以下、本発明の実施形態について図面を参照して具体的に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態にかかる計測装置の構成例を示す図である。図1に示す計測装置は、試料Aを載せる透明部材12、試料からの光を検出する光検出部22、透明部材12の温度を制御する熱制御部42を備える。熱制御部42及び光検出部22はコンピュータ1に接続されている。
透明部材12は、透明基板121と、透明基板121の表面に設けられた透明導電膜122を有する。透明導電膜122の両端には、電極41a、41bが形成されている。電極41a、41bは、例えば、金(Au)等で形成することができる。図2は、図1における透明部材12の上面図である。図1及び図2に示す例では、透明部材12は、矩形の平板状である。透明基板121の上面全面に透明導電膜122が形成される。透明導電膜122上であって、前記矩形の対向する2辺に沿う端部にそれぞれ電極41a、41bが設けられる。電極41a、41bは、透明導電膜122に電圧を印加するための電極であり、透明導電膜122が形成する面領域の少なくとも一部を挟むよう2箇所に形成される。これにより、電極41a、41b間に電圧を印加すると、電極41a、41bに挟まれた透明導電膜122の領域において熱が発生する。透明導電膜122は、透明ヒータと言える。
なお、透明部材12の形状は、図1及び図2に示す例に限られない。例えば、透明部材12の形状は、円板形状や円筒形状にすることもできる。また、透明導電膜122は、透明基板121の上面の全体ではなく一部に形成してもよい。例えば、透明導電膜122を、効率よく試料を加熱するために適した形状にパターニングすることができる。
また、電極41a、41bは、必ずしも設ける必要はなく、例えば、電圧を印加するためのプローブを直接、透明導電膜122に取り付けてもよい。また、透明導電膜122の上にさらに追加膜を形成することもできる。例えば、透明導電膜122を覆うように絶縁膜を形成することで、ユーザが感電するのを防ぐことができる。また、絶縁膜により、試料が導電体である場合に、透明導電膜122から試料に電流が漏れるのを防ぐことができる。
熱制御部42は、電極41a、41bを通じて、透明導電膜122に電圧を印加する。熱制御部42は、この電圧を制御することにより、透明部材12の温度を制御することができる。これにより試料Aの温度を制御することができる。熱制御部42は、温調器と言うことができる。
透明導電膜122に熱電対43を付けることができる。熱制御部42は、熱電対43により測定される温度に基づいて、透明導電膜122への印加電圧を調整する。熱制御部42は、例えば、コンピュータ1から指示された温度を保つように、透明導電膜122への電圧の大きさまたは、電圧のON/OFFを制御することができる。
試料Aの温度を正確に制御する観点からは、熱電対43を取り付ける位置は、試料Aに近い位置が好ましいが、熱電対43の位置は、図1に示す例に限られない。例えば、熱電対43を透明部材12の下面(試料Aの載置面の対向面)に取り付けることもできる。これにより、試料Aを載せる面である、透明部材12の上面を平坦にすることができる。
[透明導電体膜]
透明導電膜122の材料は特定のものに限定されない。例えば、酸化インジウムを主成分とする材料(例えば、ITO(Indium Tin Oxide))、酸化亜鉛を主成分とする材料(例えば、AZO(Aluminium Zinc Oxide)、GZO(Gallium doped Zinc Oxide)等)、または酸化すずを主成分とする材料を、透明導電膜122の材料に用いることができる。
透明導電膜122の透過率は、例えば、80%以上であることが好ましい。透明導電膜122の透過率を80%以上にすることにより、計測に用いられる光が透明導電膜122で妨げられて、計測結果に影響を及ぼすことを抑えることができる。また、透明導電膜122の抵抗率は、10-3[Ω・cm]以下であることが好ましい。なお、電極41a、41bの抵抗率は、透明導電膜122の抵抗率より小さいことが好ましい。
また、透明導電膜122は、例えば、スパッタリング法、PLD(Pulsed laser deposition)法、または真空蒸着法等により、透明基板121上に成膜することができる。透明基板121の面精度は、例えば、計測装置の分解能または測定精度等に応じて決めることができる。一例として、計測装置が要求される測定精度が±1μm程度である場合、透明基板121の面精度は、λ(検査波長=0.6328μm)以下であることが好ましい。ここで、面精度は、有効反表面全体において、最も高い位置(Peak)と、最も低い位置(valley)との差(PV値)としている。
また、図1に示す例では、透明部材12の試料を載置する側の表面(試料載置面)に透明導電膜122が設けられている。透明導電膜122は、試料載置面と対向する面に設けられてもよい。
光検出部22は、透明部材12の下側に配置される。光検出部22は、透明部材12の上面に載せられた試料Aを透明部材12の下面から撮像する。光検出部22は、試料Aからの光を電気信号に変換して出力するものであり、例えば、CCD、CMOS等の光センサを有する。図1に示す例では、光検出部22は、試料Aを撮影し、試料Aの画像信号または画像データをコンピュータ1へ送信する。
コンピュータ1は、演算部50を備える。演算部50は、例えば、計測制御部51、画像処理部52及び判定部53を備える。計測制御部51は、例えば、温度制御部42へ設定温度を示す信号を送ることで、透明部材12の温度を設定することができる。また、温度設定と連動して光検出部22に制御信号を送ることで、設定した温度における試料からの光を検出することができる。例えば、計測制御部51は、温度制御部42へ温度設定指示と、光検出部22への光検出指示を適切なタイミングで行うことにより、任意の温度での試料からの光を検出することができる。
コンピュータ1は、温度設定と光検出を制御するプログラムを、計測制御部51の動作を規定するプログラムとして、予め記録しておくこともできる。また、コンピュータ1は、設定温度や光検出タイミング等を含む制御情報の入力をユーザから受け付けるユーザインタフェース部(図示せず)を備えてもよい。この場合、計測制御部51は、ユーザから入力された制御情報に基づいて、熱制御部42及び光検出部22の動作を制御することができる。
画像処理部52は、光検出部22の光検出により得られた画像データまたは画像信号を処理する。例えば、画像処理部52は、光検出部22で検出された光に基づく画像を受け取り、試料Aの2次元画像データまたは3次元形状を示す形状データを生成する。形状データは、例えば、透明部材12の上面をXY平面とした場合、XY平面における各位置(x、y)における高さ(例えば、透明部材12の上面からの距離)を示す値で表すことができる。画像処理部52は、例えば、光検出部22から送られた信号または画像データを基に生成した試料Aの2次元画像データまたは3次元形状データをコンピュータ1上のメモリに保存して、判定部53がアクセス可能な状態とすることができる。
判定部53は、画像処理部52で算出された試料Aの形状データまたは画像データを用いて、試料が、所定の基準を満たしているかを判定する。例えば、判定部53は、画像処理部52で算出された試料Aの高さ情報が所定の基準を満たしているかを判断する。あるいは、判定部53は、試料の形状が所定の範囲内であるか、基準とする形状から外れていないか等を判定することができる。これにより、試料の形状検査が可能になる。また、試料の判定結果を、試料の画像取得時の設定温度と対応付けて記録または出力してもよい。なお、判定処理及び判定の基準は特定のものに限られない。
コンピュータ1は、CPU等のプロセッサとメモリ等の記憶手段を少なくとも備える。演算部50の各機能部(計測制御部51、画像処理部52、判定部53)の機能は、メモリに記録された所定のプログラムをプロセッサが実行することにより実現することができる。なお、処理を高速に実行する観点から、例えば、画像処理部103の機能は、コンピュータ1の汎用プロセッサとは別に設けられた画像データ処理専用のハードウエア(画像処理ボード)で実現してもよい。このようなハードウエアの例として、GPU(Graphics Processing Unit)、VPU(Visual Processing Unit)、ジオメトリエンジン、その他のASIC(Application Specific Integrated Circuit)等が挙げられる。また、熱制御部42は、コンピュータ1とは別途設けられた基板上の電子回路またはチップで構成されてもよいし、コンピュータ1の演算部1の一機能として実現されてもよい。あるいは、例えば、COG(Chip On Glass)技術等によって透明基板121上に熱制御部42を実装しても良い。
上記のとおり、図1に示した計測装置では、試料Aと光検出部22とを結ぶ光路上に、透明導電膜122を有する透明部材12が配置されている。そのため、試料Aの温度を調整するための発熱体を試料Aの近くに配置することができる。その結果、熱効率及び空間利用効率を向上させることができる。また、図1に示す例では、透明部材12が、試料Aを保持する手段と試料Aを加熱する手段の両方を兼ねているので、さらなる熱効率向上及び装置の簡素化が可能になる。
また、透明部材12の上面に置かれた試料Aからの光を、透明部材12を介して検出する構成なので、透明部材12の上面を基準として試料の形状を計測することができる。ここで、透明部材12は、加熱手段である透明導電膜122を有する熱源でもある。すなわち、熱源の上面を基準として試料を計測することになる。そのため、例えば、熱による試料の変形をより顕著に検出することが可能になる。
また、例えば、従来技術のように、試料の雰囲気を熱することで温度調整をする場合は、試料Aの空間を密閉するチャンバー等追加の部材が必要となる。これに対して、本実施形態では、試料Aを保持するテーブルが熱源となっているため、効率よく試料を熱することができる上、装置構造を簡素にすることができる。
また、本実施形態は、透明導電膜122に電圧を加え発熱させることで、試料Aを加熱する構成であるので、加熱手段である透明部材12は透明を保持したまま、形状計測を行うことが可能である。すなわち、加熱手段それ自身は画像処理に不必要な発光をしない構成にできるので、加熱手段による計測への悪影響を抑えることができる。例えば、加熱手段として、赤外線ランプなどを用いた場合、発熱時に赤外線ランプが可視光を含む光を発光し、計測に悪影響を与え得るので、これに対する対策が必要となる。これに対して、本実施形態では、熱源が透明部材であり、可視光を発光するものではないため、そのような対策は不要である。
(第2の実施の形態)
図3(a)は、第2の実施形態にかかる計測装置の構成例を示す図である。図3に示す計測装置は、透明部材12上に載置された試料Aを異なる方向から撮影する2つの光検出部22−1、22−2を備える。透明部材12は、第1の実施形態と同様に、透明基板121及び透明導電膜122を備える。光検出部22−1、22−2は、透明部材12の下側に配置される。光検出部22−1、22−2は、透明部材12の下面から、透明部材12越しに、試料Aを撮影する。
図3(b)は、第2の実施形態にかかる計測装置の変形例を示す図である。図3(b)に示す例では、試料Aを設置するテーブル12−2を上部に、試料のための空間をはさんで透明部材12−1が設けられる。透明部材12−1の透明導電膜122が形成された面が、テーブル12−2すなわち試料に対向するように、透明部材12−1は配置される。光検出部22−1、22−2は、透明部材12−1のさらに上部に配置される。すなわち、テーブル12−2と、光検出部22−1、22−2との間に透明部材12−1が配置される。光検出部22−1、22−2は、透明部材12−1を介して試料を撮影することができる。テーブル12−2は、必ずしも透明である必要はない。
図3(b)に示す構成によっても、熱源を試料A近くに配置できるので、熱効率を向上させるとともに、計測装置を簡素にすることができる。また、図3(b)では、試料Aの空間をテーブル12−2と透明部材12−1で挟む構成であるため、熱の発散が抑えられる。
図3(c)は、第2の実施形態にかかる計測装置の他の変形例を示す図である。図3(c)に示す例では、透明部材12の試料載置面と対向する面に透明導電膜122が形成されている。この構成では、透明部材12の下面に透明導電膜122が形成されるので、ユーザが電圧印加中の透明導電膜122に触れて感電する危険の度合いを低くすることができる。また、試料が透明導電膜122に触れることにより、測定のために透明部材12に置いた試料に電流が流れるといった事態も防ぐことができる。
なお、図3(a)(b)及び(c)においても、図示しないが、図1と同様に、透明導電膜122上の両端に設けられた電極41a、41b、透明部材12の温度を測定する熱電対43、電極41a、41b間の電圧を制御する熱制御部42、並びに熱制御部42及び光検出部22−1、22−2を制御するコンピュータ1が設けられてもよい。
コンピュータ1の画像処理部52は、複数の光検出部22−1、22−2で撮影された試料Aの画像から、例えば、ステレオ法を用いて試料Aの3次元形状を算出することができる。画像処理部52は、複数の光検出部22−1、22−2から得られたステレオ画像の対応点をマッチング処理により特定し、このマッチングされたステレオ画像を分析することにより試料Aの3次元形状を計測することができる。すなわち、画像処理部52は、複数の光検出部22−1、22−2により取得された複数の画像の間で画素を対応付け、対応付けられた一方の画像上の画素と、他方の画像上の画素との位置の差(視差)に、三角測量の原理を適用することにより、光検出部22−1または光検出部22−2から当該画素に対応する試料上の点までの距離を計測することができる。
本実施形態の計測装置は、複数のカメラ(光検出部の一例)を用いたパッシブ方式の形状測定装置の一例である。なお、光検出部の数は2つに限られず、3以上であってもよい。また、光検出部により取得された試料の画像を用いて試料までの距離(高さ情報)または3次元形状を求める方法は、ステレオ法に限られない。例えば、(DFD(Depth from Defocus)法やレンズ焦点法等のような焦点法を用いることもできる。なお、焦点法を用いる場合は、光検出部は1つだけでもよい。
(第3の実施形態)
図4は、第3の実施形態にかかる計測装置の構成例を示す図である。図4に示す計測装置は、透明部材12上に載置された試料Aに対して、レーザを照射し、試料Aで反射したレーザを検出するレーザ変位計22aを備える。透明部材12は、第1の実施形態と同様に、透明基板121及び透明導電膜122を備える。レーザ変位計22aは、透明部材12の下側に配置される。レーザ変位計22aは、透明部材12を介して、試料Aへレーザを照射し、試料Aからの光を、透明部材12を介して検出する。すなわち、透明部材12は、レーザ変位計22aと試料Aとの光路上に設けられる。レーザ変位計22aは、光照射部と光検出部の機能を備えている。
なお、レーザの屈折が計測結果に及ぼす影響を抑える観点からは、透明部材12の厚みは一定であることが好ましい。すなわち、透明部材12は、透明部材12におけるレーザの入射面と出射面が平行となる透明な平行板であることが好ましい。
また、図4においても、図示しないが、図1と同様に、透明導電膜122上の両端に設けられた電極41a、41b、透明部材12の温度を測定する熱電対43、電極41a、41b間の電圧を制御する熱制御部42、並びに熱制御部42及びレーザ変位計22aを制御するコンピュータ1が設けられてもよい。
図4に示すように、試料Aを保持する透明部材12の下側からレーザを照射することで、試料Aの下面の形状を正確に測定することができる。また、試料Aが載せられる面が発熱する構成なので、加熱による変位が顕著に表れる部分の変位をレーザ変位計22aにより検出することができる。
(第4の実施形態)
図5(a)(b)は、第4の実施形態にかかる計測装置の構成例を示す図である。図5(a)及び図5(b)に示す計測装置は、試料Aを載置する透明部材12と、試料Aに光を照射する光照射部21と、試料Aからの光を検出する光検出部22と備える。
図5(a)に示す例では、光照射部21は、透明部材12の試料載置面の対向する面側に設けられ、透明部材12を介して、光を試料Aへ照射する。光検出部22は、透明部材12の試料載置面側に設けられ、光照射部21から出て透明部材12及び試料Aを順に透過した光を検出する。光検出部22は、試料Aの透視画像を取得することができる。
図5(b)に示す例では、光照射部21は、透明部材12の試料載置面側に設けられ、試料Aへ向けて直接光を照射する。光検出部22は、透明部材12の試料載置面に対向する面側に設けられ、光照射部21から出て試料A及び透明部材12を順に透過した光を検出する。
なお、図5(a)及び図5(b)においても、図示しないが、図1と同様に、透明導電膜122上の両端に設けられた電極41a、41b、透明部材12の温度を測定する熱電対43、電極41a、41b間の電圧を制御する熱制御部42、並びに熱制御部42及び光検出部22を制御するコンピュータ1が設けられてもよい。
本実施形態は、光照射部21と光検出部22が透明部材12を挟んで対向して配置される場合の例である。本実施形態のように、光照射部または光検出部の少なくともいずれかと試料との間に透明部材を配置することで、熱の伝達効率を向上させ、かつ装置を簡素にすることが可能になる。
(第5の実施形態)
図6(a)は、第5の実施形態にかかる計測装置の構成例を示す図である。図6(a)に示す計測装置は、透明部材12の上に載置された試料Aに光を照射する光照射部21と、試料Aから光を検出することにより、試料Aを撮影する光検出部22とを備える。また、透明部材12は、第1の実施形態と同様に、透明基板121及び透明導電膜122を備える。
光照射部21及び光検出部22は、透明部材12の試料Aの載置面と対向する面側に配置される。そのため、光照射部21の照射光は、透明部材12を介して試料Aへ到達する。試料Aで散乱した光は、透明部材12を通って光検出部22へ到達し、検出される。このように、試料Aを保持しかつ発熱手段を有する透明部材12越しに、光を照射し、透明部材12越しに試料Aからの光を検出する構成とすることで、装置構成が簡素化される。また、熱源を試料Aの近くに配置することができるので、熱への変換効率もよくなり、消費電力も抑えることができる。
図6(b)は、本実施形態の変形例を示す図である。図6(b)に示す例では、試料Aを設置するテーブル12−2を上部に、試料のための空間をはさんで透明部材12−1が設けられる。透明部材12−1の透明導電膜122が形成された面が、テーブル12−2すなわち試料に対向するように、透明部材12−1が配置される。光照射部21及び光検出部22は、透明部材12−1のさらに上部に配置される。すなわち、テーブル12−2と、光照射部21及び光検出部22との間に透明導電膜122を有する透明部材12−1が配置される。光照射部21は、透明部材12−1を介して試料に光を照射し、光検出部22は、透明部材12−1を介して試料を撮影することができる。図6(b)に示す構成によっても、熱源を試料Aに近づけて熱の伝達効率を向上させるとともに、計測装置を簡素することができる。また、図6(b)では、試料Aの空間をテーブル12−2と透明部材12−1で挟む構成であるため、試料A周辺からの熱の発散が抑えられる。なお、試料Aを載置するテーブル12−1は、透明でなくてもよい。
図6(c)に示す計測装置は、図6(a)に示す構成に、さらに、試料Aの上部の空間を覆う透明部材12−1を設けた構成である。透明部材12−1の試料側の面には、透明導電膜122が形成されている。この構成により、試料Aを保持する面と試料Aの上部の空間を覆う面の双方に熱源を配置することができる。これにより、試料Aを急速に熱することができる。また、試料Aの上下を発熱体で挟む構成なので、試料Aの周りの空間から熱が発散するのを抑えることができる。なお、試料の上に設けられる透明部材12−1は、必ずしも透明でなくてもよい。
図6(a)〜図6(c)においても、図示しないが、図1と同様に、透明導電膜122上の両端に設けられた電極41a、41b、透明部材12の温度を測定する熱電対43、電極41a、41b間の電圧を制御する熱制御部42、並びに熱制御部42、光照射部21及び光検出部22を制御するコンピュータ1が設けられてもよい。
また、図6(a)〜図6(c)の構成において、光照射部21は、透明部材12の上面に載せられた試料Aに対して、透明部材12の下面から、光の強度が周期的に変化する光パターンを照射することができる。この場合、光検出部22は、光パターンが照射された試料Aを、透明部材12の下面から撮影する。コンピュータ1の画像処理部52は、光検出部22で撮影された試料Aの画像を処理して、試料の表面の3次元形状を表す表面形状データを生成する。例えば、光照射部21によりサインカーブ等の光パターンを、位相をずらしながら試料Aに照射し、光検出部22が位相がずれた光パターンの画像を複数回に渡って撮影することができる。画像処理部52は、位相がずれた光パターンを照射された試料の複数の画像を基に、位相シフト法を用いて試料Aの3次元形状を算出することができる。位相シフト法を用いた3次元計測の具体例は、第6の実施形態で後述する。
本実施形態は、レーザやパターン等を試料に照射し、試料からの光を観測することで距離を計測するアクティブ方式を用いた3次元計測装置に好適に用いることができる。例えば、図6(a)(c)に示す計測装置は、透明導電膜が設けられた透明部材の上面に試料を配置し、透明部材の下面から光を照射し、試料で反射した光を下面で観測する構成である。これにより、試料の配置面(熱発生面)からの距離を高精度で計測することができるとともに、簡単な構成で試料の温度制御が可能になる。
なお、アクティブ方式を用いた計測法の例として、上記パターン投影法の他、レーザによる光切断方式、レーザによるタイムオブフライト(TOF : time of flight)法、共焦点法、照度差ステレオ法等が挙げられる。また、パターン投影法には、上記位相シフト法の他に、例えば、格子パターン投影法、空間コード化法、ランダムパターン投影法、モアレ法、干渉法等が含まれる。これらはいずれも、本実施形態に適用可能である。
(変形例)
図7は、図6(a)に示す計測装置の変形例を示す図である。図7に示す例では、透明部材12において、透明基板121の上面に全体ではなく一部に透明導電膜122が形成されている。具体的には、試料Aが載置される領域以外の領域に透明導電膜122が形成される。このように、試料Aが載置される領域において透明導電膜122を除去することにより、試料Aが直接、発熱体である透明導電膜122に接するのを避けることができる。例えば、試料Aが樹脂等であり、発熱する透明導電膜122に触れると溶解する可能性がある場合等に図7に示す構成は有効である。
透明導電膜122のパターニングは、例えば、透明基板121の上面全体に透明導電膜を成膜した後、フォトレジストを用いたエッチングによりパターン形成することでできる。また、透明電極膜122のパターンは、図7に示す例に限られない。例えば、試料Aの領域のみを加熱するために、試料Aの載置領域及びその周辺のみに透明導電膜122を形成することもできる。これにより、加熱に使う消費電力を低減することができる。
図8は、図6(a)に示す計測装置の他の変形例を示す図である。図8に示す例では、試料Aを含む空間を密閉するためのカバー61が設けられる。これにより、熱効率を向上させることができる。また、外気の影響で試料Aの温度が不安定になるのを防ぐことができる。
なお、図7、図8に示す変形例は、上記第1〜4の実施形態及び下記第6の実施形態にも適用することができる。
(第6の実施形態)
図9は、第6の実施形態にかかる検査装置の構成例を示す図である。上記第5の実施形態における計測装置を、検査装置に適用した場合の詳細な実施形態である。
[検査システムの構成]
図9示す検査装置100は、試料の形状を測定する測定部5と、測定部5を制御する制御部4と、測定部5及び制御部4へ接続されるコンピュータ1と備える。コンピュータ1には、モニタ2並びに入力デバイス3(マウス3a及びキーボード3b)が接続されている。図9に示す検査装置100は、試料の形状を測定し、形状の良否を判定する装置である。測定部5が制御部4による制御されて試料(検査対象物)の表面形状を測定し、コンピュータ1が測定データに基づいて試料の形状の良否を判定し、結果(検査結果)を保存または出力する。コンピュータ1は、上記第1の実施形態と同様に、計測制御部51、画像処理部52、判定部53を含む演算部50を備える(図1参照)。例えば、電子部品の生産ラインにおいて、完成した電子部品の形状の良否を判定するのに検査装置100を用いることができる。以下、検査装置100が電子部品の形状判定に用いられる場合について説明するが、検査装置100の試料は電子部品に限られない。
図9に示すように、測定部5は、投影プロジェクタ21(光照射部の一例)、光検出部22、テーブル12、テーブル12を動かす駆動部13、及びテーブル12の温度を制御する温度制御部41を備える。テーブル12は、上記第1の実施形態における透明部材12と同様に構成することができる。すなわち、テーブル12は、透明なガラス板である透明基板121と、その上面に形成された透明導電膜122と、透明導電膜122上の両端に形成された電極41a、41bを備える。テーブル12は、測定部5の筐体の上面に設けられる。テーブル12に上面に試料Aが載せられる。テーブル12の下には、投影プロジェクタ21及び光検出部22が設けられる。投影プロジェクタ21は、テーブル12の下面から縞模様の光パターンを試料Aへ照射する。光検出部22は、テーブル12の下面から試料Aに投影された光パターンを撮影する。
図9に示す検査装置100は、3次元形状の取得に、三角測量に分類される格子投影法を用いる。縞模様の光パターンを、試料Aに投影した場合、縞模様は試料Aの形状にあわせて変形するので、その試料Aの画像における縞模様の変形量を測定することで形状を測定することができる。以下、検査装置100の各部について、詳細に説明する。 テーブル12の上面は、試料Aを設置する面(以下、試料面12aと称する)である。ここでは、試料面12a内で互いに直行する軸をXY軸とし、試料面12aに垂直な軸をZ軸とする。駆動部13は、X軸方向及びY軸方向にテーブル12を移動させるXY駆動部13と、Z軸方向にテーブル12を移動させるZ駆動部13とを備えてもよい。また、テーブル12の移動させる構成に換えて、投影プロジェクト21及び光検出部22を移動させる構成にすることもできる。また、テーブル12の温度は、温度制御部42によってコンピュータ1から指定された温度になるように制御される。
投影プロジェクタ21は、試料面12aの向こう側の試料Aに、光の強度が周期的に変化する縞状の光パターンを照射するユニットである。そのため、投影プロジェクタ21では、例えば、光源6、集光レンズ7、グリッド8、テレセントリックレンズ9、10が順に並べて配置される。
光源6には、例えば、コストの観点からLEDが好ましく用いられる。光源6には、その他、ハロゲンランプ、レーザ光源等を用いることができる。集光レンズ7は、光源6の光を集光し平行光に近づける。グリッド8は、この平行光に近い光を、強度が周期的に変化する縞状の光にする。
グリッド8は、例えば、正弦波または余弦波のパターンを有するフィルムを備える。フィルムとして、例えば、波長が50μm〜500μm程度の正弦波パターンの格子フィルムを用いることができる。
なお、グリッドの格子パターンは、明及び暗の2種類の強度が交互に現れる格子パターンでもよいし、明から暗、暗から明への変化に余弦波または正弦波に相当する光の強弱を持たせるパターンであってもよい。このように余弦波または正弦波の強度変化を有する光を試料Aへ投影することで、光検出部22で撮影する全ての画素で高さ解析を行うことができる。また、光パターンは、多重の輪の模様でもよいし市松模様でもよい。
また、光パターンを生成する手段は、上記のフィルムに限られない。例えば、液晶パネルを用いて、強度が周期的に変化する縞状の光パターンを生成することもできる。
また、グリッド8にステッピングモータを設けることにより、光パターンの縞の位置を移動(シフト)させることができる。ステッピングモータによるグリッド8の駆動は、例えば、制御部4からの信号により制御される。例えば、制御部4または測定部5に、マイクロステッピングモータを駆動するマイクロステッピングドライバを設けることができる。マイクロステッピングドライバを用いることにより、高分解能の光パターンシフトが可能になる。なお、コンピュータ1は、制御部4に対してグリッド8の駆動条件の設定をすることができる。
グリッド8を通った、縞状の光パターンは、テレセントリックレンズユニット11を通って、試料面12a上の試料Aに照射される。テレセントリックレンズユニット11は、テレセントリックレンズ9、10によりテレセントリック光学系を形成している。テレセントリックレンズ9、10により形成されるテレセントリック光学系は、像側テレセントリック光学系、物体側テレセントリック光学系、または両側テレセントリック光学系とすることができる。例えば、両側テレセントリック光学系の場合は、物体側、像側とも主交線がレンズ光軸Kに平行になるように、テレセントリックレンズ9、10が配置される。
テレセントリックレンズユニット11を出た光による像では、被写深度内で、被写体寸法が変化しにくい。すなわち、テレセントリックレンズユニット11から出た光における縞の間隔は、光進行方向においてほとんど変化しない。そのため、後段における、光パターン照射され試料Aの画像の処理において、縞の間隔変化を補正する処理が不要になる。
光検出部22は、CCDカメラ15、テレセントリックレンズユニット17を備える。テレセントリックレンズユニット17は、テレセントリックレンズ16、18を含む。CCDカメラ15は、縞状の光パターンが照射された試料Aを撮影する。なお、撮像装置は、CCDカメラ15に限られず、例えば、CMOSセンサ、ラインセンサ等を用いることもできる。CCDカメラ15は、テレセントリックレンズユニット17を通った光による画像を撮影するので、縞間隔の補正が不要な画像が得ることができる。
このように、本実施形態の測定部5は、光源6、グリッド8、テレセントリックレンズユニット11を含む投影プロジェクタ21と、CCDカメラ15、テレセントリックレンズユニット17を含む光検出部22とを組み合わせ構成なので、水平分解能及び高さ分解能が数ミクロンレベルの高分解能の3次元情報を取得することが可能になる。そのため、上記の測定部5により、例えば、電子部品の端子等の評価に適した3次元形状データ(表面形状データ)を得ることができる。 なお、測定部5の構成は、図9に示す構成に限られない。例えば、異なる方向から光パターンを照射する複数の投影プロジェクタを備える構成であってもよい。また、光検出部22は、必ずしもテレセントリック光学系を用いる必要はない。例えば、光検出部22は、光進行方向において幅が広がっていく光パターンを照射することで、投影面を広くとることもできる。また、光検出部22は、グリッドを投影面に対して傾けることなく光パターンを投影するアオリ投影をする構成であってもよい。
[表面形状データの計算例]
次に、格子投影法を用いて試料Aの表面形状データを計算する方法について説明する。図10は、測定部5における試料Aへの縞状の光パターンの投影及び撮影の様子を模式的に表した図である。図10(a)に示すように、投影プロジェクタ21からは、矢印D方向において強度が周期的に変化する縞状の光パターンが試料Aへ照射される。図3(b)は、縞状パターンの一例を示す図である。試料面においては、Y軸方向において周期的に強度が変化する縞状の模様が投影される。試料Aの表面においては、試料Aの表面形状に応じて縞状の模様は変形する。図3(c)は、光検出部22で撮影される画像の一例を示す図である。試料Aの表面形状に合わせて縞模様が変形している様子が画像に表れる。縞模様の変形量xと試料Aの高さhとの関係は、試料面12aに対する光の投影各をαとすると、h=x/tanαで計算される(図3(d))。
ここで、さらに高精度に測定を行うために位相解析には位相シフト法を適用することができる。位相シフト法による測定では、投影プロジェクタ21が投影する縞模様を1/4周期づつシフトさせ4枚の縞画像を撮影し、位相解析を行う。
図11は、図9に示す検査装置100が、位相シフト法を用いて試料Aの3次元測定をする処理の一例を示すフローチャートである。図9に示す例では、試料Aを試料面12aにセットすると(S1)、温度制御部42により、テーブル12の温度がコンピュータ1で設定された温度になるよう調整される(S2)。テーブル12の温度が設定温度に達すると、温度制御部42はその旨を通知する信号をコンピュータ1に送る。コンピュータ1は、テーブル12の温度が設定温度に達した旨の通知を受けると、制御部4に対して、測定開始の指示を出す。制御部4は、測定部5を制御して測定を開始する。
まず、測定部5において、縞模様(格子パターン)の光がテーブル12の下から試料Aへ照射される。これにより、格子パターンが試料Aへ投影される。この格子パターンが投影された試料Aの画像が光検出部22によりテーブル12の下面から撮影される(S3)。ここでは、光の強度が余弦波に相当する変化を示す縞模様の光が照射される場合を説明する。この撮影された画像には、試料Aの表面形状に応じて変形した縞模様が写っている。また、投影プロジェクタ21は、余弦波の縞模様を1/4周期ずつシフトさせた光をそれぞれ投影し、光検出部22は、4枚の位相が1/4周期ずつシフトした縞模様の画像を撮影する。ここで、測定部5で撮影された画像のデータは、コンピュータ1の画像処理部(後述)へ送られる。コンピュータ1の画像処理部52は、前記画像のデータを処理することで、位相解析を行う(S4)。位相解析では、画像中の各画素の位置(座標(x、y))において投影された光パターンの位相θを計算する。位置(x、y)における明るさは、下記式(1)で表される。
aは、その位置での縞の明るさの振幅を示す係数であり、bは、その位置での明るさのオフセット量bを示す係数である。図12は上記式(1)を表すグラフである。図12に示すように、4枚の画像上の同じ位置(x、y)での明るさはI0、I1、I2、I3は、下記式(2)で表される。
したがって、(x、y)における位相θは、下記式(3)により計算することができる。
上記式(3)に示す位相θは、係数a、bによらない。このように、縞の明るさの振幅a項と明るさのオフセット量b項が計算式上でキャンセルされる為、外乱光の影響を受けにくく、高精度な測定が可能になる。そのため、位相シフト法を用いることにより、電子部品の端子の形状検査のような細かい検査に適した精度の測定が可能になる。
このようにして各位置(x、y)の位相θが計算される。位相θが等しい点を結んで得られる線(等位相線)には、図3(c)に示した縞模様と同様に、試料Aの形状に応じた変計量が現れる。そのため、各位置における位相θの変形量(位相差)を計算し(図11のS5)、この位相差を高さ単位に変換する(S6)ことにより、各位置における試料Aの高さを示す値が得られる。すなわち、試料Aの表面の3次元形状を示すデータが得られる。
なお、処理S5において、各位置の位相θが試料Aによりどの程度変化しているかを示す位相差を計算する際には、予めコンピュータ1に記録された基準位相データを用いる。例えば、試料Aが置かれていない試料面12aに同じ余弦波の縞模様を投影した場合の画像を予め撮影し、試料面12aにおける各位置の位相θを示すデータを算出して、基準位相データとして記録することができる。コンピュータ1は、この試料面12aの各位置の位相θを表す基準位相データと、試料Aを置いた場合の各位置の位相θを表すデータとの差を計算することにより、位相差を計算することができる。各位置の位相差は、試料Aの表面と試料面12aとの距離(高さ)に応じた値であるので、高さを示すデータに変換することができる(S6)。
本実施形態では、試料Aがテーブル12の上面に置かれた状態で光パターンの投影及び撮影がなされるので、テーブル12の上面からの浮き量を、高さ情報として求めることができる。そのため、例えば、テーブル12の上面を実装基板に仮定して、電子部品の実装時の浮き量を判定することが可能になる。さらに、テーブル12は、透明導電膜122を備えるので、実装面の温度を任意に設定することができる。そのため、実際に実装されるときとほぼ同じ状態で電子部品の実装面側を計測することができる。これにより、電子部品の実装時のバランス及び実装時に想定される温度を考慮した計測が可能になる。
以上のとおり、位相シフト法では、試料Aへ照射される光パターンにおける強度変化の位相を異ならせて、それぞれの位相に対応する複数の画像のデータを取得する。この複数の画像の同じ位置(x、y)における明るさを用いて、その位置(x、y)に投射された光パターンの位相θを求め、この位相θを基に三角測量の原理を用いて高さを計算する。
なお、位相シフト法を用いた高さ情報を取得方法は、上記例に限られない。例えば、撮影する画像は4枚に限られない。3枚撮影すれば位相θの計算は可能であるし、4枚以上の画像を撮影して精度を高めることもできる。また、位相θの計算に用いる上記式(1)〜(3)も一例であり、その他の式を用いて位相θを計算することができる。
このようにして位相シフト法を用いて得られた、試料Aの表面の3次元形状を示すデータを、コンピュータ1が処理することで、試料Aの検査が判定部52により実行される(S7)。例えば、上記のように画像処理部52が、試料Aの突起部の試料面12aに対する位置(高さ情報)を算出し、判定部53が、その位置が所定の範囲内であるか否かを判定することにより、突起を有する試料の良否を判断することができる。
検査装置100は、例えば、ICチップのような、少なくとも1方向に並ぶ複数の突起部を備える試料を検査することができる。ICチップを基板に実装する場合、ICチップが有する複数の足(突起部)が基板に確実に接続されることが要求される。そのため、検査装置100では、テーブル12の試料面12aにおかれたICチップを特定の温度に加熱した状態で、突起部それぞれのテーブル12の試料面12aに対する位置を測定し、突起部の位置が所定の範囲内であるか否かを判定することができる。これにより、特定の温度下で、ICチップを基板に実装できるか否かを検査することができる。
上記の検査装置100は、透明導電膜122を表面に形成されたテーブル12に試料Aをおいた状態で、試料Aの温度を制御し、さらに試料Aの下面からの光パターンの照射及び試料Aの撮影が可能になる。試料Aをテーブル12に置くという動作だけで、特定温度での形状の検査が可能になる。このように、本実施形態によれば、試料Aの設置作業も、装置の構成も簡素にでき、さらに、温度制御下で高速に試料の形状を測定することが可能になる。また、セラミック基板、フレキシブル基板等に実装される電子部品を計測する場合、テーブル12上面を実装面として、実装時の状態とほぼ同じ状態で計測することが可能になる。すなわち、実装時の試料の状態を模擬することができる。
すなわち、透明導電膜122を有する透明部材を使ったテーブル12と上記のようなパターン投影法を用いた3次元形状測定器の組み合わせにより、電子部品の端子の検査に適した3次元測定が可能になる。例えば、大量の電子部品の耐熱性を素早く検査することが可能になる。さらに、位相シフトを用いることで、高さ情報を効率よく迅速に処理し、高精度の解析結果を得ることができる。以上のとおり、本実施形態によれば、例えば、電子機器の生産ラインにおける検査に適した構造の測定器及び計算処理が提供される。
なお、本発明の適用範囲は、上記実施形態に限られない。例えば、試料は、電子部品に限定されない。また、上記実施形態では、測定器として、格子投影法を用いた3次元形状測定器を用いた場合を説明したが、測定器は、例えば、上記以外のパターン投影法(例えば、グレースケールのパターンやカラーパターン等を投影する方法)や、モアレ、焦点法、ステレオ法、その他の方法を用いた3次元測定器であってもよい。
以上、上記の第1〜6の実施形態における計測装置または検査装置は、加熱装置として透明導電膜を用いる。そのため、従来の装置に比べ装置構成が簡素化される。また、温度コントロールも容易にできる。さらに、熱への変換効率もよいことから消費電力も抑えることができる。