JP5681583B2 - 鉄筋籠及びこの鉄筋籠を用いた地中コンクリート構造物構築方法並びに地中コンクリート構造物 - Google Patents

鉄筋籠及びこの鉄筋籠を用いた地中コンクリート構造物構築方法並びに地中コンクリート構造物 Download PDF

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Description

本発明は、鉄筋籠及びこの鉄筋籠を用いた地中コンクリート構造物構築方法並びに地中コンクリート構造物に関し、特に、地中連続壁などの地中コンクリート構造物を形成する際に、掘削溝を拡幅して形成した拡幅溝に、鉄筋などの剪断力を補強する部材を設置する技術に関するものである。
従来、地盤を地表から掘削した掘削溝を地中において拡幅することが可能な拡幅掘削装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載の拡幅掘削装置は、クレーンのアームから吊り下げられた装置本体と、油圧モータにより回転される掘削軸を備えた掘削部と、この掘削部を装置本体に対して水平方向の回動軸を中心に上下方向に回動させる油圧シリンダとを備えている。
このような拡幅掘削装置により、掘削溝の拡幅を行う場合、掘削軸を装置本体に対して垂下させた状態の装置本体を、クレーンのアームに吊り下げ、さらに、掘削溝の底部まで下降させる。次に、掘削軸を回転させながら、油圧シリンダを駆動させて、掘削部を装置本体に対して水平方向に回動させ掘削溝を拡幅でき、さらに、装置本体をクレーンにより引き上げて、拡幅溝を上方に延長できる。
このような拡幅掘削装置は、例えば、地中連続壁を形成するのにあたり、地中連続壁の延在方向に下水管のような地中埋設物が存在する場合、この地中埋設物を避けて、その下方のみを拡幅掘削して拡幅溝を形成し、この拡幅溝にコンクリートを充填し、地中連続壁の連続性を保つことが可能である。
また、拡幅溝にコンクリートの打設前に、鉄筋籠を設置する技術も知られている(例えば、特許文献2参照)。
この従来技術によれば、拡幅溝に鉄筋籠を設置する場合、掘削溝内に鉄筋籠をフレームに沿って吊り降ろし、フレームから拡幅溝に向けて張り出させた張出部に沿って、鉄筋籠を移動させ、拡幅溝内に鉄筋籠を設置する。
特開平11−190043号公報 特開平11−140865号公報
しかしながら、従来の拡幅掘削装置を用いた地中コンクリート構造物構築方法では、拡幅溝を地中連続壁の延在方向に対して交差方向に拡幅したい場合、拡幅溝に鉄筋籠を設置するのが困難であった。
すなわち、地中連続壁を形成する掘削溝を形成する場合、地中連続壁の延在方向には長さを確保できるが、その直交方向の溝幅は、一定の寸法に制限される。
したがって、地中連続壁の延在方向に拡幅溝を形成した場合、この拡幅溝の拡幅方向に必要な寸法の鉄筋籠を、掘削溝内に挿入させることは可能である。それに対し、拡幅溝を、地中連続壁の延在方向に交差する方向に形成した場合、この拡幅溝に拡幅方向に必要な寸法の鉄筋籠を掘削溝内に挿入させるには、掘削溝の溝幅を拡大する必要が生じる。
そのため、掘削溝の溝幅を拡大した場合は、その分、施工工数が増えてしまうという問題がある。また、用地境界や他の構造物による制限などにより溝幅の拡大が困難な場合があり、この場合、拡幅溝に鉄筋籠を設置するのが困難となる。
本発明は、上述の従来の問題点に着目して成されたもので、地中連続壁の壁幅を拡幅することなく、拡幅溝の延在方向に十分な鉄筋を設置可能な、鉄筋籠及び鉄筋籠を用いた地中コンクリート構造物構築方法並びに地中コンクリート構造物を提供することを目的とするものである。
上述の目的を達成するために本発明の鉄筋籠は、鉄筋籠本体に、上下方向に沿って、コンクリート構造物の剪断力に対する補強が可能であるとともに可撓性を有した剪断筋をガイドするガイド管を設け、このガイド管は、上端部の開口部が、前記鉄筋籠本体の上部で上方に向けて開口され、下端部には水平方向に湾曲された湾曲部を備え、かつ、この湾曲部に連続する下端部の開口部が横方向に向けて開口されていることを特徴とする鉄筋籠とした。
また、本発明の地中コンクリート構造物構築方法は、請求項1に記載の鉄筋籠を用いて地中にコンクリート構造物を構築する地中コンクリート構造物構築方法であって、
地盤を地表から下方に掘削して掘削溝を形成する掘削工程と、前記掘削溝の下部に拡幅掘削装置を挿入し、前記掘削溝を横方向に拡幅して拡幅溝を掘削する拡幅工程と、前記ガイド管の前記下端部の開口部を前記拡幅溝壁面に向けた状態で前記掘削溝内に前記鉄筋籠を設置する鉄筋籠設置工程と、前記コンクリート構造物の剪断力に対する補強が可能な強度を有するとともに可撓性を有した素材により棒状に形成された剪断筋を、上方に向けた前記上端部の開口部から前記ガイド管に挿入し、前記剪断筋が、前記下端部の開口部から前記拡幅溝内に配置されるまで供給する剪断筋供給工程と、前記ガイド管内に定着材を充填し、前記剪断筋を前記ガイド管に対して固定させる定着材充填工程と、前記掘削溝及び拡幅溝にコンクリートを打設するコンクリート打設工程と、を備えていることを特徴とする地中コンクリート構造物構築方法とした。
また、本発明の地中コンクリート構造物は、地中において第1の方向に連続して形成された鉄筋コンクリート製の地中連続壁と、この地中連続壁と一体に前記第1の方向に対して交差する第2の方向に延在された拡幅壁と、を備え、前記地中連続壁において前記拡幅壁に対して前記第2の方向に重なる位置の内部に、請求項1に記載の鉄筋籠が配置され、前記拡幅壁の内部に、前記鉄筋籠の前記ガイド管の前記下端部の開口部から延在された前記剪断筋が配置されていることを特徴とする地中コンクリート構造物とした。
本発明の鉄筋籠は、剪断筋を水平方向に導くガイド管を設けた。このため、本発明の鉄筋籠を用いた地中コンクリート構造物構築方法のように、鉄筋籠を、ガイド管の下端部の開口部を拡幅溝の方向に向けて掘削溝内に設置した後、剪断筋を、ガイド管の上方へ向けた上端部の開口部から挿入し下方に供給することで、下端部の開口部から、拡幅溝内へ向けて水平方向に導くことができる。
したがって、掘削溝の溝幅寸法に制限されることなく、拡幅溝において拡幅方向に必要な長さの剪断筋を設置することが可能である。
本発明の実施の形態の鉄筋籠を示す側面図である。 実施の形態の鉄筋籠を用いた地中コンクリート構造物構築方法の掘削工程の説明図である。 実施の形態の鉄筋籠を用いた地中コンクリート構造物構築方法の拡幅工程の説明図である。 実施の形態の鉄筋籠を用いた地中コンクリート構造物構築方法の鉄筋籠設置工程及び剪断筋供給工程の説明図である。 実施の形態の鉄筋籠を用いた地中コンクリート構造物構築方法で使用する拡幅掘削装置を示す側面図である。 地中コンクリート構造物を示す断面図である。
以下に、図1〜図6に基づいて、この発明の実施の形態の鉄筋籠及び鉄筋籠を用いた地中コンクリート構造物構築方法並びに地中コンクリート構造物について説明する。
ここで、まず、本実施の形態で構築する地中コンクリート構造物について簡単に説明する。
この地中コンクリート構造物は、図6の断面図に示すように、矢印RH方向(第1の方向)に延在する地中連続壁1と、この地中連続壁1の一部から、延在方向の直交方向(矢印THであって第2の方向)に延びる拡幅壁2とを備えている。
この拡幅壁2は、図4に示す水道管, 下水管,ガス管, 通信ケーブルなどの地中埋設物3の下方に配置されて、地盤GRの施工時に、この地中埋設物3の支持を行うとともに、地中連続壁1のアンカ効果を得るためのものである。本実施の形態では、図6に示すように、地中埋設物3は、地中連続壁1に沿って埋設されている。
次に、図1に基づいて、実施の形態の鉄筋籠4について説明する。
この鉄筋籠4は、鉄筋籠本体41と複数のガイド管42とを備えている。
鉄筋籠本体41は、地中連続壁1を形成するために掘削された掘削溝51(図3参照)に設置され、この掘削溝51に打設するコンクリートを補強するための従来から周知の鉄筋籠に相当するものであり、予め上下方向に長い網状または籠状に組み立てられた鉄筋群で形成されている。本実施の形態では、上下方向に延在された主鉄筋群41aと、この主鉄筋群41aに対し、水平方向に組み付けられた剪断補強鉄筋群41bとにより形成されている。
なお、本実施の形態では、この鉄筋籠本体41は、上方から見て矩形の枠状に形成されているとともに、図1に示すように、側方から見て上下方向に長い長方形の枠状に形成されている。また、剪断補強鉄筋群41bは、ガイド管42を鉄筋籠本体41の内側に支持可能なように、図示は省略するが鉄筋籠本体41の内側において水平方向に架け渡されている。
複数のガイド管42は、鉄筋籠本体41の内部に設けられている。
これらのガイド管42は、樹脂、金属などにより円形あるいは多角形の筒状に形成されており、上下方向に直線状に延びる直管状の主管部421と、この主管部421の下端部に取り付けられて下端開口部422aが水平方向を向くように曲げられたJ字形状の湾曲管部(湾曲部)422とを備えている。なお、主管部421の上端部は、その先端の上端開口部421aを上方に向けて、鉄筋籠本体41から上方に突き出て設置されている。
本実施の形態では湾曲管部422は、上下方向から水平方向へ略90度湾曲されて、その下端の下端開口部422aは、略水平方向を向いている。
また、湾曲管部422は、3通りの高さに配置されている。これら湾曲管部422は、同一形状・同一寸法のものが用いられており、主管部421の長さを3通り設定することにより、図示のように、湾曲管部422が、3通りの高さに配置されている。
また、本実施の形態では、上記のように3通りの高さのガイド管42を1組として、水平方向に複数組設置しているものとする。
次に、上述した実施の形態の鉄筋籠4を用いて前述した地中コンクリート構造物を構築する手順を説明する。
なお、本実施の形態では、地中コンクリート構造物を構築後に、地中埋設物3が埋設された地盤を施工する際に、地中埋設物3を拡幅壁2により支持するもので、拡幅壁2は、地中連続壁1の延在方向に所定の間隔を空けて複数構築する。
そこで、本実施の形態では、拡幅壁2を形成する位置における地中連続壁1の一部及び拡幅壁2を構築する手順を説明する。
(掘削工程)
まず、図2に示すように、掘削装置6により地盤GRを地表SFから下方へ掘削して掘削溝51を形成する。この掘削溝51は、図6に示す地中連続壁1を構築するためのものであり、図6において二点鎖線で示す範囲が、掘削装置6による1回の掘削で形成された掘削溝51を示している。
(拡幅工程)
掘削溝51を形成した後、拡幅壁2を形成する箇所では、地中連続壁1の延在方向に対して直交方向に拡幅する拡幅工程を実行する。
この拡幅工程には、拡幅掘削装置8を用いる。この拡幅掘削装置8は、図5に示すように、掘削装置本体81から垂下された掘削軸82が、掘削装置本体81に対して、上下方向に回動可能に支持されたものであり、かつ、掘削装置本体81には、掘削軸82を回転させる駆動源であるモータ83が搭載されている。
この拡幅工程では、図3に示すクレーン7のブーム71に吊り下げた拡幅掘削装置8を、まず、掘削軸82を下方に向けた状態(この状態の図示は省略する)で、掘削溝51内の所定の高さまで降下させる。本実施の形態では、この所定の高さは、掘削溝51の底部とする。また、このとき、掘削軸82の上下方向に回動させる際の回動中心軸が地中連続壁1の延在方向である矢印RH方向(図6参照)を向くように配置する。
次に、掘削軸82を、回転させながら略水平となるまで上方に回動させる。この回動方向は、図6において矢印RHで示す延在方向に直交する矢印TH方向であって、掘削軸82が、地中埋設物3の下方に配置される向きである。
さらに、掘削軸82を回転させながら、クレーン7により、拡幅掘削装置8を掘削溝51に沿って上昇させ、図3に示すように、拡幅溝52を、地中埋設物3の近傍の高さまで上方に延ばす。このようにして、地中埋設物3の下方に拡幅溝52を形成する。なお、この拡幅溝52の上端位置の深さは、後述するコンクリート打設工程を実施して、拡幅溝52に拡幅壁2が形成された際に、地下埋設物3の荷重を支持可能な深さとなるように、設定している。
また、この拡幅工程及び掘削工程では、掘削溝51及び拡幅溝52のスライム処理が同時に行われる。
なお、拡幅工程に用いる拡幅掘削装置8としては、本実施の形態では、図3及び図5では掘削軸82が1本のものを示しているが、掘削軸を2本以上の複数備えたものを用いてもよい。このように掘削軸を複数備えたものは、掘削軸が1本のものよりも拡幅溝52の水平方向の幅を拡げ、拡幅壁2の水平方向の壁厚を厚く形成することが可能である。
(鉄筋籠設置工程)
次に、掘削溝51に、実施の形態の鉄筋籠4を設置する。
この設置時に、鉄筋籠4は、ガイド管42の下端開口部422aが拡幅溝52の壁面52aの方向を向いて対向するように水平方向の向きを設定した上で掘削溝51内に吊り下げ、さらに、図4に示すように、各ガイド管42の下端開口部422aが、拡幅溝52の壁面52aに正対する高さまで降下させる。
(剪断筋供給工程)
次に、剪断筋9を、各ガイド管42の上端開口部421aからガイド管42に挿入する。この剪断筋9は、PC鋼より線や直径の細い鉄筋などのコンクリート構造物の剪断力に対する補強が可能であり、かつ、可撓性を有したものである。例えば、剪断筋9として、一般にフレキシブル鉄筋と呼ばれ、鋼製の素線をより線としたものを用いており、付着性に優れ、加えて伸直性も併せ持っている。
そこで、剪断筋9の各ガイド管42内への供給を続けると、剪断筋9は、主管部421を下方に下り、さらに、湾曲管部422により水平方向に導かれ、下端開口部422aから、その開口方向である拡幅溝52内を壁面52aに向けて導かれる。
この剪断筋9のガイド管42への挿入量を適正に管理することにより、図4に示すように、剪断筋9を、各ガイド管42から、確実に拡幅溝52内に必要な長さだけ配置することができる。このとき、剪断筋9は、伸直性を有しているため、各ガイド管42の下端開口部422aから下方に垂れることが無く直線的に拡幅溝52内に配置される。逆に言えば、剪断筋9としては、可撓性に加え、このように下端開口部422aから水平方向に延在させた際に、下方に垂れることのない形状保持性(伸直性)を有するものを用いる。
(定着材充填工程)
次に、ガイド管42の上端開口部421aからガイド管42内に定着材を充填し、剪断筋9をガイド管42に定着させる。本実施の形態では、定着材としてモルタルを用いるものであり、コンクリートに比べ、ガイド管42の途中で詰まりが生じにくいとともに、硬化後は剪断筋9を確実に定着できる。また、その後のコンクリート打設時に、コンクリートとの結合性にも優れる。
(コンクリート打設工程)
次に、掘削溝51及び拡幅溝52内にコンクリートを打設する。
これにより、掘削溝51内のコンクリートは、地中連続壁1を構成する既設部分に延在方向に連続して結合し、かつ、地中連続壁1に対して直交する方向に拡幅壁2が一体に形成される。したがって、拡幅壁2の構築後は、図6に示すように、地中埋設物3が拡幅壁2に支持される。
その後、地中連続壁1を構築するのにあたり、掘削溝51を矢印RH方向である延在方向に連続して形成しコンクリートの打設を行う。そして、地中連続壁1を矢印RH方向に所定長さだけ構築するごとに、上述の手順を繰り返して拡幅壁2を形成し、地中埋設物3を、所定間隔の複数の拡幅壁2により支持した状態とする。
したがって、地中連続壁1の構築後に、地中埋設物3が埋設された地盤GRを施工する際に、地中埋設物3の下方の地盤GRを掘削する場合でも、別途、地盤改良などの補助工法を実施すること無しに、地中埋設物3を支持することができる。
以上説明した本実施の形態の鉄筋籠を用いた地中連続壁の構築方法にあっては、以下に列挙する効果を奏する。
a)鉄筋籠4に剪断筋9を水平方向へガイド可能なガイド管42を設けたため、掘削溝51に配置した鉄筋籠4から剪断筋9を拡幅溝52へ供給することが可能となった。よって、掘削溝51の溝幅を必要以上に広げることなく、拡幅溝52への剪断筋9の供給が可能となり、地中連続壁1の延在方向に交差する方向への拡幅壁2を有した地中コンクリート構造物の構築が可能となった。
加えて、掘削溝51の拡幅が不要であることから、地中連続壁1が、例えば、用地境界に隣接しているような掘削溝の幅に制限がある場合に、特に有効である。
b)上記a)のように実施の形態の鉄筋籠4を用いたことにより、地中連続壁1が延在された第1の方向に対し、これに直交(交差)する第2の方向に一体に延在する拡幅壁2を備え、この拡幅壁2の内部に、鉄筋籠4から延びる複数の剪断筋9が上下方向に複数並設された、新規な地中コンクリート構造を提供することが可能となった。また、このように拡幅壁2の内部には剪断筋9が配置されているため、拡幅壁2の上方に地中埋設物3が存在する場合に、十分な支持強度を確保することができる。
しかも、拡幅壁2に配置する剪断筋9の数は、ガイド管42の設置数により、任意に設定可能であり、設計自由度に優れる。
c)ガイド管42に挿通した剪断筋9は、定着材としてのモルタルによりガイド管42に定着させるようにしたため、剪断筋9による剪断方向の補強効果を確実に得ることが可能となった。しかも、定着材としてモルタルを使用しているため、汎用性に優れ、かつ、コンクリートとの結合性にも優れる。
d)上記a)b)のように、地中連続壁1に直交方向に高い強度を有した拡幅壁2を一体に構築できたとともに、この拡幅壁2を地中埋設物3の下方に配置した。このため、この地中埋設物3が存在する地盤GRを掘削するような施工を行なう場合に、別途、地中埋設物3の支持を可能とする地盤改良などの補助工法を行なうことなしに、地中埋設物3の下方の地盤GRを掘削することが可能となり、工事の手間を削減可能である。
e)上記a)b)のように、地中連続壁1に直交方向に高い支持強度を有した拡幅壁2を一体に構築できた。このため、拡幅壁2を剪断抵抗部として築造することにより、この拡幅壁2を、地中コンクリート構造物全体としての浮き上がり防止構造として評価することが可能となる。したがって、拡幅壁2を有しないものと比較して、地中連続壁1の長さを短くすることも可能となり、その分、コスト低減を図ることが可能となる。
f)ガイド管42は、主管部421と湾曲管部422とを別体に形成したため、湾曲管部422として同一の形状のものを用い、剪断筋9の配置に応じて、主管部421の長さを変えることで、各ガイド管42の形状を変えることが可能である。したがって、各ガイド管42の形状を異ならせて一体に形成したものと比較して、コスト低減を図ることができる。
以上、図面を参照して本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
例えば、鉄筋籠の形状は、実施の形態に示したものに限定されず、上方から見た形状は、円形、多角形などその形状は任意であり、また、側方から見た形状も、実施の形態で示した形状に限定されない。
また、ガイド管についても、その数や設置位置も実施の形態に示したものに限定されず、必要な剪断筋に応じて任意に設定できる。また、剪断筋についても、拡幅溝において強度あるいは形状に応じ数、長さ、配置は任意に設定することができる。この場合、実施の形態のように、ガイド管は、鉄筋籠を上方から見てその内部に設置するものに限らず、外部に設置してもよい。
また、実施の形態では、ガイド管を、主管部と湾曲管部とは別体に形成したものを示したが、これらを別体にすることなく一体に形成してもよい。さらに、実施の形態では、ガイド管の湾曲部にて90度湾曲させて、下端部の開口部を水平方向に向けたものを示したが、この湾曲角度は、90度未満や90度以上として、下端部の開口部を斜め下向きや、斜め上向きとしてもよい。
また、コンクリート構造物として、延在方向の直交方向に拡幅壁を備えた地中連続壁を示したが、掘削溝に拡幅溝を形成し、コンクリートを打設するものであれば、これに限定されない。また、拡幅溝は、地中連続壁の延在方向の直交方向に拡幅したものを示したが、その角度は、直交方向に限定されず、地中連続壁の延在方向に交差する方向であれば、直交方向以外の方向であってもよい。あるいは、延在方向の交差方向のみならず、拡幅溝を地中連続壁の延在方向に形成する場合にも適用可能である。
また、実施の形態では、定着材としてモルタルを示したが、これに限定されず、樹脂など充填後硬化するものであれば、他のものを用いてもよい。
1 地中連続壁(地中コンクリート構造物)
2 拡幅壁(地中コンクリート構造物)
3 地中埋設物
4 鉄筋籠
8 拡幅掘削装置
9 剪断筋
41 鉄筋籠本体
42 ガイド管
51 掘削溝
52 拡幅溝
52a 壁面
421a上端開口部(上端部の開口部)
422 湾曲管部(湾曲部)
422a下端開口部(下端部の開口部)
GR 地盤
SF 地表

Claims (5)

  1. 鉄筋群により、上下方向に長い籠状に組み立てられた鉄筋籠本体と、
    この鉄筋籠本体に上下方向に沿って設けられ、コンクリート構造物の剪断力に対する補強が可能であるとともに可撓性を有した剪断筋をガイドするガイド管と、
    を備え、
    前記ガイド管は、上端部の開口部が、前記鉄筋籠本体の上部で上方に向けて開口され、下端部には水平方向に湾曲された湾曲部を備え、かつ、この湾曲部に連続する下端部の開口部が横方向に向けて開口されていることを特徴とする鉄筋籠。
  2. 請求項1に記載の鉄筋籠を用いて地中にコンクリート構造物を構築する地中コンクリート構造物構築方法であって、
    地盤を地表から下方に掘削して掘削溝を形成する掘削工程と、
    前記掘削溝の下部に拡幅掘削装置を挿入し、前記掘削溝を横方向に拡幅して拡幅溝を掘削する拡幅工程と、
    前記ガイド管の前記下端部の開口部を前記拡幅溝壁面に向けた状態で前記掘削溝内に前記鉄筋籠を設置する鉄筋籠設置工程と、
    前記コンクリート構造物の剪断力に対する補強が可能な強度を有するとともに可撓性を有した素材により棒状に形成された剪断筋を、上方に向けた前記上端部の開口部から前記ガイド管に挿入し、前記剪断筋が、前記下端部の開口部から前記拡幅溝内に配置されるまで供給する剪断筋供給工程と、
    前記ガイド管内に定着材を充填し、前記剪断筋を前記ガイド管に対して固定させる定着材充填工程と、
    前記掘削溝及び拡幅溝にコンクリートを打設するコンクリート打設工程と、
    を備えていることを特徴とする地中コンクリート構造物構築方法。
  3. 前記掘削溝は、前記コンクリート構造物としての地中連続壁を形成するために、この地中連続壁の延在方向に連続して掘削される掘削溝の1つであり、
    前記拡幅溝は、前記延在方向に交差する方向に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の地中コンクリート構造物構築方法。
  4. 前記地中連続壁に沿って地中に埋設物が延在されており、
    前記拡幅工程では、前記拡幅溝を、前記埋設物の下方位置において、構築後の前記拡幅壁が前記埋設物の荷重を支持可能な深さに掘削することを特徴とする請求項3に記載の地中コンクリート構造物構築方法。
  5. 地中において第1の方向に連続して形成された鉄筋コンクリート製の地中連続壁と、
    この地中連続壁と一体に前記第1の方向に対して交差する第2の方向に延在された拡幅壁と、
    を備え、
    前記地中連続壁において前記拡幅壁に対して前記第2の方向に重なる位置の内部に、請求項1に記載の鉄筋籠が配置され、
    前記拡幅壁の内部に、前記鉄筋籠の前記ガイド管の前記下端部の開口部から延在された前記剪断筋が配置されていることを特徴とする地中コンクリート構造物。
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