JP5676388B2 - 熱媒温度制御方法及び熱媒温度制御装置 - Google Patents

熱媒温度制御方法及び熱媒温度制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、熱媒温度制御方法及び熱媒温度制御装置の改良に関するものである。
有機合成や晶析等の化学反応プロセスでは、精度の高い温度制御が要求される。そのため、化学反応に用いる反応槽として、外側に熱媒(熱媒体;冷却用媒体の場合には「冷媒」という)が流通可能な独立した槽(ジャケット)を設けた二重構造の容器が知られている。このジャケットに温度制御された熱媒を供給することにより、反応槽内部の反応液を一定温度に制御している。
一般的に、熱媒温度制御装置(以下、単に「制御装置」という)は、熱媒の循環ラインと循環ポンプとを備えており、熱交換器において熱媒と液化窒素等の低温液化ガス又は熱媒の凝固点よりも低い温度の寒冷源とが熱交換される構成となっている。反応槽のジャケットには、上記制御装置によって、寒冷源と熱交換された低温の熱媒が供給されることとなる。
ところで、寒冷源である低温液化ガスと熱媒とを熱交換器において熱交換する際に、熱交換器の出口側の熱媒温度と、熱媒の制御目標温度との温度差を測定して、熱交換器に供給する低温液化ガスの流量をコントロール弁等により精密制御するフィードバック制御方法が知られている(特許文献1)。
しかしながら、特許文献1に開示された従来のフィードバック制御方法では、熱媒の冷却開始から熱媒が設定された制御目標温度に到達するまでの初期冷却の間、低温液化ガスの供給ラインに設けたコントロール弁がほぼ全開状態となり、許容流量以上の低温液化ガスが熱交換器へと流れてしまうという問題があった。低温液化ガスの沸点は、熱媒の凝固点より充分低く、熱媒の許容冷却熱量に対して低温液化ガスの冷熱量が大きすぎるため、熱媒を室温から制御目標温度に冷却していく過程で、熱交換器内部で熱媒が凝固し、熱媒循環ができなくなる不具合が生じるおそれがあった。また、冷却維持状態において、一定以上の熱負荷が熱交換器にかかった場合も、同様の不具合が生じるおそれがあった。
実開平6−022880号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、熱媒の冷却開始から熱媒が設定された制御温度に到達するまでの初期冷却の間や、熱媒が設定された制御温度に到達して冷却維持状態となった後に、一定以上の熱負荷が熱交換器にかかった場合において、熱交換器内での熱媒の凍結を防止する熱媒温度制御方法及び熱媒温度制御装置を提供することを目的とする。
請求項1にかかる発明は、被冷却物を冷却する熱媒と低温液化ガスとを熱交換器により熱交換させて前記熱媒を所定の制御目標温度に冷却、制御する熱媒温度制御方法であって、
熱交換器の入口側の熱媒温度を測定して得られる入口側実測値と、前記入口側実測値に対応する前記熱交換器の許容温度差と、から、前記熱交換器の出口側の熱媒温度の制御設定値を算出する第1のステップと、
前記熱交換器の出口側の熱媒温度を測定して得られる出口側実測値と前記制御設定値との温度差を算出し、前記温度差に対応して低温液化ガスの当該熱交換器への供給量を制御する第2のステップとを備えことを特徴とする熱媒温度制御方法である。
請求項2にかかる発明は、前記熱交換器に供給する熱媒の流量を一定とすることを特徴とする請求項1に記載の熱媒温度制御方法である。
請求項3にかかる発明は、前記許容温度差は、前記熱交換器の熱媒温度の入口側実測値に対応して予め設定された、熱媒入口側温度と熱媒出口側温度との差分として許容される温度の絶対値であって、熱媒の種類に応じて予め算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の熱媒温度制御方法である。
請求項4にかかる発明は、被冷却物を冷却する熱媒が循環する熱媒流路と、低温液化ガスを供給する低温液化ガス流路と、前記熱媒と前記低温液化ガスとを熱交換させて当該熱媒を冷却する熱交換器と、を備えた熱媒温度制御装置であって、
前記熱媒流路の前記熱交換器の出口側に設けた第1の温度測定手段と、
前記熱媒流路の前記熱交換器の入口側に設けた第2の温度測定手段と、
前記第1及び第2の温度測定手段と電気的に接続した演算手段と、
前記低温液化ガス流路に設けるとともに前記演算手段と電気的に接続した低温液化ガス供給量の制御手段と、を備え
前記演算手段には、前記熱交換器の熱媒温度の入口側実測値に対応して予め設定された許容温度差に関するデータが格納されていることを特徴とする熱媒温度制御装置である。
請求項5にかかる発明は、前記熱媒流路に、熱媒流量の制御手段を有することを特徴とする請求項4に記載の熱媒温度制御装置である。
本発明の熱媒温度制御方法及び熱媒温度制御装置によれば、寒冷源である低温液化ガスと熱媒とを熱交換器において熱交換する際に、熱交換器の入口側の熱媒温度の実測値と、これに対応する熱交換器の許容温度差とから、熱交換器の出口側の熱媒温度の制御設定値を算出し、熱交換器の出口側の熱媒温度の実測値と上記制御設定値との温度差に対応して低温液化ガスの熱交換器への供給量を制御する構成となっている。また、熱媒温度の出口側実測値と上記許容温度差との差分の値と、制御目標温度とを比較して、熱交換器の出口側の熱媒温度の制御設定値を徐々に制御目標温度に近づける構成となっている。これにより、熱媒の冷却開始から熱媒が設定された制御温度に到達するまでの初期冷却の間や、熱媒が設定された制御温度に到達して冷却維持状態となった後に、一定以上の熱負荷が熱交換器にかかった場合において、低温液化ガスが必要以上に熱交換器へと供給されることがないため、熱交換器内での熱媒の凍結を防止することができる。したがって、熱交換器の内部で熱媒が凝固して、熱媒の循環ができなくなるという不具合が生じるおそれがない。
本発明を適用した一実施形態である熱媒温度制御装置を説明するための系統図である。
以下、本発明を適用した一実施形態である熱媒温度制御方法について、熱媒温度制御装置と併せて、図面を用いて詳細に説明する。
なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
先ず、本発明を適用した一実施形態である熱媒温度制御装置の構成について以下に説明する。図1に示すように、本実施形態の熱媒温度制御装置(以下、「制御装置」という)1は、被冷却物を冷却する熱媒と寒冷源である低温液化ガスとを熱交換させて上記熱媒を所定の制御目標温度Tに冷却、制御するための装置であり、熱媒が循環する熱媒流路L1と、低温液化ガスを供給する低温液化ガス流路L2と、熱媒と低温液化ガスとを熱交換させて当該熱媒を冷却する熱交換器2と、を備えて概略構成されている。
より具体的には、本実施形態の制御装置1は、熱媒流路L1の熱交換器2の出口側2aに設けた第1の温度センサー(第1の温度測定手段)3と、熱媒流路L1の熱交換器2の入口側2bに設けた第2の温度センサー(第2の温度測定手段)4と、第1及び第2の温度センサー3,4と電気的に接続した演算部(演算手段)5と、低温液化ガス流路L2に設けた流量調節弁(制御手段)6と、を備えている。
熱交換器2は、熱媒と低温液化ガスとを熱交換させて当該熱媒を冷却することが可能であれば、特に限定されるものではない。このような熱交換器としては、具体的には、二重管式熱交換器、タンク&コイル式熱交換器等を使用することができる。また、熱交換器2は、内部に熱媒流路L1及び低温液化ガス流路L2を包含して構成されている。
熱媒(熱媒体;冷却用媒体の場合には「冷媒」という)は、冷却維持状態の温度において凝固せずに一定の流動性を保つことができるものであれば、特に限定されるものではない。このような熱媒としては、具体的には、例えば、メタノール(凝固点−97.5℃)、エタノール(凝固点−114.1℃)、シリコーンオイル(凝固点−84℃)等が挙げられる。
低温液化ガスは、その沸点が熱媒の凝固点よりも低いものであれば、特に限定されるものではない。低温液化ガスとしては、例えば、液体窒素、液体酸素、液体アルゴン、液体天然ガス等が挙げられる。
熱交換器2は、固有の冷却能力を有しており、熱交換器負荷熱量Qとして示される。具体的には、下記式(1)に示す。
熱交換器負荷熱量Q(kcal/h)=|熱媒出口側温度−熱媒入口側温度|(℃)
× 熱媒比熱C(kcal/kg・℃)
× 熱媒流量F(m/h)
× 熱媒密度D(kg/m) ・・・(1)
熱媒流路L1は、熱媒の流路であり、熱交換器2と低温反応槽7との間を熱媒が循環するように設けられている(換言すると、熱交換器2の内部流路及び低温反応槽7の内部流路は、熱媒流路L1を構成する)。また、図1に示すように、熱媒流路L1には、第1及び第2の温度センサー3,4と、流量計8と、熱媒ポンプ9と、が設けられている。
第1の温度センサー3は、熱交換器2による冷却後の熱媒の温度(出口側実測値)T1を測定するために、熱媒流路L1の熱交換器2の出口側(二次側)2aに設けられている。
第2の温度センサー4は、熱媒の戻り温度(入口側実測値)T2を測定するために、熱媒流路L1の熱交換器2の入口側(一次側)2bに設けられている。ここで、熱媒の戻り温度T2とは、熱交換器2によって冷却された熱媒が熱媒流路L1を循環し、低温反応槽7、流量計8及び熱媒ポンプ9を経て再び熱交換器2内に入る直前の、熱媒の温度をいう。
低温反応槽7は、化学反応等に用いる反応槽である。具体的には、例えば、被冷却物が収容された反応槽と、この反応槽の外側に設けられて熱媒が流通可能な槽(ジャケット)とを備えた二重構造の容器である。このジャケットに温度制御された熱媒を供給することにより、反応槽内部の反応液等(被冷却物)を一定温度(例えば、制御目標温度T)に制御するものである。
流量計8及び熱媒ポンプ9は、熱媒の流量を一定に保ちつつ、流路L1内に熱媒を循環させるために、熱媒流路L1に設けられている。熱媒流路L1内の熱媒の流量は、インバータを利用して熱媒ポンプ9を制御することで実施する。具体的には、流量計8によって計測した流量が設定された流量値に追従するように、熱媒ポンプ9のインバータ周波数を連続的に変更する。これに対して、定周波数運転の熱媒ポンプでは、熱媒の温度変化による密度、粘度の変化によって熱媒ポンプの流量が変化してしまうために好ましくない。
なお、本実施形態では、流量計8及び熱媒ポンプ9が低温反応槽7の下流側(二次側)に設けた例を示しているが、これに限定されるものではない。
低温液化ガス流路L2は、寒冷源である低温液化ガスの流路である。低温液化ガス流路L2の一端には、図示略の低温液化ガスの供給源が接続されており、熱交換器2内へ低温液化ガスを供給可能とされている。また、低温液化ガス流路L2の他端は、熱交換器2内で気化したガスの排出口となっている。また、低温液化ガス流路L2には、熱交換器2への低温液化ガスの供給量を制御するために、流量調節弁6が設けられている。
演算部5は、例えば、ROM、RAM及び外部入力インターフェース等が接続されたCPU(Central Processing Unit)等であり、熱媒流路L1に設けられた第1及び第2の温度センサー3,4と電気的に接続されるとともに、低温液化ガス流路L2に設けられた流量調節弁6とも電気的に接続されている。また、演算部5には、熱媒を所定の制御目標温度Tに冷却、制御するプログラムや、熱媒の種類に対応するデータ(テーブル)等が格納されている。さらに、演算部5には、入力部又は操作ボタン等の入力手段(図示略)が設けられている。
次に、上述した制御装置1を用いた、本実施形態の熱媒温度制御方法について説明する。本実施形態の熱媒温度制御方法は、熱交換器2の入口側2bの熱媒温度を測定して得られる入口側実測値T2と、この入口側実測値T2に対応する熱交換器2の許容温度差ΔTと、から、熱交換器2の出口側2aの熱媒温度の制御設定値T’を算出する第1のステップと、熱交換器2の出口側2aの熱媒温度を測定して得られる出口側実測値T1と上記制御設定値T’との温度差ΔTを算出し、この温度差ΔTに対応して低温液化ガスの熱交換器2への供給量を制御する第2のステップと、熱媒温度の出口側実測値T1と上記許容温度差ΔTとの差分の値T3を算出する第3のステップと、を備え、上記差分の値T3と上記制御目標温度Tとを比較して、上記差分の値T3が制御目標温度Tよりも大きい場合には、第1〜第3のステップを繰り返し、上記差分の値T3が制御目標温度T以下の場合には、出口側の熱媒温度の制御設定値T’として制御目標温度Tを用いて、第1〜第3のステップを繰り返すことを特徴としている。
以下に、熱媒としてエタノールを、低温液化ガスとして液体窒素をそれぞれ用いて、−20℃から−90℃(制御目標温度T)に冷却、制御する場合について具体的に説明する。
先ず、操作者は、演算部5の入力手段から、熱媒の種類としてエタノールを選択する。これにより、演算部5に格納された、下記の表1に示すように、熱媒の冷却特性に対応したテーブルが選択される。次に、操作者は、熱媒の制御目標温度Tとして−90℃を入力、設定する。
上記表1に示すテーブルは、熱交換器2の入口側2bの熱媒温度を測定して得られる入口側実測値T2と、この入口側実測値T2に対応する熱交換器2の許容温度差ΔTとの対応を表すものである。具体的には、表1に示すように、熱媒の入口側実測値T2の温度領域を例えば5℃毎に分割し、それぞれの温度域において熱交換器2が冷却可能な熱量(許容温度差ΔT)を設定したものである。
ここで、本実施形態における許容温度差ΔTとは、熱交換器2の熱媒温度の入口側実測値T2に対応して予め設定された、熱媒入口側温度と熱媒出口側温度との差分として許容される温度の絶対値であり、上記式(1)に示す「|熱媒出口側温度−熱媒入口側温度|(℃)」に対応するものである。
また、表1に示すテーブルは、熱媒の種類ごとに用意する。具体的には、予めデモ装置等で確認した熱媒の冷却特性(すなわち、熱媒の種類)に応じて予め算出し、演算部5に記憶させておく。
なお、熱媒ごとに冷却特性に応じたテーブルを作成することが可能な理由は、以下による。すなわち、低温液化ガスの供給により熱媒が冷却される熱量は、熱交換器の入口と出口との熱媒温度差、熱媒流量、熱媒比熱により算出できること(上記式(1)を参照)、及び−60℃〜−100℃の程度の低温域において熱媒の比熱及び密度は約5%以内の変化量であるため、誤差と見なして一定とすれば、熱媒温度差及び流量を計測することで熱交換器にかかる概算の負荷熱量Qが算出できることに基づくものである。したがって、本実施形態の熱媒温度制御方法では、熱交換器2に供給する熱媒の流量を一定とすることに留意する。
操作者の入力、設定が完了すると、演算部5に記憶された冷却、制御プログラムが実行されて、熱媒の冷却が開始される。これにより、図1に示すように、流量計8と熱媒ポンプ9とにより、熱媒流量が一定に制御された状態で、熱媒が熱媒流路L1内に循環される。また、流量調節弁6が開となって、低温液化ガス流路L2から熱交換器2へと液体窒素が供給される。
(第1のステップ)
第1のステップでは、先ず、第2の温度センサー4により、入口側実測値(熱媒の戻り温度)T2を測定する(例えば、T2=−20℃とする)。測定された入口側実測値T2は、演算部5へと送信される。
次に、演算部5において、上記表1に示すテーブルを参照し、入口側実測値T2に対応する許容温度差ΔTを読み出す。例えば、入口側実測値T2が−20℃である場合は、許容温度差ΔTは60℃となる。
次に、上記入口側実測値T2と、この入口側実測値T2に対応する熱交換器2の許容温度差ΔTと、から、熱交換器2の出口側2aの熱媒温度の制御設定値T’を算出する。具体的には、制御設定値T’=T2−ΔTとして算出する。例えば、入口側実測値T2が−20℃、許容温度差ΔTが60℃の場合には、制御設定値T’=−20−60=−80(℃)となる。
このようにして、第1のステップでは、熱交換器2の出口側2aの熱媒温度の制御設定値T’を算出する。ところで、上述したように熱媒の制御目標温度Tは−90℃であるが、本実施形態の熱媒温度制御方法では、熱交換器2における制御設定値T’を設定して熱媒を冷却することとなる。
(第2のステップ)
第2のステップでは、先ず、第1の温度センサー3により、出口側実測値(熱交換器2による冷却後の熱媒の温度)T1を測定する(例えば、T1=−40℃とする)。測定された出口側実測値T1は、演算部5へと送信される。
次に、演算部5において、出口側実測値T1と、制御設定値T’との温度差ΔTを算出する。例えば、出口側実測値T1が−40℃、制御設定値T’が−80℃の場合には、温度差ΔT=−40−(−80)=40(℃)となる。そして、この温度差ΔTに応じて、演算部5から流量調節弁6へ、バルブ開度の信号が送信される。このようにして、第2のステップでは、出口側実測値T1と制御設定値T’との温度差ΔTに応じて、液体窒素の熱交換器2への供給量を制御する。
(第3のステップ)
第3のステップでは、先ず、演算部5において、出口側実測値T1と許容温度差ΔTとの差分の値T3を算出する。例えば、出口側実測値T1が−40℃、許容温度差ΔTが60℃の場合には、差分の値T3=−40−60=−100(℃)となる。
本実施形態の熱媒温度制御方法では、上述した第1〜第3のステップの後に、演算部5において、上記差分の値T3と制御目標温度Tとを比較する。そして、差分の値T3が制御目標温度Tよりも大きい場合には、第1〜第3のステップを繰り返す。一方、上記差分の値T3が制御目標温度T以下の場合には、出口側の熱媒温度の制御設定値T’として制御目標温度Tを用いて、第1〜第3のステップを繰り返す。例えば、差分の値T3が−100℃の場合には、制御目標温度Tである−90℃以下となるので、熱交換器2の制御設定値T’を−90度として、上記第1〜第3のステップを繰り返すこととなる。
このように、本実施形態の熱媒制御方法では、熱媒の冷却開始から制御目標温度Tに到達するまでの初期冷却において、熱媒の制御目標温度Tとは別に、冷却工程に従って刻一刻と変化する制御設定値T’を設定し、この制御設定値T’によって低温液化ガスの熱交換器2への流量を制御する構成となっている。また、本実施形態の制御装置1は、熱媒の戻り温度領域を、たとえば5℃毎に分割し、それぞれの温度域において冷却可能な熱量(許容温度差ΔT)を設定可能な機能を備え、予めデモ装置等で確認した熱媒の冷却特性に応じて、制御設定値T’を設定できるため、熱媒を凍結させることなく、最短時間での冷却が可能となる。
また、熱媒が設定された制御目標温度Tに到達して冷却維持状態となった後、一定以上の熱負荷が熱交換器にかかった場合においては、熱媒を凍結させることなく熱媒の冷却を継続することができる。
以上説明したように、本実施形態の熱媒温度制御方法及び熱媒温度制御装置1によれば、寒冷源である低温液化ガスと熱媒とを熱交換器2において熱交換する際に、熱交換器2の入口側2bの熱媒温度の実測値T2と、これに対応する熱交換器2の許容温度差ΔTとから、熱交換器2の出口側2aの熱媒温度の制御設定値T’を算出し、熱交換器2の出口側2aの熱媒温度の実測値T1と上記制御設定値T’との温度差ΔTに対応して流量調節弁6のバルブ開度を調節して、低温液化ガスの熱交換器2への供給量を制御する構成となっている。
また、熱媒温度の出口側実測値T1と上記許容温度差ΔTとの差分の値T3と、制御目標温度Tとを比較して、熱交換器2の出口側2aの熱媒温度の制御設定値T’を徐々に制御目標温度Tに近づける構成となっている。
これにより、熱媒の冷却開始から熱媒が制御目標温度Tに到達するまでの初期冷却の間、及び熱媒が設定された制御目標温度Tに到達して冷却維持状態となった後、一定以上の熱負荷が熱交換器にかかった場合に、低温液化ガスが必要以上に熱交換器2へと供給されることがないため、熱交換器2内での熱媒の凍結を防止することができる。したがって、熱交換器2の内部で熱媒が凝固して、熱媒の循環ができなくなるという不具合が生じるおそれがない。
1・・・制御装置(熱媒温度制御装置)
2・・・熱交換器
2a・・・熱交換器の出口側
2b・・・熱交換器の入口側
3・・・第1の温度センサー(第1の温度測定手段)
4・・・第2の温度センサー(第2の温度測定手段)
5・・・演算部(演算手段)
6・・・流量調節弁(制御手段)
7・・・低温反応槽
8・・・流量計
9・・・熱媒ポンプ
L1・・・熱媒流路
L2・・・低温液化ガス流路
・・・制御目標温度
’・・・制御設定値
T1・・・出口側実測値
T2・・・入口側実測値
ΔT・・・許容温度差
ΔT・・・出口側実測値と制御設定値との温度差
T3・・・出口側実測値と許容温度差との差分の値

Claims (5)

  1. 被冷却物を冷却する熱媒と低温液化ガスとを熱交換器により熱交換させて前記熱媒を所定の制御目標温度に冷却、制御する熱媒温度制御方法であって、
    熱交換器の入口側の熱媒温度を測定して得られる入口側実測値と、前記入口側実測値に対応する前記熱交換器の許容温度差と、から、前記熱交換器の出口側の熱媒温度の制御設定値を算出する第1のステップと、
    前記熱交換器の出口側の熱媒温度を測定して得られる出口側実測値と前記制御設定値との温度差を算出し、前記温度差に対応して低温液化ガスの当該熱交換器への供給量を制御する第2のステップとを備えことを特徴とする熱媒温度制御方法。
  2. 前記熱交換器に供給する熱媒の流量を一定とすることを特徴とする請求項1に記載の熱媒温度制御方法。
  3. 前記許容温度差は、前記熱交換器の熱媒温度の入口側実測値に対応して予め設定された、熱媒入口側温度と熱媒出口側温度との差分として許容される温度の絶対値であって、
    熱媒の種類に応じて予め算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の熱媒温度制御方法。
  4. 被冷却物を冷却する熱媒が循環する熱媒流路と、低温液化ガスを供給する低温液化ガス流路と、前記熱媒と前記低温液化ガスとを熱交換させて当該熱媒を冷却する熱交換器と、を備えた熱媒温度制御装置であって、
    前記熱媒流路の前記熱交換器の出口側に設けた第1の温度測定手段と、
    前記熱媒流路の前記熱交換器の入口側に設けた第2の温度測定手段と、
    前記第1及び第2の温度測定手段と電気的に接続した演算手段と、
    前記低温液化ガス流路に設けるとともに前記演算手段と電気的に接続した低温液化ガス供給量の制御手段と、を備え
    前記演算手段には、前記熱交換器の熱媒温度の入口側実測値に対応して予め設定された許容温度差に関するデータが格納されていることを特徴とする熱媒温度制御装置。
  5. 前記熱媒流路に、熱媒流量の制御手段を有することを特徴とする請求項4に記載の熱媒温度制御装置。
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