JP5680547B2 - 抗血管形成活性を有するインヒビターのためのバイオマーカー - Google Patents
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Description
腫瘍の進行の場合、血管形成の転換は、腫瘍のタイプおよび環境にしたがって腫瘍進行経路の種々の段階で発生し得る。しかしながら新脈管形成は、通常は腫瘍進行の前提条件である。
いくつかのシグナル伝達経路が血管形成プロセスに必要である。VEGFは、脈管形成および血管形成に中枢的役割を果たす。全ての血管形成因子のうち、VEGFは腫瘍進行および転移にもっとも頻繁に関係する。予備的証拠によれば、多様なアイソフォームの過剰発現が腫瘍に対して様々な作用を有し得ることが示唆される。
インテグリンによって誘導されるシグナル伝達事象は複合的で細胞の状況に左右される。細胞外インテグリンドメインとリガンドとの結合によって、形状変化およびインテグリンのクラスター形成が誘導されてシグナル伝達カスケードの活性化が生じ、さらに多重タンパク質複合体が補充されて巣状性接着に至る(B. Geiger et al. 2001, Nat Rev Mol Cell Biol 2:793-805)。メッセージは、多様な細胞内タンパク質キナーゼおよびアダプター分子(Ras、MAPキナーゼ(MAPK)、巣状性接着キナーゼ(FAK)、Src、Rac/Rho/cdc42 GTPase、PKCおよびP13Kを含む)を介して伝達される。これらの分子を介して、インテグリンシグナル伝達は、緊密かつ協調的にレセプターチロシンキナーゼシグナル伝達と相互作用して、生存、増殖、接着および遊走を調節する(FG Giancotti et al. 1999, Science 285(5430):1028-32)。
αvβ5インテグリンは特にビトロネクチンと結合し、一方、αvβ3はまた暫定的ECMの他の巨大分子と結合する。αvβ3は、例えばフィブリン、フィブリノゲン、ラミニン、トロンボスポンジン、ビトロネクチン、フォン・ビルブラント因子、オステオスポンチンおよび骨シアロプロテインIを含むリガンドと結合する。組織中の多くの細胞相互作用で示されるこれらインテグリンの特異的な細胞粘着の役割はなお研究中であるが、種々の生物学的機能を有する種々のインテグリンが存在することは明白である。
インテグリンインヒビターは、主として血管形成関連疾患の特に予防及び治療のためのヒト並びに獣医医薬の医薬的活性成分として提唱されてきた。前記は、血行、血栓症、心筋梗塞、動脈硬化症、炎症、脳卒中、狭心症、腫瘍疾患、骨溶解性疾患(特に骨そしょう症)、血管形成および血管形成から生じる異常、例えば眼の糖尿病性網膜症、黄斑変性、眼のヒストプラズマ症、リウマチ性関節炎、変形性関節炎、ルベオーシス緑内障(rubeotic glaucoma)、さらにまた潰瘍性大腸炎、クローン病、多発性硬化症、乾癬および血管形成術後の再狭窄の治療および予防のために用いることができる。
シレンギチドは、RGD-モチーフを模倣した環状ペプチド(シクロ-(Arg-Gly-Asp-DPhe-NMeVal))アンタゴニストである(EP0770622)。シレンギチドはαv-インテグリン、特にαvβ3およびαvβ5を標的とする。
US6521593は、αvβ3/αvβ5インテグリンインヒビターとしてシレンギチドを用いる、脳内の腫瘍増殖を阻害する方法を開示する。この発明は、前記インテグリンインヒビターが、抗血管形成作用に依存する抗腫瘍形成作用を示すことを含んでいる。さらにまた、前記インテグリン拮抗作用は、抗血管形成作用に依存しない直接的な腫瘍細胞致死を誘導し得る。WO02/41910は、血管形成から生じる患者の眼の疾患の治療のために、αvβ3/αvβ5インテグリンインヒビターとしてシレンギチドを使用することに関する。
チロシンキナーゼインヒビター(例えばVEGFおよびVEGFRに対抗するもの)が、抗血管形成療法で使用するために開発されてきた。VEGFRのチロシンキナーゼインヒビターは低分子量のATP模倣タンパク質であり、VEGFRのチロシンキナーゼドメインのATP結合触媒部位と結合して細胞内シグナル伝達を遮断する(Morabito et al. 2006, The Oncologist 11:753-764)。これらの薬剤のいくつかは現在種々の臨床開発段階にある。広範囲の任意抽出フェーズII試験によって、標準的療法に対して耐性を示す胃腸支質性腫瘍(GIST)および腎癌に罹患している患者の治療でスニチニブおよびソラフェニブの有効性がそれぞれ示された。
例えば血管形成因子の遺伝的変型は血管形成関連疾患の臨床的治療について重大な結果を有する。例えば、ダウン症候群の個体は、エンドスタチン前駆体遺伝子の余剰コピーのために正常な個体よりも1.6倍高いエンドスタチンレベルを有する。ダウン症候群の個体は癌に対して全人類でもっとも防護されているように思われる。したがって、遺伝的変型による血管形成の差異は抗血管形成療法で考慮されるべきである。
抗血管形成療法は、最適には内皮細胞が安定的な血中レベルのインヒビターに暴露されることを要求するかもしれない。したがって、シクロポリペプチドインヒビター(例えばシレンジチド)については頻繁な投与が最適であるかもしれない。しかしながら、モノクローナル抗体(例えばD7E16)は、長期間持続する抗体であるのでより長期の間隔で投与することができる。
腫瘍は、特に単一抗血管形成療法がただ1つの血管形成タンパク質(例えばVEGF)を標的とする場合には、抗血管形成療法に対して耐性になることがある。抗VEGF療法(例えばVEGFに対する抗体(ベヴァシズマブ))の場合、初期腫瘍の血管網は縮小し、腫瘍増殖は制限される。しかしながら、過去の経過を分析すると、転移腫瘍のベヴァシズマブによる継続的抗血管形成治療は有益な結果をもたらさなかった。ヒト腫瘍の60%しかVEGFを発現しないが、大半の腫瘍はまた5個から8個の他の血管形成タンパク質を発現することができる。発現が長期間抑制されるとき、別の血管形成タンパク質の発現が生じ得る(Dorrell et al. 2007, Proc Natl Acad Sci doi:10.1073/pnas.0607542104)。
さらにまた、血管形成が貧弱な腫瘍は、高度に血管形成された腫瘍に必要な血管形成インヒビターよりも極めて低い用量のインヒビターによって阻害されるであろう。これらの腫瘍はそれら自体の血管形成インヒビターを発現し、かつ低用量の血管形成インヒビターに応答するかもしれない。
広範囲の腫瘍タイプおよびそれらの発生における例えば遺伝的変型および多様な血管形成プロセスは、抗血管形成療法を最適化させかつ個々の要求に適合させるために、情報に富むバイオマーカーの広域パネルをとりわけ必要とする。
新形成ではないある種の血管形成依存疾患の進行または緩和をモニターするために、血管形成系バイオマーカーを使用することもまた可能かもしれない。これらの疾患にはとりわけアテローム性動脈硬化症、子宮内膜症、クローン病および慢性関節リウマチが含まれる。
(1)分子標的の状態および標的に対する薬剤の作用の薬力学的(PD)終末点の測定、
(2)血管形成連関経路を識別する、
(3)個々の患者についてもっとも適切な抗血管形成薬を発見する、
(4)標的調節概念の証拠を提供する、
(5)基礎となる仮説を試験する、
(6)抗血管形成療法の用量およびスケジュールの論理的選択を提供する、
(7)臨床結果を解説または予想する。
分子性癌治療薬(例えばトラスツズマブおよびイマチニブ)の多くの成功にもかかわらず、臨床まで進んだ腫瘍薬のほんのわずかが市販承認にこぎつけただけである。分子性バイオマーカーの使用はこの高レベルの損耗を緩和し、それによって薬剤開発コストを下げ、刷新的で活性を有する薬剤が癌患者に提供される確率を高めるはずである。
本発明は、血管形成関連疾患、好ましくは癌に罹患した患者を治療するための血管形成インヒビター、好ましくはインテグリンインヒビターまたは小分子ATP部位指向マルチキナーゼインヒビターである治療薬または薬剤の作用、有効性、安全性、予後および/または用量決定を評価する方法に関する。
本発明はさらに、血管形成インヒビター、好ましくはインテグリンインヒビターまたは小分子ATP部位指向マルチキナーゼインヒビターのそのようなものとしての血管形成に対する作用を評価する方法に関する。
本発明はまた、細胞系モデルにおいてインテグリン調節化合物についてスクリーニングする方法に関する。
抗血管形成療法の環境に置かれた個体に投与される血管形成インヒビターの有効性を評価するべき情報量豊富な分子性バイオマーカーの確立で考慮しなければならない種々の心得が存在する。
例えば、抗血管形成療法は、様々な種類の血管形成関連疾患に施され、さらに様々な種類の組織および/または器官が前記疾患に関係するので、分子性バイオマーカーの解析のために十分な生検標本を得ることが困難であるか、または医学的理由のために不可能な場合すらある。さらにまた、血管形成インヒビターを例えばある個体の転移性腫瘍を標的とするために用いる場合は、前記インヒビターの作用を解析するために多様な標的組織の種々の生検標本が必要とされよう。したがって、血管形成インヒビターによる治療を用いる血管形成依存性腫瘍の進行の評価には一定の種々の組織サンプルが必要とされよう。
したがって、循環タンパク質をバイオマーカーとして使用することによって抗血管形成療法の成功に関する情報が得られよう。前記循環タンパク質は体液で検出可能なことがあり、したがってそれらは前記考察した心得を克服するために有益であり得よう。これまでただ1つの選択血管形成増殖因子(例えばVEGF、bFGFおよびPLGF)が、一定の抗血管形成療法の実施後に血漿で解析された(Jubb et al. 2006, Nature Reviews, 6:626-635)。しかしながら、血漿中の血管形成増殖因子の有意義な評価は、血小板および他の細胞から多くの増殖因子が活発に取り込まれるために限定される。さらにまた、腫瘍細胞ははっきりと認識し得るレベルの前記血管形成増殖因子を発現する。その上、血管形成の複雑さおよびタンパク質循環の複雑さのために、サンプル中のわずかばかりの単一バイオマーカーの評価は抗血管形成療法の評価には不十分である。したがって、好ましくは異なるタンパク質ファミリーに属し、さらに異なる態様で血管形成または関連するシグナル伝達経路に巻き込まれる一定のバイオマーカーのパネルは、抗血管形成薬のモニタリングにおける十分なツールの欠如を補完し得よう。
本発明にしたがって血管形成関連レセプター(好ましくはインテグリンおよびATP部位指向マルチキナーゼ)およびこれらのレセプターのインヒビターと反応することが判明したバイオマーカーは以下のものである:
ADAMTS1、ADAMTS9、SERPINB2、SERPIND2、STC1、ADAM15、SRPX、CORO1C、PBEF1、LTB4DH、IL15RA、ENPP4、PLAUR、LAMA5、TNFRSF1A、CLU、TOR3A、IL1RL1、IL1R1、TCN2、VEGFC、LMNA、CTSL、PTX3、NCL、GUSB、CLEC3B、IL8、GPX3、CXCL1、SDFR1、STAT1、CDCA7、DAF、HYAL2、CD40、NOTCH1、INHBA、EDN1、MCP1、MMP10、AUTS2、LIPG、PDGFB、BMP4、MGP、HTRA1、FBLN5、HHIP、COL4A1、GALNT、MMP2、IL13RA1、MFAP2、NTN4、DKK3、SERPINE2、COL5A1、CHST1、PGF、EFNA4、BCHE、ENG、ROR1、ANGPTL4、ESM1、CUBN、IGFBP7、CYR61、FLT4、SPOCK、COL12A1、LTBP1、MMP28、TMEM4、CTSB、COL1A2、GRP124、SPARC、FST、DKK4、PHLDB2、PVR、CYR61、MERTK、FSTL3、APLN、PTX3、CTGF、NRG1、DKK3、CD44、BCHE、BDNF、FBXO4、EFEMP1、STC2、IL-6、CRP、CD40リガンドおよび/またはMMP9。
本発明にしたがってもっとも好ましいバイオマーカーはADAMTS1、STC1、EDN1およびIL8または前記の組合せである。
好ましい実施態様では、分子性バイオマーカーは、体液(例えば血液および血漿、リンパ、羊水および/または尿)中に検出し得る。特に好ましい実施態様では、分子性バイオマーカーは血液および/または尿中に検出され得る。この場合に、血液および尿は非侵襲的態様で採取できるので、容易に前記バイオマーカーを精査することができる。
本発明の好ましい実施態様では、血管形成インヒビターはインテグリンインヒビターから選択される。より好ましい実施態様では、前記インテグリンインヒビターはアルファ(v)インテグリンインヒビターから選択される。
特に好ましい実施態様では、前記インテグリンインヒビターは、DI-17E6またはその誘導体および/またはシレチジン(シクロ-(Arg-Gly-Asp-DPhe-NMeVal))から選択される。そのようにした場合、分子性バイオマーカーは、治療的に有効と推定される量のDI-17E6またはその誘導体および/またはシレンジチドで治療された個体から入手した体液で解析されるであろう。
本発明の別の好ましい実施態様では、前記インテグリンインヒビターと内皮細胞との特異的結合のために、分子性バイオマーカーは前記内皮細胞でダウンレギュレートされ、より低い量で内皮細胞の環境中に分泌される。別の場合には、前記バイオマーカーの分泌は前記インヒビターによる治療により停止される。
本発明のある実施態様では、インテグリンインヒビターの治療により一定の体液で検出できる前記分子性バイオマーカーはタンパク質である。好ましくは、前記タンパク質は血清の可溶性タンパク質または血漿に含まれるタンパク質である。本発明のある実施態様では、前記タンパク質は、主として免疫学系技術、例えばウェスタンブロット、ELISA、Luminexおよび関連技術によって検出できる。
本発明の目的のためには、前記バイオマーカー(好ましくはタンパク質)は、インテグリンインヒビターによる治療に応答して好ましい体液中で定量的に上昇または減少する。好ましい実施態様では、多数の試験で特徴づけられる、インテグリンインヒビター治療によるあるバイオマーカーの上昇または減少は、0.01を超過しないp値によって規定される。
本発明の別の特徴では、前記バイオマーカーの遺伝子発現の改変はRNAレベルで検出できる。したがって、RNAは、インテグリンインヒビターによる治療に応答した個体から得られた組織細胞のサンプルから抽出される。したがってあるバイオマーカーの発現RNA転写物を既知の遺伝子発現プロフィル決定技術(例えばアレイ技術)によって解析することができる。好ましくは、RNA抽出のために採取される組織細胞サンプルは内皮細胞に由来する。
好ましくは、抗血管形成療法におけるインテグリンインヒビターの有効性を評価する方法は、第一に治療的に有効と推定される量のインテグリンインヒビターを個体に投与する工程を含む。治療的に有効な量の仮定および決定は、例えば以前の前臨床的および臨床的研究に基づく。第二に、治療的に有効と推定される量の前記インテグリンインヒビターの投与の有効性が本発明の方法によって評価される。前記評価の判定を引証して、異なる条件下でさらに数回の血管形成療法を繰り返す。
本発明の別の特徴では、抗血管形成薬の作用を評価するためにバイオマーカーを別々に、本発明の異なるバイオマーカーと一緒に、または本発明以外で決定された他の血管形成バイオマーカーと一緒に用いることができる。
さらにまた、サンプル(例えば体液)中のタンパク質レベルの決定によって得られる分子性バイオマーカー判定の結果は、サンプル(例えば内皮細胞)中のRNAレベルの結果によって得られる遺伝子発現の結果によって達成することができる。前記代替は、タンパク質転写物の形としての分子性バイオマーカーは例えばある種の生理学的環境のために血液または尿中では安定でない可能性があるので有用であり得る。
好ましい実施態様では、分子性バイオマーカーは内皮細胞でアップレギュレートされ、内皮細胞の培養液中により高い量で分泌されるであろう。別の場合には、前記インヒビターによる処理のために前記バイオマーカーの分泌が開始される。本発明の別の好ましい実施態様では、分子性バイオマーカーは内皮細胞でダウンレギュレートされ、内皮細胞の培養液中により低い量で分泌される。別の場合には、前記インヒビターによる処理のために前記バイオマーカーの分泌が停止される。
特に好ましい実施態様では、前記インテグリンインヒビターはDI-17E6またはその誘導体および/またはシレンジチドから選択される。そのようにして、分子性バイオマーカーは、有効と推定される量のDI-17E6またはその誘導体および/またはシレンジチドで処理された内皮細胞から採取した細胞培養液で解析されるであろう。
本発明のある実施態様では、インテグリンインヒビターで処理したために上清で検出できる前記バイオマーカーは、前述の項に記載したタンパク質である。
本発明の目的のためには、前記バイオマーカー(好ましくはタンパク質)は、インテグリンインヒビターによる処理に応答して内皮細胞サンプルの上清で定量的に上昇または減少する。好ましい実施態様では、一定の試験で特徴づけられるインテグリンインヒビターの処理によるあるバイオマーカーの上昇または減少は、0.01を超過しないp値によって規定される。
本発明の別の特徴では、細胞培養で検出される前記バイオマーカー(好ましくはタンパク質)は、前述の項に記載のように改変される。
本発明の別の特徴では、前記バイオマーカーの遺伝子発現の変化は、インテグリンインヒビターによる処理のために、内皮細胞のRNAの抽出によってRNAレベルを基にして検出できる。したがってあるバイオマーカーの発現RNA転写物を既知の遺伝子発現プロフィル決定技術(例えばアレイ技術)によって解析することができる。
別の特徴では、上記の項に記載した前記細胞培養における血管形成に対するインテグリンインヒビターの作用を評価する方法は、第一に実地調査量のインテグリンインヒビターの内皮細胞への投与を含む。この実地調査量の決定は、以前の前臨床および臨床研究に基づく。第二に、有効な実地調査量の前記インテグリンインヒビターの投与の効果が、本発明に記載した分子性バイオマーカーによって解析される。前記解析の判定は、更なる前臨床または臨床研究のために引証される。
本発明のある実施態様にしたがえば、細胞培養の培養液で決定される分子性バイオマーカーは、好ましくは前述の項に記載の候補マーカーである。
本発明の別の特徴では、抗血管形成薬を評価するために、バイオマーカーを別々に、本発明の異なるバイオマーカーと一緒に、または本発明以外で決定された他の血管形成バイオマーカーと一緒に用いることができる。
さらにまた、細胞培養液中のタンパク質レベルの決定によって得られた分子性バイオマーカー判定の結果は、細胞培養の細胞のRNAレベルの結果によって得られる遺伝子発現の結果によって達成することができる。
さらにまた、分子性バイオマーカーの手段による血管形成インヒビターの作用の評価は、インテグリンインヒビターで治療した個体から得られた組織サンプル或いは体液の解析およびインテグリンインヒビターで処理した上記に記載の細胞培養サンプル或いはその細胞培養の培養液の解析をまとめることによって実施することができる。
好ましい実施態様では、小分子ATP部位指向マルチキナーゼインヒビターは標的キナーゼのATP結合部位と結合し、さらに前記を模倣する(前記ATP結合部位は標的キナーゼの触媒活性部位に存在する)。
前記マルチキナーゼインヒビターの標的キナーゼは、好ましくは種々のレセプターチロシンキナーゼ、例えばVEGFR、PDGFR、KIT、FLT3、CSF-1およびRETとともにセリン/スレオニン細胞内キナーゼRAFを含む。
特に好ましい実施態様では、小分子ATP部位マルチキナーゼインヒビターはスニチニブおよび/またはソラフェニブである。
さらにまた、分子性バイオマーカーの手段によって血管形成インヒビターの効果を評価する前記方法のいずれの方法およびその使用も、背景の項に記載の血管形成関連疾患の予防及び治療のために有益であり得る。
さらに別の特徴では、本発明は、本発明の分子性バイオマーカーの使用によって広範囲の抗血管形成薬の作用を評価する方法に関する。前記バイオマーカーを用いて、本発明の抗血管形成薬に含まれないかまたは無関係である他の抗血管形成薬の血管形成に対する作用を評価することが可能である。
別の特徴では、血管形成療法の関係で血管形成薬の評価のために前記バイオマーカーを使用する以外に、それらバイオマーカーは早期発見においてもまた重要であり得よう。
別の好ましい実施態様では、抗血管形成疾患に罹患した患者に投与される抗血管形成薬の初期用量が本発明の方法に有効であると評価された場合、条件の変更は、用量の低下またはスケジュールの延長を含むことができる。個体に投与される化合物、組成物、薬剤および治療を減少させる利点には、より高い投与量に付随する副作用発生率の減少が含まれる。特許請求の範囲に記載しさらに実施例でより詳細に記載した方法の結果として、これまでの薬剤を変更し、さらにより明瞭なバイオマーカーパターンをもたらす別の薬剤に置きかえることができよう。
本発明の別の特徴にしたがえば、本発明は、インテグリン調節活性を有する可能性がある化合物をスクリーニングする方法を提供する。前記方法は以下の工程を含む:
(a)前記インヒビターで未だ処置されていない個体から入手した、体液および/または組織のサンプル中の少なくとも1つの選択バイオマーカーの基準濃度および/または改変状態を決定する工程;
(b)前記インヒビターで処置した(a)のサンプル中の選択バイオマーカーの濃度および/または改変状態を決定する工程;
(c)工程(a)および(b)によって入手した選択バイオマーカーの濃度および/または改変状態間の相違を計算する工程;
(d)前記相違から得られる判定または予測は、血管形成関連疾患に対する血管形成および/または抗血管形成有効性に対して影響を有するインテグリン調節分子の指標となる。
好ましい実施態様では、前述の項に記載した解析のために前記処理細胞の細胞培養の培養液が採取された。
好ましい実施態様では、前記スクリーニング化合物による処理に対して応答する、細胞培養の培養液で解析およびモニターされる前記バイオマーカーは、前述の項に記載のタンパク質である。
好ましい実施態様では、一定の試験で特徴づけられたスクリーニング化合物の処理によるあるバイオマーカーの上昇または減少は、0.01を超過しないp値によって規定される。
本発明の別の特徴では、前記バイオマーカー(好ましくはタンパク質)は、前述の項に記載の前記スクリーニング化合物による処理に応答して改変される。
本発明の別の特徴では、前記バイオマーカーの遺伝子発現の変化は、スクリーニング化合物によって処理された細胞のRNA抽出物によってRNAレベルを基に検出できる。したがってあるバイオマーカーの発現RNA転写物を既知の遺伝子発現プロフィル決定技術(例えばアレイ技術)によって解析することができる。
したがって要約すれば、本発明はより詳細には以下に関する:
*少なくとも1つの選択的バイオマーカーによって、血管形成インヒビターの血管形成に対する作用および/または前記インヒビターの血管形成関連疾患に対する有効性を評価するex vivoの方法であって、
前記バイオマーカーが、ADAMTS1、ADAMTS9、SERPINB2、SERPIND2、STC1、ADAM15、SRPX、CORO1C、PBEF1、LTB4DH、IL15RA、ENPP4、PLAUR、LAMA5、TNFRSF1A、CLU、TOR3A、IL1RL1、IL1R1、TCN2、VEGFC、LMNA、CTSL、PTX3、NCL、GUSB、CLEC3B、IL8、GPX3、CXCL1、SDFR1、STAT1、CDCA7、DAF、HYAL2、CD40、NOTCH1、INHBA、EDN1、MCP1、MMP10、AUTS2、LIPG、PDGFB、BMP4、MGP、HTRA1、FBLN5、HHIP、COL4A1、GALNT、MMP2、IL13RA1、MFAP2、NTN4、DKK3、SERPINE2、COL5A1、CHST1、PGF、EFNA4、BCHE、ENG、ROR1、ANGPTL4、ESM1、CUBN、IGFBP7、CYR61、FLT4、SPOCK、COL12A1、LTBP1、MMP28、TMEM4、CTSB、COL1A2、GRP124、SPARC、FST、DKK4、PHLDB2、PVR、CYR61、MERTK、FSTL3、APLN、PTX3、CTGF、NRG1、DKK3、CD44、BCHE、BDNF、FBXO4、EFEMP1、STC2、IL-6、CRP、CD40リガンドおよび/またはMMP9から成る群から選択される遺伝子生成物から選択され、
以下の(a)−(d)の工程を含む前記方法:
(a)前記インヒビターで未だ処理されていない個体から入手した、体液または組織のサンプル中の少なくとも1つの選択バイオマーカーの基準濃度および/または改変状態を決定する工程;
(b)前記インヒビターで既に処理された個体から入手した(a)のサンプルまたは前記インヒビターによってその後の工程で処理される(a)のサンプル中の前記選択バイオマーカーの濃度および/または改変状態を決定する工程;
(c)工程(a)および(b)によって入手した選択バイオマーカーの濃度および/または改変状態間の相違を計算する工程;
(d)前記相違から、インヒビターの以下の特性、分子標的および前記分子標的と連関するそれぞれのシグナル伝達経路に対する薬力学的効果;血管形成に対する効果;血管形成関連疾患をもつ患者での治療の有効性および臨床的成果の1つ以上を判定または予測する工程。
*対応する方法であって、前記組織サンプルが病気の組織または健康な組織を含む、前記方法。
*対応する方法であって、前記組織サンプルが、癌組織、皮膚組織および/または滑膜組織から成る群から選択される、前記方法。
*対応するex vivoの方法であって、採取された組織サンプルから内皮細胞が調製される、前記方法。
*対応する方法であって、前記内皮細胞が、それらが個体から入手され組織サンプルから調製された後に検査室条件下で培養され、少なくとも1つのバイオマーカーが細胞培養の培養液または前記細胞の抽出物から決定される、前記方法。
*対応する方法であって、前記血管形成インヒビターが小分子ATP部位指向マルチキナーゼインヒビターである、前記方法。
*対応する方法であって、前記インテグリンインヒビターがアルファ(V)インテグリンのインヒビターである、前記方法。
*対応する方法であって、前記アルファ(V)インテグリンのインヒビターが抗体もしくはその誘導体または小さな化学分子またはRGDペプチドである、前記方法。
*対応する方法であって、前記アルファ(V)インテグリンのインヒビターがDI-17E6またはシレンジチドである、前記方法。
*対応する方法であって、前記小分子ATP部位指向マルチキナーゼインヒビタースニチニブおよび/またはソラフェニブである、前記方法。
*対応する方法であって、前記内分泌細胞および/または体液のサンプルが、健康な個体および/または腫瘍疾患および/または別の血管形成関連疾患を罹患した病気の個体に由来する、前記方法。
*対応する方法であって、血管形成インヒビターの投与のために、前記バイオマーカーが、それらのレベルおよび/または改変状態においてダウンレギュレートまたはアップレギュレートされる、前記方法。
*対応する方法であって、前記バイオマーカーが、ADAMTS1、STC1、MCP-1、IL-8、EDN1、PDGF-BB、INHBA、IL-6、CRP、CD40リガンドおよび/またはMMP9から成る群から選択される、前記方法。
*対応する方法であって、前記バイオマーカーADAMTS1および/またはSTC1が、規定された少なくとも1つのインテグリンインヒビターの投与のためにアップレギュレートされる、前記方法。
*対応する方法であって、前記バイオマーカーMCP-1、INHBA、EDN1および/またはPDGF-BBが、規定された1つのインテグリンインヒビターの投与のためにダウンレギュレートされる、前記方法。
*対応する方法であって、前記バイオマーカーIL-8が、シレンジチドまたはソラフェニブの投与のためにダウンレギュレートされ、さらにDI-17E6またはスニチニブの投与のためにアップレギュレートされる、前記方法。
*対応する方法であって、前記バイオマーカーIL-6および/またはCRPが、DI-17E6の投与のためにアップレギュレートされる、前記方法。
*対応する方法であって、前記バイオマーカーCD40リガンドが、DI-17E6の投与のためにダウンレギュレートされる、前記方法。
*対応する方法であって、前記バイオマーカーSTC1が、規定される小分子ATP部位指向マルチキナーゼインヒビターの投与のためにダウンレギュレートされる、前記方法。
*対応する方法であって、前記バイオマーカーEDN1が、規定される小分子ATP部位指向マルチキナーゼインヒビターの投与のためにアップレギュレートされる、前記方法。
前記バイオマーカーが、ADAMTS1、ADAMTS9、SERPINB2、SERPIND2、STC1、ADAM15、SRPX、CORO1C、PBEF1、LTB4DH、IL15RA、ENPP4、PLAUR、LAMA5、TNFRSF1A、CLU、TOR3A、IL1RL1、IL1R1、TCN2、VEGFC、LMNA、CTSL、PTX3、NCL、GUSB、CLEC3B、IL8、GPX3、CXCL1、SDFR1、STAT1、CDCA7、DAF、HYAL2、CD40、NOTCH1、INHBA、EDN1、MCP1、MMP10、AUTS2、LIPG、PDGFB、BMP4、MGP、HTRA1、FBLN5、HHIP、COL4A1、GALNT、MMP2、IL13RA1、MFAP2、NTN4、DKK3、SERPINE2、COL5A1、CHST1、PGF、EFNA4、BCHE、ENG、ROR1、ANGPTL4、ESM1、CUBN、IGFBP7、CYR61、FLT4、SPOCK、COL12A1、LTBP1、MMP28、TMEM4、CTSB、COL1A2、GRP124、SPARC、FST、DKK4、PHLDB2、PVR、CYR61、MERTK、FSTL3、APLN、PTX3、CTGF、NRG1、DKK3、CD44、BCHE、BDNF、FBXO4、EFEMP1、STC2、IL-6、CRP、CD40リガンドおよび/またはMMP9から成る群から選択される遺伝子生成物から選択され、
前記方法が以下の(a)−(d)の工程を含む前記方法:
(a)前記インヒビターで未だ処理されていない個体から入手した、体液または組織のサンプル中の少なくとも1つの選択バイオマーカーの基準濃度および/または改変状態を決定する工程;
(b)前記インヒビターで既に処理された(a)のサンプル中の前記選択バイオマーカーの濃度および/または改変状態を決定する工程;
(c)工程(a)および(b)によって入手した選択バイオマーカーの濃度および/または改変状態間の相違を計算する工程;
(d)血管形成における作用および/または血管形成関連疾患に対する抗血管形成有効性をもつインテグリン調節分子の指標となる特性を前記相違から判定または予測する工程。
*インテグリンインヒビターまたは小分子ATP部位指向キナーゼインヒビターの細胞系アッセイでの血管形成における作用、またはそのようなインヒビターのex vivoにおける有効性および/または用量決定を評価または予測するための、ADAMTS1、STC1、EDN1、MCP-1、IL8、PDGF-BB、CRP、CD40リガンドおよびIL6から成る好ましい群から選択されるバイオマーカー遺伝子またはその遺伝子生成物の使用。
*インテグリンインヒビターまたは小分子ATP部位指向キナーゼインヒビターの製造を目的とする、ADAMTS1、STC1、EDN1、MCP-1、IL8、PDGF-BB、CRP、CD40リガンドおよびIL6から成る好ましい群から選択されるバイオマーカー遺伝子またはその遺伝子生成物の使用であって、前記インヒビターが、これらのバイオマーカーの少なくとも1つに応答性である患者の癌の治療用である、前記使用。
“抗血管形成作用”という用語は、血管形成が遮断されるかまたは少なくとも阻害されることを意味する。本発明との関係では、抗血管形成薬剤または物質は、好ましくは新規血管の病理学的形成(血管形成)を制限することによって血管形成関連疾患を相殺するために用いられ、血管形成によって媒介される症状は抗血管形成薬の投与により緩和される。
“バイオマーカー”という用語は、生物学的状態の指標として用いられる物質を指す。“バイオマーカー”は、正常な生物学的プロセス、病理学的プロセスまたは治療薬介入に対する薬理学的応答の指標として客観的に測定および判定される形質である。本発明では、バイオマーカーという用語は、好ましくは遺伝子転写物(例えばRNAおよびタンパク質)を含む分子性バイオマーカーとして用いられる。前記バイオマーカーは定量的であるとともに定性的な変化であってもよい。好ましくは本発明では、分子性バイオマーカーは定量的に変化し(すなわちそれらのレベルは減少または上昇する)、それによって同じ条件下で一定の試験で調査されるバイオマーカーの信頼度を特徴付けるp-値は0.01の値を越えない。
“癌”および“腫瘍/腫瘍性疾患”という用語は、典型的には調節性が失われた細胞増殖を特徴とする哺乳動物の病理学的状態を指すか、または表す。本発明の医薬組成物の手段によって腫瘍を治療することができる。前記腫瘍は、例えば乳房、心臓、肺臓、小腸、結腸、脾臓、腎臓、膀胱、頭部、頭頸部、卵巣、前立腺、脳、膵臓、皮膚、骨、骨髄、血液、胸腺、子宮、精巣、子宮頸および肝臓の腫瘍である。
“細胞系モデル/アッセイ”という用語は、本明細書では、動物および/またはヒトの組織および/または器官に由来し、もっとも好ましくは血管形成調節化合物のスクリーニングに使用される前に検査室条件下で培養される細胞を指す。細胞系モデルには細胞株もまた含まれる。
抗体の“誘導体”は抗体から導かれる形態を表す。
“診断キット”という用語には、好ましくは種々の診断用抗体パッケージおよび/または遺伝子チップアレイおよび/または本発明のバイオマーカーの定量的および/または定性的判定に必要な試薬、および原則として試薬、診断用抗体または遺伝子アレイを用いるための指示を含む検出系が含まれる。試薬と同様に抗体は液体、散剤、錠剤、懸濁物として提供され得る。抗体(すなわち遺伝子アレイ)および試薬は、本発明の方法にしたがって別々に適用するために適した別個のパッケージとして提供することができる。本発明のキットはまた、パッケージに含まれる物質を“使用するための指示書”を含む。
“個体”には、疾患/異常をもつヒトおよび動物、および/またはコントロール発端者として健康なヒトおよび動物が含まれる。さらにまた実験動物が含まれる。
“レセプター”または“レセプター分子”は、可溶性または膜結合/関連タンパク質または糖タンパク質であって、リガンドが結合してレセプター-リガンド複合体を形成する1つ以上のドメインを含むものである。リガンド(アゴニストまたはアンタゴニストであり得る)と結合することによって、レセプターは活性化または不活化され、経路のシグナル伝達を開始または遮断することができる。
“組織サンプル”は、バイオマーカーの解析および判定のために細胞として用いるために個体から取り出される生検標本を意味する。本発明では、組織サンプルは生検後直ちにバイオマーカーの解析に用いることができる。本発明の別の特徴では、生検材料から抽出した細胞を一定の検査室条件下で培養し、そのバイオマーカーについて後で解析することが可能である。本発明では、好ましくは内皮細胞が用いられる。
“応答する”または“応答性”という用語は、任意の終末点表示を用いて患者にとっての利益を評価することができる状態を指し、疾患進行のある程度の抑制(完全な進行停止の遅延を含む);疾患関連エピソードおよび/または症状の数の減少;適用されたインヒビター薬剤に対する自己免疫応答の緩和;治療の後の症状非提示期間の延長;および治療後のある時点の死亡率の低下が含まれるが、ただしこれらに限定されない。前記用語は、完全応答(CR)および部分応答(PR)を含む測定可能な応答を指す。
本発明の関係で抗体の“ネズミ型、キメラ型またはヒト化型”には、抗体の部分がネズミ抗体、キメラ抗体またはヒト化抗体の規定にしたがって置換されている等価の抗体または誘導体が含まれる。
1.遺伝子発現プロフィルを用いるバイオマーカーの識別
治療に関連するバイオマーカーを識別するために、HUVECをシレンジチドまたはDI-17E6で処理した。ウェスタンブロット分析によって、処理後にFAKおよびMAPKのリン酸化がシレンジチドおよびDI-17E6についてそれぞれ阻害されることが示された。各条件をトリプリケートで試験した実験から遺伝子発現プロフィルを作製した。前記を達成するために、RNAを処理細胞およびコントロール細胞から抽出し、全ゲノムアフィメトリックス(Affymetrix)オリゴヌクレオチドマイクロアレイとハイブリダイズさせて、遺伝子発現プロフィルを作製した。GCRMAアルゴリズム(Z. Wu 2004, J American Statistica Association 99:909-917)によるプレプロセッシングの後、Affymetrix GeneChipのデータをフィルター処理して、低多様性、低シグナルまたは低プローブ注釈のプローブセットを排除する。遺伝子を特異的にフィルター処理し、ヒトの体液中に検出することが可能で、かつ患者において非侵襲的方法でモニターできる分泌候補を得た。薬剤処理細胞と非処理またはコントロール処理細胞とにおいて弁別的に発現される遺伝子を、各プローブセットの発現データの直線モデル解析とそれに続く緩和(moderated)t-検定(GK. Smyth 2004, Statistical Applications in Genetics and Molecular Biology 3:Article 3)によって識別した。
*シレンジチドに応答してアップレギュレートされる遺伝子には以下が含まれる:ADAMTS9、DAF、STC1、ADAMTS1、LAMA5、TCN2、SRPX、ADAM15、GUSB、HYAL2、PLAUR、CD40、NOTCH1、ENPP4。
*DI-17E6に応答してダウンレギュレートされる遺伝子には以下が含まれる:INHBA、EDN1、MCP1、MMP10、AUTS2、LIPG、PDGFB、BMP4、MGP、HTRA1、FBLN5、HHIP、COL4A1、GALNT、MMP2、IL13RA1、MFAP2、NTN4、DKK3、SERPINE2、COL5A1、CHST1、PGF、EFNA4、BCHE、ENG、ROR1、ANGPTL4、ESM1、CUBN、IGFBP7、CYR61、FLT4、SPOCK、COL12A1、LTBP1、MMP28、TMEM4、CTSB、COL1A2、GRP124、SPARC。
*シレンジチドに応答してダウンレギュレートされる遺伝子には以下が含まれる:INHBA、EDN1、FST、DKK4、BMP4、MCP1、HHIP、NTN4、PHLDB2、PVR、CYR61、AUTS2、MERTK、FSTL3、APLN、PTX3、ANGPTL4、CTGF、SPOCK、IL8、NRG1、DKK3、CD44、BCHE、BDNF、FBXO4、EFEMP1、STC2。
与えられた条件下で顕著な応答/応答の変化/応答性を示す遺伝子には下線が付されている。
前記遺伝子および前記遺伝子の遺伝子生成物は、本発明の定義によって、同じ機能的活性を誘引する相同配列もまた含み、特に本来の配列に対して80%を超える、好ましくは90%を超える、特に好ましくは95%を超える相同性を有する配列が関係する。したがって、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%および99%の相同性を有する配列が本発明の目的の物質である。
ウェスタンブロット解析によって、スロンボスポンジン1型モチーフ(ADAMTS1)およびスタンニオカルシン-1(STC-1)をもつADAMメタロペプチダーゼが、DI-17E6またはシレンジチドによる処理に応答してアップレギュレートされることが示された(図2−4)。
ADAMTS-1は細胞外間隙に存在するメタロプロテアーゼである。種々の生物学的な系を用いて、ADAMTS1は血管形成を阻害することが示された(F. Vazquez et al. 1999, J Biol Chem, 274(33):23349-57)。最初STC-1は、硬骨魚類のカルシウムおよびホスフェートのホメオスタシスに必要とされるホルモンとして報告された分泌糖タンパク質である。前記は、血管形成を含む多くの生理学的プロセスで役割を果たし、さらにプロ-血管形成および抗血管形成活性がSTC-1について報告された(EH. Filvaroff et al. 2002, Endcrinology, 143:3681-90;C. Zlot et al. 2003, J Biol Chem, 278(48):47654-9)。
スニチニブおよびソラフェニブで処理した後、バイオマーカー候補のレベルを内皮細胞の上清で解析した。インテグリンインヒビターについて認められたように、いくつかのバイオマーカーがこれらのキナーゼインヒビターに応答して調節された。例えば、STC-1はどちらかの薬剤に応答してダウンレギュレートされ(図10)、一方、EDN1はアップレギュレートされた(図11)。興味深いことに、逆の調節がインテグリンインヒビターについて認められた。IL-8は、キナーゼによってそれぞれ弁別的に調節された。スーテントはこのケモカインのアップレギュレーションを引き起こし、一方、ソラフェニブは処理後にタンパク質レベルを低下させた(図12)。インテグリンインヒビターの場合、弁別的調節がまた観察された。これらのデータを総合すれば、前記識別バイオマーカーは、インテグリンインヒビターと同様にキナーゼインヒビターの活性のモニタリングに用いることが可能であることを示している。しかしながら、内皮細胞のホメオスタシスで別個の作用が予想されるかもしれない。なぜならば、それぞれのタンパク質は異なる態様で調節され、別個の生物学的応答を生じ得るからである。全ての薬剤が別個の作用メカニズムにより機能しているので、異なるバイオマーカーの調節に関係する経路は種々のインヒビター間でおそらく相違する。
要約すれば、インテグリンインヒビターの薬力学的作用と相関関係を示す薬剤特異的バイオマーカーが、内皮細胞培養の遺伝子発現プロフィルで識別された。前記識別候補のいくつかは細胞上清で薬剤調節タンパク質として確認され、体液での検出の可能性が示唆された。これら候補のいくつかはまた無関係のマルチキナーゼインヒビターによって調節され、これらバイオマーカーは、内皮細胞のホメオスタシスおよび血管形成における作用のモニタリングに広い意味で利用できることが提唱された。
このモデルでは、血管形成は血管形成増殖因子bFGFによってマトリゲルプラグで誘導される。bFGFを含むマトリゲルプラグを健康なキノモルグスモンキーの腹部皮下に移植し、その後直ちにこの動物に種々の用量のDI-17E6を静脈内注射した。血管形成の評価は、マトリゲル移植後にマトリゲルプラグ内のヘモグロビン含有量を定量することによって実施した。マトリゲルプラグを移植した種々の動物で各条件を試験した。DI-17E6によるサルの処理は新規血管の形成を全ての用量で阻止することが判明した(図13)。
DI-17E6のPD作用と相関関係を有するバイオマーカーを識別するために、処理前および処理後に血漿サンプルを採集した。種々のタンパク質の絶対濃度は、それぞれの標準物と比較することによってルミネックスで測定した。生のデータをログ変換によってプレプロセッシングを実施し、さらにDI-17E6処理群をプラセボ処理動物と各時点で比較することによりDI-17E6の作用をt-検定解析で調べた。
有意に調節されるタンパク質にはC-反応性タンパク質(CRP)およびIL-6、CD40リガンドおよびMMP9が含まれる。CRPおよびIL-6は、DI-17E6による処理に応答してアップレギュレートされた(図14)。対照的に、CD40リガンドおよびMMP9はコントロール群で特異的に調節された。144時間後、プラセボ処理動物でCD40リガンドはダウンレギュレートされ、MMP9はアップレギュレートされた(図15)。CRPは炎症マーカーであり、急性期応答の重要な媒介物質である(MB. Pepys et al. 1983, Adv Immunol 34:141-212)。前記は損傷細胞を認識し、免疫系と相互作用することによってそれらの排除を開始させ、したがってDI-17E6処理に応答して損傷した細胞の除去に関与するかもしれない。IL-6は、血管形成および腫瘍増殖に付随する多面発現性サイトカインである(ET. Keller et al. 1996, Front Biosci, 1:340-357;B. Ancrile et al. 2007 Jul, Genes Dev, 21(14):1714-9)。DI-17E6処理に応答するIL-6のアップレギュレーションはその薬理学的活性と矛盾するように思われるが、他の血管形成インヒビターについて認められるように調節性フィードバックループを表しているのかもしれない。CD40リガンドは、腫瘍壊死因子αと構造的に関連するトランスメンブレンタンパク質である。前記は、炎症、血栓症および新血管形成に寄与するプロ-炎症性およびプロ-凝固性因子である(P. Ferroni et al. 2007, Curr Med Chem, 14(20):2170-80)。最後に、MMP9は、細胞外環境のホメオスタシスの媒介に役割を果たすマトリックスメタロプロテイナーゼファミリーに属する。プロ-腫瘍原性および抗腫瘍原性活性の両方が報告されている(M. Egeblad et al. 2002, Nature Rev Cancer 2:161-174)。前記は新血管再建を調整し、腫瘍の増殖を促進する(M. Seandel et al. 2008, Cancer Cell 13(3):181-3)。
要約すれば、ヒトの体液で検出することが可能であり、標的調節の考えに資する証明の提供;適切な用量およびスケジュールの選択;および臨床成果の潜在的な説明または予測のために用いることが可能な薬剤特異的薬力学的血漿バイオマーカーが検出された。これら識別バイオマーカーのうち、CRPおよびMMPは、DI-17E6処理後の血管形成の阻止に機械学的に必要とされるかもしれない。
これら2つの研究で、インテグリンインヒビターおよびマルチキナーゼインヒビターのためのいくつかのPDバイオマーカーが識別された。前記はヒトの体液で検出可能であり、標的調節の考えについての証明を提供し;用量およびスケジュールの論理的選択を提供し;さらに臨床成果を潜在的に説明または予測することが可能である。興味深いことには、ほとんどの候補は血管形成に付随し、したがって薬剤処理後の血管形成の阻止に機械学的に必要とされるかもしれない。興味深いことに、いくつかのバイオマーカーは異なる作用メカニズムを有する無関係の薬剤によって調節され、それらを内皮細胞のホメオスタシスおよび血管形成に対する作用のモニタリングに一般的に用いることが可能であること、したがって種々の薬剤クラス(インテグリンインヒビター(例えばシレンジチド、DI-17E6)、VEGFインヒビター(例えばアバスチン)、マルチキナーゼインヒビター(例えばスニチニブおよびソラフェニブ)を含む)のために利用することが適切であることが示唆された。
HUVECをビトロネクチン被覆皿で一晩培養し、さらに種々の濃度のDI-17E6とともに6時間から72時間インキュベートした。培養上清を採集しウェスタンブロッティングによりADAMTS1について解析した。A)ADAMTS1(65kDおよび85kD)のDI-17E6媒介調節(図2)。
HUVECをビトロネクチン被覆皿で一晩培養し、さらに種々の濃度のシレンジチドとともに6時間から72時間インキュベートした。培養上清を採集しウェスタンブロッティングによりADAMTS1について解析した。A)ADAMTS1(65kDおよび85kD)のシレンジチド媒介調節(図3)。
HUVECをビトロネクチン被覆皿で一晩培養し、さらに種々の濃度のDI-17E6またはシレンジチドとともに24時間から72時間インキュベートした。培養上清を採集しウェスタンブロッティングによりSTC-1について解析した。A)DI-17E6に応答するSTC-1の調節。B)シレンジチドに応答するSTC-1の調節。(図4)。
HUVECをビトロネクチン被覆皿で一晩培養し、さらに種々の濃度のDI-17E6またはシレンジチドとともに6時間から72時間インキュベートした。培養上清を採集しルミネックスによりMCP-1について解析した。A)DI-17E6に応答するMCP-1の調節。B)シレンジチドに応答するMCP-1の調節。(図5)。
HUVECをビトロネクチン被覆皿で一晩培養し、さらに種々の濃度のDI-17E6またはシレンジチドとともに6時間から72時間インキュベートした。培養上清を採集しルミネックスによりIL-8について解析した。A)DI-17E6に応答するIL-8の調節。B)シレンジチドに応答するIL-8の調節。(図6)。
HUVECをビトロネクチン被覆皿で一晩培養し、さらに種々の濃度のDI-17E6またはシレンジチドとともに6時間から72時間インキュベートした。培養上清を採集しELISAによりPDGF-BBについて解析した。A)DI-17E6に応答するPDGF-BBの調節。B)シレンジチドに応答するPDGF-BBの調節。(図7)。
HUVECをビトロネクチン被覆皿で一晩培養し、さらに種々の濃度のDI-17E6またはシレンジチドとともに6時間から72時間インキュベートした。培養上清を採集しELISAによりEDN1について解析した。A)DI-17E6に応答するEDN1の調節。B)シレンジチドに応答するEDN1の調節。(図8)。
HUVECをビトロネクチン被覆皿で一晩培養し、さらに種々の濃度のDI-17E6またはシレンジチドとともに6時間から72時間インキュベートした。培養上清を採集しELISAによりアクチビンAについて解析した。A)DI-17E6に応答するアクチビンAの調節。B)シレンジチドに応答するアクチビンAの調節。(図9)。
HUVECをビトロネクチン被覆皿で一晩培養し、さらに種々の濃度のスーテントまたはソラフェニブとともに6時間から48時間インキュベートした。培養上清を採集しウェスタンブロッティグによりSTC-1について解析した。A)スーテントに応答するSTC-1の調節。B)ソラフェニブに応答するSTC-1の調節。(図10)。
HUVECをビトロネクチン被覆皿で一晩培養し、さらに種々の濃度のスーテントまたはソラフェニブとともに6時間から48時間インキュベートした。培養上清を採集しウェスタンブロッティグによりEDN-1について解析した。A)スーテントに応答するEDN-1の調節。B)ソラフェニブに応答するEDN-1の調節。(図11)。
HUVECをビトロネクチン被覆皿で一晩培養し、さらに種々の濃度のスーテントまたはソラフェニブとともに6時間から48時間インキュベートした。培養上清を採集しルミネックスによりIL-8について解析した。A)スーテントに応答するIL-8の調節。B)ソラフェニブに応答するIL-8の調節。(図12)。
DI-17E6によるサルのマトリゲルプラグでの血管形成阻害。血管形成は、キノモルグスモンキーの皮下のマトリゲル移植物(bFGF 5μg/mLを含む)で誘導された。DI-17E6を100、30、10または3mg/kgでの1回輸液として投与した。6日後に、マトリゲルプラグのヘモグロビン含有量を測定することによって血管形成を定量した。*はp値が0.05未満であることを示し、**はp値が0.01未満であることを示す(図13)。
キノモルグスモンキーにbFGF含有マトリゲルプラグおよび種々の濃度のDI-17E6を6日間移植した。血漿を採集しルミネックスによりCRPおよびIL-6について解析した。A)CRPの調節。B)IL-6の調節。(図14)。
キノモルグスモンキーにbFGF含有マトリゲルプラグおよび種々の濃度のDI-17E6を6日間移植した。血漿を採集しルミネックスによりCD40リガンドおよびMMP9について解析した。A)CD40リガンドの調節。B)MMP9の調節。(図15)。
増殖因子刺激の他に、インテグリンに媒介される細胞外マトリックスへの接着は、細胞の増殖、生存および遊走の促進のために重要である。インテグリン結合に際して、Ras、MAPK、FAK、Src、Rac/Rho/cdc42 GTPaseの活性化を含む広域の細胞内シグナル伝達事象が誘導される。血管形成時の内皮細胞の生存を支援するために、FAKとともにインテグリンアルファ(V)ベータ(3)/(5)が、MAPKカスケード(すなわちERK1/2)の持続的活性化のために要求される。本実験では、2つのインテグリンインヒビター、DI-17E6およびシレンジチドの内皮細胞でのインテグリン媒介シグナル伝達経路における作用が解析された。この目的のために、ヒトの臍静脈内皮細胞(HUVEC)をビトロネクチンにプレートし、アルファ(V)ベータ(3)インテグリンを活性化し、続いて培養液または種々の濃度のDI-17E6またはシレンジチドで処理した。24時間処理した後、細胞溶解物を調製し、ウェスタンブロッティングによって解析した。シグナル伝達経路における作用は、それぞれのシグナル伝達分子の全レベル対リン酸化レベル比を比較することによって判定し、細胞剥離により現れる潜在的作用を説明した。図16から分かるように、0.01μg/mLから10μg/mLの濃度範囲のDI-17E6および0.01μMから10μMの濃度範囲のシレンジチドが、用量依存態様でFAKおよびERK1/2の活性化を阻止した。
Claims (8)
- アルファ(v)インテグリンインヒビターの血管形成における作用および/またはそのようなインヒビターの癌に対する治療的有効性を、ADAMTS1、STC1、EDN1、MCP-1、IL8、PDGF-BB、CRP、CD40リガンドおよびIL6から成る群から選択される少なくとも1つの精選バイオマーカー遺伝子またはその遺伝子生成物の手段によって評価するex vivoの方法であって、前記インテグリンインヒビターがモノクローナル抗体DI-17E6またはRGDペプチドシレンジチドであり、(i)前記インテグリンインヒビターの投与によりADAMTS1およびSTC1がアップレギュレートされ、MCP-1、INHBA、EDN1および/またはPDGF-BBがダウンレギュレートされ;(ii)シレンジチドの投与によりIL-8がダウンレギュレートされ、かつ(iii)DI17E6の投与により、IL8、IL6およびCRPがアップレギュレートされ、CD40リガンドがダウンレギュレートされ、
(a)前記インヒビターで未だ処理されていない個体から入手される、体液または組織のサンプル中の少なくとも1つの選択バイオマーカーの基準濃度および/または改変の状態を技術的手段および/または装置によって測定する工程;
(b)前記インヒビターで既に処理された個体から入手される(a)のサンプルまたは後の工程で前記インヒビターによって処理される(a)のサンプル中の前記選択バイオマーカーの濃度および/または改変の状態を技術的手段および/または装置によって測定する工程;
(c)工程(a)および(b)によって入手される選択バイオマーカーの濃度および/または改変の状態間の相違を技術的手段および/または装置によって測定する工程;および、(d)工程(c)で得られる前記相違から、インヒビターの以下の特性またはパラメーター、分子標的および前記分子標的と連関するそれぞれのシグナル伝達経路に対する薬力学的作用;血管形成に対する作用;癌の患者における治療の有効性および臨床的成果の1つ以上を決定する工程、
を含み、
前記改変の状態が前記バイオマーカータンパク質の、分子サイズまたはグリコシル化の変更、異なるタンパク質または同じタンパク質サブユニットとの相互作用の変化である、前記インヒビターの、血管形成における作用もしくは治療的有効性、安全性、予後または用量決定に関する臨床的測定および活性の評価、または固体における血管形成疾患に対する効果に関する臨床的測定および活性評価可能にする、前記方法。 - 採取された体液サンプルが、血液、血漿、血清、リンパ、尿、涙液、滑液、創傷液および/または脳脊髄液である、請求項1に記載のex vivoの方法。
- 組織サンプルが罹患組織または健康な組織を含む、請求項1に記載の方法。
- 組織サンプルが、癌組織、皮膚組織および/または滑膜組織から成る群から選択される、請求項1に記載の方法。
- 採取された組織サンプルから内皮細胞が調製される、請求項1に記載の方法。
- 内皮細胞が、それらが個体から入手され組織サンプルから調製された後で検査室条件下にて培養され、少なくとも1つのバイオマーカーが細胞培養の培養液または前記細胞の抽出物から決定される、請求項5に記載の方法。
- 内分泌細胞および/または体液のサンプルが、健康な個体および/または癌を罹患する病気の個体に由来する、請求項1から6のいずれかに記載の方法。
- アルファ(v)インテグリンインヒビターであるモノクローナル抗体DI-17E6またはRGDペプチドシレンジチドの細胞系アッセイでの血管形成における作用、またはそのようなインヒビターのex vivo有効性および/または用量決定を評価または予測するための、ADAMTS1、STC1、EDN1、MCP-1、IL8、PDGF-BB、CRP、CD40リガンドおよびIL6から成る群から選択されるバイオマーカー遺伝子またはその遺伝子生成物の使用であって、(i)前記インテグリンインヒビターの投与によりADAMTS1およびSTC1がアップレギュレートされ、MCP-1、INHBA、EDN1および/またはPDGF-BBがダウンレギュレートされ;(ii)シレンジチドの投与によりIL-8がダウンレギュレートされ、かつ(iii)DI17E6の投与により、IL8、IL6およびCRPがアップレギュレートされ、CD40リガンドがダウンレギュレートされる、前記使用。
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