(イリーガル判定用データ)と実際に停止した図柄の組合せ(当り図柄フラグ2)とを照合し、これらの図柄の組合せが色情報を含めた形態で一致するか否かを判定している。なお、照合対象となる当り図柄フラグ2は、色情報を含む形態での図柄の組合せを示しているので、実質的には、7図柄の色が問題となるAT役や丸図柄の色が問題となる押し順ベルについての誤入賞判定が行われることになる。
再び説明に戻り、ステップS620の処理では、当り図柄フラグ2を取得する。当り図柄フラグ2のデータがない場合(ステップS621:NO)、具体的には、当り図柄フラグ2が「00000000B」である場合、演出制御コマンドとして「入賞情報コマンド」をセットし(ステップS629)、誤入賞判定処理を抜ける。この入賞情報コマンドには、全回胴停止時の図柄停止情報(当り図柄フラグ1に関する情報)が含まれる。これにより、今回のゲームでは誤入賞がないと判定されたことになる。
一方、当り図柄フラグ2のデータがある場合(ステップS621:YES)、次に、イリーガル判定用データ設定処理(図16のステップS306)で設定されたイリーガル判定用データを取得する(ステップS622)。
次に、その取得したイリーガル判定用データと当り図柄フラグ2の排他的論理和を演算する(ステップS623)
次に、ステップS623の演算結果と当り図柄フラグ2の論理積を演算する(ステップS624)。
次に、ステップS624の演算結果に基づき、誤作動(誤入賞)であるか否かを判定する(ステップS625)。ステップS624の演算結果が「00000000B」であれば誤作動でないとして(ステップS625:NO)、ステップS629の処理に進み、入賞情報コマンドをセットし、誤入賞判定処理を抜ける。これにより、今回のゲームでは誤入賞がないと判定されたことになる。しかし、これ以外のビットパターンであれば誤作動(誤入賞)であるとして(ステップS625:YES)、ステップS626に進む。
ステップS626の処理では、当選役が押し順ベルであるか否かを判定する。押し順ベルである場合(ステップS626:YES)、ステップS628に進み、所定のエラー処理を行う。上記ステップS626の判定結果が‘YES’の場合は、当選した押し順ベルに対応しない丸図柄の組合せが停止した状態、つまり色情報が一致しない丸図柄の組合せが停止した状態となっている。
一方、押し順ベルでない場合(ステップS626:NO)、つまりAT役の場合、次に、ボーナス図柄が有効入賞ライン上に停止したか否かを判定する(ステップS627)。
ボーナス図柄が停止していない場合(ステップS627:NO)、ステップS629の処理に進み、入賞情報コマンドをセットし、誤入賞判定処理を抜ける。これにより、今回のゲームでは誤入賞がないと判定されたことになる。しかし、ボーナス図柄が停止した場合(ステップS627:YES)、誤作動(誤入賞)であるとして、ステップS628に進み、所定のエラー処理が行う。上記ステップS627の判定結果が‘YES’の場合は、当選したAT役に対応しない7図柄の組合せが停止した状態、つまり色情報が一致しない7図柄の組合せが停止した状態となっている。
上記ステップS620〜S627の判定処理について、具体例を挙げて説明と以下のようになる。以下では、順押ベル役1に当選したケースを代表的に説明し、基本的な判定手法が同じであるAT役に当選したケースついての説明は重複記載を避けるため省略する。
(誤入賞である場合)
たとえば、順押ベル役1に当選し、予測される入賞図柄の組合せ‘「緑丸」−「赤丸」−「赤丸」’であった場合(第1停止回胴が中回胴5bであり、その中回胴5bの有効入賞ライン上に停止した丸図柄の色が「赤色」であった場合)、このときのイリーガル判定用データは「10011010B」である(図43の第1停止中回胴イリーガル判定用データセットテーブルの「当選番号36」の「赤色(赤丸)」の欄参照)。そして、実際に停止した図柄の組合せが、‘「緑丸」−「緑丸」−「緑丸」’であったとすると、当り図柄フラグ2は「10010101B」となる(図29B「当り図柄フラグ2」の欄参照)。このイリーガル判定用データ「10011010B」と当り図柄フラグ2と「10011010B」の排他的論理和は、「00001111B」となり(ステップS623)、この排他的論理和「01000110B」と当り図柄フラグ2「10010101B」の論理積は「00000101B」となる(ステップS624)。したがって、この場合には、当選した押し順ベルに対応しない丸図柄の組合せが停止した状態(色情報が一致しない丸図柄の組合せが停止した状態)、すなわち誤入賞であると判定され(ステップS625:YES)、続くステップS626の判定結果は‘YES’となり、所定のエラー処理が行われる(ステップS628)。
(誤入賞でない場合)
上述した誤入賞であるケースと同じく、順押ベル役1に当選したケースを例にとると、予測される入賞図柄の組合せ‘「緑丸」−「赤丸」−「赤丸」’であった場合、このときのイリーガル判定用データは「10011010B」である。そして、実際に停止した図柄の組合せが、‘「緑丸」−「赤丸」−「赤丸」’であったとすると、当り図柄フラグ2は「10011010B」となる(図29B「当り図柄フラグ2」の欄参照)。このイリーガル判定用データ「10011010B」と当り図柄フラグ2と「10011010B」の排他的論理和は、「00000000B」となり(ステップS623)、この排他的論理和「00000000B」と当り図柄フラグ2「10011010B」の論理積は「00000000B」となる(ステップS624)。したがって、この場合には、当選した押し順ベルに対応した丸図柄の組合せが停止した状態、すなわち誤入賞でないと判定され(ステップS625:NO)、ステップS629の処理に進み、入賞情報コマンドをセットし、誤入賞判定処理を抜ける。
以上のように、本発明では、入賞の可能性がない図柄の組合せに関する情報は記憶しない一方、入賞の可能性がある図柄の組合せに関する情報を記憶し、誤入賞判定の際には、当該記憶した情報(イリーガル判定用データ)と全回胴停止後の図柄の組合せに関する情報(当り図柄フラグ2)とを照合して、誤入賞であるか否かの判定を行うようにしている。これにより、誤入賞に関する判定処理が簡易化され、制御負担を低減させることができる。
図24に戻り、誤入賞判定処理(ステップS603)の処理を終えると、次に、ボーナス遊技中か否かを判定する(ステップS604)。ボーナス遊技中でない場合(ステップS604:NO)、何もせずに入賞判定処理を抜ける。一方、ボーナス遊技中である場合(ステップS605:YES)、ボーナス遊技中の獲得枚数にステップS602の処理で設定された遊技メダルの枚数を加算し(ステップS605)、これにより入賞判定処理を抜ける。
図11に戻り、入賞判定処理(ステップS20)を終えると、次に、設定された遊技メダルを払い出すためのメダル払出処理を行う(ステップS21)。
続いて、リプレイ図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止したか否かを判定し(ステップS22)、リプレイ図柄が停止した場合(ステップS22:YES)、再遊技を付与するために要する処理を行った後(ステップS25)、ステップS12のRAM初期化処理に移行する。一方、リプレイ図柄が停止していない場合(ステップS22:NO)、次に、ボーナス遊技中か否かを判定する(ステップS23)。
ボーナス遊技中である場合(ステップS23:YES)、ボーナス遊技作動中処理(ステップS26)を行う。このボーナス遊技作動中処理では、主に、ボーナス遊技中の獲得枚数が、ボーナス終了条件となる規定枚数に達したか否か、すなわちボーナス遊技を継続させるか否かを判定し、ボーナス遊技継続の場合には次回のゲームもボーナス遊技中とするための設定を行い、ボーナス遊技終了の場合にはボーナス遊技終了とするための設定を行う。そして、ボーナス遊技作動中処理を終えると、ステップS12のRAM初期化処理に移行する。
しかし、ボーナス遊技中でない場合(ステップS23:NO)、続いてボーナス図柄が有効入賞ライン上に停止したか否かを判定する(ステップS24)。
ボーナス図柄が停止していない場合は(ステップS24:YES)、ステップS12のRAM初期化処理に移行する。一方、ボーナス図柄が停止した場合は(ステップS24:YES)、ボーナス遊技作動開始処理(ステップS27)を行う。以下に、ボーナス遊技作動開始処理について説明する。
(1−5.ボーナス遊技作動開始処理:図26)
図26は、ステップS27のボーナス作動開始処理を示すフローチャートである。
図26において、まず主制御基板400は、ボーナス遊技作動開始時設定処理を行う(ステップS701)。このボーナス遊技作動開始時設定処理では、ボーナス遊技開始時に必要な設定を行う処理であり、たとえば、ボーナス遊技中の獲得枚数を管理するためのボーナス獲得枚数カウンタをクリアしたり、ボーナスフラグをクリアしたりし、次ゲームからボーナス遊技に移行させるために必要なボーナス開始前の設定処理が行われる。
次に、演出制御コマンドとして「ボーナス開始時ウェイト開始コマンド」をセットする(ステップS702)。このボーナス開始時ウェイト開始コマンドには、ボーナス開始演出の実行指示情報が含まれる。
次に、開始時フリーズフラグがONであるか否かを判定する(ステップS703)。開始時フリーズフラグがONでない場合(ステップS703:NO)、開始時ウェイト時間をセットする(ステップS704)。ここでは、開始時フリーズフラグがONでない場合、つまり開始時フリーズ演出が行われてない場合には、ボーナス遊技開始時にボーナス開始演出を行うものとし、そのためのボーナス開始演出待ち時間である開始時ウェイト時間をセットする処理である。したがって、開始時フリーズ演出が発生していない場合には、ボーナス図柄入賞後、上記ボーナス開始時ウェイト時間経過を待って、ボーナス遊技に移行する。なお、演出に関しては、ボーナス図柄入賞に伴いボーナス開始演出が発生し、ボーナス遊技移行に伴いボーナス中演出が発生する。
ステップS704の処理を終えた後、次に、上記開始時ウェイト時間を監視し(ステップS705)、当該タイマが0になるまで待つ。そして、開始時ウェイト時間が0になったならば(ステップS705:YES)、演出制御コマンドとして「ボーナス開始時ウェイト終了コマンド」をセットする(ステップS706)。このボーナス開始時ウェイト終了コマンドには、ボーナス中演出の実行指示情報が含まれる。これにより、ボーナス遊技作動開始処理を抜ける。
一方、開始時フリーズフラグがONである場合には(ステップS703:YES)、開始時フリーズ演出が既に行われていることが判明する。この場合には、上述した開始時フリーズフラグがONでない場合の処理手順とは異なり、上記開始時ウェイト時間をセットすることなく、そのままステップS706の処理に進み、開始時ウェイト終了コマンドをセットして、ボーナス遊技作動開始処理を抜ける。したがって、開始時フリーズ演出が発生した場合には、ボーナス図柄入賞に伴う演出待ち時間(開始時ウェイト時間)が無いので、ボーナス図柄入賞後、直ちにボーナス遊技に移行することになる。なお、演出に関しては、開始時フリーズ演出が発生した場合には、既にボーナス開始演出が発生した状態であるので、ボーナス図柄入賞に伴うボーナス開始演出はキャンセルされる。
(2.主制御側タイマ割込処理:図27)
次に、図27を参照して、上記主制御側メイン処理において1.5ms程度ごとに実行される主制御側のタイマ割込処理について説明する。図27は、CTC401dからの一定時間ごとの割り込みで起動される主制御側のタイマ割込処理を示すフローチャートである。
まず、主制御基板400は、タイマ割り込みが発生した場合、レジスタを所定のスタック領域に退避させる退避処理を行う(ステップS41)。
次に、ポート入力処理を行う(ステップS42)。ポート入力処理では、遊技機に設けられたスイッチ類やセンサ類からの検出情報を管理する。
次に、回胴回転制御処理を行う(ステップS43)。回胴回転制御処理では、回胴状態フラグを確認した際の回胴始動時や停止指令フラグを確認した際の回胴停止時において、回胴駆動モータに出力するパルス信号を管理制御したり、回胴の回転位置やその速度を監視したりする。
次に、定期更新処理を行う(ステップS44)。定期更新処理では、遊技動作に用いられるタイマを更新したり、ウォッチドッグタイマを定期的にクリアしたりする。定期更新処理が実行されない場合、例えば、遊技動作制御に異常が発生してプログラムが暴走状態となった場合、ウォッチドッグタイマがタイムアップすると、メインCPU401cが自動的にリセットされて上記暴走状態から復帰する。
次に、コマンド出力処理を行う(ステップS45)。コマンド出力処理では、遊技の進行に伴う処理状態に応じてセットされる演出制御コマンドを演出制御基板420側に送信する処理である。主制御基板400は、割り込み毎に演出制御コマンドを1バイト分出力している。1つの演出制御コマンドは2バイト長であるので、連続する2回のタイマ割り込みで1つの演出制御コマンドが送信される。
次に、メダル情報出力処理を行う(ステップS46)。メダル情報出力処理では、遊技メダル投入や遊技メダル払出しの際のメダル払出信号を出力する。上記各信号は、外部集中端子基板310を介してホールコンピュータHCに送信される。
次に、表示出力処理を行う(ステップS47)。表示出力処理では、遊技機に設けられたLEDや7セグメント等の発光を制御する発光制御信号を出力する。
次に、異常監視処理を行う(ステップS47)。異常監視処理では、上記入力管理処理の情報に基づいて遊技動作状態を監視し、遊技機の異常を監視する。
そして、上記のようにステップS41〜ステップS47の処理を終えた後、レジスタの内容を復帰させ(ステップS48)、タイマ割込処理を終了する。
<演出制御側の処理:図46〜図59>
次に、図46〜図59を参照して、演出制御部410側における処理手順について説明する。演出制御部410の制御主体は、正確には演出制御基板24のサブCPU241や液晶制御基板25のCPU52などを含んだものであるが、主制御基板27から演出制御コマンドを受けた演出制御基板24(サブCPU241)側が、これに関連する液晶制御コマンドを液晶制御基板25に送信する関係上、以下では、演出制御基板24が行う処理手順を中心に説明し、演出制御基板420の機能と液晶制御基板460の機能とを特に必要がない限り区別することなく、処理を実行する主体を演出制御部410として説明する。またCPU、RAM等は、演出制御基板420のサブCPU421c、サブRAM421b等で代表させる。
(3.演出制御側メイン処理:図46)
遊技機に電源が投入されると、電源基板440から電源が投入された旨の電源投入信号が送られる。この電源投入信号を受けて、演出制御部410が図46に示す演出制御側メイン処理を開始する。
この演出制御側メイン処理では、電源投入が行われてから初めての処理としてステップS61が行われ、これ以外の場合には正常動作時の処理としてステップS62〜S65が行われる。
図46において、まず、演出制御部410は、電源投入が行われてから初めての処理として、遊技動作開始前における必要な初期設定を実行する(ステップS61)。
次に、正常動作時の処理として演出用乱数更新処理を行う(ステップS62)。この演出用乱数更新処理では、主として、演出内容を選択するために利用される演出抽選用の乱数値を定期的に更新している。
次に、コマンド受信割り込み、タイマ割り込み、外部INT等を許可する割り込み許可状態に設定し(ステップS63)、その後、割り込み禁止状態に設定する(ステップS64)。そして、ウォッチドッグタイマをクリアして(ステップS65)、電断が発生しない限り、ステップS63からステップS65の処理をループ処理にて行う。
(4.コマンド受信割込処理:図47)
図47は、演出制御部410側のコマンド受信割込処理を示すフローチャートである。
ここではレジスタを所定のスタック領域に退避させた後(ステップS71)、制御コマンドをRAM242の所定領域に格納する処理を行い(ステップS72)、レジスタを復帰(ステップS73)する。主制御基板400から送られてくる演出制御コマンドを受けた場合、INT割り込みが発生し、このコマンド受信割込処理にて、制御コマンドを受信した時点で、これをコマンド受信バッファに格納する。このコマンド受信割込処理は、次に述べる演出制御側タイマ割込処理(図48)よりも優先して処理される。
(5.演出制御側タイマ割込処理:図48)
図48は、演出制御部410における演出制御側メイン処理において、一定時間(2ms)ごとの割り込みで起動される演出制御側タイマ割込処理を示すフローチャートである。
図48において、まず、演出制御部410は、レジスタを所定のスタック領域に退避させるレジスタ退避処理を行う(ステップS81)。
次に、定期更新処理を行う(ステップS82)。この定期更新処理では、演出パターンを選択するために利用される演出用乱数の初期値や、演出パターンの実行に必要な各種タイマの内容を割り込みごとに更新する。
上記各種タイマの代表的なものは、演出の発生に関するタイムスケジュールを管理するタイマである。たとえば、任務指示演出、ボーナス開始演出、ボーナス中演出、アシスト報知に関する演出、その他、遊技中の演出において、その遊技進行の時間軸上で、どのような演出パターンを、どれだけの時間幅をもって、演出手段である装飾ランプ(LED)やスピーカ16や液晶表示装置6などにより現出させるかについての時間的なスケジュールが、このタイマにより時間管理される。時系列的に種々の演出パターンが展開されていくことにより、広義の意味での演出シナリオが現出される。
次に、受信した演出制御コマンドを解析し、そのコマンドに対応した演出のシナリオを決定するコマンド対応処理を行う(ステップS83)。以下、コマンド対応処理について詳細に説明する。
(5−1.コマンド対応処理:図49〜図58)
演出制御部410は、主制御基板400から送られてくる演出制御コマンドを受けると、そのコマンドの内容を解析する。コマンド対応処理では、主制御基板400から演出制御コマンドを受信したか否か、つまりコマンド受信バッファ(図示せず)に当該コマンドが格納されているか否かを割り込みごとに監視し、コマンドが格納されている場合、コマンド受信処理として、この制御コマンドを読み出して、上記演出シナリオの主体である演出パターンを決定したり、遊技状態(演出側遊技状態)を管理したりする。なお、主制御基板400から送られてくる演出制御コマンドには各種のコマンドがあるが、ここでは本発明に関連の深い演出制御コマンドを受信した場合について説明し、その他のコマンド受信時の処理については省略する。
(5−1−1.遊技開始コマンド受信処理:図49)
図49は、遊技開始コマンドを受信した際に行われる遊技開始コマンド受信処理を示すフローチャートである。この遊技開始コマンドは、内部抽選処理のステップS107の処理(図12参照)でセットされる演出制御コマンドである。
図49において、まず、演出制御部410は、遊技開始コマンドの内容から、当選役の種別を解析する(ステップS801)。また遊技状態(主制御側遊技状態)も把握される。
次に、現在の演出状態(演出側遊技状態)を取得する(ステップS802)。この演出状態は、演出制御部410側で管理されている遊技状態である。
次に、取得した演出状態の種別を判定し(ステップS803〜805)、それに応じた演出処理を行う(ステップS806〜S809)。
ボーナス遊技中であるならば(ステップS803:YES)、ボーナス遊技中の演出内容を選択するボーナス遊技中演出選択処理を行い(ステップS807)、アシスト遊技中であるならば(ステップS804:YES)、アシスト遊技中の演出を選択するアシスト遊技中演出選択処理を行い(ステップS808)、前兆中(本前兆モード、フェイク前兆モード)であるならば(ステップS805:YES)、前兆中の演出を選択する前兆中演出選択処理(ステップS809)し、上記いずれにも該当しない場合には(ステップS805:NO)、通常遊技中の演出を選択する通常遊技中演出選択処理を行う(ステップS810)。以下に、上記各演出選択処理のうち代表的にアシスト遊技中演出選択処理について説明する。
(5−1−2.AT遊技中演出選択処理:図50)
図50は、ステップS808のAT遊技中演出選択処理を示すフローチャートである。
このアシスト遊技中演出選択処理では、AT役1〜27の当選情報がある場合(ステップS811)、アシスト報知として、AT役1〜27に対応するボーナス図柄の入賞に向けた停止操作手順を報知する演出を選択する(ステップS812)。このボーナス図柄の入賞に向けた停止操作手順は、換言すれば、AT役当選により入賞が許容される図柄の組合せのうちボーナス図柄以外の図柄の組合せを有効入賞ライン上に停止させない停止操作手順であるといえる。なお、上記アシスト報知には、押し順ベルに関する押し順を報知する演出を含むことができる。
一方、AT役1〜27以外の役の当選情報がある場合(ステップS811:NO)、その当選役に応じた演出を選択する(ステップS813)。これにより、AT遊技中演出選択処理を抜ける。
再び、図49に戻り、上記演出選択処理を終えると、選択された演出をセットし(ステップS810)、これにより、遊技開始コマンド受信処理を抜ける。
(5−1−3.開始時フリーズコマンド受信処理:図51)
図51は、開始時フリーズコマンドを受信した際に行われる開始時フリーズコマンド受信処理を示すフローチャートである。この開始時フリーズコマンドは、開始時フリーズ演出設定処理のステップS114の処理(図13参照)でセットされる演出制御コマンドである。
図51において、まず、演出制御部410は、開始時フリーズコマンドを受信した場合にボーナス開始演出をセットする(ステップS821)。次に、開始時フリーズ演出が実行されたことを示す開始時フリーズ演出実行フラグをセットし(ステップS822)、これにより、開始時フリーズコマンド受信処理を抜ける。
(5−1−4.第2停止後フリーズコマンド受信処理:図52)
図52は、第2停止後フリーズコマンドを受信した際に行われる第2停止後フリーズコマンド受信処理を示すフローチャートである。この第2停止後フリーズコマンドは、停止後演出用待ち時間処理のステップS505の処理(図23参照)でセットされる演出制御コマンドである。
この第2停止後フリーズコマンド受信処理では、第2停止後フリーズコマンドを受信した場合に任務指示演出をセットする(ステップS831)。たとえば、「右回胴の枠内に7図柄を停止せよ!」、という内容の演出をセットする。これにより、第2停止後フリーズコマンド受信処理を抜ける。
なお、ここでセットされる任務指示演出は、単一の演出であっても良いし、複数種類設の任務指示演出のうちからいずれかを選択しても良い。複数種類の任務指示演出を設ける場合には、各チェリー役当選時の右回胴5cの停止パターンがそれぞれ異なる点に着目した任務指示演出をセットすることが好ましい。
既に説明したように、チェリー役1が当選した場合には停止テーブル番号2−1(図8E参照)が参照され、チェリー役2が当選した場合には停止テーブル番号2−2(図8F参照)が参照され、チェリー役3が当選した場合には停止テーブル番号6−2(図8O参照)が参照され、チェリー役4が当選した場合には停止テーブル番号7−0(図8P参照)が参照され、これらは、右回胴5cの7図柄に関する停止パターンが異なる。これを利用し、各チェリー役の停止パターンに基づいた任務を定めることが好ましい。このように構成する場合には、第2停止後フリーズコマンドに当選したチェリー役種別情報を含ませ、それぞれのチェリー役に応じた任務指示演出を選択する。なお、任務指示演出については、必ずしも任務達成可能な内容なくても良く、任務達成不可能な内容(たとえば、チェリー役1当選時に「右回胴5cの枠内中段に7図柄を停止せよ!」という任務が挙げられる。この場合は、枠内中段に7図柄を100%停止させることができない。したがって、強制的に「任務失敗」となる)であっても良く、その内容は適宜定めることができる。
(5−1−5.入賞情報コマンド受信処理:図53)
図53は、入賞情報コマンドを受信した際に行われる入賞情報コマンド受信処理を示すフローチャートである。この入賞情報コマンドは、入賞判定処理(図11参照)でセットされる演出制御コマンドである。
図53において、まず、演出制御部410は、全回胴停止時の演出処理を行う(ステップS841)。
次に、現在の演出状態を取得し(ステップS842)、続いて、演出状態に対応した状態移行管理処理を行う(ステップS843〜S848)。これらの状態移行管理処理は、演出状態の行き来を管理するための処理である
演出制御部410は、現在の演出状態が通常遊技中(フェイク前兆モード中を含む)であるならば(ステップS843:YES)、通常遊技中状態移行管理処理を行い(ステップS846)、本前兆モード中であるならば(ステップS844:YES)、本前兆中状態移行管理処理を行い(ステップS847)、AT遊技中であるならば(ステップS845:YES)、AT遊技中状態移行管理処理(ステップS848)を行う。以下に、各状態移行管理処理について説明する。
(5−1−5(イ).通常遊技中状態移行管理処理:図54Aおよび図54B)
図54Aおよび図54Bは、ステップS846の通常遊技中状態移行管理処理を示すフローチャートである。
図54Aにおいて、まず、演出制御部410は、現在の天井ゲーム数から1減算する(ステップS851)。図示はしていないが、上記天井ゲーム数は、前回のボーナス遊技からのゲーム数を示し、ボーナス遊技終了を条件に設定される。天井ゲーム数の初期値は、たとえば、1001ゲームである。
次に、天井ゲーム数が0であるか否かを判定する(ステップS852)。天井ゲーム数が0でない場合(ステップS852:NO)、ステップS854の処理に進む。一方、天井ゲームが0である場合(ステップS852:YES)、天井ゲーム数に達したとして、本前兆モード移行条件が成立し、演出状態を「本前兆モード」中にセットする(ステップS853)。
続くステップS854の処理では、演出状態がフェイク前兆モード中であるか否かを判定する(ステップS854)。フェイク前兆モード中でない場合(ステップS854:NO)、図54BのステップS858の処理に進む。一方、フェイク前兆中である場合(ステップS854:YES)、フェイク前兆ゲーム数から1減算する(ステップS855)。
次に、フェイク前兆ゲーム数が0であるか否かを判定する(ステップS856)。フェイク前兆ゲーム数が0でない場合(ステップS856:NO)、図54BのステップS858の処理に進む。一方、フェイク前兆ゲーム数が0である場合、フェイク前兆モード終了条件が成立したとして、フェイク前兆モード中をクリアする(ステップS857)。これにより、演出状態が「通常遊技中」となる。
次に、当選役がチェリー役1〜4であるか否かを判定する(ステップS858)。チェリー役1〜4でない場合(ステップS858:NO)、そのまま通常遊技中状態移行管理処理を抜ける。
一方、当選役がチェリー役である場合(ステップS858:YES)、任務が達成されたか否かを判定する(ステップS859)。ここでは、第2停止後フリーズコマンド受信時の任務指示演出として「右回胴の枠内に7図柄を停止せよ!」という例を挙げているので、本処理では、任務指示演出内容に従い右回胴の枠内に7図柄が停止したか否かを判定する。また本処理では、任務指示演出が実際に発生したか否かの判定も行っており、「2−1押し」「1−2押し」以外の押し順によりその発生がキャンセルされている場合、ペナルティーとして強制的に「任務失敗」としてステップS860の処理に移行するようになっている。これは、仮に遊技者が「2−1押し」または「1−2押し」をせずに任務指示演出がキャンセルされてしまい、その発生チャンスを逃した場合であっても、ステップS860の状態移行抽選(演出モード抽選)を行うようにしたものである。これにより、任務指示演出が発生していないのにもかかわらず演出モード移行が訪れれば、突然、演出モードが変化したかのような意外性を遊技者に与えることができるようになる。
そして任務が達成された場合には(ステップS859:YES)、ステップS865の処理に進み、演出状態を「本前兆モード」中にセットし、本前兆ゲーム数(本例では32ゲーム)をセットし(ステップS866)、これにより、通常遊技中状態移行管理処理を抜ける。
一方、任務が達成されなかった場合(ステップS859:NO)、次に、状態移行抽選を行う(ステップS860)。この状態移行抽選では、フェイク前兆モードまたは本前兆モードへの移行抽選が行われる。この状態移行抽選により、仮に任務が達成できなかった場合であっても、本前兆モードへの移行チャンスを与えることができるようになっている。なお、移行抽選確率は適宜定めることができる。また上記状態移行抽選によらずに、強制的に特定の演出モード(たとえば、フェイク前兆モードや通常遊技(通常演出モード))に移行させても良いし、現状の演出モードを維持しても良い。また上記では、任務指示演出がキャンセルされた場合にも状態移行抽選が行われると説明したがこれに限らず、たとえば、任務指示演出がキャンセルされている場合には現状の演出モードを維持しても良い。この場合、チェリー役に当選しても何事も起きなかったかの如くゲームが進行することになる。
ここで本実施形態においては、天井ゲーム数に達して本前兆モードにセットされている場合においても、天井ゲーム数に到達した当該ゲームで、たまたまチェリー役に当選し、かつ任務が達成できなかった場合には状態移行抽選を行うようになっている。これは、「本前兆モードからフェイク前兆モードへと転落する可能性がある」、という緊張感を遊技者に与えて、遊技性を向上させることができるからである。勿論、天井ゲーム数に達して本前兆モードにセットされている場合においては、上記状態移行抽選を行わない構成としても良い。この場合には、天井ゲーム数に達した場合には必ず本前兆モードに移行し、AT遊技への移行が約束される。
状態移行抽選の結果、フェイク前兆モード移行に当選した場合には(ステップS861:YES)、演出状態を「フェイク前兆モード」にセットし(ステップS862)、フェイク前兆モードゲーム数(本例では32ゲーム)をセットする(ステップS863)。そして、フェイク前兆モードに当選したので、ステップS864の判定結果はNOとなり、これにより、通常遊技中状態移行管理処理を抜ける。
状態移行抽選の結果、本前兆モード移行に当選した場合には、ステップS861の判定結果がNOとなり、ステップS864の判定結果はYESとなるので、演出状態を「本前兆モード」中にセットし(ステップS865)、本前兆モードゲーム数(本例では32ゲーム)をセットする(ステップS866)。これにより、通常遊技中状態移行管理処理を抜ける。
(5−1−5(ロ).本前兆中状態移行管理処理:図55)
図55は、ステップS847の本前兆中状態移行管理処理を示すフローチャートである。
図55において、まず、演出制御部410は、現在の本前兆ゲーム数から1減算する(ステップS851)。
次に、本前兆ゲーム数が0であるか否かを判定する(ステップS871)。本前兆ゲーム数が0でない場合(ステップS872:NO)、何もせずに本前兆中状態移行管理処理を抜ける。一方、本前兆ゲーム数が0である場合(ステップS873:NO)、演出状態を「AT遊技」中にセットし、本前兆中状態移行管理処理を抜ける。
(5−1−5(ハ).AT遊技中状態移行管理処理:図56)
図56は、ステップS848のAT遊技中状態移行管理処理を示すフローチャートである。
図56において、まず、演出制御部410は、ボーナス図柄が有効入賞ライン上に停止したか否かを判定する(ステップS881)。
ボーナス図柄が停止していなかった場合(ステップS881:NO)、何もせずにAT遊技中状態移行管理処理を抜ける。一方、ボーナス図柄が停止した場合(ステップS881:YES)、演出状態を「ボーナス遊技」中にセットする(ステップS882)。演出状態が「ボーナス遊技中」にセットされると、ボーナス中演出がハイパーボーナス遊技用のボーナス中演出に変更されることになる。これにより、AT遊技中状態移行管理処理を抜ける。
(5−1−6.ボーナス開始時ウェイト開始コマンド受信処理:図57)
図57は、ボーナス開始時ウェイト開始コマンドを受信した際に行われるボーナス開始時ウェイト開始コマンド受信処理を示すフローチャートである。このボーナス開始時ウェイト開始コマンドは、ボーナス遊技作動開始処理のステップS702の処理(図26参照)でセットされる演出制御コマンドである。
このボーナス開始時ウェイト開始コマンド受信処理では、まず、開始時フリーズ演出実行フラグを確認して開始時フリーズ演出が行われたか否かを判定する(ステップS911)。
開始時フリーズ演出が行われていた場合(ステップS911:YES)、ボーナス開始演出を行う必要がないので、何もせずにボーナス開始時ウェイト開始コマンド受信処理を抜ける。一方、開始時フリーズ演出が行われていない場合(ステップS911:NO)、ボーナス開始演出をセットし(ステップS912)、これにより、ボーナス開始時ウェイト開始コマンド受信処理を抜ける。
(5−1−7.ボーナス開始時ウェイト終了コマンド受信処理:図58)
図58は、ボーナス開始時ウェイト終了コマンドを受信した際に行われるボーナス開始時ウェイト終了コマンド受信処理を示すフローチャートである。このボーナス開始時ウェイト終了コマンドは、ボーナス遊技作動開始処理のステップS706の処理(図26参照)でセットされる演出制御コマンドである。
このボーナス開始時ウェイト終了コマンド受信処理では、まず、開始時フリーズ演出実行フラグを確認して開始時フリーズ演出が行われたか否かを判定する(ステップS921)。
開始時フリーズ演出が行われていた場合(ステップS921:YES)、何もせずにボーナス開始時ウェイト終了コマンド受信処理を抜ける。一方、開始時フリーズ演出が行われていない場合(ステップS921:NO)、ボーナス中演出をセットする(ステップS922)。なお、現在の演出状態が「ボーナス遊技」中である場合には、ボーナス中演出をハイパーボーナス遊技用のボーナス中演出に、そうでない場合にはチャレンジボーナス遊技用のボーナス中演出を選択しセットする。これにより、ボーナス開始時ウェイト終了コマンド受信処理を抜ける。
図48に戻り、次に、開始時フリーズ演出進行処理(ステップS84)を行う。
(6.開始時フリーズ演出進行処理:図59)
図59は、ステップS84の開始時フリーズ演出進行処理を示すフローチャートである。
図59において、まず、演出制御部410は、開始時フリーズ演出実行フラグを確認して開始時フリーズ演出が行われたか否かを判定する(ステップS951)。
開始時フリーズ演出が行われていない場合(ステップS951:NO)、何もせずに開始時フリーズ演出進行処理を抜ける。一方、開始時フリーズ演出が行われていた場合(ステップS951:YES)、次に、ボーナス開始演出が終了したか否かを判定する(ステップS952)。
ボーナス開始演出が終了していない場合(ステップS952:NO)、何もせずに開始時フリーズ演出進行処理を抜ける。一方、ボーナス開始演出が終了した場合(ステップS952:YES)、ボーナス中演出をセットし(ステップS953)、開始時フリーズ演出実行フラグをクリアし(ステップS954)、これにより開始時フリーズ演出進行処理を抜ける。なお、ここでは、純ハズレ時のボーナス遊技となるので、ステップS953でセットされるボーナス中演出は、ハイパーボーナス遊技用のボーナス中演出となる。
この開始時フリーズ演出進行処理により、回胴回転始動レバー11の操作時(回胴回転始動直前)に開始時フリーズ演出が発生し、これに伴いボーナス開始演出が行われ、そのボーナス開始演出が終了すると、ボーナス中演出が行われることになる。したがって、ボーナス図柄の入賞に先立ってボーナス中演出が開始される可能性がある。しかしながらこのような構成にしても、ボーナス図柄の入賞が今回のゲームで約束されているので、ボーナス図柄の入賞に先立ってボーナス中演出が開始されたとしても、遊技者に不信感を与えることのない、遊技進行を実現することができる。
図48に戻り、次に、演出進行処理を行う(ステップS85)。この演出進行処理では、上記コマンド対応処理や上記開始時フリーズ演出進行処理において設定された演出内容(演出シナリオ)に基づいて、ランプやLEDやスピーカ16を作動させる制御信号(発光制御信号や音声制御信号)、液晶制御コマンドの作成を行う。そして、作成した出力データをサブRAM421bの所定の領域に格納する。そして、各演出手段の動作が必要なタイミングで上記のデータを出力する(ステップS86)。
そして、退避したレジスタの内容を復帰させ(ステップS87)、これにより演出制御側タイマ割込処理を終了する。
<特許請求の範囲と実施形態との対応関係>
次に、特許請求の範囲と本発明の実施形態との主な対応関係について説明する。
左回胴5a、中回胴5b、右回胴5cは、回胴に相当する。回胴回転始動スイッチ11aは、始動スイッチに相当する。ステップS15の乱数取得処理およびステップS16の内部抽選処理は、役抽選手段に相当する。ステップS16の内部抽選処理中のステップS106は、当選情報設定手段に相当する。回胴回転停止スイッチ12a’、12b’、12c’は、停止スイッチに相当する。ステップS19の回胴停止処理は、停止制御手段に相当する。押し順ベル(順押ベル役1〜9、逆押ベル役1〜9)は、特定役に相当する。誤入賞判定情報は、イリーガル判定用データに相当する。ステップS306のイリーガル判定用データ設定処理は、誤入賞判定情報設定手段に相当する。遊技結果情報は、当り図柄フラグ1、当り図柄フラグ2に相当する。ステップS20の入賞判定処理中のステップS601は、遊技結果情報設定手段に相当する。ステップ20の入賞判定処理中の誤入賞判定処理(ステップS603)は、誤入賞判定手段に相当する。
以上、図面を参照しながら本発明の好ましい一実施形態に係る回胴式遊技機について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明を逸脱しない範囲において各種構成要素の改変が可能である。また、以上に説明した実施形態では、遊技媒体として遊技メダルを使用する回胴式遊技機を例に挙げて説明したが、本発明は、他の遊技媒体、たとえば、遊技球を用いる回胴式遊技機にも好適である。