JP5683347B2 - 下地化粧料 - Google Patents
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本発明の下地化粧料は、プルラン、ポリビニルピロリドン、単糖および/またはオリゴ糖、多価アルコール、エタノール、および無水ケイ酸を含有し、プルラン1質量部に対してポリビニルピロリドンを1.5〜10質量部含有する。プルランとポリビニルピロリドンはともに皮膜形成能を有する水溶性高分子であり、肌に塗布することにより肌の表面に皮膜を形成する。この皮膜は汗や皮脂に対しては崩れにくい性質を有するが、上記含有量の範囲内である場合、多量の水で洗い流すことにより、容易にクレンジングすることが可能となる。
プルランはグルコースのみからなる多糖類の一種で、グルコース3分子がα1−4結合したマルトトリオースがα1−6結合で繋がった構造を持つ。本発明では、好ましくは平均分子量が10000〜1000000、さらに好ましくは平均分子量が50000〜500000のプルランを用いる。プルランは市販品を用いてもよく、具体的な市販品としては、たとえば、「化粧水用プルラン」(商品名、分子量200,000、林原生物化学研究所製)が挙げられる。
ポリビニルピロリドンは、N−ビニル−2−ピロリドンが重合した高分子化合物である。本発明では、好ましくは平均分子量が5000〜2000000、さらに好ましくは平均分子量が20000〜1500000のポリビニルピロリドンを用いる。ポリビニルピロリドンは市販品を用いてもよく、具体的な市販品としては、たとえば、「PVP K−30」(商品名、分子量60,000、ISP社製)が挙げられる。
本発明の下地化粧料は、プルラン1質量部に対して、ポリビニルピロリドンを1.5〜10質量部含有する。ポリビニルピロリドンが1.5質量部未満の場合、下地化粧料の後に使用するメークアップ化粧料ののりが均一でなく、テカリ、ヨレが気になる仕上がりとなる場合がある。ポリビニルピロリドンが10質量部を超える場合も、下地化粧料の後に使用するメークアップ化粧料ののりが均一でなく、ヨレが気になる仕上がりとなる場合がある。
本発明の下地化粧料は、単糖および/またはオリゴ糖を含有する。単糖および/またはオリゴ糖を配合することにより、保湿効果を向上させることができる。本発明に用いる単糖としては、D−エリツルロース、D−エリトロース、D−トレオース等のテトロース類、D−アラビノース、L−アラビノース、D−キシロース、D−リキソース、L−リキソース、D−リボース等のアルドペントース類、D−キシルロース、L−キシルロース、D−リブロース、L−リブロース等のケトペントース類、D−ガラクトース、L−ガラクトース、D−グルコース、D−タロース、D−マンノース等のアルドヘキソース類、L−ソボース、D−タガトース、D−プシコース、D−フルクトース等のケトヘキソース類、D−アピオース、D−ハマメロース等の分枝糖類などが挙げられる。
本発明の下地化粧料は、多価アルコールを含有する。多価アルコールを配合することにより保湿効果を向上させることができる。本発明に用いる多価アルコールとしては、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等のグリコール類、グリセリン、ジグリセリン、デカグリセリン等のポリグリセリン類、グリセリンモノパルミチルエーテル(キミルアルコール)、グリセリンモノステアリルエーテル(バチルアルコール)、グリセリンモノオレイルエーテル(セラキルアルコール)等のグリセリンモノエーテル類が挙げられ、これらより1種または2種以上を選択して用いることができる。特に好ましくは、1,3−ブチレングリコール、グリセリンが用いられる。
本発明の下地化粧料は、エタノールを含有する。エタノールを配合することによりみずみずしい使用感を付与するとともに、べたつきを抑えることができる。本発明の下地化粧料は、エタノールを、好ましくは1〜20質量%含有する。1質量%未満であると、みずみずしい使用感が得られず、またべたつきが生じる場合がある。20質量%を超えると、下地化粧料の乾燥が速くなりすぎ、均一に塗布することが難しくなる。
本発明の下地化粧料は、無水ケイ酸を含有する。無水ケイ酸を配合することにより、下地化粧料を塗布した際のべたつきを軽減し、肌なじみを改良することができる。また、下地化粧料の後で使用するメークアップ化粧料のテカリ防止効果も有する。本発明に用いる無水ケイ酸としては、四塩化ケイ素を水素・酸素炎中で加水分解等して得られる親水性の無水ケイ酸や、親水性の無水ケイ酸の表面を疎水化処理した疎水性の無水ケイ酸が挙げられる。本発明においては、肌なじみがよく、テカリが無いことから、好ましくは親水性無水ケイ酸を用いる。無水ケイ酸は無孔質の球状粉体で、その一次平均粒子径は、好ましくは1〜20μm、さらに好ましくは1〜10μmである。
本発明の下地化粧料は、その目的に応じて肌色を補正するための顔料等の粉体物や、紫外線吸収剤等を配合することができる。さらに、本発明の効果を損なわない範囲で、通常の化粧料に使用される成分、たとえば、精製水、界面活性剤、保湿剤、増粘剤、防腐剤、、酸化防止剤、香料等を配合することができる。
本発明の下地化粧料の剤型としては特に限定されず、クリーム状、軟膏状、乳液状、溶液状、ゲル状等任意に選択することができるが、外相が水相である水性であることが好ましく、クレンジングがしやすく、その後塗布するメークアップ化粧料のメークアップ効果に有効に作用するという観点から、水性ゲル状であることがさらに好ましい。
本発明の下地化粧料の製法としては特に限定はなく、常法にしたがって製造することができる。
実施例1〜3および比較例1〜11の水性ゲル状下地化粧料を、それぞれ表1,2に示す組成で調製した。調製は、成分(1)〜(6)と(10)を室温でよく攪拌した。そこに(8)を加えて室温でよく攪拌した。さらに予め調製しておいた(11)の10%水溶液および(12)の10%水溶液を加えて室温で攪拌した。(7)を加え、pHを調製し、(13)、(9)を順次加えて100質量部となるように下地化粧料を調製した。なお、表1,2においては、成分(1)〜(13)の配合量を質量部で示すが、これら各下地化粧料において、各成分の配合量と含有量に相違は生じないとみなすことができる。
<評価方法>
実施例1〜3および比較例1〜11の水性ゲル状下地化粧料を肌に塗布した後に、以下に示す評価用ファンデーションを塗布し、メークアップの仕上がりについて、(B)ヨレのなさ、(C)テカリのなさ、(D)粉浮き(乾燥)のなさ、(E)化粧のり(均一感)、の項目に分けて評価した。その後、クレンジングを行ない、(A)クレンジングのしやすさ、について評価した。評価は専門パネラー3名により合議で評価した。評価基準は以下の通りとした。表1,2に評価結果を示す。
◎:優れる
○:やや優れる
△:やや劣る
×:劣る
<評価用ファンデーション処方>
シリコン処理タルク 54.0%、シリコン処理セリサイト 20.0%、シリコン処理酸化チタン 9.0%、シリコン処理酸化鉄 5.0%、ジメチコン 5.0%、ミリスチン酸イソセチル 5.0%、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 2.0%
[使用感の評価]
<評価方法>
実施例2,3および比較例6〜11の水性ゲル状下地化粧料を塗布した後に、(F)潤い感、(G)潤い感の持続性、(H)ハリ感、(I)表面のべたつきのなさ、(J)肌なじみ、の項目に分けて評価した。評価は専門パネラー3名により合議で評価した。評価基準は以下の通りとした。表2に評価結果を示す。
◎:優れる
○:やや優れる
△:やや劣る
×:劣る
Claims (3)
- プルラン、ポリビニルピロリドン、単糖および/またはオリゴ糖、多価アルコール、エタノール、および無水ケイ酸を含有し、
前記プルランと前記ポリビニルピロリドンとを合わせて2〜6質量%含有し、
前記プルラン1質量部に対して前記ポリビニルピロリドンを1.5〜10質量部含有する、下地化粧料。 - 水性ゲル状である、請求項1に記載の下地化粧料。
- 前記多価アルコールを5質量%以上含有する、請求項1または2に記載の下地化粧料。
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