JP5674835B2 - 水酸化アルミニウムを主成分とする耐火被覆材及びその製造方法 - Google Patents

水酸化アルミニウムを主成分とする耐火被覆材及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、建築物等に用いられる耐火被覆材に関し、特に、水酸化アルミニウム粉末を主成分とし、これをケイ酸カルシウム系バインダーによって結着することにより得られる耐火被覆材及びその製造方法に関するものである。
高層建築物では火災による倒壊などを防止するため、建築基準法等の法令によって、所定の耐火性能を有する法定材料あるいは個別試験に合格した認定耐火材料により鉄骨部分に被覆を施すことが義務付けられており、万一の火災に際しても消火までの間、鉄骨の強度を保持して建物の倒壊を防止できるようにしている。このために鉄骨部分に用いられる耐火被覆材料としては、繊維質吹付材と板状成形体があり、人が接触するおそれのある場所など特に機械的強度を要する部分には一般に板状成形体が用いられ、ゾノトライト系ケイ酸カルシウム質耐火被覆板が広く用いられている。
また、石油コンビナートのように危険物を扱うプラントにおいても、配管ラック脚柱部分や球形タンク支柱部分には耐火被覆を施し、火災による配管破断やタンク転倒などによる二次災害を防ぐことが法令により義務づけられている。
さらには、道路トンネルも、内部で火災が発生すると被災車両の車載燃料や可燃性貨物に引火して長時間燃え続けてトンネル構造物に多大な被害を及ぼす可能性があり、これを防止するためにトンネル内壁表面に耐火被覆を施すことが必要と考えられ、現に実施されつつある。
高層ビルや高層マンションといった高層建築物については、従来から建材メーカーや建設業者、学術機関などによって耐火被覆材の改良が進められているが、高層のタワーマンションやランドマーク施設の建造が相次ぐといった近年の流行もあり、高層化による構造躯体への負荷の軽減の要求が高まっている。構造躯体への負荷をできるだけ減らすためには、これらに用いる耐火被覆材をさらに軽くすることが求められる一方で、コスト低減と空間活用の観点からは耐火被覆材をより薄くすることが強く求められている。
一方、プラントにおいても、2011年の東日本大震災では大規模なプラント火災が相次ぎ消火作業さえままならない状況を全国民が目の当たりにしたが、プラントの装置類の損壊を防止するという観点からしても、長時間にわたる火災にも耐え得る高性能耐火被覆材を配備する必要性が高まっている。
また、トンネル火災の場合でも、数日間にわたり火災が継続し、自動車車体や車載燃料、可燃性貨物などが燃焼して1200℃にも達する高熱を発し続け、スプリンクラーなどの消火設備すらも寸断されてしまう苛酷な事象が報告されており、一層高性能な耐火被覆材を配備することが求められている。
特許第2515195号公報 特許第4659475号公報 特許第4902008号公報
以上述べたような高層建築物やプラント、車両トンネルといった特別に高度な耐火性能が求められる建築物では、従来広く用いられてきたゾノトライト系ケイ酸カルシウム単成分からなる耐火被覆材ではその性能要求を満たし得ないことが各方面において指摘されている。
その理由は、
(1)ゾノトライト単体の耐熱温度が1000℃程度にとどまり、それ以上の温度では熱収縮が激しく形状が保たれなくなること、
(2)ゾノトライトの化学組成が6CaO・6SiO・HOであり、分子量で計算すればゾノトライトの分子量714に対し水の分子量が18と、内包する水分がたかだか2.5%であり、耐火被覆材にとっては断熱性とともに重要な要素である、結晶水や水酸基の分解・揮散がもたらす吸熱能力に乏しい
といったことがある。
これらの問題点を改善することを目的として、ゾノトライト系ケイ酸カルシウムに様々な耐火性物質や金属水酸化物を添加する試みが従来なされている。
例えば、特許文献1においては、主としてゾノトライト結晶からなるマトリックス中にアルミニウム又はマグネシウムの微粒子状水酸化物を含有することを特徴とするケイ酸カルシウム質耐火被覆板が提案されている。しかしながら、この発明においては、金属水酸化物の含有率が高いほど、耐火性能が向上する一方で製品強度及び断熱性の低下が避けられないとして、金属水酸化物の含有率は50重量%を上限とし、開示された実施例を見る限り事実上は30重量%程度が限界である。
また、特許文献2においては、ゾノトライトを主成分とするケイ酸カルシウム水和物と高炉セメント、並びにウォラストナイト及び/又はアルミニウム化合物の混合物からなるケイ酸カルシウム成形体が提案されている。しかしながら、この発明において開示された実施例を見る限り、得られる耐火材の比重は0.8台であって(表3の試験体番号1〜9)、通常のケイ酸カルシウム系耐火被覆材の比重0.4に比べれば2倍以上にもなり、構造躯体への負荷が相当に増大している。また、比重が大きければ熱伝導率も大きいため、結晶水等の内包される水分が揮散した後は、被覆対象物の温度が急激に上昇することとなってしまう。
このような従来技術の実情を踏まえ、本発明は、耐火被覆材原料として優秀な耐火性能を保持しながら、カサ比重・熱伝導率など他の諸物性をも改善された極めて高性能な耐火被覆材を提供しようとするものである。
本発明者らは、かねてよりケイ酸カルシウムを主軸とした保温材・耐火被覆材の研究開発に携わってきたが、その過程で、粒径1〜100nmの微細粒状無水ケイ酸と石灰を原料として一定の範囲の反応条件で得られるケイ酸カルシウム水和物スラリーが極めて優秀な無機バインダー性能を有することを見出し、このバインダーを使用して極めて優れた性能の再生保温材が製造できることを見出している(特許文献3)。
この知見を踏まえ、上記課題に鑑みて鋭意研究の結果、本発明者らは、特許文献3記載の無機バインダーが水酸化アルミニウムに対しても有効に作用することを発見し、上記の課題を解決するに至った。
すなわち、水酸化アルミニウム粉末と、特許文献3記載の無機バインダーと、比重調整材となる中空マリモ状に二次凝集したゾノトライトスラリーとを用い、適切な配合条件及び加工工程により、従来たかだか30重量%程度の配合比にとどまっていた水酸化アルミニウムの配合量を50重量%〜90重量%まで飛躍的に高め、かつ0.20〜0.80の範囲で任意のカサ比重を持つ成形体が得られることを見出した。
また本発明者らは、配合条件の好適範囲は上記と比較してやや狭まるものの、比重調整材として中空マリモ状に二次凝集したゾノトライトスラリーに代えて、使用済みゾノトライト系ケイ酸カルシウム保温材(再生材)を使用しても、同様の成形体が得られることを見出した。
さらに本発明者らは、特許文献3記載の無機バインダーの結着能力はシリコーンオイルの添加によっても阻害されず、ケイ酸カルシウム水和物バインダースラリー、マリモ状ゾノトライトスラリー及び水酸化アルミニウム粉末の混練時にシリコーンオイルを添加することにより、表面のみならず破断面においても撥水作用を有する全面撥水型の成形体が得られることを見出した。
以上の発見に基づきなされた本発明は、水酸化アルミニウムと、ゾノトライトと、ケイ酸カルシウム水和物スラリーからなるバインダーとを主成分とする成形体で構成され、水酸化アルミニウムの配合量が50〜90重量部であり、かつ、水に対する比重が0.20〜0.80であることを特徴とする耐火被覆材を提供するものである。
本発明は、また、粒径1〜100nmの粒状無水ケイ酸を水中に分散させた懸濁液をほぼ常圧下で90〜95℃に加熱し、これに予め石灰分濃度が1〜2%となるように調整した石灰乳を加えてCaOとSiOを一次反応させた後、0.8〜1.5MPaの加圧飽和水蒸気下で30分〜3時間水熱合成反応させることによって得られるケイ酸カルシウム水和物スラリーを3〜15重量部と、50〜90重量部の水酸化アルミニウム粉末と、5〜45重量部のケイ酸カルシウム単結晶が凝集した中空マリモ状の二次粒子を含むゾノトライトスラリーと、を混合し、型枠に注入し、脱水加圧成形することにより製造される耐火被覆材を提供するものである。
本発明の耐火被覆材において、前記ゾノトライト又は前記ゾノトライトスラリーの一部ないし全部を、ケイ酸カルシウム質廃保温材原料によって代替することも可能である。
また、成形材料の混合時に外割1〜10重量%のシリコーンオイルと、外割1〜10重量%のシリカゾルとを添加すると、さらに有利な効果が得られる。
本発明は、また、粒径1〜100nmの粒状無水ケイ酸を水中に分散させた懸濁液をほぼ常圧下で90〜95℃に加熱し、これに予め石灰分濃度が1〜2%となるように調整した石灰乳を加えてCaOとSiOを一次反応させた後、0.8〜1.5MPaの加圧飽和水蒸気下で30分〜3時間水熱合成反応させることによって、ケイ酸カルシウム水和物スラリーを作製する工程と、3〜15重量部の前記ケイ酸カルシウム水和物スラリーと、50〜90重量部の水酸化アルミニウム粉末と、5〜45重量部のケイ酸カルシウム単結晶が凝集した中空マリモ状の二次粒子を含むゾノトライトスラリーとを混合し、型枠に注入し、脱水加圧成形する工程とを行う耐火被覆材の製造方法を提供するものである。
上記の製造方法において、前記ゾノトライト又は前記ゾノトライトスラリーの一部ないし全部を、ケイ酸カルシウム質廃保温材原料によって代替することも可能である。
また、成形材料の混合時に外割1〜10重量%のシリコーンオイルと、外割1〜10重量%のシリカゾルとを添加すると、さらに有利な効果が得られる。
以上、説明したように、本発明によれば、従来品に遜色のない優秀な耐火性能を保持しながら、カサ比重・熱伝導率など他の諸物性も優れた極めて高性能な耐火被覆材を得ることができる。
より具体的には、本発明の耐火被覆材は、従来品に比べ、比重が軽い、高温での加熱収縮率が低い、受熱前後とも熱伝導率が低いという利点、並びに原料の一部に廃保温材を利用できるという利点を有することから、用途ごとに下記のような顕著な効果が期待される。
(1)建築用耐火被覆材として
同一の耐火能力であれば従来用いられていたケイ酸カルシウム保温材単成分の成形板に比べ軽量にしてかつ施工厚さを減殺できるため、鉄骨など構造躯体に対する負荷を軽減できるとともに居住空間をより広く取ることが可能となる。
(2)プラント用耐火被覆材として
全面撥水型とすれば屋外構造物(プラントにおける配管ラック脚柱)に施工した場合でも外装塗装を省略することが可能となり、大幅なコストダウンに繋がるとともに、特に重要な施設については、建築基準法に定められた3時間耐火を越える長時間耐火、たとえば4時間耐火、5時間耐火といった性能を有する耐火被覆材を提供できる。
(3)トンネル内部用耐火被覆材として
下記の実施例に示すように、1200℃における熱収縮が7〜8%程度と小さいため、高熱火災に対してもクラックや剥落による基材露出といった耐火機能喪失には至らず、また加熱脱水後の熱伝導率も小さいことから、たとえ設計耐火時間を超えて火災が継続しても施工対象を保護し続けることが可能である。
(4)再生材利用耐火被覆材として
中空マリモ状に二次凝集したゾノトライトスラリーに代えて、使用済みゾノトライト系ケイ酸カルシウム保温材すなわち廃保温材を使用した製品にあっては、廃棄物の有効利用により環境負荷が軽減され、また原料費も軽減されるため、安価にしてかつ環境に配慮した製品の提供が可能となる。
本発明における実施例2によって得られた耐火被覆材(比重0.52・厚さ40mm・水酸化アルミニウム70%含有)をH型鋼に取付け、ガス炉中に設置してISO834 に定める標準加熱曲線に従い昇温し、疑似火災状況下の加熱試験を行ったときの鋼材表面温度を測定したグラフである。ビル火災を想定した建築基準法においては3時間耐火までとなっているが、本実験では苛酷事例を想定して、約1200 ℃まで到達する5時間まで加熱を継続した。比較のために同一厚さ・同一比重で、従来品と同等のケイ酸カルシウム耐火被覆材を作成し、同一の試験を行った場合の測定グラフも併記する。本発明品が、長時間経過後も火災から鉄骨等の施工対象を保護する効果を有することが明瞭に示されている。 本発明における実施例7によって得られた耐酸性を強化した成形体の表面に塩化ビニル製のリング(内径30mm・高さ5mm)を接着し、5%硫酸を満たして24時間放置した後の表面状態の写真である。次の比較例(図3)と比べると、何ら変化を生じていないことが明瞭に示されている。 本発明における比較例1によって作成した従来のケイ酸カルシウムのみから成る成形体表面に上記と同様に塩化ビニル製のリングを接着し、5%硫酸を満たして24時間放置した後の表面状態の写真である。表面が激しく侵食され、従来品は耐酸性を有しないことが示されている。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の水酸化アルミニウムを主成分とする耐火被覆材及びその製造方法を実施するための最良の形態を詳細に説明する。
以下において、「カサ比重」とは、水に対する比重を言い、耐火被覆材のような多孔質成形体と同体積の水の重量との比の値である。
「ゾノトライト」とは、別段の指定がない場合、JIS A 9510規格1号のゾノトライト結晶成形体を言う。
本発明の水酸化アルミニウムを主成分とする耐火被覆材は、
(1)耐火性骨材として作用する水酸化アルミニウム粉末、
(2)バインダーとして作用するケイ酸カルシウム水和物スラリー、
(3)比重調整材として作用する中空マリモ状に二次凝集したゾノトライトスラリーあるいは使用済みゾノトライト系ケイ酸カルシウム保温材、
(4)任意で添加される補強繊維、撥水剤、補助バインダーなどの補助材
から組成される。
(1)水酸化アルミニウム粉末
耐火性骨材として作用する水酸化アルミニウム粉末は、金属アルミニウム精錬工程における中間生成物として大量に製造されているため安価であり、また人畜無害であることからプラスチック類の難燃剤としても広く用いられている。
耐火被覆材としては、約300℃で下式のように分解するが、これは吸熱反応であり反応に伴い1gあたり約1500Jの熱を奪う。
2Al(OH) → Al+3H
分子量で計算すれば、水酸化アルミニウムは約35重量%の水分を含むということであり、既述したゾノトライトの約14倍もの含水量となる。水酸化アルミニウムが分解した時点で被覆対象である鉄骨等の温度が水の沸点未満であれば、分解によって生成した水蒸気ガスは鉄骨表面で液化凝縮する。その後加熱が継続すれば再び気化するが、相変化の際に熱を奪うためさらなる耐火効果をもたらす。
また、水酸化アルミニウムの熱分解によって生成するAlは、ケイ酸カルシウムの熱分解によって生成するCaSiOよりも耐熱性が高く、融点を比較するとCaSiOが約1500℃であるのに対してAlは2000℃以上にも達する。従って1200℃程度の火災状況下に長時間曝されても、水酸化アルミニウムを主成分とする耐火被覆材は熱収縮などの変形をほとんど生じない。このため、クラックや脱落などのおそれが少ない。
さらに、加熱によっても変形しないということは、Al(OH)から水酸基(OH)が揮散したAlは、水酸基(OH)の存在した場所が空孔として保存された多孔質体となっていることを意味し、この結果、受熱後の熱伝導率は受熱前よりもむしろ小さくなって、長時間にわたり施工対象を火災から保護する効果が生じることになる。
上記の諸理由より、水酸化アルミニウムの配合量はできるだけ多いことが望ましいが、この物質自体は硬化する性質を示さないために、成形体を得るには何らかのバインダー成分(結着剤)あるいはマトリックス(混合基材)を必要とする。
(2)ケイ酸カルシウム水和物スラリー(バインダー)
本発明においてバインダーとして作用するケイ酸カルシウムスラリーは特許文献3に記述されたものであり、一次粒子径(平均粒径)が1〜100nmの粒状無水ケイ酸懸濁液と石灰乳を混合し、0.8〜1.5MPaの加圧飽和水蒸気下で30分〜3時間水熱合成することによって得られ、微細なゾノトライトコロイドから成る粘稠なスラリーである(以下、このスラリーを「A−ゾノ」と称する)。
以下に、「A−ゾノ」の具体的な製造工程を示す。
(2−1)A−ゾノの製造工程
無機質バインダー「A−ゾノ」の製造工程は、従来のゾノトライト製造工程と同様に、ケイ酸質原料とカルシウム質原料とを水中に分散させた後にオートクレーブ中で水熱合成を行うものである。しかしながら、ケイ酸質原料としては、粒径1〜100nmの微細球状無水ケイ酸(日本アエロジル株式会社製「アエロジル(登録商標)」)を使用する点において従来のゾノトライト製造工程とは大きく異なる。
尚、アエロジル(登録商標)をケイ酸カルシウム生成のためのケイ酸質原料として用いる例は、特開2002−308669号公報や特開2003−277122号公報などに記載があるが、いずれもアエロジル(登録商標)を必須要素とするものではなく、しかもバインダー原料として認識されてはいない。
一方、カルシウム質原料としては生石灰や消石灰などが使用可能である。好ましくは、生石灰を所定の濃度となるように80℃〜100℃の温水中に加え、ホモミキサーにより3000〜5000rpmで攪拌しつつ消化すると嵩高な石灰乳が得られ、石灰分の分散が極めて良好で反応性が高いものとなる。
アエロジル(登録商標)を水に分散させた懸濁液を常圧下で90℃〜95℃に加熱しつつ、上記の製法により予め生石灰濃度が1〜2%となるように調整した石灰乳を加え、ホモミキサーにてさらに5分〜40分ほど攪拌する。
ここで、ケイ酸分と石灰分の配合モル比(CaO/SiO)はほぼ1であり、添加水量は最終的に固形分量が1〜2%(水/固体重量比=50〜99)となるようにする。この水/固体重量比は、通常のケイ酸カルシウム水熱合成の場合の20〜40程度と比べてかなり大きいが、それだけ低濃度であっても嵩高なゾルが得られることを意味している。
このように、常圧・沸点近傍で加熱攪拌することによりCaOとSiOは一次反応を起こし、非晶質のケイ酸カルシウム水和物スラリーとなる。続いて、このスラリーを攪拌機能付きオートクレーブに移し、0.8〜1.5MPaの加圧飽和水蒸気下で30分〜3時間水熱合成を行って、ゾノトライトスラリーを得る。これらのプロセスは公知技術と同一であるが、原料が微細であるため反応性は極めて高く、一次反応・水熱合成反応ともその処理時間は従来に比べて大幅に短縮可能である。
こうして得られた「A−ゾノ」スラリーは沈降体積が50cm/g以上、通常は60 〜 70cm/gにも及び、従来の方法で製造されるゾノトライトスラリーの値を大幅に上回る。ここで、沈降体積とは、スラリーをメスシリンダーに採取し、24時間静置後の固形分体積を固形分重量で除した値である。
また、「A−ゾノ」スラリーの分散状態はきわめて安定したコロイド(ゾル)状態にあるため、1ヶ月放置しても固形分が沈降することはなく、その性状はシリカゾルなど従来の水性コロイドに近似している。
(3)マリモゾノ(比重調整材)
「A−ゾノ」と水酸化アルミニウム粉末だけでも成形体は得られるが、結着力が強固すぎるため製品の比重が大きくなり、その結果断熱性に乏しくなる。そこで、比重調整材として、中空マリモ状に二次凝集したゾノトライトスラリーを添加する。
ゾノトライトスラリーは、ケイ石粉末等のSiO原料及び石灰原料から、例えば特公報平1−16787号公報に示されるような公知の手法により得られる。以下、このゾノトライトスラリーを「マリモゾノ」と称する。「マリモゾノ」はそのまま脱水プレス成形を施せばJIS1号ケイ酸カルシウム保温材(比重0.155以下)が得られるほどの物質であるため、添加量とプレス比に応じ0.2〜0.8の範囲で任意の比重の成形体を得ることができる。ただし、軽すぎると、熱伝導率は低くなるものの結晶水や水酸基の形で内包する水分の絶対量が減少するため鉄骨の温度上昇を抑える能力は低下し、重すぎると構造躯体への負担が増加するとともにコストアップを招く。このため、好ましい比重の範囲は、建築・プラント用としては0.30〜0.55、耐久性が求められるトンネル内部用としては0.50〜0.75である。
比重調整材として添加するマリモゾノにもマトリックスとして成形能力はあるが、製品の強度はほとんどバインダーである「A−ゾノ」の結着力によって決定するため、マリモゾノに代えて使用済みJIS1号ケイ酸カルシウム保温材(ゾノトライト系)を使用することも可能である。この場合、保温材は2mm以下に粉砕する必要がある。その添加量は、マリモゾノの全てを置き換えてもよいし、一部を置き換えてもよい。またJIS1号ケイ酸カルシウム保温材製造時に発生する切断端材等も同様に粉砕すれば使用可能である。以下、これら使用済み保温材や切断端材の粉砕物を「廃ゾノ」と称する。
(4)その他成分
その他の補強繊維・撥水剤・補助バインダーなどの補助材は必須成分ではなく、用途に応じて添加する。例えば高層ビル鉄骨耐火被覆であれば用途は屋内に限られるので撥水性は不要であるが、プラントの配管ラック脚柱の耐火被覆であれば一般に屋外施工であり、撥水性を施すことによって外装塗装を省略できるため施工費の点からも有利である。製品の強度に関しては、ガラス繊維等の補強繊維の添加が有利に作用し、特に強度を要する場合や耐酸性を要する場合は、シリカゾル、アルミナゾルなど水性コロイド系バインダーの併用が効果的である。その他需要に応じ、着色顔料等の添加も可能である。
本発明の耐火被覆材を製造するにあたっては、
(1)上述の耐火性骨材として作用する水酸化アルミニウム粉末を50〜90重量部、
(2)「A−ゾノ」を乾燥時換算値5〜15重量部、
(3)「マリモゾノ」又は「廃ゾノ」を乾燥時換算値5〜35重量部、
(4)その他補強繊維・撥水剤(シリコーンオイル)・補助バインダー(シリカゾル)などの補助材を適宜0〜10部計量し、さらに全体の固形分濃度が7〜30%となるように水を加えて調整し、ミキサーに投入して一様に混合する。
ミキサーはスクリュー型・パドル型・ニーダー型など、水性スラリーを均一に混合できるものであればいずれも使用可能である。次いで混合後のスラリーを型枠に入れ、脱水プレスによって所定の比重が得られる厚みまで圧搾し、脱型後の成型品を乾燥機に移し、110℃〜180℃にて2時間〜18時間、遊離水分がほとんど蒸発するまで乾燥し、製品とする。
本発明において使用する水酸化アルミニウム粉末はケイ酸カルシウムスラリーと均質に混合可能なものであれば種類を問わないが、ハンドリングや混合の容易さから、平均径が1μm〜30μmのドライ品が好適である。
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に詳述する。
実施例1〜3
日本アエロジル社製「アエロジル300」(平均粒子径7nm)48g を4L の温水に分散させ、90℃まで加温しておく。ここに予め生石灰(CaO 純度94%)47.6g を温水4L にて消化して作成しておいた石灰乳を一気に加え、回転速度5000rpm のホモミキサーで攪拌しながら90 ℃で20 分間加熱し、一次反応を行った。その後この液を攪拌機能付きオートクレーブに移して温度200 ℃、圧力1.5Mpa の条件下で攪拌しながら2 時間水熱反応を行い、冷却後、粘稠なスラリーを得た。乾燥体のX線回折分析によれば固形分は全てゾノトライトから成ることが示された(「A−ゾノ」の製造)。
ケイ酸質原料を粒径10μm〜25μmのケイ石粉砕物に変え、水/固体重量比を23 とし「A−ゾノ」と同様のプロセスで2.3Mpa・5.5hrの条件でオートクレーブ反応を行い、ゾノトライトスラリーを得た。このスラリーの乾燥物を電子顕微鏡で観察すると中空マリモ状ケイ酸カルシウム(ゾノトライト結晶体)の形状を呈していた(「マリモゾノ」の製造)。
水酸化アルミニウム粉末原料としてアルモリックス社製汎用水酸化アルミニウム粉末B−303(平均径4.3μm)を用い、表1に示すように50〜90%の間で重量比を変化させた配合実験を行い、プレス成形後熱風乾燥機中にて乾燥し、成形体を得た。
得られた成形体については、それぞれカサ比重、曲げ強度、熱機械分析装置による高温線収縮率、製造直後の熱伝導率及び900 ℃ 3hr 加熱後すなわち水分離脱後の熱伝導率を測定した。それらの結果も表1に併せて示した。
さらに代表配合品である実施例1及び実施例2の成形体については、15mm、25mm、40mmの各厚さの成型板を実際に300mm H型鋼に取付け、プロパンガス炉中でJISA1304「建築構造部分の耐火試験方法」に準じて性能試験を行い、鋼材表面の温度を測定した。その結果を、表2及び図1に示した。
比較例1
比較例として、「マリモゾノ」にガラス繊維を5重量%添加し、比重0.42のケイ酸カルシウムのみを主成分とする成形体を作成し、諸物性の測定と耐火試験を行った。この成形体は従来のケイ酸カルシウム系耐火被覆材と同等品である。
比較例2
実施例3に述べた水酸化アルミニウムを高比率で配合した成形体と比較するために、配合比は比較例1と同一としつつ、比重を実施例3に合わせて0.52とした成形体を作成し、諸物性の測定と耐火試験を行った。比較例1及び比較例2についても、物性等の測定結果を、表1、2及び図1に併記した。
実施例4〜5
JIS1号−15相当品の使用済み保温材をスクリーン孔径2mm φのカッターミルで粉砕し、「廃ゾノ」を製造した。実施例1の配合について「マリモゾノ」の1/2およびすべてを「廃ゾノ」で代替した場合の配合・物性を同様に表1に示した。物性値に僅かな差はあるが、実用上は差し支えない程度であることが示された。
実施例6
撥水品のためのシリコーンオイルとして東レ・ダウコーニング社製SH−200を選定し、実施例1の配合に外割で3%添加して同様の手法で撥水性成形体を作成した。実施例1と比較して諸物性値に大きな差違はなく、実用上は差し支えない程度であることが示された。
耐火被覆材について撥水性を規定した規格がないため、JIS A9510−6.9「無機多孔質保温材・はっ水度試験」の規定を援用して60分間散水後の残存水分から撥水度を測定したところ99.7であり、満点である100に極めて近い値を示した。
比較例1に示した通常のケイ酸カルシウム質耐火被覆材について同様の試験を行ったところ、その撥水度は24.5であった。
実施例7
耐候性に加え、強度及び耐酸性を向上させる目的で、実施例1の配合にシリコーンオイル東レ・ダウコーニング社製SH−200を外割で3重量%、さらにシリカゾル(商品名・日産化学工業製スノーテックス40)を外割で5重量%添加して同様の手法で成形体を作成した。実施例1と比較して、強度値に向上が認められた。本成形体に内径30mm・高さ5mm の塩化ビニル製のリングを接着し、5%硫酸を満たして、24時間経過後の表面状態を、比較例1(ケイ酸カルシウムのみより成る成形体)と比較した写真を図2及び図3に示す。
本発明品にシリコーンオイル及びシリカゾルを添加することによって、耐酸性が著しく向上することが示された。トンネル内部に施工する際は、自動車排気ガス中の硫黄酸化物等によって常時酸性雰囲気に曝されることから、耐酸性は重要な利点となる。
表1より、本発明に基づく実施例1〜7の成形体は、いずれもケイ酸カルシウムのみよ
り成る比較例に示した成形体よりも、耐熱性および高温下での断熱性に著しく優れている
ことが示された。また、表2および図1から、本発明に基づく成形体は、ケイ酸カルシウ
ムのみより成る比較例に示した成形体よりも、鉄骨耐火被覆材として極めて優れる性能を
有していることが示された。
以上、本発明の水酸化アルミニウムを主成分とする耐火被覆材及びその製造方法について、具体的な実施の形態を示して説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。当業者であれば、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、上記実施形態におけるバインダーや成形体の原材料、混合方法、反応方法、比重調整方法などについて、様々な変更・改良を加えることが可能である。
本発明の水酸化アルミニウムを主成分とする耐火被覆材及びその製造方法は、従来品に遜色のない優秀な耐火性能を保持しながら、カサ比重・熱伝導率など他の諸物性も優れた極めて高性能な耐火被覆材を提供するものであり、耐火被覆材の製造分野において産業上利用可能なものである。

Claims (6)

  1. 粒径1〜100nmの粒状無水ケイ酸を水中に分散させた懸濁液をほぼ常圧下で90〜95℃に加熱し、これに予め石灰分濃度が1〜2%となるように調整した石灰乳を加えてCaOとSiO2を一次反応させた後、0.8〜1.5MPaの加圧飽和水蒸気下で30分〜3時間水熱合成反応させることによって得られるケイ酸カルシウム水和物スラリーを3〜15重量部と、
    50〜90重量部の水酸化アルミニウム粉末と、
    5〜45重量部のケイ酸カルシウム単結晶が凝集した中空マリモ状の二次粒子を含むゾノトライトスラリーと、
    を混合し、型枠に注入し、脱水加圧成形することにより製造される耐火被覆材。
  2. 請求項1に記載の耐火被覆材において、前記ゾノトライト又は前記ゾノトライトスラリーの一部ないし全部を、ケイ酸カルシウム質廃保温材原料によって代替したことを特徴とする耐火被覆材。
  3. 請求項1又は2に記載の耐火被覆材において、成形材料の混合時に外割1〜10重量%のシリコーンオイルと、外割1〜10重量%のシリカゾルとを添加したことを特徴とする耐火被覆材。
  4. 粒径1〜100nmの粒状無水ケイ酸を水中に分散させた懸濁液をほぼ常圧下で90〜95℃に加熱し、これに予め石灰分濃度が1〜2%となるように調整した石灰乳を加えてCaOとSiO2を一次反応させた後、0.8〜1.5MPaの加圧飽和水蒸気下で30分〜3時間水熱合成反応させることによって、ケイ酸カルシウム水和物スラリーを作製する工程と、
    3〜15重量部の前記ケイ酸カルシウム水和物スラリーと、50〜90重量部の水酸化アルミニウム粉末と、5〜45重量部のケイ酸カルシウム単結晶が凝集した中空マリモ状の二次粒子を含むゾノトライトスラリーとを混合し、型枠に注入し、脱水加圧成形する工程とを行う耐火被覆材の製造方法。
  5. 請求項に記載の製造方法において、前記ゾノトライト又は前記ゾノトライトスラリーの一部ないし全部を、ケイ酸カルシウム質廃保温材原料によって代替したことを特徴とする耐火被覆材の製造方法。
  6. 請求項4又は5に記載の製造方法において、成形材料の混合時に外割1〜10重量%のシリコーンオイルと、外割1〜10重量%のシリカゾルとを添加することを特徴とする耐火被覆材の製造方法。
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