JP5672985B2 - 半導体白色発光装置 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体発光素子が放出する光を蛍光体で波長変換することにより白色光を発生させる、蛍光体変換型の半導体白色発光装置に関し、とりわけ、照明用途に適した半導体白色発光装置に関する。
発光ダイオードやレーザダイオードのような半導体発光素子が発する近紫外〜青の光を蛍光体により波長変換することにより白色光を発生させる、蛍光体変換型の半導体白色発光装置が、照明用の光源として注目されている。その背景には、近年になって、特開2006−008721号公報(特許文献1)に開示されたCaAlSiN:Eu、特開2008−7751号公報(特許文献2)に開示されたSrCa1−xAlSiN:Eu、特開2007−231245号公報(特許文献3)に開示されたCa1−xAl1−xSi1+x3−x:Euのような、近紫外〜青の光を高い効率で赤色光に変換するアルカリ土類ケイ窒化物系の高輝度赤色蛍光体が開発されたことがある。
半導体白色発光装置に適した緑色蛍光体としては、国際公開WO2007−091687号公報(特許文献4)に開示されたEu付活アルカリ土類ケイ酸塩蛍光体、特開2005−255895号公報(特許文献5)に開示されたEu付活βサイアロン蛍光体、国際公開WO2007−088966号公報(特許文献6)に開示されたEu付活アルカリ土類ケイ酸窒化物蛍光体などが知られている。
半導体白色発光装置に適した青色蛍光体としては、特開2004−253747号公報(特許文献7)に開示されたSr(POCl:Eu、特開2004−266201号公報(特許文献8)に開示されたBaMgAl1017:Euなどが知られている。
1986年にCIE(国際照明委員会)は蛍光ランプが具備すべき演色性の指針を公表しており、その指針によれば、使用される場所に応じた好ましい平均演色評価数(Ra)は、一般作業を行う工場では60以上80未満、住宅、ホテル、レストラン、店舗、オフィス、学校、病院、精密作業を行う工場などでは80以上90未満、臨床検査を行う場所、美術館などでは90以上とされている。
特開2006−008721号公報 特開2008−7751号公報 特開2007−231245号公報 国際公開WO2007−091687号公報 特開2005−255895号公報 国際公開WO2007−088966号公報 特開2004−253747号公報 特開2004−266201号公報
半導体照明の用途拡大とともに、その光源に用いられる半導体白色発光装置の演色性に対する更なる改善が求められている。その中には、平均演色評価数Raだけでなく、R9、R10、R11およびR12(それぞれ、彩度の高い赤、黄、緑および青の再現性の指
標である)の改善も含まれる。
そこで、本発明は、照明用の白色光としては色温度が高い部類に属する昼白色光(色温度5000K前後)や昼光色光(色温度6500K前後)を放出する半導体発光装置のための演色性の改善技術を提供することを主たる目的とする。
本発明によれば、次に挙げる半導体白色発光装置および照明が提供される。
項1
半導体発光素子と、該半導体発光素子が発する光を吸収して該半導体発光素子が発する光とは異なる波長の光を発する波長変換部とを備え、該半導体発光素子に電流を印加することによって、該波長変換部が発する光を含む相関色温度が5000〜7000Kの範囲の白色光を放出する、半導体白色発光装置であって、
発光スペクトルが波長460〜520nmの範囲に極小波長を有し、
光束で規格化した発光スペクトルの上記極小波長における強度が、光束で規格化した演色性評価用基準光のスペクトルの上記極小波長における強度の80〜100%であり、
光束で規格化した発光スペクトルの波長580nmにおける強度が、光束で規格化した演色性評価用基準光のスペクトルの波長580nmにおける強度の90〜100%であることを特徴とする半導体白色発光装置。
項2
上記波長変換部が、上記半導体発光素子により励起されて発光する青色蛍光体、緑色蛍光体および赤色蛍光体を含む、項1に記載の半導体白色発光装置。
項3
上記青色蛍光体が、発光スペクトルのピーク波長が450〜460nmの範囲内かつその長波長側の半値波長が490nm以上であるEu付活アルカリ土類ハロリン酸塩蛍光体を含む、項2に記載の半導体白色発光装置。
項4
上記緑色蛍光体が、アルカリ土類ケイ酸窒化物蛍光体またはサイアロン蛍光体の少なくとも一方を含む、項3に記載の半導体白色発光装置。
項5
上記緑色蛍光体が、発光スペクトルのピーク波長が535〜550nmの範囲内かつその半値全幅が50〜70nmである蛍光体を含む、項3に記載の半導体白色発光装置。
項6
上記発光スペクトルのピーク波長が535〜550nmの範囲内かつその半値全幅が50〜70nmである蛍光体が、アルカリ土類ケイ酸窒化物蛍光体またはサイアロン蛍光体を含む、項5に記載の半導体白色発光装置。
項7
上記発光スペクトルのピーク波長が535〜550nmの範囲内かつその半値全幅が50〜70nmである蛍光体が、βサイアロン蛍光体を含む、項6に記載の半導体白色発光装置。
項8
上記赤色蛍光体が、発光スペクトルのピーク波長を620nm以下に有する蛍光体を含む、項7に記載の半導体白色発光装置。
項9
上記発光スペクトルのピーク波長を620nm以下に有する蛍光体が、SrおよびCaを含有するEu付活アルカリ土類ケイ窒化物蛍光体を含む、項8に記載の半導体白色発光装置。
項10
上記白色光の相関色温度が6000K以上であり、発光スペクトルが最も長波長側に有する極大波長が610nm以下である、項1〜9のいずれか1項に記載の半導体白色発光装置。
項11
項1〜10のいずれか1項に記載の半導体白色発光装置を光源とする照明。
本発明の実施形態に係る上記の半導体白色発光装置は演色性に優れるので、照明用の光源として好ましく使用することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る半導体白色発光装置の断面構造を示す。 図2は、本発明の実施形態に係る半導体白色発光装置の断面構造を示す。 図3は、本発明の実施形態に係る半導体白色発光装置の断面構造を示す。 図4は、本発明の実施形態に係る半導体白色発光装置の発光スペクトルを示す。 図5は、本発明の実施形態に係る半導体白色発光装置の発光スペクトルを示す。 図6は、本発明の実施形態に係る半導体白色発光装置の発光スペクトルを示す。 図7は、本発明の実施形態に係る半導体白色発光装置の発光スペクトルを示す。 図8は、xy色度図(CIE 1931)を示す。
以下、本発明について実施形態や例示物を示して説明するが、本発明は以下の実施形態や例示物等に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において任意に変形して実施することができる。
本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本明細書に記す蛍光体の組成式において、各組成式の区切りは読点(、)で区切って表わす。また、カンマ(,)で区切って複数の元素を列記する場合には、列記された元素のうち一種又は二種以上を任意の組み合わせ及び組成で含有していてもよいことを示している。例えば、「(Ba,Sr,Ca)Al:Eu」という組成式は、「BaAl:Eu」、「SrAl:Eu」、「CaAl:Eu」、「Ba1−pSrAl:Eu」、「Ba1−pCaAl:Eu」、「Sr1−pCaAl:Eu」および「Ba1−p−qSrCaAl:Eu」とを全て包括的に示しているものとする(但し、上記式中、0<p<1、0<q<1、0<p+q<1である)。
図1は、本発明を実施したSMD型LED構造の半導体白色発光装置の断面構造であり、半導体白色発光装置10は、パッケージ11に設けられたカップの底面上に固定された半導体発光素子12と、該カップ内に設けられ半導体発光素子12を包囲する波長変換部13とを備えている。波長変換部13は、半導体発光素子12で励起され発光する蛍光体(図示は省略)を含有している。半導体発光素子12は、パッケージ11の底面に形成された配線パターン(図示は省略)に接続されており、パッケージ11の外部に置かれた電源から半導体発光素子12に電流を供給することが可能となっている。
半導体発光素子12に順方向電流を印加すると、該半導体発光素子12が発光するとともに、この光の少なくとも一部を吸収して波長変換部13に含まれる蛍光体が発光する。波長変換部13には青色蛍光体、緑色蛍光体および赤色蛍光体が含まれ、この3つの蛍光体がそれぞれ放出する光から合成される白色光が、パッケージ11の上部に露出する波長変換部13の表面から放出される。半導体発光素子12が発する光が可視成分を含む場合には、この可視成分も上記白色光に含まれることがある。
半導体白色発光装置10から放出される上記白色光の相関色温度が5000〜7000Kの範囲内となるよう、波長変換部13に添加される各蛍光体の量が調節される。光源の色を相関色温度で表すことができるのは、その黒体輻射軌跡からの偏差Duvが−20〜+20の範囲内にある場合に限られことが、JIS規格などで定められている。Duvがこの範囲外となる光は、白色照明用としては使用できない。照明用に用いたときの快適さの観点から、半導体白色発光装置10の出力光のDuvは、好ましくは−6.0〜+6.0の範囲内、より好ましくは−6.0〜+2.0の範囲内、特に好ましくは−6.0〜0.0の範囲内とする。
半導体白色発光装置10は、発光スペクトルに関する次の第1の条件および第2の条件を同時に充足している。
第1の条件:発光スペクトルが460〜520nmの範囲内に極小波長を有し、かつ、光束で規格化した発光スペクトルの上記極小波長における強度が、光束で規格化した演色性評価用基準光のスペクトルの上記極小波長における強度の80〜100%である。
第2の条件:光束で規格化した発光スペクトルの波長580nmにおける強度が、光束で規格化した演色性評価用基準光のスペクトルの波長580nmにおける強度の90〜1
00%である。
ここで、上記第1の条件にいう発光スペクトルの極小波長とは、発光スペクトルの強度が極小値を取る波長のことである。よって、発光スペクトルが460〜520nmの範囲内に極小波長を有するとは、460〜520nmの範囲内に、発光スペクトルの強度が極小値を取る波長が存在することを意味する。
上記第1の条件および第2の条件にいう、演色性評価用基準光とは、光源の演色性評価方法を定める日本工業規格JIS Z8726:1990に規定される基準光であり、試料光源たる半導体白色発光装置10の相関色温度が5000K未満のときは完全放射体の光、また、該相関色温度が5000K以上のときはCIE昼光である。完全放射体およびCIE昼光の定義はJIS Z8720:2000(対応国際規格 ISO/CIE 10526:1991)に従う。
上記第1の条件および第2の条件にいう、光束で規格化したスペクトルとは、下記数式(1)により決定される光束Φが1(unity)となるように規格化したスペクトル(下記数式(1)中の分光放射束Φe)をいう。
Figure 0005672985
ここで、
Φ:光束[lm]
m:最大視感度[lm/W]
Vλ:明所視標準比視感度
Φe:分光放射束[W/nm]
λ:波長[nm]、である。
上記第1の条件は、半導体白色発光装置10を、彩度の高い黄色に関する再現性(指標は特殊演色評価数R10)、および、彩度の高い青色に関する再現性(指標は特殊演色評価数R12)に優れたものとするための指針である。また、上記第2の条件は、半導体白色発光装置10を、彩度の高い赤色に関する再現性(指標は特殊演色評価数R9)に優れたものとするための指針である。半導体白色発光装置10において、これら第1の条件および第2の条件が同時に充足されるためには、波長変換部13に添加する青色蛍光体、緑色蛍光体および赤色蛍光体を適切に選択することが重要である。
半導体白色発光装置10において、半導体発光素子12は発光ダイオード、スーパールミネッセントダイオード、レーザダイオードなどで有り得るが、好ましくは発光ダイオードである。半導体発光素子12の発光ピーク波長は、350〜430nmの範囲内とすることができるが、ストークスシフト損失の低減という観点からは、400〜430nmの範囲内であることが望ましい。半導体発光素子12の発光ピーク波長が410nm以下のとき、該半導体発光素子12が発する光に含まれる可視成分が、半導体白色発光装置10から放出される白色光の色度や半導体白色発光装置10の演色性に与える影響は小さいものとなる。
400〜430nmの波長域に発光ピーク波長を有する半導体発光素子の中でも、特に
好ましく用い得るのは、InGaN系の紫色発光ダイオードである。InGaN系発光ダイオードは、InGaN井戸層を含むMQW活性層をp型およびn型のGaN系クラッド層で挟んだダブルヘテロpn接合型の発光構造を有する発光ダイオードであり、発光ピーク波長を410〜430nmの範囲としたとき発光効率が最大となることが知られている。このことと、青色蛍光体の励起特性とを考慮すると、半導体発光素子12には、発光ピーク波長を400〜415nmの範囲内に有するInGaN系紫色発光ダイオードを用いることが好ましい。青色蛍光体は一般に紫外〜近紫外の光によって強く励起されるが、励起光の波長が405nmよりも長波長になるとの側では波長の増加とともに急激に低下する。
波長変換部13に含まれる青色蛍光体は、その発光色が、図8に示すxy色度図(CIE 1931)における「PURPULISH BLUE」、「BLUE」または「GR
EENISH BLUE」に区分される蛍光体である。上記第1の条件を充足させるためには、発光スペクトルのピーク波長が450〜470nmの範囲に存し、その半値全幅が50〜80nmである青色蛍光体を用いることが望ましい。
青色蛍光体の好適例のひとつは、Eu付活アルカリ土類アルミン酸塩蛍光体、その中でも(Ba,Sr,Ca)MgAl1017:Eu、特に、BAMと呼ばれるBaMgAl1017:Euである。BAMの発光スペクトルはピーク波長を450nm付近に持ち、その半値全幅は約50nmである。通常のInGaN系青色発光ダイオードの発光スペクトルの半値全幅は30nm以下であるから、これと比較するとBAMの発光スペクトルはかなりブロードである。InGaN系青色発光ダイオードを青色の光成分の発生源に用いた昼白色または昼光色の半導体白色発光装置は、彩度の高い青色に関する再現性が良好とはいえず、その特殊演色評価数R12は75に達しない。
青色蛍光体の他の好適例は、(Ca,Sr,Ba)5(PO43(Cl,F,Br):
Euで表されるEu付活アルカリ土類ハロリン酸塩蛍光体である。ただし、Sr5(PO43Cl:Eu(通称SCA)は発光スペクトルの半値全幅が30nm未満であるため、
SCAのみを用いて上記第1の条件を充足させることはできない。好ましいEu付活アルカリ土類ハロリン酸塩蛍光体は、SCAのSrの一部がBaまたはCaの少なくとも一方で置換された、SCAよりもブロードな発光スペクトルを有する蛍光体(以下、「SBCA」ともいう)である。例えば、組成式SrBaEu(POCl(ただし、a+b=5−x)で表されるSBCAは、xを0.5〜0.6、b/(a+b)を0.2〜0.3とすることにより、発光スペクトルの半値全幅をSCAの30nm未満から約80nmまでブロード化することができる。
SBCAのブロード化した発光スペクトルは、ピーク波長の短波長側よりも長波長側の広がりが極端に大きくなった非対称形状を呈する。例えば、xを0.5〜0.6、b/(a+b)を0.2〜0.3としたSrBaEu(POCl(ただし、a+b=5−x)では、ピーク波長と短波長側の半値波長との差をΔλとしたとき、ピーク波長と長波長側の半値波長との差Δλが、Δλの2倍以上、更には2.5倍以上にもなり得る。ここで、半値波長とは、発光スペクトルの強度がピーク波長における強度の半分である波長をいう。このようなSBCAの発光特性は、上記第1の条件を充足させるうえで極めて好都合である。半導体白色発光装置10の平均演色評価数Raも考慮すると、波長変換部10に用いるEu付活アルカリ土類ハロリン酸塩蛍光体は、発光スペクトルのピーク波長を450〜460nmの範囲に有し、長波長側の半値波長が490nm以上であることが望ましい。
波長変換部13に添加することのできる青色蛍光体は一種類に限定されない。例えば、Eu付活アルカリ土類アルミン酸塩蛍光体とEu付活アルカリ土類ハロリン酸塩蛍光体の
両方を、波長変換部13に添加することができる。また、組成および発光特性の異なる2種以上のEu付活アルカリ土類ハロリン酸塩蛍光体を、波長変換部13に添加することができる。この2種以上のEu付活アルカリ土類ハロリン酸塩蛍光体には、組成および発光特性が異なる2種以上のSBCAが含まれてもよい。
波長変換部13に含まれる緑色蛍光体は、その発光色が、図8に示すxy色度図(CIE 1931)における「GREEN」または「YELLOWISH GREEN」に区分される蛍光体である。上記第1の条件および第2の条件を同時に充足させるためには、発光スペクトルのピーク波長が525〜550nmの範囲に存し、その半値全幅が50〜70nmである緑色蛍光体を用いることが望ましい。従って、Eu2+を付活剤とする緑色蛍光体を好ましく用いることができる。Eu2+を付活剤とする緑色蛍光体には、例えば、(Ba,Ca,Sr,Mg)2SiO4:Eu、(Ba,Sr,Ca)2(Mg,Zn)S
27:Euのようなアルカリ土類ケイ酸塩蛍光体、(Ba,Ca,Sr)3Si6122:Eu、(Ba,Ca,Sr)3Si694:Eu、(Ca,Sr,Ba)Si222:Euのようなアルカリ土類ケイ酸窒化物蛍光体、βサイアロン:Eu、Sr3Si13
3221:Eu、Sr5Al5Si21235:Euのようなサイアロン蛍光体がある。
上記に例示した基本組成を有するアルカリ土類ケイ酸窒化物蛍光体は、発光スペクトルのピーク波長を、525〜540nmを含む範囲で制御することができる。発光ピーク波長を525〜530nmの範囲に有するアルカリ土類ケイ酸窒化物蛍光体の発光特性(発光スペクトルのピーク波長および半値全幅)は、(Ba,Ca,Sr,Mg)2SiO4:Euと類似している。
緑色蛍光体の中には、Ca(Sc,Mg)Si12:Ce、CaSc:C
eなどのような、Ce3+を付活剤とするものもある。しかし、この種の緑色蛍光体のみを用いて上記第2の条件を充足させることは困難である。なぜなら、Ce3+を付活剤とする緑色蛍光体は発光スペクトルがブロードであり、放出する光の中に580nm付近の波長を有する成分が過剰に含まれるためである。また、Ce3+を付活剤とする緑色蛍光体の多くは励起スペクトルのピークを波長450nm付近に有するため、青色蛍光体とともに用いると多段励起(カスケード励起)が発生し、波長変換ロスが増加する問題がある。
波長変換部13に用いる緑色蛍光体は一種類に限定されない。例えば、Eu2+で付活されたアルカリ土類ケイ酸窒化物系の緑色蛍光体と、Eu2+で付活されたサイアロン系の緑色蛍光体の両方を、波長変換部13に添加することができる。あるいは、母体組成が異なる複数のサイアロン系緑色蛍光体を、波長変換部13に添加することができる。
波長変換部13に含まれる赤色蛍光体は、その発光色が、図8に示すxy色度図(CIE1931)における「RED」、「REDDISH ORANGE」または「ORANGE」に区分される蛍光体である。赤色蛍光体の好適例は、Eu2+を付活剤とし、アルカリ土類ケイ窒化物からなる結晶を母体とする蛍光体、例えば、(Ca,Sr,Ba)AlSiN3:Eu、(Ca,Sr,Ba)2Si58:Eu、SrAlSi47:Eu、(CaAlSiN31-x(Si(3n+2)/4nO)x:Euなどである。この種の蛍光体の発光スペクトルはブロードであり、通常、その半値全幅は80nm以上である。
(Ca,Sr,Ba)AlSiN3:Euで表される赤色蛍光体の中でも、アルカリ土
類金属元素としてSrおよびCaを含むものは、CaAlSiN:Euに比べて短波長の光を放出する。また、(CaAlSiN31-x(Si(3n+2)/4nO)x:Euは、CaAlSiNにSi(3n+2)/4Oが固溶した結晶を母体とするが故に、CaAlSiN:Euに比べ発光スペクトルがブロードとなり、そのピーク波長は短波長となる。nおよびxの値を制御することにより、(CaAlSiN31-x(Si(3n+2)/4n
O)x:Euの発光スペクトルの半値全幅は100nm以上とし得る。SrAlSi47
:EuはCa1-xAl1-xSi1+x3-xx:Euと類似した発光特性を有している。Ca1-xAl1-xSi1+x3-xx:Euは(CaAlSiN31-x(Si(3n+2)/4nO)x:Euにおいてn=2の場合に該当する。
波長変換部13に添加する緑色蛍光体と赤色蛍光体の適切な組み合わせによって、上記第2の条件を充足させることができる。すなわち、光束で規格化した演色性評価用基準光のスペクトルの波長580nmにおける強度に対する、光束で規格化した半導体白色発光装置10の発光スペクトルの波長580nmにおける強度の比率を、90〜100%とすることができる。この比率をできるだけ100%に近付けることにより、半導体白色発光装置10のluminous efficacyを高くすることができる。なぜなら、580nmという波
長は視感度が最も高い波長域に含まれるためである。第2の条件を好ましく充足させるうえで、発光特性の異なる複数の緑色蛍光体を組み合せて使用する、あるいは、発光特性の異なる複数の赤色蛍光体を組み合せて使用することは有用である。
波長変換部13に添加する青色蛍光体、緑色蛍光体および赤色蛍光体の好ましい組み合わせとして、次の組み合せ例1および組み合せ例2が挙げられる。
組み合せ例1:
青色蛍光体・・・SrBaEu(POCl(ただし、a+b=5−x)
緑色蛍光体・・・βサイアロン:Eu
赤色蛍光体・・・SrCa1−xAlSiN3:Eu(ただし、0<x<1)
組み合せ例2:
青色蛍光体・・・BAM
緑色蛍光体・・・(Ba,Ca,Sr)3Si6122:Eu
赤色蛍光体・・・Ca1-xAl1-xSi1+x3-xx:Eu
上記組み合わせ例1における青色蛍光体は、発光スペクトルのピーク波長が450〜460nm、長波長側の半値波長が490nm以上となるように、組成式SrBaEu(POClにおけるa、b、xが調整される。好適例では、xを約0.5とし、b/(a+b)を0.1〜0.2の間で調整する。緑色蛍光体として用いるβサイアロン:Euの発光スペクトルは幅が狭く、通常は60nm未満であるが、発光スペクトルのブロードな青色蛍光体とともに用いることによって、上記第1の条件が好ましく充足される。βサイアロン:Euは耐久性および耐熱性に優れており、また、視感度の高い波長域に狭い発光バンドを有することからluminous efficacyが高い。
上記組み合わせ例1における赤色蛍光体には、発光ピーク波長が630nm未満、更には620nm未満であるものを好ましく用いることができる。緑色蛍光体として用いるβサイアロン:Euの発光スペクトルが幅狭であるために、このような短波長の赤色蛍光体を組み合わせても、上記第2の条件を充足させることが可能となる。波長変換部13に短波長の赤色蛍光体を用いることにより、半導体白色発光装置10のluminous efficacyが
向上するとともに、ストークスシフトに起因する損失が低減する。半導体白色発光装置10の出力光の相関色温度が6000〜7000Kである場合には、該出力光のスペクトルが最も長波長側に有する極大波長を610nm以下とし得る。
上記組み合わせ例2においては、BAMの一部をSBCAに置き換えることができる。また、(Ba,Ca,Sr)3Si6122:Euの一部を、βサイアロン:Euなどの
サイアロン系緑色蛍光体に置き換えることができる。
波長変換部13に添加する蛍光体の安定性に着目すると、母体がアルカリ土類ケイ窒化物、サイアロンまたはアルカリ土類ケイ酸窒化物であるものは、窒素を含むために母体結晶中における原子間結合の共有結合性が高く、それゆえに優れた耐久性および耐熱性を示す。緑色蛍光体の場合についていうと、ケイ酸塩系の(Ba,Ca,Sr,Mg)2Si
4:Euは室温での発光効率において極めて優れているが、高温では発光効率が著しく
低下することから、ハイパワー用途には適していない。
使用が推奨されない蛍光体として、硫黄を含む化合物の結晶を母体とする蛍光体がある。母体結晶から遊離する微量の硫黄が、半導体発光素子、パッケージ、封止材料などに含まれている金属と反応して着色物質を発生させる場合があるからである。着色物質は可視光を吸収するため、半導体白色発光装置の発光効率を著しく低下させる。
波長変換部13は、上記第1の条件および第2の条件の充足が阻害されない限りで、青色蛍光体、緑色蛍光体および赤色蛍光体以外の蛍光体、例えば、黄色蛍光体を含有していてもよい。黄色蛍光体とは、その発光色が、図8に示すxy色度図(CIE 1931)における「YELLOW GREEN」、「GREENISH YELLOW」、「YELLOW」または「YELLOWISH ORANGE」に区分される蛍光体である。黄色蛍光体には、Ce3+を付活剤とするものと、Eu2+を付活剤とするものがある。前者には、(Y,Gd)3Al512:Ce、Tb3Al512:Ceのようなガーネット型酸化物結晶を母体とするもの、La3Si611:Ce、Ca1.5xLa3-xSi611:Ceのようなランタンケイ素窒化物結晶を母体とするものがある。後者には、BOSEと呼ばれる、アルカリ土類ケイ酸塩を母体とするものがある。Ce3+を付活剤とする黄色蛍光体の多くは励起スペクトルのピークを波長450nm付近に有するため、青色蛍光体とともに用いると多段励起(カスケード励起)が発生し、波長変換ロスが増加する問題がある。
波長変換部13において蛍光体を保持するマトリックス材料には、半導体発光素子12の発光波長域および可視波長域において透明な樹脂またはガラスを用いることができる。樹脂としては、各種の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂などが挙げられ、より具体的には、メタアクリル樹脂(ポリメタアクリル酸メチルなど)、スチレン樹脂(ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体など)、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、ブチラール樹脂、ポリビニルアルコール、セルロース系樹脂(エチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレートなど)、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂などが例示される。また、ガラスとしては、リン酸系、ホウリン酸系、バナジウムホウ酸系、アルカリ珪酸系、ビスマス系などの、公知の低融点ガラスが好ましく例示される。
耐熱性や耐光性の観点から波長変換部13のマトリックス材料として好ましいのは、ケイ素含有化合物である。ケイ素含有化合物とは、分子中にケイ素原子を有する化合物をいい、例えば、ポリオルガノシロキサン等の有機材料(シリコーン系材料)、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素等の無機材料、及びホウケイ酸塩、ホスホケイ酸塩、アルカリケイ酸塩等のガラス材料を挙げることができる。中でも、シリコーン系材料は、透明性、接着性、ハンドリングの容易さ、機械的・熱的応力の緩和特性に優れる等の点から、特に好ましい。シリコーン系材料とは、通常、シロキサン結合を主鎖とする有機重合体をいい、硬化機構によって、縮合型、付加型、ゾルゲル型、光硬化型などの種類がある。
波長変換部13には、蛍光体以外の微粒子、例えば、光散乱剤を分散させることができる。波長変換部13のマトリックス材料自体が、光学特性、機械特性、耐熱性などの種々の性質を調整する目的でサブミクロンサイズの微粒子を樹脂またはガラスに分散させた複合材料であってもよい。
波長変換部13は任意の態様で蛍光体を含有することができる。例えば、波長変換部13中における蛍光体の分布は一様であってもよいし、不均一であってもよい。また、波長変換部13の内部には、特定の蛍光体のみを含有する部分が存在してもよい。その一例では、波長変換部13を、青色蛍光体のみを含有する層、緑色蛍光体のみを含有する層、赤色蛍光体のみを含有する層を積層した多層構造とすることができる。この場合、異なる蛍光体を含有する2つの層の間に、蛍光体を含有しない層が挿入されていてもよい。また、波長変換部13は、異なるマトリックス材料で形成された複数の層が積層された構造を有
してもよい。
変形実施形態では、図2に示す半導体白色発光装置20のように、波長変換部23を半導体発光素子22から離して配置することもできる。半導体発光素子22と波長変換部23とを隔てる空間Sは空洞であってもよいし、その一部または全部が透光性材料で充填されていてもよい。波長変換部23は、透明な支持フィルムの面上に形成された薄層であり得る。
他の変形実施形態では、図3に示す半導体白色発光装置30のように、波長変換部33を、半導体発光素子32の表面をコンフォーマルに被覆する薄層とすることもできる。この半導体白色発光装置30は、更に、波長変換部33を包囲する透明部材34を備えている。この例では、透明部材34の上部が半球状に成形されている。
本発明の実施形態に係る半導体白色発光装置は、SMD型LED構造に限らず、砲弾型LED構造、チップ・オン・ボード構造など、種々の構造を備えるもので有り得る。また、本発明の実施形態に係る半導体白色発光装置は、半導体発光素子と蛍光体との間、あるいは、蛍光体が発する光が発光装置の外部に放出されるまでに通過する経路上に、レンズ、光ファイバ、導光板、反射鏡、フィルタ、その他任意の光学素子を備えることができる。
本発明の実施形態に係る半導体白色発光装置は、上記第1の条件および第2の条件の少なくとも一方を充たすために、可視域の一部の波長範囲における透過率が他の波長範囲における透過率に比べて低くなるように作られたフィルタを利用して、発光スペクトルの形状を制御するものであってもよい。
青色蛍光体SrBaEu(POCl(ただし、a+b=5−x)の製造方法について説明すると、次の通りである。
この蛍光体の原料のうち、Sr源、Ba源およびEu源としては、Sr、BaおよびEuの各元素の酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、蓚酸塩、カルボン酸塩、ハロゲン化物、窒化物及びそれらの水和物等を用いることができる。
また、この蛍光体の原料のうち、PO源としては、Sr、BaまたはNHのリン酸水素塩、リン酸塩、メタリン酸塩またはピロリン酸塩の他、P、PCl、PCl、SrPOCl、BaPOCl、リン酸、メタリン酸、ピロリン酸等を用いることができ、また、Cl源としては、SrCl、BaCl、NHCl、HCl、SrPOCl、BaPOCl等を、用いることができる。
好適例では、Sr源兼PO源にSrHPO、Sr源にSrCO、Ba源にBaCO、Eu源にEuを用いることができる。これらの原料を、Sr、Ba、Eu、POおよびClが所定のモル比で含まれるように秤量し、ボールミル等を用いて十分混合した後、焼成する。好ましくは、原料混合物に対し、SrCl・6HOおよび/またはBaCl・6HOをフラックスとして添加する。フラックスの添加量は、原料混合物中のSrのモル比が10%程度過剰となるように定めることができる。
焼成雰囲気は通常は還元雰囲気とする。還元雰囲気下で焼成すると、原料中では3価であったEuが2価に還元される。還元雰囲気とするために用いるガスは、水素、一酸化炭素等であり、通常、窒素ガス、希ガスのような不活性ガスと混合して使用する。このときのガスの全量に対する還元性ガスの割合(モル比)は好ましくは3%以上である。焼成温度(最高到達温度)は、好ましくは900℃以上、1350℃以下であり、焼成時間は通常1時間以上、24時間以下である。焼成時の圧力は大気圧程度が好ましい。焼成工程において反応系にフラックスを共存させると、良好な単粒子を成長させることができる。焼成工程後、必要に応じて粉砕工程、洗浄工程、分級工程、表面処理工程、乾燥工程などを
行なってもよい。
〔実験結果〕
以下には、本発明者等が行った、実験(シミュレーションを含む)の結果を記載する。実験に用いた蛍光体のリストを表1に示す。
Figure 0005672985
表1には、各蛍光体について、本明細書で用いる名称、発光色に基づく種別、一般式、発光スペクトルの特性を示している。発光スペクトルの特性としては、発光スペクトルのピーク波長(発光ピーク波長)および半値全幅と、「相対強度@580nm」を示している。これらはいずれも、発光ピーク波長の欄に括弧書きで記された波長で励起したときの値である。「相対強度@580nm」とは、発光ピーク波長における発光スペククトルの強度(発光ピーク強度)を1として、波長580nmにおける発光スペクトルの強度を相対的に表した値である。
表1に示す蛍光体のうち、SBCA−1とSBCA−2、CASON−1とCASON−2、SCASN−1とSCASN−2は、それぞれ同じ一般式で表されているが、発光特性が異なっている。同一の一般式で表される蛍光体が、母体の組成、付活剤濃度、不純物濃度などの相違により異なる発光特性を示す事実は、当該技術分野においてはよく知られている。なおSBCA−1およびSBCA−2の一般式はSrBaEu(POCl(a+b=5−x)と表すこともできる。
実施例2および3で使用している青色蛍光体SBCA−1は、短波長側の半値波長を437nmに、長波長側の半値波長を499nmに有している。よって、Δλ/Δλ=2.9である。また、実施例4で使用している青色蛍光体SBCA−2は、短波長側の半値波長を438nmに、長波長側の半値波長を496nmに有している。よって、SBCA−1と同様、Δλ/Δλ=2.9である。
表1に示す蛍光体を用いて作製した白色発光装置のリストを表2に示す。実施例1〜4および比較例1に係る白色発光装置では、発光ピーク波長を約405nmに有する紫色発光ダイオードを蛍光体の励起源に用いている。一方、比較例2〜4に係る白色発光装置では、発光ピーク波長を約450nmに有する青色発光ダイオードを、青色の光成分の発生源と蛍光体の励起源を兼用する発光素子として用いている。実施例および比較例に係る各白色発光装置は、発光ダイオードをSMD型パッケージに実装し、蛍光体を分散させたシリコーン樹脂組成物で封止することにより作製した。表2には、各白色発光装置の作製に用いたシリコーン樹脂組成物における蛍光体の含有量(濃度)を示している。例えば、実施例1の白色発光装置では、青色蛍光体BAM、緑色蛍光体BSSおよび赤色蛍光体CASON−1をそれぞれ13.3wt%、1.0wt%および1.9wt%の濃度で含むシリコーン樹脂組成物で、紫色発光ダイオードを封止している。
Figure 0005672985
表1に示す白色発光装置のそれぞれについて発光特性を測定した結果を表3に示す。表3において、p(%)は、発光スペクトルが460〜520nmの範囲内に有する極小波
長をλmとしたときの、光束で規格化した演色性評価用基準光のスペクトルの波長λmにおける強度に対する、光束で規格化した発光スペクトルの波長λmにおける強度の比率であ
る。また、q(%)は、光束で規格化した演色性評価用基準光のスペクトルの波長580nmにおける強度に対する、光束で規格化した発光スペクトルの波長580nmにおける強度の比率である。従って、80≦p≦100が上記第1の条件の充足を意味し、90≦q≦100が上記第2の条件の充足を意味する。
Figure 0005672985
Figure 0005672985
表3に示すように、実施例1〜4に係る白色発光装置は第1の条件および第2の条件の両方を充たしており、その平均演色評価数Raと特殊演色評価数R9、R10、R11およびR12はいずれも80を超えている。表4に示すのは実施例に係る各白色発光装置の演色評価数R1〜R14であり、全て80を超えている。特に、実施例2および3の白色発光装置の演色性は極めて良好であり、R1〜R14が全て90以上で、Raは95を超えている。実施例1および4の白色発光装置も、R9を除く全ての演色評価数が90以上であり、Raは95以上である。
実施例1〜4に係る白色発光装置の発光スペクトルを、それぞれ、図1〜4に示す。実施例4の白色発光装置は、発光スペクトルが最も長波長側に有する極大波長(赤色蛍光体の発光に基づく極大波長)が608nmと短いにもかかわらず、その特殊演色評価数R9は87という良好な値である。
一方、比較例1〜4に係る白色発光装置は上記第1の条件(80≦p≦100)を充たしていない。このうち、比較例2〜4の白色発光装置はR12の値が低く、それぞれ41、57、66である。比較例2の白色発光装置は、更にR10も低いが(R10=32)、比較例3および4の白色発光装置のR10は80を超えている。それに対し、比較例1の白色発光装置はR12が80を超えており、R10が74という低い値となっている。このような違いは、比較例1の白色発光装置と比較例3および4の白色発光装置とで、発光スペクトルが波長460〜520nmの範囲内に有する極小波長が相違していることに起因する可能性がある。比較例1の白色発光装置は該極小波長を499nmに有するのに対し、比較例3および4の白色発光装置は該極小波長をそれぞれ489nm、484nmに有している。
このことを確かめるために、シミュレーションの手法により、比較例1の白色発光装置の発光スペクトルと比較例3の白色発光装置の発光スペクトルとを合成したスペクトルを発光スペクトルとする、仮想的な白色発光装置の演色性を調べた。具体的には、比較例1および3の白色発光装置の発光スペクトルをそれぞれ光束で規格化したうえ所定の比率(A:B)で合算し、得られた合成スペクトルを仮想的な白色発光装置の発光スペクトルと見なして、該仮想的な白色発光装置の平均演色評価数Raおよび特殊演色評価数R9〜R11を算出した。その結果を表5に示す。
Figure 0005672985
合成スペクトルに占める、比較例1の白色発光装置の発光スペクトルの比率が減少するにつれて、すなわち、合算比率A:Bが10:0から0:10に向かって変化するのに伴い、該合成スペクトルが波長460〜520nmの範囲内に有する極小波長は499nmから485nmに向かって減少する。この間、第1の条件(80≦p≦100)が充たされることはないが、表5に示すように、該合成スペクトルを発光スペクトルとする仮想的な白色発光装置のR10は74から84に向かって増加し、その反対に、R12は81から57に向かって減少した。
再び表3に戻ると、比較例1〜4に係る白色発光装置のうち、比較例1および3の白色発光装置は上記第2の条件(90≦q≦100)を充足しており、その特殊演色評価数R9はいずれも90以上という高い値である。一方、比較例2および4の白色発光装置は該第2の条件を充たしておらず、そのR9はそれぞれ−34、45という極めて低い値である。
10、20、30 半導体白色発光装置
11、21、31 パッケージ
12、22、32 半導体発光素子
13、23、33 波長変換部
34 透明部材
S 空間

Claims (11)

  1. 半導体発光素子と、該半導体発光素子が発する光を吸収して該半導体発光素子が発する光とは異なる波長の光を発する波長変換部とを備え、該半導体発光素子に電流を印加することによって、該波長変換部が発する光を含む相関色温度が5000〜7000Kの範囲の白色光を放出する、半導体白色発光装置であって、
    発光スペクトルが波長460〜520nmの範囲に極小波長を有し、
    光束で規格化した発光スペクトルの上記極小波長における強度が、光束で規格化した演色性評価用基準光のスペクトルの上記極小波長における強度の80〜100%であり、
    光束で規格化した発光スペクトルの波長580nmにおける強度が、光束で規格化した演色性評価用基準光のスペクトルの波長580nmにおける強度の90〜100%であることを特徴とする半導体白色発光装置。
  2. 上記波長変換部が、上記半導体発光素子により励起されて発光する青色蛍光体、緑色蛍光体および赤色蛍光体を含む、請求項1に記載の半導体白色発光装置。
  3. 上記青色蛍光体が、発光スペクトルのピーク波長が450〜460nmの範囲内かつその長波長側の半値波長が490nm以上であるEu付活アルカリ土類ハロリン酸塩蛍光体を含む、請求項2に記載の半導体白色発光装置。
  4. 上記緑色蛍光体が、アルカリ土類ケイ酸窒化物蛍光体またはサイアロン蛍光体の少なくとも一方を含む、請求項3に記載の半導体白色発光装置。
  5. 上記緑色蛍光体が、発光スペクトルのピーク波長が535〜550nmの範囲内かつその半値全幅が50〜70nmである蛍光体を含む、請求項3に記載の半導体白色発光装置。
  6. 上記発光スペクトルのピーク波長が535〜550nmの範囲内かつその半値全幅が50〜70nmである蛍光体が、アルカリ土類ケイ酸窒化物蛍光体またはサイアロン蛍光体を含む、請求項5に記載の半導体白色発光装置。
  7. 上記発光スペクトルのピーク波長が535〜550nmの範囲内かつその半値全幅が50〜70nmである蛍光体が、βサイアロン蛍光体を含む、請求項6に記載の半導体白色
    発光装置。
  8. 上記赤色蛍光体が、発光スペクトルのピーク波長を620nm以下に有する蛍光体を含む、請求項7に記載の半導体白色発光装置。
  9. 上記発光スペクトルのピーク波長を620nm以下に有する蛍光体が、SrおよびCaを含有するEu付活アルカリ土類ケイ窒化物蛍光体を含む、請求項8に記載の半導体白色発光装置。
  10. 上記白色光の相関色温度が6000K以上であり、発光スペクトルが最も長波長側に有する極大波長が610nm以下である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の半導体白色発光装置。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の半導体白色発光装置を光源とする照明。
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