JP7004892B2 - 発光装置 - Google Patents

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本発明は、発光装置に関する。
発光ダイオード(以下、「LED」とも記載する。)を用いて白色系の光を発する発光装置として、例えば、青色に発光するLEDと黄色に発光する蛍光体とを組み合わせた発光装置がある。この発光装置は、LEDの青色光と、その光によって励起された蛍光体による黄色光とが混色することにより白色系の光を発する。このような発光装置では、可視光領域における放射強度が強く発光効率は高いが、青緑色領域及び赤色領域における放射強度が充分に得られない場合がある。そのため照射物の色の見え方(以下、「演色性」と呼ぶ。)に更なる改良の余地がある。
ここで、光源の演色性の評価手順は、JIS Z8726によって、所定の反射率特性を有する試験色(R1からR15)を、試験光源と基準光源とでそれぞれ測色した場合の色差ΔEi(iは1から15の整数)を数値計算して演色評価数を算出して行うと定められている。演色評価数Ri(iは1から15の整数)の上限は100である。つまり、試験光源とそれに対応する色温度の基準光源の色差が小さいほど、演色評価数は100に近づき高くなる。演色評価数のうち、R1からR8の平均値は平均演色評価数(以下、Raとも記載する。)と呼ばれ、R9からR15は特殊演色評価数と呼ばれる。特殊演色評価数について、R9は赤色、R10は黄色、R11は緑色、R12は青色、R13は西洋人の肌の色、R14は木の葉の色、R15は日本人の肌の色とされている。
光源の演色性を高めるため、青色に発光するLEDと、緑色から黄色に発光する2種類の蛍光体として例えば、クロロシリケート蛍光体と、Y又はTbのガーネット蛍光体とを用いた発光装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。さらに演色性を高めるため、緑色から黄色に発光する蛍光体に加え、赤色に発光する蛍光体を用いた発光装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特表2003-535477号公報 特開2008-034188号公報
従来技術の発光装置では、黄色、緑色、赤色等に発光する蛍光体を用いることで、各色に相当する波長領域の色差をある程度小さくすることができた。しかしながら、主に発光素子に由来する青色領域の発光強度を基準光源に近づけ青色領域の色差を小さくすることは難しかった。例えば、蛍光体の量を調節したり拡散材を添加したりして青色の発光強度を調節することも考えられるが、満足な解決には至っていない。ここで特殊演色評価数R12は、一般的に、青色の波長領域の発光が大きく関与しており、従来技術の発光装置ではR12の数値が低くなる傾向があった。高い演色性を有する発光装置とするためには、可視光領域において太陽光のような紫色から青色、そして緑色から黄色、そして橙色から赤色のような一連の連続した発光スペクトルが得られるように発光装置を構成して、このR12の数値を高くする必要がある。
このような問題を解決する発光装置として、演色評価数の算出には寄与しない近紫外領域に発光ピーク波長を有する発光素子を用いる発光装置が挙げられる。しかしながら、近紫外領域の光は、紫外線の成分を多く含んでいるため、人体や照射物に悪影響を及ぼすだけでなく、構成部材の劣化により、発光装置の発光効率が大幅に低下したりする問題があった。
そこで、本発明の一態様は、上述したような問題を解決し、優れた演色性を有する発光装置を提供することを目的とする。
本発明の一実施態様は、410nm以上440nm以下の範囲に発光ピーク波長を有する発光素子と、蛍光部材とを備える発光装置である。前記蛍光部材は、発光ピーク波長を430nm以上500nm以下の範囲に有する第一蛍光体と、発光ピーク波長を500nm以上600nm以下の範囲に有する第二蛍光体と、発光ピーク波長を610nm以上650nm以下の範囲に有する第三蛍光体と、発光ピーク波長を440nm以上550nm以下の範囲に有する第四蛍光体及び発光ピーク波長を650nm以上670nm以下の範囲に有する第五蛍光体の少なくとも一方と、を含む。
前記第一蛍光体は、
(1A)Mg、Ca、Sr及びBaからなる群から選択される少なくとも1つとCl及びBrからなる群から選択される少なくとも1つとを組成に有しEuで賦活されるアルカリ土類リン酸塩並びに
(1B)Ca、Sr及びBaからなる群から選択される少なくとも1つとMgとを組成に有しEuで賦活されるケイ酸塩
からなる群から選択される少なくとも1種を含む。
前記第二蛍光体は、
(2A)Ceで賦活される希土類アルミン酸塩、
(2B)Ceで賦活されるランタンシリコンナイトライド、
(2C)Ceで賦活されるスカンジウム含有酸化物及び
(2D)Ceで賦活されるスカンジウム珪酸塩
からなる群から選択される少なくとも1種を含む。
前記第三蛍光体は、
(3A)Sr及びCaからなる群から選択される少なくとも1つとAlとを組成に有しEuで賦活されるシリコンナイトライド並びに
(3B)Euで賦活されるアルカリ土類シリコンナイトライド
からなる群から選択される少なくとも1種を含む。
前記第四蛍光体は、
(4A)Ca、Sr及びBaからなる群から選択される少なくとも1つとMgとF、Cl及びBrからなる群から選択される少なくとも1つとを組成に有しEuで賦活されるケイ酸塩、
(4B)Ca、Sr及びBaからなる群から選択される少なくとも1つを組成に有しEuで賦活されるケイ酸塩並びに
(4C)Ca、Sr及びBaからなる群から選択される少なくとも1つを組成に有しEuで賦活されるチオガレート
からなる群から選択される少なくとも1種を含む。
前記第五蛍光体は、
(5A)Mnで賦活されるフルオロジャーマネート、
(5B)Mg、Ca、Sr及びBaからなる群から選択される少なくとも1つとLi、Na及びKからなる群から選択される少なくとも1つとAlとを組成に有しEuで賦活されるアルカリナイトライド並びに
(5C)Ca、Sr及びBaからなる群から選択される少なくとも1つを組成に有しEuで賦活される硫化物
からなる群から選択される少なくとも1種を含む。
発光スペクトルが、430nm以上480nm未満の第一領域と、480nm以上500nm以下の第二領域と、580nm以上600nm未満の第三領域と、600nm以上650nm未満の第四領域と、650nm以上670nm以下の第五領域とに、それぞれ極大発光を有し、
前記発光素子の極大発光強度で、前記第一領域における極大発光強度を割った値を、前記第三領域における極大発光強度で割った値が0.4以上2以下である発光スペクトルを有する、発光装置である。
本発明の一態様によれば、優れた演色性を有する発光装置を提供することができる。
本実施形態に係る発光装置の一例を示す概略断面図である。 実施例1、2及び比較例1に係る発光装置の発光スペクトルを示す図である。 実施例3から5及び比較例1に係る発光装置の発光スペクトルを示す図である。 実施例6から9及び比較例1に係る発光装置の発光スペクトルを示す図である。 実施例7、10から12及び比較例1に係る発光装置の発光スペクトルを示す図である。 実施例7、13、14及び比較例1に係る発光装置の発光スペクトルを示す図である。 実施例15及び比較例2に係る発光装置の発光スペクトルを示す図である。 実施例16及び比較例3に係る発光装置の発光スペクトルを示す図である。
以下、実施形態を詳細に説明する。ただし、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための発光装置を例示するものであって、本発明は、以下に示す発光装置に限定されない。なお、本明細書において色名と色度座標との関係、光の波長範囲と単色光の色名との関係等は、JIS Z8110に従う。また、組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
[発光装置]
図1は、本発明の一実施形態に係る発光装置100の概略断面図である。発光装置100は、410nm以上440nm以下の範囲に発光ピーク波長を有する発光素子10と、蛍光部材50とを備える。この蛍光部材50は、蛍光体70として、第一蛍光体71、第二蛍光体72及び第三蛍光体73の3種に加え、第四蛍光体74及び第五蛍光体75の少なくとも1種を含む少なくとも4種の蛍光体を含む。
第一蛍光体は、(1A)Mg、Ca、Sr及びBaからなる群から選択される少なくとも1つとF、Cl及びBrからなる群から選択される少なくとも1つとを組成に有しEuで賦活されるアルカリ土類リン酸塩並びに(1B)Ca、Sr及びBaからなる群から選択される少なくとも1つとMgとを組成に有しEuで賦活されるケイ酸塩からなる群から選択される少なくとも1種を含む。
第二蛍光体は、(2A)Ceで賦活される希土類アルミン酸塩、(2B)Ceで賦活されるランタンシリコンナイトライド、(2C)Ceで賦活されるスカンジウム含有酸化物及び(2D)Ceで賦活されるスカンジウム珪酸塩からなる群から選択される少なくとも1種を含む。
第三蛍光体は、(3A)Sr及びCaからなる群から選択される少なくとも1つとAlとを組成に有しEuで賦活されるシリコンナイトライド並びに(3B)Euで賦活されるアルカリ土類シリコンナイトライドからなる群から選択される少なくとも1種を含む。
第四蛍光体は、(4A)Ca、Sr及びBaからなる群から選択される少なくとも1つとMgとF、Cl及びBrからなる群から選択される少なくとも1つとを組成に有しEuで賦活されるケイ酸塩、(4B)Ca、Sr及びBaからなる群から選択される少なくとも1つを組成に有しEuで賦活されるケイ酸塩並びに(4C)Ca、Sr及びBaからなる群から選択される少なくとも1つを組成に有しEuで賦活されるチオガレートからなる群から選択される少なくとも1種を含む。
第五蛍光体は、(5A)Mnで賦活されるフルオロジャーマネート、(5B)Mg、Ca、Sr及びBaからなる群から選択される少なくとも1つとLi、Na及びKからなる群から選択される少なくとも1つとAlとを組成に有しEuで賦活されるアルカリナイトライド並びに(5C)Ca、Sr及びBaからなる群から選択される少なくとも1つを組成に有しEuで賦活される硫化物からなる群から選択される少なくとも1種を含む。
発光装置100の発光スペクトルは、430nm以上480nm未満の第一領域と、480nm以上500nm以下の第二領域と、580nm以上600nm未満の第三領域と、600nm以上650nm未満の第四領域と、650nm以上670nm以下の第五領域とに、それぞれ極大発光を有する。更に発光装置100の発光スペクトルでは、発光素子の極大発光強度で第一領域における極大発光強度を割った値を、さらに第三領域における極大発光強度で割った値(以下、「特定第一領域強度値」ともいう)が0.4以上2以下であり、好ましくは0.5以上1.8以下、より好ましくは0.5以上1.5以下であり、更に好ましくは0.6以上1.5以下である。発光装置100の発光スペクトルは、好ましくは、第二領域から第五領域におけるそれぞれの極大発光強度が以下の(1)から(3)の関係の少なくとも1つを満たし、より好ましくはいずれか2つを満たし、さらに好ましくは全てを満たす。
(1)第二領域における極大発光強度を、第三領域における極大発光強度で割った値(以下、「第二領域強度比」ともいう)が0.3以上1.3以下であり、好ましくは0.4以上1.3以下、より好ましくは0.45以上1.25以下である。
(2)第四領域における極大発光強度を、第三領域における極大発光強度で割った値(以下、「第四領域強度比」ともいう)が0.8以上2以下であり、好ましくは0.9以上1.6以下、より好ましくは0.95以上1.5以下である。
(3)第五領域における極大発光強度を、第三領域における極大発光強度で割った値(以下、「第五領域強度比」ともいう)が0.7以上2.2以下であり、好ましくは0.8以上1.8以下、より好ましくは0.85以上1.6以下である。
なお、発光装置100の発光スペクトルは、横軸の波長に対する縦軸の相対発光強度として示され、相対発光強度は例えば、600nmにおける発光強度で規格化した値を採用する。
発光装置100は、特定の発光ピーク波長を有する発光素子10と、少なくとも4種の特定の蛍光体を、発光素子、第一領域および第三領域におけるそれぞれの極大発光強度が特定の関係を満たし、好ましくは第二領域から第五領域におけるそれぞれの極大発光強度が特定の関係をさらに満たすように含む蛍光部材50とを備えることで、演色評価数の算出に係る可視光領域の短波側から長波側の極めて広い範囲において発光スペクトルを基準光源のスペクトルに近づけることができる。これにより、優れた演色性を達成することが可能となる。また特定の波長域に発光ピークを有する発光素子10を含むことで、光源としての安全性と高い発光効率とを達成することができる。更に、発光素子10に由来する発光強度と特定の関係を満たすように第一蛍光体71を含む蛍光部材50とを備えることで、特に特殊演色評価数R12を向上させることができる。
発光装置100の発光スペクトルは、第一領域から第五領域のそれぞれの波長領域に極大発光を有し、各波長領域における極大発光強度が特定の関係を満たすことで優れた演色性を示すことができる。なお、それぞれの波長領域に複数の極大発光が存在する場合、発光強度が最大となる発光波長における極大発光強度で特定の関係が規定される。
発光装置100の発光スペクトルは、各波長領域における極大発光強度が、基準光源のスペクトルに対して特定の関係を有することが好ましい。ここで基準光源とは、演色評価数を決定する際に用いられる光源である。発光装置100の発光スペクトルは、第一領域における極大発光強度を、基準光源の第一領域におけるスペクトル強度の最大値で割った値(以下、「青色基準強度比」ともいう。)が、0.6以上1.4以下であることが好ましく、0.7以上1.3以下であることがより好ましく、0.75以上1.2以下であることがさらに好ましい。また第二領域における極大発光強度を、基準光源の第二領域におけるスペクトル強度の最大値で割った値(以下、「緑色基準強度比」ともいう。)が、0.6以上1.2以下であることが好ましく、0.7以上1.2以下であることがより好ましく、0.75以上1.15以下であることがさらに好ましい。また第三領域における極大発光強度を、基準光源の第三領域におけるスペクトル強度の最大値で割った値(以下、「黄色基準強度比」ともいう。)が、0.8以上1.2以下であることが好ましく、0.85以上1.15以下であることがより好ましく、0.9以上1.1以下であることがさらに好ましい。また第四領域における極大発光強度を、基準光源の第四領域におけるスペクトル強度の最大値で割った値(以下、「赤色基準強度比」ともいう。)が、0.9以上1.12以下であることが好ましく、0.95以上1.1以下であることがより好ましく、1以上1.1以下であることがさらに好ましい。また第五領域における極大発光強度を、基準光源の第五領域におけるスペクトル強度の最大値で割った値(以下、「深赤色基準強度比」ともいう)が、0.7以上1.1以下であることが好ましく、0.8以上1.1以下であることがより好ましく、0.85以上1.05以下であることがさらに好ましい。各波長領域における極大発光強度が、基準光源のスペクトルに対して上記の関係を有することで、優れた演色性を達成することができる。なお、発光装置100の発光スペクトル及び基準光源のスペクトルには、600nmにおける発光強度で規格化した相対発光強度を採用する。
発光装置100の発光スペクトルは、第二領域における極大発光強度が、基準光源の第二領域におけるスペクトル強度の最大値に対して0.6以上1.2以下、0.7以上1.2以下または0.75以上1.15以下であって、第四領域における極大発光強度が、基準光源の第四領域におけるスペクトル強度の最大値に対して0.9以上1.12以下、0.95以上1.1以下または1以上1.1以下であることが好ましい。また第三領域における極大発光強度が、基準光源の第三領域におけるスペクトル強度の最大値に対して0.8以上1.2以下、0.85以上1.15以下または0.9以上1.1以下であって、第五領域における極大発光強度が、基準光源の第五領域におけるスペクトル強度の最大値に対して0.7以上1.1以下、0.8以上1.1以下または0.85以上1.05以下であることが好ましい。
平均演色評価数Raについて、CIE(国際照明委員会)は、蛍光ランプが具備すべき演色性の指針を1986年に公表しており、その指針によれば、使用される場所に応じた好ましい平均演色評価数Raは、一般作業を行う工場では60以上80未満、住宅、ホテル、レストラン、店舗、オフィス、学校、病院、精密作業を行う工場などでは80以上90未満、高い演色性が求められる臨床検査を行う場所、美術館などでは90以上とされている。
本実施形態に係る発光装置100のRaは、例えば80以上であり、90以上が好ましく、95以上がより好ましい。また発光装置100の特殊演色評価数R9からR15はそれぞれ、例えば50以上であり、70以上が好ましく、90以上がより好ましい。特にR12は、例えば60以上であり、75以上が好ましく、85以上がより好ましく、90以上がさらに好ましい。また特殊演色評価数R9からR15の総和(以下、Rtともいう)は、例えば570以上であり、600以上が好ましく、650以上がより好ましい。本実施形態に係る発光装置においては、例えば、各波長領域における極大発光強度が特定の関係を満たすことで、上記RaおよびR9からR15の値を達成することができる。
発光装置100が発する光は、発光素子10の光と、第一蛍光体71、第二蛍光体72、第三蛍光体73、第四蛍光体74及び第五蛍光体75が発する蛍光との混色光であり、例えば、CIE1931に規定される色度座標が、x=0.00から0.50且つy=0.00から0.50の範囲に含まれる光とすることができ、x=0.25から0.40且つy=0.25から0.40の範囲に含まれる光とすることもできる。また発光装置100が発する光の相関色温度は、例えば2000K以上7500K以下である。
本実施形態に係る発光装置100を図1に基づいて詳細に説明する。発光装置100は、表面実装型発光装置の一例である。発光装置100は、可視光の短波長側(例えば、380nm以上485nm以下の範囲)の光を発し、発光ピーク波長が410nm以上440nm以下の範囲内にある窒化ガリウム系化合物半導体の発光素子10と、発光素子10を載置する成形体40と、を有する。成形体40は、第1のリード20及び第2のリード30と、樹脂部42とが一体的に成形されてなるものである。あるいは樹脂部42に代えてセラミックスを材料として既に知られた方法を利用して成形体40を形成することもできる。成形体40は底面と側面を持つ凹部を形成しており、凹部の底面に発光素子10が載置されている。発光素子10は一対の正負の電極を有しており、その一対の正負の電極はそれぞれ第1のリード20及び第2のリード30とワイヤ60を介して電気的に接続されている。発光素子10は蛍光部材50により被覆されている。蛍光部材50は例えば、発光素子10からの光を波長変換する蛍光体70として第一蛍光体71と、第二蛍光体72と、第三蛍光体73との3種に加え、第四蛍光体74及び第五蛍光体75の少なくとも一方を含む少なくとも4種の蛍光体と樹脂とを含有してなる。
(発光素子10)
発光素子10の発光ピーク波長は、410nm以上440nm以下の範囲にあり、発光効率の観点から、420nm以上440nm以下の範囲にあることが好ましい。この範囲に発光ピーク波長を有する発光素子10を励起光源として用いることにより、発光素子10からの光と蛍光体70からの蛍光との混色光を発する発光装置100を構成することが可能となる。また発光素子10から外部に放射される光を有効に利用することができるため、発光装置100から出射される光の損失を少なくすることができ、高効率な発光装置100を得ることができる。さらに、発光ピーク波長が近紫外領域よりも長波側にあり、紫外線の成分が少ないため、光源としての安全性と発光効率とに優れる。
発光素子10の発光スペクトルの半値幅は例えば、30nm以下とすることができる。
発光素子10には例えば、窒化物系半導体(InAlGa1-X-YN、ここでX及びYは、0≦X、0≦Y、X+Y≦1を満たす)を用いた半導体発光素子を用いることが好ましい。光源として半導体発光素子を用いることによって、高効率で入力に対する出力のリニアリティが高く、機械的衝撃にも強い安定した発光装置100を得ることができる。
(蛍光部材50)
蛍光部材50は、例えば、蛍光体70と樹脂(図示せず)とを含むことができる。蛍光部材50は蛍光体70として、発光素子10から発せられる光を吸収し、青色に発光する第一蛍光体71の少なくとも1種と、緑色に発光する第二蛍光体72の少なくとも1種と、黄色に発光する第三蛍光体73の少なくとも1種と、赤色に発光する第四蛍光体74及び深赤色に発光する第五蛍光体75の少なくとも1種とを含む。
蛍光部材50は、発光素子の極大発光強度で第一領域における極大発光強度を割った値を、第三領域における極大発光強度で割った値が0.4以上2以下となるように各蛍光体を含んでいる。蛍光部材は、好ましくは以下の(1)から(3)の少なくとも1つを満たすように各蛍光体を含んでいる。(1)第二領域における極大発光強度を、第三領域における極大発光強度で割った値が0.3以上1.3以下となる。(2)第四領域における極大発光強度を、第三領域における極大発光強度で割った値が0.95以上2以下となる。(3)第五領域における極大発光強度を、第三領域における極大発光強度で割った値が0.8以上2.2以下となる。また第一蛍光体71から第五蛍光体75は、互いに異なる組成を有している。第一蛍光体71から第五蛍光体75の構成比率を適宜選択することで、発光装置100の発光スペクトルが所定の強度の関係を満たすように構成することができ、それによって優れた演色性等を達成することができる。
第一蛍光体71
第一蛍光体71は、430nm以上500nm以下の範囲に発光ピーク波長を有し、例えば青色発光する蛍光体である。第一蛍光体71は、(1A)Mg、Ca、Sr及びBaからなる群から選択される少なくとも1つとCl及びBrからなる群から選択される少なくとも1つとを組成に有しEuで賦活されるアルカリ土類リン酸塩並びに(1B)Ca、Sr及びBaからなる群から選択される少なくとも1つとMgとを組成に有しEuで賦活されるケイ酸塩からなる群から選択される少なくとも1種を含む。第一蛍光体71は、式(1a)で示される組成を有するアルカリ土類リン酸塩及び式(1b)で示される組成を有するケイ酸塩からなる群から選択される少なくとも一方を含むことが好ましく、式(1a’)で示される組成を有するアルカリ土類リン酸塩及び式(1b’)で示される組成を有するケイ酸塩からなる群から選択される少なくとも一方を含むことがより好ましい。特定の組成を有することで、以下に説明する第一蛍光体71の各発光特性を比較的容易に得ることができる。
(Mg,Ca,Sr,Ba)10(PO(F,Cl,Br):Eu (1a)
(Ca,Sr,Ba)MgSiEu (1b)
(Ca,Sr)10(POCl:Eu (1a’)
SrMgSiEu (1b’)
第一蛍光体71の励起波長は、例えば360nm以上440nm以下であり、370nm以上430nm以下が好ましい。これにより上記発光素子10の発光ピーク波長の範囲で、効率よく励起させることができる。第一蛍光体71の発光ピーク波長は、430nm以上500nm以下であり、440nm以上480nm以下であることが好ましい。このような範囲に発光ピーク波長を有することにより、発光装置100の発光スペクトルは、特に青色領域について第一蛍光体71の発光スペクトルと、発光素子10の発光スペクトル及び第二蛍光体72の発光スペクトルとの重複が少なくなる。さらに、発光装置100の発光スペクトルを、第一蛍光体71の発光スペクトルと、発光素子10の発光スペクトルとによって、従来は発光素子のみに由来していた青色領域の発光強度を基準光源のスペクトルに近づけることが容易になり、発光装置100の演色性を向上させることができる。第一蛍光体71の発光スペクトルにおける半値幅は、例えば29nm以上49nm以下であり、34nm以上44nm以下が好ましい。このような半値幅の範囲にすることにより、色純度を向上させて、青色領域における発光スペクトルを基準光源のスペクトルに近づけることができ、発光装置100の演色性を更に向上させることができる。
蛍光部材50中の第一蛍光体71の含有量は、例えば、発光装置100の発光スペクトルにおいて第一領域の発光強度が、上記特定の関係を満たすように設定すればよい。具体的には例えば、総蛍光体量に対する第一蛍光体71の含有率(第一蛍光体量/総蛍光体量)は、20質量%以上、25質量%以上または40質量%以上とすることができる。また第一蛍光体71の含有率は、90質量%以下、85質量%以下または80質量%以下とすることができる。第一蛍光体71の含有率が上記範囲内のとき、発光装置100の発光スペクトルを基準光源のスペクトルにより近づけることができるので、演色性をより向上させることができる。
蛍光部材50中の第一蛍光体71の含有率は、例えば、発光装置100の発光スペクトルが以下の関係を満たすように選択すればよい。第一蛍光体71の発光ピーク強度の発光素子10の発光ピーク強度に対する比率(第一蛍光体71の発光ピーク強度/発光素子10の発光ピーク強度;以下、「青色強度比」ともいう)は例えば、0.2以上、0.3以上または0.4以上であり、2以下、1.9以下または1.8以下である。青色強度比が上記範囲内のとき、発光装置100の発光スペクトルを基準光源のスペクトルにより近づけることができるので、演色性をより向上させることができる。ここで青色強度比は、410nm以上440nm以下の範囲における発光強度の最大値を発光素子10の発光ピーク強度と見做し、440nm超470nm以下の範囲における発光強度の最大値を第一蛍光体71の発光ピーク強度と見做して算出する。
また蛍光部材50中の第一蛍光体71の含有率は、発光スペクトルの第一領域における極大発光強度が上述した「青色基準強度比」の関係を満たすように選択すればよい。
相関色温度が5500K以上7500K以下の光を発する発光装置100の場合、青色強度比は例えば0.45以上、0.55以上または0.65以上であり、例えば1.3以下、1.1以下または0.9以下である。青色強度比が上記範囲内のとき、発光装置の発光スペクトルを基準光源のスペクトルにより近づけることができるので、演色性をより向上させることができる。
相関色温度が5500K以上7500K以下の光を発する発光装置100の場合、青色基準強度比は例えば0.9以上、0.95以上、1以上であり、例えば1.5以下、1.4以下、1.3以下である。青色基準強度比が上記範囲内のとき、発光装置の発光スペクトルを基準光源のスペクトルにより近づけることができるので、演色性をより向上させることができる。
具体的に第一蛍光体71の含有率は、相関色温度が5500K以上7500K以下の光を発する発光装置100の場合、30質量%以上、40質量%以上または50質量%以上とすることができる。また第一蛍光体71の含有率は、80質量%以下、75質量%以下または70質量%以下とすることができる。
相関色温度が3500K以上5500K未満の光を発する発光装置100の場合、青色強度比は例えば0.3以上、0.35以上または0.4以上であり、例えば2以下、1.9以下または1.8以下である。青色強度比が上記範囲内のとき、発光装置の発光スペクトルを基準光源のスペクトルにより近づけることができるので、演色性をより向上させることができる。
相関色温度が3500K以上5500K未満の光を発する発光装置100の場合、青色基準強度比は例えば0.6以上であり、0.7以上または0.0.75以上であり、例えば1.4以下、1.3以下または1.2以下である。青色基準強度比が上記範囲内のとき、発光装置の発光スペクトルを基準光源のスペクトルにより近づけることができるので、演色性をより向上させることができる。
具体的に第一蛍光体71の含有率は、相関色温度が3500K以上5500K未満の光を発する発光装置100の場合、30質量%以上、40質量%以上または42質量%以上とすることができる。また第一蛍光体71の含有率は、80質量%以下、78質量%以下または76質量%以下とすることができる。
相関色温度が2500K以上3500K未満の光を発する発光装置100の場合、青色強度比は例えば0.6以上、0.9以上または1.2以上であり、例えば2以下、1.8以下または1.6以下である。青色強度比が上記範囲内のとき、発光装置の発光スペクトルを基準光源のスペクトルにより近づけることができるので、演色性をより向上させることができる。
相関色温度が2500K以上3500K未満の光を発する発光装置100の場合、青色基準強度比は例えば0.8以上、0.85以上または0.9以上であり、例えば1.1以下または1以下である。青色基準強度比が上記範囲内のとき、発光装置の発光スペクトルを基準光源のスペクトルにより近づけることができるので、演色性をより向上させることができる。
具体的に第一蛍光体71の含有率は、相関色温度が2500K以上3500K未満の光を発する発光装置100の場合、30質量%以上、35質量%以上または40質量%以上とすることができる。また第一蛍光体71の含有率は、65質量%以下60質量%以下、または55質量%以下とすることができる。
第二蛍光体
第二蛍光体72は、500nm以上600nm以下の範囲に発光ピーク波長を有し、例えば黄色発光する蛍光体である。第二蛍光体72は、(2A)Ceで賦活される希土類アルミン酸塩、(2B)Ceで賦活されるランタンシリコンナイトライド、(2C)Ceで賦活されるスカンジウム含有酸化物及び(2D)Ceで賦活されるスカンジウム珪酸塩からなる群から選択される少なくとも1種を含む。第二蛍光体は、式(2a)で示される組成を有する希土類アルミン酸塩、式(2b)で示される組成を有するランタンシリコンナイトライド、式(2c)で示される組成を有するスカンジウム含有酸化物及び式(2d)で示される組成を有するスカンジウム珪酸塩からなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、式(2a’)で示される組成を有する希土類アルミン酸塩、式(2b’)で示される組成を有するランタンシリコンナイトライド、式(2c)で示される組成を有するスカンジウム含有酸化物及び式(2d)で示される組成を有するスカンジウム珪酸塩からなる群から選択される少なくとも1種を含むことがより好ましい。特定の組成を有することで、以下に説明する第一蛍光体71の各発光特性を比較的容易に得ることができる。
(Y,Gd,Tb,Lu)(Al,Ga)12:Ce (2a)
(La,Y,Gd)Si11:Ce (2b)
(Ca,Sr)Sc:Ce (2c)
(Ca,Sr)(Sc,Mg)Si12:Ce (2d)
LuAl12:Ce (2a’)
LaSi11:Ce (2b’)
第二蛍光体72の励起波長は、例えば220nm以上490nm以下であり、430nm以上470nm以下が好ましい。上記発光素子10の発光ピーク波長の範囲で、効率よく励起させることができる。第二蛍光体72のピーク波長は500nm以上600nm以下であり、500nm以上560nm以下が好ましい。このような範囲とすることにより、第四蛍光体74の発光スペクトルとの重複を少なくし、黄色領域における発光スペクトルを基準光源のスペクトルに近づけることができ、発光装置10の演色性をより向上させることができる。第二蛍光体72の発光スペクトルにおける半値幅は、例えば95nm以上115nm以下であり、100nm以上110nm以下が好ましい。このような半値幅の範囲にすることにより、色純度を向上させて、黄色領域における発光スペクトルを基準光源のスペクトルに近づけることができるので、発光装置100の演色性をより向上させることができる。
蛍光部材50中の第二蛍光体72の含有量は、例えば、発光装置100の発光スペクトルにおいて第三領域の発光強度が、上記特定の関係を満たすように設定すればよい。具体的には例えば、総蛍光体量に対する第二蛍光体72の含有率(第二蛍光体量/総蛍光体量)は、5質量%以上、7質量%以上または9質量%以上とすることができる。また第二蛍光体72の含有率は、60質量%以下、50質量%以下または45質量%以下とすることができる。第二蛍光体72の含有率が上記範囲内のとき、発光装置100の発光スペクトルを基準光源のスペクトルにより近づけることができるので、演色性をより向上させることができる。
蛍光部材50中の第二蛍光体72の含有率は、例えば、発光装置100の発光スペクトルにおいて以下の関係を満たすように選択すればよい。第二蛍光体72の発光ピーク強度の発光素子10の発光ピーク強度に対する比率(第二蛍光体72の発光ピーク強度/発光素子10の発光ピーク強度;以下、単に「黄色強度比」ともいう)は例えば、0.3以上、0.4以上または0.5以上であり、4以下、3.9以下または3.8以下である。青色強度比が上記範囲内のとき、発光装置100の発光スペクトルを基準光源のスペクトルにより近づけることができるので、演色性をより向上させることができる。ここで黄色強度比は、410nm以上440nm以下の範囲における発光強度の最大値を発光素子10の発光ピーク強度と見做し、500nm以上600nm以下の範囲における発光強度の最大値を第二蛍光体72の発光ピーク強度と見做して算出する。
蛍光部材50中の第二蛍光体72の含有率は、発光装置100の発光スペクトルにおいて上述した「黄色基準強度比」の関係を満たすように選択すればよい。
相関色温度が5500K以上7500K以下の光を発する発光装置100の場合、黄色強度比は例えば0.3以上、0.4以上または0.6以上であり、例えば1.2以下、1以下または0.8以下である。黄色強度比が上記範囲内のとき、発光装置の発光スペクトルを基準光源のスペクトルにより近づけることができるので、演色性をより向上させることができる。
相関色温度が5500K以上7500K以下の光を発する発光装置100の場合、黄色基準強度比は例えば0.8以上、0.85以上または0.9以上であり、例えば1.1以下、1.05以下または1以下である。黄色基準強度比が上記範囲内のとき、発光装置の発光スペクトルを基準光源のスペクトルにより近づけることができるので、演色性をより向上させることができる。
具体的に第二蛍光体72の含有率は、相関色温度が5500K以上7500K以下の光を発する発光装置100の場合、8質量%以上、10質量%以上または12質量%以上とすることができる。また第二蛍光体72の含有率は、40質量%以下、30質量%以下または27質量%以下とすることができる。
相関色温度が3500K以上5500K未満の光を発する発光装置100の場合、黄色強度比は例えば0.3以上、0.4以上または0.5以上であり、例えば2.0以下、1.9以下または1.8以下である。黄色強度比が上記範囲内のとき、発光装置の発光スペクトルを基準光源のスペクトルにより近づけることができるので、演色性をより向上させることができる。
相関色温度が3500K以上5500K未満の光を発する発光装置100の場合、黄色基準強度比は例えば0.8以上、0.85以上または0.9以上であり、例えば1.2以下、1.15以下または1.1以下である。黄色基準強度比が上記範囲内のとき、発光装置の発光スペクトルを基準光源のスペクトルにより近づけることができるので、演色性をより向上させることができる。
具体的に第二蛍光体72の含有率は、相関色温度が3500K以上5500K未満の光を発する発光装置100の場合、5質量%以上、7質量%以上または9質量%以上とすることができる。また第二蛍光体72の含有率は、60質量%以下、50質量%以下または45質量%以下とすることができる。
相関色温度が2500K以上3500K未満の光を発する発光装置100の場合、黄色強度比は例えば0.8以上、1.5以上または2以上であり、例えば4以下、3.9以下または3.8以下である。黄色強度比が上記範囲内のとき、発光装置の発光スペクトルを基準光源のスペクトルにより近づけることができるので、演色性をより向上させることができる。
相関色温度が2500K以上3500K未満の光を発する発光装置100の場合、黄色基準強度比は例えば0.9以上、0.95以上または1以上であり、例えば1.15以下、1.1以下または1.05以下である。黄色基準強度比が上記範囲内のとき、発光装置の発光スペクトルを基準光源のスペクトルにより近づけることができるので、演色性をより向上させることができる。
具体的に第二蛍光体72の含有率は、相関色温度が2500K以上3500K未満の光を発する発光装置100の場合、15質量%以上、17.5質量%以上または20質量%以上とすることができる。また第二蛍光体72の含有率は、50質量%以下、40質量%以下または35質量%以下とすることができる。
第三蛍光体
第三蛍光体73は、590nm以上650nm以下の範囲に発光ピーク波長を有し、例えば赤色発光する蛍光体である。第三蛍光体は、(3A)Sr及びCaからなる群から選択される少なくとも1つとAlとを組成に有しEuで賦活されるシリコンナイトライド並びに(3B)Euで賦活されるアルカリ土類シリコンナイトライドからなる群から選択される少なくとも1種を含む。第三蛍光体は、式(3a)で示される組成を有するシリコンナイトライド及び式(3b)で示される組成を有するアルカリ土類シリコンナイトライドからなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、式(3a)で示される組成を有するシリコンナイトライド及び式(3b’)で示される組成を有するアルカリ土類シリコンナイトライドからなる群から選択される少なくとも1種を含むことがより好ましい。特定の組成を有することで、以下に説明する第三蛍光体73の各発光特性を比較的容易に得ることができる。
(Ca,Sr)AlSiN:Eu (3a)
(Ca,Sr,Ba)Si:Eu (3b)
(Sr,Ba)Si:Eu (3b’)
第三蛍光体73が式(3a)で示される組成を有する場合、第三蛍光体73はSr及びCaからなる群から選択される少なくとも1種を含むが、SrとCaの両方を含むことが好ましく、SrとCaの両方を含み、Sr及びCaのうちのSr含有率が0.8モル%以上であることがより好ましい。これにより、第三蛍光体73の発光ピーク波長を所望の範囲とすることができる。
第三蛍光体73の発光ピーク波長は、610nm以上650nm以下であり、625nm以上645nm以下が好ましい。上記下限値以上であると、後述する第五蛍光体75の発光ピーク波長と第三蛍光体73の発光ピーク波長の間の発光強度が不足することなく、赤色領域における発光スペクトルを基準光源のスペクトルにより近づけることができる。上記上限値以下であると、第三蛍光体73の発光スペクトルと第五蛍光体75の発光スペクトルとの重複を少なくすることができ、第五蛍光体75の発光スペクトルの効果が効率的に得られ、演色性をより向上させることができる。第三蛍光体73の発光スペクトルにおける半値幅は、例えば80nm以上100nm以下であり、85nm以上95nm以下が好ましい。このような半値幅の範囲とすることにより、第三蛍光体73の発光スペクトルと第五蛍光体75の発光スペクトルとの重複が少なくなるので、第五蛍光体75の発光スペクトルの効果が効率的に得られ、演色性をより向上させることができる。
蛍光部材50中の第三蛍光体73の含有量は、例えば、発光装置100の発光スペクトルにおいて第四領域の発光強度が、上記特定の関係を満たすように設定すればよい。具体的には例えば、総蛍光体量に対する第三蛍光体73の含有率(第三蛍光体量/総蛍光体量)は、0.5質量%以上、1質量%以上または1.5質量%以上とすることができる。また第三蛍光体73の含有率は、6質量%以下、5質量%以下または4質量%以下とすることができる。第三蛍光体73の含有率が上記範囲内のとき、発光装置100の発光スペクトルを基準光源のスペクトルにより近づけることができるので、演色性をより向上させることができる。
蛍光部材50中の第三蛍光体73の含有率は、発光装置100の発光スペクトルにおいて上述した「赤色基準強度比」の関係を満たすように選択すればよい。
相関色温度が5500K以上7500K以下の光を発する発光装置100の場合、赤色基準強度比は例えば0.9以上、0.95以上または1以上であり、例えば1.12以下、1.11以下または1.1以下である。赤色基準強度比が上記範囲内のとき、発光装置の発光スペクトルを基準光源のスペクトルにより近づけることができるので、演色性をより向上させることができる。
具体的に第三蛍光体73の含有率は、相関色温度が5500K以上7500K以下の光を発する発光装置100の場合、0.5質量%以上、1質量%以上または1.5質量%以上とすることができる。また第二蛍光体72の含有率は、6質量%以下、4質量%以下または3.8質量%以下とすることができる。
相関色温度が3500K以上5500K未満の光を発する発光装置100の場合、赤色基準強度比は例えば0.9以上、0.95以上または1以上であり、例えば1.13以下、1.12以下または1.1以下である。赤色基準強度比が上記範囲内のとき、発光装置の発光スペクトルを基準光源のスペクトルにより近づけることができるので、演色性をより向上させることができる。
具体的に第三蛍光体73の含有率は、相関色温度が3500K以上5500K未満の光を発する発光装置100の場合、0.5質量%以上、1質量%以上または1.5質量%以上とすることができる。また第三蛍光体73の含有率は、4質量%以下、3.7質量%以下または3.5質量%以下とすることができる。
相関色温度が2500K以上3500K未満の光を発する発光装置100の場合、赤色基準強度比は例えば0.9以上、0.95以上または1以上である。赤色基準強度比は例えば1.5以下、1.4以下または1.2以下である。赤色基準強度比が上記範囲内のとき、発光装置の発光スペクトルを基準光源のスペクトルにより近づけることができるので、演色性をより向上させることができる。
具体的に第三蛍光体73の含有率は、相関色温度が2500K以上3500K未満の光を発する発光装置100の場合、2.5質量%以上、3質量%以上または3.2質量%以上とすることができる。また第二蛍光体72の含有率は、4.5質量%以下、4.2質量%以下または4質量%以下とすることができる。
第四蛍光体
第四蛍光体は、440nm以上550nm以下の範囲に発光ピーク波長を有し、例えば緑色発光する蛍光体である。第四蛍光体は、(4A)Ca、Sr及びBaからなる群から選択される少なくとも1つとMgとF、Cl及びBrからなる群から選択される少なくとも1つとを組成に有しEuで賦活されるケイ酸塩、(4B)Ca、Sr及びBaからなる群から選択される少なくとも1つを組成に有しEuで賦活されるケイ酸塩、並びに(4C)Ca、Sr及びBaからなる群から選択される少なくとも1つを組成に有しEuで賦活されるチオガレートからなる群から選択される少なくとも1種を含む。第四蛍光体は、式(4a)で示される組成を有するケイ酸塩、式(4b)で示される組成を有するケイ酸塩及び式(4c)で示される組成を有するアルカリ土類チオガレートからなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、(4a’)で示される組成を有するケイ酸塩、式(4b’)で示される組成を有するケイ酸塩及び式(4c)で示される組成を有するアルカリ土類チオガレートからなる群から選択される少なくとも1種を含むことがより好まし。特定の組成を有することで、以下に説明する第四蛍光体74の各発光特性を比較的容易に得ることができる。
(Ca,Sr,Ba)MgSi16(F,Cl,Br):Eu (4a)
(Ca,Sr,Ba)SiO:Eu (4b)
(Ca,Sr,Ba)Ga:Eu (4c)
CaMgSi16Cl:Eu (4a’)
(Sr,Ba)SiO:Eu (4b’)
第四蛍光体74が式(4a)で示される組成を有する場合、第四蛍光体74はCa、Sr及びBaからなる群から選択される少なくとも1種を含むが、少なくともCaを含むことが好ましく、Ca、Sr及びBaのうちのCa含有率が90モル%以上であることがより好ましい。式(4a)で示される組成を有する第二蛍光体74はF、Cl及びBrからなる群から選択される少なくとも1種を含むが、少なくともClを含むことが好ましく、F、Cl及びBrのうちのCl含有率が90モル%以上であることがより好ましい。
第四蛍光体74の励起波長は、例えば270nm以上470nm以下であり、370nm以上460nm以下が好ましい。上記発光素子10の発光ピーク波長の範囲で、効率よく励起させることができる。第四蛍光体74の発光ピーク波長は、例えば510nm以上540nm以下であり、520nm以上530nm以下が好ましい。また発光スペクトルにおける半値幅は、例えば50nm以上75nm以下であり、58nm以上68nm以下が好ましい。第四蛍光体74の少なくとも1種を用いることで、色純度を向上させて、緑色領域における発光スペクトルを基準光源のスペクトルに近づけることができ、発光装置100の演色性をより向上させることができる。
蛍光部材50が第四蛍光体74を含む場合、その含有量は、例えば、発光装置100の発光スペクトルにおいて第二領域の発光強度が、上記特定の関係を満たすように設定すればよい。具体的には例えば、総蛍光体量に対する第四蛍光体74の含有率(第四蛍光体量/総蛍光体量)は、0.5質量%以上、1質量%以上または1.5質量%以上とすることができる。また第四蛍光体74の含有率は、8質量%以下、7質量%以下または6質量%以下とすることができる。第四蛍光体74の含有率が上記範囲内のとき、発光装置100の発光スペクトルを基準光源のスペクトルにより近づけることができるので、演色性をより向上させることができる。
蛍光部材50中の第四蛍光体74の含有率は、発光装置100の発光スペクトルにおいて上述の「緑色基準強度比」の関係を満たすように選択すればよい。
相関色温度が5500K以上7500K以下の光を発する発光装置100の場合、緑色基準強度比は例えば0.83以上、0.85以上または0.9以上であり、例えば1.2以下、1.15以下または1.1以下である。緑色基準強度比が上記範囲内のとき、発光装置の発光スペクトルを基準光源のスペクトルにより近づけることができるので、演色性をより向上させることができる。
具体的に第四蛍光体74の含有率は、相関色温度が5500K以上7500K以下の光を発する発光装置100の場合、1.5質量%以上、2質量%以上または2.5質量%以上とすることができる。また第四蛍光体74の含有率は、8質量%以下、6質量%以下または4質量%以下とすることができる。
相関色温度が3500K以上5500K未満の光を発する発光装置100の場合、緑色基準強度比は例えば0.6以上、0.7以上または0.75以上であり、例えば1.2以下、1.15以下または1.1以下である。緑色基準強度比が上記範囲内のとき、発光装置の発光スペクトルを基準光源のスペクトルにより近づけることができるので、演色性をより向上させることができる。
具体的に第四蛍光体74の含有率は、相関色温度が3500K以上5500K未満の光を発する発光装置100の場合、0.5質量%以上、1質量%以上または1.5質量%以上とすることができる。また第四蛍光体74の含有率は、6質量%以下、5質量%以下または4.5質量%以下とすることができる。
相関色温度が2500K以上3500K未満の光を発する発光装置100の場合、緑色基準強度比は例えば0.9以上、0.95以上または1以上であり、例えば1.2以下、1.15以下または1.1以下である。緑色基準強度比が上記範囲内のとき、発光装置の発光スペクトルを基準光源のスペクトルにより近づけることができるので、演色性をより向上させることができる。
具体的に第四蛍光体74の含有率は、相関色温度が2500K以上3500K未満の光を発する発光装置100の場合、2質量%以上、3質量%以上または3.5質量%以上とすることができる。また第四蛍光体74の含有率は、5質量%以下、4.5質量%以下または4質量%以下とすることができる。
第五蛍光体
第五蛍光体は、650nm以上670nm以下の範囲に発光ピーク波長を有し、例えば深赤色発光する蛍光体である。第五蛍光体は、(5A)Mnで賦活されるフルオロジャーマネート、(5B)Mg、Ca、Sr及びBaからなる群から選択される少なくとも1つとLi、Na及びKからなる群から選択される少なくとも1つとAlとを組成に有しEuで賦活されるアルカリナイトライド、並びに(5C)Ca、Sr及びBaからなる群から選択される少なくとも1つを組成に有しEuで賦活される硫化物からなる群から選択される少なくとも1種を含む。第五蛍光体は、式(5a)または式(5a’)で示される組成を有するフルオロジャーマネート、式(5b)で示される組成を有するアルカリナイトライド、及び式(5c)で示される組成を有する硫化物からなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。式(5a)においては、y+u<1.5を満たすことが好ましい。さらに式(5a)において0.05≦s≦0.3、0.05≦t<0.3を満たすことがより好ましく、これによりさらに輝度を向上させることができる。また(5A)Mnで賦活されるフルオロジャーマネートは、式(5d)で示される組成を有していてもよい。特定の組成を有することで、以下に説明する第一蛍光体71の各発光特性を比較的容易に得ることができる。
(x-s)MgO・(s/2)Sc・yMgF・uCaF・(1-t)GeO・(t/2)M :zMn (5a)
(式中、MはAl、Ga及Inからなる群から選択される少なくとも1種であり、x、y、z、s、t及びuはそれぞれ、2≦x≦4、0<y<1.5、0<z<0.05、0≦s<0.5、0<t<0.5、及び0≦u<1.5を満たす。)
3.5MgO・0.5MgF・GeO:Mn (5a’)
Al:Eu (5b)
(式中、Mは、Mg、Ca、Sr及びBaからなる群から選択される少なくとも1種であり、Mは、Li、Na及びKからなる群から選択される少なくとも1種であり、x、y及びzはそれぞれ、0.5≦x≦1.5、0.5≦y≦1.2及び3.5≦z≦4.5を満たす。)
(Ca,Sr,Ba)S:Eu (5c)
3.4MgO・0.1Sc・0.5MgF・0.885GeO・0.1G
:0.015Mn (5d)
第五蛍光体75において、(5a)または(5a’)の発光スペクトルにおける半値幅は、例えば45nm以下であり、40nm以下であることが好ましい。また、(5b)の発光スペクトルにおける半値幅は、例えば65nm以下であり、55nm以下であることが好ましい。また、(5b)の半値幅は、例えば40nm以上であり、50nm以上であることが好ましい。このような半値幅の範囲にすることにより、色純度を向上させて、深赤色領域における発光スペクトルを基準光源のスペクトルに近づけることができ、発光装置100の演色性をより向上させることができる。また第五蛍光体75の発光スペクトルは、最大発光強度を1とした場合に、600nm以上620nm以下の範囲における平均発光強度が例えば0.2以下であり、0.1以下であることが好ましい。上記範囲であると、第五蛍光体75の発光スペクトルが第三蛍光体73の発光スペクトルと重複することが少なくなるので、第三蛍光体73の発光スペクトルの効果がより効率的に得られ、演色性をより向上させることができる。
蛍光部材50が第五蛍光体75を含む場合、その含有量は、例えば、発光装置100の発光スペクトルにおいて第五領域の発光強度が、上記特定の関係を満たすように設定すればよい。具体的には例えば、総蛍光体量に対する第五蛍光体75の含有率(第五蛍光体量/総蛍光体量)は、0.1質量%以上、0.3質量%以上または0.5質量%以上とすることができる。また第五蛍光体75の含有率は、30質量%以下、25質量%以下または20質量%以下とすることができる。第五蛍光体75の含有率が上記範囲内のとき、発光装置100の発光スペクトルを基準光源のスペクトルにより近づけることができるので、演色性をより向上させることができる。
蛍光部材50中の第五蛍光体75の含有率は、例えば、発光装置100の発光スペクトルにおいて上述の「深赤色基準強度比」の関係を満たすように選択すればよい。
相関色温度が5500K以上7500K以下の光を発する発光装置100の場合、深赤色基準強度比は例えば0.9以上または0.95以上であり、例えば1.2以下、1.15以下または1.1以下である。深赤色基準強度比が上記範囲内のとき、発光装置の発光スペクトルを基準光源のスペクトルにより近づけることができるので、演色性をより向上させることができる。
具体的に第五蛍光体75の含有率は、相関色温度が5500K以上7500K以下の光を発する発光装置100の場合、1質量%以上、2質量%以上または2.5質量%以上とすることができる。また第五蛍光体75の含有率は、8質量%以下、5質量%以下または3質量%以下とすることができる。
相関色温度が3500K以上5500K未満の光を発する発光装置100の場合、深赤色基準強度比は例えば0.7以上、0.8以上または0.85以上であり、例えば1.10以下または1.05以下である。深赤色基準強度比が上記範囲内のとき、発光装置の発光スペクトルを基準光源のスペクトルにより近づけることができるので、演色性をより向上させることができる。
具体的に第五蛍光体75の含有率は、相関色温度が3500K以上5500K未満の光を発する発光装置100の場合、0.1質量%以上、0.2質量%以上または0.5質量%以上とすることができる。また第五蛍光体75の含有率は、15質量%以下、12質量%以下または10質量%以下とすることができる。
相関色温度が2500K以上3500K未満の光を発する発光装置100の場合、深赤色基準強度比は例えば0.9以上、0.92以上または0.94以上であり、例えば1.6以下、1.4以下または1.2以下である。深赤色基準強度比が上記範囲内のとき、発光装置の発光スペクトルを基準光源のスペクトルにより近づけることができるので、演色性をより向上させることができる。
具体的に第五蛍光体75の含有率は、相関色温度が2500K以上3500K未満の光を発する発光装置100の場合、10質量%以上、12質量%以上または15質量%以上とすることができる。また第五蛍光体75の含有率は、30質量%以下、25質量%以下または20質量%以下とすることができる。
蛍光部材50における第一蛍光体71から第五蛍光体75の含有量は、高演色性の観点から、発光装置100の発光スペクトルが、以下の条件(1.1)を満たし、さらに他の条件(1.2)から(1.6)の少なくとも一つを満たすように選択することが好ましい。
(1.1)発光素子の極大発光強度で、第一領域における極大発光強度を割った値を、第三領域における極大発光強度で割った値(特定第一領域強度値)が0.4以上、0.5以上または0.6以上であって、2以下、1.8以下または1.75以下である。
(1.2)第一領域における極大発光強度を、第三領域における極大発光強度で割った値(第一領域強度比)が0.2以上、0.25以上または0.3以上であって、2.7以下、1.8以下または1.6以下である。
(1.3)第二領域における極大発光強度を、第三領域における極大発光強度で割った値(第二領域強度比)が0.3以上、0.4以上または0.45以上であって、1.3以下または1.25以下である。
(1.4)第四領域における極大発光強度を、第三領域における極大発光強度で割った値(第四領域強度比)が0.8以上、0.9以上または0.95以上であって、2以下、1.6以下または1.5以下である。
(1.5)第五領域における極大発光強度を、第三領域における極大発光強度で割った値(第五領域強度比)が0.7以上、0.8以上または0.85以上であって、2.2以下、1.8以下または1.6以下である。
(1.6)発光素子の極大発光強度を、第三領域における極大発光強度で割った値(以下、「発光素子強度比」ともいう。)が0.2以上、0.22以上または0.25以上であって、2.4以下、2.2以下または2以下である。
発光装置の発光色の相関色温度が5500K以上7500K以下のとき、以下の条件(2.1)を満たし、さらに他の条件(2.2)から(2.6)の少なくとも一つを満たすように選択することが好ましい。
(2.1)特定第一領域強度値が0.4以上、0.6以上または0.7以上であって、1.4以下、1.2以下または1以下である。
(2.2)第一領域強度比が0.8以上、1以上または1.1以上であって、1.8以下、1.6以下または1.4以下である。
(2.3)第二領域強度比が0.9以上、1以上または1.1以上であって、1.4以下、1.35以下または1.3以下である。
(2.4)第四領域強度比が0.6以上、0.8以上または0.9以上であって、1.4以下、1.2以下または1.1以下である。
(2.5)第五領域強度比が0.6以上、0.7以上または0.8以上であって、1.1以下、1.05以下または1以下である。
(2.6)発光素子強度比が1.4以上、1.6以上または1.8以上であって、2.4以下、2.2以下または2以下である。
発光装置の発光色の相関色温度が3500K以上5500K未満のとき、以下の条件(3.1)を満たし、さらに他の条件(3.2)から(3.6)の少なくとも一つを満たすように選択することが好ましい。
(3.1)特定第一領域強度値が0.4以上、0.45以上または0.5以上であって、2以下、1.8以下または1.75以下である。
(3.2)第一領域強度比が0.5以上、0.6以上または0.7以上であって、1.6以下、1.4以下または1.1以下である。
(3.3)第二領域強度比が0.6以上、0.7以上または0.8以上であって、1.4以下、1.2以下または1.15以下である。
(3.4)第四領域強度比が0.9以上、0.95以上または1以上であって、1.2以下、1.15以下または1.1以下である。
(3.5)第五領域強度比が0.6以上、0.8以上または0.85以上であって、1.4以下、1.2以下または1.1以下である。
(3.6)発光素子強度比が0.4以上、0.5以上または0.6以上であって、2.2以下、2以下または1.9以下である。
発光装置の発光色の相関色温度が2500K以上3500K未満のとき、以下の条件(4.1)を満たし、さらに他の条件(4.2)から(4.6)の少なくとも一つを満たすように選択することが好ましい。
(4.1)特定第一領域強度値が0.6以上、0.8以上または1以上であって、1.4以下、1.3以下または1.2以下である。
(4.2)第一領域強度比が0.2以上、0.22以上または0.25以上であって、0.5以下、0.45以下または0.4以下である。
(4.3)第二領域強度比が0.4以上であって、0.7以下、0.6以下または0.5以下である。
(4.4)第四領域強度比が1以上、1.2以上または1.4以上であって、2以下、1.8以下または1.6以下である。
(4.5)第五領域強度比が1.2以上、1.4以上または1.45以上であって、2以下、1.8以下または1.6以下である。
(4.6)発光素子強度比が0.2以上、0.22以上または0.25以上であって、0.8以下、0.6以下または0.4以下である。
(その他の蛍光体)
蛍光部材50は、第一蛍光体71から第五蛍光体75以外の蛍光体を必要に応じて含んでいてもよい。その蛍光体として、例えば、(Ca,Sr,Ba)Si:Eu、(Ca,Sr,Ba)Si12:Eu、(Ba,Sr,Ca)Si:Eu、K(Si,Ti,Ge)F:Mn等を挙げることができる。蛍光部材50がその他の蛍光体を含む場合、その含有率は本発明に係る発光特性が得られるように適宜調整される。その他の蛍光体の含有率は総蛍光体量に対して、例えば2質量%以下であり、1質量%以下が好ましい。
(樹脂)
蛍光部材50を構成する樹脂としては、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂が挙げられる。熱硬化性樹脂として、具体的には、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂などを挙げることができる。
(その他成分)
蛍光部材50は、蛍光体70及び樹脂に加えてその他の成分を必要に応じて含んでいてもよい。その他の成分としては、シリカ、チタン酸バリウム、酸化チタン、酸化アルミニウム等のフィラー、光安定化剤、着色剤等を挙げることができる。蛍光部材がその他の成分を含む場合、その含有量は特に制限されず、目的等に応じて適宜選択することができる。例えば、その他の成分として、フィラーを含む場合、その含有量は樹脂100質量部に対して、0.01から20質量部とすることができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(蛍光体70)
発光装置100の作製に先立ち、以下に示す第一蛍光体71から第五蛍光体75をそれぞれ準備した。
第一蛍光体71として、(Ca,Sr)10(POCl:Euで示される組成を有し、発光ピーク波長を460nm付近に有する青色発光の蛍光体(以下、「CCA」ともいう。)とSrMgSi:Euで示される組成を有し、発光ピーク波長を460nm付近に有する青色発光の蛍光体(以下、「青色シリケート」ともいう。)を準備した。
第二蛍光体72として、LuAl12:Ceで示される組成を有し、発光ピーク波長を544nm付近に有する黄色発光の蛍光体(以下、「LAG」ともいう。)とLaSi11:Ceで示される組成を有し、発光ピーク波長を536nm付近に有する黄色発光の蛍光体(以下、「LSN」ともいう。)を準備した。
第三蛍光体73として、(Sr,Ca)AlSiN:Euで示される組成を有し、発光ピーク波長を635nm付近に有する赤色発光の窒化物蛍光体(以下、「SCASN」ともいう。)と(Ba,Sr)Si:Euで示される組成を有し、発光ピーク波長を620nm付近に有する赤色発光の窒化物蛍光体(以下、「BSESN」ともいう。)を準備した。
第四蛍光体74として、CaMgSi16Cl:Euで示される組成を有し、発光ピーク波長を520nm付近に有する緑色発光の蛍光体(以下、「クロロシリケート」ともいう。)と(Ba,Sr)SiO:Euで示される組成を有し、発光ピーク波長を520nm付近に有する緑色発光の蛍光体(以下、「BOSE」ともいう。)を準備した。
第五蛍光体75として、3.4MgO・0.1Sc・0.5MgF・0.885GeO・0.1Ga:0.015Mnで示される組成を有し、発光ピーク波長を658nm付近に有する深赤色発光の蛍光体(以下、「MGF」ともいう。)とSrLiAi:Euで示される組成を有し、発光ピーク波長を656nm付近に有する深赤色発光の蛍光体(以下、「SLA」ともいう。)を準備した。
(発光素子10)
発光素子10として、発光ピーク波長が420nmである発光ダイオード(LED)を準備した。
[評価]
以下の実施例及び比較例で得られた発光装置100について、発光色の色度座標、相関色温度(Tcp;K)、相対光束(%)、平均演色評価数(Ra)、特殊演色評価数(R9からR15)を測定した。また特殊演色評価数R9からR15の総和(以下、Rtともいう。)を算出した。なお以下では平均演色評価数及び特殊演色評価数を併せて、単に「演色評価数」ともいう。発光装置100の発光スペクトルは、積分球を使用した全光束測定装置を用いて測定した。相対光束は、実施例1から14については比較例1の全光束を100%として算出し、実施例15については比較例2を、実施例16については比較例3を100%としてそれぞれ算出した。
また発光スペクトルから、上述した各種の値を算出した。すなわち、第一蛍光体の発光ピーク強度を発光素子の発光ピーク強度で割った値(青色強度比)、第二蛍光体の発光ピーク強度を発光素子の発光ピーク強度で割った値(黄色強度比)、第一領域における極大発光強度を基準光源の最大スペクトル強度で割った値(青色基準強度比)、第二領域における極大発光強度を基準光源の最大スペクトル強度で割った値(緑色基準強度比)、第三領域における極大発光強度を基準光源の最大スペクトル強度で割った値(黄色基準強度比)、第四領域における極大発光強度を基準光源の最大スペクトル強度で割った値(赤色基準強度比)、第五領域における極大発光強度を基準光源の最大スペクトル強度で割った値(深赤色基準強度比)をそれぞれ算出した。
さらに発光スペクトルから、上述した各種の値を算出した。すなわち、発光素子の極大発光強度を第三領域における極大発光強度で割った値(発光素子強度比)、第二領域における極大発光強度を第三領域における極大発光強度で割った値(第二領域強度比)、第四領域における極大発光強度を第三領域における極大発光強度で割った値(第四領域強度比)、第五領域における極大発光強度を第三領域における極大発光強度で割った値(第五領域強度比)、発光素子の極大発光強度で、第一領域における極大発光強度を割った値を、さらに第三領域における極大発光強度で割った値(特定第一領域強度値)をそれぞれ算出した。
(実施例1)
発光装置100の作製
発光ピーク波長が420nmのLEDである発光素子10と、第一蛍光体71(CCA)、第二蛍光体72(LAG)、第三蛍光体73(SCASN)及び第四蛍光体74(クロロシリケート)とを組合せて、以下のようにして発光装置100を作製した。
総蛍光体量に対する第一蛍光体71(CCA)の含有率が質量基準で68.0%となり、総蛍光体量に対する他の各蛍光体の含有率を以下の表1に示す値とし、相関色温度が5000K付近になるように配合した蛍光体70をシリコーン樹脂に添加し、混合分散した後、更に脱泡することにより蛍光体含有樹脂組成物を得た。ここで樹脂量に対する第一蛍光体の含有量の比率(第一蛍光体/樹脂)は73%であった。次にこの蛍光体含有樹脂組成物を発光素子10の上に注入、充填し、さらに加熱することで樹脂組成物を硬化させた。このような工程により実施例1に係る発光装置100を作製した。
(実施例2)
蛍光体70として、第一蛍光体71(CCA)、第二蛍光体72(LAG)、第三蛍光体73(SCASN)及び第五蛍光体75(MGF)を組み合わせて用いたことと、各蛍光体の質量基準の含有率(%)を以下の表1に示す値となるように変更したこと以外は実施例1と同様にして実施例2に係る発光装置100を作製した。
(比較例1)
蛍光体70として、第一蛍光体71(CCA)を使用することなく、第二蛍光体72(LAG)、第三蛍光体73(SCASN)、第四蛍光体74(クロロシリケート)及び第五蛍光体75(MGF)とを組み合わせて用いたこと以外は実施例1と同様にして比較例1に係る発光装置100を作製した。
実施例1、2及び比較例1に係る発光装置100の評価結果について、演色評価数以外の結果を表1に、演色評価数の結果を表2にそれぞれ示す。また図2に、実施例1、2及び比較例1に係る発光装置100の発光スペクトルを、それぞれ600nmの発光強度を基準に規格化して示す。図2の発光スペクトルは、波長に対する相対発光強度を示す。
Figure 0007004892000001
Figure 0007004892000002
表1及び表2より、実施例1及び2の発光装置は、第一蛍光体71を含むことにより、第一蛍光体71を含まない比較例1よりもRaが大きくなっている。また、実施例1及び2の発光装置は、R9からR15においても全て90以上の高い数値を有する。一方、第一蛍光体71を含まない比較例1では、Raがいずれの実施例よりも小さく、R12が10であり、実施例1及び2と比べてかなり低かった。
実施例1、2及び比較例1は、表1に示されるように、いずれも相関色温度が3500K以上5500K以下の範囲にあった。実施例1及び2は、表1に示されるように、特定第一領域強度値が、0.5以上1.5以下である。実施例1及び2は、表1に示されるように、青色強度比が0.3以上2以下である。また黄色強度比が0.3以上4以下である。これらの実施例1及び2は、表2に示されるように、R12の数値が90以上を示し、なおかつRtの数値が660以上を示しており、演色性が特に優れることが分かる。
実施例1及び2は、表1に示されるように、600nmでの発光ピーク強度値を1としたとき、基準光源に対する各領域での最大ピーク強度比である青色基準強度比が0.6以上1.4以下、緑色基準強度比が0.6以上1.2以下、黄色基準強度比が0.8以上1.2以下、赤色基準強度比が0.9以上1.13以下、深赤色基準強度比が0.7以上1.1以下である。各基準強度比は、それぞれが1に近づくほど発光装置から得られる発光スペクトルがその相関色温度における基準光源のスペクトルに近似することを表している。また黄色領域に対する赤色領域の比である第四領域強度比が1以上1.14以下、黄色領域に対する深赤色領域の比である第五領域強度比が0.85以上1.1以下である。これらの実施例1及び2は、表2に示されるように、R12の数値が90以上を示し、なおかつRtの数値が660以上を示しており、演色性が特に優れることが分かる。
(実施例3)
蛍光体70として、第一蛍光体71(CCA)、第二蛍光体72(LAG)と、第三蛍光体73(SCASN)、第四蛍光体74(クロロシリケート)及び第五蛍光体75(MGF)とを組み合わせて用いたことと、各蛍光体の質量基準の含有率(%)を以下の表3に示す値となるように変更したこと以外は実施例1と同様にして発光装置100を作製した。
(実施例4から9)
各蛍光体の含有率(%)を以下の表3に示す値となるように変更したこと以外は実施例3と同様にして発光装置100を作製した。
実施例3から9及び比較例1により得られた発光装置100の評価結果について、演色評価数以外の結果は以下の表3に、演色評価数の結果は以下の表4に示す。また図3に、実施例3から5及び比較例1に係る発光装置100の発光スペクトルを、図4に、実施例6から9及び比較例1に係る発光装置100の発光スペクトルを、それぞれ600nmの発光強度を基準に規格化して示す。図3及び4の発光スペクトルは、波長に対する相対発光強度を示す。
Figure 0007004892000003
Figure 0007004892000004
表3及び4より、実施例3から9は第一蛍光体71を含むことにより、第一蛍光体71を含まない比較例1よりもRaが大きくなっている。また、実施例3から9は、R9からR15においても全て80以上の高い数値を有することができた。
一方、第一蛍光体71を含まない比較例1では、Raがいずれの実施例よりも小さく、R12が10であり、実施例と比べてかなり低かった。
実施例3から9及び比較例1は、表1に示されるように、いずれも相関色温度が3500K以上5500K以下の範囲にあった。実施例3から9は、表3に示されるように、特定第一領域強度値が、0.4以上2.0以下である。実施例3から7は、表3に示されるように、特定第一領域強度値が、0.5以上1.5以下である。実施例4から7は、表3に示されるように、青色強度比が0.5以上1.6以下であり、黄色強度比が0.6以上1.5以下である。これらの実施例4から7は、表4に示されるように、R12の数値が90以上を示し、なおかつRtの数値が650以上を示しており、演色性が特に優れることが分かる。
実施例4、5、6及び7は、表3に示されるように、600nmでの発光ピーク強度値を1としたとき、基準光源に対する各領域での最大ピーク強度比である青色基準強度比が0.6以上1.4以下、緑色基準強度比が0.6以上1.2以下、黄色基準強度比0.8以上1.2以下、赤色基準強度比が0.9以上1.13以下、深赤色基準強度比が0.7以上1.1以下である。また黄色領域に対する赤色領域の強度比である第四領域強度比が1以上1.14以下、黄色領域に対する深赤色領域の強度比である第五領域強度比が0.85以上1.1以下である。これらの実施例4、5、6及び7は、表4に示されるように、R12の数値が90以上を示し、なおかつRtの数値が650以上を示しており、演色性が特に優れることが分かる。
(実施例10)
第一蛍光体71としてCCAではなく青色シリケートを使用したことと、各蛍光体の含有率(%)を以下の表5に示す値となるように変更したこと以外は実施例3と同様にして発光装置100を作製した。
(実施例11)
第四蛍光体74としてクロロシリケートではなくBOSEを使用したことと、各蛍光体の含有率(%)を以下の表5に示す値となるように変更したこと以外は実施例3と同様にして発光装置100を作製した。
(実施例12)
第二蛍光体72としてLAGではなくYAGを使用したことと、各蛍光体の含有率(%)を以下の表5に示す値となるように変更したこと以外は実施例3と同様にして発光装置100を作製した。
(実施例13)
第二蛍光体72としてLAGではなくLSNを使用したことと、各蛍光体の含有率(%)を以下の表5に示す値となるように変更したこと以外は実施例3と同様にして発光装置100を作製した。
(実施例14)
第三蛍光体73としてSCASNではなくBSESNを使用したこと及び第五蛍光体75としてMGFではなくSLAを使用したことと、各蛍光体の含有率(%)を以下の表5に示す値となるように変更したこと以外は実施例3と同様にして発光装置100を作製した。
実施例7、10から14及び比較例1により得られた発光装置100の評価結果について、演色評価数以外の結果は以下の表5に、演色評価数の結果は以下の表6に示す。図5は、比較例1及び実施例7、10から12に係る発光装置100の発光スペクトルを、図6は、比較例1及び実施例7、13、14に係る発光装置100の発光スペクトルを、それぞれ600nmの発光強度を基準に規格化して示す。図5及び6の発光スペクトルは、波長に対する相対発光強度を示す。
Figure 0007004892000005
Figure 0007004892000006
表5及び6より、実施例7に対して実施例10は第一蛍光体を、実施例11は第二蛍光体を、実施例12は第三蛍光体を、実施例13は第三蛍光体を、実施例14は第四蛍光体と第五蛍光体を、それぞれ変更したとき、第一蛍光体71を含まない比較例1よりもRaが大きくなっている。また、実施例10から14は、R9からR15においても全て90以上の高い数値を有することができた。一方、第一蛍光体71を含まない比較例1では、Raがいずれの実施例よりも小さく、R12が10であり、実施例と比べてかなり低かった。これは蛍光体70として、第一蛍光体71から第五蛍光体75のうち、それぞれから少なくとも1つ以上の蛍光体を選択し、使用することで優れた演色性が得られることを示しており、蛍光体70として第一蛍光体71から第五蛍光体75の組み合わされる種類が限定されないことを示している。
実施例7、10から14及び比較例1は、表5に示されるように、いずれも相関色温度が4500K以上5500K以下の範囲にあった。実施例7、10から14は、表5に示されるように、特定第一領域強度値が、0.4以上1.5以下である。実施例10から14は、表5に示されるように、青色強度比が0.5以上1.6以下である。また黄色強度比が0.4以上1.8以下である。これらの実施例10から14は、表6に示されるように、R12の数値が90以上を示し、なおかつRtの数値が670以上を示しており、演色性が特に優れることが分かる。
実施例10から14は、表5に示されるように、600nmでの発光ピーク強度値を1としたとき、基準光源に対する各領域での最大ピーク強度比である青色基準強度比が0.6以上1.4以下、緑色基準強度比0.6以上1.2以下、黄色基準強度比が0.8以上1.2以下、赤色基準強度比が0.9以上1.13以下、深赤色基準強度比が0.7以上1.1以下である。また第四領域強度比が1以上1.14以下、第五領域強度比が0.85以上1.1以下である。これらの実施例10から14は、表6に示されるように、R12の数値が90以上を示し、なおかつRtの数値が670以上を示しており、演色性が特に優れることが分かる。
(実施例15)
各蛍光体の含有率を以下の表7に示す値となるように変更して相関色温度を6500K前後に合わせたこと以外は実施例3と同様にして発光装置100を作製した。
(比較例2)
蛍光体70として、第一蛍光体71(CCA)を使用することなく、第二蛍光体72(LAG)、第三蛍光体73(SCASN)、第四蛍光体74(クロロシリケート)及び第五蛍光体75(MGF)を組み合わせて用いたことと、相関色温度を6500K前後に合わせたこと以外は実施例3と同様にして発光装置100を作製した。
(実施例16)
各蛍光体の含有率を以下の表7に示す値となるように変更して相関色温度を2700K前後に合わせたこと以外は実施例3と同様にして発光装置100を作製した。
(比較例3)
蛍光体70として、第一蛍光体71(CCA)を使用することなく、第二蛍光体72(LAG)、第三蛍光体73(SCASN)、第四蛍光体74(クロロシリケート)及び第五蛍光体75(MGF)を組み合わせて用いたことと、相関色温度を2700K前後に合わせたこと以外は実施例3と同様にして発光装置100を作製した。
実施例15及び16並びに比較例2及び3により得られた発光装置100の評価結果について、演色評価数以外の結果は以下の表7に、演色評価数の結果は以下の表8に示す。図7は、比較例2及び実施例15に係る発光装置100の発光スペクトルを、図8は、比較例3及び実施例16に係る発光装置100の発光スペクトルを、それぞれ600nmの発光強度を基準に規格化して示す。図7及び8の発光スペクトルは、波長に対する相対発光強度を示す。
Figure 0007004892000007
Figure 0007004892000008
表7及び8より、実施例15及び16は第一蛍光体71を含むことにより、第一蛍光体71を含まない比較例2及び3よりもRaが大きくなっている。また、実施例15及び16は、R9からR15においても全て90以上の高い数値を有することができた。一方、第一蛍光体71を含まない比較例2は、Raが実施例15よりも小さく、R12が5であり、実施例15と比べてかなり低かった。同様に、第一蛍光体71を含まない比較例3は、Raが実施例16よりも小さく、R12が40であり、実施例16と比べてかなり低かった。
表7に示されるように、実施例15及び比較例2は相関色温度が5500K以上7500Kの範囲に、実施例16及び比較例3は相関色温度が2000K以上3500Kの範囲にあった。実施例15及び16は、表7に示されるように、特定第一領域強度値が、0.5以上1.5以下である。また発光スペクトルにおける第一蛍光体71の発光素子10に対する発光ピークの強度比である青色強度比が0.3以上2以下である。黄色強度比が実施例15においては0.3以上0.8以下であり、実施例16においては0.7以上4以下である。これらの実施例15及び16は、表8に示されるように、R12の数値が90以上を示し、なおかつRtの数値が680以上を示しており、演色性が特に優れることが分かる。
実施例15は、表7に示されるように、600nmでの発光ピーク強度値を1としたとき、基準光源に対する各領域での最大ピーク強度比である青色基準強度比が0.9以上1.5以下、緑色基準強度比が0.83以上1.2以下、黄色基準強度比が0.8以上1.1以下、赤色基準強度比が0.9以上1.1以下、深赤色基準強度比が0.9以上1.2以下である。実施例16は、青色基準強度比が0.8以上1.1以下、緑色基準強度比が0.9以上1.2以下、黄色基準強度比が0.9以上1.15以下、赤色基準強度比が0.9以上1.5以下、深赤色基準強度比が0.9以上1.6以下である。また実施例15は、第四領域強度比が0.95以上1.05以下、第五領域強度比が0.8以上1.05以下である。また実施例16は、第四領域強度比が1以上1.5以下、第五領域強度比が1.2以上2.2以下である。これらの実施例15及び16は、表8に示されるように、R12の数値が90以上を示し、なおかつRtの数値が680以上を示しており、演色性が特に優れることが分かる。
本発明の発光装置は、発光ダイオードを励起光源とする照明器具、LEDディスプレイ、カメラのフラッシュライト、液晶バックライト光源などに利用することができる。特に、高い演色性が求められる医療用照明装置、美術用照明装置の光源等に好適に利用することができる。
10:発光素子、50:蛍光部材、70:蛍光体、71:第一蛍光体、72:第二蛍光体、73:第三蛍光体、74:第四蛍光体、75:第五蛍光体、100:発光装置

Claims (14)

  1. 410nm以上440nm以下の範囲に発光ピーク波長を有する発光素子と、蛍光部材とを備え、
    前記蛍光部材は、
    発光ピーク波長を430nm以上500nm以下の範囲に有する第一蛍光体と、
    発光ピーク波長を500nm以上600nm以下の範囲に有する第二蛍光体と、
    発光ピーク波長を610nm以上650nm以下の範囲に有する第三蛍光体と、
    発光ピーク波長を440nm以上550nm以下の範囲に有する第四蛍光体、及び発光ピーク波長を650nm以上670nm以下の範囲に有する第五蛍光体の少なくとも一方と、
    を含み、
    前記第一蛍光体は、
    (1A)Mg、Ca、Sr及びBaからなる群から選択される少なくとも1つとF、Cl及びBrからなる群から選択される少なくとも1つとを組成に有しEuで賦活されるアルカリ土類リン酸塩並びに
    (1B)Ca、Sr及びBaからなる群から選択される少なくとも1つとMgとを組成に有しEuで賦活されるケイ酸塩
    からなる群から選択される少なくとも1種を含み、
    前記第二蛍光体は、
    (2A)Ceで賦活される希土類アルミン酸塩、
    (2B)Ceで賦活されるランタンシリコンナイトライド、
    (2C)Ceで賦活されるスカンジウム含有酸化物及び
    (2D)Ceで賦活されるスカンジウム珪酸塩
    からなる群から選択される少なくとも1種を含み、
    前記第三蛍光体は、
    (3A)Sr及びCaからなる群から選択される少なくとも1つとAlとを組成に有しEuで賦活されるシリコンナイトライド並びに
    (3B)Euで賦活されるアルカリ土類シリコンナイトライド
    からなる群から選択される少なくとも1種を含み、
    前記第四蛍光体は、
    (4A)Ca、Sr及びBaからなる群から選択される少なくとも1つとMgとF、Cl及びBrからなる群から選択される少なくとも1つとを組成に有しEuで賦活されるケイ酸塩、
    (4B)Ca、Sr及びBaからなる群から選択される少なくとも1つを組成に有しEuで賦活されるケイ酸塩並びに
    (4C)Ca、Sr及びBaからなる群から選択される少なくとも1つを組成に有しEuで賦活されるチオガレート
    からなる群から選択される少なくとも1種を含み、
    前記第五蛍光体は、
    (5A)Mnで賦活されるフルオロジャーマネート、
    (5B)Mg、Ca、Sr及びBaからなる群から選択される少なくとも1つとLi、Na及びKからなる群から選択される少なくとも1つとAlとを組成に有しEuで賦活されるアルカリナイトライド並びに
    (5C)Ca、Sr及びBaからなる群から選択される少なくとも1つを組成に有しEuで賦活される硫化物
    からなる群から選択される少なくとも1種を含み、
    600nmにおける発光強度で規格化された発光スペクトルが、430nm以上480nm未満の第一領域と、480nm以上500nm以下の第二領域と、580nm以上600nm未満の第三領域と、600nm以上650nm未満の第四領域と、650nm以上670nm以下の第五領域とに、それぞれ極大発光を有し、
    前記発光スペクトルにおいて、前記発光素子に由来する極大発光強度で、前記第一領域における極大発光強度を割った値を、さらに前記第三領域における極大発光強度で割った値が0.5以上1.5以下であり、
    前記蛍光部材は、総蛍光体量に対する前記第一蛍光体の含有率が40質量%以上80質量%以下であり、総蛍光体量に対する前記第二蛍光体の含有率が9質量%以上45質量%以下であり、総蛍光体量に対する前記第三蛍光体の含有率が、1.5質量%以上4質量%以下であり、
    前記蛍光部材が、第四蛍光体を含む場合、総蛍光体量に対する前記第四蛍光体の含有率が、1.5質量%以上6質量%以下であり、
    前記蛍光部材が、第五蛍光体を含む場合、総蛍光体量に対する前記第五蛍光体の含有率が、0.5質量%以上20質量%以下である、発光装置。
  2. 前記発光スペクトルの前記第一領域における極大発光強度を、発光装置が発する光の相関色温度に対応し、600nmにおける発光強度で規格化された基準光源のスペクトルの前記第一領域におけるスペクトル強度の最大値で割った値が、0.6以上1.4以下である、請求項1に記載の発光装置。
  3. 前記発光スペクトルの前記第二領域における極大発光強度を、発光装置が発する光の相関色温度に対応し、600nmにおける発光強度で規格化された基準光源のスペクトルの前記第二領域におけるスペクトル強度の最大値で割った値が、0.6以上1.2以下であり、
    前記発光スペクトルの前記第四領域における極大発光強度を、前記基準光源のスペクトルの前記第四領域におけるスペクトル強度の最大値で割った値が、0.9以上1.12以下である、請求項1または2に記載の発光装置。
  4. 前記発光スペクトルの前記第三領域における最大発光強度を、発光装置が発する光の相関色温度に対応し、600nmにおける発光強度で規格化された基準光源のスペクトルの前記第三領域におけるスペクトル強度の最大値で割った値が、0.8以上1.2以下であり、
    前記発光スペクトルの前記第五領域における最大発光強度を、前記基準光源のスペクトルの前記第五領域におけるスペクトル強度の最大値で割った値が、0.7以上1.1以下である、請求項1からのいずれか1項に記載の発光装置。
  5. 前記第一蛍光体が、下記式(1a)で示される組成を有するアルカリ土類リン酸塩及び下記式(1b)で示される組成を有するケイ酸塩の少なくとも一方を含む、請求項1からのいずれか1項に記載の発光装置。
    (Mg,Ca,Sr,Ba)10(PO(F,Cl,Br):Eu (1a)
    (Ca,Sr,Ba)MgSiEu (1b)
  6. 前記第二蛍光体が、下記式(2a)で示される組成を有する希土類アルミン酸塩、下記式(2b)で示される組成を有するランタンシリコンナイトライド、下記式(2c)で示される組成を有するスカンジウム含有酸化物及び下記式(2d)で示される組成を有するスカンジウム珪酸塩の少なくとも1種を含む、請求項1からのいずれか1項に記載の発光装置。
    (Y,Gd,Tb,Lu)(Al,Ga)12:Ce (2a)
    (La,Y,Gd)SiN11:Ce (2b)
    (Ca,Sr)Sc:Ce (2c)
    (Ca,Sr)(Sc,Mg)Si12:Ce (2d)
  7. 前記第三蛍光体が、下記式(3a)で示される組成を有するシリコンナイトライド及び下記式(3b)で示される組成を有するアルカリ土類シリコンナイトライドの少なくとも1種を含む、請求項1からのいずれか1項に記載の発光装置。
    (Ca,Sr)AlSiN:Eu (3a)
    (Ca,Sr,Ba)Si:Eu (3b)
  8. 前記第四蛍光体が、下記式(4a)で示される組成を有するケイ酸塩、下記式(4b)で示される組成を有するケイ酸塩及び下記式(4c)で示される組成を有するアルカリ土類チオガレートの少なくとも1種を含む、請求項1からのいずれか1項に記載の発光装置。
    (Ca,Sr,Ba)MgSi16(F,Cl,Br):Eu (4a)
    (Ca,Sr,Ba)SiO:Eu (4b)
    (Ca,Sr,Ba)Ga:Eu (4c)
  9. 前記第五蛍光体が、下記式(5a)または下記式(5a’)で示される組成を有するフルオロジャーマネート、下記式(5b)で示される組成を有するアルカリナイトライド及び下記式(5c)で示される組成を有する硫化物の少なくとも1種を含む、請求項1からのいずれか1項に記載の発光装置。
    (x-s)MgO・(s/2)Sc・yMgF・uCaF・(1-t)GeO・(t/2)M :zMn (5a)
    (式中、MはAl、Ga及Inからなる群から選択される少なくとも1種であり、x、y、z、s、t及びuはそれぞれ、2≦x≦4、0<y<1.5、0<z<0.05、0≦s<0.5、0<t<0.5、及び0≦u<1.5を満たす。)
    3.5MgO・0.5MgF・GeO:Mn (5a’)
    Al:Eu (5b)
    (式中、Mは、Mg、Ca、Sr及びBaからなる群から選択される少なくとも1種であり、Mは、Li、Na及びKからなる群から選択される少なくとも1種であり、x、y及びzはそれぞれ、0.5≦x≦1.5、0.5≦y≦1.2及び3.5≦z≦4.5を満たす。)
    (Ca,Sr,Ba)S:Eu (5c)
  10. 前記第五蛍光体は、前記式(5a)もしくは前記式(5a’)で示される組成を有し、発光スペクトルにおける半値幅が45nm以下であるか、または前記式(5b)で示される組成を有し、発光スペクトルにおける半値幅が40nm以上65nm以下である請求項に記載の発光装置。
  11. 前記第一蛍光体は、発光スペクトルにおける半値幅が29nm以上49nm以下である請求項1から10のいずれか1項に記載の発光装置。
  12. 前記第二蛍光体は、発光スペクトルにおける半値幅が95nm以上115nm以下である請求項1から11のいずれか1項に記載の発光装置。
  13. 前記第三蛍光体は、発光スペクトルにおける半値幅が80nm以上100nm以下である請求項1から12のいずれか1項に記載の発光装置。
  14. 前記蛍光部材は前記第四蛍光体を含み、前記第四蛍光体の発光スペクトルにおける半値幅が50nm以上75nm以下である請求項1から13のいずれか1項に記載の発光装置。
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