JP5678213B2 - アルミニウム合金板 - Google Patents
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Description
本願は、2012年6月15日に日本国特許庁に出願された日本国特許出願第2012−135622号及び2012年10月30日に日本国特許庁に出願された日本国特許出願第2012−239301号の利益を主張し、その開示内容は参照により本願に組み込まれる。
本発明は、陽極酸化処理後に板断面の板厚中央部で帯状の筋模様が発生しないような、陽極酸化処理後の板断面品質に優れたアルミニウム合金板に関する。
近年、自動車用内装部品、家電用外板へのアルミニウム合金板の適用が増加している。いずれの場合も、製品になった際に優れた表面品質が求められている。例えば、家電用外板の場合、陽極酸化処理後に板表面に筋模様が発生しないことが求められる。そして、これまで、筋模様を防止するための検討は種々行われ、化学成分、最終板の結晶粒径、析出物の寸法及び分布密度などを制御する方法が提案されている。
一方、アルミニウム合金板の使用の多様化に伴って、板表面のみならず板断面の意匠性も要求されている。具体的には、陽極酸化処理後、板断面に筋模様が発生しないことが求められている。この課題を解決するために、板断面の結晶粒を均一にする方法が提案されている。しかし、この方法では帯状筋模様の発生に対する改善効果が得られない場合があり、十分な解決策とはなっていない。
発明者らは、アルミニウム合金板の陽極酸化処理後における板断面の帯状筋模様の発生の問題を解決するために、種々の試験、検討を行った。その結果、発明者らは、アルミニウムに対して包晶反応を示す包晶元素及びアルミニウムに対して共晶反応を示すMgを含有するアルミニウム合金において、固溶状態で存在する包晶元素及びMgの存在状態が陽極酸化処理後における板断面の帯状筋模様の発生に影響することを見出した。
本発明は、前記の知見に基づいてなされたものであり、本発明の1側面では、陽極酸化処理後に板断面の板厚中央部で帯状の筋模様が発生しないような、陽極酸化処理後の板断面品質に優れたアルミニウム合金板を提供することが望ましい。
本発明の第1局面にかかる、陽極酸化処理後の板断面品質に優れたアルミニウム合金板は、少なくとも板厚方向の断面部分である板断面に陽極酸化処理被膜が形成されるアルミニウム合金板において、該アルミニウム合金板は、少なくとも、アルミニウムに対して包晶反応を示す元素である包晶元素として、Ti:0.001%〜0.1%(質量%、以下同じ)、Cr:0.0001%〜0.4%のうち1種又は2種を含有し、かつアルミニウムに対して共晶反応を示すMg:1.0%〜6.0%を含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなり、前記アルミニウム合金板の板厚をt(mm)、t/2部分を基準として±0.01×t(mm)の範囲を板厚中央部、t/4部分を基準として±0.01×t(mm)の範囲を板厚1/4部、最表層部分から板厚方向に0.02×t(mm)までの範囲を板厚表層部とした場合、前記アルミニウム合金板の板厚方向における固溶状態の前記包晶元素の濃度において、前記板厚中央部と前記板厚1/4部の濃度の差及び前記板厚中央部と前記板厚表層部の濃度の差が0.04%以下であり、かつ、前記アルミニウム合金板の板厚方向における固溶状態の前記Mgの濃度において、前記板厚中央部と前記板厚1/4部の濃度の差及び前記板厚中央部と前記板厚表層部の濃度の差が0.4%以下であることを特徴とする。
本発明の第1局面にかかる、陽極酸化処理後の板断面品質に優れたアルミニウム合金板は、前記包晶元素として、Ti:0.001%〜0.1%、Cr:0.0001%〜0.4%のうち1種又は2種を含有することを特徴とする。
本発明の第1局面にかかる、陽極酸化処理後の板断面品質に優れたアルミニウム合金板は、前記Mg:1.0%〜6.0%を含有することを特徴とする。
本発明の第2局面にかかる、陽極酸化処理後の板断面品質に優れたアルミニウム合金板は、第1局面のアルミニウム合金板において、前記包晶元素及び前記Mgと共に、Cu:0.5%以下、Mn:0.5%以下、Fe:0.4%以下、Si:0.3%以下のうちの1種又は2種以上を含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなることを特徴とする。
本発明の第3局面にかかる、陽極酸化処理後の板断面品質に優れたアルミニウム合金板は、第1局面又は第2局面のアルミニウム合金板において、前記アルミニウム合金板の板厚が0.3mm以上であることを特徴とする。
本発明の1側面によれば、陽極酸化処理後に板断面の板厚中央部で帯状の筋模様が発生しないような板断面品質に優れたアルミニウム合金板が提供される。なお、板断面(板厚方向の断面部分)については、圧延方向と平行な方向、圧延方向と直角をなす方向、その他のいずれの方向における板断面であっても、1側面の本発明の効果を奏することができる。
本実施形態では、アルミニウム合金板の板厚方向における固溶状態の包晶元素の濃度において、板厚中央部と板厚1/4部の濃度の差、及び板厚中央部と板厚表層部の濃度の差が0.04%以下であり、かつ、アルミニウム合金板の板厚方向における固溶状態のMgの濃度において、板厚中央部と板厚1/4部の濃度の差、及び板厚中央部と板厚表層部の濃度の差が0.4%以下であることを特徴とする。この特徴をそなえたアルミニウム合金板を陽極酸化処理すると、板断面の板厚中央部で帯状の筋模様が発生することがなく、板断面品質の優れた陽極酸化処理アルミニウム合金板を得ることができる。即ち、板断面品質が優れているとは、一例では板断面の板厚中央部で帯状の筋模様が発生していない状態が意図される。
前記の板厚中央部、板厚1/4部、板厚表層部について説明する。板厚をt(mm)とした場合、図1に示すように、板厚中央部とは、t/2部分を基準として±0.01×t(mm)の範囲をいう。板厚1/4部とは、t/4部分を基準として±0.01×t(mm)の範囲をいう。板厚表層部とは、最表層部分から板厚方向に0.02×t(mm)までの範囲をいう。
アルミニウム合金板の板厚方向における固溶状態の包晶元素の濃度において、板厚中央部と板厚1/4部の濃度の差、及び板厚中央部と板厚表層部の濃度の差が0.04%を超えた場合、又はアルミニウム合金板の板厚方向における固溶状態のMgの濃度において、板厚中央部と板厚1/4部の濃度の差、及び板厚中央部と板厚表層部の濃度の差が0.4%を超えた場合、板断面の板厚中央部で発生する帯状の筋模様の厚さは、板厚をt(mm)とした場合、0.05〜0.15×t(mm)程度となる場合がある。この場合、陽極酸化処理後、目視で筋模様を判別し易くなる。即ち、優れた表面品質が得られない場合がある。板厚tに関しては、目視で陽極酸化処理後の断面が認識できる厚さであればよく、特に限定されないが、好ましくは0.3mm以上、さらに好ましくは0.5mm以上である。
陽極酸化処理後、包晶元素及びMgは固溶状態で陽極酸化皮膜に取り込まれ、本実施形態の特徴を有するアルミニウム合金板を陽極酸化処理した場合には、陽極酸化処理されたアルミニウム合金板においても、陽極酸化皮膜に取り込まれた固溶状態の包晶元素の濃度については、板厚中央部と板厚1/4部の濃度の差、及び板厚中央部と板厚表層部の濃度の差が0.02%以下となり、かつ、陽極酸化皮膜に取り込まれた固溶状態のMgの濃度については、板厚中央部と板厚1/4部の濃度の差、及び板厚中央部と板厚表層部の濃度の差が0.08%以下となる。
また、アルミニウム合金板において、固溶状態のMgの濃度の高い領域が偏在すると、当該領域とその周囲との濃度差により、陽極酸化処理後の陽極酸化皮膜に模様を呈するようになる。これは陽極酸化皮膜にMgが固溶状態で取り込まれることに起因すると考えられる。従って、高濃度領域が帯状であると、筋模様として見えることになる。
固溶状態の包晶元素及びMgの濃度については、電子線マイクロアナライザー(EPMA)を用いて、1〜5μm径の電子線を照射して発生する蛍光X線から測定する点分析を行う。これにより、板厚中央部、板厚1/4部、板厚表層部における各濃度を求める。
好ましい包晶元素としては、Ti及びCrが挙げられる。
Ti:0.001%〜0.1%
Tiは鋳造組織の粗大化を抑制するよう機能する。好ましい含有量は0.001%〜0.1%である。Tiの含有量が0.001%以上である場合、鋳造組織の粗大化を抑制する効果が、際立って大きくなり得る。0.1%以下である場合、粗大な金属間化合物の生成が抑制され、陽極酸化処理後に板断面で現れる筋模様が際立って見えにくくなり得る。0.001%未満では鋳造組織の粗大化を抑制する機能が場合によっては充分ではなくなる可能性がある。0.1%を超えると、粗大な金属間化合物が生成して、陽極酸化処理後に金属間化合物を原因とした筋模様が発生する場合がある。
Cr:0.0001%〜0.4%
Crはアルミニウム合金板の強度を高め、結晶粒を微細化するよう機能する。好ましい含有量は0.0001%〜0.4%である。Crの含有量が0.0001%以上である場合、アルミニウム合金板の強度を高める効果及び結晶粒を微細化する効果の少なくとも何れかが際立って大きくなり得る。0.4%以下である場合、粗大な金属間化合物の生成が抑制され、陽極酸化処理後に板断面で現れる筋模様が際立って見えにくくなり得る。0.0001%未満では純度の高い地金を使用する必要が生じる場合がある。この場合、高コスト化につながる可能性があり、工業用材料として現実的でない。したがって、アルミニウム合金板の強度を高める効果、結晶粒を微細化させる効果を十分に得るためには、含有量を0.0001%以上とすることが好ましい。また、0.4%を超えると粗大な金属間化合物が生成して、陽極酸化処理後に金属間化合物を原因とした筋模様が発生する場合がある。
Ti:0.001%〜0.1%
Tiは鋳造組織の粗大化を抑制するよう機能する。好ましい含有量は0.001%〜0.1%である。Tiの含有量が0.001%以上である場合、鋳造組織の粗大化を抑制する効果が、際立って大きくなり得る。0.1%以下である場合、粗大な金属間化合物の生成が抑制され、陽極酸化処理後に板断面で現れる筋模様が際立って見えにくくなり得る。0.001%未満では鋳造組織の粗大化を抑制する機能が場合によっては充分ではなくなる可能性がある。0.1%を超えると、粗大な金属間化合物が生成して、陽極酸化処理後に金属間化合物を原因とした筋模様が発生する場合がある。
Cr:0.0001%〜0.4%
Crはアルミニウム合金板の強度を高め、結晶粒を微細化するよう機能する。好ましい含有量は0.0001%〜0.4%である。Crの含有量が0.0001%以上である場合、アルミニウム合金板の強度を高める効果及び結晶粒を微細化する効果の少なくとも何れかが際立って大きくなり得る。0.4%以下である場合、粗大な金属間化合物の生成が抑制され、陽極酸化処理後に板断面で現れる筋模様が際立って見えにくくなり得る。0.0001%未満では純度の高い地金を使用する必要が生じる場合がある。この場合、高コスト化につながる可能性があり、工業用材料として現実的でない。したがって、アルミニウム合金板の強度を高める効果、結晶粒を微細化させる効果を十分に得るためには、含有量を0.0001%以上とすることが好ましい。また、0.4%を超えると粗大な金属間化合物が生成して、陽極酸化処理後に金属間化合物を原因とした筋模様が発生する場合がある。
包晶元素以外の添加元素について説明する。
Mg:1.0%〜6.0%
Mgはアルミニウム合金板の強度を高めるよう機能する。好ましい含有量は1.0%〜6.0%である。Mgの含有量が1.0%以上である場合、アルミニウム合金板の強度を高める効果が大きくなり得、6.0%以下である場合、良好な圧延性が得られ得る。1.0%未満では強度を高める効果が場合によっては十分に得られない可能性がある。6.0%を超えると場合によっては熱間圧延時に割れが発生し易くなり、圧延が困難になる場合がある。
Cu:0.5%以下
Cuはアルミニウム合金板の強度を高め、陽極酸化処理後の皮膜全体の色調を均質にするよう機能する。好ましい含有量は0.5%以下である。Cuの含有量が0.5%以下である場合、陽極酸化処理後に板断面で現れる筋模様が際立って見えにくくなり得、陽極酸化処理後の皮膜全体の色調が際立って均質になり得る。0.5%を超えるとAl−Cu系の析出物を形成し、金属間化合物を原因とした筋模様や皮膜の混濁が発生する場合がある。
Mg:1.0%〜6.0%
Mgはアルミニウム合金板の強度を高めるよう機能する。好ましい含有量は1.0%〜6.0%である。Mgの含有量が1.0%以上である場合、アルミニウム合金板の強度を高める効果が大きくなり得、6.0%以下である場合、良好な圧延性が得られ得る。1.0%未満では強度を高める効果が場合によっては十分に得られない可能性がある。6.0%を超えると場合によっては熱間圧延時に割れが発生し易くなり、圧延が困難になる場合がある。
Cu:0.5%以下
Cuはアルミニウム合金板の強度を高め、陽極酸化処理後の皮膜全体の色調を均質にするよう機能する。好ましい含有量は0.5%以下である。Cuの含有量が0.5%以下である場合、陽極酸化処理後に板断面で現れる筋模様が際立って見えにくくなり得、陽極酸化処理後の皮膜全体の色調が際立って均質になり得る。0.5%を超えるとAl−Cu系の析出物を形成し、金属間化合物を原因とした筋模様や皮膜の混濁が発生する場合がある。
なお、ここでの「0.5%以下」とは、0%を含まない。すなわち、0%を超え0.5%以下であることを意味する。以下に説明するMn、Fe、Siも同様である。
Mn:0.5%以下
Mnはアルミニウム合金板の強度を高め、結晶粒を微細化するよう機能する。好ましい含有量は0.5%以下である。Mnの含有量が0.5%以下である場合、陽極酸化処理後、板断面に現れる筋模様が際立って見えにくくなり得、陽極酸化処理後の皮膜全体の色調が際立って均質になり得る。0.5%を超えるとAl−Mn−Si系の晶出物や析出物を形成し、金属間化合物を原因とした筋模様や皮膜の混濁が発生する場合がある。
Fe:0.4%以下
Feはアルミニウム合金板の強度を高め、結晶粒を微細化するよう機能する。好ましい含有量は0.4%以下である。Feの含有量が0.4%以下である場合、陽極酸化処理後、板断面に現れる筋模様が際立って見えにくくなり得、陽極酸化処理後の皮膜全体の色調が際立って均質になり得る。0.4%を超えるとAl−Fe−Si系、Al−Fe系の晶出物や析出物を形成し、金属間化合物を原因とした筋模様や皮膜の混濁が発生する場合がある。
Si:0.3%以下
Siはアルミニウム合金板の強度を高め、結晶粒を微細化するよう機能する。好ましい含有量は0.3%以下である。Siの含有量が0.3%以下である場合、陽極酸化処理後、板断面に現れる筋模様が際立って見えにくくなり得、陽極酸化処理後の皮膜全体の色調が際立って均質になり得る。0.3%を超えるとAl−Fe−Si系の晶出物やMg−Si系の析出物を形成し、金属間化合物を原因とした筋模様や皮膜の混濁が発生する場合がある。
Mn:0.5%以下
Mnはアルミニウム合金板の強度を高め、結晶粒を微細化するよう機能する。好ましい含有量は0.5%以下である。Mnの含有量が0.5%以下である場合、陽極酸化処理後、板断面に現れる筋模様が際立って見えにくくなり得、陽極酸化処理後の皮膜全体の色調が際立って均質になり得る。0.5%を超えるとAl−Mn−Si系の晶出物や析出物を形成し、金属間化合物を原因とした筋模様や皮膜の混濁が発生する場合がある。
Fe:0.4%以下
Feはアルミニウム合金板の強度を高め、結晶粒を微細化するよう機能する。好ましい含有量は0.4%以下である。Feの含有量が0.4%以下である場合、陽極酸化処理後、板断面に現れる筋模様が際立って見えにくくなり得、陽極酸化処理後の皮膜全体の色調が際立って均質になり得る。0.4%を超えるとAl−Fe−Si系、Al−Fe系の晶出物や析出物を形成し、金属間化合物を原因とした筋模様や皮膜の混濁が発生する場合がある。
Si:0.3%以下
Siはアルミニウム合金板の強度を高め、結晶粒を微細化するよう機能する。好ましい含有量は0.3%以下である。Siの含有量が0.3%以下である場合、陽極酸化処理後、板断面に現れる筋模様が際立って見えにくくなり得、陽極酸化処理後の皮膜全体の色調が際立って均質になり得る。0.3%を超えるとAl−Fe−Si系の晶出物やMg−Si系の析出物を形成し、金属間化合物を原因とした筋模様や皮膜の混濁が発生する場合がある。
なお、不可避的不純物としては、例えば、Zn等の元素が含有されていてもよい。不可避的不純物の好ましい含有量は0.25%以下である。
以下、本実施形態のアルミニウム合金板の製造方法について説明する。本実施形態のアルミニウム合金板は、通常のDC鋳造により造塊された鋳塊に対し、常法により均質化処理、熱間圧延、冷間圧延を施して製造される。好ましい手法としては、鋳造時、鋳型内の溶湯において流れを発生させて造塊することが考えられる。これにより、鋳型内で発生する化学成分の偏りを効果的に抑制し得る。鋳型内の溶湯において流れを発生させる手法としては、撹拌翼を用いた機械式撹拌、渦電流を利用した電磁撹拌、ローレンツ力を利用した磁力撹拌、超音波を利用した超音波撹拌などが考えられる。
以下、本実施形態のアルミニウム合金板の製造方法について説明する。本実施形態のアルミニウム合金板は、通常のDC鋳造により造塊された鋳塊に対し、常法により均質化処理、熱間圧延、冷間圧延を施して製造される。好ましい手法としては、鋳造時、鋳型内の溶湯において流れを発生させて造塊することが考えられる。これにより、鋳型内で発生する化学成分の偏りを効果的に抑制し得る。鋳型内の溶湯において流れを発生させる手法としては、撹拌翼を用いた機械式撹拌、渦電流を利用した電磁撹拌、ローレンツ力を利用した磁力撹拌、超音波を利用した超音波撹拌などが考えられる。
いずれの撹拌方法においても、好ましい溶湯の流速は0.1〜5m/sの範囲である。溶湯の流速が0.1〜5m/sの範囲においては、化学成分の偏りを抑制する効果が特に大きくなり得る。溶湯の流速が低すぎると(溶湯の流速が0.1m/sより低い範囲では)、鋳型内で発生する化学成分の偏りを抑制する効果が場合によっては小さくなる可能性がある。溶湯の流速が大きすぎると(溶湯の流速が5m/sより大きい範囲では)、場合によっては溶湯表面で生成された酸化膜が溶湯内に巻き込まれてしまう可能性がある。
溶湯の流速は、溶湯温度(溶湯の粘度)及び撹拌条件を調整することによって制御しても良い。例えば、溶湯温度が高いほど溶湯の粘度は低下し得る一方、溶湯温度が低いほど溶湯の粘度は大きくなり得る。このため、本実施形態においては、所望の流速を得るために溶湯温度(溶湯の粘度)を検出してその検出値に基き溶湯温度(溶湯の粘度)を制御しても良い。なお、溶湯の粘度は、溶湯の化学成分に応じて異なり得る。例えば、化学成分が異なると同じ溶湯温度においても粘度が異なり得るため、化学成分に合わせた最適な溶湯温度を設定する必要がある。
攪拌条件としては、機械式攪拌の場合、一例では、攪拌翼の回転速度、攪拌翼の枚数又は形状、等を挙げることができる。電磁攪拌や磁力攪拌では、一例では、発生させる磁界の強さ等を攪拌条件として挙げることができる。超音波攪拌では、一例では、音波の振動数、強度(音圧)等を攪拌条件として挙げることができる。
前述の攪拌の手法(換言すれば、鋳型内の溶湯の流速を制御する手法)により、鋳塊の断面において、化学成分が均一な鋳塊を得ることができる。その結果、得られた鋳塊を用いて製造された板の断面においても化学成分が均一となる。即ち、前述の攪拌の手法を用いることにより、本実施形態の性状を有するアルミニウム合金板の製造を達成することができる。つまり、本実施形態では、所望の性状を有するアルミニウム合金板を得るために前述の攪拌の手法を用いている。
得られたアルミニウム合金板について、前記のように、EPMAを用いて電子線を照射して発生する蛍光X線から濃度を測定する点分析を行う。これにより、板厚中央部、板厚1/4部、板厚表層部における包晶元素及びMgの濃度を求める。そして、前記本実施形態の性状を有するアルミニウム合金板が得られていることを確認し、陽極酸化処理に供する。
以下、本発明の実施例を比較例と対比して説明する。これらの実施例は、本発明の一実施態様を示すものであり、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1、比較例1
表1に示す組成を有するアルミニウム合金をDC鋳造により造塊し、厚さ480mm×幅1500mmの断面寸法の鋳塊を作製した。なお、鋳造において、撹拌翼を用いて鋳型内の溶湯を撹拌しながら造塊した場合及び撹拌せずに造塊した場合の2条件で鋳造を行った。
実施例1、比較例1
表1に示す組成を有するアルミニウム合金をDC鋳造により造塊し、厚さ480mm×幅1500mmの断面寸法の鋳塊を作製した。なお、鋳造において、撹拌翼を用いて鋳型内の溶湯を撹拌しながら造塊した場合及び撹拌せずに造塊した場合の2条件で鋳造を行った。
得られた鋳塊を550℃の温度で10h均質化処理した後、室温まで冷却した。圧延の上下面及び側面に相当する部分を各20mm面削した後、470℃の温度まで再加熱して熱間圧延を開始し、厚さ8.0mmまで圧延した。熱間圧延の終了温度は300℃とした。続いて、4.0mmまで冷間圧延を行い、ついで、350℃の温度で1hの軟化処理を行った。得られたアルミニウム合金板(試験材)の合金組成、造塊条件を表2に示す。
得られた試験材の幅中央部から幅20mmのサンプルを切出して、樹脂埋め、研磨を行い、圧延方向と直角をなす方向の断面を現出し、EPMAを用いて、板厚中央部、板厚1/4部、板厚表層部における固溶状態の包晶元素の濃度(固溶Ti濃度+固溶Cr濃度)及び固溶状態のMgの濃度を求めた。結果をそれぞれ表3、表5に示す。
また、得られたアルミニウム合金板の幅中央部から、幅400mm×長さ50mmのサンプルを切出して、フライスにより端面を切削加工し、圧延方向と直角をなす方向の断面をショットブラストにより粗面化仕上げした後、燐酸及び硫酸による化学研磨を行い、その後、硫酸溶液による陽極酸化処理を行って、前記断面に10μm厚さの陽極酸化皮膜を形成した。
得られた陽極酸化処理材について、前記断面の板厚中央部における帯状筋模様の有無(発生の有無)を目視で確認した。また、得られた陽極酸化処理材について、前記断面の板厚中央部、板厚1/4部、板厚表層部における固溶状態の包晶元素の濃度(固溶Ti濃度+固溶Cr濃度)及び固溶状態のMgの濃度を求めた。結果をそれぞれ表4、表6に示す。
そして、試験材11〜14においては、表4、表6に示すように、陽極酸化処理後の前記断面の板厚中央部には帯状筋模様が発生せず、試験材11〜14は優れた表面品質を有していた。
また、試験材11〜14は、表4に示すように、陽極酸化処理後のサンプルについて板厚方向における固溶状態の包晶元素の濃度の測定結果において、板厚中央部と板厚1/4部の濃度の差、板厚中央部と板厚表層部の濃度の差がいずれも0.02%以下であり、かつ、表6に示すように、陽極酸化処理後のサンプルについて板厚方向における固溶状態のMgの濃度の測定結果において、板厚中央部と板厚1/4部の濃度の差、板厚中央部と板厚表層部の濃度の差がいずれも0.08%以下であった。
これに対して、鋳造時、鋳型内の溶湯を撹拌せず、常法に従って造塊することにより得られた鋳塊を用いて製造された試験材15〜18は、表3、表5に示すように、陽極酸化処理前のサンプルについて板厚方向における固溶状態の包晶元素の濃度の測定結果において、板厚中央部と板厚1/4部の濃度の差、及び板厚中央部と板厚表層部の濃度の差が0.04%以下であるという条件、及び陽極酸化処理前のサンプルについて板厚方向における固溶状態のMgの濃度の測定結果において、板厚中央部と板厚1/4部の濃度の差、及び板厚中央部と板厚表層部の濃度の差が0.4%以下であるという条件の少なくとも一方を満たしていなかった。
そして、試験材15〜18においては、表4、表6に示すように、陽極酸化処理後の前記断面の板厚中央部には帯状筋模様が発生し、試験材15〜18は表面品質が劣っていた。
また、試験材15〜18のなかには、表4に示すように、陽極酸化処理後のサンプルについて板厚方向における固溶状態の包晶元素の濃度の測定結果において、板厚中央部と板厚1/4部の濃度の差、板厚中央部と板厚表層部の濃度の差がいずれも0.02%を超えている試験材や、表6に示すように、陽極酸化処理後のサンプルについて板厚方向における固溶状態のMgの濃度の測定結果において、板厚中央部と板厚1/4部の濃度の差、板厚中央部と板厚表層部の濃度の差がいずれも0.08%を超えている試験材があった。
実施例1、比較例1は、圧延方向と直角をなす方向の断面についての効果を実証したものであるが、圧延方向に平行な方向の断面について、実施例1、比較例1と同じ試験、評価を行ったところ、同様の結果が得られた。
実施例2、比較例2
表7に示す組成を有するアルミニウム合金をDC鋳造により造塊し、厚さ500mm×幅1500mmの断面寸法の鋳塊を作製した。なお、鋳造において、撹拌翼を用いて鋳型内の溶湯を撹拌しながら造塊した場合及び撹拌せずに造塊した場合の2条件で鋳造を行った。
実施例2、比較例2
表7に示す組成を有するアルミニウム合金をDC鋳造により造塊し、厚さ500mm×幅1500mmの断面寸法の鋳塊を作製した。なお、鋳造において、撹拌翼を用いて鋳型内の溶湯を撹拌しながら造塊した場合及び撹拌せずに造塊した場合の2条件で鋳造を行った。
得られた鋳塊を525℃の温度で12h均質化処理した後、室温まで冷却した。圧延の上下面及び側面に相当する部分を各20mm面削した後、480℃の温度まで再加熱して熱間圧延を開始し、厚さ6.0mmまで圧延した。熱間圧延の終了温度は300℃とした。続いて、3.0mmまで冷間圧延を行い、ついで、360℃の温度で1hの軟化処理を行った。得られたアルミニウム合金板(試験材)の合金組成、造塊条件、圧延方向に平行な方向の引張強さを表8に示す。試験材5は、熱間圧延時に割れが生じたため、冷間圧延以降の工程を行うことができなかった。
得られた試験材の幅中央部から幅20mmのサンプルを切出して、樹脂埋め、研磨を行い、圧延方向と直角をなす方向の断面を現出し、EPMAを用いて、板厚中央部、板厚1/4部、板厚表層部における固溶状態の包晶元素の濃度(固溶Ti濃度+固溶Cr濃度)及び固溶状態のMgの濃度を求めた。結果をそれぞれ表9、表11に示す。
また、得られたアルミニウム合金板の幅中央部から、幅400mm×長さ50mmのサンプルを切出して、フライスにより端面を切削加工し、圧延方向と直角をなす方向の断面をショットブラストにより粗面化仕上げした後、燐酸及び硫酸による化学研磨を行い、その後、硫酸溶液による陽極酸化処理を行って、前記断面に10μm厚さの陽極酸化皮膜を形成した。
得られた陽極酸化処理材について、前記断面の板厚中央部における帯状筋模様の有無(発生の有無)を目視で確認した。また、得られた陽極酸化処理材について、前記断面の板厚中央部、板厚1/4部、板厚表層部における固溶状態の包晶元素の濃度(固溶Ti濃度+固溶Cr濃度)及び固溶状態のMgの濃度を求めた。結果をそれぞれ表10、表12に示す。
そして、試験材21〜23においては、表10、表12に示すように、陽極酸化処理後の前記断面の板厚中央部には帯状筋模様が発生せず、試験材21〜23は優れた表面品質を有していた。
また、試験材21〜23は、表10に示すように、陽極酸化処理後のサンプルについて板厚方向における固溶状態の包晶元素の濃度の測定結果において、板厚中央部と板厚1/4部の濃度の差、板厚中央部と板厚表層部の濃度の差がいずれも0.02%以下であり、かつ、表12に示すように、陽極酸化処理後のサンプルについて板厚方向における固溶状態のMgの濃度の測定結果において、板厚中央部と板厚1/4部の濃度の差、板厚中央部と板厚表層部の濃度の差がいずれも0.08%以下であった。
本発明の1側面にかかる成分範囲からはずれる試験材24、25において、表8に示すように、試験材24は自動車用内装部品や家電用外板へアルミニウム合金板を適用するために必要な引張強さ125MPa以上を満たさない。また、試験材25はMg添加量が6%を超えているため熱間圧延時に割れが生じた。従って試験材24、25については、表9以降の評価は行っていない。
本発明の1側面にかかる成分範囲内ではあるが、鋳造時、鋳型内の溶湯を撹拌せず、常法に従って造塊することにより得られた鋳塊を用いて製造された試験材26〜28は、表9、表11に示すように、陽極酸化処理前のサンプルについて板厚方向における固溶状態の包晶元素の濃度の測定結果において、板厚中央部と板厚1/4部の濃度の差、及び板厚中央部と板厚表層部の濃度の差が0.04%以下であるという条件、及び陽極酸化処理前のサンプルについて板厚方向における固溶状態のMgの濃度の測定結果において、板厚中央部と板厚1/4部の濃度の差、及び板厚中央部と板厚表層部の濃度の差が0.4%以下であるという条件の少なくとも一方を満たしていなかった。
そして、試験材21〜23においては、表10、表12に示すように、陽極酸化処理後の前記断面の板厚中央部には帯状筋模様が発生し、試験材21〜23は表面品質が劣っていた。
また、試験材26〜28のなかには、表10に示すように、陽極酸化処理後のサンプルについて板厚方向における固溶状態の包晶元素の濃度の測定結果において、板厚中央部と板厚1/4部の濃度の差、板厚中央部と板厚表層部の濃度の差はいずれも0.02%を超えていないが、表12に示すように、陽極酸化処理後のサンプルについて板厚方向における固溶状態のMgの濃度の測定結果において、板厚中央部と板厚1/4部の濃度の差、板厚中央部と板厚表層部の濃度の差はいずれも0.08%を超えている試験材があった。
実施例2、比較例2は、圧延方向と直角をなす方向の断面についての効果を実証したものであるが、圧延方向に平行な方向の断面について、実施例2、比較例2と同じ試験、評価を行ったところ、同様の結果が得られた。
Claims (3)
- 少なくとも板厚方向の断面部分である板断面に陽極酸化処理被膜が形成されるアルミニウム合金板において、
該アルミニウム合金板は、少なくとも、アルミニウムに対して包晶反応を示す元素である包晶元素として、Ti:0.001%〜0.1%(質量%、以下同じ)、Cr:0.0001%〜0.4%のうち1種又は2種を含有し、かつアルミニウムに対して共晶反応を示すMg:1.0%〜6.0%を含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなり、
前記アルミニウム合金板の板厚をt(mm)、t/2部分を基準として±0.01×t(mm)の範囲を板厚中央部、t/4部分を基準として±0.01×t(mm)の範囲を板厚1/4部、最表層部分から板厚方向に0.02×t(mm)までの範囲を板厚表層部とした場合、
前記アルミニウム合金板の板厚方向における固溶状態の前記包晶元素の濃度において、前記板厚中央部と前記板厚1/4部の濃度の差及び前記板厚中央部と前記板厚表層部の濃度の差が0.04%以下であり、
かつ、前記アルミニウム合金板の板厚方向における固溶状態の前記Mgの濃度において、前記板厚中央部と前記板厚1/4部の濃度の差及び前記板厚中央部と前記板厚表層部の濃度の差が0.4%以下であることを特徴とするアルミニウム合金板。 - 前記包晶元素及び前記Mgと共に、Cu:0.5%以下、Mn:0.5%以下、Fe:0.4%以下、Si:0.3%以下のうちの1種又は2種以上を含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなることを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム合金板。
- 前記アルミニウム合金板の板厚が0.3mm以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のアルミニウム合金板。
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