JP5680320B2 - ウエハレベルレンズ用黒色硬化性組成物、ウエハレベルレンズ、およびカメラモジュール - Google Patents

ウエハレベルレンズ用黒色硬化性組成物、ウエハレベルレンズ、およびカメラモジュール Download PDF

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本発明は、ウエハレベルレンズの遮光膜形成に有用なウエハレベルレンズ用黒色硬化性組成物、及びそれを用いて得られたウエハレベルレンズ並びにカメラモジュールに関する。
近年、携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant)などの電子機器の携帯端末には、小型で薄型な撮像ユニットが搭載されている。このような撮像ユニットは、一般に、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)イメージセンサなどの固体撮像素子と、該固体撮像素子上に被写体像を結像するレンズとを備えている。
携帯端末の小型化・薄型化、そして携帯端末の普及により、それに搭載される撮像ユニットにも更なる小型化・薄型化が要請され、そして生産性が要請される。かかる要請に対して、複数のレンズが形成されたレンズ基板と、複数の固体撮像素子が形成されたセンサ基板とを一体に組み合わせ、その後に、それぞれにレンズ及び固体撮像素子を含むようにレンズ基板及びセンサ基板を切断して撮像ユニットを量産する方法が知られている。また、撮像ユニットを作製する他の方法としては、レンズのみをガラスウエハ上等で作製し、個々のセンサと組み合わせるための適切なサイズに切断し、予め個片化された撮像素子と組み合わせる方法、樹脂のみを用いて金型で複数のレンズを形成し、これらをセンサ基板上で組み合わせ切断する方法、レンズを個々のセンサと組み合わせるためのサイズに切断し、予め個片化された撮像素子と組み合わせる方法などを採ることができる。
従来、レンズ基板と該レンズ基板に形成されたレンズ群とからなるウエハレベルレンズアレイとしては、ガラス等の光透過性材料で形成された平行平板の基板の表面に硬化性樹脂材料を滴下し、この樹脂材料を金型にて所定の形状に整形した状態で硬化させ、複数のレンズを形成したものが知られている(例えば、特許文献1、2参照)。ウエハレベルレンズのレンズ部以外の領域、或いは、レンズの一部には、光の量を調整するため、黒色膜や金属膜などからなる遮光性領域が形成されることがある。また、使用用途によっては、同一基板上に50μm以下の微細パターンを形成することがある。該遮光性領域は、一般には、フォトリソグラフィ法を用いて硬化性の遮光性組成物を塗設したり、金属を蒸着したりすることで形成される。
フォトリソグラフィ法を用いて遮光性領域を形成する方法としては、遮光性組成物をレンズ上またはガラス基板等の基板上に塗布し、遮光性領域とする部分を露光・硬化させた後、アルカリ現像液で未露光部の遮光性組成物を除去することにより、遮光膜により構成された遮光性領域を形成する方法が挙げられる。しかし、従来の硬化性組成物を用いて遮光膜を形成する際、同一基板上の微細パターンの密着性が低いという問題があった。一方、微細パターンを形成するのに必要な高露光量域で遮光膜を形成する場合、非露光部である現像部まで硬化が進行し、残渣が残ってしまうという問題が発生した。つまり、同一基板上での遮光膜(大パターン)と微細パターンとの両者の形成が困難であった。
特許文献4及び特許文献5には、分散性の向上、非露光部の残渣低減等を目的として酸基及びアミノ基を有する特定構造の樹脂を含有する感光性組成物の記載がある。さらに、大パターン及び微細パターンを同一基板上に有するウエハレベルレンズにおける遮光性領域の形成用途に用いられる硬化性組成物として、パターン形成性の向上が求められていた。
特許第3926380号公報 国際公開2008/102648号パンフレット 米国特許第6426829号明細書 特開2010−6932号公報 特開2004−37986号公報
本発明は、上記従来の状況に鑑みなされたものであり、以下の目的を達成することを課題とする。
即ち、本発明の目的は、遮光性に優れた硬化膜を形成でき、大パターン及び微細パターンの両者の同時形成性に優れたウエハレベルレンズ用黒色硬化性組成物を提供することにある。
また、本発明の更なる目的は、本発明のウエハレベルレンズ用黒色硬化性組成物により形成された遮光膜を備えることにより光量が適切に調整され、且つ簡易に製造しうるウエハレベルレンズ、およびカメラモジュールを提供することにある。
本発明者は鋭意検討の結果、特定の樹脂を含む黒色硬化性組成物により、前記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成した。
前記課題を解決するための手段は以下の通りである。
<1> (A)無機顔料、(B)(b−1)アミノ基および含窒素へテロ環基から選択された少なくとも1つの基を有するモノマーと、(b−2)アクリル酸及びメタクリル酸から選択された少なくとも1つのモノマーと、(b−3)重量平均分子量が1,000以上50,000以下のマクロモノマーとを含む共重合体、(C)重合開始剤、(D)重合性化合物、及び(E)不飽和二重結合を有するアルカリ可溶性樹脂を含有するウエハレベルレンズ用黒色硬化性組成物。
<2> 前記(A)無機顔料が、チタンブラックである<1>に記載のウエハレベルレンズ用黒色硬化性組成物。
<3> 前記(B)共重合体の含有量が、前記(A)無機顔料に対して質量基準で0.15以上0.35以下である<1>又は<2>に記載のウエハレベルレンズ用黒色硬化性組成物。
> 前記(C)重合開始剤が、オキシムエステル化合物又はヘキサアリールビイミダゾール化合物である<1>〜<>のいずれか1項に記載のウエハレベルレンズ用黒色硬化性組成物。
> 前記(C)重合開始剤が、後述の(C−1)又は(C−2)の構造式で表される化合物である<1>〜<>のいずれか1項に記載のウエハレベルレンズ用黒色硬化性組成物。
> 前記(A)無機顔料が、平均一次粒子径30nm以上65nm以下のチタンブラックである<1>〜<>のいずれか1項に記載のウエハレベルレンズ用黒色硬化性組成物。
> さらに、(F)有機顔料を含有する<1>〜<>のいずれか1項に記載のウエハレベルレンズ用黒色硬化性組成物。
> 基板上に存在するレンズの周縁部に、<1>〜<>のいずれか1項に記載のウエハレベルレンズ用黒色硬化性組成物を用いて得られた遮光膜を有するウエハレベルレンズ。
> <>に記載のウエハレベルレンズを備えるカメラモジュール。
本発明によれば、遮光性に優れた硬化膜を形成でき、大パターン及び微細パターンの両者の同時形成性に優れたウエハレベルレンズ用黒色硬化性組成物を提供することができる。
また、本発明のウエハレベルレンズ用黒色硬化性組成物により形成された遮光膜を備えることにより光量が適切に調整され、且つ簡易に製造しうるウエハレベルレンズ、およびカメラモジュールを提供することができる。
ウエハレベルレンズアレイの一例を示す平面図である。 図1に示すA−A線断面図である。 基板にレンズとなる成形材料を供給している状態を示す図である。 図4A〜図4Cは、基板にレンズを型で成形する手順を示す図である。 図5A〜図5Cは、レンズが成形された基板にパターン状の遮光膜を形成する工程を示す概略図である。 ウエハレベルレンズアレイの一例を示す断面図である。 図7A〜図7Cは、遮光膜形成工程の他の態様を示す概略図である。 図8A〜図8Cは、パターン状の遮光膜を有する基板にレンズを成形する工程を示す概略図である。 実施例に用いた露光におけるパターンの図面である。
以下、本発明のウエハレベルレンズ用黒色硬化性組成物、及び該黒色硬化性組成物を用いて得られた遮光膜を備えるウエハレベルレンズについて詳細に説明する。なお、本明細書における基(原子団)の表記に於いて、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含することを意味する。例えば、「アルキル基」との表記は、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
ここで、本明細書において、「ウエハレベルレンズ」とは、固体撮像素子に備えられるレンズであって、基板上に存在する個々のレンズと該レンズの周縁部に設けられた遮光膜とからなるものを意味する。また、該ウエハレベルレンズからなる群を「ウエハレベルレンズアレイ」と称する。
[ウエハレベル用黒色硬化性組成物]
本発明のウエハレベル用黒色硬化性組成物(以下、適宜「本発明の黒色硬化性組成物」とも称する。)は、(A)無機顔料、(B)(b−1)アミノ基および/または含窒素へテロ環基を有するモノマーと、(b−2)カルボキシ基、リン酸基、及びスルホン酸基からなる群から選択された少なくとも一つの基を有するモノマーと、及び(b−3)重量平均分子量が1,000以上50,000以下のマクロモノマーとを含む共重合体(以下、適宜「特定樹脂」と称する。)、(C)重合開始剤、(D)重合性化合物、及び(E)不飽和二重結合を有するアルカリ可溶性樹脂を含有することを特徴とする。
本発明の黒色硬化性組成物は、前記の構成により、フォトリソグラフィ法によりウエハレベルレンズが有する遮光性領域を形成する際の問題であった大パターン及び微細パターンの同時形成性が改良した。本発明における「大パターン」とは、短辺が500μm〜5000μm程度の大きさの突起パターンであり、微細パターンとは、短辺が5μm〜50μm程度の大きさの突起パターンである。
この作用機構については、未だ明確ではないが、以下のように推定している。
黒色硬化性組成物の現像性及び硬化性が低いと、大パターンを形成しうる低露光量域では、微細パターンは完全に硬化できず、基板への密着性が悪化する。一方、微細パターンの基板密着性が確保できる高露光量域では、非露光部である現像部(遮光膜の形成領域外)までも硬化が進行するため、残渣が発生する。つまり、大パターン及び微細パターンを同時に形成するには、黒色硬化性組成物の現像性および硬化性の双方を高め、溶解性のディスクリミネーションを高めることが必要である。
一般的に分散樹脂は、顔料間の凝集を防ぐために疏水的な立体反発基を有し、且つ硬化性を有さないため、黒色硬化性組成物の現像性・硬化性を悪化させる成分である。一方、本発明の特定樹脂は、カルボキシ基、リン酸基及びスルホン酸基から選択された少なくとも一つの酸基と、アミノ基および/または含窒素ヘテロ環基である塩基性基とを有している特定構造の分散樹脂である。本発明の特定樹脂は、パターン形成する際、酸基と塩基性基との一部が対塩となることにより、現像液の浸透性が向上して現像性が向上すると伴に、特定樹脂間で酸と塩基とのネットワークが形成されているため、露光された膜の硬度が向上する。この作用により、大パターン及び微細パターンの両方のパターン形成性を同時に向上させることができたものと考えている。さらに、不飽和二重結合を有するアルカリ可溶性樹脂を添加することにより、黒色硬化性組成物の現像性および硬化性をさらに高めることができ、ウエハレベルレンズ作成時に課題であった遮光膜(大パターン)及び微細パターンを同時にパターン形成するという問題を解決することができた。
本発明のウエハレベルレンズ用黒色硬化性組成物は、ウエハレベルレンズにおける遮光性の硬化膜(以下、適宜、「遮光膜」とも称する。)の形成に用いられる。
ここで、本明細書において「遮光性」とは、400nm〜800nmの波長を有する光の透過を抑制する能力のことを意味する。
以下、本発明のウエハレベルレンズ用黒色硬化性組成物に含まれる各成分について順次説明する。
<(A)無機顔料>
本発明の黒色硬化性組成物は、遮光剤として機能しうる成分として、保存安定性及び安全性の観点から、無機顔料を含有する。
無機顔料としては、紫外線領域から赤外線領域までの広範囲に亘る波長域の光に対する遮光性を発現させる観点からは、紫外線領域から赤外線領域までの波長域に吸収を有する無機顔料が好ましい。そのような無機顔料としては、金属単体からなる顔料、金属酸化物、金属錯塩等から選ばれる金属化合物からなる顔料などを挙げることができる。
無機顔料として具体的には、例えば、亜鉛華、鉛白、リトポン、酸化チタン、酸化クロム、酸化鉄、沈降性硫酸バリウム及びバライト粉、鉛丹、酸化鉄赤、黄鉛、亜鉛黄(亜鉛黄1種、亜鉛黄2種)、ウルトラマリン青、プロシア青(フェロシアン化鉄カリ)ジルコングレー、プラセオジムイエロー、クロムチタンイエロー、クロムグリーン、ピーコック、ビクトリアグリーン、紺青(プルシアンブルーとは無関係)、バナジウムジルコニウム青、クロム錫ピンク、陶試紅、サーモンピンク等が挙げられる。また、黒色の無機顔料としては、Co、Cr、Cu、Mn,Ru、Fe、Ni、Sn、Ti、及びAgからなる群より選ばれた1種又は2種以上の金属元素を含む金属酸化物、金属窒素物が挙げられる。
なお、本発明においては、カーボンブラックは有機顔料として扱う。
特に、紫外線領域から赤外線領域までの広い波長域の光に対する遮光性を発現する目的で、単独のみならず、複数種の無機顔料を混合して、使用することが可能である。
また、無機顔料としては、遮光性と硬化性の観点から、銀及び/又は錫を含む金属顔料、及びチタンブラックがより好ましく、紫外線領域から赤外線領域までの広い波長域の光に対する遮光性の観点からは、チタンブラックが最も好ましい。
本発明においてチタンブラックとは、チタン原子を有する黒色粒子である。チタンブラックとして好ましくは、低次酸化チタンや酸窒化チタン等である。
チタンブラックは、分散性向上、凝集性抑制などの目的で必要に応じ、その表面を修飾することが可能である。チタンブラック表面の修飾としては、例えば、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ゲルマニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウムで、チタンブラックの表面を被覆する処理が可能であり、また、特開2007−302836号公報に示されるような撥水性物質を用いた処理も可能である。
チタンブラックの市販品の例としては、チタンブラック10S、12S、13R、13M、13M−C、13R、13R−N(以上、三菱マテリアル(株)製)、ティラック(Tilack)D(赤穂化成(株)製)などが挙げられる。
チタンブラックの製造方法としては、二酸化チタンと金属チタンの混合体を還元雰囲気で加熱し還元する方法(特開昭49−5432号公報に記載の方法)、四塩化チタンの高温加水分解で得られた超微細二酸化チタンを水素を含む還元雰囲気中で還元する方法(特開昭57−205322号公報に記載の方法)、二酸化チタンまたは水酸化チタンをアンモニア存在下で高温還元する方法(特開昭60−65069号公報、特開昭61−201610号公報に記載の方法)、二酸化チタン又は水酸化チタンにバナジウム化合物を付着させ、アンモニア存在下で高温還元する方法(特開昭61−201610号公報に記載の方法)などがあるが、これらに限定されるものではない。
チタンブラックの比表面積は、特に限定は無いが、BET法にて測定した値が、通常5〜150m/g程度、特に20〜100m/g程度であることが好ましい。
また、チタンブラックと共に、分散性、着色性等を調整する目的で、Cu、Fe、Mn、V、Ni等の複合酸化物、酸化コバルト、酸化鉄、カーボンブラック、アニリンブラック等の黒色顔料を1種又は2種以上の組み合わせて用いてもよい。この場合、無機顔料の50質量%以上をチタンブラックが占めることが好ましい。
本発明における無機顔料の粒径は、平均一次粒子径が、5nm〜0.01mmであることが好ましく、分散性、遮光性、経時での沈降性の観点からは、平均一次粒子径が10nm〜1μmであることがより好ましい。
無機顔料として好適に用いられるチタンブラックの粒子径は、特に制限は無いが、分散性、着色性の観点から、平均一次粒子径が、3nm〜2000nmであることが好ましく、好ましくは10nm〜100nmである。特に、本発明のウエハレベルレンズ用途においては、平均一次粒子径が30nm〜65nmのチタンブラックを用いることにより、パターン形成性が向上する。これは、微細なチタンブラックからパターンが形成されると、パターンの平滑性が向上し、凹凸が小さくなるため、現像・リンス時にかかる微細パターンへの外力負荷が低減したためと推定している。
本発明の黒色硬化性組成物には、無機顔料は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、後述するように、遮光性の調整等を目的として、有機顔料や染料などを所望により併用してもよい。
黒色硬化性組成物中の無機顔料の含有量は、黒色硬化性組成物の固形分に対し、5〜70質量%であることが好ましく、10〜60質量%であることがさらに好ましい。
無機顔料を黒色硬化性組成物に含有させるに際しては、無機顔料を予め特定樹脂を用いて分散して、顔料分散物を調製し、該顔料分散物を黒色硬化性組成物の調製に用いることが、得られる黒色硬化性組成物の均一性の観点から好ましい。
<(B)(b−1)アミノ基および含窒素へテロ環基から選択された少なくとも1つの基を有するモノマーと、(b−2)カルボキシ基、リン酸基、及びスルホン酸基からなる群より選択された少なくとも1つの基を有するモノマーと、(b−3)重量平均分子量が1,000以上50,000以下のマクロモノマーとを含む共重合体、:特定樹脂>
本発明の黒色硬化性組成物は、(B)(b−1)アミノ基および含窒素へテロ環基から選択された少なくとも1つの基を有するモノマーと、(b−2)カルボキシ基、リン酸基、及びスルホン酸基からなる群より選択された少なくとも1つの基を有するモノマーと、(b−3)重量平均分子量が1,000以上50,000以下のマクロモノマーとを含む共重合体、(以下、適宜「特定樹脂」と称する。)を含有する。
特定樹脂は、(A)無機顔料の分散剤として機能するものである。
本発明においては、予め無機顔料を特定樹脂と分散して、顔料分散物を調製することにより、無機顔料を微細に分散し、且つその分散安定性にも優れた効果を発揮するので好ましい。これによって、大パターン及び微細パターンの双方のパターン形成性を向上させることができる。
特定樹脂は、原料物質として、(b−1)アミノ基および含窒素へテロ環基から選択された少なくとも1つの基を有するモノマーと、(b−2)カルボキシ基、リン酸基、及びスルホン酸基からなる群から選択された少なくとも一つの基を有するモノマーと、(b−3)重量平均分子量が1,000以上50,000以下のマクロモノマーと、さらに必要に応じて任意の他の構造のモノマーとを共重合することにより製造されるものである。
以下、特定樹脂を得るための原料物質である(b−1)アミノ基および含窒素へテロ環基から選択された少なくとも1つの基を有するモノマー、(b−2)カルボキシ基、リン酸基、及びスルホン酸基からなる群から選択された少なくとも一つの基を有するモノマー、及び(b−3)重量平均分子量が1,000以上50,000以下のマクロモノマー、他の構造のモノマーについてそれぞれ説明する。
<(b−1)アミノ基および含窒素へテロ環基から選択される少なくとも1つの基を有するモノマー>
(b−1)アミノ基および含窒素へテロ環基から選択される少なくとも1つの基を有するモノマー(以下、適宜「モノマー(b−1)」と称する。)は、アミノ基および/または含窒素へテロ環基を有し、且つ分子量が50以上1,000以下のモノマーである。
モノマー(b−1)が有するアミノ基としては、1級、2級、及び3級のアミノ基が挙げられ、分散安定性の観点からは、2級又は3級のアミノ基であることが好ましく、3級のアミノ基であることがより好ましい。該アミノ基としては、炭素数1〜10の直鎖若しくは分岐状のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、又は炭素数6〜15のアリール基を有するアミノ基が好ましく、炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐状のアルキル基を有するアミノ基が最も好ましい。該アミノ基の具体例としては、−NHMe、−NHEt、−NHPr、−NHiPr、−NHBu、−NH(tert-Bu)、−NMe、−NEt、−NPr、−NPh、モルホリノ基等が挙げられる。(ここで、Meはメチル基を表し、Etはエチル基を表し、Prはプロピル基を表し、Buはブチル基を表し、Phはフェニル基を表す。)
モノマー(b−1)が有する含窒素へテロ環基は、環構造内に少なくとも一つの窒素原子を有する環状置換基であり、該環構造は、飽和環であっても、不飽和環であってもよく、単環であっても縮合環であってもよく、無置換であっても置換基を有していてもよい。また、モノマー(b−1)に由来する含窒素へテロ環基は、特定樹脂において、側鎖構造中に含まれていても、主鎖構造中に含まれていてもよいが、分散性及び分散安定性の観点からは、側鎖構造中に含まれることがより好ましい。
含窒素へテロ環基の環構造の具体例としては、例えば、ピロリジン、ピロリン、テトラヒドロピリジン、ピペラジン、ホモピペラジン、ピペリジン、トリアジン、モルホリン、ヘキサメチレンテトラミン、ジアザビシクロウンデセン、デカヒドロキノリン、ジアザビシクロオクタン、ピロリジノン、δ−バレロラクタム、スクシンイミド、グルタルイミド、イミダゾリドン、テトラヒドロピリミドン、ウラゾール、ジヒドロウラシル、バルビツール酸、インドール、カルバゾール、ジュロリジン、フェノキサジン、フェノチアジン、オキシンドール、フェナンスリジノン、イサチン、フタルイミド、ジイミノイソインドリン、イミノイソインドリノン、ジイミノベンズイソインドリン、ナフタルイミド、キナゾリンジオン、ピロール、ポルフィリン、ポルフィリン金属錯体、フタロシアニン、フタロシアニン金属錯体、ナフタロシアニン、ナフタロシアニン金属錯体、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、イソキサゾール、オキサゾール、イソチアゾール、チアゾール、チアジアゾール、チアトリアゾール、イミノスチルベン、アザインドール、インダゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、アザベンズイミダゾール、アンスラニル、ベンズイソキサゾール、ベンズオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾフラザン、ベンゾチアジアゾール、トリアゾールピリミジン、トリアゾールピリジン、プリン、キサンチン、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピリミドン、ウラシル、ピラジン、キノリン、アクリジン、シンノリン、ベンゾシンノリン、キノキサリン、キナゾリン、キノキサリン、フェナジン、フェナンスロリン、ペリミジン、アクリドン等の含窒素ヘテロ環基を挙げることができ、これらは無置換であっても置換基を有していてもよい。
含窒素へテロ環基の環構造のより好ましい例としては、インドール、カルバゾール、フェノキサジン、フェノチアジン、オキシンドール、フェナンスリジノン、イサチン、フタルイミド、ジイミノイソインドリン、イミノイソインドリノン、ジイミノベンズイソインドリン、ナフタルイミド、キナゾリンジオン、ピロール、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、イソキサゾール、オキサゾール、イソチアゾール、チアゾール、チアジアゾール、チアトリアゾール、イミノスチルベン、アザインドール、インダゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、アザベンズイミダゾール、アンスラニル、ベンズイソキサゾール、ベンズオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾフラザン、ベンゾチアジアゾール、トリアゾールピリミジン、トリアゾールピリジン、プリン、キサンチン、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピリミドン、ウラシル、ピラジン、キノリン、アクリジン、シンノリン、ベンゾシンノリン、キノキサリン、キナゾリン、キノキサリン、フェナジン、フェナンスロリン、アクリドンが挙げられる。
モノマー(b−1)が有する含窒素へテロ環基が有してもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アルキルアミノ基、アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル又はアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル又はアリールスルフィニル基、アルキル又はアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール又はヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基などが挙げられる。
含窒素へテロ環基が有してもよい置換基について、以下にさらに詳細に説明する。
該置換基としては、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基(直鎖又は分岐の置換もしくは無置換のアルキル基で、好ましくは炭素数1〜30のアルキル基であり、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、t−ブチル、n−オクチル、2−クロロエチル、2−シアノエチル、2−エチルヘキシル)、シクロアルキル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換又は無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル、シクロペンチルが挙げられ、多環構造のシクロアルキル基、例えば、ビシクロアルキル基(好ましくは、炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルキル基で、例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル)やトリシクロアルキル基等の多環構造の基が挙げられる。好ましくは単環のシクロアルキル基、ビシクロアルキル基であり、単環のシクロアルキル基が特に好ましい。)、
アルケニル基(直鎖又は分岐の置換もしくは無置換のアルケニル基で、好ましくは炭素数2〜30のアルケニル基であり、例えば、ビニル、アリル、プレニル、ゲラニル、オレイル)、シクロアルケニル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシクロアルケニル基で、例えば、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イルが挙げられ、多環構造のシクロアルケニル基、例えば、ビシクロアルケニル基(好ましくは、炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基で、例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル)やトリシクロアルケニル基であり、単環のシクロアルケニル基が特に好ましい。)、アルキニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換又は無置換のアルキニル基、例えば、エチニル、プロパルギル、トリメチルシリルエチニル基)、
アリール基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリール基で、例えばフェニル、p−トリル、ナフチル、m−クロロフェニル、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル)、ヘテロ環基(好ましくは5〜7員の置換もしくは無置換、飽和もしくは不飽和、芳香族もしくは非芳香族、単環もしくは縮環のヘテロ環基であり、より好ましくは、環構成原子が炭素原子、窒素原子及び硫黄原子から選択され、かつ窒素原子、酸素原子及び硫黄原子のいずれかのヘテロ原子を少なくとも一個有するヘテロ環基であり、更に好ましくは、炭素数3〜30の5もしくは6員の芳香族のヘテロ環基である。例えば、2−フリル、2−チエニル、2−ピリジル、4−ピリジル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル)、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、カルボキシ基、
アルコキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルコキシ基で、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、t−ブトキシ、n−オクチルオキシ、2−メトキシエトキシ)、アリールオキシ基(好ましくは、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシ基で、例えば、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、2,4−ジ−t−アミルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ)、シリルオキシ基(好ましくは、炭素数3〜20のシリルオキシ基で、例えば、トリメチルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリルオキシ)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のヘテロ環オキシ基で、ヘテロ環部は前述のヘテロ環基で説明されたヘテロ環部が好ましく、例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ)、
アシルオキシ基(好ましくはホルミルオキシ基、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルオキシ基であり、例えば、ホルミルオキシ、アセチルオキシ、ピバロイルオキシ、ステアロイルオキシ、ベンゾイルオキシ、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ)、カルバモイルオキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ基で、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ、モルホリノカルボニルオキシ、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ、N−n−オクチルカルバモイルオキシ)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基で、例えばメトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、t−ブトキシカルボニルオキシ、n−オクチルカルボニルオキシ)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基で、例えば、フェノキシカルボニルオキシ、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ)、
アミノ基(好ましくは、アミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールアミノ基、炭素数0〜30のヘテロ環アミノ基であり、例えば、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、アニリノ、N−メチル−アニリノ、ジフェニルアミノ、N−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)、アシルアミノ基(好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルアミノ基であり、例えば、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、ピバロイルアミノ、ラウロイルアミノ、ベンゾイルアミノ、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ)、アミノカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアミノカルボニルアミノ基、例えば、カルバモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ、モルホリノカルボニルアミノ)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基で、例えば、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ、N−メチル−メトキシカルボニルアミノ)、
アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基で、例えば、フェノキシカルボニルアミノ、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ)、スルファモイルアミノ基(好ましくは、炭素数0〜30の置換もしくは無置換のスルファモイルアミノ基で、例えば、スルファモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ)、アルキル又はアリールスルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールスルホニルアミノ基であり、例えば、メチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ、p−メチルフェニルスルホニルアミノ)、メルカプト基、
アルキルチオ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルチオ基で、例えばメチルチオ、エチルチオ、n−ヘキサデシルチオ)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールチオ基で、例えば、フェニルチオ、p−クロロフェニルチオ、m−メトキシフェニルチオ)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数2〜30の置換又は無置換のヘテロ環チオ基で、ヘテロ環部は前述のヘテロ環基で説明されたヘテロ環部が好ましく、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30の置換もしくは無置換のスルファモイル基で、例えば、N−エチルスルファモイル、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル、N−アセチルスルファモイル、N−ベンゾイルスルファモイル、N−(N’−フェニルカルバモイル)スルファモイル)、スルホ基、
アルキル又はアリールスルフィニル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換又は無置換のアルキルスルフィニル基、6〜30の置換又は無置換のアリールスルフィニル基であり、例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、フェニルスルフィニル、p−メチルフェニルスルフィニル)、アルキル又はアリールスルホニル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換又は無置換のアルキルスルホニル基、6〜30の置換又は無置換のアリールスルホニル基であり、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、フェニルスルホニル、p−メチルフェニルスルホニル)、アシル基(好ましくはホルミル基、炭素数2〜30の置換又は無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニル基であり、例えば、アセチル、ピバロイル、2−クロロアセチル、ステアロイル、ベンゾイル、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基で、例えば、フェノキシカルボニル、o−クロロフェノキシカルボニル、m−ニトロフェノキシカルボニル、p−t−ブチルフェノキシカルボニル)、
アルコキシカルボニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニル基で、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、n−オクタデシルオキシカルボニル)、カルバモイル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のカルバモイル、例えば、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル、N−(メチルスルホニル)カルバモイル)、アリール又はヘテロ環アゾ基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールアゾ基、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のヘテロ環アゾ基(ヘテロ環部は前述のヘテロ環基で説明されたヘテロ環部が好ましい)、例えば、フェニルアゾ、p−クロロフェニルアゾ、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ)、イミド基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のイミド基で、例えばN−スクシンイミド、N−フタルイミド)、ホスフィノ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ、ジフェニルホスフィノ、メチルフェノキシホスフィノ)、ホスフィニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニル基で、例えば、ホスフィニル、ジオクチルオキシホスフィニル、ジエトキシホスフィニル)、
ホスフィニルオキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニルオキシ基で、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ)、ホスフィニルアミノ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニルアミノ基で、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ、ジメチルアミノホスフィニルアミノ)、シリル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシリル基で、例えば、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、フェニルジメチルシリル)が挙げられる。
上記の官能基の中で、水素原子を有するものは、水素原子を上記のいずれかの基で置換されていてもよい。そのような官能基の例としては、アルキルカルボニルアミノスルホニル基、アリールカルボニルアミノスルホニル基、アルキルスルホニルアミノカルボニル基、アリールスルホニルアミノカルボニル基が挙げられ、具体的には、メチルスルホニルアミノカルボニル、p−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル、アセチルアミノスルホニル、ベンゾイルアミノスルホニル基が挙げられる。
モノマー(b−1)としては、分散安定性、現像性及び耐光性の観点から、アミノ基、ピリジニル基、イミダゾイル基、フタルイミド基、ナフタルイミド基、ベンズイミダゾール基、又はアクリドン基を有するモノマーであることが好ましく、アミノ基又はナフタルイミド基を有するモノマーであることが更に好ましい。
モノマー(b−1)としては、アミノ基および/または含窒素へテロ環基を有し、且つ分子量が50以上1,000以下の公知のモノマーを使用することができる。該モノマーとしては、重合性の観点からは、アクリル系モノマー又はスチレン系モノマーであることが好ましく、下記一般式(K)で表されるアクリル系エステルモノマー、又は下記一般式(L)で表されるスチレン系モノマーであることが最も好ましい。このようなモノマー由来の構造単位を有することにより、特定樹脂は側鎖部分に無機顔料と強く相互作用しうるアミノ基又は含窒素へテロ環基を有するので、黒色硬化性組成物の分散安定性が向上する。
一般式(K)中、Rは、水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、ヒドロキシメチル基、フッ素原子、又は塩素原子を表す。Bは、酸素原子、−N(R)−を表す。Rは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基を表す。Lは、二価の連結基を表す。Aは、アミノ基又は含窒素へテロ環基を表す。
一般式(K)におけるRとしては、特に水素原子およびメチル基が好ましい。
Lで表される二価の連結基としては、炭素数2〜20のアルキレン基、炭素数2〜20のアルキレンアミノカルボニル基、炭素数5〜10のシクロアルキレン基、及び炭素数6〜10のアリーレン基が好ましく、炭素数2〜10のアルキレン基、及び炭素数2〜10のアルキレンアミノカルボニル基が最も好ましい。
で表されるアルキル基としては、炭素数1〜10のアルキル基が挙げられ、特に炭素数1〜5のアルキル基が好ましい。Aで表されるアミノ基又は含窒素ヘテロ環基としては、モノマー(b−1)が有するアミノ基又はヘテロ環基として前記したものと同義であり、好ましい範囲も同一である。
一般式(L)中、Aは、アミノ基又は含窒素へテロ環基を表す。Aで表されるアミノ基又はヘテロ環基は、モノマー(b−1)が有するアミノ基又はヘテロ環基として前記したものと同義であり、好ましい範囲も同一である。
モノマー(b−1)は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
以下、モノマー(b−1)の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、具体例(M−1)〜(M−23)、(M−31)〜(M−50)中、Rは、水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、ヒドロキシメチル基、フッ素原子、又は塩素原子を表す。
具体例(M−1)〜(M−23)、(M−31)〜(M−50)のうちでも、Rが水素原子又はメチル基である具体例(M−1)〜(M−6)、(M−9)〜(M−16)、(M−21)〜(M−23)、(M−37)、(M−40)、(M−47)、(M−48)、および(M−49)が好ましく、特にRが水素原子又はメチル基である具体例(M−1)、(M−2)、(M−11)、(M−12)、(M−37)、(M−47)、および(M−48)が、顔料分散物の分散安定性、及び顔料分散物を用いた黒色硬化性組成物が示す現像性、さらに大パターンと微細パターンのパターン形成性の観点から特に好ましい。
<(b−2)カルボキシ基、リン酸基、及びスルホン酸基からなる群から選択された少なくとも一つの基を有するモノマー:モノマー(b−2)>
(b−2)カルボキシ基、リン酸基、及びスルホン酸基からなる群から選択された少なくとも一つの基を有するモノマー(以下、適宜、「モノマー(b−2)」と称する。)は、少なくとも1つのカルボキシ基、リン酸基、及びスルホン酸基から選択された少なくとも一つの基を有し、且つ分子量が50以上500以下のモノマーであるが、重合性の観点からは、アクリル系モノマー又はスチレン系モノマーであることが好ましく、(メタ)アクリル系エステルモノマー及び(メタ)アクリル系アミドモノマーが最も好ましい。
モノマー(b−2)が有するカルボキシ基、リン酸基、またはスルホン酸基の中でも、カルボキシ基、リン酸基が好ましく、カルボキシ基が最も好ましい。
また、モノマー(b−2)は、カルボキシ基、リン酸基、およびスルホン酸基を2種以上有してもよいが、好ましくはカルボキシ基とリン酸基、またはカルボキシ基とスルホン酸基である。
また、モノマー(b−2)は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
以下、モノマー(b−2)の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、具体例(M−51)〜(M−68)中、Rは、水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、ヒドロキシメチル基、フッ素原子、又は塩素原子を表す。
具体例(M−51)〜(M−68)のうちでも、Rが水素原子又はメチル基である具体例(M−62)、つまりアクリル酸又はメタクリル酸が最も好ましい。(M−62)からなる繰り返し単位は、カルボキシ基がポリマー主鎖に近く、基板と黒色硬化性組成物層との界面への現像液の浸透が抑制され、基板密着性が向上する。
<(b−3)重量平均分子量が1,000以上50,000以下のマクロモノマー:マクロモノマー(b−3)>
(b−3)重量平均分子量が1,000以上50,000以下のマクロモノマー(以下、適宜「マクロモノマー(b−3)」と称する。)は、当該重量平均分子量を有し、且つ末端に重合性基を有するオリゴマー又はポリマーである。
マクロモノマー(b−3)の重量平均分子量は、1,000以上50,000以下であり、1,000以上20,000以下であることが好ましく、2,000以上10,000以下であることがさらに好ましく、2,000以上5,000以下であることが最も好ましい。マクロモノマー(b−3)の重量平均分子量がこの範囲にあることにより、顔料分散物の分散性、分散安定性、及び顔料分散物を用いた黒色硬化性組成物が示す現像性が向上する。
なお、本明細書における重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)法で測定されたポリスチレン換算値である。
マクロモノマー(b−3)としては、公知のマクロモノマーを用いることできる。
マクロモノマー(b−3)の例としては、東亜合成(株)製のマクロモノマーAA−6(末端基がメタクリロイル基であるポリメタクリル酸メチル)、AS−6(末端基がメタクリロイル基であるポリスチレン)、AN−6S(末端基がメタクリロイル基であるスチレンとアクリロニトリルの共重合体)、AB−6(末端基がメタクリロイル基であるポリアクリル酸ブチル)、ダイセル化学工業(株)製のプラクセルFM5(メタクリル酸2−ヒドロキシエチルのε−カプロラクトン5モル当量付加品)、FA10L(アクリル酸2−ヒドロキシエチルのε−カプロラクトン10モル当量付加品)、及び特開平2−272009号公報に記載のポリエステル系マクロモノマーが挙げられる。これらの中でも、特に柔軟性且つ親溶剤性に優れるポリエステル系マクロモノマーが、顔料分散物の分散性、分散安定性、及び顔料分散物を用いた黒色硬化性組成物が示す現像性、耐光性の観点から特に好ましく、更に、下記一般式(M)で表されるポリエステル系マクロモノマーが最も好ましい。
一般式(M)中、R1Aは水素原子又はメチル基を表す。R2Aはアルキレン基を表す。R3Aはアルキル基を表す。nは5〜100の整数を表す。
2Aとしては、特に炭素数5〜20の直鎖又は分岐のアルキレン基が好ましく、−(CH−が最も好ましい。R3Aとしては、炭素数5〜20の直鎖又は分岐のアルキル基が好ましい。nとしては、5〜30の整数が好ましく、10〜20の整数が最も好ましい。
マクロモノマー(b−3)は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
特定樹脂は、モノマー(b−1)に由来する繰り返し単位を、特定樹脂の全質量に対して、10〜50質量%含有することが好ましく、15〜45質量%含有することがさらに好ましく、20〜40質量%含有することが最も好ましい。モノマー(b−1)に由来する繰り返し単位の含有量がこの範囲にあることにより、顔料分散物の分散性及び分散安定性と、顔料分散物を用いた黒色硬化性組成物が示す現像性とがさらに向上する。
特定樹脂が有するモノマー(b−1)に由来する繰り返し単位は、アミノ基を含有することが、顔料分散物の分散性及び分散安定性の観点から好ましい。
特定樹脂が有するモノマー(b−1)に由来する繰り返し単位は、分散性及び分散安定性の更なる向上の観点から、アミノ基及び含窒素へテロ環基の双方を含有することがより好ましく、該含窒素へテロ環基を特定樹脂の側鎖構造中に含有することがさらに好ましい。
特定樹脂が有するモノマー(b−1)に由来する繰り返し単位におけるアミノ基と含窒素へテロ環基との含有比率(アミノ基:含窒素ヘテロ環基、質量比)は、100:0〜5:95が好ましく、100:0〜10:90がさらに好ましく、100:0〜15:85が最も好ましい。
特定樹脂の酸価は、10mgKOH/g〜200mgKOH/gであることが好ましく、20mgKOH/g〜150mgKOH/gであることがさらに好ましく、40mgKOH/g〜100mgKOH/gであることが最も好ましい。特定樹脂の酸価がこの範囲にあることにより、顔料分散物の分散性及び分散安定性と、顔料分散物を用いた黒色硬化性組成物が示す現像性が向上する。特定樹脂の酸価は、塩基による滴定により測定することができる。
モノマー(b−2)に由来する繰り返し単位の特定樹脂中の含有量は、特定樹脂の酸価が、上記の範囲となるように、特定樹脂中に含まれることが好ましい。
特定樹脂は、マクロモノマー(b−3)に由来する繰り返し単位を、特定樹脂の全質量に対して、15〜90質量%含有することが好ましく、25〜80質量%含有することがさらに好ましく、35〜60質量%含有することが最も好ましい。マクロモノマー(b−3)に由来する繰り返し単位の含有量がこの範囲にあることにより、顔料分散物の分散性及び分散安定性と、顔料分散物を用いた黒色硬化性組成物が示す現像性とがさらに向上する。
特定樹脂の具体例としては、後述する実施例において、合成例と共に示した樹脂(J−1)〜(J−18)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
特定樹脂は、GPC法によるポリスチレン換算値として、重量平均分子量が5,000以上70,000以下であることが好ましく、7,000以上25,000以下であることがさらに好ましく、10,000以上20,000以下であることが最も好ましい。特定樹脂の重量平均分子量がこの範囲であることにより、顔料分散物の分散性及び分散安定性と、顔料分散物を用いた黒色硬化性組成物が示す現像性とがさらに向上する。
特定樹脂におけるモノマー(b−1)に由来する繰り返し単位、モノマー(b−2)に由来する繰り返し単位、及びマクロモノマー(b−3)に由来する繰り返し単位の含有比(b−1:b−2:b−3、質量比)としては、10〜50:2〜30:30〜80が好ましく、15〜45:5〜20:40〜70がより好ましく、20〜40:8〜20:40〜60が更に好ましい。
特定樹脂は、(メタ)アクリル系及びスチレン系の繰り返し単位から構成されることが好ましい。これらの繰り返し単位から構成されることにより、特定樹脂は比較的熱運動性が下がるため、結果として遮光膜は硬くなる。そのため、基板と遮光膜の界面への現像液の浸透性が抑制され、基板との密着性が向上する。
特定樹脂は、それ自身が硬化性を示すものであってもよい。
特定樹脂に硬化性を付与させるためには、特定樹脂に重合性基を導入してもよい。重合性基の導入方法としては、例えば、特定樹脂が有するカルボキシ基と、エポキシ基を含有する(メタ)アクリレート(例えば、メタクリル酸グリシジル等)を反応させる方法、特定樹脂が有するヒドロキシ基と、イソシアネート基を含有する(メタ)アクリレート又は重合性基を含有する環状酸無水物とを反応させる方法、等の公知の方法を用いることができる。
特定樹脂が重合性基を有する場合、重合性基を有する繰り返し単位は、特定樹脂の全質量に対し、5〜50質量%含有されることが好ましく、10〜40質量%含有されることがより好ましい。
特定樹脂は、溶剤への溶解性や塗布性を向上させるため、前記した以外の構造単位を有する繰り返し単位を含有してもよい。そのような繰り返し単位の例としては、(メタ)アクリル酸アルキル、(メタ)アクリル酸シクロアルキル、(メタ)アクリル酸アラルキル、(メタ)アクリル酸アミド、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、スチレン等に由来する繰り返し単位が挙げられる。
特定樹脂は、原料物質として、モノマー(b−1)、モノマー(b−2)、マクロモノマー(b−3)、及び必要に応じて任意のその他の構造のモノマーを用い、ラジカル重合で製造することが好ましい。ラジカル重合法で特定樹脂を製造する際の温度、圧力、ラジカル開始剤の種類及びその量、溶媒の種類等々の重合条件は、常法と同様である。
本発明の(A)無機顔料に対する(B)特定樹脂の質量比は、0.15以上0.35以下であることが好ましく、0.20以上0.30以下であることが最も好ましい。この範囲にあることにより、大パターンおよび微細パターンの両方の基板への密着性、及び黒色硬化性組成物の塗布性が向上する。
また、特定樹脂は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
<(C)重合開始剤>
本発明の黒色硬化性組成物は、(C)重合開始剤を含有する。
本発明の黒色硬化性組成物における重合開始剤は、光や熱により分解し、後述する重合性化合物の重合を開始、促進する化合物であり、波長300〜500nmの領域に吸収を有するものであることが好ましい。
重合開始剤として具体的には、例えば、有機ハロゲン化化合物、オキシジアゾール化合物、カルボニル化合物、ケタール化合物、ベンゾイン化合物、有機過酸化化合物、アゾ化合物、クマリン化合物、アジド化合物、メタロセン化合物、有機ホウ酸化合物、ジスルホン酸化合物、オキシムエステル化合物、オニウム塩化合物、アシルホスフィン(オキシド)化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物が挙げられる。
重合開始剤としては、オキシムエステル化合物及びヘキサアリールビイミダゾール化合物が、残渣の低減及び遮光膜と該遮光膜の被形成面(基板等)との密着性の観点から特に好ましい。
好適なオキシムエステル化合物としては、電子部品用途等の感光性組成物の光重合開始剤として知られている公知の化合物を使用することができる。例えば、特開昭57−116047、特開昭61−24558、特開昭62−201859、特開昭62−286961、特開平7−278214、特開2000−80068、特開2001−233842、特表2004−534797、特表2002−538241、特開2004−359639、特開2005−97141、特開2005−220097、WO2005−080337A1、特表2002−519732、特開2001−235858、特開2005−227525、特開2006−78749号公報などの各公報に記載の化合物から選択して使用することができる。
一般にオキシムエステル化合物は、365nmや405nm等の近紫外領域での吸収が小さいため低感度であるが、増感剤により、近紫外線領域の感光性を高め、高感度化されることが知られている。またアミン類やチオール等の共増感剤との併用により、有効ラジカル発生量を増加することが知られているが実用的には更なる高感度が求められていた。
本発明においては365nmや405nm等の近紫外領域の吸収が小さいオキシムエステル化合物でも、増感剤と併用することによって著しく高感度化され実用的な感度まで到達することができる。
オキシムエステル化合物としては、380nm〜480nmの範囲の吸収が小さく、かつ分解効率の高い化合物か、もしくは380nm〜480nmの範囲の吸収が大きくても、光分解により領域に吸収が小さくなる化合物(副生成物の吸収が短波長)である化合物が好ましい。
本発明においては、オキシムエステル系化合物の中でも、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−〔4−(フェニルチオ)フェニル〕−1,2−オクタンジオン、1−(O−アセチルオキシム)−1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕エタノンが好ましい。
また、オキシム系光重合開始剤としては、下記式(1)で表される化合物(以下、「特定オキシム化合物」ともいう。)も好ましい。なお、特定オキシム化合物は、オキシムのN−O結合が(E)体のオキシム化合物であっても、(Z)体のオキシム化合物であっても、(E)体と(Z)体との混合物であってもよい。
(式(1)中、R及びBは各々独立に一価の置換基を表し、Aは二価の有機基を表し、Arはアリール基を表す。)
前記Rで表される一価の置換基としては、一価の非金属原子団であることが好ましい。
前記一価の非金属原子団としては、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ホスフィノイル基、複素環基、アルキルチオカルボニル基、アリールチオカルボニル基、ジアルキルアミノカルボニル基、ジアルキルアミノチオカルボニル基等が挙げられる。また、これらの基は、1以上の置換基を有していてもよい。また、前述した置換基は、さらに他の置換基で置換されていてもよい。
置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ基、tert−ブトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基、p−トリルオキシ基等のアリールオキシ基、メトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基又はアリールオキシカルボニル基、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等のアシルオキシ基、アセチル基、ベンゾイル基、イソブチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メトキサリル基等のアシル基、メチルスルファニル基、tert−ブチルスルファニル基等のアルキルスルファニル基、フェニルスルファニル基、p−トリルスルファニル基等のアリールスルファニル基、メチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基等のアルキルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、モルホリノ基、ピペリジノ基等のジアルキルアミノ基、フェニルアミノ基、p−トリルアミノ基等のアリールアミノ基、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、ドデシル基等のアルキル基、フェニル基、p−トリル基、キシリル基、クメニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナントリル基等のアリール基等の他、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ホルミル基、メルカプト基、スルホ基、メシル基、p−トルエンスルホニル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリメチルシリル基、ホスホノ基、トリメチルアンモニウム基、ジメチルスルホニウム基、トリフェニルフェナシルホスホニウム基等が挙げられる。
置換基を有していてもよいアルキル基としては、炭素数1〜30のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、オクダデシル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、1−エチルペンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、トリフルオロメチル基、2−エチルヘキシル基、フェナシル基、1−ナフトイルメチル基、2−ナフトイルメチル基、4−メチルスルファニルフェナシル基、4−フェニルスルファニルフェナシル基、4−ジメチルアミノフェナシル基、4−シアノフェナシル基、4−メチルフェナシル基、2−メチルフェナシル基、3−フルオロフェナシル基、3−トリフルオロメチルフェナシル基、及び、3−ニトロフェナシル基が例示できる。
置換基を有していてもよいアリール基としては、炭素数6〜30のアリール基が好ましく、具体的には、フェニル基、ビフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、9−アンスリル基、9−フェナントリル基、1−ピレニル基、5−ナフタセニル基、1−インデニル基、2−アズレニル基、9−フルオレニル基、ターフェニル基、クオーターフェニル基、o−、m−及びp−トリル基、キシリル基、o−、m−及びp−クメニル基、メシチル基、ペンタレニル基、ビナフタレニル基、ターナフタレニル基、クオーターナフタレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、インダセニル基、フルオランテニル基、アセナフチレニル基、アセアントリレニル基、フェナレニル基、フルオレニル基、アントリル基、ビアントラセニル基、ターアントラセニル基、クオーターアントラセニル基、アントラキノリル基、フェナントリル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、プレイアデニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ペンタセニル基、テトラフェニレニル基、ヘキサフェニル基、ヘキサセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、トリナフチレニル基、ヘプタフェニル基、ヘプタセニル基、ピラントレニル基、並びに、オバレニル基が例示できる。
置換基を有していてもよいアルケニル基としては、炭素数2〜10のアルケニル基が好ましく、具体的には、ビニル基、アリル基、及び、スチリル基が例示できる。
置換基を有していてもよいアルキニル基としては、炭素数2〜10のアルキニル基が好ましく、具体的には、エチニル基、プロピニル基、及び、プロパルギル基が例示できる。
置換基を有していてもよいアルキルスルフィニル基としては、炭素数1〜20のアルキルスルフィニル基が好ましく、具体的には、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、プロピルスルフィニル基、イソプロピルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、ヘキシルスルフィニル基、シクロヘキシルスルフィニル基、オクチルスルフィニル基、2−エチルヘキシルスルフィニル基、デカノイルスルフィニル基、ドデカノイルスルフィニル基、オクタデカノイルスルフィニル基、シアノメチルスルフィニル基、及び、メトキシメチルスルフィニル基が例示できる。
置換基を有していてもよいアリールスルフィニル基としては、炭素数6〜30のアリールスルフィニル基が好ましく、具体的には、フェニルスルフィニル基、1−ナフチルスルフィニル基、2−ナフチルスルフィニル基、2−クロロフェニルスルフィニル基、2−メチルフェニルスルフィニル基、2−メトキシフェニルスルフィニル基、2−ブトキシフェニルスルフィニル基、3−クロロフェニルスルフィニル基、3−トリフルオロメチルフェニルスルフィニル基、3−シアノフェニルスルフィニル基、3−ニトロフェニルスルフィニル基、4−フルオロフェニルスルフィニル基、4−シアノフェニルスルフィニル基、4−メトキシフェニルスルフィニル基、4−メチルスルファニルフェニルスルフィニル基、4−フェニルスルファニルフェニルスルフィニル基、及び、4−ジメチルアミノフェニルスルフィニル基が例示できる。
置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基としては、炭素数1〜20のアルキルスルホニル基が好ましく、具体的には、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基、ヘキシルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、オクチルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、デカノイルスルホニル基、ドデカノイルスルホニル基、オクタデカノイルスルホニル基、シアノメチルスルホニル基、メトキシメチルスルホニル基、及び、パーフルオロアルキルスルホニル基が例示できる。
置換基を有していてもよいアリールスルホニル基としては、炭素数6〜30のアリールスルホニル基が好ましく、具体的には、フェニルスルホニル基、1−ナフチルスルホニル基、2−ナフチルスルホニル基、2−クロロフェニルスルホニル基、2−メチルフェニルスルホニル基、2−メトキシフェニルスルホニル基、2−ブトキシフェニルスルホニル基、3−クロロフェニルスルホニル基、3−トリフルオロメチルフェニルスルホニル基、3−シアノフェニルスルホニル基、3−ニトロフェニルスルホニル基、4−フルオロフェニルスルホニル基、4−シアノフェニルスルホニル基、4−メトキシフェニルスルホニル基、4−メチルスルファニルフェニルスルホニル基、4−フェニルスルファニルフェニルスルホニル基、及び、4−ジメチルアミノフェニルスルホニル基が例示できる。
置換基を有していてもよいアシル基としては、炭素数2〜20のアシル基が好ましく、具体的には、アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基、トリフルオロアセチル基、ペンタノイル基、ベンゾイル基、1−ナフトイル基、2−ナフトイル基、4−メチルスルファニルベンゾイル基、4−フェニルスルファニルベンゾイル基、4−ジメチルアミノベンゾイル基、4−ジエチルアミノベンゾイル基、2−クロロベンゾイル基、2−メチルベンゾイル基、2−メトキシベンゾイル基、2−ブトキシベンゾイル基、3−クロロベンゾイル基、3−トリフルオロメチルベンゾイル基、3−シアノベンゾイル基、3−ニトロベンゾイル基、4−フルオロベンゾイル基、4−シアノベンゾイル基、及び、4−メトキシベンゾイル基が例示できる。
置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基としては、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基が好ましく、具体的には、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、デシルオキシカルボニル基、オクタデシルオキシカルボニル基、及び、トリフルオロメチルオキシカルボニル基が例示できる。
置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基として具体的には、フェノキシカルボニル基、1−ナフチルオキシカルボニル基、2−ナフチルオキシカルボニル基、4−メチルスルファニルフェニルオキシカルボニル基、4−フェニルスルファニルフェニルオキシカルボニル基、4−ジメチルアミノフェニルオキシカルボニル基、4−ジエチルアミノフェニルオキシカルボニル基、2−クロロフェニルオキシカルボニル基、2−メチルフェニルオキシカルボニル基、2−メトキシフェニルオキシカルボニル基、2−ブトキシフェニルオキシカルボニル基、3−クロロフェニルオキシカルボニル基、3−トリフルオロメチルフェニルオキシカルボニル基、3−シアノフェニルオキシカルボニル基、3−ニトロフェニルオキシカルボニル基、4−フルオロフェニルオキシカルボニル基、4−シアノフェニルオキシカルボニル基、及び、4−メトキシフェニルオキシカルボニル基が例示できる。
置換基を有していてもよいホスフィノイル基としては、炭素数2〜50のホスフィノイル基が好ましく、具体的には、ジメチルホスフィノイル基、ジエチルホスフィノイル基、ジプロピルホスフィノイル基、ジフェニルホスフィノイル基、ジメトキシホスフィノイル基、ジエトキシホスフィノイル基、ジベンゾイルホスフィノイル基、及び、ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)ホスフィノイル基が例示できる。
置換基を有していてもよい複素環基としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子若しくはリン原子を含む、芳香族又は脂肪族の複素環が好ましい。
具体的には、チエニル基、ベンゾ[b]チエニル基、ナフト[2,3−b]チエニル基、チアントレニル基、フリル基、ピラニル基、イソベンゾフラニル基、クロメニル基、キサンテニル基、フェノキサチイニル基、2H−ピロリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリジニル基、イソインドリル基、3H−インドリル基、インドリル基、1H−インダゾリル基、プリニル基、4H−キノリジニル基、イソキノリル基、キノリル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサニリル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、プテリジニル基、4aH−カルバゾリル基、カルバゾリル基、β−カルボリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、ペリミジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、フェナルサジニル基、イソチアゾリル基、フェノチアジニル基、イソキサゾリル基、フラザニル基、フェノキサジニル基、イソクロマニル基、クロマニル基、ピロリジニル基、ピロリニル基、イミダゾリジニル基、イミダゾリニル基、ピラゾリジニル基、ピラゾリニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、インドリニル基、イソインドリニル基、キヌクリジニル基、モルホリニル基、及び、チオキサントリル基が例示できる。
置換基を有していてもよいアルキルチオカルボニル基として具体的には、メチルチオカルボニル基、プロピルチオカルボニル基、ブチルチオカルボニル基、ヘキシルチオカルボニル基、オクチルチオカルボニル基、デシルチオカルボニル基、オクタデシルチオカルボニル基、及び、トリフルオロメチルチオカルボニル基が例示できる。
置換基を有していてもよいアリールチオカルボニル基として具体的には、1−ナフチルチオカルボニル基、2−ナフチルチオカルボニル基、4−メチルスルファニルフェニルチオカルボニル基、4−フェニルスルファニルフェニルチオカルボニル基、4−ジメチルアミノフェニルチオカルボニル基、4−ジエチルアミノフェニルチオカルボニル基、2−クロロフェニルチオカルボニル基、2−メチルフェニルチオカルボニル基、2−メトキシフェニルチオカルボニル基、2−ブトキシフェニルチオカルボニル基、3−クロロフェニルチオカルボニル基、3−トリフルオロメチルフェニルチオカルボニル基、3−シアノフェニルチオカルボニル基、3−ニトロフェニルチオカルボニル基、4−フルオロフェニルチオカルボニル基、4−シアノフェニルチオカルボニル基、及び、4−メトキシフェニルチオカルボニル基が挙げられる。
ジアルキルアミノカルボニル基として具体的には、ジメチルアミノカルボニル基、ジメエルアミノカルボニル基、ジプロピルアミノカルボニル基、及び、ジブチルアミノカルボニル基が例示できる。
置換基を有していてもよいジアルキルアミノチオカルボニル基としては、ジメチルアミノチオカルボニル基、ジプロピルアミノチオカルボニル基、及び、ジブチルアミノチオカルボニル基が例示できる。
中でも、高感度化の点から、Rとしては、アシル基がより好ましく、具体的には、アセチル基、プロパノイル基、ベンゾイル基、トルオイル基がさらに好ましい。
前記Bで表される一価の置換基としては、アリール基、複素環基、アリールカルボニル基、又は、複素環カルボニル基を表す。また、これらの基は1以上の置換基を有していてもよい。置換基としては、前述した置換基が例示できる。また、前述した置換基は、さらに他の置換基で置換されていてもよい。
中でも、特に好ましくは以下に示す構造である。
下記の構造中、Y、X、及び、nは、それぞれ、後述する式(2)におけるY、X、及び、nと同義であり、好ましい例も同様である。
前記Aで表される二価の有機基としては、炭素数1〜12のアルキレン基、シクロヘキシレン基、アルキニレン基が挙げられる。また、これらの基は1以上の置換基を有していてもよい。置換基としては、前述した置換基が例示できる。また、前述した置換基は、さらに他の置換基で置換されていてもよい。
中でも、Aとしては、感度を高め、加熱経時による着色を抑制する点から、無置換のアルキレン基、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、ドデシル基)で置換されたアルキレン基、アルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基)で置換されたアルキレン基、アリール基(例えば、フェニル基、p−トリル基、キシリル基、クメニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナントリル基、スチリル基)で置換されたアルキレン基が好ましい。
前記Arで表されるアリール基としては、炭素数6〜30のアリール基が好ましく、また、置換基を有していてもよい。置換基としては、前述した置換基が例示できる。
具体的には、フェニル基、ビフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、9−アンスリル基、9−フェナントリル基、1−ピレニル基、5−ナフタセニル基、1−インデニル基、2−アズレニル基、9−フルオレニル基、ターフェニル基、クオーターフェニル基、o−、m−及びp−トリル基、キシリル基、o−、m−及びp−クメニル基、メシチル基、ペンタレニル基、ビナフタレニル基、ターナフタレニル基、クオーターナフタレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、インダセニル基、フルオランテニル基、アセナフチレニル基、アセアントリレニル基、フェナレニル基、フルオレニル基、アントリル基、ビアントラセニル基、ターアントラセニル基、クオーターアントラセニル基、アントラキノリル基、フェナントリル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、プレイアデニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ペンタセニル基、テトラフェニレニル基、ヘキサフェニル基、ヘキサセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、トリナフチレニル基、ヘプタフェニル基、ヘプタセニル基、ピラントレニル基、並びに、オバレニル基が例示できる。
中でも、感度を高め、加熱経時による着色を抑制する点から、置換又は無置換のフェニル基が好ましい。
式(1)においては、前記Arと隣接するSとで形成される「SAr」の構造が、以下に示す構造であることが感度の点で好ましい。なお、Meはメチル基を表し、Etはエチル基を表す。
本発明における特定オキシム化合物は、下記式(2)で表される化合物であることが好ましい。
(式(2)中、R及びXは各々独立に一価の置換基を表し、A及びYは各々独立に二価の有機基を表し、Arはアリール基を表し、nは0〜5の整数である。)
式(2)におけるR、A、及びArは、前記式(1)におけるR、A、及びArと同義であり、好ましい例も同様である。
前記Xで表される一価の置換基としては、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルキルスルファニル基、アリールスルファニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、アミノ基、ホスフィノイル基、複素環基、ハロゲン原子が挙げられる。また、これらの基は1以上の置換基を有していてもよい。置換基としては、前述した置換基が例示できる。また、前述した置換基は、さらに他の置換基で置換されていてもよい。
前記Xにおけるアルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ホスフィノイル基、及び、複素環基は、前記式(1)におけるRのアルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ホスフィノイル基、及び、複素環基と同義であり、好ましい範囲も同様である。
アルコキシ基としては、炭素数1〜30のアルコキシ基が好ましく、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ヘキシルオキシキ、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、デシルオキシ基、ドデシルオキシ基、オクタデシルオキシ基、エトキシカルボニルメチル基、2−エチルヘキシルオキシカルボニルメチルオキシ基、アミノカルボニルメチルオキシ基、N,N−ジブチルアミノカルボニルメチルオキシ基、N−メチルアミノカルボニルメチルオキシ基、N−エチルアミノカルボニルメチルオキシ基、N−オクチルアミノカルボニルメチルオキシ基、N−メチル−N−ベンジルアミノカルボニルメチルオキシ基、ベンジルオキシ基、及び、シアノメチルオキシ基が例示できる。
アリールオキシ基としては、炭素数6〜30のアリールオキシ基が好ましく、具体的には、フェニルオキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、2−クロロフェニルオキシ基、2−メチルフェニルオキシ基、2−メトキシフェニルオキシ基、2−ブトキシフェニルオキシ基、3−クロロフェニルオキシ基、3−トリフルオロメチルフェニルオキシ基、3−シアノフェニルオキシ基、3−ニトロフェニルオキシ基、4−フルオロフェニルオキシ基、4−シアノフェニルオキシ基、4−メトキシフェニルオキシ基、4−ジメチルアミノフェニルオキシ基、4−メチルスルファニルフェニルオキシ基、及び、4−フェニルスルファニルフェニルオキシ基が例示できる。
アシルオキシ基としては、炭素数2〜20のアシルオキシ基が好ましく、具体的には、アセチルオキシ基、プロパノイルオキシ基、ブタノイルオキシ基、ペンタノイルオキシ基、トリフルオロメチルカルボニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、1−ナフチルカルボニルオキシ基、及び、2−ナフチルカルボニルオキシ基が例示できる。
アルキルスルファニル基としては、炭素数1〜20のアルキルスルファニル基が好ましく、具体的には、メチルスルファニル基、エチルスルファニル基、プロピルスルファニル基、イソプロピルスルファニル基、ブチルスルファニル基、ヘキシルスルファニル基、シクロヘキシルスルファニル基、オクチルスルファニル基、2−エチルヘキシルスルファニル基、デカノイルスルファニル基、ドデカノイルスルファニル基、オクタデカノイルスルファニル基、シアノメチルスルファニル基、及び、メトキシメチルスルファニル基が例示できる。
アリールスルファニル基としては、炭素数6〜30のアリールスルファニル基が好ましく、具体的には、フェニルスルファニル基、1−ナフチルスルファニル基、2−ナフチルスルファニル基、2−クロロフェニルスルファニル基、2−メチルフェニルスルファニル基、2−メトキシフェニルスルファニル基、2−ブトキシフェニルスルファニル基、3−クロロフェニルスルファニル基、3−トリフルオロメチルフェニルスルファニル基、3−シアノフェニルスルファニル基、3−ニトロフェニルスルファニル基、4−フルオロフェニルスルファニル基、4−シアノフェニルスルファニル基、4−メトキシフェニルスルファニル基、4−メチルスルファニルフェニルスルファニル基、4−フェニルスルファニルフェニルスルファニル基、及び、4−ジメチルアミノフェニルスルファニル基が例示できる。
カルバモイル基としては、総炭素数1〜30のカルバモイル基が好ましく、具体的には、N−メチルカルバモイル基、N−エチルカルバモイル基、N−プロピルカルバモイル基、N−ブチルカルバモイル基、N−ヘキシルカルバモイル基、N−シクロヘキシルカルバモイル基、N−オクチルカルバモイル基、N−デシルカルバモイル基、N−オクタデシルカルバモイル基、N−フェニルカルバモイル基、N−2−メチルフェニルカルバモイル基、N−2−クロロフェニルカルバモイル基、N−2−イソプロポキシフェニルカルバモイル基、N−2−(2−エチルヘキシル)フェニルカルバモイル基、N−3−クロロフェニルカルバモイル基、N−3−ニトロフェニルカルバモイル基、N−3−シアノフェニルカルバモイル基、N−4−メトキシフェニルカルバモイル基、N−4−シアノフェニルカルバモイル基、N−4−メチルスルファニルフェニルカルバモイル基、N−4−フェニルスルファニルフェニルカルバモイル基、N−メチル−N−フェニルカルバモイル基、N、N−ジメチルカルバモイル基、N、N−ジブチルカルバモイル基、N、N−ジフェニルカルバモイル基が例示できる。
スルファモイル基としては、総炭素数0〜30のスルファモイル基が好ましく、具体的には、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N、N−ジアルキルスルファモイル基、N、N−ジアリールスルファモイル基、及び、N−アルキル−N−アリールスルファモオイル基が例示できる。より具体的には、N−メチルスルファモイル基、N−エチルスルファモイル基、N−プロピルスルファモイル基、N−ブチルスルファモイル基、N−ヘキシルスルファモイル基、N−シクロヘキシルスルファモイル基、N−オクチルスルファモイル基、N−2−エチルヘキシルスルファモイル基、N−デシルスルファモイル基、N−オクタデシルスルファモイル基、N−フェニルスルファモイル基、N−2−メチルフェニルスルファモイル基、N−2−クロロフェニルスルファモイル基、N−2−メトキシフェニルスルファモイル基、N−2−イソプロポキシフェニルスルファモイル基、N−3−クロロフェニルスルファモイル基、N−3−ニトロフェニルスルファモイル基、N−3−シアノフェニルスルファモイル基、N−4−メトキシフェニルスルファモイル基、N−4−シアノフェニルスルファモイル基、N−4−ジメチルアミノフェニルスルファモイル基、N−4−メチルスルファニルフェニルスルファモイル基、N−4−フェニルスルファニルフェニルスルファモイル基、N−メチル−N−フェニルスルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N,N−ジブチルスルファモイル基、及び、N,N−ジフェニルスルファモイル基が好ましく例示できる。
アミノ基としては、総炭素数0〜50のアミノ基が好ましく、具体的には、アミノ基(−NH2)、N−アルキルアミノ基、N−アリールアミノ基、N−アシルアミノ基、N−スルホニルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N,N−ジアリールアミノ基、N−アルキル−N−アリールアミノ基、及び、N,N−ジスルホニルアミノ基が例示できる。より具体的には、N−メチルアミノ基、N−エチルアミノ基、N−プロピルアミノ基、N−イソプロピルアミノ基、N−ブチルアミノ基、N−tert−ブチルアミノ基、N−ヘキシルアミノ基、N−シクロヘキシルアミノ基、N−オクチルアミノ基、N−2−エチルヘキシルアミノ基、N−デシルアミノ基、N−オクタデシルアミノ基、N−ベンジルアミノ基、N−フェニルアミノ基、N−2−メチルフェニルアミノ基、N−2−クロロフェニルアミノ基、N−2−メトキシフェニルアミノ基、N−2−イソプロポキシフェニルアミノ基、N−2−(2−エチルヘキシル)フェニルアミノ基、N−3−クロロフェニルアミノ基、N−3−ニトロフェニルアミノ基、N−3−シアノフェニルアミノ基、N−3−トリフルオロメチルフェニルアミノ基、N−4−メトキシフェニルアミノ基、N−4−シアノフェニルアミノ基、N−4−トリフルオロメチルフェニルアミノ基、N−4−メチルスルファニルフェニルアミノ基、N−4−フェニルスルファニルフェニルアミノ基、N−4−ジメチルアミノフェニルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N,N−ジメチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、N,N−ジブチルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N,N−ジアセチルアミノ基、N,N−ジベンゾイルアミノ基、N,N−(ジブチルカルボニル)アミノ基、N,N−(ジメチルスルホニル)アミノ基、N,N−(ジエチルスルホニル)アミノ基、N,N−(ジブチルスルホニル)アミノ基、N,N−(ジフェニルスルホニル)アミノ基、モルホリノ基、及び、3,5−ジメチルモルホリノ基、カルバゾール基が好ましく例示できる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
これらの中でも、Xとしては、溶剤溶解性と長波長領域の吸収効率向上の点から、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルスルファニル基、アリールスルファニル基、アミノ基が好ましい。
また、式(2)におけるnは、0〜5の整数を表し、0〜2の整数が好ましい。
前記Yで表される二価の有機基としては、以下に示す構造が挙げられる。なお、以下に示される基において、「*」は、前記式(2)において、Yと隣接する炭素原子との結合位置を示す。
中でも、高感度化の観点から、下記に示す構造が好ましい。
本発明における特定オキシム化合物は、下記式(3)で表される化合物であることが好ましい。
(式(3)中、R及びXは各々独立に一価の置換基を表し、Aは二価の有機基を表し、Arはアリール基を表し、nは0〜5の整数である。)
式(3)におけるR、X、A、Ar、及び、nは、前記式(2)におけるR、X、A、Ar、及び、nとそれぞれ同義であり、好ましい例も同様である。
以下、本発明における特定オキシム化合物の具体例(K−1)〜(K−88)を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明における特定オキシム化合物は、350nm〜500nmの波長領域に極大吸収波長を有するものであり、360nm〜480nmの波長領域に吸収波長を有するものであることが好ましく、365nm及び455nmの吸光度が高いものが特に好ましい。特に、前記特定オキシム化合物は、従来のオキシム系の化合物に比して、長波長領域に吸収を有するので、365nmや405nmの光源で露光した際に、優れた感度を示す。
本発明における特定オキシム化合物は、365nm又は405nmにおけるモル吸光係数は、感度の観点から、10,000〜300,000であることが好ましく、15,000〜300,000であることがより好ましく、20,000〜200,000であることが特に好ましい。
なお、本発明において、化合物のモル吸光係数は、公知の方法を用いることができるが、具体的には、例えば、紫外可視分光光度計(Varian社製Carry−5 spectrophotometer)にて、酢酸エチル溶媒を用い、0.01g/Lの濃度で測定することが好ましい。
ヘキサアリールビイミダゾール化合物としては、例えば、特公平6−29285号公報、米国特許第3,479,185号、同第4,311,783号、同第4,622,286号等の各明細書に記載の種々の化合物、具体的には、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ブロモフェニル))4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(m−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o,o’−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ニトロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−メチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール等が挙げられる。
本発明の黒色硬化性組成物における(C)重合開始剤の含有量は、黒色硬化性組成物の全固形分中、0.1〜30質量%が好ましく、1〜25質量%がより好ましく、2〜20質量%が特に好ましい。重合開始剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の黒色硬化性組成には、用いる重合開始剤によっては、連鎖移動剤を加えると好ましい。連鎖移動剤としては、N,N-ジアルキルアミノ安息香酸アルキルエステルやチオール系化合物が挙げられる。チオール系化合物としては、例えば、2-メルカプトベンゾチアゾール、2-メルカプト-1-フェニルベンズイミダゾール、3-メルカプトプロピオン酸、などを単独または2種以上混合して使用することができる。特に、ヘキサアリールビイミダゾール化合物とチオール系化合物を組み合わせて用いることが、残渣及び密着性の観点から好ましい。
<(D)重合性化合物>
本発明の黒色硬化性組成物は、(D)重合性化合物を含有する。
重合性化合物としては、少なくとも1個の付加重合可能なエチレン性不飽和基を有し、沸点が常圧で100℃以上である化合物が好ましい。
前記少なくとも1個の付加重合可能なエチレン性不飽和基を有し、沸点が常圧で100℃以上である化合物としては、例えば、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の単官能のアクリレートやメタアクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイロキシエチル)イソシアヌレート、グリセリンやトリメチロールエタン等の多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後(メタ)アクリレート化したもの、ペンタエリスリトール又はジペンタエリスリトールのポリ(メタ)アクリレート化したもの、特公昭48−41708号、特公昭50−6034号、特開昭51−37193号公報に記載のウレタンアクリレート類、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号公報に記載のポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタアクリレートを挙げることができる。
更に、日本接着協会誌Vol.20、No.7、300〜308頁に光硬化性モノマー
及びオリゴマーとして紹介されているものも使用できる。
また、特開平10−62986号公報において一般式(1)及び(2)としてその具体例と共に記載の、前記多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後に(メタ)アクリレート化した化合物も、重合性化合物として用いることができる。
中でも、重合性化合物としては、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、及びこれらの(メタ)アクリロイル基がエチレングリコール、プロピレングリコール残基を介している構造が好ましい。これらのオリゴマータイプも使用できる。
また、重合性化合物としては、特公昭48−41708号、特開昭51−37193号、特公平2−32293号、特公平2−16765号に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号、特公昭56−17654号、特公昭62−39417号、特公昭62−39418号記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。更に、重合性化合物として、特開昭63−277653号、特開昭63−260909号、特開平1−105238号に記載される、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有する付加重合性化合物類を用いることによって、非常に感光スピードに優れた硬化性組成物を得ることができる。
重合性化合物の市販品としては、ウレタンオリゴマーUAS−10、UAB−140(山陽国策パルプ社製)、UA−7200」(新中村化学社製、DPHA−40H(日本化
薬社製)、UA−306H、UA−306T、UA−306I、AH−600、T−600、AI−600(共栄社製)などが挙げられる。
また、重合性化合物としては、酸基を有するエチレン性不飽和化合物類も好適であり、市販品としては、例えば、東亞合成株式会社製のカルボキシル基含有3官能アクリレートであるTO−756、及びカルボキシル基含有5官能アクリレートであるTO−1382などが挙げられる。
本発明に用いられる重合性化合物としては、4官能以上のアクリレート化合物がより好ましい。
重合性化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。組み合わせの好ましい例として、含有する重合性基の異なるモノマーを2種組み合わせることが好ましく、重合性基が4官能以下であるモノマーと5官能以上であるモノマーを組み合わせることが、現像性・密着性の観点より好ましい。
重合性化合物の黒色硬化性組成物中における含有量としては、質量換算で全固形分100部に対して、3〜55部が好ましく、より好ましくは10〜50部である。(D)重合性化合物の含有量が前記範囲内において、十分な硬化反応が進行する。
<(E)不飽和二重結合を有するアルカリ可溶性樹脂:特定アルカリ可溶性樹脂>
本発明の黒色硬化性組成物は、不飽和二重結合を有するアルカリ可溶性樹脂(以下、適宜「特定アルカリ可溶性樹脂」と称する。)を含有する。ここでいうアルカリ可溶性樹脂とは、前記(B)特定樹脂とは異なり、(b−3)重量平均分子量が1,000以上50,000以下のマクロモノマーからなる繰り返し単位を実質的に有さない樹脂を示す。
前記特定アルカリ可溶性樹脂は、不飽和二重結合として下記一般式(I)〜一般式(III)で表される基を、側鎖に有する高分子化合物であることが好ましい。
一般式(I)〜(III)中、R〜Rllは、それぞれ独立に、水素原子、又は1価の有機基を表す。L、Lは、酸素原子、硫黄原子、または−N−R12を表し、Zは、酸素原子、硫黄原子、−N−R12またはフェニレン基を表す。R12は、水素原子、または1価の有機基を表す。
前記一般式(I)において、R〜Rはそれぞれ独立に、水素原子、1価の有機基を表すが、Rとしては、水素原子または置換基を有してもよいアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基などが挙げられ、なかでも、水素原子、メチル基、メチルアルコキシ基、メチルエステル基が好ましい。また、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、ジアルキルアミノ基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルアミノ基、置換基を有してもよいアリールアミノ基、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、置換基を有してもよいアリールスルホニル基などが挙げられ、なかでも、水素原子、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有しもよいアリール基が好ましい。
ここで、導入しうる置換基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、イソプロピルオキシカルボニル基、メチル基、エチル基、フェニル基等が挙げられる。
は、酸素原子、硫黄原子、又は、−N−R12を表し、ここで、R12としては、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基などが挙げられる。
一般式(I)のR〜Rにおいてアルキル基としては、直鎖状又は環状の炭素数1〜30のアルキル基が挙げられ、炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、炭素数1〜10のアルキル基が特に好ましい。
一般式(I)のR〜Rにおいて、アリール基としては、炭素数6〜30が挙げられ、炭素数6〜20が好ましく、炭素数6〜10が特に好ましい。
前記一般式(II)において、R〜Rは、それぞれ独立に水素原子または1価の有機基を表すが、R〜Rは、例えば、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、ジアルキルアミノ基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルアミノ基、置換基を有してもよいアリールアミノ基、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、置換基を有してもよいアリールスルホニル基などが挙げられ、なかでも、水素原子、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基が好ましい。導入しうる置換基としては、一般式(I)においてあげたものが例示される。Lは、酸素原子、硫黄原子、又は−N−R12を表す。R12としては、一般式(I)におけるのと同様のものが挙げられる。一般式(II)のR〜Rにおいて、アルキル基及びアリール基としては、一般式(I)におけるのと同様のものが挙げられ、好ましい例も同様である。
前記一般式(III)において、R〜Rllは、それぞれ独立に水素原子または1価の有機基を表すが、この有機基としては、具体的には例えば、ハロゲン原子、アミノ基、ジアルキルアミノ基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルアミノ基、置換基を有してもよいアリールアミノ基、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、置換基を有してもよいアリールスルホニル基などが挙げられ、なかでも、水素原子、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基が好ましい。
ここで、導入しうる置換基としては、一般式(I)において挙げたものが同様に例示される。
Zは、酸素原子、硫黄原子、−N−R12またはフェニレン基を表す。R12としては、一般式(I)におけるのと同様のものが挙げられる。
一般式(III)のR〜Rllにおけるアルキル基及びアリール基としては、一般式(I)におけるのと同様のものが挙げられ、好ましい例も同様である。
不飽和二重結合としては、前記一般式(I)〜(III)のうち、一般式(I)が硬化性の観点から好ましく、Rがメチル基又は水素原子、Rが水素原子、Rが水素原子であることが最も好ましい。
本発明における特定アルカリ可溶性樹脂は、下記に示す(a)〜(e)の合成方法の少なくとも1つにより製造することできる。
(a)酸基を有するポリマーと分子内にエポキシ基及び不飽和二重結合を共に有する化合物との反応により合成する方法
(b)酸基を有するモノマーと分子内に少なくとも2つ以上の不飽和二重結合を有するモノマーを重合することにより合成する方法
(c)酸基及びヒドロキシ基を側鎖に有するポリマーと分子内にイソシアナート基及び不飽和二重結合を共に有する化合物との反応により合成する方法
(d)酸基及びエポキシ基を側鎖に有するポリマーと分子内に酸基及び不飽和二重結合を共に有する化合物との反応により合成する方法
(e)酸基及びイソシアナート基を側鎖に有するポリマーと分子内に水酸基及び不飽和二重結合を共に有する化合物との反応により合成する方法
以下、詳細に説明する。
<(a)酸基を有するポリマーと分子内にエポキシ基及び不飽和二重結合を共に有する化合物との反応により合成する方法>
酸基を有するポリマーとは、主鎖又は側鎖に酸基を有する有機高分子重合体であり、特に、酸基含有モノマーとその他の共重合可能なモノマーとの共重合体であることが好ましい。酸基含有モノマーの例としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、α−クロロアクリル酸、α−トリフルオロメチルアクリル酸、α−ヒドロキシメチルアクリル酸、α−クロロメチルアクリル酸、けい皮酸、スチレンカルボン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、メサコン酸、コハク酸モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕、フタル酸モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート等のカルボキシ基含有モノマー、アシッドホスホオキシエチル(メタ)アクリレート、アシッドホスホオキシポリオキシエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、アシッドホスホオキシポリオキシプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−アシッドホスホオキシプロピル(メタ)アクリレート、ビニルホスホン酸等のリン酸基含有モノマー、2−アクリルアミド−2−メチルスルホン酸、ビニルスルホン酸、ビニルスチレンスルホン酸等のスルホン酸基含有モノマーが挙げられるが、特にカルボキシル基含有モノマーが好ましく、(メタ)アクリル酸、スチレンカルボン酸、コハク酸モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕、フタル酸モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレートがさらに好ましく、(メタ)アクリル酸が最も好ましい。
酸基含有モノマーは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
その他の共重合可能なモノマーの例としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、アントラセニル(メタ)アクリレート、ピペロニル(メタ)アクリレート、サリチル(メタ)アクリレート、フリル(メタ)アクリレート、フルフリル(メタ)アクリレート、フェネチル(メタ)アクリレート、1,1,1−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングルコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングルコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングルコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングルコール(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、パラクミルフェノールのエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート等の脂肪族又は芳香族(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシブチル(メタ)アクリレート、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル等のエポキシ基含有(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリレート、イソシアナートエチル(メタ)アクリレート、2−(2−イソシアナートエトキシ)エチル(メタ)アクリレート等のイソシアナート基含有(メタ)アクリレート、ジメチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジエチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジシクロヘキシル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジベンジル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート等のエーテルダイマー型(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミド、(メタ)アクリル酸N,N−ジエチルアミド、(メタ)アクリル酸イソプロピルアミド等の(メタ)アクリル酸アミド、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、アリルグリシジルエーテル等の不飽和エーテル、(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、シアン化ビニリデン等のシアン化ビニル化合物、(メタ)アクリルアミド、α−クロロアクリルアミド、N−2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルピロリドン等の不飽和アミド、1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等の脂肪族共役ジエン、スチレン、α−メチルスチレン、o−ビニルトルエン、m−ビニルトルエン、p−ビニルトルエン、p−クロルスチレン、o−メトキシスチレン、m−メトキシスチレン、p−メトキシスチレン、o−ビニルフェノール、m−ビニルフェノール、p−ビニルフェノール、p−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、o−ビニルベンジルメチルエーテル、m−ビニルベンジルメチルエーテル、p−ビニルベンジルメチルエーテル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル等の芳香族ビニル化合物、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)マレイミド等のモノマレイミド化合物等が挙げられる。
その他の共重合可能なモノマーとしては、特に(メタ)アクリル酸系モノマー及び芳香族ビニル化合物が好ましく、炭素数が1〜10のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート及びスチレンが最も好ましい。
その他の共重合可能なモノマーは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記酸基を有するポリマーは、公知のラジカル重合法により製造することができる。ラジカル重合法で製造する際の温度、圧力、ラジカル開始剤の種類及びその量、溶媒の種類等々の重合条件は、当業者であれば容易に設定することができるし、条件設定が可能である。
特定アルカリ可溶性樹脂は、前述の酸基を有するポリマーと分子内にエポキシ基及び不飽和二重結合を共に有する化合物との反応により合成できる。
分子内にエポキシ基及び不飽和二重結合を共に有する化合物は、公知の化合物を用いることができ、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシブチル(メタ)アクリレート、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル等が挙げられるが、特にグリシジル(メタ)アクリレートが好ましい。
酸基を有するポリマーと分子内にエポキシ基及び不飽和二重結合を共に有する化合物との反応には、触媒を添加して反応を加速させることが好ましい。触媒としては、公知の触媒を用いることができ、例えば、三級アミノ基やトリフェニルホスフィン等が好ましい。触媒は、合成する特定アルカリ可溶性樹脂の固形分に対し、0.1〜2質量%添加することが好ましい。反応温度は適宜設定できるが、通常80〜120℃で行うことができる。
さらに、酸基を有するポリマーと分子内にエポキシ基及び不飽和二重結合を共に有する化合物との反応により生成する水酸基に、環状酸無水物を付加させてもよい。環状酸無水物としては、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水クロレンド酸等の二塩基酸無水物;無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ビフェニルテトラカルボン酸無水物等の三塩基以上の酸の無水物が挙げられる。中でも、テトラヒドロ無水フタル酸、及び/又は無水コハク酸が好ましい。これらの多塩基酸無水物は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
このような成分を付加させることにより、本発明で用いるバインダー樹脂にアルカリ可溶性を付与することができる。
これらの多塩基酸無水物は、通常、前記共重合体が有するエポキシ基に、不飽和一塩基酸を付加させることにより生じる水酸基の10〜100モル%に付加させるが、好ましくは20〜90モル%、より好ましくは30〜80モル%に付加させる。この付加割合が多すぎると、現像時の残膜率が低下する場合があり、少なすぎると溶解性が不十分となる可能性がある。尚、当該水酸基に多塩基酸無水物を付加させる方法としては、公知の方法を採用することができる。
更に、感度を向上させるために、前述の多塩基酸無水物を付加させた後、生成したカルボキシル基の一部にグリシジル(メタ)アクリレートや重合性不飽和基を有するグリシジルエーテル化合物を付加させてもよい。
<(b)酸基を有するモノマーと分子内に少なくとも2つ以上の不飽和二重結合を有するモノマーを重合することにより合成する方法>
前記(a)で挙げた酸基含有モノマーと、分子内に少なくとも2つ以上の不飽和二重結合を有するモノマーを共重合することにより、特定アルカリ樹脂を合成することができる。アリル基、ホモアリル基等の脂肪族アルケニル基や、シクロヘキセニル、シクロドデセニル基等の脂肪族シクロアルケニル基を有する(メタ)アクリル系モノマーが好ましく、アリル(メタ)アクリレートが好ましい。
酸基を有するモノマーと分子内に少なくとも2つ以上の不飽和二重結合を有するモノマー以外のその他の共重合成分としては、前記(a)で挙げた<その他の共重合可能なモノマー>が挙げられ、好ましい例も同様である。
<(c)酸基及び水酸基を側鎖に有するポリマーと分子内にイソシアナート基及び不飽和二重結合を共に有する化合物との反応により合成する方法>
酸基及び水酸基を側鎖に有するポリマーとしては、前記(a)で挙げた酸基含有モノマーと水酸基含有(メタ)アクリレートとを、公知の方法で共重合により合成できる。分子内にイソシアナート基及び不飽和二重結合を共に有する化合物としては、イソシアナートエチル(メタ)アクリレート、2−(2−イソシアナートエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、1,1−〔ビス(メタ)アクリロイルオキシメチル〕エチルイソシアナートが挙げられる。これらのイソシアナート化合物と、酸基及び水酸基を側鎖に有するポリマーとの反応方法は、公知のウレタン化反応を用いて行うことができる。
<(d)酸基及びエポキシ基を側鎖に有するポリマーと分子内に酸基及び不飽和二重結合を共に有する化合物との反応により合成する方法>
(d)酸基及びエポキシ基を側鎖に有するポリマーは、前記(a)で挙げた酸基含有モノマーとエポキシ基含有(メタ)アクリレートとを、公知の方法で共重合することにより合成できる。分子内に酸基及び不飽和二重結合を共に有する化合物としては、前記(a)で挙げた酸基含有モノマーを挙げることができるが、特にカルボキシ基含有モノマーが好ましく、(メタ)アクリル酸、スチレンカルボン酸、コハク酸モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕、フタル酸モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕、ωーカルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレートがさらに好ましく、(メタ)アクリル酸が最も好ましい。これら分子内に酸基及び不飽和二重結合を共に有する化合物と、酸基及びエポキシ基を側鎖に有するポリマーとの反応は、公知の方法(例えば、特開2009−53652号公報)を用いることができる。
<(e)酸基及びイソシアナート基を側鎖に有するポリマーと分子内に水酸基及び不飽和二重結合を共に有する化合物との反応により合成する方法>
酸基及びイソシアナート基を側鎖に有するポリマーは、前記(a)で挙げた酸基含有モノマーとイソシアナート基含有(メタ)アクリレートとを、公知の方法で共重合することにより合成できる。分子内に水酸基及び不飽和二重結合を共に有する化合物としては、前記(a)で挙げた水酸基含有(メタ)アクリレートを挙げることができる。これら酸基及びイソシアナート基を側鎖に有するポリマーと分子内に水酸基及び不飽和二重結合を共に有する化合物との反応方法は、公知のウレタン化反応を用いて行うことができる。
上記した(a)〜(e)の合成法以外に、特開2001−354735号公報に記載の不飽和二重結合と二価のヒドロキシ基を有するモノマーと2つの環状酸無水物基を有するモノマーとの反応による樹脂も用いることができる。
本発明の特定アルカリ可溶性樹脂の酸価は、特に10〜100mgKOH/gが好ましく、20〜80mgKOH/gが好ましく、30〜60mgKOH/gが最も好ましい。この範囲にあることにより、固体撮像素子の微細パターンの密着性と非露光部の現像性が両立する。
特定アルカリ可溶性樹脂の不飽和当量(不飽和二重結合1モル当たりの樹脂の質量)は、400〜3,000が好ましく、500〜2,000が最も好ましい。この範囲にあることにより、黒色硬化性組成物の硬化性が高まり、固体撮像素子の微細パターンの密着性が向上する。
特定アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量は、5,000〜50,000が好ましく、7,000〜20,000がさらに好ましい。この範囲にあることにより、固体撮像素子の微細パターンの密着性と非露光部の現像性が両立し、さらに塗布性が向上する。
前述した特定アルカリ可溶性樹脂の好ましい酸価、不飽和当量及び分子量は、繰り返し単位の成分比、重合条件(温度、重合濃度、開始剤添加量等)により制御することができる。本発明の特定アルカリ可溶性樹脂は、反応制御の観点から、特に(a)、(b)及び(c)の製造法で製造することが好ましく、(a)の方法が最も好ましい。
以下に、特定アルカリ可溶性樹脂の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明の黒色硬化性組成物に特定アルカリ可溶性樹脂を添加する際の添加量としては、黒色硬化性組成物の固形分に対して、5〜50質量%であることが好ましく、より好ましくは10〜35質量%である。特定アルカリ可溶性樹脂がこの範囲であれば、硬化した黒色硬化性組成物は適度な膜強度となり、現像での溶解性のコントロールがし易くなるので好ましい。また所望する厚さの塗膜が得やすくなる点でも好ましい。特に、大面積の基板へのスピン塗布に対して均一な塗布膜を形成することができ得率が高く、またスリット塗布方法においても良好な塗膜を得ることができる。本発明における特定アルカリ可溶性樹脂は、無機顔料の分散時に添加してもよいし、分散後に添加してもよい。
本発明の黒色硬化性組成物においては、(E)特定アルカリ可溶性樹脂の含有量は、(D)重合性化合物に対して質量基準で、0.3以上2.5以下であることが好ましく、0.4以上2.3以下がより好ましく、0.5以上2.0以下であることが最も好ましい。この範囲にあることにより、パターン欠損の抑制に優れる。
また、本発明の黒色硬化性組成物においては、特に(B)特定樹脂と(E)特定アルカリ可溶性樹脂との質量比が、(B)特定樹脂:(E)特定アルカリ可溶性樹脂=20:80〜50:50が好ましく、25:75〜40:60が最も好ましい。この範囲にあることにより、パターン形成性及び塗布性に優れる。
<その他の成分>
本発明の黒色硬化性組成物には、以下に挙げるようなその他の成分を必要によって添加することができる。以下にその詳細を述べる。
(溶剤)
本発明の黒色硬化性組成物を調製する際には、一般に溶剤を含有することができる。使用される溶剤は、黒色硬化性組成物の各成分の溶解性や黒色硬化性組成物の塗布性を満足すれば基本的に特には限定されないが、特に特定樹脂、特定アルカリ可溶性樹脂等の溶解性、塗布性、安全性を考慮して選ばれることが好ましい。
また、前記顔料分散物の調製においても、溶剤を用いることが好ましい。
前記溶剤の例としては、特開2008−292970号公報の段落0272記載の溶剤が挙げられる。中でも、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート等がより好ましい。 これらの有機溶剤は、溶解性、着色硬化性組成物の塗布性などの観点から、2種以上を混合することも好ましい。溶剤の分散組成物中における含有量としては、分散組成物中の全固形分濃度が5質量%〜30質量%になる量が好ましく、10質量%〜20質量%になる量がより好ましい。この範囲とすることにより、溶解性を良好に保てる。
(着色剤)
本発明の黒色硬化性組成物には、所望の遮光性を発現させるべく、(F)有機顔料や染料などの無機顔料以外の着色剤を(A)無機顔料に併用することが可能である。
併用することができる着色剤としては、有機顔料では、例えば、特開2008−224982号公報段落番号〔0030〕〜〔0044〕に記載の顔料や、C.I.Pigment Green 58、C.I.Pigment Blue 79のCl置換基をOHに変更したものなどが挙げられる。これらの中でも、好ましく用いることができる有機顔料としては、以下のものを挙げることができる。但し、本発明に使用することのできる有機顔料はこれらに限定されるものではない。
C.I.Pigment Yellow 11、24、108、109、110、138、139、150、151、154、167、180、185、
C.I.Pigment Orange 36、
C.I.Pigment Red 122、150、171、175、177、209、224、242、254、255、
C.I.Pigment Violet 19、23、29、32、
C.I.Pigment Blue 15:1、15:3、15:6、16、22、60、66、
C.I.Pigment Green 7、36、37、58
C.I.Pigment Black 1、7
なお、本発明においては、PB7(カーボンブラック)は有機顔料として扱う。
着色剤として使用可能な染料としては、特に制限はなく、公知の染料を適宜選択して使用できる。例えば、特開昭64−90403号公報、特開昭64−91102号公報、特開平1−94301号公報、特開平6−11614号公報、特登2592207号、米国特許第4,808,501号明細書、米国特許第5,667,920号明細書、米国特許第5,059,500号明細書、特開平5−333207号公報、特開平6−35183号公報、特開平6−51115号公報、特開平6−194828号公報、特開平8−211599号公報、特開平4−249549号公報、特開平10−123316号公報、特開平11−302283号公報、特開平7−286107号公報、特開2001−4823号公報、特開平8−15522号公報、特開平8−29771号公報、特開平8−146215号公報、特開平11−343437号公報、特開平8−62416号公報、特開2002−14220号公報、特開2002−14221号公報、特開2002−14222号公報、特開2002−14223号公報、特開平8−302224号公報、特開平8−73758号公報、特開平8−179120号公報、特開平8−151531号公報等に記載の染料が挙げられる。
染料としては、ピラゾールアゾ系、アニリノアゾ系、トリフェニルメタン系、アントラキノン系、アンスラピリドン系、ベンジリデン系、オキソノール系、ピラゾロトリアゾールアゾ系、ピリドンアゾ系、シアニン系、フェノチアジン系、ピロロピラゾールアゾメチン系、キサンテン系、フタロシアニン系、ペンゾピラン系、インジゴ系等の化学構造を有する染料が好適に使用できる。
本発明では、(A)無機顔料と(F)有機顔料との組み合わせにおいて、硬化性と遮光性を両立する組み合わせとして、無機顔料の好ましい態様であるチタンブラックと、400〜600nmに吸収を有する有機顔料とを組み合わせることが好ましく、オレンジ顔料、赤顔料、及びバイオレット顔料からなる群から選択される少なくとも1種の有機顔料とチタンブラックとを組み合わせることが好ましく、最も好ましくは赤顔料とチタンブラックとの組み合わせである。
本発明の黒色硬化性組成物は、予め特定樹脂を用いて顔料分散物とすることが好ましく、このとき特定樹脂の他に分散剤あるいは顔料誘導体を添加することによってさらに分散性、および分散安定性を向上させることができる。
分散剤としては、例えば、公知の顔料分散剤や界面活性剤を適宜選択して用いることができる。
具体的には、多くの種類の化合物を使用可能であり、例えば、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)、(メタ)アクリル酸系(共)重合体ポリフローNo.75、No.90、No.95(共栄社化学工業(株)製)、W001(裕商(株)社製)等のカチオン系界面活性剤;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル等のノニオン系界面活性剤;W004、W005、W017(裕商(株)社製)等のアニオン系界面活性剤;EFKA-46、EFKA-47、EFKA-47EA、EFKAポリマー100、EFKAポリマー400、EFKAポリマー401、EFKAポリマー450(いずれもチバ・スペシャルテイケミカル社製)、ディスパースエイド6、ディスパースエイド8、ディスパースエイド15、ディスパースエイド9100(いずれもサンノプコ社製)等の高分子分散剤;ソルスパース3000、5000、9000、12000、13240、13940、17000、24000、26000、28000などの各種ソルスパース分散剤(日本ルーブリゾール(株)社製);アデカプルロニックL31,F38,L42,L44,L61,L64,F68,L72,P95,F77、P84、F87、P94,L101,P103,F108、L121、P-123(旭電化(株)製)及びイソネットS-20(三洋化成(株)製)、Disperbyk 101,103,106,108,109,111,112,116,130,140,142,162,163,164,166,167,170,171,174,176,180,182,2000,2001,2050,2150(ビックケミー(株)社製)が挙げられる。その他、アクリル系共重合体など、分子末端もしくは側鎖に極性基を有するオリゴマーもしくはポリマーが挙げられる。
分散剤の顔料分散物における含有量としては、無機顔料および任意成分である有機顔料の合計量に対して、1〜100質量%が好ましく、3〜70質量%がより好ましい。
また、顔料分散物には、必要に応じて、顔料誘導体が添加される。分散剤と親和性のある部分、あるいは極性基を導入した顔料誘導体を顔料表面に吸着させ、これを分散剤の吸着点として用いることで、顔料を微細な粒子として分散させ、その再凝集を防止することができ、分散安定性に優れた顔料分散物、および黒色硬化性組成物を得ることができる。
顔料誘導体は、具体的には有機顔料を母体骨格とし、側鎖に酸性基や塩基性基、芳香族基を置換基として導入した化合物である。有機顔料は、具体的には、キナクリドン系顔料、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、キノフタロン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノリン顔料、ジケトピロロピロール顔料、ベンゾイミダゾロン顔料等が挙げられる。一般に、色素と呼ばれていないナフタレン系、アントラキノン系、トリアジン系、キノリン系等の淡黄色の芳香族多環化合物も含まれる。色素誘導体としては、特開平11-49974号公報、特開平11-189732号公報、特開平10-245501号公報、特開2006-265528号公報、特開平8-295810号公報、特開平11-199796号公報、特開2005-234478号公報、特開2003-240938号公報、特開2001-356210号公報等に記載されているものを使用できる。
本発明に係る顔料誘導体の顔料分散物中における含有量としては、顔料の質量に対して、1〜30質量%が好ましく、3〜20質量%がより好ましい。該含有量が前記範囲内であると、粘度を低く抑えながら、分散を良好に行なえると共に分散後の分散安定性を向上させることができる。
(G:増感剤)
本発明の黒色硬化性組成物には、重合開始剤のラジカル発生効率の向上、感光波長の長波長化の目的で、(G)増感剤を含有していてもよい。
本発明に用いることができる増感剤としては、併用する重合開始剤に対し、電子移動機構又はエネルギー移動機構で増感させるものが好ましい。
増感剤の好ましい例としては、特開2008−214395号公報の段落番号〔0085〕〜〔0098〕に記載された化合物を挙げることができる。
増感剤の黒色硬化性組成物における含有量は、感度と保存安定性の観点から、黒色硬化性組成物の全固形分の質量に対し、0.1〜30質量%の範囲が好ましく、1〜20質量%の範囲がより好ましく、2〜15質量%の範囲が更に好ましい。
(H:重合禁止剤)
本発明の黒色硬化性組成物には、該組成物の製造中或いは保存中において、(D)重合性化合物の不要な熱重合を阻止するために少量の(H)重合禁止剤を添加することが望ましい。
重合禁止剤としては、公知の熱重合防止剤を用いることができ、具体的には、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン第一セリウム塩等が挙げられる。
熱重合防止剤の添加量は、黒色硬化性組成物の全固形分に対し約0.01〜約5質量%が好ましい。
また、必要に応じて、酸素による重合阻害を防止するために、ベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加して、該高級脂肪酸誘導体等を塗布後の乾燥の過程で塗布膜の表面に偏在させてもよい。高級脂肪酸誘導体等の添加量は、全組成物の約0.5〜約10質量%が好ましい。
(I)密着向上剤
本発明の黒色硬化性組成物には、遮光膜と該遮光膜の被形成面との密着性を向上させるために、密着向上剤を添加することができる。密着向上剤としては、シラン系カップリング剤、チタンカップリング剤等が挙げられる。
シラン系カップリング剤としては、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、が好ましく、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランが好ましく挙げられる。
密着向上剤の添加量は、黒色硬化性組成物の全固形分中0.5〜30質量%が好ましく、0.7〜20質量%がより好ましい。
特に、本発明の黒色硬化性組成物により、ガラス基板上にウエハレベルレンズを作製する場合には、感度向上の観点から、密着向上剤を添加することが好ましい。
(J:界面活性剤)
本発明の黒色感光性組成物には、塗布性をより向上させる観点から、各種の(J)界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤などの各種界面活性剤を使用できる。
特に、本発明の黒色感光性組成物は、フッ素系界面活性剤を含有することで、塗布液として調製したときの液特性(特に、流動性)がより向上することから、塗布厚の均一性や省液性をより改善することができる。
即ち、フッ素系界面活性剤を含有する黒色感光性組成物を適用した塗布液を用いて膜形成する場合においては、被塗布面と塗布液との界面張力を低下させることにより、被塗布面への濡れ性が改善され、被塗布面への塗布性が向上する。このため、少量の液量で数μm程度の薄膜を形成した場合であっても、厚みムラの小さい均一厚の膜形成をより好適に行える点で有効である。
フッ素系界面活性剤中のフッ素含有率は、3質量%〜40質量%が好適であり、より好ましくは5質量%〜30質量%であり、特に好ましくは7質量%〜25質量%である。フッ素含有率がこの範囲内であるフッ素系界面活性剤は、塗布膜の厚さの均一性や省液性の点で効果的であり、黒色感光性組成物中における溶解性も良好である。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、メガファックF171、同F172、同F173、同F176、同F177、同F141、同F142、同F143、同F144、同R30、同F437、同F479、同F482、同F780、同F781(以上、DIC(株)製)、フロラードFC430、同FC431、同FC171(以上、住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−382、同SC−101、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC1068、同SC−381、同SC−383、同S393、同KH−40(以上、旭硝子(株)製)等が挙げられる。
ノニオン系界面活性剤として具体的には、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル(BASF社製のプルロニックL10、L31、L61、L62、10R5、17R2、25R2、テトロニック304、701、704、901、904、150R1等が挙げられる。
カチオン系界面活性剤として具体的には、フタロシアニン誘導体(商品名:EFKA−745、森下産業(株)製)、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)、(メタ)アクリル酸系(共)重合体ポリフローNo.75、No.90、No.95(共栄社油脂化学工業(株)製)、W001(裕商(株)製)等が挙げられる。
アニオン系界面活性剤として具体的には、W004、W005、W017(裕商(株)社製)等が挙げられる。
シリコーン系界面活性剤としては、例えば、トーレシリコーン株式会社製「トーレシリコーンDC3PA」、「トーレシリコーンSH7PA」、「トーレシリコーンDC11PA」、「トーレシリコーンSH21PA」、「トーレシリコーンSH28PA」、「トーレシリコーンSH29PA」、「トーレシリコーンSH30PA」、「トーレシリコーンSH8400」、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製「TSF−4440」、「TSF−4300」、「TSF−4445」、「TSF−444(4)(5)(6)(7)6」、「TSF−44 60」、「TSF−4452」、信越シリコーン株式会社製「KP341」、ビッグケミー社製「BYK323」、「BYK330」等が挙げられる。
界面活性剤は、1種のみを用いてもよいし、2種類以上を組み合わせてもよい。
(K)その他の添加剤
更に、黒色硬化性組成物には、増感色素や開始剤の活性放射線に対する感度を一層向上させる目的、或いは、酸素による光重合性化合物の重合阻害を抑制する等の目的で、共増感剤を含有してもよい。また、硬化皮膜の物性を改良するための希釈剤、可塑剤等の公知の添加剤を必要に応じて加えてもよい。
本発明の黒色硬化性組成物は、既述の(A)無機顔料(好ましくは、顔料分散剤を含む顔料分散組成物として)、(B)特定樹脂、(C)重合開始剤、(D)重合性化合物、(E)特定アルカリ可溶性樹脂、及び、所望により併用される各種添加剤を、溶剤と共に含有させ、これに必要に応じて界面活性剤等の添加剤を混合し調製することができる。
本発明のウエハレベルレンズ用黒色硬化性組成物は、上述の構成とすることにより、高感度で硬化し、遮光性に優れ、且つ高精細な遮光膜(遮光性パターン)を形成することができる。また、ウエハレベルレンズ用黒色硬化性組成物は、現像性に優れることから、遮光膜の形成領域外においては、黒色硬化性組成物由来の残渣物の残留が低減される。
<ウエハレベルレンズ>
本発明のウエハレベルレンズは、基板上に存在するレンズの周縁部に、本発明の黒色硬化性組成物を用いて得られた遮光膜を有することを特徴とする。
以下、図面を参照して、本発明のウエハレベルレンズについて説明する。
図1は、複数のウエハレベルレンズを有するウエハレベルレンズアレイの構成の一例を示す平面図である。
図1に示されるように、ウエハレベルレンズアレイは、基板10と、該基板10に配列されたレンズ12と、を備えている。ここで、図1では、複数のレンズ12は、基板10に対して2次元に配列されているが、1次元に配列されていてもよい。
また、図2は、図1に示すA−A線断面図である。
図2に示すように、ウエハレベルレンズアレイにおいて、基板10に配列された複数のレンズ12の間には、レンズ12以外の箇所からの光透過を防止する遮光膜14が設けられている。
本発明のウエハレベルレンズは、基板10上に存在する1つのレンズ12とその周縁部に設けられた遮光膜14により構成される。本発明の黒色硬化性組成物は、この遮光膜14の形成に用いられる。
以下、図1のように、複数のレンズ12が、基板10に対して2次元に配列されているウエハレベルレンズアレイの構成を例に説明する。
レンズ12は、一般的には、基板10と同じ材料から構成され、該基板10上に一体的に成形されるか、或いは、別の構造体として成形され、基板上に固定化されたものである。ここでは、一例を挙げたが、本発明のウエハレベルレンズは、この態様に限定されず、多層構造をとるもの、ダイシングによりレンズモジュールに分離されたものなど種々の態様をとり得る。
レンズ12を形成する材料としては、例えば、ガラスを挙げることができる。ガラスは種類が豊富であり、高屈折率を有するものを選択できるので、大きなパワーを持たせたいレンズの素材に好適である。また、ガラスは耐熱性に優れ、撮像ユニット等へのリフロー実装に耐えるという利点をも有する。
レンズ12を形成する他の材料としては、樹脂が挙げられる。樹脂は加工性に優れており、型等でレンズ面を簡易且つ安価に形成するのに適している。
ウエハレベルレンズの形成には、エネルギー硬化性の樹脂を用いることが好ましい。該エネルギー硬化性の樹脂は、熱により硬化する樹脂、或いは活性エネルギー線の照射(例えば、熱、紫外線、電子線照射)により硬化する樹脂のいずれであってもよい。
撮像ユニットのリフロー実装を考慮すると、軟化点が例えば200℃以上といった、軟化点の比較的高い樹脂が好ましく、軟化点が250℃以上の樹脂がより好ましい。
以下、レンズ材料として好適な樹脂について説明する。
紫外線硬化性樹脂としては、紫外線硬化性シリコン樹脂、紫外線硬化性エポキシ樹脂、アクリル樹脂等を例示することができる。エポキシ樹脂としては、線膨張係数が40〜80[10−6/K]で、屈折率が1.50〜1.70、好ましくは1.50〜1.65のものを用いることができる。
熱硬化性樹脂としては、熱硬化性シリコン樹脂、熱硬化性エポキシ樹脂、熱硬化性フェノール樹脂、熱硬化性アクリル樹脂等を例示できる。例えば、シリコン樹脂としては、線膨張係数が30〜160[10−6/K]で、屈折率が1.40〜1.55のものを用いることができる。エポキシ樹脂としては、線膨張係数が40〜80[10−6/K]で、屈折率が1.50〜1.70、好ましくは1.50〜1.65のものを用いることができる。フェノール樹脂としては、線膨張係数が30〜70[10−6/K]で、屈折率が1.50〜1.70のものを用いることができる。アクリル樹脂としては、線膨張係数が20〜60[10−6/K]で、屈折率が1.40〜1.60、好ましくは1.50〜1.60のものを用いることができる。
これらの熱硬化性樹脂としては、市販品を用いることができ、具体的には、例えば、富士高分子工業株式会社製SMX−7852、SMX−7877、株式会社東芝製IVSM−4500、東レ・ダウコーニング社製SR−7010、等を例示することができる。
熱可塑性樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂等を例示することができる。ポリカーボネートとしては、線膨張係数が60〜70[10−6/K]で、屈折率が1.40〜1.70、好ましくは1.50〜1.65のものを用いることができる。ポリサルフォン樹脂としては、線膨張係数が15〜60[10−6/K]で、屈折率が1.63のものを用いることができる。ポリエーテルサルフォン樹脂としては、線膨張係数が20〜60[10−6/K]で、屈折率が1.65のものを用いることができる。
なお、一般に、光学ガラスの線膨張係数は20℃で4.9〜14.3[10−6/K]であり、屈折率は波長589.3nmで1.4〜2.1である。また、石英ガラスの線膨張係数は0.1〜0.5[10−6/K]であり、屈折率は約1.45である。
レンズの形成に適用しうる硬化性の樹脂組成物としては、モールド形状の転写適性等、成形性の観点から、硬化前には適度な流動性を有していることが好ましい。具体的には、常温で液体であり、粘度が1000mPa・s〜50000mPa・s程度のものが好ましい。
一方、レンズの形成に適用しうる硬化性の樹脂組成物は、硬化後にはリフロー工程を通しても熱変形しない程度の耐熱性を有していることが好ましい。かかる観点から、硬化物のガラス転移温度は200℃以上であることが好ましく、250℃以上であることがより好ましく、300℃以上であることが特に好ましい。樹脂組成物にこのような高い耐熱性を付与するためには、分子レベルで運動性を束縛することが必要であり、有効な手段としては、(1)単位体積あたりの架橋密度を上げる手段、(2)剛直な環構造を有する樹脂を利用する手段(例えば、シクロヘキサン、ノルボルナン、テトラシクロドデカン等の脂環構造、ベンゼン、ナフタレン等の芳香環構造、9,9’−ビフェニルフルオレン等のカルド構造、スピロビインダン等のスピロ構造を有する樹脂、具体的には例えば、特開平9−137043号公報、同10−67970号公報、特開2003−55316号公報、同2007−334018号公報、同2007−238883号公報等に記載の樹脂)、(3)無機微粒子など高Tgの物質を均一に分散させる手段(例えば、特開平5−209027号公報、同10−298265号公報等に記載)等が挙げられる。これらの手段は複数併用してもよく、流動性、収縮率、屈折率特性など他の特性を損なわない範囲で調整することが好ましい。
形状転写精度の観点からは、硬化反応による体積収縮率が小さい、硬化性の樹脂組成物を用いることが好ましい。樹脂組成物の硬化収縮率としては、10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましく、3%以下であることが特に好ましい。
硬化収縮率の低い樹脂組成物としては、例えば、(1)高分子量の硬化剤(プレポリマーなど)を含む樹脂組成物(例えば、特開2001−19740号公報、同2004−302293号公報、同2007−211247号公報等に記載、高分子量硬化剤の数平均分子量は200〜100,000の範囲であることが好ましく、より好ましくは500〜50,000の範囲であり、特に好ましくは1,000〜20,000の場合である。また該硬化剤の数平均分子量/硬化反応性基の数で計算される値が、50〜10,000の範囲にあることが好ましく、100〜5,000の範囲にあることがより好ましく、200〜3,000の範囲にあることが特に好ましい。)、(2)非反応性物質(有機/無機微粒子,非反応性樹脂等)を含む樹脂組成物(例えば、特開平6−298883号公報、同2001−247793号公報、同2006−225434号公報等に記載)、(3)低収縮架橋反応性基を含む樹脂組成物(例えば、開環重合性基;例えば、エポキシ基(例えば、特開2004−210932号公報等に記載)、オキセタニル基(例えば、特開平8−134405号公報等に記載)、エピスルフィド基(例えば、特開2002−105110号公報等に記載)、環状カーボネート基(例えば、特開平7−62065号公報等に記載)等)、エン/チオール硬化基(例えば、特開2003−20334号公報等に記載)、ヒドロシリル化硬化基(例えば、特開2005−15666号公報等に記載)等)、(4)剛直骨格樹脂(フルオレン、アダマンタン、イソホロン等)を含む樹脂組成物(例えば、特開平9−137043号公報等に記載)、(5)重合性基の異なる2種類のモノマーを含み相互貫入網目構造(いわゆるIPN構造)が形成される樹脂組成物(例えば、特開2006−131868号公報等に記載)、(6)膨張性物質を含む樹脂組成物(例えば、特開2004−2719号公報、特開2008−238417号公報等に記載)等を挙げることができ、本発明において好適に利用することができる。また上記した複数の硬化収縮低減手段を併用すること(例えば、開環重合性基を含有するプレポリマーと微粒子を含む樹脂組成物など)が物性最適化の観点からは好ましい。
本発明のウエハレベルレンズの形成には、高−低2種類以上のアッベ数の異なる樹脂組成物の使用が望ましい。
高アッベ数側の樹脂は、アッベ数(νd)が50以上であることが好ましく、より好ましくは55以上であり特に好ましくは60以上である。屈折率(nd)は1.52以上であることが好ましく、より好ましくは1.55以上であり、特に好ましくは1.57以上である。
このような樹脂組成物に含有される樹脂としては、脂肪族の樹脂が好ましく、特に、脂環構造を有する樹脂(例えば、シクロヘキサン、ノルボルナン、アダマンタン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等の環構造を有する樹脂、具体的には例えば、特開平10−152551号公報、特開2002−212500号公報、同2003−20334号公報、同2004−210932号公報、同2006−199790号公報、同2007−2144号公報、同2007−284650号公報、同2008−105999号公報等に記載の樹脂)が好ましい。
低アッベ数側の樹脂は、アッベ数(νd)が30以下であることが好ましく、より好ましくは25以下であり特に好ましくは20以下である。屈折率(nd)は1.60以上であることが好ましく、より好ましくは1.63以上であり、特に好ましくは1.65以上である。このような樹脂としては芳香族構造を有する樹脂が好ましく、例えば、9,9’‐ジアリールフルオレン、ナフタレン、ベンゾチアゾール、ベンゾトリアゾール等の構造を含む樹脂(具体的には例えば、特開昭60−38411号公報、特開平10−67977号公報、特開2002−47335号公報、同2003−238884号公報、同2004−83855号公報、同2005−325331号公報、同2007−238883号公報、国際公開2006/095610号公報、特許第2537540号公報等に記載の樹脂等)が好ましい。
また、ウエハレベルレンズの形成に使用される樹脂組成物には、屈折率を高める目的やアッベ数を調整する目的のために、無機微粒子をマトリックス中に分散させてなる有機無機複合材料を使用することも好ましい態様である。
有機無機複合材料中の無機微粒子としては、例えば、酸化物微粒子、硫化物微粒子、セレン化物微粒子、テルル化物微粒子が挙げられる。より具体的には、例えば、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ニオブ、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化ランタン、酸化イットリウム、硫化亜鉛等の微粒子を挙げることができる。
無機微粒子は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。また、複数の成分による複合物であってもよい。
また、無機微粒子には、光触媒活性低減、吸水率低減などの種々の目的から、異種金属をドープしたり、表面をシリカやアルミナ等異種金属酸化物で被覆したり、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、有機酸(カルボン酸類、スルホン酸類、リン酸類、ホスホン酸類等)、又は有機酸基を持つ分散剤などで表面修飾してもよい。
無機微粒子の数平均1次粒子サイズは、通常1nm〜1000nm程度とすればよいが、小さすぎると物質の特性が変化する場合があり、大きすぎるとレイリー散乱の影響が顕著となるため、1nm〜15nmが好ましく、2nm〜10nmが更に好ましく、3nm〜7nmが特に好ましい。また、無機微粒子の粒子サイズ分布は狭いほど望ましい。このような単分散粒子の定義の仕方はさまざまであるが、例えば、特開2006−160992号公報に記載されるような数値規定範囲が好ましい粒径分布範囲に当てはまる。
ここで上述の数平均1次粒子サイズとは、例えば、X線回折(XRD)装置或いは透過型電子顕微鏡(TEM)などで測定することができる。
無機微粒子の屈折率としては、22℃、589.3nmの波長において、1.90〜3.00であることが好ましく、1.90〜2.70であることが更に好ましく、2.00〜2.70であることが特に好ましい。
有機無機複合材料において、無機微粒子のマトリックスである樹脂に対する含有量は、透明性と高屈折率化の観点から、5質量%以上であることが好ましく、10質量%〜70質量%が更に好ましく、30質量%〜60質量%が特に好ましい。
有機無機複合材料に用いられる、マトリックスとなる樹脂としては、ウエハレベルレンズの材料として前記した、紫外線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、高アッベ数の樹脂、低アッベ数の樹脂のいずれもが使用できる。また、特開2007−93893号に記載された屈折率1.60より大きい樹脂、特開2007−211164号に記載された疎水性セグメント及び親水性セグメントで構成されるブロック共重合体、特開2007−238929号、特願2008−12645号、同2008−208427号、同2008−229629号、同2008−219952号に記載された高分子末端又は側鎖に無機微粒子と任意の化学結合を形成しうる官能基を有する樹脂、特願2008−197054号、同2008−198878号に記載された熱可塑性樹脂等を挙げることができる。
なお、有機無機複合材料には、必要に応じて、可塑剤、分散剤等の添加剤を加えることができる。
ここで、マトリックスである樹脂と無機微粒子との好ましい組み合わせとしては以下のようなものがある。
即ち、上記のごとき高アッベ数の樹脂をマトリックスとした場合には、無機微粒子として、酸化ランタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム等の微粒子を分散させることが好ましく、低アッベ数の樹脂をマトリックスとした場合には、無機微粒子として、酸化チタン、酸化スズ、酸化ジルコニウム等の微粒子を分散させることが好ましい。
なお、無機微粒子を均一に分散させるためには、例えば、マトリックスを形成する樹脂のモノマーとの反応性を有する官能基を含む分散剤(例えば、特開2007−238884号公報実施例等に記載)、疎水性セグメント及び親水性セグメントで構成されるブロック共重合体(例えば、特開2007−211164号公報に記載)、或いは高分子末端又は側鎖に無機微粒子と任意の化学結合を形成しうる官能基を有する樹脂(例えば、特開2007−238929号公報、特開2007−238930号公報等に記載)等を適宜用いることが望ましい。
また、ウエハレベルレンズの形成に用いられる樹脂組成物には、シリコン系、フッ素系、長鎖アルキル基含有化合物等の公知の離型剤やヒンダードフェノール等の酸化防止剤等の添加剤が適宜配合されていてもよい。
更に、ウエハレベルレンズの形成に用いられる樹脂組成物には、必要に応じて、硬化触媒又は開始剤を配合することができる。具体的には、例えば、特開2005−92099号公報段落番号〔0065〕〜〔0066〕等に記載の熱又は活性エネルギー線の作用により硬化反応(ラジカル重合或いはイオン重合)を促進する化合物を挙げることができる。これらの硬化反応促進剤の添加量は、触媒や開始剤の種類、或いは硬化反応性部位の違いなどによって異なり一概に規定することはできないが、一般的には樹脂組成物の全固形分に対して0.1質量%〜15質量%程度が好ましく、0.5質量%〜5質量%程度がより好ましい。
本発明のウエハレベルレンズの作製に用いる樹脂組成物は、上記成分を適宜配合して製造することができる。この際、液状の低分子モノマー(反応性希釈剤)等に他の成分を溶解することができる場合には、別途溶剤を添加する必要はないが、このケースに当てはまらない場合には溶剤を用いて各構成成分を溶解することにより樹脂組成物を製造することができる。該樹脂組成物に使用できる溶剤としては、組成物が沈殿することなく、均一に溶解又は分散されるものであれば特に制限はなく適宜選択することができ、具体的には、例えば、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)、エステル類(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル等)、エーテル類(例えば、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等)アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、エチレングリコール等)、芳香族炭化水素類(例えば、トルエン、キシレン等)、水等を挙げることができる。樹脂組成物が溶剤を含む場合には該組成物を基板及び/又は型の上にキャストし溶剤を乾燥させた後にモールド形状転写操作を行うことが好ましい。
基板10は、レンズ12の成形材料と同じものを用いることができる。また、基板10が可視光に対して透明なガラスなどの材料からなるものであれば、レンズ12の成形材料とは異なる材料により形成されていてもよい。この場合には、基板10を形成する材料としては、レンズ12を形成する材料と線膨張係数が同じか極めて近い材料であることが好ましい。レンズ12を形成する材料と基板10を形成する材料との線膨張係数が互いに同じか近似する場合には、撮像ユニットへのウエハレベルレンズのリフロー実装において、線膨張率が異なることで生じる加熱時のレンズ12の歪みや割れを抑制しうる。
なお、図1及び図2中に図示してはいないが、基板10の光入射側の面には、赤外線フィルタ(IRフィルタ)が形成されていてもよい。
以下、図3〜図8を参照して、ウエハレベルレンズの形態及び作製について、ウエハレベルレンズアレイの作製方法の例にとり、具体的に説明する。
〔ウエハレベルレンズの形態及び作製(1)〕
−レンズの形成−
まず、図3及び図4(A)〜(C)を参照して、基板10上にレンズ12を形成する方法について説明する。
ここで、図3は、基板10に、レンズ形成用の樹脂組成物である成形材料(図3中にMと記載)を供給している状態を示す図である。
また、図4(A)〜(C)は、基板10にレンズ12を型60で成形する手順を示す図である。
図3に示すように、基板10のレンズ12を成形する部位にディスペンサ50を用いて成形材料Mを滴下する。ここでは、供給する1つの部位には、1つのレンズ12に相当する量の成形材料Mが供給される。
基板10に成形材料Mを供給した後、基板10の成形材料Mを供給された面側に、図4(A)に示すように、レンズ12を成形するための型60を配置する。
ここで、型60には、レンズ12の形状を転写するための凹部62が、所望のレンズ12の数に応じて設けられている。
図4(B)に示すように、型60を基板10上の成形材料Mに押し付け、成形材料Mを凹部62の形状に倣って変形させる。そして、型60を成形材料Mに押し付けた状態で、成形材料Mが熱硬化性樹脂や紫外線硬化性樹脂の場合には、型60の外側から熱又は紫外線を照射して、成形材料Mを硬化させる。
成形材料Mを硬化させた後、図4(C)に示すように、型60から基板10及びレンズ12を離型する。
−遮光膜の形成−
次に、図5(A)〜(C)を参照して、レンズ12の周縁部に遮光膜14を形成する方法について説明する。
ここで、図5(A)〜(C)は、レンズ12が成形された基板10に遮光膜14を設ける工程を示す概略断面図である。
遮光膜14の形成方法は、基板10上に、本発明の黒色硬化性組成物を塗布して遮光性塗布層14Aを形成する遮光性塗布層形成工程(図5(A)参照。)と、該遮光性塗布層14Aを、マスク70を介してパターン露光する露光工程(図5(B)参照。)と、露光後の遮光性塗布層14Aを現像して未硬化部を除去し、パターン状の遮光膜14を形成する現像工程(図5(C)参照。)と、を含む。
なお、遮光膜14の形成は、レンズ12を作製する前でも、レンズ12を作製した後でも任意に行うことができるが、ここでは、レンズ12を作製した後の方法について詳述する。
以下、遮光膜14の形成方法における各工程について説明する。
<遮光性塗布層形成工程>
遮光性塗布層形成工程では、図5(A)に示すように、基板10上に、黒色硬化性組成物を塗布して該黒色硬化性組成物からなる光反射率の低い遮光性塗布層14Aを形成する。このとき、遮光性塗布層14Aは、基板10の表面、及び、レンズ12のレンズ面12aとレンズ縁部12bの表面を全て覆うように形成される。
本工程に用いうる基板10としては、特に制限はない。例えば、ソーダガラス、無アルカリガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、石英ガラス、及び透明樹脂等が挙げられる。
なお、ここで言う基板10とは、レンズ12と基板10を一体形成する態様においては、レンズ12と基板10の両方を含む形態を言う。
また、これらの基板10上には、必要により、上部の層との密着改良、物質の拡散防止、或いは基板10表面の平坦化のために、下塗り層を設けてもよい。
基板10及びレンズ12上に黒色硬化性組成物を塗布する方法としては、スリット塗布、スプレー塗布法、インクジェット法、回転塗布、流延塗布、ロール塗布、スクリーン印刷法等の各種の塗布方法を適用することができる。
黒色硬化性組成物の塗布直後の膜厚としては、塗布膜の膜厚均一性、塗布溶剤の乾燥のし易さの観点から、0.1μm〜10μmが好ましく、0.2μm〜5μmがより好ましく、0.2μm〜3μmが更に好ましい。
基板10上に塗布された遮光性塗布層14Aの乾燥(プリベーク)は、ホットプレート、オーブン等を用い、50℃〜140℃の温度で10秒〜300秒で行うことができる。
黒色硬化性組成物の乾燥後の塗布膜厚(以下、適宜、「乾燥膜厚」と称する)は、所望の遮光性などの性能から任意に選択することができ、概ね0.1μm以上50μm未満の範囲である。
<露光工程>
露光工程では、遮光性塗布層形成工程において形成された遮光性塗布層14Aをパターン状に露光する。パターン露光は走査露光でもよいが、図5(B)に示すように、所定のマスクパターンを有するマスク70を介して露光する態様が好ましい。
本工程における露光においては、遮光性塗布層14Aのパターン露光は、所定のマスクパターンを介して露光し、この露光により遮光性塗布層14Aのうち光照射された部分だけを硬化する。ここでは、レンズ縁部12bの表面とレンズ12間の基板10の表面に光を照射するマスクパターンを用いる。こうすることで、レンズ面12aを除く領域の遮光性塗布層14Aのみが光照射によって硬化し、この硬化領域が遮光膜14を形成することとなる。
露光に際して用いることができる放射線としては、特に、g線、h線、i線等の紫外線が好ましく用いられる。この放射線は単一波長の光源であってもよいし、高圧水銀灯のように全ての波長を含んだ光源を用いてもよい。
<現像工程>
次いで、アルカリ現像処理(現像工程)を行うことにより、露光における光未照射部分、即ち、遮光性塗布層14Aの未硬化領域をアルカリ水溶液に溶出させ、光照射により硬化した領域だけを残す。
具体的には、図5(B)に示すように露光された遮光性塗布層14Aは、現像されることにより、図5(C)に示すように、レンズ面12aに形成された遮光性塗布層14Aのみが除去され、それ以外の領域に硬化された遮光膜14が形成される。
現像工程で用いられる現像液(アルカリ性水溶液)に含まれるアルカリ剤としては、有機又は無機のアルカリ剤、及びそれらの組み合わせのいずれも用いることができる。本発明における遮光膜形成においては周囲の回路などに損傷を与えがたいという観点からは有機アルカリ剤を用いることが望ましい。
現像液に用いるアルカリ剤としては、例えば、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ−[5、4、0]−7−ウンデセンなどの有機アルカリ性化合物(有機アルカリ剤)、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の無機化合物(無機アルカリ剤)等が挙げられ、これらのアルカリ剤を濃度が0.001質量%〜10質量%、好ましくは0.01質量%〜1質量%となるように純水で希釈したアルカリ性水溶液が現像液として好ましく使用される。
現像温度としては、通常20℃〜30℃であり、現像時間は20秒〜90秒の範囲で行なわれる。
なお、このようなアルカリ性水溶液からなる現像液を使用した場合には、一般に現像液により塗布膜の未露光部を除去した後、純水で洗浄(リンス)する。即ち、現像処理後には、余剰の現像液を純水により十分に洗浄、除去し、更に、乾燥工程に付す。
なお、上述した、遮光性塗布層形成工程、露光工程、及び現像工程を行った後に、必要に応じて、形成された遮光膜(遮光パターン)を、加熱(ポストベーク)及び/又は露光により硬化する硬化工程を含んでいてもよい。
ポストベークは、硬化を完全なものとするための現像後の加熱処理であり、通常100℃〜250℃の熱硬化処理を行う。ポストベークの温度、及び時間などの条件は、基板10又はレンズ12の素材により、適宜設定することができる。例えば、基板12がガラスである場合は上記温度範囲の中でも180℃〜240℃が好ましく用いられる。
このポストベーク処理は、現像後に形成された遮光膜14を、上記条件になるようにホットプレートやコンベクションオーブン(熱風循環式乾燥機)、高周波加熱機等の加熱手段を用いて、連続式或いはバッチ式で行うことができる。
なお、以上の手順では、レンズ12の形状が凹状である場合を例に説明したが、形状は特に限定されず、凸状や非球面の形状であってもよい。また、上記手順では、基板10の一方の面に複数のレンズ12が成形されたウエハレベルレンズを例に説明したが、基板10の両方の面に複数のレンズ12が成形された構成としてもよく、その場合には、両方の面に、レンズ面を除く領域にパターン状の遮光膜14が形成される。
〔ウエハレベルレンズの形態及び作製(2)〕
図6は、ウエハレベルレンズアレイの他の構成例を示す図である。
図6に示すウエハレベルレンズは、基板10とレンズ12とを同一の成形材料で同時に成形した構成(モノリシックタイプ)である。
このようなウエハレベルレンズを作成する際には、成形材料としては上述したものと同じものを用いることができる。また、この例では、基板10の一方の面(図中の上側の面)には、凹状のレンズ12が複数形成され、他方の面(図中の下側の面)には、凸状のレンズ20が複数形成されている。また、基板10のレンズ面12aを除く領域、つまり、基板10の表面及びレンズ縁部12bの表面にパターン状の遮光膜14が形成されている。遮光膜14を形成する際のパターニング方法としては、上述した手順を適用することができる。
〔ウエハレベルレンズの形態及び作製(3)〕
次に、図7(A)〜(C)及び図8(A)〜(C)を参照して、ウエハレベルレンズアレイの更なる他の構成例と、それを作製する手順について説明する。
ここで、図7(A)〜(C)は、パターン状の遮光膜14を形成する他の工程を示す概略図である。
また、図8(A)〜(C)は、まず、パターン状の遮光膜14を形成した後、レンズ12を成形する工程を示す概略図である。
図3〜図6に示すウエハレベルレンズアレイの例では、レンズ12が設けられた基板10にパターン状の遮光膜14を形成するものであったが、以下に説明する手順では、まず、基板10にパターン状の遮光膜14を形成した後、基板10にレンズ12を成形する手順である。
−遮光膜の形成−
先ず、図7(A)に示すように、基板10上に黒色硬化性組成物を塗布して遮光性塗布層14Aを形成する遮光性塗布層形成工程を行う。
その後、基板10上に塗布された遮光性塗布層14Aの乾燥をホットプレート、オーブン等で50℃〜140℃の温度で10秒〜300秒で行う。黒色硬化性組成物の乾燥膜厚は、所望の遮光性などの性能から任意に選択することができ、概ね0.1μm以上50μm未満の範囲である。
次に、図7(B)に示すように、遮光性塗布層形成工程において形成された遮光性塗布層14Aを、マスク70を介してパターン状に露光する露光工程を行う。マスク70は、所定のマスクパターンを有する。
本工程における露光においては、遮光性塗布層14をパターン露光することで、遮光性塗布層14Aのうち光照射された部分だけを硬化する。ここでは、後工程でレンズ12を成形した際にレンズ12のレンズ開口14aとなる部位を除く領域の遮光性塗布層14Aにのみ光を照射するマスクパターンを用いる。この方法によりレンズ12のレンズ開口14aとなる部位を除く領域の遮光性塗布層14Aのみが光照射によって硬化する。なお、露光に際して用いることができる放射線としては、先に説明した手順と同様に、g線、h線、i線等の紫外線が好ましく用いられる。
次いで、アルカリ現像処理(現像工程)を行うことにより、上記パターン露光における遮光性塗布層14Aの未硬化領域であるレンズ12のレンズ開口14aに相当する領域の遮光性塗布層14Aのみがアルカリ水溶液に溶出される。この際、図7(C)に示すように、レンズ12のレンズ開口14aの領域を除く領域の光硬化した遮光性塗布層14Aが基板10上に残存して、遮光膜14を形成する。
ここで、現像液であるアルカリ水溶液中のアルカリ剤としては、先に説明した手順と同じものを用いることができる。
現像処理後は、その後、余剰の現像液を洗浄除去し、乾燥を施す。
本実施形態においても、上述した、遮光性塗布層形成工程、露光工程、及び現像工程を行った後に、必要により、形成された遮光膜を上述のポストベーク及び/又は露光により硬化する硬化工程を施してもよい。
本発明の黒色硬化性組成物は、例えば、塗布装置吐出部のノズル、塗布装置の配管部、塗布装置内等に付着した場合でも、公知の洗浄液を用いて容易に洗浄除去することができる。この場合、より効率の良い洗浄除去を行うためには、本発明の黒色硬化性組成物に含まれる溶剤として前掲した溶剤を洗浄液として用いることが好ましい。
また、特開平7−128867号公報、特開平7−146562号公報、特開平8−278637号公報、特開2000−273370号公報、特開2006−85140号公報、特開2006−291191号公報、特開2007−2101号公報、特開2007−2102号公報、特開2007−281523号公報などに記載の洗浄液も、本発明の黒色硬化性組成物の洗浄除去用の洗浄液として好適に用いることができる。
洗浄液としては、アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレート、又はアルキレングリコールモノアルキルエーテルを用いることが好ましい。
洗浄液として用いうるこれら溶剤は、単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
溶剤を2種以上を混合する場合、水酸基を有する溶剤と水酸基を有しない溶剤とを混合してなる混合溶剤が好ましい。水酸基を有する溶剤と水酸基を有しない溶剤との質量比は、1/99〜99/1、好ましくは10/90〜90/10、更に好ましくは20/80〜80/20である。混合溶剤としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)とプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)の混合溶剤で、その比率が60/40であることが特に好ましい。
なお、黒色硬化性組成物に対する洗浄液の浸透性を向上させるために、洗浄液には、黒色硬化性組成物が含有しうる界面活性剤として前掲した界面活性剤を添加してもよい。
−レンズの形成−
次に、遮光膜14を形成後に、レンズ12を形成する工程について説明する。
図8(A)に示すように、パターン状の遮光膜14が形成された基板10の上に、レンズ12を構成する成形材料Mがディスペンサ50により滴下される。成形材料Mは、レンズ12のレンズ開口14aに相当する領域を覆うように、該開口に隣接する遮光膜14の端部を一部含むように供給される。
基板10に成形材料Mを供給した後、基板10の成形材料Mを供給された面側に、図8(B)に示すように、レンズを成形するための型80を配置する。型80には、レンズ12の形状を転写するための凹部82が、所望のレンズ12の数に応じて設けられている。
型80を基板10上の成形材料Mに押し付け、成形材料Mを凹部の形状に倣って変形させる。そして、型80を成形材料Mに押し付けた状態で、成形材料Mが熱硬化性樹脂や紫外線硬化性樹脂の場合には型の外側から熱又は紫外線を照射することで、成形材料Mを硬化させる。
成形材料Mを硬化させた後、型80から基板10及びレンズ12を離型し、図8(C)に示すように、基板10にパターン状の遮光膜14を備えるウエハレベルレンズを得る。
上述のように、ウエハレベルレンズに備えられるパターン状の遮光膜14は、図5に示すようにレンズ12のレンズ面12aを除く領域に設けた構成だけでなく、図8(C)に示すように、遮光膜14をレンズ12のレンズ開口14aを除く領域に設けた構成としてもよい。
ウエハレベルレンズは、基板10の少なくとも一方の表面にパターン上に形成された、光反射率が低い遮光膜14によって、レンズ12のレンズ面12a又はレンズ開口14a以外の領域で遮光を十分にしつつ、反射光の発生を抑制できる。このため、固体撮像素子を備えた撮像モジュールに適用した場合に、撮像時に反射光に伴うゴーストやフレアといった不具合の発生を防止できる。
また、遮光膜14は基板の表面に設けられるため、ウエハレベルレンズに別の遮光部材などを取り付ける必要がなく、製造コストの増加を抑えることができる。
なお、前掲した特許文献2に示される構成のように、レンズの周囲に表面が凹凸の構造物を設ける構成の場合には、該構造物に入射した光が反射又は発散することで、ゴースト等の不具合が生じやすいことが懸念される。そこで、図5に示すようにレンズ12のレンズ面12aを除く領域にパターニングされた遮光膜14を設けた構成とすれば、レンズ面12a以外では光を遮光することができ、光学性能を改善できる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。但し、実施例19及び20は参考例である。なお、特に断りのない限り、「部」、「%」は、質量基準である。
[合成例1]
(樹脂(J−1)の合成)
特定樹脂である樹脂(J−1)を、次のようにして合成した。
マクロモノマー(下記構造、N−1)55g(GPC法における重量平均分子量(ポリスチレン換算値)3,500)、モノマー(前記した例示化合物M−1におけるRがメチル基である下記構造のB−1)35g、メタクリル酸10g、及びドデカンチオール6gをプロピレングリコールモノメチルエーテル233gに加え、窒素雰囲気下、75℃で一時間攪拌した。ここに、2,2’−ビスイソ酪酸ジメチル(V−601、和光純薬製)0.5gを加え、2時間加熱した。さらに、2,2’−アゾビス(イソ酪酸メチル)0.5gを加え、2時間加熱した。その後、90℃で2時間加熱した後、放冷し、樹脂(J−1)の30wt%溶液を得た。
スキームを以下に示す。
なお、合成例1に用いたマクロモノマー(N−1)、モノマー(B−1)、及びメタクリル酸は、それぞれ特定樹脂を構成するマクロモノマー(b−3)、モノマー(b−1)、及びモノマー(b−2)に、それぞれ該当するものである。
[合成例2〜13]
樹脂(J−2)〜(J−18)の合成
合成例1に用いたマクロモノマー(N−1)、モノマー(B−1)、メタクリル酸を、下記表1に示すマクロモノマーの種類、及び各モノマーの種類と量とに変更した以外は、合成例1と同様の操作を行い、特定樹脂である樹脂(J−2)〜(J−18)を得た。
得られた特定樹脂(J−1)〜(J−18)の重量平均分子量、アミン価、および酸価を表2にまとめて示した。
表1中に示すマクロモノマー(N−2)は、東亜合成(株)製「AA−6」(GPC法における重量平均分子量(ポリスチレン換算値)6,500)、(N−3)はダイセル化学工業(株)製「プラクセルFA10L」(GPC法における重量平均分子量(ポリスチレン換算値)3,000)、(N−4)及び(N−5)は下記に示す構造のマクロモノマー((N−4):重量平均分子量(ポリスチレン換算値)13,000、(N−5):重量平均分子量(ポリスチレン換算値)21,000)である。
表1中に示すモノマー(M−7)、(M−17)、(M−37)、(M−40)、(M−47)及び(M−48)は、モノマー(b−1)の具体例として例示したモノマーである。また、モノマー(M−66)は、モノマー(b−2)の具体例として例示したモノマーである。
なお、特定樹脂のアミン価は、0.1規定の過塩素酸(酢酸溶媒)を滴定液として測定し、酸価は0.1規定の水酸化ナトリウム水溶液を滴定液として測定した。
<実施例1〜実施例38>
(分散液の調整)
下記(組成I)に示す成分を二本ロールにて高粘度分散処理を施し、分散物を得た。なお、高粘度分散処理の前にニーダーで30分間混練した。
なお、各樹脂(J−1)〜(J−18)は予めプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(以下、「PGMEA」と称する。)に溶解し、30質量%とした。
(組成I)
・チタンブラックA又はチタンブラックB(表3、表4に記載) 45部
・各樹脂(J−1)〜(J−18)の30質量%PGMEA溶液 5部(固形分1.5部)
なお、チタンブラックAは三菱マテリアル株式会社製チタンブラック12S(平均一次粒子径60nm)、チタンブラックBは三菱マテリアル株式会社製チタンブラック13MT(平均一次粒子径90nm)である。
得られた分散物に、表3、表4に示す樹脂(J−1)〜(J−18)及びPGMEA150部を添加し、3,000rpmの条件でホモジナイザーを用いて3時間攪拌した。得られた混合液を、0.3mm径のジルコニアビーズを用いた、分散機(商品名:ディスパーマット GETZMANN社製)にて4時間微分散処理を施して、チタンブラック分散液を得た。なお、表3、表4に示す括弧内の数字は、添加した樹脂の固形分値である。
(黒色硬化性組成物の調製)
上記のチタンブラック分散液に、下記の(組成II)の組成を加えて、攪拌機で混合して、実施例1〜実施例38の各黒色硬化性組成物を調製した。
(組成II)
・アルカリ可溶性樹脂:表3、表4に記載の樹脂D−1〜樹脂D−4(構造は下記に示す)、いずれも30質量%PGMEA溶液 (表3、表4に記載の量)
・重合性化合物:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 15.0部
・重合性化合物:ペンタエリスリトールトリアクリレート 5.0部
・重合開始剤:表3、表4に記載の化合物(構造を下記に示す。)20.0部
・溶剤:PGMEA 50部
・γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 0.1部
・フッ素系界面活性剤(DIC社製、メガファックF171) 0.05部
<実施例39>
(錫組成物を用いた黒色硬化性組成物の調製)
60℃に保温した純水200mlに錫コロイド(平均1次粒子径:20nm、固形分:20質量%、住友大阪セメント社製)15gと、銀コロイド(平均1次粒子径:7nm、固形分:20質量%、住友大阪セメント社製)60gと、ポリビニルピロリドン0.75gを水100mlに溶解した溶液とを加え、コロイド溶液とした。
次いで、このコロイド溶液を60℃に保持した状態で60分間攪拌し、その後、超音波を5分間照射した。次いでこのコロイド溶液を遠心分離により濃縮し、固形分が25%のA液を得た。A液をフリーズドライ方法により乾燥し、粉末試料を得た。
実施例5において、チタンブラックAの代わりに前記で得た銀錫粉末を用いた以外は、実施例5の黒色硬化性組成物の調製と同様にして黒色硬化性組成物を得た。
<実施例40及び41>
(チタンブラックと有機顔料とを用いた黒色硬化性組成物の調製)
(チタンブラックと有機顔料とを用いた黒色硬化性組成物の調製)
実施例5において、チタンブラックAの代わりに、チタンブラックAとC.I.Pigment Red254との混合物(質量比 チタンブラックA/Pigment Red254=80/20)、又はチタンブラックとC.I.Pigment Orange36の混合物(質量比 チタンブラックA/Pigment OrangePO36=80/20)をそれぞれ用いた以外は、実施例5の黒色硬化性組成物の調製と同様にして実施例40及び41の黒色硬化性組成物を得た。
<比較例1〜3>
(黒色硬化性組成物の調製)
実施例1におけるチタンブラックAをチタンブラックBに、特定樹脂及び特定アルカリ可溶性樹脂を表4に記載の樹脂にそれぞれ変更した以外は、実施例1の黒色硬化性組成物の調製と同様にして比較例1〜3の黒色硬化性組成物を得た。
なお、DISPERBYK−112及びDISPERBYK−180は、ビックケミー社製の分散樹脂である。
<比較例4>
(カーボンブラックを用いた黒色硬化性組成物の調製)
実施例1におけるチタンブラックAをカーボンブラック(東海カーボン社製 トーカブラック#7400、平均1次粒子径28nm)に変更し、それ以外は実施例1の黒色硬化性組成物の調製と同様にして比較例4の黒色硬化性組成物を調製した。
実施例1〜41、および比較例1〜4の黒色硬化性組成物に用いた特定樹脂、または比較用樹脂、アルカリ可溶性樹脂、および重合開始剤を表3、表4に示す。また用いた重合開始剤は下記に示す化合物(C−1)〜(C−6)である。
〔ガラス基板上でのウエハレベルレンズ用遮光膜の作成及び評価〕
(塗布工程)
5cm×5cmのガラス基板(厚さ1mm、Schott社製、BK7)に、加熱処理後の膜厚が2.0μmになるように、スピンコートの塗布回転数を調整して、実施例1〜41および比較例1〜4の黒色硬化性組成物を均一に塗布し、表面温度120℃のホットプレートにより120秒間加熱処理した。このようにして、膜厚2.0μmの黒色硬化性組成物層を得た。
(露光工程)
次いで、得られた黒色硬化性組成物層を、高圧水銀灯を用い、図9に示すパターンを有するフォトマスクを介して露光量100mJ/cmから1000mJ/cmまで50mJ/cmずつ露光量を変更し露光した。図9で2の部分が中心部に直径0.1mmの円状のホール部を有する0.2×0.2mmの矩形の大パターン、3の部分が10μmのラインアンドスペースを有する格子状の微細パターンである。
(現像工程)
前記露光後の黒色硬化性組成物層に対し、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドの0.3%水溶液を用い、23℃で60秒間パドル現像を行った。その後スピンシャワーにてリンスを行いさらに純水にて水洗して、パターン状の遮光膜を得た。
<ガラス基板上での現像性(残渣)評価>
微細パターンが現像時にはがれなくなった最少露光量(密着感度B)において、パターン50個分のガラス上の現像部を透過型電子顕微鏡(SEM)により観察し、残渣の個数のパターン1個あたりの平均値を求めた。残渣の個数が少ないほど、現像性が良好であることを示す。評価結果をまとめて表5に示す。
<ガラス基板上での密着性評価>
ガラス基板上に各黒色硬化性組成物層を形成し、露光・現像・リンスを施して得られた遮光膜付基板を用いて以下の評価を行った。
大パターン及び微細パターンのそれぞれが現像時に剥がれなくなった最小露光量をそれぞれ密着感度A及び密着感度Bとした。密着感度が低いほど密着性が高く、又、大パターン及び微細パターンの密着感度の差が小さいほど、パターン形成性が良好である。
<ガラス基板上での膜厚均一性の評価>
前記塗布工程で調製した膜厚2.0μmの黒色硬化性組成物層を有する基板の中央部から対角線方向に縁部から10mm内部の部分までの厚みを触針式膜厚計DECTAC−3(アルバック社製)により測定した。厚みムラを下記の式で表し、「%」で表示した。
厚みムラ=(中央部の厚み−縁部30mm内側の厚み)/中央部の厚み
<基板上での遮光性の評価>
上記で作成した黒色硬化性組成物層をガラスウエハ上に形成した基板を用いて、400nm〜800nmの波長領域における最大の透過率を分光光度計(島津製作所製 UV−3600)で測定した。数値が小さい程良好である。最大透過率が1%未満の場合は遮光性が良好であることを示す。
評価結果をまとめて表5に示す。
表5より、本発明の黒色硬化性組成物を用いることにより、大パターン及び微細パターンの密着感度が向上し、且つ未露光部の残渣が抑制できることが分かる。
また、チタンブラックを用いた黒色硬化性組成物は、ウエハレベルレンズ用の遮光膜を作製するのに適した黒色硬化性組成物を提供することができる。
さらに、表4に示されるように、無機顔料としてチタンブラックを含有する実施例1〜37の黒色硬化性組成物は、チタンブラック以外の無機顔料を含有する実施例39の黒色硬化性組成物との対比において、特に密着感度に優れていることがわかる。また、実施例40及び実施例41の黒色硬化性組成物のごとく、チタンブラックと赤色有機顔料とを併用することで遮光性はさらに向上することがわかる。
〔実施例42〕
実施例4と同様にしてパターン状の遮光膜形成した基板の上に、レンズ用硬化性組成物((脂環式エポキシ樹脂(ダイセル化学社製EHPE−3150)にアリールスルホニウム塩誘導体(ADEKA社製SP−172)を1質量%添加して組成物)を用いて、硬化性樹脂層を形成し、レンズ形状を持つ石英モールドで形状を転写して高圧水銀ランプにより400mJ/cmの露光量で硬化させることにより、ウエハレベルレンズを複数有するウエハレベルレンズアレイを作製した。
作製されたウエハレベルレンズアレイを切断し、これにレンズモジュールを作製した後に、撮像素子及びセンサ基板を取り付け、撮像ユニットを作製した。
実施例42で得られたウエハレベルレンズは、レンズ開口部に残渣物が無く良好な透過性を有し、かつ遮光層の部分の塗布面の均一性が高く、遮光性が高いものであった。
10 基板
12 レンズ
14 遮光膜

Claims (9)

  1. (A)無機顔料、(B)(b−1)アミノ基および含窒素へテロ環基から選択された少なくとも1つの基を有するモノマーと、(b−2)アクリル酸及びメタクリル酸から選択された少なくとも1つのモノマーと、(b−3)重量平均分子量が1,000以上50,000以下のマクロモノマーとを含む共重合体、(C)重合開始剤、(D)重合性化合物、及び(E)不飽和二重結合を有するアルカリ可溶性樹脂を含有するウエハレベルレンズ用黒色硬化性組成物。
  2. 前記(A)無機顔料が、チタンブラックである請求項1に記載のウエハレベルレンズ用黒色硬化性組成物。
  3. 前記(B)共重合体の含有量が、前記(A)無機顔料に対して質量基準で0.15以上0.35以下である請求項1又は請求項2に記載のウエハレベルレンズ用黒色硬化性組成物。
  4. 前記(C)重合開始剤が、オキシムエステル化合物又はヘキサアリールビイミダゾール化合物である請求項1〜請求項のいずれか1項に記載のウエハレベルレンズ用黒色硬化性組成物。
  5. 前記(C)重合開始剤が、下記(C−1)又は下記(C−2)の構造式で表される化合物である請求項1〜請求項のいずれか1項に記載のウエハレベルレンズ用黒色硬化性組成物。
  6. 前記(A)無機顔料が、平均一次粒子径30nm以上65nm以下のチタンブラックである請求項1〜請求項のいずれか1項に記載のウエハレベルレンズ用黒色硬化性組成物。
  7. さらに、(F)有機顔料を含有する請求項1〜請求項のいずれか1項に記載のウエハレベルレンズ用黒色硬化性組成物。
  8. 基板上に存在するレンズの周縁部に、請求項1〜請求項のいずれか1項に記載のウエハレベルレンズ用黒色硬化性組成物を用いて得られた遮光膜を有するウエハレベルレンズ。
  9. 請求項に記載のウエハレベルレンズを備えるカメラモジュール。
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