JP5671024B2 - ポリマー、好ましくは(アルキル)アクリロイルポリカーボネートを作る方法、得られるポリマーおよび(アルキル)アクリロイルポリカーボネート、ならびにこれを含むバイオデバイス - Google Patents

ポリマー、好ましくは(アルキル)アクリロイルポリカーボネートを作る方法、得られるポリマーおよび(アルキル)アクリロイルポリカーボネート、ならびにこれを含むバイオデバイス Download PDF

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Description

本発明は、新規の(アルキル)アクリロイルポリカーボネートなどの環状(アルキル)アクリロイルカーボネートの開環重合によってポリマー鎖に少なくとも1つの(アルキル)アクリロイル基が組入れられる新規のポリマーを作る方法と、この方法によって入手可能なポリマーおよび(アルキル)アクリロイルポリカーボネートと、ポリマーまたは(アルキル)アクリロイルポリカーボネートを含むか、またはこれを用いて作られたバイオデバイス(biodevice)と、環状(アルキル)アクリロイルカーボネートとに関する。
生物医学技術では、生物学的条件下で用いることができ、好ましくは生物分解性でもあるポリマーに対する必要性が存在する。そのようなポリマーは、生物活性分子が直接または間接にポリマーに結合可能であるように修飾されるべきものである。生物活性分子がそれに結合したポリマーはそのまま用いられてもよく、またはステント、インプラント、血管、細胞区画、医薬デバイス、ヒドロゲルなどの生物学的支持体に取付けられてもよい。ポリマーの修飾は、官能化、架橋、および/またはグラフト化によるものであってもよい。架橋およびグラフト化は官能化の前または後に行われてもよいが、生物学的支持体への結合の前または後にも(加えて)行なわれてもよい。
ポリ(ε−カプロラクトン)(PCL)、ポリ乳酸(PLA)、ポリ(ラクチド−co−グリコリド)(PLGA)、およびポリ(トリメチレンカーボネート)(PTMC)などの脂肪族ポリエステルおよびポリカーボネートは重要な合成生物分解性材料である。これらのポリマーは生体適合性であり、好適な機械的性質を有し、インビボで非毒性の生成物に分解可能であり、繊維、膜、棒、微粒子、ナノ粒子、および多孔性三次元構成に容易に加工可能である。再吸収可能な縫合糸としての用途、およびさまざまな医療デバイスにおける用途に加えて、分解性ポリエステルおよびポリカーボネートは、制御された薬物送達、組織工学、および再生医療のために用いられるおよび/または現在研究されている重要な生体適合物質のうち1つである。
それにも拘らず、これらの分解性ポリマーは理想的ではない。実際、それらは、それらの高い疎水性、不適切な分解プロファイル、および/または化学修飾のためのポリマー鎖中の反応中心の欠如のためにさまざまな生物学的用途の要件を満たすことができないことが非常にしばしばである。益々進歩している生物医学技術では、複雑な生物学的に活性の生体適合物質の開発の必要性が存在する。先行技術では、とりわけ、たとえばヒドロキシル(Leemhuis, M., et al, Macromolecules 2006, 39 (10), 3500-3508)、カルボキシル(in't Veld, P. J. A., et al, Makromolek. Chem. 1992, 193 (11), 2713-2730)、およびアミン(Zhou, Y., et al, Macromol. Rapid Commun. 2005, 26 (16), 1309-1314)などのペンダント基を含有する官能性脂肪族ポリエステルおよびポリカーボネートが記載されている。これらの官能性ポリマーは一方では向上した親水性および生物分解性などの改良された生理化学的性質を示すが、他方では薬物抱合またはさらなる誘導を容易にする。しかしながら、それらの合成は通常、重合の前後の官能基の保護および脱保護に係る多段階プロセスであり、この結果、全体的な収率が低くなり、分解が生じることがある。
注目すべきことに、(Mecerreyes, D. et al., Macromol. Rapid Comm. 2000, 21, 779-784; Vaida, C. et al., J. Polym. Sci. Polym. Chem. 2008, 46 (20), 6789-6800などの)アクリロイル、(Pratt, R. C., et al, Chem. Comm. 2008, (1), 114-116などの)アリル、または(Lu, C. H., et al, J. Polym. Sci. Polym. Chem. 2007, 45 (15), 3204-3217; Riva, R. et al., Macromolecules 2007, 40, 796-803などの)アルキン/アジドなどの官能基を提示する分解性ポリマーについていくつかの報告が存在する。これらのプロセスでは、保護/脱保護ステップが必要なく、それらは重合後の修飾を通して多様な官能性に容易に変換可能である。特に、アクリロイル基を含有する官能性PCLは、(1)チオール含有分子とのマイケル付加化学によるさらなる誘導が高度に選択的であり、ヒドロキシル、カルボキシル、およびアミンを含むさまざまな官能基に対して寛容である;(2)反応が非常に穏やかな条件下で起こるため、分解が最小限である;かつ(3)触媒が必要なく、一見したところ副生成物が産出されず、これにより起こり得る汚染が排除される点で、関心があるように思われる。それにも拘らず、γ−アクリロイル−ε−カプロラクトン(ACL)の重合が著しい副反応と関連付けられることが報告されている(Vaida, C. et al, Macromol. Symp. 2008, 272, 28-38を参照)。他の欠点は、ACLがラクチド(LA)モノマーと共重合できないことである。必要な場合、(共)重合体は不飽和モノマーとグラフト化されてもよい。
本発明は、開環重合によって、新規の環状カーボネートモノマー、すなわちアクリロイルカーボネート(AC)および(アルキル)アクリロイルカーボネート(AAC)、特に(メタ)アクリロイルカーボネート(MAC)などがポリマー鎖に組入れられた官能性および好ましくは生物分解性ポリマーを作るための方法を提供することをその目的とする。開環重合によって、(アルキル)アクリロイルポリカーボネートなどのポリマーが調製される。好ましくは、これらのポリマー、特にポリカーボネートは修飾されてもよい。この修飾はペンダント(アルキル)アクリロイル基で起こり、任意の所望の順で官能化、架橋、および/またはグラフト化を含む。官能化のためマイケル付加反応を利用することができる。
AC、AAC、およびMACモノマーは、容易に合成することができ、かつ環状アルキルエステル、環状ジエステル、モルホリンジオン、ジオキサノン、および環状アルキルカーボネートなどのさまざまな異なるコモノマーと共重合可能である。共重合はブロック重合の形態をとってもよい。得られる共重合体は少なくとも1つの第1のモノマーおよび/または少なくとも1つのコモノマーの1つ以上のブロックを含む。さらに、所望の機能および/または性質に依存して、(共)重合体を任意の好適な方法で架橋してもよい。
本発明の(共)重合体の汎用的な重合後の修飾は、修飾された生体適合性材料の範囲を生じる。開環重合とマイケル付加化学による修飾との組合せは、生物学的に活性の生体適合物質を開発するのに効率的かつ実際的な方策であることを示した。
本発明の重合方法は、開環重合によって少なくとも1つの環状(アルキル)アクリロイルカーボネートがポリマー鎖に組入れられる重合、1つの環状(アルキル)アクリロイルカーボネートの単独重合、2つ以上の環状(アルキル)アクリロイルカーボネートの共重合、または少なくとも1つの環状(アルキル)アクリロイルカーボネートと少なくとも1つの第2のコモノマーとの共重合であってもよい。これらの第2のコモノマーは、環状アルキルエステル、環状ジエステル、モルホリンジオン、ジオキサノン、および環状アルキルカーボネートを含む群から選択されてもよい。
環状(アルキル)アクリロイルカーボネートは、対応のトリオールから直接にまたは間接に産生されてもよい。本発明の第1の方法では、環状(アルキル)アクリロイルカーボネートはトリオール1,1,1−トリ(ヒドロキシルメチル)C〜Cアルカンから形成される。特に、容易に入手可能であるので、1,1,1−トリ(ヒドロキシルメチル)エタンおよび1,1,1−トリ(ヒドロキシルメチル)プロパンが好ましい。
直接合成に従うと、トリオールは塩化(アルキル)アクリロイルと反応する。形成されるモノ−(アルキル)アクリロイル誘導体は、クロロ蟻酸アルキル、特にクロロ蟻酸エチルと反応する。この結果、式(4)
[式中、RおよびRは各々独立して水素、メチル、またはエチルである]
を有する環状(アルキル)アクリロイルカーボネートが生成される。必要に応じて、得られる環状(アルキル)アクリロイルカーボネートは結晶化によってなどで精製される。
間接合成に従うと、まず3つのヒドロキシル基のうち2つでアリーリデンアセタールを形成することによってトリオールを保護する。たとえば、アリーリデンアセタールはベンジリデンアセタール(1)である(スキーム1を参照)。このベンジリデンアセタールは、塩化(アルキル)アクリロイルと反応して、モノ−(アルキル)アクリロイル誘導体(3)を形成する。その後、クロロ蟻酸アルキル、特にクロロ蟻酸エチルとの反応によって環化を行なう。この結果、直接合成と同じ、式(4)を有する環状(アルキル)アクリロイルカーボネートが生成される。
要約すると、(i)1,1,1−トリ(ヒドロキシルメチル)アルカンの(アルキル)アクリル化、または(ii)アリールアセタール保護1,1,1−トリ(ヒドロキシルメチル)アルカンの(アルキル)アクリル化、脱保護、および環形成によって環状(アルキル)アクリロイルカーボネートを調製することが好ましいであろう。たとえば、この(アルキル)アクリル化は、アクリル化、メタクリル化、またはエチルアクリル化である。
式(4)を有する環状(アルキル)アクリロイルカーボネートは、開環重合によってポリマー鎖に組入れるために、好ましくは本発明の(アルキル)アクリロイルポリカーボネートを作るための単独重合における第1のモノマーとして、用いることができる。明らかに、環状アクリロイルカーボネート、環状(メタ)アクリロイルカーボネート、および(エチル)アクリロイルカーボネートなどの2つ以上の異なる環状(アルキル)アクリロイルカーボネートを、本発明の(アルキル)アクリロイルポリカーボネートを作るために用いることができる。この重合は、好ましくは第1スズオクトアートまたは亜鉛ビス[ビス(トリメチルシリル)アミド]などの触媒の存在下での開環重合を含むかまたはこれを介して進行する。しばしば、メトキシPEG、またはアルカノール、たとえばイソプロパノール、などの重合開始剤が用いられる。
これらのポリマーは制御された分子量および所望の多分散性(PDI)で産生することができる。本発明のポリマーの数平均分子量Mは、一般的に、1000〜500,000または1000〜50,000などの、約500〜1,000,000である。分子量MH NMRによってまたはGPCによって定められてもよい。PDIは一般的に、1.12〜1.80のような1.0〜2.0の範囲などの1.0〜4.0の範囲にある。
このように、発明の第1の局面に従うと、ポリマーを作るための方法であって、重合の際、式(4)
[式中、RおよびRは各々独立して水素、メチル、またはエチルである]
を有する環状(アルキル)アクリロイルカーボネートの開環重合によって少なくとも1つの(アルキル)アクリロイル基がポリマー鎖に組入れられる、方法が提供される。得られるポリマーは、修飾に利用可能な少なくとも1つのペンダント(アルキル)アクリロイル基をポリマー鎖中に含む。
好ましい実施形態では、(アルキル)アクリロイルポリエステルを作るための方法は、
i.少なくとも1つの第1のモノマー、式(4)
[式中、RおよびRは各々独立して水素、メチル、またはエチルである]
を有する環状(アルキル)アクリロイルカーボネートを提供するステップと、
ii.少なくとも第1のモノマーを、オプションで第2のモノマーとともに重合して、これにより(アルキル)アクリロイル官能化ポリカーボネートを作るステップとを含む。
実施形態に従うと、本発明は、(アルキル)アクリロイルポリカーボネートベースの共重合体も提供する。これに対し、上記規定された少なくとも1つの第1のモノマー、式(4)を有する環状(アルキル)アクリロイルカーボネートは、少なくとも1つの第2のモノマーと共重合される。この第2のモノマーは開環重合に加わる。用いられる第2のモノマーの種類に依存して、形成される(アルキル)アクリロイルカポリーボネートは、(アルキル)アクリロイルポリカーボネート、(アルキル)アクリロイルポリエステルカーボネート、(アルキル)アクリロイルポリアミドカーボネート、または(アルキル)アクリロイルポリエステルアミドカーボネートである。所望により、共重合体の性質に依存して第2のモノマーのモル%を調節可能である。モル%は、1〜15モル%のような、0.5〜20モル%などの一般的に0.1〜50モル%の間の、0.01〜99.99モル%の間で異なってもよい。
これらの性質は一般的に、共重合体の究極的な使用によって決まる。たとえば、ポリマー鎖にカーボネートまたはアミドカーボネート基を導入することにより、共重合体は、ポリマー鎖中の生物分解性基の濃度に依存する程度に生物分解性になる。
明らかに、産生された共重合体は、重合に加わるモノマーの各々の1つ以上のブロックを含んでもよい。さらに、共重合体は、本発明の他の(アルキル)アクリロイルポリカーボネートに関連して上述されたように官能化され、架橋され、および/またはグラフト化されるなどして修飾されてもよい。
第1の例に従うと、第2のモノマーとして、式(5)
[式中、m=3〜14である]
を有する環状C〜C14アルキルエステルを用いることができる。
形成される共重合体は以下の構造(10)
[式中、RおよびRは、式(4)で与えられた上記の意味を有する]
を有してもよい。式中、xおよびyはさまざまなモノマーのモル%を示し、整数nは繰返しユニットの数を示す。x、y、およびnの値は、重合条件、第1のモノマーおよび第2のモノマーの相対的な量、ならびに異なる長さのブロックが共重合で用いられたか否かに依存する。このように、xとyとの両方は、たとえば、0.5〜99.5モル%など、0.01〜99.99モル%の間で異なってもよい。さらに、nは100〜1000など、たとえば10〜50,000など、5〜100,000の範囲内にあってもよい。Rの意味はmに依存する。このように、Rは(CH(mは3〜14である)を表わす。好ましくは、mは4、5または14である。好適な環状アルキルエステルの例は、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン(ε−CL)、およびω−ペンタデカラクトンである。
第2の例に従うと、第2のモノマーとして、式(6)
[式中、RおよびRは各々独立して水素、メチル、またはエチルである]
を有する環状ジエステルを用いることができる。非常に実際的な例はラクチド(式中、RおよびRは両者ともメチルである)である。ラクチドの場合、共重合体は以下の構造(10)
[式中、RおよびRは式(4)で与えられた上記の意味を有し、Rは式(11)
を有する]
を有する。
本発明の(アルキル)アクリロイルポリカーボネートは、ポリマー鎖中でカーボネート基の隣にエステル基も含む(アルキル)アクリロイルポリエステルカーボネートである。これは、安定性、生物分解性、および生体適合性に関連する独自の性質を有する、本発明の(アルキル)アクリロイルポリエステルカーボネートを与えるであろう。
第2のモノマー、式(5)の環状アルキルエステルとして用いられる共重合体に関連して論じられたように、x、y、およびnの値を所望の性質によって必要に応じて選択してもよく、重合条件、第1のモノマーおよび第2のモノマーの相対的な量、モノマー対開始剤の比率、ならびに異なる長さのブロックが共重合で用いられたか否かに依存する。このように、xとyとの両方が以上示されたように異なってもよい。
第3の例に従うと、第2のモノマーとして、式(7)
[式中、Rは水素、メチル、またはエチルであり、独立してRは水素、メチル、エチル、またはオプションで保護されるアミノ酸残基である]
を有するモルホリンジオンを用いることができる。
アミノ酸残基は、グリシン、バリン、セリン、システイン、プロリン、フェニルアラニンのような天然アミノ酸などの任意のアミノ酸から生じてもよい。アミノ酸残基はベンジルエステルの形態などで(一時的に)保護されてもよい。
結果的に得られる共重合体は以下の構造(10)
[式中、RおよびRは式(4)で与えられた上記の意味を有し、Rは式(12)
−C(R)−NH−CO−C(R)− (12)
を有する]
を有する。本発明の(アルキル)アクリロイルポリカーボネートは、ポリマー鎖中に、カーボネート基の隣にアミド基およびエステル基を含む(アルキル)アクリロイルポリエステルアミドカーボネートである。これは、安定性、生物分解性、および生体適合性に関連する独自の性質を有する本発明の(アルキル)アクリロイルポリエステルアミドカーボネートを与えるであろう。性質はx、y、n、R、およびRの値の適切な選択によって調節可能である。
第4の例に従うと、第2のモノマーとして、式(8)
[式中、RおよびRは各々独立して水素、メチル、またはエチルである]
を有するジオキサンを用いることができる。
結果的に得られる共重合体は以下の構造(10)
[式中、RおよびRは式(4)で与えられた上記の意味を有し、Rは式(13)
−C(R)−O−CH−C(R)− (13)
を有する]
を有する。
本発明の(アルキル)アクリロイルポリカーボネートは、ポリマー鎖中に、カーボネート基の隣にエステル基も含む(アルキル)アクリロイルポリエステルカーボネートである。これは、安定性、生物分解性、および生体適合性に関連する独自の性質を有する本発明の(アルキル)アクリロイルポリエステルカーボネートを与えるであろう。x、y、n、R、およびRの値の適切な選択により性質を調節することができる。
第5の例に従うと、第2のモノマーとして、式(9)
[式中、p=3〜5である]
を有する環状C〜Cアルキルカーボネートを用いることができる。好ましくはpは3であり、それで環状アルキルカーボネートがトリメチレンカーボネートとなる。結果的に得られる共重合体は以下の構造(10)
[式中、RおよびRは式(4)で与えられた上記の意味を有し、Rは式(14)
−O−(CH− (14)
を有する]
を有する。本発明の(アルキル)アクリロイルポリカーボネートは(アルキル)アクリロイルポリカーボネートである。これは、安定性、生物分解性、および生体適合性に関連する独自の性質を有する本発明の(アルキル)アクリロイルポリエステルカーボネートを与えるであろう。x、y、n、およびpの値の適切な選択により性質を調節することができる。
一般的に、ポリマー、特に本発明の(アルキル)アクリロイルポリカーボネートは、式(4)の少なくとも1つの環状(アルキル)アクリロイルカーボネートが開環重合によって組入れられるポリマー鎖、好ましくは第1のモノマーとしての環状(アルキル)アクリロイルカーボネートによってかつオプションで第2のモノマーによっても形成される線状のポリマー鎖を含む。ポリマーまたは(アルキル)アクリロイルポリカーボネートの必要とされる性質および/または機能に鑑みて、ポリマー鎖の構造が適合されることも可能である。本発明に従うと、ポリマー鎖は分岐形状または星のような形状を有している可能性がある。これに対し、重合は、直線形状、分岐形状、または星形状を有する多官能性重合開始剤を用いて行なわれる。好ましい実施形態に従うと、多官能性重合開始剤は、必要とされる直線、分岐、または星形状を有する多官能性PEGである。
ポリマーまたは(アルキル)アクリロイルポリカーボネートは少なくとも1つの不飽和アクリロイル基を含む。少なくとも1つの不飽和基は、架橋、官能化、および/またはグラフト化などの修飾に用いられてもよい。架橋の場合、関連の独自の性質を有する、本発明の(アルキル)アクリロイルポリカーボネートなどの架橋されたポリマー鎖および/または(アルキル)アクリロイルポリマー鎖が与えられる。この架橋は、たとえば、ジチオール、ジアミン、およびアミノチオールなどの二官能性試薬との反応によって行なってもよい。好適な二官能性試薬の例は、1,6−ヘキサンジチオール、エチレンジアミン、および2−メルカプトエチルアミンである。代替的にまたは加えて、架橋は光架橋またはガンマ線照射によって行なってもよい。(メタ)アクリル酸および(メタ)アクリルエステルなどの不飽和モノマーとのグラフト化の後に発明の(アルキル)アクリロイルポリカーボネートを架橋することも可能である。
ポリマーまたは(アルキル)アクリロイルポリカーボネートは不飽和ペンダント基を含む。これらの基を架橋のために用いてもよいが、これらの基を、ポリマー鎖中の不飽和基との反応によって任意の好適な官能基で本発明のポリマーまたは(アルキル)アクリロイルポリカーボネートを官能化するためにも用いてもよい。明らかに、不飽和ペンダント基を、一方では官能化に用いてもよく、他方では架橋に用いてもよい。ポリマーまたは(アルキル)アクリロイルポリカーボネート鎖のこれらの修飾の両者とも、バイオデバイスの製作の前または後に行ってもよい。換言すると、本発明の官能化されたおよび/または架橋された(アルキル)アクリロイルポリカーボネートを、本発明のバイオデバイスに形成してもよい。代替的に、本発明のポリマーまたは(アルキル)アクリロイルポリカーボネートを、まずバイオデバイスに取付けるかまたはこれに形成してもよく、後で官能化および/または架橋してもよい。
このように、本発明の好ましい実施形態に従うと、ポリマーまたは(アルキル)アクリロイルポリカーボネートは、本発明の(アルキル)アクリロイルポリカーボネートの不飽和ペンダント基と反応する二官能性リガンドとの反応によって官能化される。そのような二官能性リガンドは好ましくはチオール含有官能性リガンドおよび/またはアミン含有官能性リガンドである。チオール含有官能性リガンドの好ましい例は、2−メルカプトエタノール、3−メルカプトプロパン酸、システアミン、システイン、メルカプト糖、PEG−SH、およびアルギニン−グリシン−アスパラギン酸−システイン(RGDC)ペプチドである。アミン含有官能性リガンドの好ましい例は2−アミノエタノールである。明らかに、ポリマーまたは(アルキル)アクリロイルポリカーボネートの完全性および性質が維持されるかまたは許容可能なレベルに維持される限り、本発明のポリマーまたは(アルキル)アクリロイルポリカーボネートのペンダント基との反応性を示す任意のさらなる官能性リガンドを用いることができる。
以上論じたように、そのままのまたは架橋および/または官能化による修飾後の本発明のポリマーまたは(アルキル)アクリロイルポリカーボネートをグラフト化して、他のまたは付加的な性質を(アルキル)アクリロイルポリカーボネートに与えてもよい。これに対し、(アルキル)アクリロイルポリエステルの(アルキル)アクリロイル基を不飽和モノマーとグラフト化することが好ましい。
別の局面に従うと、本発明は、本発明の方法によって得られる、(アルキル)アクリロイルポリカーボネート、(アルキル)アクリロイルポリエステルカーボネート、および(アルキル)アクリロイルポリエステルアミドカーボネートなどの、本発明の(アルキル)アクリロイルポリカーボネートにも関する。これらの(アルキル)アクリロイルポリカーボネートを任意の好適な態様によって架橋および/または官能化してもよい。いくつかの例は、オプションで架橋されるおよび/またはグラフト化される、(メタ)アクリロイルポリカーボネート、(メタ)アクリロイルポリエステルカーボネート、(メタ)アクリロイルポリエステルアミドカーボネートである。これらの(アルキル)アクリロイルポリカーボネート、(アルキル)アクリロイルポリエステルカーボネート、および(アルキル)アクリロイルポリエステルアミドカーボネートを、チオール含有官能性リガンドおよび/またはアミン含有官能性リガンドで官能化してもよい。
本発明のさらなる局面に従うと、バイオデバイスを作る際に(アルキル)アクリロイルポリカーボネートを用いてもよい。バイオデバイスは、生物学的システムと組合せて用いることが意図されるデバイスである。好ましくは、バイオデバイスは生物学的システムと一時的にまたは連続的に接触する。このことは、バイオデバイスが、生物学的システムの機能または性質が意図された態様以外には実質的に変更されないまたは修正されないように生物学的システムに適合すべきであることを意味する。バイオデバイスは、人間または動物の体などの生物学的システムに組入れられるまたはその中に実現されるように意図されてもよいが、植物における適用も企図される。バイオデバイスは、ステント、血管、組織支持体などのインプラント、代謝産物、酵素、抗体、もしくはウイルス粒子などの生体分子の検出システム、または薬送達マトリックスもしくはコーティングとの組合せなどの薬送達システムの形態を有してもよい。これらのバイオデバイスは、それらがともに用いられるべき生物学的システムに適合すべきである。本発明のバイオデバイスの別の例は細胞または組織培養のために用いられるシステムであり、その培養システム中で、(アルキル)アクリロイルポリカーボネート、(アルキル)アクリロイルポリエステルカーボネート、および(アルキル)アクリロイルポリエステルアミドカーボネートなどのポリマーは、細胞または組織の一部をまたはその全ての閉じ込めを形成してもよい。薬送達システム、組織支持体、巻かれた繊維、織物、および布用などの状況下で、ある期間内にまたはある期間後にバイオデバイスが生物分解性であるべきことが要件とされることがある。
(アルキル)アクリロイルポリカーボネート、(アルキル)アクリロイルポリエステルカーボネート、および(アルキル)アクリロイルポリエステルアミドカーボネートなどのポリマーは、安定性、生体適合性、および/または生物分解性に関連する必要とされる性質をバイオデバイスに与えるように直接におよび/または官能化後に調製可能である。
したがって、本発明の別の局面は、本発明の(アルキル)アクリロイルポリカーボネート、(アルキル)アクリロイルポリエステルカーボネート、および/または(アルキル)アクリロイルポリエステルアミドカーボネートなどのポリマーを含むかまたはこれを用いて作られた、ステント、血管、および細胞区画などのバイオデバイスに関する。
本発明のバイオデバイスの例は、抗体、酵素などの生物学的に活性の薬剤を好ましくは含む、ヒドロゲルに結合される(アルキル)アクリロイルポリカーボネートである。
バイオデバイスの基板の表面は本発明のポリマーでコーティングされてもよく、その後、表面へのヒドロゲルまたは水膨潤可能ポリマーの層の固定のためなど、表面での好適な化学的機能性を導入するために、表面に露出するポリマーの(アルキル)アクリロイル基を修飾してもよい。好適なヒドロゲルまたは水膨潤可能ポリマーはデキストランおよび/またはPEOベースであってもよい。ヒドロゲルまたは水膨潤可能ポリマーの固定後、ヒドロゲルまたは水膨潤可能ポリマーの(残留)化学的機能性を、特異的な生物学的活性を表面に与える生物活性分子の固定などのさらなる表面修飾のために用いることができる。たとえば、表面にたとえば特異的細胞捕捉活性を与える抗体を固定することができる。生物活性分子のさらなる例は薬である。生物活性が異なる分子の組合せも固定可能である。薬については、デバイスの適用後に、好ましくは制御された態様で薬が放出されるように薬を固定することが好ましいことがある。デバイスの適用の際に薬を放出するという意図をもって、本発明のポリマー自体を、第1のステップでポリマーをコーティングとして塗布する前に生物活性分子(好ましくは薬)と組合せてもよい。これに代えて、第1のステップで、所望の化学的機能性を既に与えられた/これで修飾された本発明のポリマーを用いてバイオデバイスの表面をコーティングし、次にヒドロゲルまたは水膨潤可能ポリマーの層を表面に直接に固定することができる。
別の代替例は、第1のコーティングステップの後に表面に露出する(アルキル)アクリロイル基をモノマーのグラフト化を開始するのに用い、その結果、たとえばアクリル酸をグラフト化することによってヒドロゲルまたは水膨潤可能層を表面上に生じさせる手順である。このように導入されるカルボン酸基を次に生物活性分子の固定に用いてもよい。
さらに、本発明の(アルキル)アクリロイルポリカーボネートを他のポリマーとの混合物中で用いてもよいことを注記する。そのようなポリマー配合物を次に、たとえば、本発明のポリマーについて上述したように用いてもよい。
最後に、本発明は、本発明の、もしくは本発明の方法を用いて入手可能な(アルキル)アクリロイルポリカーボネート、ならびに/またはバイオデバイスを作る際のおよび/もしくは医薬におけるそれらの使用、ならびに式(4)
[式中、RおよびRは各々独立して水素、メチル、またはエチルである]
を有する環状(アルキル)アクリロイルカーボネートにも関する。
(アルキル)アクリロイルポリカーボネート、(アルキル)アクリロイルポリエステルカーボネート、および(アルキル)アクリロイルポリエステルアミドカーボネートを作る方法、ならびにそのような(アルキル)アクリロイルポリカーボネート、ならびに本発明のバイオデバイスの言及されたおよび他の特徴は情報の目的のためにのみ与えられ、どの程度にも発明を限定することを意図しないいくつかの実施例および実施形態によってさらに図示されるであろう。これらの実施形態に関連して添付の図を参照する。
AC(A)およびMAC(B)モノマーのH NMRスペクトル(400MHz、CDCl)の図である。 (M)AC共重合体のH NMRスペクトル(300MHz、CDCl)の図であり、(A)はP(CL−co−AC)であり、(B)はP(CL−co−MAC)であり、かつ(C)はP(LA−co−AC)である、図である。 2−メルカプトエタノール(A)、2−メルカプトエチルアミン塩酸塩(B)、および3−メルカプトプロパン酸(C)で修飾されたP(CL−co−AC)8.9%共重合体のH NMRスペクトル(300MHz、CDCl)の図である。 L−システイン(A)およびRGDCペプチド(B)で修飾されたP(CL−co−AC)8.9%共重合体のH NMRスペクトル(300MHz、DMSO−d)の図である。 官能性共重合体膜の接触角測定値の図である。 P(CL−co−AC)(RGDC)5.2%(OH)3.7%の膜(a)、P(CL−co−AC)の膜(b)、および組織培養プラスチック(c)上の3d培養後のL929細胞(左パネル)およびHoechst 33258(青、右パネル)で染色されたそれらの核の画像(×400)の図である。
実施例1:アクリロイルカーボネート(AC,4a)およびメタクリロイルカーボネート(MAC,4b)の調製
AC(4a)およびMAC(4b)モノマーを4段階で合成した(スキーム1を参照)。以下は4aの合成の例であり、同じ態様で4bを合成する。室温のTHF(375mL)中の1,1,1−トリ(ヒドロキシルメチル)エタン(THME,24g,0.2モル)およびp−トルエンスルホン酸一水和物(TsOH,1.2g,6.3mmol)の撹拌溶液にベンズアルデヒド(21.4mL,0.21モル)を滴下した。
16時間の反応の後、反応混合物を水性アンモニアで中和し、溶媒を減圧下で蒸発させ、残渣を150mLのCHCl中に溶解し、150mLのリン酸緩衝液(pH7.4)で2回抽出した。有機層を濃縮して、ペンジリデンアセタール(1)の39g(94%)の無色の粉末を得た。
0℃の150mLの無水CHCl中の1(10g,48mmol)およびEtN(12mL,86.4mmol)の撹拌溶液に、CHClに溶解したアクリロイルクロリド(5.8mL,72mmol)を滴下した。0℃での4時間の反応の後、反応混合物を濾過した。濾液をリン酸緩衝液(pH7.4)で2回洗浄し、次に濃縮して、原料2aを得た。2aを160mLのCHOH/1.0M HCl(v/v 1/1)に溶解し、2時間室温で撹拌した。2MのNaOHを用いて、次に溶液のpHを7.0に調節した。溶液を濃縮し、酢酸エチルで抽出した。有機層を濃縮して、原料生成物、モノ−アクリロイルTHME3aを生じ、これをカラムクロマトグラフィで精製した(溶離液:酢酸エチル/石油エーテル)。収量:5.07g(61%)。H NMR(400MHz,CDCl):δ086(s,3H),2.96(s,2H),3.56(q,2H),4.26(s,2H),5.88−6.42(m,3H)。
0℃の乾燥THF(150mL)中の3a(4g,22.9mmol)およびクロロ蟻酸エチル(4.6mL,48.09mmol)の撹拌溶液に、THFに溶解したEtN(7mL,50.49mmol)を滴下した。0℃での4時間の反応後、反応混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残渣をジエチルエーテルで結晶化して4aを得た。収量:2.94g(64%)。H NMR(400MHz,CDCl):δ1.14(s,3H),4.17(d,2H),4.19(s,2H),4.33(d,2H),5.91−6.45(m,3H)(図1を参照)。元素分析,C12としての計算値:C,54.00;H,6.04。実測値:C,53.87;H,6.06。
同様に4bを調製し、全体的な収率は40%であった。H NMR(400MHz,CDCl):δ1.12(s,3H),1.96(s,3H),4.16(s,2H),4.18(d,2H),4.33(d,2H),5.64(s,1H),6.12(s,1H)(図1を参照)。元素分析,C1014としての計算値:C,56.07;H,6.59。実測値:C,56.18;H,6.52。
実施例2:(保護なしの)環状カーボネートモノマーの直接合成
2段階で、すなわち保護および脱保護なしに、ACモノマー4aを合成する。典型的に、室温の700mLのTHF中のTHME(35g,0.29モル)の溶液に、20mLのEtN(0.15モル)を加えた。溶液を0℃に冷却した。THF中のアクリロイルクロリド(10mL,0.12モル)の溶液を滴下した。0℃での4時間の反応の後、溶媒をロータリーエバポレータで除去した。残渣をリン酸緩衝液(pH7.4)に溶解し、酢酸エチルで2回抽出した。有機層を濃縮し、カラムクロマトグラフィで精製し(溶離液:酢酸エチル/石油エーテル=1/1 v/v)、生成物3aを得た。収量:8.2g(39.2%)。H NMR(400MHz,CDCl):δ0.86(s,3H),2.96(s,2H),3.56(q,2H),4.26(s,2H),5.88−6.42(m,3H)。
0℃の乾燥THF(350mL)中の3a(8.2g,46.95mmol)およびクロロ蟻酸エチル(9.5mL,99.32mmol)の撹拌溶液に、THF中のEtN(16.1mL,115.9mmol)の溶液を滴下した。0℃での4時間の反応の後、反応混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残渣をジエチルエーテルで結晶化して4aを得た。収量:5.75g(62%)。H NMR(400MHz,CDCl):δ1.14(s,3H),4.17(d,2H),4.19(s,2H),4.33(d,2H),5.91−6.45(m,3H)。
同様の態様でMAC(4b)を産生することができる。
実施例3:ポリ(CL−co−AC)、ポリ(CL−co−MAC)、ポリ(LA−co−AC)、ポリ(LA−co−MAC)、およびポリ(TMC−co−AC)の開環共重合
開始剤としてイソプロパノールを用い、触媒としてSn(Oct)を用いて110℃のトルエン中で重合を行なった。P(CL−co−AC)8.9%の合成は以下のとおりである(スキーム2も参照)。窒素雰囲気下のグローブボックス中で、トルエン(20mL)中のε−CL(1.539g,13.5mmol)およびAC(0.3g,1.5mmol)の撹拌溶液に、イソプロパノール保存溶液(0.26mL,0.75M)およびSn(Oct)保存溶液(1mL,0.1M)を素早く加えた。モノマー対開始剤のモル比を80/1に設定し、モノマー供給量は10モル%であった。反応容器を封止し、サーモスタットで110℃に温度調節した油浴中に置いた。24時間の重合の後、酢酸2滴によって反応を終了させた。結果的に得られたポリマーP(CL−co−AC)8.9%を冷たいジエチルエーテル中での析出によって単離し、室温で真空中で乾燥させた。
それぞれ400および300MHzで動作するUnity Inova 400およびNMRシステム(Varian)上にH NMRスペクトルを記録した。CDClおよびDMSO−dを溶媒として用い、残渣溶媒シグナルに対して化学シフトを較正した。共重合体の分子量および多分散性は、ガードカラムおよび示差屈折率検出器を伴う2つの線形のPLgelカラム(500AおよびMixed-C)を装備したWaters1515ゲル浸透クロマトグラフ(GPC)器具によって定めた。測定は、流量が1.0mL/分の30℃の溶離液としてのTHFとカラムの較正のための一連の狭いポリスチレン標準とを用いて行なった。接触角はPOWEREACH Instrument(Micaren, JC2000C/X)によって定めた。
MAの代わりにMACを用いおよび/またはε−CLの代わりにLAを用いて、同じ態様で、共重合体であるポリ(CL−co−MAC)、ポリ(LA−co−AC)、ポリ(LA−co−MAC)を産生した(スキーム2も参照)。
さらに、第2のモノマーとしてトリメチレンカーボネート(TMC)を用いて別の(アルキル)アクリロイルポリエステルを合成した。
ε−CL、LA、および/またはTMCとの(M)ACの共重合は円滑に行なわれ、(方法に依存した)8000〜20,000の範囲内の制御された分子量(M)および適度の多分散性(PDI=1.26〜1.60)を有する共重合体を与えた(表1を参照)。
H NMRはそのままのアクリロイルプロトン(図2Aおよび図2B)に起因するδ5.6−6.4で、ならびにACおよびMACそれぞれの共重合体のためのそのままのメタクリロイルプロトン(図2C)に帰するδ5.6−6.1で明確な共鳴を見せたことが注目される。
共重合体の組成は、δ2.30でのPCLメチレンプロトン、δ5.16でのメチンプロトン、およびδ2.05でのPTMCメチレンプロトンのシグナルの積分と(メタ)アクリロイルプロトンのシグナルの積分とを比較することによって定めることができた。注目すべきことに、P(CL−co−AC)鎖は8.9モル%のACユニットを含有し、これは10モル%の供給量に近い(表1,エントリー1)。したがって、この共重合体をP(CL−co−AC)8.9%と表記する。LAとのACの共重合は6.1モル%ACを有する共重合体を得た(表1,エントリー2)。
LAとの共重合の能力は、これらの官能性環状カーボネートモノマーを多様な生物医学的用途にとって非常に魅力的にする。同様に、ε−CLとのMACの共重合は、7.6モル%MACを含有するP(CL−co−MAC)を与えた(表1,エントリー3)。20モル%ACモノマーのより高い供給比では、16モル%ACユニットを有するP(CL−co−AC)が得られた(表1,エントリー4)。10モル%ACのモル供給比率でのTMCとACとの共重合は、8.3モル%ACユニットを含有する共重合体を得た(表1,エントリー5)。さらに、H NMR端基分析は、すべての共重合体が理論値(表1)に近い分子量を有することを明らかにした。したがって、これらの官能性共重合体の(メタ)アクリロイル官能性および分子量の両者ともを容易に制御可能であることが明らかである。
実施例4:(アルキル)アクリロイルポリカーボネートブロック共重合体の合成
実施例4a:PEG5k−P(TMC157−co−AC)の合成
触媒として亜鉛ビス[ビス(トリメチルシリル)アミド]を用い、重合開始剤としてメトキシPEG(M=5000)を用いて、40℃のCHCl中で開環重合を行なった。窒素雰囲気下のグローブボックス中で、CHCl(10mL)中のPEG(0.28g,0.056mmol)、AC(0.1g,0.5mmol)、およびTMC(0.9g,8.82mmol)の撹拌溶液に、亜鉛ビス[ビス(トリメチルシリル)アミド](11mg,0.03mmol)を素早く加えた。反応容器を封止し、サーモスタットで40℃に温度調節した油浴中に置いた。1日間、磁気撹拌によって重合を進めた。結果的に得られたポリマーを冷たいジエチルエーテルからの2回の析出によって単離し、室温で真空で乾燥させた。PEG5k−P(TMC157−co−AC)共重合体についてのH NMR(400MHz,CDCl):δ1.06(s,−CCH),2.05(m,−CHCHCH−),3.38(s,PEG−OCH),3.64(s,−CHOCH−),4.11(s,−OCHCCHO−,−CHOCOCH=CH),4.24(t,−CHCHCH−),5.6−6.4(m,CH=CH−)。GPC特徴付け(溶離液:THF,流量:1.0mL/分,標準:ポリスチレン):M=24900,PDI=1.54。
実施例4b:PEG5k−PAC1.4k−PDLLA4.8kトリブロック共重合体の合成
触媒として亜鉛ビス[ビス(トリメチルシリル)アミド]を用い、開始剤としてメトキシPEG(M=5000)を用いて、2段階で開環重合を行なった。窒素雰囲気下のグローブボックス中で、CHCl(3mL)中のPEG(0.34g,0.068mmol)およびAC(0.15g,0.75mmol)の撹拌溶液に、亜鉛ビス[ビス(トリメチルシリル)アミド](18mg,0.05mmol)を素早く加えた。グローブボックス中での室温での2日間の反応の後、CHCl(2mL)に溶解したDLLA(0.3g,2.08mmol)を反応溶液に加え、次に反応容器を封止し、サーモスタットで40℃に温度調節した油浴の中に置いた。また2日間磁気撹拌によって重合を進めた。結果的に得られたポリマーを冷たいジエチルエーテルからの析出により単離し、室温で真空で乾燥させた。PEG5k−PAC1.4k−PDLLA4.8k共重合体についてのH NMR(400MHz,CDCl):δ1.06(s,−CCH),1.58(d,CHCHCO−),3.38(s,PEG−OCH),3.64(s,−CHOCH−),4.10(s,−OCHCCHO−,−CHOCOCH=CH),5.20(m,−CH(CH)CO−),5.6−6.4(m,CH=CH−)。GPC特徴付け(溶離液:THF,流量:1.0mL/分,標準:ポリスチレン):M=14300,PDI=1.17。
実施例5:(アルキル)アクリロイルポリカーボネートの官能化
マイケル付加反応によってなど、ペンダント(アルキル)アクリロイル基に対する付加反応によって(アルキル)アクリロイルポリカーボネートを官能化した。マイケル付加反応は窒素雰囲気下で室温でDMF中で行なった。P(CL−co−AC)8.9%の官能化を例示する。P(CL−co−AC)8.9%を、チオール含有分子(R−SH:2−メルカプトエタノール、2−メルカプトエチルアミン塩酸塩、3−メルカプトプロパン酸、またはL−システイン)で官能化した。反応は、室温で、AC/R−SH/ピリジンモル比1/10/10で、DMF中で行なった、スキーム3を参照。2〜3dの間反応を進めた。結果的に得られた官能性ポリマーを冷たいジエチルエーテル/エタノールからの析出によって単離し、室温で真空で乾燥させた。
RGDCでの修飾のため、P(CL−co−AC)8.9%、RGDC、およびピリジンを、室温でAC/RGDC/ピリジンモル比1/1/10で、DMF中で反応させた(スキーム3を参照)。7dの間反応を進めた。次に、2−メルカプトエタノール(ACユニットに対して5倍)を加えて残余のAC基と反応させた。また2dの間反応を続けた。結果的に得られたRGD官能化ポリマーを冷たいエタノールから析出によって単離し、室温で真空で乾燥させた。
官能化反応の結果、H NMRは、アクリロイル基に帰するピークの完全な消滅と、2−メルカプトエタノールおよびシステアミン部分にそれぞれ対応する新しいシグナルの発生とを明らかにし(図3Aおよび図3B)、これは、(それぞれP(CL−co−AC)(OH)8.9%およびP(CL−co−AC)(NH8.9%と表記される)2−メルカプトエタノールおよびシステアミンでの100%官能化を示す。3−メルカプトプロパン酸でのP(CL−co−AC)8.9%の官能化はアクリロイル基の30%変換を生じ、P(CL−co−AC)(COOH)2.7%を与えた(図3C)。注目すべきことに、すべての修飾された共重合体のGPC曲線は、PDIが親共重合体と同様である場合に単峰形のままであり、このことは修飾の際の最小限の分解を示す。
マイケル付加反応は穏やかな条件下での重合後の官能化を可能にした。したがって、ペプチドおよびタンパク質を含む繊細な生物活性分子はそれらのシステイン部分を通じて(アルキル)アクリロイルポリエステルを官能化してもよい。システインまたはRGDCペプチドでのP(CL−co−AC)8.9%の官能化は上述のものと同じ反応条件下で100%の官能化を示し、H NMR(図4A)によって示されるようなP(CL−co−AC)(cys)8.9%を与えた。システインでのP(CL−co−AC)6.1%の修飾も定量的官能化という結果をもたらし、P(LA−co−AC)(cys)6.1%を得た。RGDCペプチドとの反応はわずかに異なっており、ここでは、AC/RGDC/ピリジンモル比は1/1/10に設定され、7dの反応の後、2−メルカプトエタノール(ACユニットに対して5倍)を加えて残余のAC基を消費した。顕著なことに、H NMRは、RGDCが、58%RGDC官能化で(図4B)、共重合体に成功裡に結合したことを示した。残余のACユニットは2−メルカプトエタノールで完全に誘導体化され、P(CL−co−AC)(RGDC)5.2%(OH)3.7%を得た。
実施例6:バイオデバイス−組織培養システム
官能性共重合体膜の調製
顕微鏡スライド上にDMF(0.5重量%)中の官能化共重合体溶液を置くことによって薄膜を調製した。スライド上の膜をデシケータ中に18時間置くことによって乾燥させ、その後3日間真空乾燥して完全にDMFを除去した。結果的に得られた膜は均一であった。(POWEREACH Instrumentを用いた)静的接触角測定は、2−メルカプトエタノール、システアミン、システイン、およびRGDCで修飾されたP(CL−co−AC)8.9%がすべて親共重合体(図5)と比較して増大した親水性を見せたことを実証した。3−メルカプトプロパン酸で修飾されたP(CL−co−AC)8.9%の親水性の無視できる程度の変化の可能性がもっとも高いのは、その適度の官能化の度合いによるものである。同様に、増大した親水性は、システインで修飾されたP(LA−co−AC)6.1%共重合体(図5)についても観察されたものの、接触角の減少はシステインで修飾されたP(CL−co−AC)8.9%よりも低程度であった。
細胞培養研究
以上調製した官能化共重合体でコーティングした顕微鏡スライドを24ウェル組織培養プレート中に置いた。プレート全体を使用前に放射によって滅菌した。37℃の加湿5%CO雰囲気中で、5×10細胞/ウェルの密度でL929繊維芽細胞を接種した。培地は毎日交換した。3dの培養の後、媒質を除去し、顕微鏡での観察の前に細胞を新しい媒質で2回濯いだ。蛍光顕微鏡検査によって細胞核を視覚化するため、PBSで細胞を3回洗浄し、4%パラホルムアルデヒドで固定し、Hoechst 33258(KeyGEN,中国)で染色した。細胞は、倒立顕微鏡(DSカメラケーブルを装備したNikon Eclipse 80i顕微鏡)で観察した。
図6は、3日間の培養後の細胞の画像を示す。細胞核はHoechst 33258(青)で染色した。RGD修飾P(CL−co−AC)の膜は、親共重合体および組織培養プラスチックと比較してより良好な細胞接着および成長を支持したことに注目すると興味深い。重要なことに、RGD修飾共重合体膜上の細胞およびそれらの核の形態は、天然組織中の繊維芽細胞に典型的であるように思われた。さらに、P(CL−co−AC)および組織培養プラスチックの膜とは異なり、健常でない丸形の細胞は、P(CL−co−AC)(RGDC)5.2%(OH)3.7%の官能化膜については実際には存在しなかった。これらの結果は、RGDCペプチドの活性が穏やかなマイケル付加反応にわたって維持したことを示した。RGDペプチドは(たとえば組織工学用途における)細胞接着を刺激するのに広く適用されてきた。これらの(アルキル)アクリロイル環状カーボネートモノマーは、ペプチドおよびタンパク質を、多様な生物医学デバイス、ならびに医療機器、組織工学、および薬送達システムを含む用途のための合成生物分解性ポリマーにアンカー固定することによって官能化の新たな入口を提供する。

Claims (19)

  1. ポリマーを作るための方法であって、
    重合の際、式(4)
    [式中、RおよびRは各々独立して水素、メチル、またはエチルである]
    を有する環状(アルキル)アクリロイルカーボネートの開環重合によって、少なくとも1つの(アルキル)アクリロイル基がポリマー鎖中に組入れられ、
    前記ポリマーの前記少なくとも1つの(アルキル)アクリロイル基は、チオール含有官能性リガンドおよび/またはアミン含有官能性リガンドとの反応により官能化され修飾される、方法。
  2. 前記チオール含有官能性リガンドは、2−メルカプトエタノール、3−メルカプトプロパン酸、システアミン、システイン、およびアルギニン−グリシン−アスパラギン酸−システイン(RGDC)ペプチド、メルカプト糖、PEG−SHであり、
    前記アミン含有官能性リガンドは2−アミノエタノールである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記ポリマーは、前記官能化の前または後に、架橋され、および/または不飽和モノマーによってグラフト化され、
    前記架橋は、ジチオール、ジアミン、および/またはアミノチオールとの反応、光架橋、またはガンマ線照射によるものである、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記不飽和モノマーは、(メタ)アクリル酸または(メタ)アクリルエステルである、請求項3に記載の方法。
  5. 前記架橋は、1,6−ヘキサンジチオール、エチレンジアミン、または2−メルカプトエチルアミンとの反応によるものである、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記ポリマーは(アルキル)アクリロイルポリカーボネートであり、
    前記方法は、
    i.少なくとも1つの、第1のモノマーである式(4)
    [式中、R およびR は各々独立して水素、メチル、またはエチルである]
    を有する環状(アルキル)アクリロイルカーボネートを提供するステップと、
    ii.少なくとも1つの、第2のモノマーである、
    ・式(5)
    [式中、m=3〜14である]
    を有する環状C 〜C 14 アルキルエステル、
    ・式(6)
    [式中、R およびR は各々独立して水素、メチル、またはエチルである]
    を有する環状ジエステル、
    ・式(7)
    [式中、R は水素、メチル、またはエチルであり、かつ独立してR は水素、メチル、エチル、保護されていないアミノ酸残基、または保護されているアミノ酸残基である]
    を有するモルホリンジオン、
    ・式(8)
    [式中、R およびR は各々独立して水素、メチル、またはエチルである]
    を有するジオキサノン、ならびに/または
    ・式(9)
    [式中、p=3〜5である]
    を有する環状C 〜C アルキルカーボネートを提供するステップと、
    iii.前記少なくとも1つの第1のモノマーを、前記第2のモノマーとともに重合し、これにより(アルキル)アクリロイルポリカーボネートを作るステップとを含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記重合は、直線形状、分岐形状、または星形状を有する多官能性重合開始剤を用いて行なわれる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記多官能性重合開始剤は多官能性PEGである、請求項7に記載の方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法によって入手可能な官能化されたポリマー。
  10. (アルキル)アクリロイルポリカーボネートの形態、(アルキル)アクリロイルポリエステルカーボネートの形態、または(アルキル)アクリロイルポリエステルアミドカーボネートの形態を有し、
    チオール含有官能性リガンドおよび/またはアミン含有官能性リガンドによって官能化されている、請求項9に記載のポリマー。
  11. バイオデバイスを作るための方法であって、
    式(4)
    [式中、R およびR は各々独立して水素、メチル、またはエチルである]
    を有する環状(アルキル)アクリロイルカーボネートの開環重合によって、少なくとも1つの(アルキル)アクリロイル基がポリマー鎖中に組入れられるようにポリマーが重合され、前記ポリマーを用いてバイオデバイスを形成し、その後、前記ポリマーの前記少なくとも1つの(アルキル)アクリロイル基を官能化する工程、または、
    請求項9または10に記載の官能化されたポリマーを用いてバイオデバイスを形成する工程、を有する、方法。
  12. 前記バイオデバイスの前記ポリマーは架橋されている、請求項11に記載の方法。
  13. 前記バイオデバイスの表面に露出している前記ポリマーは、修飾されている、請求項11または12に記載の方法。
  14. 請求項11〜13のいずれか一項に記載の方法によって作られる、ステント、血管、または細胞区画であるバイオデバイス。
  15. 前記官能化されたポリマーは、抗体または酵素である生物学的に活性な薬剤を含むヒドロゲルに結合されている、請求項14に記載のバイオデバイス。
  16. バイオデバイスおよび/または医薬に用いられる官能化されたポリマーであって、
    請求項9または10に記載の官能化されたポリマー、または請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法によって得られるポリマーである、官能化されたポリマー。
  17. 式(5)で表される環状C 〜C 14 アルキルエステルは、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、またはω−ペンタデカラクトンである、請求項6に記載の方法。
  18. 式(6)で表される環状ジエステルがラクチドである、請求項6に記載の方法。
  19. 式(9)で表される環状C 〜C アルキルカーボネートは、トリメチレンカーボネートである、請求項6に記載の方法。
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