JP5682171B2 - 光学ガラス - Google Patents

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Description

本発明は、高屈折率、高分散(低アッべ数)で、かつ光透過性に優れ、精密プレス成形も可能なビスマス系光学ガラスに関する。
近年、デジタルカメラの普及に伴い、その小型化、色再現性などの点で高性能化がレンズに要求されている。したがって、レンズを構成する光学ガラスにおいては、まず高屈折率が求められるが、それと同時に問題となる収差を補正しやすくするため、高分散(低アッベ数)であることも重要な特性として要求されている。
さらに、高屈折率、高分散のレンズにおいても他のレンズと同様に、光透過性に優れていること(以下、高光透過性ともいう)が要求される。しかしながら、高屈折率、高分散と高光透過性とは、一般にはトレードオフの関係にあり、その両立は必ずしも容易ではない。例えば、高屈折率の光学ガラスは、光吸収により透過率が低下してしまうことが多い。これは、強い光吸収の始まる波長(吸収端)が可視波長域に近い程、高い屈折率を有するが、光が吸収される分だけ透過率が低下してしまうからである。
同様に、分散性(アッべ数)は可視光波長にある特定の3波長(486nm、588nm、656nm)で算出される屈折率の波長依存性であり、波長依存性が強いほどアッベ数は小さい値(高分散)となる。吸収端がこれら3波長、すなわち可視波長に近い程、波長依存性が強くなり低アッべ数となるが、その吸収の分だけ透過率が低下する。したがって、高屈折率、高分散で、しかも光の透過性能に優れた光学ガラスは、一般的に得ることが難しい。
なお、光透過特性は10mm厚の両面が光学研磨されたガラスにおいて、内部透過率5%を示す波長λによって表されることが多い。内部透過率5%を示す波長λが短波長であるほど吸収端が短波長にあるといえ、光透過特性が良いといえる。たとえば、内部透過率5%を示す波長λが420nm以上である場合、ガラスには強い黄色着色が認められる。
また、高屈折率、高分散の光学ガラスとして鉛ガラスが知られているが、環境負荷低減の観点から鉛を含有しないものが求められている。鉛非含有でありながら、高屈折率、高分散を有する光学ガラスとして、特許文献1にはリン酸ニオブ系ガラスが提案されているが、光透過特性は良好であるものの、開示されている実施例の屈折率nは、いずれも2.0を超えず、屈折率の点で必ずしも充分なものではない。
酸化ビスマスを主成分とするガラスで屈折率nが2.0以上のものが特許文献2〜4に提案されている。しかしながら、特許文献2では、高分散及び高光透過性については、何も提案されていない。また、特許文献3に示される、酸化ビスマスを主成分とするガラスでは、屈折率nが2.0以上で、アッベ数νが19以下の実施例が提案されているものの、λが410nm以下の実施例は、一例も提案されていない。すなわち、本願で提供しようとする、高屈折率、高分散及び高光透過性の3特性をバランスさせた光学ガラスについては提案されていない。
同様に、特許文献4も酸化ビスマスを主成分とする光学ガラスであるが、屈折率nが2.0以上で、アッベ数νが19以下の実施例が提案されているものの、λが429nmであり、本願で提供しようとする、高屈折率、高分散及び高光透過性の3特性をバランスさせた光学ガラスについては提案されていない。
また、高屈折率、高分散な光学ガラスでは、紫外線照射によりソラリゼーション(光透過率が低下)することが多い。ソラリゼーションの原因は様々であるが、光吸収により誘起された様々な欠陥がバンドギャップ近傍に準位を形成し、吸収端近傍に新たな吸収帯を形成することでおおよそ説明ができる。高屈折率、高分散な光学ガラスは吸収端が可視域の短波長近傍に存在するため、この紫外線誘起の吸収帯が可視域に影響を及ぼし、光透過率が低下してしまう。強いソラリゼーションが発生すると、透過スペクトルの波長依存性が紫外線照射の前後で変化するため、たとえばレンズに応用した場合、像の色味が変わってしまい色の再現性の点で問題がある。
以上のことからもわかるように、高光透過性と、高屈折率及び高分散とは、トレードオフの関係にあるため、これら3特性を実用レベルで両立させた光学ガラスについて提案されたものはない。さらに、これら3特性を満足しつつ、紫外線に対するソラリゼーション耐性(以下、単にソラリゼーション耐性とも略す)を有する光学ガラスであれば、環境耐久性のある実用的な光学機器への応用ができる。
特開2005−206433号公報 特開2002−201039号公報 特開2006−327926号公報 特開2007−070156号公報 WO2009/107612 A1
本発明は、光透過特性に優れ、屈折率nが2.0以上で、アッベ数νが19以下と、高分散で高屈折率の光学恒数を有し、さらにソラリゼーション耐性を有する光学ガラスを提供する。本発明により、成形しやすく、寸法精度が高く、紫外線照射に対する耐久性の高い光学素子を製造できる光学ガラスの提供が可能となる。
本発明は、屈折率nが2.0以上、アッべ数νが19以下、かつ内部透過率5%(10mm)を示す波長λが410nm以下であり、酸化物基準のmol%で、Bi :32〜55%、B :24〜35%、TeO :5〜20%、P :8〜12%を必須成分とする光学ガラスを提供する。
本発明は、好ましくは、酸化物基準のmol%で、Bi:35〜55、B:24〜35、TeO:5〜20、P:8〜12、Nb+Ta:0.1〜4、TiO:0〜10、ZnO:0〜7、を含有する光学ガラスを提供する。
本発明の光学ガラス(以下、本ガラスという)は、必須成分として高屈折率化に効果を有するBi3、及びTeOを含むため、屈折率nが2.0以上、アッべ数νが19以下と、高屈折率及び低アッベ数を実現できる。また、本ガラスは、Bi、TeO以外に、B含むため、耐失透性に優れ、しかも化学的、熱的に安定な光学ガラスが得られる。さらに、必須成分としてPを含むため、高光透過性に優れる。
本ガラスでは、光透過特性を向上させるために特に好ましくは、mol比率でP/(Bi+B+TeO)=0.08〜0.15に調整すると、従来の光学ガラスで達成することが難しかった、高屈折率、高分散(低アッべ数)及び高光透過特性をバランスよく達成できる。また、mol比率でP/(Bi+B+TeO)=0.08〜0.15を満たし、かつ、TeO量を6mol%以下に制限することにより、特にソラリゼーション耐性を向上させた高屈折率、高分散、高光透過性を有する光学ガラスが得られる。
本ガラスを用いれば、光透過特性に優れ、高性能で、しかも収差補正容易で、色再現性の高いレンズを作製できる。また、大口径で厚みのあるレンズに使用できたり、複数のレンズの組合わせられるなど、レンズ設計の自由度が大幅に向上する。
本発明は、屈折率nが2.0以上、アッべ数ν19以下で、光透過特性に優れ、かつ、成形しやすい光学ガラスの提供を目的に、種々検討した結果に基づくものである。検討の結果、本ガラスは、Bi、B、TeO及びPを必須成分として含むことを特徴とする。
上記、必須成分以外に、本ガラスでは、高屈折率の点から、Nb又はTaの少なくともいずれか片方を含有してもよい。同様に、TiO、ZnOの各成分を含有してもよい。
一方、本ガラスにおいては、SiO、LiO、NaO、KO、CsOの各成分を実質的に含有しないことが好ましい。SiOはガラス安定性には寄与するものの、プレス成形性が低下する成分であり、アルカリ成分であるLiO、NaO、KO、CsOの各成分は、光学特性が低下する成分である。なお、本明細書において、「実質的に含有しない」とは、含有量が不純物レベル以下という意味であり、具体的には、0.1mol%以下であれば、「実質的に含有しない」とみなせる。なお、本明細書では、以下、特に断りのない限りmol%を%と略記する。
本ガラスの各成分範囲を設定した理由は、以下のとおりである。また、化学組成は、酸化物基準とする。
本ガラスにおいて、Biはガラス形成成分であり、必須の成分である。さらにガラスを高屈折率化させるとともにガラスを軟化させる効果がある。含有量が少なすぎると前記効果が不充分となるおそれがあることから、本ガラスのBi含有量は32%以上である。Bi含有量が36%以上であると好ましく、Bi含有量が40%以上であるとより好ましい。一方、Bi含有量が多くなると可視域の光透過特性が低下するとともにガラスが不安定になることから、本ガラスのBi含有量は55%以下である。Bi含有量が53%以下である好ましく、含有量が50%以下であるとより好ましい。
本ガラスにおいて、Bは、必須の成分であり、ガラスを形成する主成分である。含有量が少なすぎるとガラスが不安定になるおそれがあることから、本ガラスのB含有量は24%以上である。B含有量が26%以上であると好ましく、B含有量が28%以上であるとさらに好ましい。一方、B含有量が多すぎると屈折率が低下するので、本ガラスでは、B含有量は35%以下である。B含有量が34%以下であると好ましい。B含有量が32%以下であるとさらに好ましく、B含有量が30%以下であると特に好ましい。
本ガラスにおいて、TeOはガラス形成成分で、必須の成分である。さらに光透過特性を高くするとともにガラスを高屈折率化させる効果がある。一方で、TeOは紫外線照射により、光吸収を生じる成分でもある。含有量が少なすぎると前記効果が不充分となるおそれがあることと、ソラリゼーション耐性とのバランス観点から本ガラスのTeO含有量は、5%以上である。TeO含有量が5.3%以上であると好ましく、TeO含有量が5.5%以上であるとより好ましい。ただし、ソラリゼーション耐性をそれほど重視しない場合には、添加効果を充分なものとするため、本ガラスのTeO含有量が10%以上であると好ましい。TeO含有量が10.5%以上であるとより好ましく、TeO含有量が11%以上であると特に好ましい。
一方、TeO含有量が多くなるとガラスが不安定化するおそれがあることから、TeO含有量は20%以下とする。TeO含有量が19.5%以下であると好ましく、TeO含有量が19%以下であるとさらに好ましい。本ガラスにおいてソラリゼーション耐性を重視する場合には、TeO含有量の制限が必要である。その場合には、TeOの含有量を15%以下にすることが好ましく、10%以下であるとさらに好ましい。ソラリゼーションによる透過率低下の最大値を4%以下に抑えるためには、TeOの含有量が6%以下であることが特に好ましい。
本ガラスにおいて、Pはガラス形成成分であり、必須の成分である。さらに光透過特性の向上に極めて大きな効果があるため、適切に含有させることが重要である。前記効果を顕著にするためにはP含有量は、8%以上である。P含有量が8.5%以上であると好ましく、P含有量が8.7%以上であるとより好ましい。一方、P含有量が多くなると屈折率が下がるとともにガラスが不安定になってしまうため、本ガラスではP含有量は、12%以下である。屈折率の向上とアッベ数の低下を望む場合には、P含有量が11%以下であると好ましく、P含有量が10.5%以下であるとさらに好ましい。
さらに、本ガラスにおいて、良好なガラス安定性を維持しつつ、高屈折率、高分散(低アッべ数)及び高光透過性をバランスよく実現するには、必須成分である、Bi、B、TeO及びPの4成分の含有量を一定の関係に保つと良いことが分かった。すなわち、mol比率で、P/(Bi+B+TeO)=0.08〜0.15とすることが好ましい。以下、本明細書では、P/(Bi+TeO+B)のmol比率をリン成分比と称する。
リン成分比が0.085以上であると高屈折率、高分散(低アッべ数)及び高光透過性のバランスの点でより好ましく、リン成分比が0.09以上であると特に好ましい。一方、リン成分比が0.14以下であると同様の理由でより好ましく、リン成分比が0.135以下であると特に好ましい。また、mol比率でP/(Bi+B+TeO)=0.08〜0.15を満たし、かつ、TeO量を6mol%以下に制限することにより、特にソラリゼーション耐性を向上させた高屈折率、高分散、高光透過性を有する光学ガラスが得られるため好ましい。
本ガラスにおいて、Nb及びTaは良好な光透過特性を維持しつつ高屈折率化のために効果のある成分であり、必須の成分でないが、Nb又はTaの少なくともいずれか片方を必須成分とすることが好ましい。Nb及びTaを含有する場合には、多く含有すると、本ガラスの安定性が著しく損なわれる。したがって、それらの合計(Nb+Taを以下、Nb・Ta合量ともいう)が4%以下であることが好ましく、本ガラスのNb・Ta合量が3%以下であると特に好ましい。一方、含有する場合は、本ガラスのNb・Ta合量が0.1%以上であると好ましい。
本ガラスにおいて、TiOは高屈折率及び低アッベ数に効果がある成分であるが必須成分ではない。一方で、TiO含有量が多くなると、光透過特性が低下する。したがって、TiO含有量は、10%以下であると好ましく、7%以下であるとより好ましく、TiO含有量が4%以下であると特に好ましい。含有する場合には、TiOを0.1%以上とするのが好ましい。
本ガラスにおいて、ZnOは、ガラスの安定形成の効果を有する成分であるが、必須の成分ではない。ZnOを含有する場合には、0.5%以上含有することが好ましく、ZnO含有量が1%以上であると、さらに好ましい。一方、ZnO含有量が多くなると屈折率が低下するため、ZnO含有量は7%以下が好ましく、ZnO含有量が6%以下であるとさらに好ましい。
SiOはガラス形成成分として広く用いられているが、本ガラスでは、含有するとガラスの溶解性を著しく悪化させ、工業的生産性が低下するため、実質的に含まないことが望ましい。アルカリ成分であるLiO、NaO、KOを含有すると、光透過特性及び屈折率を低下させるほか、光学ガラスの熱膨張係数が大きくなり、成形時に寸法精度を出すことが難しくなるため、本ガラスにおいて実質的に含まないことが好ましい。本ガラスでは、高屈折率、高分散、甲透過率の3特性をバランスよく実現するために、SiO、LiO、NaO、及びKOを実質的に含まないことがさらに好ましい。
また、アルカリ土類金属酸化物であるMgO、CaO、SrO、は、ガラスの安定化に寄与する成分ではあるが、光透過特性を低下させる成分であり、さらに、光学ガラスの熱膨張係数を大きくさせ、成形時の寸法精度を低下させる成分でもあるので本ガラスにおいては、実質的に含有しないことが好ましい。本ガラスでは、高屈折率、高分散、甲透過率の3特性をバランスよく実現するために、SiO、LiO、NaO、KO、MgO、CaO、SrO及びBaOを実質的に含まないことが特に好ましい。
本ガラスにおいて、GeO、Ga、又はCeOの各成分は、必須成分ではないが、光学特性を調整するため含有できる。一方、これらの各成分は原料としては比較的高価であり、光学ガラスの原材料費を上昇させることになるので、できるだけ最小限にすることが好ましい。本ガラスでは、GeO、Ga及びCeOの3成分とも実質的に含有しないと、上記の理由により好ましい。
本ガラスにおいて、WO、ZrO、Gd、La、Y、Ybは必須成分ではないが、光学特性を調整するためにいずれか1種以上を任意成分として添加できる。含有量が少ないと光学特性の調整効果がほとんど得られないことから、含有量としては、それぞれ単独で、含有量が0.1%以上であると好ましく、前記含有量が1%以上であるとより好ましく、前記含有量が2%以上であると特に好ましい。
一方、前記各成分は、光透過特性の向上にはほとんど寄与しないため、光透過特性を重視する場合には、極力含有量を抑えることが好ましい。したがって、それぞれ単独で10%以下とするのが好ましく、5%以下とするとより好ましく、4%以下とすると特に好ましい。
また、本ガラスにおいては、PbO、F、Asを実質的に含有しないことが、成形温度の観点や環境面への影響等から好ましい。本ガラスにおいて、Sbは、必須の成分ではないがガラス溶融の際の清澄剤として添加できる。その含有量としては、1%以下が好ましく、0.5%以下であるとさらに好ましく、0.1%以下であると特に好ましい。本ガラスにおいて、を添加する場合の下限としては、0.01%以上であると好ましく、0.05%以上であるとさらに好ましく、0.1%以上であると特に好ましい。
光学恒数の1つである、アッベ数νについては、本ガラスでは、低アッベ数、高分散であることが必要であり、本ガラスのアッベ数νは19以下である。本ガラスのアッベ数νが18以下であると好ましく、アッベ数νが17以下であるとさらに好ましい。
光学恒数の1つである、屈折率nが2.0以上の高屈折率が必要である。本ガラスの屈折率nが2.05以上であることが好ましく、屈折率nが2.1以上であるとさらに好ましい。
光透過特性としては、黄色着色の低減が必要なため、本ガラスの内部透過率5%を示す波長λは410nm以下である。本ガラスの内部透過率5%を示す波長λが408nm以下であると好ましく、本ガラスの内部透過率5%を示す波長λが406nm以下でありとより好ましく、本ガラスの内部透過率5%を示す波長λが403nm以下であることがさらに好ましい。
さらに、可視域全体の透過率を向上させるために、本ガラスの内部透過率70%を示す波長λ70が480nm以下であることが好ましく、本ガラスの内部透過率70%を示す波長λ70が470nm以下であるとより好ましく、本ガラスの内部透過率70%を示す波長λ70が460nm以下であると特に好ましい。
本ガラスについて、屈折率nと内部透過率5%を示す波長λの関係を表現すると式1のようになる。
屈折率n≧0.0061×λ−0.42 (式1)。
同様に、アッベ数νと内部透過率5%を示す波長λの関係を表現すると式2のようになる。
アッベ数ν≦−0.1×λ+58.8 (式2)。
したがって、別の言い方をすれば、本ガラスは、上記式1及び式2を同時に満足し、高屈折率、高分散及び高光透過性の3特性をうまく、バランスさせたものである。
本ガラスの製造法としては、特に制限されるものではなく、例えば、酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、リン酸塩等の通常の光学ガラスで用いられる原料を秤量・混合し、白金ルツボ、金ルツボ、石英ルツボ、アルミナルツボ等通常光学ガラスで用いられるルツボに入れて、約800〜1200℃で2〜10時間溶融、清澄、撹拌後、300から450℃に予熱した金型に鋳込等した後、徐冷して製造できる。
また、本ガラスを光学素子に成形する方法としては、特に制限されるものではないが、プレス成形であると材料の特性を生かすことができるため好ましい。
以下、本発明の実施例等を説明する。例1〜例9及び例11〜例20が本発明の実施例であり、例10が比較例である。例10は、特許文献5に記載の実施例18と同じである。なお、表中の「リン成分比」とは、上述したように、P/(Bi+TeO+B)のmol比率である。
[化学組成・試料作製法]
表1〜表4に示す化学組成(モル%)となるように原料を秤量した。各ガラスの原料は、Pの場合はBPOを、Bの場合はHBO又はBPOを、Al、Bi、TiO、TeO、ZnO、Nb、Taの場合は酸化物を、それぞれ使用した。秤量した原料を混合し、内容積約300ccの金ルツボ内に入れて、約800〜1000℃で1〜3時間溶融、清澄、撹拌後、およそ300から450℃に予熱した縦50mm×横50mmの長方形のモールドに鋳込み後、約1℃/分で徐冷してサンプルとした。なお、参考のため、表5〜8に化学組成(質量%)を示す。
[評価方法]
・屈折率n;ヘリウムd線に対する屈折率であり、屈折率計(カルニュー光学工業社製、商品名:KPR−2)で測定した。屈折率の値は、小数点以下第5位まで測定し、小数点以下第5位を四捨五入して少数点以下第4位として記載した。
・アッベ数ν;ν=(n−1)/(n−n)により小数点以下第5位まで算出し、小数点以下第2位を四捨五入して小数点以下第1位として記載した。ただし、n、nは、それぞれ水素F線及びC線に対する屈折率である。
・透過率λ、λ70;10mm厚板の分光透過率(表面反射損失を含む)を日本光学硝子工業会規格JOGIS02に準じて測定した。
・ガラスの溶解性等については、上記サンプル作製時に目視で観察した結果、すべての実施例について、溶解性に問題がないこと、得られたガラスサンプルには泡や脈理のないことを確認した。
なお、例10〜例20については、紫外線に対するソラリゼーションによる透過率の低下特性を以下のように評価した。
・ソラリゼーションによる透過率低下測定方法;縦20mm×横20mm×厚さ2mmの試料の両面を鏡面研磨し、光透過率波長依存性を紫外線照射の前後で測定した。紫外線照射は、メタルハライドランプを光源とし、試料に照射された光パワーは、254〜436nmの波長範囲で80mW/cmである。透過率低下が最大となる波長を最大透過率低下波長として表中に示す。同様に、その場合の最大透過率低下量を併せて示す。
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本ガラスは、高屈折率、高分散性の光学ガラスであって光透過特性が極めて優れており、高屈折率、高分散性、高光透過特性の3特性をバランスよく実現させ、しかも精密プレス成形用光学ガラスとして有用である。さらに、組成の調整により紫外線に対するソラリゼーション耐性を有することもできる。また、光学レンズ以外の微細加工を施した分散素子、回折素子などの光学素子にも有用である。

Claims (7)

  1. 屈折率nが2.0以上、アッべ数νが19以下の光学恒数を有し、かつ内部透過率5%(10mm)を示す波長λが410nm以下であり、酸化物基準のmol%で、Bi :32〜55%、B :24〜35%、TeO :5〜20%、P :8〜12%を必須成分とする光学ガラス。
  2. Nb又はTaの少なくともいずれか片方を必須成分とする請求項1記載の光学ガラス。
  3. 酸化物基準のmol%で、
    Bi:32〜55
    :24〜35
    TeO:5〜20
    :8〜12
    Nb+Ta:0.1〜4
    TiO:0〜10
    ZnO:0〜7
    を含有する請求項2記載の光学ガラス。
  4. SiO、LiO、NaO、KO、CsOを実質的に含有しない請求項1〜3のいずれかに記載の光学ガラス。
  5. mol比率で、P/(Bi+B+TeO)=0.08〜0.15である請求項1〜4のいずれかに記載の光学ガラス。
  6. 内部透過率70%(10mm)を示す波長λ70が470nm以下である請求項1〜5のいずれかに記載の光学ガラス。
  7. 紫外線照射前後の透過率低下の最大値が4%以下である請求項1〜6のいずれかに記載の光学ガラス。
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