以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。ただし、図面中、各部の寸法、比率等は、実際のものと完全に一致するようには図示されていない場合がある。また、図面によっては、説明の都合上、本来装備されている部品が取り外され、図示されていない場合がある。
まず、実施例の商品仕分システム1000の概略構成について図面を参照しつつ説明する。図1は、商品仕分システム1000のブロック図である。図2は、商品仕分システム1000に含まれる商品仕分装置100の斜視図である。図4は、トレイユニット120に番重10を載置した状態の正面図である。図5は、重番スライド機構126及びトレイユニット駆動部106の説明図である。図6(A)は、分解した重番スライド機構126及びトレイユニット駆動部106を正面から見た状態を示す説明図である。図6(B)は、組み立てた番重スライドユニット126及びトレイユニット駆動部106を正面から見た状態を示す説明図である。図7(A)はトレイユニット120に番重10が載置された状態を示し、図7(B)はトレイユニット120に番重10が固定された状態を示し、図7(C)はトレイユニット120に固定された番重10がトレイユニット駆動部106により手前側に移動した状態を示す説明図である。
商品仕分システム1000は、商品仕分装置100を備えている。商品仕分装置100は、図2に示すように、ベイ筐体110内に配置可能なキャリー部130を備えている。キャリー部130は、フレーム131と、このフレーム131に装着されたキャスター132を有する。また、フレーム131には、押込みシャフト133を備えている。押込みシャフト133は、出荷される商品が投入される番重10(出荷商品番重群400)を移動させる台車11をベイ筐体110内に押し込むときに使用される。なお、以後の説明において、図2に示すように商品仕分装置100の装置の右側、左側、手前側、奥側を設定する。
キャリー部130には、複数のトレイユニット120が実装されている。トレイユニット120は、ベイ筐体110に対しそれぞれ出没可能に設けられると共に、上下方向に積層して配置されている。トレイユニット120は、商品が投入される番重10をそれぞれ支持する。各トレイユニット120は、それぞれトレイユニット駆動部106によってベイ筐体110に対し出没可能とされている。トレイユニット駆動部106は、それぞれI/O(Input/Output)105に接続されている。I/O105はCPU(Central Processing Unit)104に接続されている。CPU104はLAN(Local Area Network)103及びHUB102を介してコンピュータである制御部101に接続されている。
制御部101には、HUB102を介して表示コントローラ107が接続されている。表示コントローラ107には、複数の表示器108と表示灯109が接続されている。表示器108は図2に示すようにベイ筐体110の正面側に装備される。そして、各トレイユニット120に対する操作の指示を表示する。
図3は、トレイユニット120の分解斜視図及び組立後のトレイユニット120の斜視図である。トレイユニットは、手前側トレイ枠121と奥側トレイ枠122を備えている。手前側トレイ枠121は側面に掛合穴121aを備えている。奥側トレイ枠122は側面に掛合穴122aを備えている。奥側トレイ枠122には、位置決めピン122bが設けられている。奥側トレイ枠122は、手前側トレイ枠121と奥側トレイ枠122とは対向配置され、連結シャフト123によって接続されている。連結シャフト123は、奥側トレイ枠122に固定されており、手前側トレイ枠121は、連結シャフト123に対し摺動自在である。これにより、手前側トレイ枠121と奥側トレイ枠122との距離は伸縮可能となっている。なお、連結シャフト123は、手前側トレイ枠121に固定され、奥側トレイ枠122が連結シャフト123に対し摺動自在としてもよい。
手前側トレイ枠121及び奥側トレイ枠122には、それぞれ受け部材124が装着されている。受け部材124には、図4に示すように番重10が載置される。手前側トレイ枠121に装着される受け部材124にのみ、把手124aが装着されている。奥側トレイユニット122の側面には、手前側から奥側に向かって延びるレールユニットマウント部材125が装着されている。レールユニットマウント部材125は、掛合穴122aが設けられた側と反対側の側面に装着されている。手前側トレイ枠121及び奥側トレイ枠122の掛合穴121a、122aが設けられた側には、番重スライドユニット126が設けられている。番重スライドユニット126は、番重10をトレイユニット120に固定するために用いられる。
番重スライドユニット126は、スライドマウント部材126aを備えている。スライドマウント部材126aには、二本の位置決めピン126a1とその外側に二本の掛合ピン126a2が設けられている。位置決めピン126a1は、番重10をトレイユニット120に固定するときに番重10に当接する。二本の掛合ピン126a2は、それぞれ掛合穴121a1、122a1に挿入され、スライドマウント部材126aを手前側トレイ枠121及び奥側トレイ枠122に対し、接近及び離間可能な状態としている。
スライドマウント部材12aの側方には断面L字状の固定マウント部材126bが配置されている。固定マウント部材126b上には、ソレノイドアクチュエータ126cが搭載されている。ソレノイドアクチュエータ126cは、図7に示すように出没ピン部材126c1を備えている。出没ピン部材126c1は、固定マウント部材126bを貫通し、スライドマウント部材126aに固定されている。これによりスライドマウント部材126aは、左右方向にスライド移動可能となっている。なお、スライドマウント部材126aは、図5に示すように掛合ピン126a2の裏側にガイドピン126dを備えている。ガイドピン126dは、固定マウント部材126bを貫通している。
レールユニットマウント部材125の下側及び固定マウント部材126bの下側にはそれぞれレールユニット127が配置されている。レールユニット127は、それぞれレール部材127aとこのレール部材127a状を滑る滑動部材127bを備えている。レールユニット127は、それぞれ左側レール敷設部材128a、右側レール敷設部材128b上に設けられている。
各トレイユニット120は、それぞれ昇降ユニット129を備えている。昇降ユニット129は、番重積み上げ機構の一例に相当する。すなわち、逆の動作をすることにより、番重10の設置と積み上げを行うことができる。昇降ユニット129は、駆動モータ129aを備えている。駆動モータ129aからは第1ピニオン部129bが延びている。第1ピニオン部129bの先端部には笠歯車による方向転換部129cが設けられている。方向転換部129cの先には第2ピニオン部129dが配置されている。第1ピニオン部12b及び第2ピニオン部129dは図16に示すようにキャリー部130のフレーム131に立設されたラック柱134aに噛み合い、昇降動作を実現する。昇降ユニット129は取付マウント部材129eを備えている。取付マウント部材129eはL字状の部材である。取付マウント部材129eの一辺は、左側レール敷設部材128aに取り付けられている。取付マウント部材129eの他の辺には駆動モータ129aが装着されている。取付マウント部材129eの一辺には、2個のガイド部材129fが設けられている。なお、ガイド部材129fは、右側レール敷設部材128bにも設けられている。図16に示すようにガイド部材129fが備えるガイド穴は、キャリー部130のフレーム131に立設されたガイド柱134bに挿通される。
各トレイユニット120は、図5、図6(A)及び図6(B)に示すように、それぞれ、トレイユニット駆動部106を備えている。トレイユニット駆動部106は、図4に示すようにトレイユニット120に支持された番重10をベイ筐体110の手前側へ送り出す。また、後に詳述する重量確認部135により、商品投入完了と判定がされたときに、番重10をベイ筐体110内に引き込む。トレイユニット駆動部106は、ブラケット106aを備える。ブラケット106a上には、上述した番重スライドユニット126とモータ106bが搭載されている。モータ106bには小プーリ106cが装着され、ブラケット106a上に回転自在に立設された大プーリ106dとの間に駆動ベルト106eが張設されている。トレイユニット駆動部106は、摩擦プレート106fを備える。摩擦プレート106fは、断面L字状の部材であり、ソレノイドアクチュエータ126cを覆うように固定マウント部材126b上に配置され、固定される。摩擦プレート106fには、大プーリ106dが接触し、摩擦力によりトレイユニット120を手前側及び奥側に移動させる。なお、大プーリ106dは、ガイド部材129fとの間に位置しており、両者は干渉しない。
トレイユニット120は、図7(A)に示すように番重10が載置されると、次いで、ソレノイドアクチュエータ126cが稼動する。そして、図7(B)に示すようにスライドマウント部材126aが出没ピン部材126c1によって押し出され、掛合ピン126a2が掛合穴121a1及び掛合穴122a1に挿入される。また、同時に位置決めピン126a1が番重10を押し出して、位置決めピン122bとの間に番重10を固定する。そして、トレイユニット駆動部106のモータ106dが稼動すると、図7(C)に示すように番重10が手前側に移動する。モータ106bが逆回転すれば、番重10は奥側に戻される。
トレイユニット120は、重量検知ユニット135を備えている。重量検知ユニット135は、図8に示すように、手前側の受け部材124上に搭載されている。図8(A)は重量検知ユニット135が受け部材124に取り付けられる様子を示す説明図であり、図8(B)は受け部材124に取り付けられた重量検知ユニット135の側面図である。重量検知ユニット135は、ブラケット135a上に搭載された半導体圧力センサ136bを備えている。また、支柱135dに支持された受圧板135cを備えている。図9は、重量検知ユニット135のブロック図である。半導体圧力センサ136bには、増幅回路135e、ADコンバータ135f、マイコン(マイクロコンピュータ)135gと接続されている。そして、さらに、後述する上量確認部1016に接続されている。番重10は、半導体圧力センサ136bによって下側から支持される。このため、重量検知ユニット135は、番重10内に商品が投入されたことによる圧力の変化を検知する。半導体圧力センサ136bにおいてアナログ値として取得された圧力信号は、デジタル変換され、マイコン135gによる演算により重量値に変換される。重量確認部1016は、トレイユニット120に支持される番重10に投入された商品の重量に基づいて商品の投入完了を判定することができる。
商品仕分システム1000は、照明装置140を備えている。図10(A)はベイ筐体10と照射装置140との位置関係を示す説明図であり、図10(B)は番重10に照射装置140の光が照射される様子を模式的に示す説明図である。図11(A)は照射装置140の斜視図であり、図11(B)は照射装置140の下面図である。また、図12は照射装置140のブロック図である。図13は照射装置140により番重内の商品配置位置が表示された例を示す説明図である。照射装置140は、ベイ筐体110の手前側に引き出された番重10に光を照射することがきるように、ベイ筐体110の手前側上方に設けられている。具体的には、図11に示すように吊り下げ部材141によって吊り下げられている。照射装置140は、下面側に整列配置された複数の光電センサ142を備えている。光電センサ142に代えて、他の照明を備えてもよいが、光の拡散が少ないものが望ましい。各光電センサ142はPLC(Power Line Communications)に接続され、さらに、LANを介して制御部101に接続されている。制御部101内の番重内配置割当部1018により点灯パターン指示が発せられるとその指示に従って光電センサ142が点灯する。すると、図13に示すように商品の形状に対応した領域が照射される。作業者は、照射された通りに商品を詰め込めば、効率的な商品投入を行うことができる。
つぎに、商品仕分システム1000が備える制御部(コンピュータ)101について図14を参照しつつ説明する。図14は、制御部101のハード構成の一例を示すブロック図である。制御部101は、ハードディスク101a、CPU(Central Processing Unit)101b、メモリ101cを備えている。また、制御部101は、ジャンクションボックス制御ドライバ101d、ネットワークコントローラ101eを備えている。制御部101は、LANを通じてシーケンサ136、ジャンクションボックス137に接続されている。図15は、制御部101の機能ブロック図の一例である。制御部101は、入荷商品情報入力部1010、受注明細引当部1011、番重割当部1012、仕分開始状態確認部1013、番重開閉指示部1014の機能を果たす。また、制御部101は、表示器点灯・消灯指示部1015、重量確認部1016、番重段積み指示部1017、番重内配置割当部1018の機能を果たす。受注明細引当部1011として機能する制御部101は、入荷商品情報入力部1010により入力された入荷商品情報を各店舗(出荷先)の受注明細に引き当てる。番重割当部1012として機能する制御部101は、店舗(出荷先)とトレイユニット120とを一対一に関連付けることによって入荷商品を各トレイユニット120に割り当てる。
つぎに、図16、図17を参照しつつ、番重10のトレイユニット120への設置について説明する。各店舗へ配送される番重10は、複数積み上げられて台車11に搭載され、出荷商品番重群400として準備されている。出荷商品番重群400は、図17(A)に示すようにベイ筐体110内から引き出されたキャリー部130内へ、図17(B)に示すように押し込められる。このとき、各トレイユニット120は、上下方向に接近した状態に纏められ、最も下側に位置している。また、手前側トレイ枠121は奥側トレイ枠122から離されている。これにより、出荷商品番重群400を側方からキャリー部130へ押し込むことができる。そして、図17(C)に示すように台車11に当接する押込みシャフト133を押し込むと、出荷商品番重群400は奥側に移動する。これにより、番重10の下縁に設けられた凹部10aに奥側の受け部材124が入り込む。そして、手前側トレイ枠121をそれぞれ押し込むことにより各番重10の凹部10aに手前側の受け部材124が入り込む。これにより、各番重10は、トレイユニット120に指示される。その後、キャリー部130をベイ筐体110内へ戻す。キャリー部130がベイ筐体110内へ戻された後は、昇降ユニット129により各番重10を所定の位置まで上昇させる。昇降ユニット129は各トレイユニット120が備えているので、番重10は個別に所定の位置まで上昇することができる。
図18は、商品仕分システム1000による商品仕分けの流れの概略を示す説明図である。aは、作業者200が上述のように番重10を商品仕分装置100にセットする作業を示している。bは、aとは別途に入荷商品番重群300から入荷の情報を入力する作業を示している。読み取られた情報は、入荷商品情報入力部1010に記憶される。そして、cは、受注明細引当部1011において入荷商品情報が各店舗の受注明細に引き当てられ、さらに、入荷商品が番重に割り付けられる処理を示している。dは、作業者200が商品を投入する作業を示している。作業者200は、自動的に引き出される番重10に対し、照射装置140によって配置位置を指示された通りに商品を詰め込む。eは、商品の投入が完了し、再び重ねられた番重10を商品仕分装置100から取り出した状態を示している。
図19は、商品情報入力処理の一例を示すフロー図である。図20(A)は入荷商品情報の一例を示す図であり、図20(B)は商品の受注明細の一例を示す図であり、図20(C)はトレイユニット120と店舗との関連づけの一例を示す図である。商品情報入力処理は、制御部101において行われる。
まず、ステップS1において入荷商品情報が入力される。入荷商品情報は、作業者が入荷した商品に貼付された伝票をスキャンすることによって入荷商品情報入力部1010に入力される。入荷商品情報には、商品の種類と数量が含まれる。例えば、図20(A)に例示するように、商品Aが14個入荷、商品Bが4個入荷というような情報が入力される。
また、入荷商品情報の入力とは別途に受注明細情報が入力されている。受注明細には、図15(B)に例示されているように、出荷先である店舗101から商品Aを4個受注、店舗102から商品Aを10個受注、店舗101から商品Bを3個受注というような情報が含まれる。なお、このとき、各商品の情報として、単品重量と入数が含まれる。例えば、A商品は、単品重量85gで入数20という情報である。ここで、入数とは、単一の商品を一の番重10に詰め込むことができる最大数を意味する。例えば、A商品だけを番重10に詰め込む場合、最大で20個の商品Aを詰め込むことができることを意味している。
ステップS1に引き続き行われるステップS2では、受注明細引当部1011が受注明細引当処理を行う。具体的には、A商品について入荷した14個のうち、4個を店舗101に割り当て、10個を店舗102へ割り当てる。商品Aの合計受注数は、店舗101の4個、店舗102の10個、店舗102の5個の合計19個であるため、店舗103分の5個が不足する。この不足する5個については、次のバッチに回す。商品B、商品Cについても同様の処理を行う。
ステップS3では、番重割当部1012がトレイユニット(番重)120と店舗とを一対一に関連付ける。これにより、商品をトレイユニット120に割り当てる。まず、図15(C)に示すように、トレイユニット120すなわち番重10と割り当て対象となる店舗を一対一に関連づける。ここでは、便宜上、各トレイユニット120に配置される番重10にX001、X002・・・、の名称を付けている。トレイユニット120と店舗とが関連づけられることにより、どのトレイユニット120にどの商品がいくつ投入されるかのデータが作成される。図21は、入荷商品の番重への割り当て(割り振り)データの一例を示す図である。番重X001には、商品Aが4個、商品Bが3個、商品Cが3個割り振られている。作成されたデータは保存される。このとき、番重の寸法に関する情報(番重情報)も取り込んでおく。番重の寸法は、番重10の縦方向及び横方向の寸法である。
ステップS4では、使用される全番重10に対して割り当て処理が完了したか否かを判断する。全ての番重10に対する処理が完了しているときは処理は終了となる。一方、処理が完了していないときは、Yes判定がされるまでステップS1〜ステップS4までの処理を繰り返す。
なお、一の店舗が複数のスライダユニット120が一の店舗用に用いられる場合もある。また、一部のスライダユニット120のみが使用され、一部のスライダユニット120は使用されない場合もある。
つぎに、仕分制御処理について図22を参照しつつ説明する。仕分処理制御は、ソフトウェアによって動作する制御部101が、シーケンサ136を通じて商品仕分システム1000に含まれる各ハードウェアに対し指示を出すことによって行われる。図22は、商品仕分システムの動作の一例を示すフロー図である。商品仕分けは、入荷した商品毎に行う。例えば、商品A、商品B、商品Cの3種ルの商品が入荷した場合、まず、商品Aについて仕分けを行う。そして、順に商品Bの仕分け、商品Cの仕分けを行う。
ステップS10において仕分開始状態確認部1013が、商品仕分装置100の状態が仕分開始状態となっているか否かを判断する。この判断は、重量検知ユニット135が空状態の番重10の重量を検知しているか否かによって行われる。ステップS11において、番重10のセットが完了していると判断したときは、ステップS12へ進む。一方、完了していないとの判断がされたときは、エラー表示がされる。ステップS12では、ステップS3で作成したデータを取得する。具体的には、どの番重10にどの商品をどれだけ投入するかのデータを取得する。
まず、商品Aの仕分けを行う。ステップS13では、番重開閉指示部1014によるスライダ開口指示及び表示器108の点灯指示、さらに、照射装置140の点灯指示を行う。指示された番重10は自動で開閉する。すなわち、トレイユニット駆動部106は、トレイ駆動指示部1013の指示に基づいて、番重10を手前側に移動させたり、奥側に引き入れたりする。開口した番重に対応する表示器108は、表示器点灯・消灯指示部1015の指示に基づいて投入する商品名と数量を表示する。また、照射装置140は後に図24を参照して詳述する配置割当措置によって作成される図27にデータに基づいて照射位置が決定される。ステップS14は、作業者200による仕分作業である。作業者200により商品が投入されると商品仕分システム1000が備える重量検知ユニット135は、重量の変化を検知する。そして、ステップS15において、重量確認部1016による重量チェックが行われる。重量チェックは、検出された重量が間口割当データ内に記憶されている合計重量との比較することにより行われる。検出された重量が記憶されたデータと一致すれば、その間口に対する商品仕分は完了したと判断される。すなわち、重量確認部1016は、トレイユニット120に支持される番重10に投入された商品の重量に基づいて商品の投入完了を判定する。ステップS16において1間口分の仕分が完了したと判断したときは、次の番重の商品投入に移る。ステップS16でNoと判断したときは、作業者200による商品投入が継続される。ステップS16でYesと判断したときは、ステップS17へ進む。ステップS17では、番重開閉指示部1014の指示により番重10が閉口される。また、表示器点灯・消灯指示部1015により表示器108が消灯される。一の番重10に対して仕分処理が完了したときは、仕分実績情報を更新する。図23は、商品の仕分実績情報の一例を示す図である。今回のバッチで仕分けされなかった分、例えば、5個の商品Aについては次回のバッチにおける受注情報に引き継がれる。
ステップS18では、セットされている全番重10に対して仕分けが完了したか否かを判断する。ステップS18でYesと判断すると、商品Aの仕分けが完了したことになる。そして、ステップS19へ進む。商品Aの仕分けが完了した直後のステップS19では、商品B、商品Cの仕分けが残っているため、Noと判断する。そして、商品B、商品Cの仕分けを行う。入荷商品が商品A〜Cの3種類だった場合、商品Cの仕分け後完了後におけるステップS19では、Yesと判断される。そして、ステップS20へ進む。
ステップS20では、番重10の払出し指示を行う。これにより、番重段積み指示部1017より番重段積み指示が出される。すなわち、使用された全てのトレイユニット120(番重10)に対して商品投入完了判定がされると、番重10は自動的に積み上げられる。具体的には、昇降ユニット129により全ての番重10が下降し、積み上げられる。そして、各トレイユニット120においてソレノイドアクチュエータ126cが稼動して、掛合穴121a1、122a1から掛合ピン126a2が抜き取られる。これにより、キャリー部130はベイ筐体110から引き出すことができる。キャリー部130を米筐体110から引き出した後に、各トレイユニット120における手前側トレイ枠121を引けば、番重10は、出荷商品番重群400として商品仕分装置100から取り出すことができる。取り出された出荷商品番重群400は、出荷待機場所に送られるか、又は、搬送トラックに積み込まれる。
ここで、商品を番重10に投入する際に行われる番重内配置割当処理について図24乃至図27を参照しつつ説明する。番重内配置割当処理は、番重内配置割当部1018により行われる。図24は、番重内配置割当処理の一例を示すフロー図である。図25は、番重10の寸法と番重10内に配置される商品の寸法の一例を示す説明図である。図26は、番重内配置割当の演算過程を示す説明図である。図27は、番重内配置割当の演算結果の一例を示す説明図である。
一例として、番重X001に投入するように振り分けられた入荷商品が商品A4個、商品B3個、商品Cが3個である場合について説明する。番重10の寸法は、縦(長手)×横(短手)=50cm×40cm=2000cm2である。なお、説明の都合上、図25に示すように番重の上下左右及びX軸、Y軸を設定する。
商品Aの寸法は、5cm×20cm=100cm2である。そして、商品Aは4個であるから、4個の商品Aが占める面積は、4×100cm2=400cm2である。商品Bの寸法は、10cm×30cm=300cm2である。そして、商品Bは3個であるから、3個の商品Bが占める面積は、3×300cm2=900cm2である。商品Cの寸法は、10cm×20cm=200cm2である。そして、商品Cは3個であるから、3個の商品Cが占める面積は、3×200cm2=600cm2である。
まず、ステップS51において番重寸法の取得を行う。この処理は、図19に示すフロー図におけるステップS3で取得した情報を参照することができる。ステップS52では、商品の配置割当の対象となる番重を決定する。そして、ステップS53では、番重寸法が商品合計寸法よりも大きいか否かを判断する。図25に示す例の場合は、番重寸法が2000cm2であるのに対し商品合計寸法が1900(400cm2+900cm2+600cm2)cm2であるので、Yesと判断する。一方、Noと判断したときはエラー表示を行う。ここで、商品Aは入数20であるので、割り当てられた商品Aが4個の場合は、4/20で番重寸法の20%を占める。同様に、商品Bは入数6であるので、割り当てられた商品Bが3個の場合は、3/6で番重寸法の50%を占める。同様に商品Cは入数10であるので、商品Cが3個の場合は、3/10で番重寸法の30%を占める。これらを合計すると100%であるため、同一の番重10に詰め込む余地があると判断する。例えば、各商品の占有割合の合計が100%を越える場合は、越えた分について同一の番重に入れることができないことになる。この場合、超過した分の商品については、次のバッチの対象とする。または、同一店舗用に用いる番重の数を増やしてセットすることによって対処することもできる。
ステップS54では、番重10の短手よりも長い商品が存在するか否かを判断する。この判断を行うのは、仮に短手方向よりも長い商品が存在する場合、その商品は、長手方向に沿わせて配置するしかないので、この商品を優先して配置位置を決定する意図である。例えば、番重の短手方向よりも長い商品がある場合に、これ以外の商品を先に配置決定してしまうと、この長い商品を配置することができるスペースが確保できなくなる。これを回避するために、長い商品の配置が優先される。ステップS54でYesと判断するときは、ステップS55へ進む。ステップS55では、最も長い商品から配置位置を獲得するように分配する。ステップS54でNoと判断したときはステップS56へ進む。ステップS56では、仕分順が早い順に配置位置を獲得するように分配する。図25に示す例では、商品A、商品B、商品Cの順であるので、まず、商品Aから分配する。
ステップS55又はステップS56に引き続き行われるステップS57では、番重の最奥の長さを配置長の基準として設定する。ここで、商品は、番重の一番奥、すなわち、X方向、Y方向共に原点0から最も遠い位置から配置していく方針とする。このとき、できるだけ商品の長手方向を番重の短手方向に一致させて配置する。全く商品が配置されていない状態から最初の商品の配置が決定される場合、配置長は、短手方向に一致するY方向の長さである40cmとなる。ステップS58では、対象1ピースの配置パターンにより、配置長以下で最長となるパターンを選択する。すなわち、商品の縦方向、横方向共に配置弔意かである場合は、縦方向を選択して縦方向を配置長方向に沿わせる。ステップS59では、配置パターンの有無が判断される。本実施例では、対象1ピースが、1個の商品Aである。このため、最長となるパターンは、図26(A)に示すように20cmとなる。これにより、図27に示すように商品AのNo.1の配置座標は、左上位置のX軸が原点より45cmの位置、Y軸が原点より40cmの位置となる。図27に示すように同時に右上位置、左下位置、右下位置も一義的に決定され、配置パターンは存在する。
ステップS59でYesと判断したときは、ステップS60へ進む。ステップS60では、対象1ピースについて番重内配置を決定する。決定した座標データ番重内配置割当データとして記憶される。ステップS60に引き続き行われるステップS61では、1商品について配置が完了したか否かを判断する。商品Aの場合は、4個の配置が完了したかの判断を行う。4個全ての配置が決定されていない場合はステップS57からの処理を繰り返す。商品Aに関し、1個目の配置が完了した後は、2個面の配置を決定する。このとき、ステップS57では、図26(A)に示すように配置長が20cmとされる。そして、ステップS58で、配置長20cm以下で最長となるパターンが選択する。商品Aの長手方向は20cmであるから配置長と一致し、1個目の商品の下側のスペースに配置される。商品Aについては、図26(C)、図26(D)に示すように1個目の商品、2個目の商品と同様の要領で配置が決定される。
一方、ステップS59において配置パターンがない場合は、ステップS62へ進む。ステップS62では、次点の横幅(Y方向)を配置長として設定し直す。例えば、図26(C)に示すように、3個目の商品Aが配置された後の配置長は20cmであるが、次に配置される商品に配置長以下の長さが存在しない場合、次点の配置長として40cmが設定されることになる。なお、図26(C)に示す状態では、次に配置設定されるのが商品Aであるので、配置長以下の長さが存在するため、配置長はそのまま20cmである。同様に図26(E)に示すように、4個の商品Aと1個の商品Bが配置された後の配置長は10cmであるが、次に配置される商品に配置長以下の長さが存在しない場合、次点の配置長として40cmが設定されることになる。ステップS62に引き続き行われるステップS63では、次点の長さが存在するか否かを判断する。例えば、番重10の原点0に近い側の端まで商品の配置が終わっているときなどは、次点の配置長を決定することができない。このような場合は、Noと判断し、エラー表示をする。一方、ステップS63でYesと判断したときは、ステップS58からの処理を繰り返す。
4個目の商品Aについて配置が完了すると、ステップS61でYesと判断すると、ステップS64へ進む。ステップS64では、ひとつの番重内の全商品の配置が完了したか否かを判断する。商品Aのみの配置決定が完了した段階では、ステップS64でNoと判断され、ステップS55からの処理を繰り返す。商品Aの配置決定が完了した後は、ついで、商品Bについて配置決定を行う。4個の商品Aについて配置が決定された状態は図26(D)に示す如くである。この状態における配置長は40cmであるので、1個目の商品Bは、図26(E)に示すように長手方向が番重の短手方向(Y方向)に沿うように配置が決定される。この状態で配置長は10cmとなる。2個目の商品BについてのステップS58では、配置長以下で最長となるのは、商品Bの短手寸法の10cmである。このため、2個目の商品Bについては、図26(F)に示す状態、すなわち、商品Bの長手方向が番重の長手方向に沿った状態に配置決定される。図26(F)に示す状態で、配置長は30cmである。3個目の商品BについてのステップS58では、配置長以下で最長となるのは、商品Bの長手方向寸法の30cmである。このため、3個目の商品Bについては、図26(G)に示す状態、すなわち、商品Bの長手方向が番重の短手方向に沿った状態に配置決定される。図26(G)に示す状態で、配置長は30cmである。
3個目の商品Bについて配置決定した後のステップS61では、Yesと判断され、ステップS64へ進む。ステップS64では、ひとつの番重内の全商品の配置が完了したか否かを判断する。商品A及び商品Bの配置決定が完了した段階では、ステップS64でNoと判断され、ステップS55からの処理を繰り返す。商品Bの配置決定が完了した後は、ついで、商品Cについて配置決定を行う。4個の商品A、3個の商品Bについて配置が決定された状態は図26(G)に示す如くである。この状態における配置長は30cmであるので、1個目の商品Cは、図26(H)に示すように長手方向が番重の短手方向(Y方向)に沿うように配置が決定される。この状態で配置長は10cmとなる。2個目の商品CについてのステップS58では、配置長以下で最長となるのは、商品Cの短手寸法の10cmである。このため、2個目の商品Cについては、図26(I)に示す状態、すなわち、商品Cの長手方向が番重の長手方向に沿った状態に配置決定される。図26(I)に示す状態で、配置長は20cmである。3個目の商品CについてのステップS58では、配置長以下で最長となるのは、商品Cの長手方向寸法の20cmである。このため、3個目の商品Cについては、図26(J)に示す状態、すなわち、商品Cの長手方向が番重の短手方向に沿った状態に配置決定される。
以上で、ひとつの番重に投入される商品の配置が決定されたことになる。従って、3個目の商品Cに対するステップS61では、Yesと判断し、さらに、ステップS64でもYesと判断してステップS65へ進む。ステップS65では、全番重の配置が完了したか否かを判断する。ステップS65でNoと判断したときは、ステップS52からの処理を繰り返す。そして、ステップS65でYesと判断したときは、処理は終了となる。
ステップS65でYesと判断するまでに、図27に示す番重内配置割当情報が作成される。番重内配置割当情報は、商品の配置位置を番重内の座標で示したものである。商品の仕分けが行われるとき、図22に示すフロー図のステップS13において照射装置140の点灯指示が出される。照射装置140の点灯指示は、図27に示す番重内配置割当情報に基づいて発せられる。これにより、図13に示すように、番重10内に商品の配置が浮かび上がる。作業者200は、この照射位置に合せて商品を配置していく。これにより、作業者200の負担が軽減され、また、短時間で効率よく番重10内に商品を投入することができる。
実施例の商品仕分システム1000によれば、重量確認部1016により番重内に投入された商品の過不足が判断できるため、作業者による商品の投入ミスを回避することができる。また、番重内配置割当部1018により番重内の商品の配置が指示されるため、作業者は即座に商品の効率的な詰め込みを行うことができる。また、商品の詰め込みが完了した番重10は、自動的に段積みされるので作業者の負担が軽減され、作業効率も向上する。
また、商品は、配置割当に従って投入されるため、無理に詰め込まれることがなく、商品同士が押し合って商品の損傷が軽減される。また、商品投入の対象となる番重10は自動的にベイ筐体110から引き出されるため、番重10の間違いが抑制される。
以上本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。