JP5683501B2 - 免疫組織化学染色用前処理液及びその濃縮液 - Google Patents

免疫組織化学染色用前処理液及びその濃縮液 Download PDF

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Description

本発明は、パラフィンを含む包埋媒体によりスライドガラス等に包埋された抗原となる組織検体から該包埋媒体を溶出させ、抗原性を賦活化させた後、洗浄し、抗体と反応させて、染色する免疫組織化学染色法を、短時間で、しかも省力化して実施することを可能にする、免疫組織化学染色用前処理液及びその濃縮液に関する。更に詳細には、免疫組織化学染色に用いるパラフィンを含む包埋媒体により包埋された組織検体を含むスライドガラスから該包埋媒体を溶出させる作用と、抗原性を賦活化させる作用とを同時に備え、その後の免疫組織化学染色においても十分な染色強度が得られ、更には、一度使用した後にも溶出した包埋媒体の分散状態が維持され、3回以上の連続使用が可能である、免疫組織化学染色を実施するための免疫組織化学染色用前処理液及びその濃縮液に関する。
病理において免疫組織化学染色を行うための組織検体を含むスライドガラスにおける、脱パラフィン及び抗原性賦活化の前処理は、例えば、非特許文献1に記載されるように、通常は、第1工程として、ホルマリン固定・パラフィン包埋された組織切片を、3分×3回のキシレン、ベンゼン、トルエンなどの有機溶剤層に通過させ、脱パラフィンを行う。その後、第2工程として、3分×4回のエタノールなどの両親媒性溶液を通過させ、スライドガラスおよび組織検体の親水化を行う。次いで、第3工程として、親水化した組織検体の抗原性を賦活化させるために、クエン酸緩衝液、Tris-EDTA溶液などの抗原賦活化用溶液に、親水化した組織検体を浸水し、加熱処理により抗原賦活化を行う。
上記前処理において、第1工程で用いるキシレン、ベンゼン、トルエンなどの有機溶剤は、毒性が高く、揮発性も高いため、ドラフトなどの排気設備が必要であり、作業従事者の環境を悪化させる原因になるという問題がある。
そこで、上記問題がある有機溶剤に代わる安全性の高い脱パラフィン剤として、柑橘類表皮より抽出・精製された有機溶剤、商品名「Hemo-De」(株式会社ファルマ社製)や、脂肪族炭化水素(アルカン系)を用いた、商品名「Clear-Plus」および「Hemo-Clear」(共に株式会社ファルマ社製)、商品名「ティシュー・クリア」(サクラファインテックジャパン社製)などが市販されている。
近年、上記の安全性の高い脱パラフィン剤を用いるよりも、上記前処理における3つの工程を、同一溶液中で同時処理する、より簡便な方法が望まれいくつか提案がなされている。
例えば、特許文献1には、パラフィン包埋された組織検体を、芳香族炭化水素、テルペン又はイソパラフィン系炭化水素から選択されるパラフィン可溶化有機溶剤、極性有機溶剤、抗原性賦活化成分、及び界面活性剤などを配合した溶液を用い、パラフィンの融点以上の温度に加熱することで、脱パラフィンと抗原性賦活化とを同時処理する前処理方法が提案されている。また、特許文献1には、上記前処理方法の後に実施する洗浄工程において、残存した界面活性剤を除去するために、洗浄溶液に、界面活性剤と結合するシクロデキストリンを含有させうることも記載されている。
しかし、特許文献1の実施例7には、前処理方法に用いる上記溶液を、連続使用した場合、前処理後の上記溶液に溶出した残留パラフィンが、次のスライドに付着して連続使用には不向きであったことが記載されている。
更に、特許文献1に記載された上記組成の溶液を、アルカリ性のpHを持つ溶液とした場合には、組織検体が貼り付けられたスライドガラスにおける組織検体が存在していないガラス部分において、上記前処理方法の後に行われる免疫組織化学染色の際に、染色試薬を弾き、染色ムラが生じる可能性が高くなるという問題がある。
また、特許文献2及び3においても、各種緩衝液、界面活性剤、エチレングリコール等を含む溶液を用いて、特許文献1に記載の上記前処理方法と同様に、脱パラフィンと抗原性賦活化とを同時処理できることが記載されている。
しかしながら、これら文献においても、特許文献1に記載された前処理液と同様に、その連続使用については意図されておらず、溶出させたパラフィンを溶液中に分散等させる技術についても何等記載されていない。従って、これら文献に記載された前処理液においても、連続使用した場合には、特許文献1に記載された前処理液と同様な上述の問題が生じる可能性がある。
ところで、免疫組織化学染色に用いる、脱パラフィンと抗原性賦活化とを同時処理できる前処理液は、既に、いくつか市販されている。例えば、上記特許文献に記載されるような、1回使いきりタイプのものとして、商品名「Trilogy」(Cell Marque 社製)が、また、1週間で3回連続使用することのできるものとして、商品名「Target Retrieval Solution」pH9(3−in−1)(Dako 社製)が市販されている。
これら市販品の配合組成は明らかではないが、シクロデキストリンは含まれていない。また、何れの製品も、使用によって前処理液に溶出させた疎水性物質であるパラフィンの多くが、溶液表面に浮くという現象が生じることが多い。
このような溶液表面におけるパラフィンの浮きは、組織検体を有するスライドガラスを該溶液から取り出す際に付着してしまい、その後に実施する染色の前に行う洗浄工程をより多くする必要があり、操作が煩雑化する、または、後に行う免疫組織化学染色に悪影響を及ぼす可能性があるなどの問題が生じる。更に、染色を、自動免疫組織化学染色機器を用いて行う場合には、該機器に悪影響を及ぼす可能性がある。
特表2001−505297号公報 特表2003−526086号公報 米国特許第6649368号明細書
「酵素抗体法」(改訂四版 渡辺・中根 学際企画2002)
本発明の課題は、免疫組織化学染色における、組織検体である薄切された組織切片を貼り付け、パラフィンを含む包埋媒体により包埋されたスライドガラスから該包埋媒体を溶出させる作用と、該組織検体の抗原性を賦活化させる作用とを同時に備え、その後の免疫組織化学染色においても十分な染色強度が得られ、更には、一度使用した後にも溶出した包埋媒体の分散状態が維持され、3回以上の連続使用が可能で、しかも安全性にも優れた、免疫組織化学染色用前処理液を提供することにある。
本発明の別の課題は、上記課題を解決でき、しかも、免疫組織化学染色における、組織検体である薄切された組織切片を貼り付け、パラフィンを含む包埋媒体により包埋されたスライドガラスから該包埋媒体を溶出させ、該組織検体の抗原性を賦活化させた後に行う染色の際に、組織検体が存在していないガラス部分において染色試薬が弾かれることを抑制し、染色ムラを防止することが可能な、免疫組織化学染色用前処理液を提供することにある。
本発明の他の課題は、上記課題を解決しうる免疫組織化学染色用前処理液を、使用時に容易に調製することが可能な免疫組織化学染色用前処理濃縮液を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した。まず、免疫組織化学染色の前処理液として、従来から使用されている、キシレン、ベンゼン、トルエン等の安全性が懸念される有機溶媒を使用せずに、環境等にも配慮しうる、水主体の前処理液であって、パラフィンを含む包埋媒体により包埋された組織検体を含むスライドガラスから該包埋媒体を十分溶出させることができる作用と、前処理液の連続使用を可能にするために、溶出させた包埋媒体が溶液表面に浮くのを抑制し、溶液中に分散等させることが可能な作用とを併せ持つ成分として、種々の界面活性剤について検討した。
その結果、1種類の界面活性剤では上記2つの作用を両立させることができないこと、特定の2種類の界面活性剤を用いることにより、ある程度達成できるが、前処理液をアルカリ性にして3回以上の連続使用をした場合に、連続使用における前処理液使用後の染色工程において、検体における組織が存在していないスライドガラス部分で染色試薬が弾かれ、染色ムラが生じる可能性があることが判明した。
そこで、特定の2種類の界面活性剤に、更に、種々の高分子化合物等を組み合わせて、上記問題点を解決しうる成分を探索した。
加えて、上記包埋媒体の溶出と抗原性の賦活化とを同一溶液で同時に処理することを可能にし、また、染色工程における染色強度にも影響をほとんど与えないことを確認するために、公知の抗原性賦活化剤を組み合わせて、上述の各課題を解決しうる成分の組み合わせを種々検討した。
そして、従来、免疫組織化学染色の前処理液には使用されていないが、上記特許文献1において、前処理液の後に使用する洗浄溶液に含有させることにより、残存界面活性剤を除去することが可能であることが記載された、シクロデキストリン又はその誘導体についても検討してみた。
その結果、シクロデキストリン又はその誘導体を、上記特定の2種類の界面活性剤及び抗原性賦活化剤に加えて、前処理溶液に2質量%配合して実験したところ、特許文献1に記載されるように界面活性剤と結合してしまうのか、界面活性剤自体の作用も阻害され、分散能が著しく低下し、解決したはずのパラフィンが浮くという問題点がみられた。更には、染色における染色強度も著しく低下して期待する作用効果が得られなかった。しかしながら、予想外にも、シクロデキストリン又はその誘導体の配合割合を特定割合にした場合に、界面活性剤の作用も阻害されず、染色における染色強度の低下も抑制され、上記種々の課題が全て解決しうることを確認した。
更に、上記組成において、両親媒性溶液を更に加えると、上記染色強度が更に増強され、また、前処理液をアルカリ性にした場合に生じる上記染色試薬の弾きの抑制効果も更に改善されることが判明した。
本発明によれば、パラフィンを含む包埋媒体により包埋された組織検体を含むスライドガラスから、該包埋媒体を溶出させ、且つ該組織検体の抗原性を賦活化させる、免疫組織化学染色を実施するための、3回以上利用可能な前処理液であって、
抗原性賦活化剤と、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル系非イオン界面活性剤と、ポリオキシエチレンソルビタン系非イオン界面活性剤と、シクロデキストリン又はその誘導体とを含み、残部として80質量%以上の水とを含み、前記抗原性賦活化剤を、前処理液のpHが5.0〜10.0となる割合で含み、前記シクロデキストリン又はその誘導体を0.01〜1.0質量%含み、必要により、両親媒性溶液等を更に含む免疫組織化学染色用前処理液が提供される。
また本発明によれば、上記免疫組織化学染色用前処理液から水を減じた、使用時に所定量の水を加えて所定のpHとして免疫組織化学染色用前処理液として使用するための免疫組織化学染色用前処理濃縮液が提供される。
更に本発明によれば、上記所定のpHが5.0〜7.0であって、1液タイプであることを特徴とする上記免疫組織化学染色用前処理濃縮液が提供される。
更にまた、本発明によれば、抗原性賦活化剤を含む第1の濃縮液と、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル系非イオン界面活性剤、ポリオキシエチレンソルビタン系非イオン界面活性剤、及びシクロデキストリン又はその誘導体を含み、必要により、両親媒性溶液を更に含む第2の濃縮液とからなる2液タイプであって、
前記第1の濃縮液と、前記第2の濃縮液と、所定量の水とを混合して、上記所定のpHを8.0〜10.0として使用することを特徴とする上記免疫組織化学染色用前処理濃縮液が提供される。
本発明の免疫組織化学染色用前処理液は、抗原性賦活化剤と、特定の2種類の界面活性剤と、特定割合のシクロデキストリン又はその誘導体とを含み、残部として80質量%以上の水とを含むので、免疫組織化学染色に用いるパラフィンを含む包埋媒体により包埋された組織検体を含むスライドガラスから該包埋媒体を溶出させる作用と、該組織検体の抗原性を賦活化させる作用とを同時に備え、その後の免疫組織化学染色においても十分な染色強度が得られ、更には、一度使用した後にも溶出した包埋媒体の分散状態が維持され、使用した溶液表面におけるパラフィンの浮きが抑制され、3回以上の連続使用が可能である。しかも、キシレン等の有機溶媒を含まないので、安全性にも優れ、環境的にも有利である。また、本発明の免疫組織化学染色用前処理液をアルカリ溶液とした場合であっても、上記染色試薬の弾きの抑制効果も得られる。
従って、本発明の免疫組織化学染色用前処理液を用いることにより、免疫組織化学染色を、短時間で、省力化して行うことができる。
本発明の免疫組織化学染色用前処理液に、更に両親媒性溶液を含有させることにより、上記染色強度が更に増強され、また、上記染色試薬の弾きの抑制効果も更に改善することができる。
本発明の免疫組織化学染色用前処理濃縮液は、本発明の免疫組織化学染色用前処理液から水を減じた濃縮液であるので、使用時に所定量の水を加えて所定のpHとすることで、容易に免疫組織化学染色用前処理液として使用することができる。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明の免疫組織化学染色用前処理液及びその濃縮液は、特異的な抗原抗体反応を基盤にして、生体の正常又は腫瘍組織や細胞等に存在する特定の物質(抗原)を検出することにより、病理診断等を行うための、いわゆる、免疫組織化学染色法に用いる前処理液及びその濃縮液である。
免疫組織化学染色法に用いる組織検体は、長期保存等を目的として、通常ホルマリンやアルコール等によって固定し、続いてパラフィンを含む包埋媒体により、組織や細胞等が包埋されたものである。このホルマリン固定パラフィン包埋ブロックを薄切し、顕微鏡スライドガラスに貼り付けて免疫組織化学染色を行う。このような免疫組織化学染色を行う場合には、使用する一次抗体の種類によっては染色に先立って、脱パラフィン及び抗原性の賦活化を行う必要がある。
前記脱パラフィン及び抗原性の賦活化の一般的方法は、上述のとおり、例えば、ホルマリン固定・パラフィン包埋された組織検体を、キシレン、ベンゼン、トルエンなどの有機溶剤により脱パラフィンする工程と、エタノール等の両親媒性溶液により、脱パラフィンした組織検体を親水化させる工程と、親水化した組織検体上に存在する抗原を賦活化させる工程との3つの工程により行われている。そして、免疫組織化学染色法では、上記工程の後、洗浄工程及び染色工程が行われている。
本発明においては、上述の3つの工程からなる前処理を1つの溶液、即ち、免疫組織化学染色用前処理液を用いて、同時に行うことを可能にするものである。このように使用する前処理液は、従前においても提案、並びに市販されているが、そのほとんどが1回用であって、3回以上、例えば、3〜4回程度連続使用できるものは少なく、本発明では、このような3回以上利用可能な、好ましくは3〜5回利用可能な前処理液及びその濃縮液を提供するものである。
本発明の前処理液は、水を80質量%以上、好ましくは85質量%以上、特に好ましくは90質量%以上含み、一般に使用されているキシレン等の安全性に問題のある有機溶媒を含まないものであって、抗原性賦活化剤と、特定の2種類の非イオン界面活性剤と、シクロデキストリン又はその誘導体とを含む。水としては、脱イオン水の使用が好ましい。尚、この水の含有割合は、他の成分に含まれる水分量も含めた割合である。
前記抗原性賦活化剤は、加熱処理により抗原性の賦活化を可能にする公知のものであれば特に限定されず、対象とする組織に応じてpH調整を可能とするものを適宜選択することができる。抗原性賦活化剤としては、例えば、クエン酸緩衝液、トリス含有緩衝液、SSC緩衝液等の各種緩衝液や、これらにEDTA等のキレート剤を含有させたものが挙げられる。
抗原性賦活化剤の含有割合は、本発明の前処理液のpHを5.0〜10.0、好ましくは6.0〜9.0となるように、対象とする組織に応じて適宜決定することができる。
前記特定の2種類の界面活性剤は、ポリオキシエチレン(POEと略す)アルキルフェニルエーテル系非イオン界面活性剤と、POEソルビタン系非イオン界面活性剤である。
POEアルキルフェニルエーテル系非イオン界面活性剤は、本発明の前処理液において、主に脱パラフィンに関与する成分であって、例えば、NP−40(商標)、TritonX-100(登録商標)、TritonX-114(登録商標)、又はIGEPAL CA-630(登録商標)の少なくとも1種を好ましく挙げることができる。
POEアルキルフェニルエーテル系非イオン界面活性剤の含有割合は、上記主の作用を考慮して適宜決定できるが、通常0.01〜1.0質量%、好ましくは0.01〜0.5質量%、特に好ましくは0.05〜0.3質量%である。POEアルキルフェニルエーテル系非イオン界面活性剤の含有割合が低い場合には、脱パラフィン作用が低下する恐れがあり、一方、含有割合が高い場合には、後述する抗原性の賦活化のための加熱において、所定温度を一定に保つことが困難になる恐れがある。
POEソルビタン系非イオン界面活性剤は、本発明の前処理液において、主に、後述するシクロデキストリン又はその誘導体との相互作用により、3回以上の利用において、溶出したパラフィンを前処理液中に分散維持させる作用に関与する成分であって、例えば、Tween 20(商標)、Tween 40(商標)、又はTween 80(商標)の少なくとも1種を好ましく挙げることができる。
POEソルビタン系非イオン界面活性剤の含有割合は、上記主の作用を考慮して適宜決定できるが、通常0.3〜3.0質量%、好ましくは0.5〜1.5質量%、特に好ましくは0.5〜1.0質量%である。POEソルビタン系非イオン界面活性剤の含有割合が低い場合には、連続使用による上記パラフィンの分散性が低下する恐れがあり、一方、含有割合が高い場合には、後述する抗原性の賦活化のための加熱において、所定温度を一定に保つことが困難になる恐れがある。
シクロデキストリン又はその誘導体は、本発明の前処理液において、主に、前処理後に行う染色において、スライドガラスにおける染色試薬の弾き抑制に関与する成分であって、その他、溶出したパラフィンを前処理液中に分散維持させる作用にも関与する成分であって、例えば、天然物であるα−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリンや、これらの誘導体、特に、水酸基等を付与して水溶性が改善されたものの少なくとも1種が挙げられ、特に、ヒドロキシアルキル−α−シクロデキストリン、ヒドロキシアルキル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシアルキル−γ−シクロデキストリン等のヒドロキシアルキルシクロデキストリン、中でもヒドロキシアルキル−β−シクロデキストリンを好ましく挙げることができる。該アルキルとしては、例えば、エチル又はプロピルが挙げられる。
シクロデキストリン又はその誘導体の含有割合は、0.01〜1.0質量%、好ましくは0.05〜0.5質量%、特に好ましくは0.05〜0.3質量%である。シクロデキストリン又はその誘導体の含有割合が、0.01質量%未満では、上記スライドガラスにおける染色試薬の弾き抑制効果が得られない。一方、1.0質量%を超える場合には、溶出したパラフィンを前処理液中に分散維持させる作用を逆に悪化させ、上記界面活性剤の作用を阻害するような結果となる。さらに抗原性の賦活化を阻害し、十分な染色強度も得られなくなる。従って、特に、シクロデキストリン又はその誘導体の含有割合の上限に関しては、本発明の所望の効果が阻害されるので注意が必要である。
本発明の前処理液には、上記必須成分の他に、該所望の効果を更に改善するために、また、本発明の所望の効果を阻害しない範囲で他の効果を発揮させるため等に、その他の成分を含有させることができる。
その他の成分としては、例えば、主に、前処理の後に行う染色において、染色強度を更に向上させ、また、シクロデキストリン又はその誘導体との組み合わせによる、上記スライドガラスにおける染色試薬の弾き抑制効果の更なる向上のために、両親媒性溶液を含有させることが好ましい。
両親媒性溶液としては、上記効果の改善が期待できるものであれば特に限定されないが、好ましくは、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、又は1,3−ブチレングリコールの少なくとも1種が挙げられる。これらの中でも、エチレングリコールは、上記効果の改善に加えて、前処理液に溶出、分散させた細かいパラフィンが、スライドガラスに再付着するのを抑制する効果を保持するため、3回以上の連続使用には特に好ましい。
本発明の前処理液に両親媒性溶液を含有させる場合の含有割合は、その効果等を考慮して適宜決定することができるが、通常、1.0〜5.0質量%、好ましくは2.0〜4.0質量%である。両親媒性溶液の含有割合が低い場合には、期待する効果の改善作用が得られない恐れがある。一方、両親媒性溶液の含有割合が高い場合には、本発明の前処理液の効果であるパラフィンの浮き抑制作用が、逆に阻害される恐れがある。
その他の成分としては、長期における優れた保存安定性を維持するために、上記両親媒性溶液の他に、防腐剤、殺菌剤、例えば、アジ化ナトリウム、チメロサール、ゲンタマイシン、プロクリン(商品名、SUPELCO社製)、パラヒドロキシ安息香酸エステル類(パラベン)、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジウムのうち、少なくとも1種が挙げられる。
その含有割合は、本発明の効果を阻害しない範囲で、その機能を考慮して適宜選択することができる。
本発明の免疫組織化学染色用前処理濃縮液は、上記本発明の前処理液を調製するためのものであって、上記本発明の前処理液から水を減じた、使用時に所定量の水を加えて所定のpHとして使用するものである。
濃縮度は、適宜選択できるが、通常5〜20倍、好ましくは5〜10倍濃縮液とすることができる。
本発明の免疫組織化学染色用前処理濃縮液は、その保存安定性をより向上させるために、上記所定のpHが5.0〜7.0の場合には、1液タイプとすることが好ましい。
一方、上記所定のpHを8.0〜10.0として使用する場合には、抗原性賦活化剤、必要により防腐剤を含む第1の濃縮液と、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル系非イオン界面活性剤、ポリオキシエチレンソルビタン系非イオン界面活性剤、及びシクロデキストリン又はその誘導体、必要により、両親媒性溶液や、緩衝液を含む第2の濃縮液とからなる2液タイプとすることができる。
本発明の免疫組織化学染色用前処理濃縮液は、上記1液タイプの場合も、2液タイプの場合も、所定のpHとなるように、所定量の脱イオン水等の水と混合することにより、本発明の前処理液を調製して使用することができる。
本発明の前処理液は、用手法でも自動化機器を用いる方法のいずれでも使用することができ、特に、温度制御可能な自動機器及び自動免疫組織化学染色機器を用いた方法が簡便で好ましい。
本発明の前処理液を用いた、免疫組織化学染色における前処理は、例えば、脱パラフィンを促進するために、まず、通常20〜70℃、好ましくはパラフィン等の包埋媒体の融点以上の温度に制御した本発明の前処理液に、処理するパラフィンを含む包埋媒体により包埋された組織を有するスライドガラス等の検体を導入し、複数回振とうする。この際、通常、パラフィンが除去されていることを確認する。
次に、抗原性の賦活化を促進させるために、前処理液の温度を上昇させ、必要に応じて圧力をかけて反応時間を短縮させることができる。この際の温度は、通常80〜130℃、好ましくは90〜120℃程度であり、このような温度における保持時間は、通常1〜70分間、好ましくは5〜60分間程度である。
上記温度上昇をさせて処理した後、再び、前処理液の温度を20〜70℃程度まで下降させ、振とう等させることにより前処理を完了することができる。
本発明の前処理液は、3回以上、通常3〜5回、好ましくは3〜4回の連続使用が可能であるので、使用後の上記前処理液を用いて、同様に次の組織検体の前処理を行い、例えば、5回用であれば、1回目と5回目の前処理で同様の染色結果を得ることができる。
前処理終了後のスライドガラスは、公知の方法により、次の洗浄工程及び免疫組織化学染色工程を行うことにより、免疫組織化学染色を実施することができる。
以下、実施例、対象例及び比較例により本発明を更に詳細に説明するが本発明はこれらに限定されない。
尚、以下に示す例において評価は下記のとおり行った。
評価項目(1):脱パラフィンと抗原性賦活化とが同一前処理液で同時処理が可能であるか否か
評価は、可能であったものを「可」、できなかったものを「否」とした。
評価項目(2):前処理液による脱パラフィン+抗原性賦活化処理後のパラフィンの溶液表面への浮き具合を目視で観察
評価は、全く浮いていないを5点、ごくわずかに浮いているを4点、小さい塊が浮いているを3点、小さい塊と大きい塊が混在して浮いているを2点、大きい塊が浮いているを1点(結果は、3回の平均点で表示)。
評価項目(3):スライドガラスの免疫組織化学染色用試薬の弾き具合を目視で観察
評価は、弾きは見られないを5点、細かい弾きが少しあるを4点、細かい弾きが多くあるを3点、細かい弾きと大きい弾きが混在しているを2点、大きい弾きがあるまたは大きな問題があるを1点とした。
評価項目(4):光学顕微鏡観察にて確認した染色強度
評価は、対象例1〜3と比較して強いものを2点、対象例1〜3と比較してやや強いものを1点、対象例1〜3と同程度のものを0点、対象例1〜3と比較してやや弱いものを−1点、対象例1〜3と比較してて弱いものを−2点とした。
評価項目(5):前処理液による脱パラフィン+抗原性賦活化処理を行った後の組織の厚み(この厚さが薄い方が、組織検体の内部に存在するパラフィン等も十分溶出したことを意味する。)
評価は、対象例1〜3と同程度のものを5点、対象例1〜3と比較して若干厚いものを4点、対象例1〜3と比較してやや厚いものを3点、対象例1〜3と比較して厚いものを2点、対象例1〜3と比較してかなり厚いものを1点とした。
評価項目(6):評価項目(1)〜(5)を参照し、前処理液の連続3回使用が可能か否か
評価は、可能であったものを「可」、可能でなかったものを「否」とした。
対象例1〜3(一般に行われている、脱パラフィン工程、親水化工程及び抗原性賦活化工程を別に行う例)
(A)前処理工程
<脱パラフィン工程及び親水化工程>
ホルマリン固定パラフィン包埋扁桃組織を3μmに薄切し、コーティングスライドガラス(MASコート、松浪硝子工業社製)に貼り付け、37℃で18時間乾燥させた。これを、キシレン層に3分×3回静置し、脱パラフィンを行った。その後、エタノール層に3分×4回静置し、親水化を行った。最後のエタノール層静置後、pH7.6のリン酸緩衝液にて3分×3回の洗浄を行った。
<抗原性賦活化工程>
pH6.0のクエン酸緩衝液(対象例1)、pH7.0のクエン酸緩衝液(対象例2)、又はpH9.0のEDTA含有Tris-HCl緩衝液(対象例3)(いずれも界面活性剤は含有していない)の入ったそれぞれのプラスチックドーゼに、上記親水化及び洗浄終了後のスライドガラスを入れ、各プラスチックドーゼを卓上オートクレーブ(アルプ株式会社製)の中に入れて、121℃で20分間処理を行った。オートクレーブでの処理終了後、プラスチックドーゼを取り出し、20分間室温静置を行って、抗原性賦活化を行った。
(B)洗浄工程
次いで、上記静置20分経過後、スライドガラスをpH7.6のリン酸緩衝液に移動し、5分×3回の静置により洗浄を行った。
(C)免疫組織化学染色工程
(1)用手法での免疫組織化学染色
(B)洗浄工程を行ったスライドガラスを、3%過酸化水素/メタノール溶液の中に入れ、軽く振とう後、10分間静置した。次いで、pH7.6のリン酸緩衝液に移動し、5分×3回の静置により洗浄を行った。
得られたスライドガラスの水気を切り、組織検体の周りをPAP PEN(大道産業)を用いて囲んだ。次いで、一次抗体として、商品名「CD3ウサギモノクローナル抗体(SP7)」(ニチレイバイオサイエンス社製)を、スライドガラスに滴下し、25℃で60分間反応させた。反応終了後、pH7.6のリン酸緩衝液に移動し、5分×3回の静置により洗浄を行った。
次に、洗浄したスライドガラスの水気を切って、二次抗体として、商品名「ヒストファイン シンプルステインMAX-PO(MULTI)」(ニチレイバイオサイエンス社製)を滴下し、25℃で30分間反応させた。反応終了後、pH7.6のリン酸緩衝液に移動し、5分×3回の静置により洗浄を行った。
該洗浄後、水気を切ったスライドガラスに、発色基質として、商品名「DAB基質キット」(ニチレイバイオサイエンス社製)を用いて調製したDAB溶液を滴下し、室温で5分間反応させた後、5分間流水洗浄を行った。続いて、水気を切り、マイヤーヘマトキシリンに30秒間反応させ発色させた後、5分間流水洗浄を行った。
次いで、水気を切り、エタノール層通過×3回、エタノール層静置3分×1回、キシレン層通過1回、キシレン層静置5分×2回を行い、脱水・透徹を行った後、非水溶性封入剤(ニチレイバイオサイエンス社製)により、封入を行った。
(2)自動免疫組織化学染色機器での免疫組織化学染色
(B)洗浄工程を行ったスライドガラスを、自動免疫組織化学染色機器(商品名「ヒストステイナー」、ニチレイバイオサイエンス社製)(以下、「ヒストステイナー」と略す)のスライドラックにセットし、組織が乾燥しないように、pH7.6のリン酸緩衝液をかけておいた。次いで、ヒストステイナー用PBSでセットしたスライドガラスを洗浄し、風乾燥後、3%過酸化水素水(ニチレイバイオサイエンス社製)をセットしたスライドガラスに滴下し、5分間反応させた。
反応終了後、ヒストステイナー用PBSで洗浄し、風乾燥後、一次抗体として、商品名「CD3ウサギモノクローナル抗体(SP7)(ヒストステイナー用)」(ニチレイバイオサイエンス社製)をスライドガラスに滴下し、室温で30分間反応させた。反応終了後、ヒストステイナー用PBSで2回洗浄した。次に、風乾燥後、二次抗体として、商品名「ヒストファイン シンプルステインMAX-PO(MULTI)(ヒストステイナー用)」(ニチレイバイオサイエンス社製)をスライドガラスに滴下し、室温で30分間反応させた。反応終了後、ヒストステイナー用PBSで2回洗浄した。
続いて、発色基質として、商品名「DAB基質キット(ヒストステイナー用)」(ニチレイバイオサイエンス社製)を用いて調製したDAB溶液をスライドガラスに滴下し、室温で10分間反応させ発色させた。反応終了後、ヒストステイナー用PBSで1回洗浄し、その後、水で1回洗浄した。染色したスライドガラスを取り出し、5分間流水洗浄を行った。流水洗浄後、水気を切り、マイヤーヘマトキシリンに30秒間反応させ、更に5分間流水洗浄を行った。
次いで、水気を切り、エタノール層通過×3回、エタノール層静置3分×1回、キシレン層通過1回、キシレン層静置5分×2回を行い、脱水・透徹を行った後、非水溶性封入剤(ニチレイバイオサイエンス社製)により、封入を行った。
実施例1
(前処理液の調製)(両親媒性溶液を含まない、pH9.0の例)
得られる前処理濃縮液を10倍希釈することにより前処理液のpHを9.0に調整しうる、EDTA含有Tris-HCl緩衝液の10倍濃縮液を調製し、0.22μmフィルターでろ過を行った。得られた10倍濃縮液に、非イオン性界面活性剤であるTritonX-100を最終濃度0.1質量%、Tween20を最終濃度1.0質量%、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンを最終濃度0.1質量%となるように添加して前処理濃縮液を調製した。
得られた前処理濃縮液に、10倍量となるように脱イオン水でメスアップして、前処理液を調製した。
(A)前処理工程
<脱パラフィン工程及び抗原性賦活化工程>
温度制御のできる自動機器(商品名「PTModule」、サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)(以下、「PTModule」と略す)の中に上記で調製した前処理液を入れ、溶液の温度を65℃まで温めた。
一方、自動免疫組織化学染色機器である「ヒストステイナー」に使用するスライドラックに、ホルマリン固定パラフィン包埋扁桃組織を3μmに薄切し、コーティングスライドガラス(MASコート、松浪硝子工業社製)に貼り付け、37℃で18時間乾燥させたスライドガラスをセットした。
上記「PTModule」内の溶液温度が65℃になったら、蓋を開き、溶液内に、上記でセットしたスライドラックを入れ、数回振とうした。この際、溶液から引き上げてスライドガラス上にパラフィンが残っていないことを確認してから、「PTModule」にセットし、蓋を閉めた。その後、あらかじめセットしておいたプログラムにて「PTModule」による加熱処理を行った(溶液を65℃から100℃まで上昇させ、100℃にて40分間加温した後、65℃まで下降させた。)
(B)洗浄工程
上記加熱処理終了後、スライドラックにセットしたまま、スライドガラスを軽く振とうさせ、0.05質量%のTween20を含む、pH7.6のリン酸緩衝液にスライドガラスを移動し、5分間静置した。この際、組織検体およびスライドガラス部分にパラフィンが残っていないか(洗浄しても取れないものが確認できるかどうか)、また、前処理工程後の前処理液を室温付近まで静置し、溶液表面上のパラフィンの浮き具合を目視にて確認した。
(C)自動免疫組織化学染色機器での免疫組織化学染色
(B)洗浄工程を行った、「ヒストステイナー」のラックにセットされたスライドガラスを、そのままヒストステイナーにセットし、ヒストステイナー用PBSで洗浄し、風乾燥後、3%過酸化水素水(ニチレイバイオサイエンス社製)を滴下し、5分間反応させた。
反応終了後、ヒストステイナー用PBSで洗浄し、風乾燥後、一次抗体として、商品名「CD3ウサギモノクローナル抗体(SP7)(ヒストステイナー用)」(ニチレイバイオサイエンス社製)をスライドガラスに滴下し、室温で30分間反応させた。反応終了後、ヒストステイナー用PBSで2回洗浄した。次に、風乾燥後、二次抗体として、商品名「ヒストファイン シンプルステインMAX-PO(MULTI)(ヒストステイナー用)」(ニチレイバイオサイエンス社製)をスライドガラスに滴下し、室温で30分間反応させた。反応終了後、ヒストステイナー用PBSで2回洗浄した。
続いて、発色基質として、商品名「DAB基質キット(ヒストステイナー用)」(ニチレイバイオサイエンス社製)を用いて調製したDAB溶液をスライドガラスに滴下し、室温で10分間反応させた。反応終了後、ヒストステイナー用PBSで1回洗浄し、その後、水で1回洗浄した。染色したスライドガラスを取り出し、5分間流水洗浄を行った。流水洗浄後、水気を切り、マイヤーヘマトキシリンに30秒間反応させ、更に5分間流水洗浄を行った。
次いで、水気を切り、エタノール層通過×3回、エタノール層静置3分×1回、キシレン層通過1回、キシレン層静置5分×2回を行い、脱水・透徹を行った後、非水溶性封入剤(ニチレイバイオサイエンス社製)により、封入を行った。
以上の(A)〜(C)の工程を、前処理液を交換せずに、3回行った。3回目における上述の評価項目結果を、対象例1〜3の結果と合わせて表1に示す。但し、対象例の結果は、1回の処理の結果である。
実施例2
(前処理液の調製)(両親媒性溶液を含む、pH9.0の例)
得られる前処理濃縮液を10倍希釈することにより前処理液のpHを9.0に調整しうる、EDTA含有Tris-HCl緩衝液の10倍濃縮液を調製し、0.22μmフィルターでろ過を行った。得られた10倍濃縮液に、非イオン性界面活性剤であるTritonX-100を最終濃度0.1質量%、Tween20を最終濃度1.0質量%、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンを最終濃度0.1質量%、エチレングリコールを最終濃度3.0質量%となるように添加して前処理濃縮液を調製した。
得られた前処理濃縮液に、10倍量となるように脱イオン水でメスアップして、前処理液を調製した。
次いで、前処理液を、上記で調製したものに代えた以外は、実施例1と同様に(A)〜(C)工程を行い、同様に評価した。結果を表1に示す。
尚、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンの代わりに、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン又はγ−シクロデキストリンを用いて、この実施例2と同様に評価したところ、同様な結果が得られた。但し、α−シクロデキストリン及びβ−シクロデキストリンは、室温で溶解せず、加熱処理時に溶解してその効果が発揮されたので、取扱の点では、水溶性のヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンが最も好ましいことが分かった。
実施例3
(前処理液の調製)(両親媒性溶液を含まない、pH6.0の例)
得られる前処理濃縮液を10倍希釈することにより前処理液のpHを6.0に調整しうる、クエン酸緩衝液の10倍濃縮液を調製し、0.22μmフィルターでろ過を行った。得られた10倍濃縮液に、非イオン性界面活性剤であるTritonX-100を最終濃度0.1質量%、Tween20を最終濃度1.0質量%、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンを最終濃度0.1質量%、エチレングリコールを最終濃度3.0質量%となるように添加して前処理濃縮液を調製した。
得られた前処理濃縮液に、10倍量となるように脱イオン水でメスアップして、前処理液を調製した。
次いで、前処理液を、上記で調製したものに代えた以外は、実施例1と同様に(A)〜(C)工程を行い、同様に評価した。結果を表1に示す。
実施例4
(前処理液の調製)(両親媒性溶液を含む、pH6.0の例)
得られる前処理濃縮液を10倍希釈することにより前処理液のpHを6.0に調整しうる、クエン酸緩衝液の10倍濃縮液を調製し、0.22μmフィルターでろ過を行った。得られた10倍濃縮液に、非イオン性界面活性剤であるTritonX-100を最終濃度0.1質量%、Tween20を最終濃度1.0質量%、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンを最終濃度0.1質量%、エチレングリコールを最終濃度3.0質量%となるように添加して前処理濃縮液を調製した。
得られた前処理濃縮液に、10倍量となるように脱イオン水でメスアップして、前処理液を調製した。
次いで、前処理液を、上記で調製したものに代えた以外は、実施例1と同様に(A)〜(C)工程を行い、同様に評価した。結果を表1に示す。
実施例5
(前処理液の調製)(両親媒性溶液を含まない、pH7.0の例)
得られる前処理濃縮液を10倍希釈することにより該前処理液のpHを7.0に調整しうる、水酸化ナトリウムを含むクエン酸緩衝液の10倍濃縮液を調製し、0.22μmフィルターでろ過を行った。得られた10倍濃縮液に、非イオン性界面活性剤であるTritonX-100を最終濃度0.1質量%、Tween20を最終濃度1.0質量%、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンを最終濃度0.1質量%、エチレングリコールを最終濃度3.0質量%となるように添加して前処理濃縮液を調製した。
得られた前処理濃縮液に、10倍量となるように脱イオン水でメスアップして、前処理液を調製した。
次いで、前処理液を、上記で調製したものに代えた以外は、実施例1と同様に(A)〜(C)工程を行い、同様に評価した。結果を表1に示す。
実施例6
(前処理液の調製)(両親媒性溶液を含む、pH7.0の例)
得られる前処理濃縮液を10倍希釈することにより前処理液のpHを7.0に調整しうる、水酸化ナトリウムを含むクエン酸緩衝液の10倍濃縮液を調製し、0.22μmフィルターでろ過を行った。得られた10倍濃縮液に、非イオン性界面活性剤であるTritonX-100を最終濃度0.1質量%、Tween20を最終濃度1.0質量%、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンを最終濃度0.1質量%、エチレングリコールを最終濃度3.0質量%となるように添加して前処理濃縮液を調製した。
得られた前処理濃縮液に、10倍量となるように脱イオン水でメスアップして、前処理液を調製した。
次いで、前処理液を、上記で調製したものに代えた以外は、実施例1と同様に(A)〜(C)工程を行い、同様に評価した。結果を表1に示す。
比較例1
(前処理液の調製)(両親媒性溶液及びシクロデキストリンを含まない、pH9.0の例)
得られる前処理濃縮液を10倍希釈することにより前処理液のpHを9.0に調整しうる、EDTA含有Tris-HCl緩衝液の10倍濃縮液を調製し、0.22μmフィルターでろ過を行った。得られた10倍濃縮液に、非イオン性界面活性剤であるTritonX-100を最終濃度0.1質量%、Tween20を最終濃度1.0質量%となるように添加して前処理濃縮液を調製した。
得られた前処理濃縮液に、10倍量となるように脱イオン水でメスアップして、前処理液を調製した。
次いで、前処理液を、上記で調製したものに代えた以外は、実施例1と同様に(A)〜(C)工程を行い、同様に評価した。但し、比較例1では、前処理液の連続使用は無理であったので、2回目に行った結果を表1に示す。
比較例2
(前処理液の調製)(シクロデキストリンを含まない、pH9.0の例)
得られる前処理濃縮液を10倍希釈することにより前処理液のpHを9.0に調整しうる、EDTA含有Tris-HCl緩衝液の10倍濃縮液を調製し、0.22μmフィルターでろ過を行った。得られた10倍濃縮液に、非イオン性界面活性剤であるTritonX-100を最終濃度0.1質量%、Tween20を最終濃度1.0質量%、エチレングリコールを最終濃度3.0質量%となるように添加して前処理濃縮液を調製した。
得られた前処理濃縮液に、10倍量となるように脱イオン水でメスアップして、前処理液を調製した。
次いで、前処理液を、上記で調製したものに代えた以外は、実施例1と同様に(A)〜(C)工程を行い、同様に評価した。
比較例3及び4
(前処理液の調製)(シクロデキストリンを含まない、pH9.0の例)
エチレングリコールの代わりに、プロピレングリコール(比較例3)又は1,3−ブチレングリコール(比較例4)を用いた以外は、比較例2と同様に前処理液を調製し、実施例1と同様に(A)〜(C)工程を行い、同様に評価した。
Figure 0005683501
表1の結果から、シクロデキストリンを含まない比較例1〜4では、スライドガラスの染色試料の弾き(評価項目(3))の点から連続使用ができないことが分かる。また、両親媒性溶液を含む比較例2〜4では、比較例1よりも若干の弾き解消は見られたが、3回以上の連続使用に耐えうる性能を有していなかった。一方、実施例においては、3回連続して使用することができ、特に、両親媒性溶液を含む場合には、染色強度(評価項目(4))が更に向上する傾向にあることがわかる。
尚、実施例2において、TritonX-100の代わりに、NP−40、TritonX-114、又はIGEPAL CA-630を用い、Tween20の代わりに、Tween 40、又はTween 80を用いた場合も同様な効果が得られることを確認した。
参考比較例1
(前処理液の調製)(非イオン界面活性剤1種類の検討、pH9.0の例)
得られる前処理濃縮液を10倍希釈することにより前処理液のpHを9.0に調整しうる、EDTA含有Tris-HCl緩衝液の10倍濃縮液を調製し、0.22μmフィルターでろ過を行った。得られた10倍濃縮液に、表2に示す非イオン性界面活性剤を最終濃度0.1質量%となるように添加して前処理濃縮液を調製した。
得られた前処理濃縮液に、10倍量となるように脱イオン水でメスアップして、前処理液を調製した。
次いで、前処理液を、上記で調製したものに代えた以外は、実施例1と同様に(A)〜(C)工程を1回行い、評価項目(1)〜(4)を同様に評価した。結果を表2に示す。
Figure 0005683501
表2の結果から、界面活性剤1種類の配合では、連続使用を可能にすることができないことが分かる。
参考比較例2
(前処理液の調製)(非イオン界面活性剤2種類の検討、pH9.0の例)
得られる前処理濃縮液を10倍希釈することにより前処理液のpHを9.0に調整しうる、EDTA含有Tris-HCl緩衝液の10倍濃縮液を調製し、0.22μmフィルターでろ過を行った。得られた10倍濃縮液に、非イオン性界面活性剤であるTritonX-100を最終濃度0.1質量%、Tween20を表2に示す最終濃度となるように添加して前処理濃縮液を調製した。
得られた前処理濃縮液に、10倍量となるように脱イオン水でメスアップして、前処理液を調製した。
次いで、前処理液を、上記で調製したものに代えた以外は、実施例1と同様に(A)〜(C)工程を2回行い、評価項目(1)〜(5)を同様に評価した。2回目の結果を表3に示す。
Figure 0005683501
表3の結果より、特定の界面活性剤を2種類用いた場合にも連続使用ができないことがわかる。
実施例7〜10及び比較例5、6
(シクロデキストリンの含有割合の検討)
実施例2において、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンの最終濃度が0.1質量%となるように配合した代わりに、最終濃度が0.01質量%(実施例7)、最終濃度が0.05質量%(実施例8)、最終濃度が0.5質量%(実施例9)、最終濃度が1.0質量%(実施例10)、最終濃度が2.0質量%(比較例5)又は最終濃度が15.0質量%(比較例6)となるように配合した以外は、実施例2と同様に前処理液を調製し、同様に評価した。結果を実施例2の結果と合わせて表4に示す。
Figure 0005683501
表4の結果より、シクロデキストリンを含有する場合であっても、その含有割合が特定範囲以外では、連続使用を可能にする効果が得られないことがわかる。
実施例11
(2液型前処理濃縮液の例)
得られる前処理濃縮液を10倍希釈することにより前処理液のpHを9.0に調整しうる、100mMのEDTAを含む500mMのTris-HCl緩衝液の10倍濃縮液及び防腐剤としてのアジ化ナトリウム0.01質量%からなるA液を調製した。
また、1mMのクエン酸緩衝液、1質量%の非イオン性界面活性剤であるTritonX-100、10質量%Tween20、1質量%のヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン及び30質量%エチレングリコールからなるB液を調製した。
これらA液及びB液を、A液:B液:脱イオン水を、1:1:8の割合で混合し、pH9.0の前処理液を調製した。
得られた前処理液を用いて、実施例2と同様に評価を行った。その結果、いずれの評価項目においても実施例2と同様な結果が得られた。
参考比較例3
(シクロデキストリンに代わる多糖類、糖鎖ポリマー又は高分子ポリマーの検討)
実施例1において、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンの代わりに、表5に示す各種多糖類、糖鎖ポリマー又は高分子ポリマーを用い、実施例1と同様に前処理液を調製した。
次いで、得られた各前処理液を用いて、実施例1と同様に評価項目(1)〜(3)及び(6)について評価した。結果を表5に示す。
Figure 0005683501
表5の結果から、糖が直鎖状になっているデキストリンのうち、分子量が比較的小さいものや単糖類のソルビトールや二糖類のトレハロースを配合した場合、今までできていた脱パラフィンができなくなった。これらのものが、Tween20やTritonX-100の効果を阻害していると考えられる。また、分子量の大きいデキストランは加熱すると臭いを発生することがわかった。
PVPやその共重合体は、非水溶性の物質を分散させるため等に、医薬品の賦形剤として用いられているものであり、その効果を期待して数種類のPVPについて検討した上記表5の結果から、パラフィンの浮き(評価項目(2))については良好な結果が得られたが、スライドガラスの染色試料の弾き(評価項目(3))については、連続使用できる結果は得られなかった。また、PVPの分子量が大きくなるにつれて、溶液の粘性が上がってしまうため、使用しにくいこともわかった。

Claims (12)

  1. パラフィンを含む包埋媒体により包埋された組織検体を含むスライドガラスから、該包埋媒体を溶出させ、且つ該組織検体の抗原性を賦活化させる、免疫組織化学染色を実施するための、3回以上利用可能な前処理液であって、
    抗原性賦活化剤と、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル系非イオン界面活性剤と、ポリオキシエチレンソルビタン系非イオン界面活性剤と、シクロデキストリン又はその誘導体とを含み、残部として80質量%以上の水とを含み、前記抗原性賦活化剤を、前処理液のpHが5.0〜10.0となる割合で含み、且つ前記シクロデキストリン又はその誘導体を0.01〜1.0質量%含むことを特徴とする免疫組織化学染色用前処理液。
  2. 前記ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル系非イオン界面活性剤の含有割合が0.01〜1.0質量%であり、前記ポリオキシエチレンソルビタン系非イオン界面活性剤の含有割合が0.3〜3.0質量%であることを特徴とする請求項1記載の免疫組織化学染色用前処理液。
  3. 両親媒性溶液を更に含む請求項1又は2記載の免疫組織化学染色用前処理液。
  4. 抗原性賦活化剤が、クエン酸緩衝液及び/又はトリス含有緩衝液である請求項1〜3のいずれかに記載の免疫組織化学染色用前処理液。
  5. ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル系非イオン界面活性剤が、NP−40(商標)、TritonX-100(登録商標)、TritonX-114(登録商標)、又はIGEPAL CA-630(登録商標)の少なくとも1種であり、ポリオキシエチレンソルビタン系非イオン界面活性剤が、Tween 20(商標)、Tween 40(商標)、又はTween 80(商標)の少なくとも1種である請求項1〜4のいずれかに記載の免疫組織化学染色用前処理液。
  6. シクロデキストリン又はその誘導体が、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、ヒドロキシアルキル−α−シクロデキストリン、ヒドロキシアルキル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシアルキル−γ−シクロデキストリンの少なくとも1種である請求項1〜5のいずれかに記載の免疫組織化学染色用前処理液。
  7. 両親媒性溶液が、エチレングリコール、プロピレングリコール、又は1,3−ブチレングリコールの少なくとも1種である請求項〜6のいずれか1項記載の免疫組織化学染色用前処理液。
  8. 防腐剤及び/又は殺菌剤を更に含む請求項1〜7のいずれかに記載の免疫組織化学染色用前処理液。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の免疫組織化学染色用前処理液から水を減じた、使用時に所定量の水を加えて所定のpHとして免疫組織化学染色用前処理液として使用するための免疫組織化学染色用前処理濃縮液。
  10. 上記所定のpHが5.0〜7.0であって、1液タイプであることを特徴とする請求項9記載の免疫組織化学染色用前処理濃縮液。
  11. 抗原性賦活化剤を含む第1の濃縮液と、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル系非イオン界面活性剤、ポリオキシエチレンソルビタン系非イオン界面活性剤、及びシクロデキストリン又はその誘導体を含む第2の濃縮液とからなる2液タイプであって、
    前記第1の濃縮液と、前記第2の濃縮液と、所定量の水とを混合して、上記所定のpHを8.0〜10.0として使用することを特徴とする請求項9記載の免疫組織化学染色用前処理濃縮液。
  12. 前記第2の濃縮液が、両親媒性溶液を更に含む請求項11記載の免疫組織化学染色用前処理濃縮液。
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