JP5682884B2 - 救命艇用保護具 - Google Patents
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Description
特許文献1に開示された発明は、起伏ウィンチによってダビッドアームを傾動させることで、ダビッドアームをスライディングランプの上方にヒンジ機構を介して連結可能としたことを特徴とする。
このような構造の救命艇進水装置においては、救命艇の後部にダビッドアームが配置されるため、救命艇の進水作業又は引き揚げ作業の間にダビッドアームが救命艇と干渉し難いという作用を有する。また、電動の起伏ウィンチを用いることによれば、操作用スイッチの設置場所の制約が緩和されるため、起伏ウィンチの操作性を向上させることができる。
特許文献2に開示された発明は、着水時の迎角が下向きの揚力を生じるように、救命艇の艇首部の両側にフィンが設けられたことを特徴とする。
このような構造の救命艇においては、艇首部を水面に向け本船から斜め下方へ滑走して着水する際に、艇首部の跳ね上がりが減殺され、搭乗者に加わる衝撃が緩和されるという作用を有する。これにより、搭乗者の安全を図ることが可能となる。
図3は本船の船尾に搭載された救命艇の状態を示す図であり、図4(a)及び図4(b)は救命艇に設置された座席の正面図である。なお、図4(b)は搭乗者が着座した状態を示している。また、図5は救命艇の着水時における搭乗者の状態を示した斜視図である。
図3に示すように、本船51の船尾には傾斜案内台52が設置されており、この傾斜案内台52には救命艇53が水平に対して傾斜した状態で装備されている。そして、傾斜案内台52に対する係止状態を解除すると、救命艇53が傾斜案内台52上を滑走し、斜め下方に飛び出すようにして本船51から離脱する構造となっている。なお、本船51から離脱した救命艇53は自由落下状態で降下し、水面Wに対して約60度の傾斜角をなして着水する。
また、握り紐55の一端は、背もたれ57の背面側で座席板58から60cm〜80cmの高さに固定されている。さらに、握り紐55の他端には、握り部55aが取り付けられている。
このような構造によれば、救命艇用保護具を両腕で抱え込むようにして保持した場合、腹当て部と搭乗者の腹部が接触する箇所が支点となり、支点の上方で腹当て部と両腕が接触する箇所が力点となり、顔当て部と搭乗者の顔面が接触する箇所が作用点となる。この場合、両腕に力を入れて救命艇用保護具を上面側から圧迫すると、搭乗者の顔面が顔当て部によって抑えつけられ、頭部が前方へ移動しないように拘束されるという作用を有する。
また、緩衝材側が搭乗者の顔面や腹部に接触するように救命艇用保護具を配置した場合、板材によって搭乗者の顔面や腹部が傷つけられるおそれがない。さらに、板材によって、救命艇用保護具の剛性が高められるという作用を有する。
加えて、軽量でありながらも高い剛性を有する。
このような構造の救命艇用保護具においては、請求項1に記載の発明の作用に加えて、顔当て部を搭乗者の顔面に押し当てた際に、搭乗者の鼻か口の少なくともいずれか一方が開口部から露出することにより、搭乗者の窒息事故が防止されるという作用を有する。
救命艇の搭乗者が座席の背もたれに後頭部と背中を接触させるようにして着座した場合、通常、搭乗者の顔面は腹部や胸部よりも前方に突出した状態となる。これに対し、上記構造の救命艇用保護具においては、腹当て部が顔当て部よりも搭乗者から見て手前にくるように配置した場合、救命艇用保護具が屈曲形成されていない場合に比べて、顔当て部と搭乗者の顔面との接触面積が広くなるという作用を有する。その結果、顔当て部によって搭乗者の頭部を拘束するという請求項1に記載された発明の作用がより一層発揮される。
また、搭乗者が板材と接触して怪我をすることなく、安全に使用できるという効果を奏する。
さらに、救命艇用保護具が軽量構造であるため、救命艇の搭乗者が座席に着座したままで、容易に取り扱うことが可能である。
以下、図3乃至図5を用いて既に説明した自由降下式の救命艇を例にとって、本発明の実施例について具体的に説明する。
図1(a)及び図1(b)はそれぞれ本発明の実施の形態に係る救命艇用保護具の実施例の正面図及び側面図である。また、図2(a)及び図2(b)はそれぞれ本実施例の救命艇用保護具を使用した搭乗者の正面図及び斜視図である。なお、図4及び図5に示した構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図1(a)及び図1(b)に示すように、救命艇用保護具1は、開口部1dを有する顔当て部1aから腹当て部1bに向かって次第に幅が狭くなるように形成された板状部材であり、繊維強化樹脂からなる板材2の片面に合成樹脂発泡体からなる緩衝材3が貼り付けられた構造となっている。また、板材2の側から平面視した場合、顔当て部1aが腹当て部1bよりも手前に位置するように側面視階段状に形成され、顔当て部1aと腹当て部1bの間に屈曲部1cが設けられている。なお、本実施例では、緩衝材3に独立気泡型のポリエチレン樹脂発泡体を使用している。そして、顔当て部1aの緩衝材3には腹当て部1bの緩衝材3よりも柔らかい素材を使用し、腹当て部1bの緩衝材3には顔当て部1aの緩衝材3よりも弾力性の高い素材を使用している。また、救命艇用保護具1の長さは570mm〜670mmであり、腹当て部1bの幅は130mm〜230mmであり、腹当て部1bの長さは290mm〜390mmである。さらに、顔当て部1aの幅は220mm〜270mmである。そして、板材2の厚さは2mm〜3mmであり、緩衝材3の厚さは30mm〜40mmである。
Claims (3)
- 自由降下式の救命艇の座席に着座した搭乗者の顔前に配置され、この搭乗者の両腕で抱え込まれた状態で使用される救命艇用保護具であって、
合成樹脂発泡体からなる緩衝材と、
繊維強化樹脂からなる板材と、を備え、
前記搭乗者の顔面と腹部にそれぞれ当接される顔当て部及び腹当て部を有し、
前記緩衝材は前記板材の少なくとも片面に設置されることを特徴とする救命艇用保護具。 - 前記顔当て部は、前記搭乗者の鼻又は口の少なくともいずれか一方が当接する箇所に開口部を有することを特徴とする請求項1に記載の救命艇用保護具。
- 側面視階段状に形成され、前記顔当て部と前記腹当て部の間に屈曲部が設けられたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の救命艇用保護具。
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Applications Claiming Priority (1)
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Family Applications (1)
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