JP5674420B2 - ダクト - Google Patents
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Description
第1ダクト部と、この第1ダクト部との間を繋ぐ屈曲部で曲げて該第1ダクト部の空気流通方向と空気流通方向が交差するように設けられた第2ダクト部とを備え、前記第1ダクト部の端に開口する空気取込口から第2ダクト部の端に開口する空気送出口に向けて空気が流通するダクトにおいて、
前記第2ダクト部における前記屈曲部の曲がり内側から該第2ダクト部の空気流通方向へ連なる壁部に設けられ、該第2ダクト部に画成される空気流通路と外部とを連通して、第1ダクト部の空気取込口から第2ダクト部の空気送出口に向けて空気が流通する際に、該第2ダクト部周囲の外部空気を該空気流通路内へ取込む開口部を有し、
前記開口部は、前記第2ダクト部の空気流通方向に離して2つ以上設けられたことを特徴とする。
従って、請求項2に係る発明によれば、各開口部を細長いスリット状とすることで、第2ダクト部内へ該開口部を介して必要以上の空気が流入せず、第1ダクト部からの主空気流の流れを阻害しない。
従って、請求項3に係る発明によれば、各開口部が第2ダクト部の空気流通方向に沿って整列配置されているので、空気流通方向の上流側に位置する開口部から流入した副空気流と該開口部の下流側に位置する開口部から流入した副空気流とが、第2ダクト部の空気流通方向へ整列するので、該第2ダクト部内における前記壁部に沿う部分に発生する滞留空気を効率的に減少させ得る。
従って、請求項4に係る発明によれば、第2ダクト部内に発生する滞留空気を、各開口部からの副空気流で効率よく減少させ得る。
従って、請求項5に係る発明によれば、第2ダクト部内において滞留空気が発生する領域に各開口部を効率的に設けるので、該滞留空気を好適に減少することができる。
従って、請求項6に係る発明によれば、第2ダクト部の空気流通方向において上流側に位置する開口部から第2ダクト部内に流入した副空気流と、該開口部の下流側に位置する開口部から第2ダクト部内に流入した副空気流とが、互いに干渉し合うことを防止し得る。
従って、請求項7に係る発明によれば、前記第1ダクト部と第2ダクト部との互いの空気流通方向がなす屈曲部の曲がり内側を向く交差角度が90〜150°となると空気の圧力損失が顕著に増加するから、第2ダクト部における該屈曲部の曲がり内側から該第2ダクト部の空気流通方向に連なる壁部に、空気流通路と外部とを連通する開口部を、該第2ダクト部の空気流通方向に離して2つ以上設けることで、内部を流れる空気の圧力損失の増加を効果的に抑えることができる。
換算式 De = 4×A/W
ここで、De:等価直径
A:第2ダクト部30の空気流通方向と直交する方向での断面積
W:第2ダクト部30の空気流通方向と直交する方向での内壁長(内周長)
本願発明者は、第1ダクト部10に対して第2ダクト部30が屈曲したダクトDに関し、ダクト内を流れる空気の圧力損失の低減に効果的な各開口部40,41の形成態様(形成位置、開口サイズ等)を求めるため、シミュレーション解析により次のような4種類の実験(実験1〜4)を行なった。そして、図5〜図8は、本願発明者が行なった実験1〜4の実験結果を示したものである。そこで次に、各実験の内容および各実験の結果について説明する。
実験1は、第1ダクト部10に対する第2ダクト部30の屈曲角度R(第1ダクト部10の空気流通方向と第2ダクト部30の空気流通方向との交差角度)の違いに伴う圧力損失のデータを得るもので、第1ダクト部10と第2ダクト部30とが直列となる所謂直管の圧力損失を100とした場合の相対的な圧力損失を示すものである。この実験1により、2つ以上の開口部を設けることが効果的なダクトの屈曲角度Rを得ることができる。ここで実験条件は、ダクトDがエンジン用の吸気ダクトとして使用されることを前提として、実際の使用環境に近いものとして設定した。実験条件は、次のようである。
(a)第2ダクト部30
・空気流通方向と直交する方向の断面形状:矩形(縦45mm×横70mm)
・等価直径De:57.9mm
(b)主空気流の流量:7m3/min
実験2は、第2ダクト部30の第2内周壁部31に対する開口部の形成個数による圧力損失の変化を示したものである。この実験2により、開口部の形成個数を適切に設定することができる。なお、開口部は5個まで設けた場合で実験を行なうこととし、第2ダクト部30の第2内周壁部31に対する各開口部の形成位置を、第1開口部の上流側開口縁から最下流側の第5開口部の上流側開口縁までの間隔を第2ダクト部30の等価直径Deの3倍となるようにして、第1開口部と第5開口部との間を空気流通方向へ4等分して、第2開口部、第3開口部および第4開口部を各々設けるようにした。なお実験条件は、次のようである。
(a)第2ダクト部30
・空気流通方向と直交する方向の断面形状:矩形(縦45mm×横70mm)
・等価直径De:57.9mm
(b)屈曲角度R:105°
(c)中間屈曲部20の内側突部21の曲率半径:1.0mm
(d)第1〜第5の開口部
・長手開口幅L:0.67De(第2ダクト部30の等価直径Deの2/3)
・短手開口幅S:1mm
(e)主空気流の流量:7m3/min
実験3は、スリット状の第1開口部40および第2開口部41の長手開口幅Lの違いによる圧力損失の変化を示したものである。この実験3により、各開口部40,41の長手開口幅Lを適切に設定することができる。なお実験条件は、次のようである。
(a)第2ダクト部30
・空気流通方向と直交する方向の断面形状:矩形(縦45mm×横70mm)
・等価直径De:57.9mm
(b)屈曲角度R:105°
(c)第1開口部40
・短手開口幅S:1mm
・形成位置:第2内周壁部31における中間屈曲部20の内側角部21に隣接した部位
(d)第2開口部41
・短手開口幅S:1mm
・形成位置:第2内周壁部31における中間屈曲部20の内側角部21から第2ダクト部30の空気流通方向へ、該第2ダクト部30の等価直径Deの2倍となる部位
(e)主空気流の流量:7m3/min
実験4は、2つの開口部(第1開口部40および第2開口部41)を形成することを前提として、第2開口部41の形成位置の違いによる圧力損失の変化を示したものである。この実験4により、中間屈曲部20の曲がり内側である内側角部21からの第2開口部41の形成位置を適切に設定することができる。なお実験条件は、次のようである。
(a)第2ダクト部30
・空気流通方向と直交する方向の断面形状:矩形(縦45mm×横70mm)
・等価直径De:57.9mm
(b)屈曲角度R:105°
(c)第1開口部40および第2開口部41
・長手開口幅L:0.67De(第2ダクト部30の等価直径Deの2/3)
・短手開口幅S:1mm
(d)主空気流の流量:7m3/min
(1)第1ダクト部10および第2ダクト部30の形状は、実施例に例示したものに限定されない。例えば、第1ダクト部10は、第2ダクト部30と同様に直管形態であってもよい。また、第1ダクト部10および第2ダクト部30は、各々の空気流通方向と直交する方向での断面積形状が実施例に例示の形状に限定されず、円形状、楕円形状、三角形や五角形等の多角形状等であってもよい。
(2)各開口部40,41からエンジンルームER内の温かい空気が第2ダクト部30内に流入することを防止するために、図9に示すように、第2ダクト部30に設けた第1開口部40および第2開口部41の横方向の両側に隔壁46,46を設けるようにしてもよい。このような隔壁46,46を設けることにより、第1開口部40および第2開口部41内へは、車体B前方からエンジンルームER内へ流入する空気を優先的に取込むことができる。
(3)実施例では、第1ダクト部10に対する第2ダクト部30の屈曲角度Rが105°の場合だけ例示したが、前述したように、第1ダクト部10に対する第2ダクト部30の屈曲角度Rが90°〜150°のダクトでは圧力損失が増加することから、屈曲角度Rが90°〜150°で屈曲するダクトにおける第2ダクト部30の第2内周壁部31に、2つ以上の開口部40(41)を設けることで、圧力損失を好適に減少することができる。
(4)実施例では、ダクトDについて、エンジンに空気を導入するための吸気ダクトを例示したが、本願が対象とするダクトは、吸気ダクトに限定されず、機器間に配設される中間ダクトや、機器の排気側に配設される排気ダクト等であってもよい。
21 内側角部(最大曲率部位),30 第2ダクト部,31 第2内周壁部(壁部)
34 空気送出口,40 第1開口部(開口部),41 第2開口部(開口部)
De 等価直径(第2ダクト部の)
L 長手開口幅(第2ダクト部の空気流通方向と直交する方向の寸法)
S 短手開口幅(第2ダクト部の空気流通方向の開口寸法),T間隔
Claims (7)
- 第1ダクト部と、この第1ダクト部との間を繋ぐ屈曲部で曲げて該第1ダクト部の空気流通方向と空気流通方向が交差するように設けられた第2ダクト部とを備え、前記第1ダクト部の端に開口する空気取込口から第2ダクト部の端に開口する空気送出口に向けて空気が流通するダクトにおいて、
前記第2ダクト部における前記屈曲部の曲がり内側から該第2ダクト部の空気流通方向へ連なる壁部に設けられ、該第2ダクト部に画成される空気流通路と外部とを連通して、第1ダクト部の空気取込口から第2ダクト部の空気送出口に向けて空気が流通する際に、該第2ダクト部周囲の外部空気を該空気流通路内へ取込む開口部を有し、
前記開口部は、前記第2ダクト部の空気流通方向に離して2つ以上設けられた
ことを特徴とするダクト。 - 前記各開口部は、前記第2ダクト部の空気流通方向に直交する方向に長手が延在する細長いスリット状に形成される請求項1記載のダクト。
- 前記各開口部は、前記第2ダクト部の空気流通方向に直交する方向の中央を第2ダクト部の空気流通方向に沿って揃えて整列配置される請求項1または2記載のダクト。
- 前記各開口部は、前記第2ダクト部の空気流通方向に直交する方向の寸法が、該第2ダクト部の等価直径の0.5〜1倍の範囲に設定される請求項1〜3の何れか一項に記載のダクト。
- 前記各開口部は、前記第2ダクト部の前記壁部に、該壁部における前記屈曲部の曲がり内側に連なる上流端から、該第2ダクト部の空気流通方向において該第2ダクト部の等価直径の1〜8倍の範囲に設けられる請求項1〜4の何れか一項に記載のダクト。
- 前記各開口部は、第2ダクト部の空気流通方向において隣り合う開口部間の間隔が、該開口部における該第2ダクト部の空気流通方向の開口寸法以上に設定された請求項1〜5の何れか一項に記載のダクト。
- 前記第1ダクト部と第2ダクト部とは、互いの空気流通方向がなす屈曲部の曲がり内側を向く交差角度が90〜150°となるように設けられている請求項1〜6の何れか一項に記載のダクト。
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