JP5673590B2 - ラッピング加工装置 - Google Patents

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本発明はラッピング加工装置に関し、特に歯車のラッピング加工装置に関するものである。
従来、工作物の表面を滑らかに仕上げる加工方法として、ラッピング加工(鏡面研磨加工)なる加工方法が知られている。このラッピング加工は、加工対象となる工作物をラップ盤と呼ばれる基盤上に載置する際に、ラップ盤と工作物の加工面(研磨面)の間に遊離砥粒と油剤を含むラップ剤(研磨剤)を介在させ、基盤に対して工作物を押圧しながら当該工作物を摺動させ、工作物の加工面を微小切削しながら研磨することによって、工作物の加工面を高精度に仕上げていく研磨加工方法である。
たとえば、工作物が歯車である場合には、加工対象となる被加工歯車に研磨用のラップ歯車を噛み合わせ、双方の歯車の噛み合い点にラップ剤を供給しながら回転させ、双方の歯車の歯面同士を摺り合わせて研磨することによって、被加工歯車の歯面粗さや歯面形状などを高精度に仕上げることができる。
ところで、被加工歯車とラップ歯車を噛み合わせて回転させる場合、ピッチ点では双方の歯車が転がり接触し、ピッチ点を境界とする歯先側および歯元側では双方の歯車が滑り接触する。すなわち、被加工歯車の歯先側および歯元側の歯面の切削量はピッチ点の切削量よりも多くなり、被加工歯車の歯面全体で切削量が不均一となるといった問題がある。
このような問題に対して、特許文献1、2には、被加工歯車とラップ歯車を相対的に移動させることによって被加工歯車の歯面を均一にラッピング加工する技術が開示されている。
特許文献1に開示されているラッピング加工装置は、被加工歯車とラップ歯車をラップ剤を介在させた状態で噛み合わせて回転させるとともに、当該被加工歯車をその回転軸心方向に所定の振動数で往復移動させることによって、被加工歯車の歯面を滑らかに仕上げる装置である。
また、特許文献2に開示されているラッピング加工装置は、回転軸芯に固定しない被加工歯車を二つのラップ歯車と一つの案内歯車の間に挟み込んで噛み合わせ、被加工歯車とラップ歯車の噛み合い点に微小砥粒と油剤を混合したラップ剤を供給するとともに、案内歯車を用いて被加工歯車をその回転軸心方向へ往復移動させることによって、被加工歯車の歯面をラッピング加工する装置である。
特開2000−343328号公報 特開2007−75983号公報
特許文献1、2に開示されているラッピング加工装置によれば、被加工歯車をその回転軸心方向へ移動させ、被加工歯車とラップ歯車を相対的に移動させることによって、被加工歯車とラップ歯車の歯面が常に異なる歯面同士で摺り合わされ、被加工歯車の歯面全体を略均一にラッピング加工することができる。
しかしながら、特許文献1、2に開示されているラッピング加工装置においては、被加工歯車を回転軸心方向へ移動させてラッピング加工する際、被加工歯車をその歯幅に相当する量だけ移動させる必要があり、被加工歯車の移動量が大きくなり、被加工歯車の加工時間が長くなるといった問題や装置全体の体格が大型化するといった問題が生じ得る。
本発明は上記する課題に鑑みてなされたものであり、被加工歯車の歯面全体を短時間で略均一に研磨することができるとともに、装置全体の体格を小型化することができる歯車のラッピング加工装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成すべく、本発明のラッピング加工装置は、加工対象となる被加工歯車と研磨用のラップ歯車を噛み合わせて回転させることによって被加工歯車の歯面を研磨加工するラッピング加工装置であって、前記ラッピング加工装置は、被加工歯車とラップ歯車が食い違い軸で噛み合うように配置され、双方の回転軸心同士が45度よりも小さい交差角で交差するように配置されるようになっており、被加工歯車とラップ歯車を相互に平行な固有の平面内で被加工歯車の回転軸心と直交する方向へ相対的に移動させながら被加工歯車とラップ歯車を噛み合わせて回転させることによって被加工歯車の歯面を研磨加工するようになっているものである。
上記するラッピング加工装置によれば、被加工歯車とラップ歯車が食い違い軸で噛み合うように配置され、被加工歯車の回転軸心とラップ歯車の回転軸心が45度よりも小さい交差角で交差するように配置されているため、被加工歯車とラップ歯車を相互に平行な固有の平面内で被加工歯車の回転軸心と直交する方向へ相対的に移動させると、相対的に小さい移動量で被加工歯車の歯面全体がラップ歯車の歯面と摺り合わされる。これにより、被加工歯車とラップ歯車の相対的な移動量を抑制しながら被加工歯車の歯面全体を略均一に研磨することができるため、被加工歯車の加工時間を大幅に短縮することができるとともに、装置全体の体格を格段に小型化することができる。
ここで、被加工歯車に固有の平面とは、被加工歯車の回転軸心を含んでラップ歯車の回転軸心に平行な平面であり、ラップ歯車に固有の平面とは、ラップ歯車の回転軸心を含んで被加工歯車の回転軸心に平行な平面である。
また、上記するラッピング加工装置は、前記ラップ歯車が、少なくとも被加工歯車を回転駆動させる駆動ラップ歯車と被加工歯車の回転駆動を制動するブレーキラップ歯車から構成されることが好ましい。
たとえば、被加工歯車を一つのラップ歯車を用いてラッピング加工する場合には、ラップ歯車の一方向の回転によって被加工歯車の両歯面のうち片歯面のみが加工される。したがって、被加工歯車の他方の歯面を加工する場合には、被加工歯車を逆向きに取り付ける、あるいはラップ歯車を逆方向に回転させる必要がある。
上記するラッピング加工装置によれば、ラップ歯車を、被加工歯車を回転駆動させる駆動ラップ歯車と被加工歯車の回転駆動を制動するブレーキラップ歯車から構成し、被加工歯車をこの二つのラップ歯車を用いてラッピング加工することによって、駆動ラップ歯車とブレーキラップ歯車のそれぞれで被加工歯車の片歯面ずつを加工することができるため、一度に被加工歯車の両歯面を加工することができる。すなわち、被加工歯車を二つのラップ歯車と噛み合わせ、駆動ラップ歯車を回転駆動させて被加工歯車を回転させ、ブレーキラップ歯車で被加工歯車の回転駆動を制動することによって、被加工歯車に加工負荷が付与され、被加工歯車を回転させる駆動ラップ歯車では被加工歯車の両歯面の一方面を加工し、被加工歯車の回転駆動を制動するブレーキラップ歯車では被加工歯車の両歯面の他方面を加工することができるため、被加工歯車の加工時間をより一層短縮することができる。
また、上記するラッピング加工装置は、被加工歯車とラップ歯車を被加工歯車の回転軸心と直交する方向へ相対的に移動させながら、被加工歯車とラップ歯車を噛み合わせるようになっていることが好ましい。また、前記ラップ歯車が少なくとも二つのラップ歯車からなる場合には、前記ラッピング加工装置は、被加工歯車と少なくとも二つのラップ歯車のそれぞれを被加工歯車の回転軸心と直交する方向へ相対的に移動させながら、被加工歯車と少なくとも二つのラップ歯車のそれぞれを噛み合わせるようになっていることが好ましい。
上記するラッピング加工装置によれば、被加工歯車とラップ歯車を被加工歯車の回転軸心と直交する方向へ相対的に移動させながら被加工歯車とラップ歯車を噛み合わせ、被加工歯車とラップ歯車が噛み合わされた後にそのまま被加工歯車とラップ歯車を被加工歯車の回転軸心と直交する方向へ相対的に移動させながら被加工歯車とラップ歯車を回転させて被加工歯車の歯面を研磨加工することができるため、被加工歯車の配置工程と加工工程を連続的に実行することができる。
また、上記するラッピング加工装置は、少なくとも二つのラップ歯車のうちの一つのラップ歯車を回転駆動させることによって被加工歯車と少なくとも二つのラップ歯車のそれぞれを噛み合わせるようになっていることが好ましい。
被加工歯車を複数のラップ歯車に噛み合わせる際に複数のラップ歯車のそれぞれを回転駆動させると、被加工歯車の歯先と複数のラップ歯車のそれぞれの歯先同士が干渉して被加工歯車と複数のラップ歯車が噛み合い難い場合がある。
上記するラッピング加工装置によれば、少なくとも二つのラップ歯車のうちの一つのラップ歯車を回転駆動して被加工歯車と少なくとも二つのラップ歯車のそれぞれを噛み合わせることによって、被加工歯車の歯先と複数のラップ歯車のそれぞれの歯先同士の干渉を抑制することができるため、被加工歯車と複数のラップ歯車を円滑に噛み合わせることができる。なお、被加工歯車とラップ歯車を噛み合わせる際には、被加工歯車をラッピング加工する場合と比較して被加工歯車とラップ歯車の相対速度を遅くすることによって、被加工歯車とラップ歯車をより円滑に噛み合わせることができる。
以上の説明から理解できるように、本発明のラッピング加工装置によれば、被加工歯車の歯面の歯面精度を維持しながら、被加工歯車の加工時間を大幅に短縮することができ、装置全体の体格を格段に小型化することができる。
本発明のラッピング加工装置の実施の形態を概略的に示した正面図である。 図1で示す被加工歯車とラップ歯車のそれぞれの噛み合い点を拡大して示した図である。 図1で示すラッピング加工装置の駆動ラップ歯車とブレーキラップ歯車と被加工歯車を噛み合わせる工程を説明した図であって、(a)は駆動ラップ歯車とブレーキラップ歯車と被加工歯車が噛み合わされる前の状態を説明した上面図であり、(b)は駆動ラップ歯車とブレーキラップ歯車と被加工歯車が噛み合わされた状態を説明した上面図である。 図3(b)のA−A矢視図であって、(a)はブレーキラップ歯車と被加工歯車の噛み合い開始時における噛み合い点を説明した図であり、(b)は被加工歯車の加工途中における噛み合い点を説明した図であり、(c)はブレーキラップ歯車と被加工歯車の噛み合い完了時における噛み合い点を説明した図である。 被加工歯車の歯幅とブレーキラップ歯車の移動量と交差角の関係を示した図である。
以下、図面を参照して本発明のラッピング加工装置の実施の形態を説明する。
図1は、本発明のラッピング加工装置の実施の形態を概略的に示した正面図である。
図示するラッピング加工装置10は、被加工歯車Gを回転駆動させる駆動ラップ歯車1と被加工歯車Gの回転駆動を制動するブレーキラップ歯車2からなる一対のラップ歯車を備えており、駆動ラップ歯車1とブレーキラップ歯車2は、相互に干渉しない位置で被加工歯車Gと噛み合わされる。ここで、駆動ラップ歯車1と被加工歯車Gは食い違い軸で噛み合うように配置され、駆動ラップ歯車1の回転軸心L1と被加工歯車Gの回転軸心LGが45度よりも小さい交差角で交差するように配置されており、ブレーキラップ歯車2と被加工歯車Gは食い違い軸で噛み合うように配置され、ブレーキラップ歯車2の回転軸心L2と被加工歯車Gの回転軸心LGが45度よりも小さい交差角で交差するように配置されている。なお、駆動ラップ歯車1とブレーキラップ歯車2と被加工歯車Gは、各歯車の交差角や捩れ角を適宜設定することによって、平歯車や斜歯歯車等を任意に組み合わせて適用することができる。
ここで、歯車同士が食い違い軸で噛み合うとは、歯車の回転軸心同士が平行でなく且つ交差しない位置および姿勢で歯車同士が噛み合うことであり、歯車同士が食い違い軸で噛み合う場合の回転軸心同士の交差角とは、一方の歯車の回転軸心を含んで他方の歯車の回転軸心に平行な平面に対して他方の歯車の回転軸心を投影した際の回転軸心同士が交差する角度である。
駆動ラップ歯車1は、不図示の駆動装置と接続されており、前記駆動装置を介して所定の回転数で回転軸心L1を回転中心として回転駆動されるようになっている(図中、矢印R1の回転方向)。駆動ラップ歯車1の回転駆動は、歯面を介して被加工歯車Gへ伝達され、被加工歯車Gが前記所定の回転数で回転軸心LGを回転中心として回転される(図中、矢印RGの回転方向)。
一方、ブレーキラップ歯車2は、不図示の制動装置と接続されており、前記制動装置を介して駆動ラップ歯車1の前記所定の回転数よりも少ない回転数で回転軸心L2を回転中心として回転するように制御されている(図中、矢印R2の回転方向)。これにより、駆動ラップ歯車1の回転駆動によって前記所定の回転数で回転されるようになっていた被加工歯車Gの回転数は所定の回転数まで低減され、被加工歯車Gの回転駆動が制動されるようになっている。
図2は、図1で示す被加工歯車Gとラップ歯車1、2のそれぞれの噛み合い点を拡大して示した図である。
被加工歯車Gと駆動ラップ歯車1の噛み合い点では、駆動ラップ歯車1の回転駆動によって駆動ラップ歯車1の歯先1aのうちその回転方向の面1aAと被加工歯車Gの歯先Gaの歯面の一方面GaBとが接触し、駆動ラップ歯車1の歯先1aの面1aAと被加工歯車Gの歯先Gaの歯面の一方面GaBを介して、駆動ラップ歯車1の回転駆動が被加工歯車Gへ伝達される。その際、駆動ラップ歯車1の歯先1aの面1aAと被加工歯車Gの歯先Gaの歯面の一方面GaBが摺り合わされて、被加工歯車Gの歯面の一方面GaBが研磨される。一方で、被加工歯車Gとブレーキラップ歯車2の噛み合い点では、ブレーキラップ歯車2が被加工歯車Gの回転数よりも少ない回転数で回転するように制御されているため、被加工歯車Gの歯先Gaのうちその回転方向の他方面GaAとブレーキラップ歯車2の歯先2aのうちその回転方向と反対側の面2aBが接触し、ブレーキラップ歯車2の歯先2aの面2aBと被加工歯車Gの歯先Gaの他方面GaAを介して、被加工歯車Gの回転駆動が制動される。その際、ブレーキラップ歯車2の歯先2aの面2aBと被加工歯車Gの歯先Gaの他方面GaAが摺り合わされて、被加工歯車Gの歯先Gaの歯面の他方面GaAが研磨される。これにより、たとえば被加工歯車Gを逆向きに取り付けたり、ラップ歯車を逆方向に回転させなくても、一度に被加工歯車Gの両歯面を研磨加工することができる。
なお、被加工歯車Gと駆動ラップ歯車1の噛み合い点では、被加工歯車Gの歯先Gaの歯面の一方面GaBを介して、駆動ラップ歯車1の回転駆動が被加工歯車Gへ伝達され、被加工歯車Gとブレーキラップ歯車2の噛み合い点では、被加工歯車Gの歯先Gaの他方面GaAを介して、被加工歯車Gの回転駆動が制動されることによって、被加工歯車Gには、その回転軸心LGに略直交する方向(図中、矢印X1方向)へ加工負荷が付与されるようになっている。
次に、図3〜図5を参照して、図1で示すラッピング加工装置10を用いて被加工歯車Gをラッピング加工する工程を説明する。
図3は、図1で示すラッピング加工装置の駆動ラップ歯車とブレーキラップ歯車と被加工歯車を噛み合わせる工程を説明した図であって、図3(a)は駆動ラップ歯車とブレーキラップ歯車と被加工歯車が噛み合わされる前の状態を説明した上面図であり、図3(b)は駆動ラップ歯車とブレーキラップ歯車と被加工歯車が噛み合わされた状態を説明した上面図である。
図3(a)で示すように、駆動ラップ歯車1とブレーキラップ歯車2は、その間に被加工歯車Gを挟んで噛み込ませることができるように離間して配置されている。また、上記するように、駆動ラップ歯車1と被加工歯車Gは食い違い軸で噛み合うように配置されており、駆動ラップ歯車1は、その回転軸心L1を含んで被加工歯車Gの回転軸心LGに平行な平面P1内で被加工歯車Gの回転軸心LGと直交する方向(図中、矢印X1方向)へ移動自在となっている。同様に、ブレーキラップ歯車2と被加工歯車Gは食い違い軸で噛み合うように配置されており、ブレーキラップ歯車2は、その回転軸心L2を含んで被加工歯車Gの回転軸心LGに平行な平面P2内で被加工歯車Gの回転軸心LGと直交する方向(図中、矢印X1方向)へ移動自在となっている。
駆動ラップ歯車1とブレーキラップ歯車2を被加工歯車Gと噛み合わせる際には、不図示の移動装置を用いて駆動ラップ歯車1とブレーキラップ歯車2をそれぞれに固有の平面P1、P2内で被加工歯車Gの回転軸心LGと直交する方向(図中、矢印X1方向)へ同期して移動させる。その際、駆動ラップ歯車1のみを駆動装置を介して低速で回転軸心L1を回転中心として回転駆動させ、ブレーキラップ歯車2は回転駆動させない状態で移動させる。
駆動ラップ歯車1とブレーキラップ歯車2が所定の移動量だけ移動されると、図3(b)で示すように、駆動ラップ歯車1とブレーキラップ歯車2が被加工歯車Gと噛み合う。その際、駆動ラップ歯車1のみが低速で回転駆動され、ブレーキラップ歯車2が回転駆動されない状態で噛み合わされるため、被加工歯車Gの歯先と駆動ラップ歯車1の歯先、被加工歯車Gの歯先とブレーキラップ歯車2の歯先同士の干渉を抑制することができ、駆動ラップ歯車1とブレーキラップ歯車2と被加工歯車Gをそれぞれ円滑に噛み合わせることができる。また、図示するように、駆動ラップ歯車1の被加工歯車G側の歯の進行方向と駆動ラップ歯車1の移動方向が一致しているため、駆動ラップ歯車1とブレーキラップ歯車2と被加工歯車Gをそれぞれより円滑に噛み合わせることができる。
駆動ラップ歯車1とブレーキラップ歯車2と被加工歯車Gが噛み合わされた後、駆動ラップ歯車1を高速で回転軸心L1を回転中心として回転駆動させ、ブレーキラップ歯車2を駆動ラップ歯車1の回転数よりも少ない回転数で回転させるとともに、駆動ラップ歯車1とブレーキラップ歯車2をそれぞれに固有の平面P1、P2内で被加工歯車Gの回転軸心LGと直交する方向(図中、矢印X1方向)へ連続的に移動させ、駆動ラップ歯車1とブレーキラップ歯車2を用いて被加工歯車Gの歯面をラッピング加工する。
図4は、図3(b)のA−A矢視図であって、図4(a)は、ブレーキラップ歯車と被加工歯車の噛み合い開始時における噛み合い点を説明した図であり、図4(b)は、被加工歯車の加工途中における噛み合い点を説明した図であり、図4(c)は、ブレーキラップ歯車と被加工歯車の噛み合い完了時における噛み合い点を説明した図である。また、図5は、被加工歯車の歯幅とブレーキラップ歯車の移動量と交差角の関係を示した図である。
被加工歯車Gの歯面をラッピング加工するに当たり、図4(a)で示すように、ブレーキラップ歯車2と被加工歯車Gは、ブレーキラップ歯車2と被加工歯車Gの噛み合い開始時において被加工歯車Gの歯面の上端Baで歯面同士が噛み合うこととなる。
駆動ラップ歯車1とブレーキラップ歯車2と被加工歯車Gが噛み合わされると、不図示のラップ剤供給装置によって被加工歯車Gとラップ歯車の噛み合い点に砥粒と油剤を含むラップ剤を供給しながら駆動ラップ歯車1とブレーキラップ歯車2を回転させることで、被加工歯車Gの両歯面を同時にラッピング加工する。その際、ブレーキラップ歯車2は平面P2内で被加工歯車Gの回転軸心LGと直交する方向(図中、矢印X1方向)へ移動されており、その移動に従って、図4(b)で示すように、ブレーキラップ歯車2と被加工歯車Gの噛み合い点Bbは、被加工歯車Gの歯幅方向下方へ次第に移動される。
そして、ブレーキラップ歯車2が被加工歯車Gの回転軸心LGと直交する方向へ所定量だけ移動されると、図4(c)で示すように、ブレーキラップ歯車2と被加工歯車Gの噛み合い点は被加工歯車Gの歯面の下端Bcへ達する。これにより、被加工歯車Gの歯面が、その歯幅方向の全体に亘ってラッピング加工される。
ここで、ブレーキラップ歯車2と被加工歯車Gは食い違い軸で噛み合うように配置され、ブレーキラップ歯車2の回転軸心L2と被加工歯車Gの回転軸心LGが45度よりも小さい交差角εで交差するように配置されているため、図5で示すように、ブレーキラップ歯車2の被加工歯車Gの回転軸心LGと直交する方向への移動量Dは、被加工歯車Gの歯幅Wよりも相対的に小さくなり、相対的に小さい移動量で被加工歯車Gの歯面全体がラッピング加工され、被加工歯車Gの加工時間を効果的に短縮することができる。なお、ラップ歯車の歯幅は、被加工歯車Gの歯幅全体をラッピング加工することができるように適宜設定されている。
なお、駆動ラップ歯車1と被加工歯車Gの噛み合い点も、ブレーキラップ歯車2と被加工歯車Gの噛み合い点と同様に被加工歯車Gの歯幅方向で移動されるため、駆動ラップ歯車1と被加工歯車Gの間でも相対的に小さい移動量で被加工歯車Gの歯面全体をラッピング加工することができる。
なお、駆動ラップ歯車1と被加工歯車Gが食い違い軸で噛み合うように配置され、駆動ラップ歯車1の回転軸心L1と被加工歯車Gの回転軸心LGが45度よりも小さい交差角で交差するように配置されており、ブレーキラップ歯車2と被加工歯車Gが食い違い軸で噛み合うように配置され、ブレーキラップ歯車2の回転軸心L2と被加工歯車Gの回転軸心LGが45度よりも小さい交差角で交差するように配置されていることによって、駆動ラップ歯車1と被加工歯車Gの歯面同士、ブレーキラップ歯車2と被加工歯車Gの歯面同士の間で歯すじ方向に滑りが発生し、被加工歯車Gの歯面をより高精度に研磨加工することができる。
そして、被加工歯車Gのラッピング加工が完了すると、たとえば駆動ラップ歯車1とブレーキラップ歯車2を被加工歯車Gの回転軸心LGと直交する方向へ連続して移動させ、駆動ラップ歯車1とブレーキラップ歯車2から被加工歯車Gを取り外す。
なお、図4(c)で示すラップ歯車と被加工歯車Gの噛み合い完了後に、不図示の移動装置を用いて駆動ラップ歯車1とブレーキラップ歯車2をそれぞれに固有の平面P1、P2内で被加工歯車Gの回転軸心LGと直交する方向であって矢印X1と反対側の方向へ移動させ、駆動ラップ歯車1とブレーキラップ歯車2を被加工歯車Gに対して往復移動させることによって、駆動ラップ歯車1と被加工歯車Gの歯面同士、ブレーキラップ歯車2と被加工歯車Gの歯面同士を歯すじ方向に摺り合わせ、被加工歯車Gの歯面全体をより高精度に研磨加工することもできる。さらに、駆動ラップ歯車1とブレーキラップ歯車2を被加工歯車Gに対して往復移動させる際に、図2を参照して説明したように、被加工歯車Gには、駆動ラップ歯車1の回転駆動とブレークラップ歯車2の制動によって被加工歯車Gの回転軸心LGと直交する方向(図中、矢印X1方向)へ加工負荷が付与されているため、移動装置を用いた駆動ラップ歯車1とブレーキラップ歯車2の移動を停止し、加工負荷を用いて被加工歯車Gを駆動ラップ歯車1とブレーキラップ歯車2に対して相対的に移動させてもよい。また、駆動ラップ歯車1とブレーキラップ歯車2と被加工歯車Gの回転方向を調整することによって、駆動ラップ歯車1とブレーキラップ歯車2と被加工歯車Gが噛み合わされると同時に移動装置を停止し、駆動ラップ歯車1の回転駆動とブレークラップ歯車2の制動によって被加工歯車Gに付与される加工負荷を用いて、駆動ラップ歯車1とブレーキラップ歯車2と被加工歯車Gを被加工歯車Gの回転軸心LGと直交する方向へ相対的に移動させてもよい。
なお、本実施の形態においては、被加工歯車Gを静止した状態で駆動ラップ歯車1とブレーキラップ歯車2を被加工歯車Gの回転軸心LGに直交する方向へ移動させる形態について説明したが、たとえば駆動ラップ歯車1とブレーキラップ歯車2を静止した状態で被加工歯車Gをその回転軸心LGを含んで駆動ラップ歯車1とブレーキラップ歯車2の回転軸心L1、L2に平行な平面内でその回転軸心LGに直交する方向へ移動させてもよいし、駆動ラップ歯車1とブレーキラップ歯車2と被加工歯車Gを被加工歯車Gの回転軸心LGに直交する方向へ相互に移動させてもよい。
また、駆動ラップ歯車1とブレーキラップ歯車2等のラップ歯車の基数は、被加工歯車Gの加工精度に応じて適宜設定することができる。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
1…駆動ラップ歯車、2…ブレーキラップ歯車、10…ラッピング加工装置、G…被加工歯車、L1…駆動ラップ歯車の回転軸心、L2…ブレーキラップ歯車の回転軸心、LG…被加工歯車の回転軸心

Claims (5)

  1. 加工対象となる被加工歯車と研磨用のラップ歯車を噛み合わせて回転させることによって被加工歯車の歯面を研磨加工するラッピング加工装置であって、
    前記ラッピング加工装置は、被加工歯車とラップ歯車が食い違い軸で噛み合うように配置され、双方の回転軸心同士が45度よりも小さい交差角で交差するように配置されるようになっており、
    被加工歯車とラップ歯車を相互に平行な固有の平面内で被加工歯車の回転軸心と直交する方向へ相対的に移動させながら被加工歯車とラップ歯車を噛み合わせて回転させることによって被加工歯車の歯面を研磨加工するようになっているラッピング加工装置。
  2. 前記ラップ歯車は、少なくとも被加工歯車を回転駆動させる駆動ラップ歯車と被加工歯車の回転駆動を制動するブレーキラップ歯車から構成される請求項1に記載の歯車のラッピング加工装置。
  3. 前記ラッピング加工装置は、被加工歯車とラップ歯車を被加工歯車の回転軸心と直交する方向へ相対的に移動させながら、被加工歯車とラップ歯車を噛み合わせるようになっている請求項1または2に記載の歯車のラッピング加工装置。
  4. 前記ラップ歯車は、少なくとも二つのラップ歯車からなり、
    前記ラッピング加工装置は、被加工歯車と少なくとも二つのラップ歯車のそれぞれを被加工歯車の回転軸心と直交する方向へ相対的に移動させながら、被加工歯車と少なくとも二つのラップ歯車のそれぞれを噛み合わせるようになっている請求項3に記載の歯車のラッピング加工装置。
  5. 前記ラッピング加工装置は、少なくとも二つのラップ歯車のうちの一つのラップ歯車を回転駆動させることによって被加工歯車と少なくとも二つのラップ歯車のそれぞれを噛み合わせるようになっている請求項4に記載の歯車のラッピング加工装置。
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