JP2014112043A - 立体形状認識装置及び立体形状認識装置の光源位置推定方法 - Google Patents

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【課題】照度差ステレオ法で被計測物の立体形状を認識する際に、光源の位置を簡単且つ正確に推定し得る立体形状認識装置及びその光源位置推定方法を提供する。
【解決手段】被測定物Wに異なる方向から光を照射する複数の光源Lnと、複数の光源Lnから順次光を照射する毎に被測定物Wを撮像するCCDカメラ4と、取得される複数の撮像画像のデータ及び各光の照射方向に基づいて撮像画像の画素毎の法線ベクトルnを算出する演算部5を備え、ベース11上に高さ寸法が既知の複数の計測ピンP1〜P9を配置して成る光源測定用治具10が備えられ、光源測定用治具10は被測定物Wの形状認識を行う前の段階で、複数の光源Lnから光が順次照射される毎にCCDカメラ4により撮像され、演算部5は、光源測定用治具10の撮像画像の計測ピンP1〜P9及びその影S1〜S9の各位置情報に基づいて複数の光源Lnの各3次元位置を推定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、照度差ステレオ法により被計測物の立体形状を取得するのに用いられる立体形状認識装置及び立体形状認識装置の光源位置推定方法に関するものである。
上記した照度差ステレオ法を用いて被計測物の立体形状を取得する立体形状認識装置としては、例えば、特許文献1に記載されたものがある。
この立体形状認識装置は、被計測物に対して異なる方向から個別に光を照射する複数の光源と、被計測物を定まった位置から撮像する撮像手段を備えており、この立体形状認識装置では、複数の光源から順次光を照射して、その都度撮像手段による被計測物の撮像を行い、この撮像で取得した複数の画像中における被計測物の各輝度情報に基づいて、画像を構成する画素毎に法線ベクトルを算出することで、被計測物表面の勾配を得るようにしている。
この照度差ステレオ法を用いた立体形状認識装置により、被計測物表面の勾配(画素毎の法線ベクトル)を精度よく算出するためには、複数の光源の各位置を正確に知ることが求められる。
従来において、光源の位置を推定する手法としては、例えば、被計測物載置部に2個の球体を置いて、これらの球体に推定しようとする光源から光を照射して撮像手段により撮像し、この撮像で取得した2個の球体の各法線と撮像手段の各光軸とから光源の方位ベクトルを推定すると共に、2個の球体から取得される方位ベクトル同士の交点から光源の位置を推定する方法が知られている(例えば、非特許文献1参照。)。
特開2012-122870号公報
IEEE TRANSACTIONS ON PATTERN ANALYSIS AND MACHINE INTELLIGENCE, VOL.23, No.9, SEPTEMBER 2001
しかしながら、上記した球体を使った光源の位置推定手法では、画像中でハイライト部位を特定すると共に、球体の中心位置を求める必要があるが、画像中において、ハイライト部位をはっきりさせようとすると、球体の中心位置を求めるための輪郭がクリアにならず、これとは逆に、球体の輪郭をクリアにすると、ハイライト部位がぼやけてしまい、その結果、ハイライト部位及び球体の輪郭の双方をいずれも明瞭に捉えることが困難である。
また、上記した球体を使った光源の位置推定手法では、球体に径の小さいものを用いると、光源との位置関係によってはハイライト部位を特定するのが難しい場合があり、一方、球体に径の大きいものを用いると、撮像手段の被写界深度の影響で画像が明瞭にならない場合がある。
したがって、従来の球体を使った光源の位置推定手法にあっては、複数の光源の各位置を正確に把握することができるとは言い難く、これを解決することが従来の課題となっていた。
本発明は、上記した従来の課題に着目してなされたもので、照度差ステレオ法を用いて被計測物の立体形状を認識する場合において、複数の光源の各位置を簡単且つ正確に推定することができ、その結果、被計測物の立体形状を高精度に測定することが可能である立体形状認識装置及び立体形状認識装置の光源位置推定方法を提供することを目的としている。
本発明の請求項1に係る発明は、被測定物に対して互いに異なる方向から個別に光を照射する複数の光源と、前記複数の光源から順次光を照射する毎に前記被測定物を撮像する撮像手段と、照度差ステレオ法を用いて前記撮像手段で取得される光の照射方向が互いに異なる複数の撮像画像のデータ(輝度情報)及び各光の照射方向に基づいて、前記撮像画像を構成する画素毎の法線ベクトルを算出する演算部を備えた立体形状認識装置において、平板状のベース上に高さ寸法が既知の複数の計測ピンを配置して成る光源測定用治具が備えられ、前記光源測定用治具は、前記被測定物の形状認識を行う前の段階で、前記撮像手段の撮像範囲内に配置されて、前記複数の光源から光が順次照射される毎に前記撮像手段により撮像され、前記演算部は、前記撮像手段により得られる撮像画像中における前記光源測定用治具の前記計測ピン及び該計測ピンの影の各先端同士を結ぶ直線を少なくとも2本以上算出すると共に、算出した2本以上の直線同士の交点を前記光源の3次元位置として推定する構成としたことを特徴としており、この構成の立体形状認識装置を前述した従来の課題を解決するための手段としている。
本発明の請求項2に係る立体形状認識装置は、前記撮像手段として、テレセントリックレンズを有するカメラを用いている構成としている。
本発明の請求項3に係る立体形状認識装置の光源位置推定方法は、被測定物に対して互いに異なる方向から個別に光を照射する複数の光源と、前記複数の光源から順次光を照射する毎に前記被測定物を撮像する撮像手段を備え、照度差ステレオ法を用いて前記撮像手段で取得される光の照射方向が互いに異なる複数の撮像画像のデータ及び各光の照射方向に基づいて、前記撮像画像を構成する画素毎の法線ベクトルを算出する立体形状認識装置の光源位置推定方法であって、平板状のベース上に高さ寸法が既知の複数の計測ピンを配置して成る光源測定用治具を用い、前記被測定物の形状認識を行う前の段階で、前記撮像手段の撮像範囲内に配置した前記光源測定用治具に、前記複数の光源から光を順次照射すると共に、光を照射する毎に前記撮像手段により撮像し、前記撮像手段により得られる撮像画像中における前記光源測定用治具の前記計測ピン及び該計測ピンの影の各先端同士を結ぶ直線を少なくとも2本以上算出すると共に、算出した2本以上の直線同士の交点を前記光源の3次元位置として推定する構成としている。
本発明に係る立体形状認識装置及び立体形状認識装置の光源位置推定方法において、光源には、LED照明や白熱照明を用いることができ、より点光源に近いものを用いることが望ましい。
また、本発明に係る立体形状認識装置及び立体形状認識装置の光源位置推定方法において、上記したように、一つのレンズで奥行方向の寸法を計測可能なテレセントリックレンズを有するCCDカメラを撮像手段として用いることが望ましいが、これに限定されない。
さらに、本発明に係る立体形状認識装置及び立体形状認識装置の光源位置推定方法において、光源測定用治具の平板状のベース及び計測ピンの各寸法や材質は特に限定しない。
計測ピンの数は、1本あれば光源の方位を知ることができ、少なくとも2本あれば光源の位置を知ることができる。この際、推定しようとする光源の位置によっては、複数の計測ピンの中で、計測に使うことのできない計測ピンが生じる可能性があることから、4〜9本の計測ピンを配置することが望ましく、光源の3次元位置の算出を容易化するうえで、互いの影が干渉しない距離をもって互いに等間隔に、例えば、2×2,3×3で配置することが望ましい。なお、複数の計測ピンは、互いに平行でなくてもよく、また、各々の高さ寸法も必ずしも同じでなくてもよい。
本発明に係る立体形状認識装置及び立体形状認識装置の光源位置推定方法では、その光源位置を推定するに際して、まず、被測定物の形状認識を行う前の段階において、例えば、被測定物の載置場所に、平板状のベース上に複数の計測ピンを配置して成る光源測定用治具を置く。
この際、光源測定用治具の計測ピンの高さ寸法及び配置部位は既知であるものとし、望ましくはこれらの計測ピンが撮像手段の光軸に沿うように光源測定用治具をセットする。
次いで、被測定物の載置場所にセットした光源測定用治具に対して複数の光源から光を順次照射すると共に、光を照射する毎に撮像手段により撮像する。
続いて、この撮像手段により得られる撮像画像上の複数の計測ピン及び各々の影のうちの例えば2本の計測ピンを選択して、これらの計測ピンの各先端と、各々の影の各先端の位置を画像処理により算出する。
次に、2本の計測ピンの各先端間実寸距離と、撮像画像上における2本の計測ピンの各先端間画素数とから、画素単位(ピクセル)を実寸単位(mm)に変換する係数を求め、この変換係数を用いて撮像画像上における計測ピンの先端及びこの計測ピンの影の先端の各3次元座標を実寸単位(mm)で算出する。
そして、このようにして求めた2本の計測ピンの各先端及び影の各先端同士をそれぞれ結んで2本の直線を算出した後、これらの算出した2本の直線同士の交点を光源の3次元位置として推定し、以降、同様にして他の光源の3次元位置を推定する。
したがって、本発明に係る立体形状認識装置及び立体形状認識装置の光源位置推定方法では、光源の位置推定にあたって、如何なる部位にある光源の位置をも簡単且つ正確に推定し得ることとなり、その結果、被計測物の立体形状を高精度に測定し得ることとなる。
本発明に係る立体形状認識装置及び立体形状認識装置の光源位置推定方法では、照度差ステレオ法を用いて被計測物の立体形状を認識するに際して、複数の光源の各位置を簡単且つ正確に推定することが可能であり、したがって、被計測物の立体形状を高精度に測定することができるという非常に優れた効果がもたらされる。
本発明の一実施例に係る立体形状認識装置を示す概略構成説明図である。 図1に示した立体形状認識装置において光源の位置を推定する際に用いる光源測定用治具の拡大斜視説明図である。 図2の光源測定用治具を用いて光源の位置を推定する際の状況説明図である。
以下、本発明を図面に基づいて説明する。
図1〜図3は本発明に係る立体形状認識装置及び立体形状認識装置の光源位置推定方法の一実施例を示している。
図1に示すように、この立体形状認識装置1は、照度差ステレオ法を用いて被計測物Wの立体形状を認識する装置であって、ドーム形状を成すフレーム2に取り付けられて被計測物Wに対して異なる方向から個別に光を照射する複数の光源(この実施例では60個のLED照明)L1〜Lnと、ドーム形状のフレーム2の中心付近に位置する被測定物載置用台座3と、フレーム2の頂点付近に固定されて被計測物Wを定まった位置から撮像する撮像手段としてのCCDカメラ(この実施例ではテレセントリックレンズを有するCCDカメラ)4を備えている。
また、この立体形状認識装置1は、CCDカメラ4で取得した撮像画像を処理する演算部5を備えており、具体的には、この演算部5において、CCDカメラ4で取得される光の照射方向が互いに異なる複数の撮像画像のデータ(点Wpにおける輝度情報)及び各光の照射方向Ll1〜Lln(図1ではLl1〜Ll4)に基づいて、撮像画像を構成する画素毎の法線ベクトルnを算出することで、被計測物Wの表面Waの勾配を得るようになっている。
この場合、立体形状認識装置1には、図2にも示すように、平板状のベース11上に9本の計測ピンP1〜P9を互いに平行で且つ互いに高さ寸法を同じくして配置して成る光源測定用治具10が備えられており、9本の計測ピンP1〜P9は、互いに等間隔に3×3で配置されている。なお、計測ピンP1〜P9は、互いに平行でなくてもよく、また、高さ寸法も必ずしも同じに設定する必要はない。
この光源測定用治具10は、複数の光源L1〜Lnの各位置を正確に知るための治具であり、被測定物Wの形状認識を行う前の段階で、CCDカメラ4の撮像範囲内である被測定物載置用台座3上に配置されて、複数の光源L1〜Lnから光が順次照射される毎にCCDカメラ4により撮像されるようになっている。
そして、演算部5では、CCDカメラ4により得られる撮像画像中における光源測定用治具10の計測ピンP1〜P9及び該計測ピンP1〜P9の影S1〜S9の各先端同士を結ぶ直線を少なくとも2本以上算出すると共に、算出した2本以上の直線同士の交点を光源Lnの3次元位置として推定するようになっている。
そこで、この実施例に係る立体形状認識装置1の光源位置推定方法を具体的に説明する。
まず、被測定物Wの形状認識を行うのに先立って、被測定物載置用台座3に光源測定用治具10を置く。この際、光源測定用治具10の計測ピンP1〜P9の各高さ寸法及び配置部位は既知であり、望ましくは計測ピンP1〜P9がCCDカメラ4の光軸vに沿うように光源測定用治具10をセットする。
次いで、被測定物載置用台座3にセットした光源測定用治具10に対して複数の光源L1〜Lnから光を順次照射すると共に、光を照射する毎にCCDカメラ4により撮像する。
続いて、このCCDカメラ4により得られる撮像画像上において、複数の計測ピンP1〜P9のうちの例えば2本の計測ピンP1,P2を選択して、これらの計測ピンP1,P2の各先端と、これらの計測ピンP1,P2に光を当てることで生じた影S1,S2の各先端の位置を画像処理により算出する。
次に、図3に示すように、2本の計測ピンP1,P2の各先端間実寸距離dと、撮像画像上における2本の計測ピンP1,P2の各先端p11,p21間画素数とから、画素単位(ピクセル)を実寸単位(mm)に変換する係数を求め、この変換係数を用いて計測ピンP1,P2の先端p11,p21の各3次元座標(x11,y11,l1),(x21,y21,l2)及び影S1,S2の先端p12,p22の各3次元座標(x12,y12,0),(x22,y22,0)を実寸単位(mm)で算出する。
そして、このようにして求めた計測ピンP1,P2の各先端p11,p21及び影S1,S2の各先端p12,p22同士をそれぞれ結んで2本の直線を算出した後、これらの算出した2本の直線同士の交点を光源Lnの3次元位置(Xn,Yn,Zn)として推定し、以降、同様にしてすべての光源の3次元位置を推定する。
なお、光源の3次元位置の推定精度を高めるために、撮像画像中における光源測定用治具10の計測ピンP1〜P9及び該計測ピンP1〜P9の影S1〜S9の各先端同士を結ぶ直線を3本以上算出することが望ましいが、この場合には、光源Lnが点光源に成り得ないため、算出した3本以上の直線が1点で交わることはなく、したがって、3本以上の直線が最も近づく位置を光源の3次元位置として推定する。
このように、この実施例に係る立体形状認識装置1及びその光源位置推定方法では、光源L1〜Lnの位置推定にあたって、如何なる部位にある光源Lnの位置をも簡単且つ正確に推定し得ることとなり、その結果、被計測物Wの立体形状を高精度に測定し得ることとなる。
また、この実施例に係る立体形状認識装置1では、撮像手段としてテレセントリックレンズを有するCCDカメラ4を用いているので、一つのレンズで奥行方向の寸法を計測し得ることとなる。
本発明に係る立体形状認識装置及び立体形状認識装置の光源位置推定方法の構成は、上記した実施例の構成に限定されるものではなく、例えば、光源測定用治具10の計測ピンP1〜P9の本数や各高さ寸法やレイアウトは適宜変更可能である。
1 立体形状認識装置
4 CCDカメラ(撮像手段)
5 演算部
10 光源測定用治具
L1〜Ln 光源
Ll1〜Lln 光の照射方向
n 法線ベクトル
P1〜P9 計測ピン
S1〜S9 計測ピンの影
W 被測定物

Claims (3)

  1. 被測定物に対して互いに異なる方向から個別に光を照射する複数の光源と、
    前記複数の光源から順次光を照射する毎に前記被測定物を撮像する撮像手段と、
    照度差ステレオ法を用いて前記撮像手段で取得される光の照射方向が互いに異なる複数の撮像画像のデータ及び各光の照射方向に基づいて、前記撮像画像を構成する画素毎の法線ベクトルを算出する演算部を備えた立体形状認識装置において、
    平板状のベース上に高さ寸法が既知の複数の計測ピンを配置して成る光源測定用治具が備えられ、
    前記光源測定用治具は、前記被測定物の形状認識を行う前の段階で、前記撮像手段の撮像範囲内に配置されて、前記複数の光源から光が順次照射される毎に前記撮像手段により撮像され、
    前記演算部は、前記撮像手段により得られる撮像画像中における前記光源測定用治具の前記計測ピン及び該計測ピンの影の各先端同士を結ぶ直線を少なくとも2本以上算出すると共に、算出した2本以上の直線同士の交点を前記光源の3次元位置として推定する
    ことを特徴とする立体形状認識装置。
  2. 前記撮像手段として、テレセントリックレンズを有するカメラを用いている請求項1に記載の立体形状認識装置。
  3. 被測定物に対して互いに異なる方向から個別に光を照射する複数の光源と、
    前記複数の光源から順次光を照射する毎に前記被測定物を撮像する撮像手段を備え、
    照度差ステレオ法を用いて前記撮像手段で取得される光の照射方向が互いに異なる複数の撮像画像のデータ及び各光の照射方向に基づいて、前記撮像画像を構成する画素毎の法線ベクトルを算出する立体形状認識装置の光源位置推定方法であって、
    平板状のベース上に高さ寸法が既知の複数の計測ピンを配置して成る光源測定用治具を用い、
    前記被測定物の形状認識を行う前の段階で、前記撮像手段の撮像範囲内に配置した前記光源測定用治具に、前記複数の光源から光を順次照射すると共に、光を照射する毎に前記撮像手段により撮像し、
    前記撮像手段により得られる撮像画像中における前記光源測定用治具の前記計測ピン及び該計測ピンの影の各先端同士を結ぶ直線を少なくとも2本以上算出すると共に、算出した2本以上の直線同士の交点を前記光源の3次元位置として推定する
    ことを特徴とする立体形状認識装置の光源位置推定方法。
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