JP5669899B1 - 身体伸長器具 - Google Patents
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Abstract
【課題】使用者が大きな力をかけることなく身体を引き伸ばすことが可能な身体伸長器具を提供する。【解決手段】使用者が仰向けで乗った状態で使用され、使用者の身体を伸長させる身体伸長器具10において、使用者の上半身から大腿部までを乗せる寝台部11、及び寝台部11に接続され、使用者の膝下の少なくとも一部を乗せる膝下支持部12を備え、寝台部11が、基台13と、基台13の表側に、使用者の背丈方向にそれぞれ独立して摺動可能に設けられた、使用者の上半身を乗せる上半身用床部14及び使用者の大腿部を乗せる大腿部用床部15とを有し、膝下支持部12は、寝台部11との接続部位に設けられた軸部27を中心に回動可能に構成されており、大腿部用床部15と膝下支持部12とを繋ぎ、膝下支持部12の回動に伴って大腿部用床部15を摺動させる大腿部用床部摺動手段35をさらに備えている。【選択図】図2
Description
本発明は、使用者が仰向けで乗った状態で使用され、前記使用者の身体、特に腰部等を伸長させる器具に関する。
治療を目的として、また単に健康の維持や増進を目的として、背骨、腰骨等を引き伸ばすことが行われており、ぶら下がり健康器具もそのための器具の一つである。しかし、ぶら下がり健康器具は、ぶら下がり自体が筋力の弱い人にとっては難しく、引き伸ばす力を調整することができない。また、モーター等の動力を用いて引き伸ばす器具もあるが、器具が複雑になり高価となるとともに、使用の際も電力を消費する。そこで、電力等を使用することなく身体を伸長させることができる各種器具が提案されている(特許文献1、特許文献2参照)。
特許文献1の器具は、上半身が乗る台に可動式アーム等を、下半身が乗る台に小型ベルトコンベアー等を取り付け、二つの台をストッパー付きフレームとバネとで連結した構造を有する。しかし、この器具は、使用者の腕と脚の両方の力で引き伸ばす必要があるため、力の弱い人等には使用が困難である。特許文献2の器具も、レバーハンドルの操作により背骨を伸ばすことができる構造となっているが、腕の力でレバーハンドルを操作して移動させるため、同様に力の弱い人等には使用が困難である。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、使用者が大きな力をかけることなく身体を引き伸ばすことが可能な身体伸長器具を提供することを目的とする。
前記目的に沿う第1の発明に係る身体伸長器具は、使用者が仰向けで乗った状態で使用され、該使用者の上半身から大腿部までを乗せる寝台部(11)と、該寝台部(11)の後側に接続され、前記使用者の膝下の少なくとも一部を乗せる膝下支持部(12)を備え、前記使用者の身体を伸長させる身体伸長器具において、
前記寝台部(11)は、軸構造体(18)によって前基台(13a)と後基台(13b)が角度調整可能に連結された基台(13)を備え、前記前基台(13a)と前記後基台(13b)の表側に、前記使用者の背丈方向にそれぞれ独立して摺動可能に設けられた、前記使用者の上半身を乗せる上半身用床部(14)、及び前記使用者の大腿部を乗せる大腿部用床部(15)とを有し、
前記大腿部用床部(15)の前記後基台(13b)の裏面側に設けられ、後側方向に位置調整可能に突出した角パイプ(33)の端部が、前記膝下支持部(12)の基部材(26)の裏側に設けられた軸部(27)と回動可能に連結され、更に、前記大腿部用床部(15)の平板材(23)の後側と、前記基部材(26)の前記軸部(27)より前側位置にある部位はワイヤー(35)によって連結され、前記膝下支持部(12)の回動に伴って、前記軸部(27)を支点とするテコの原理により、前記大腿部用床部(15)を摺動させる。
なお、大腿部用床部には、大腿部に加えて、臀部の一部又は全部が乗っている場合もある。
前記寝台部(11)は、軸構造体(18)によって前基台(13a)と後基台(13b)が角度調整可能に連結された基台(13)を備え、前記前基台(13a)と前記後基台(13b)の表側に、前記使用者の背丈方向にそれぞれ独立して摺動可能に設けられた、前記使用者の上半身を乗せる上半身用床部(14)、及び前記使用者の大腿部を乗せる大腿部用床部(15)とを有し、
前記大腿部用床部(15)の前記後基台(13b)の裏面側に設けられ、後側方向に位置調整可能に突出した角パイプ(33)の端部が、前記膝下支持部(12)の基部材(26)の裏側に設けられた軸部(27)と回動可能に連結され、更に、前記大腿部用床部(15)の平板材(23)の後側と、前記基部材(26)の前記軸部(27)より前側位置にある部位はワイヤー(35)によって連結され、前記膝下支持部(12)の回動に伴って、前記軸部(27)を支点とするテコの原理により、前記大腿部用床部(15)を摺動させる。
なお、大腿部用床部には、大腿部に加えて、臀部の一部又は全部が乗っている場合もある。
第2の発明に係る身体伸長器具は、第1の発明に係る身体伸長器具において、前記上半身用床部を摺動させる上半身用床部摺動手段、及び前記上半身用床部の摺動を制御する摺動制御手段を備え、
前記上半身用床部摺動手段は、前記上半身用床部の裏側に配設された動滑車、第1のウェイト、及び前記動滑車を介して一端側が前記基台と他端側が前記第1のウェイトと連結しているロープを有し、前記第1のウェイトの自重により前記上半身用床部を前記使用者の頭方向に摺動させる。
前記上半身用床部摺動手段は、前記上半身用床部の裏側に配設された動滑車、第1のウェイト、及び前記動滑車を介して一端側が前記基台と他端側が前記第1のウェイトと連結しているロープを有し、前記第1のウェイトの自重により前記上半身用床部を前記使用者の頭方向に摺動させる。
なお、膝下支持部の基端側(前端側)とは、使用の際の使用者の背丈方向(足の長さ方向)において寝台部11の方(使用者の頭側、すなわち使用者の足先とは反対側)の端側をいう。基端側の反対側が先端側(後端側、使用者の足先側)となる。
第3の発明に係る身体伸長器具は、第1、第2の発明に係る身体伸長器具において、前記膝下支持部は、後端側に動滑車を介して、取外し又は重さ調整可能に吊るされて配設された第2のウェイトを有する。
第4の発明に係る身体伸長器具は、第1〜第3の発明に係る身体伸長器具において、前記膝下支持部は、前端側が前記軸部を介して前記寝台部の前記後基台と連結している前記基部材、該基部材の前端側の表側に配設されるふくらはぎ支持部材、前記基部材の後端側の表側に前記基部材と離間して配設されるすね当て部材、及び前記基部材の後端側の表側に配設され、前記すね当て部材を保持する保持部材を有する。
第1の発明に係る身体伸長器具は、膝下支持部の回動に伴って大腿部用床部を摺動させるため、腕の力と比較して大きい脚の折り曲げる力により、又は膝下支持部の自重により膝下支持部を回動させることで、大腿部用床部を使用者の足先方向に摺動させることができる。従って、第1の発明に係る身体伸長器具によれば、使用者が大きな力をかけることなく身体を引き伸ばすことができる。
また、基台が、上半身用床部が配設された頭側と大腿部用床部が配設された足側との間で角度調整可能に構成されているため、例えば上半身を起こして使用するなど、使用の状態等に応じて角度を調整することができる。
また、基台が、上半身用床部が配設された頭側と大腿部用床部が配設された足側との間で角度調整可能に構成されているため、例えば上半身を起こして使用するなど、使用の状態等に応じて角度を調整することができる。
第2の発明に係る身体伸長器具は、第1のウェイトの自重又は動滑車による作用により上半身用床部を使用者の頭方向に摺動させる構造となっているため、大腿部用床部の足先方向への摺動に加え、上半身用床部を頭方向に摺動させることができ、使用者が大きな力をかけることなくより効果的に身体を引き伸ばすことができる。
第1の発明に係る身体伸長器具は、大腿部用床部の平板材の後側と、基部材の軸部より前側位置にある部位がワイヤーによって連結されているので、製造コストを抑えることなどができる。さらには、ワイヤーの一端が膝下支持部における軸部よりも前端側の部位に接続されているため、膝下支持部をテコとしたテコの原理により、弱い力で大腿部用床部を摺動させることができる。また、膝が位置する場所より下方に軸部を設け、膝から軸部までの長さに対して、軸部から先までの長さを長くすることで、テコの原理が効果的に働く。
第3の発明に係る身体伸長器具は、膝下支持部が、後端側に配設された第2のウェイトを有するので、膝下支持部の後端側が自重により下がりやすくなる、すなわち膝下支持部が力を加えることなく回動しやすくなるため、より力を使うことなく身体を引き伸ばすことができる。また、後端側に設けた第2のウェイトの重さを変えることで、負荷を調整することができる。
第4の発明に係る身体伸長器具は、使用の際、すね当て部材を使用者がすねで持ち上げることができ、大腿部用床部の摺動の距離や引っ張る強さを調整することなどができる。
続いて、添付した図面を参照しながら本発明を具体化した実施の形態について説明する。
図1〜図4に示すように、本発明の一実施の形態に係る身体伸長器具10は、使用者(図示しない)が仰向けで乗った状態で使用されるものであり、寝台部11及び膝下支持部12を備えている。なお、図1〜図4においては、見易さのため一部記載を省略したものがある。例えば、側面図である図1の第1のウェイト42は、対応する底面図である図3においては記載を省略している。
図1〜図4に示すように、本発明の一実施の形態に係る身体伸長器具10は、使用者(図示しない)が仰向けで乗った状態で使用されるものであり、寝台部11及び膝下支持部12を備えている。なお、図1〜図4においては、見易さのため一部記載を省略したものがある。例えば、側面図である図1の第1のウェイト42は、対応する底面図である図3においては記載を省略している。
寝台部11は、使用者の上半身から大腿部までを乗せる台であり、図1における左側が頭を乗せる側となる。寝台部11は、基台13、上半身用床部14及び大腿部用床部15を有する。
基台13は、鉄等の金属製であってもよいし、その他プラスチック製等であってもよい。基台13は、前脚部16及び後脚部17を有している。前脚部16及び後脚部17はそれぞれ長さ調節可能に構成されている。基台13は、軸構造体18により、所定角度範囲内で頭側と足側との間で屈曲(角度調整)可能に構成されている。この角度調整は、ねじ構造を有する角度調整手段19により行うことができる。この角度調整においては、併せて前脚部16や後脚部17の長さ調節が行われてもよい。
上半身用床部14は、基台13の頭側の表側に設けられており、使用者の上半身(頭から背中あたりまで)を直接乗せる部分となる。上半身用床部14は、略水平に配置されているが、傾斜させて使用してもよい。上半身用床部14は、平板材20と、平板材20の表面に重ねて設けられた滑り止め材21とを有している。平板材20の裏面側と、寝台部11の基台13の表側との間には、スライドレール22が設けられている。このスライドレール22により、上半身用床部14は、使用者の背丈方向(図1等における左右方向)に摺動可能となっている。平板材20の材質としては、木材、合成樹脂、金属等得に限定されない。滑り止め材21は、略平板状であるが、足側が隆起した構造となっている。この隆起は使用者の背骨に沿った形状としたものであり、このような形状とすることにより、上半身用床部14を頭側に摺動させた際に、使用者の上半身が滑ることなく引き伸ばされやすくなる。滑り止め材21としては、特に限定されないがクッション性を有しているものを好適に用いることができる。具体的には、例えばスポンジ、織布、不織布などを用いることができ、スポンジが好ましい。また、滑り止め材の材質としては、特に限定されないが、防滑性に優れるゴムが好ましく、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエンゴム)がより好ましい。
大腿部用床部15は、基台13の足側の表面に設けられており、使用者の大腿部を直接乗せる部分となる。大腿部用床部15は、足先側が高くなるように傾斜して配置されているが、例えば水平等にして使用することもできる。なお、使用の際は、通常、使用者の臀部も大腿部用床部15に乗ることとなる。大腿部用床部15は、平板材23と、平板材23の表面に重ねて設けられた滑り止め材24とを有している。平板材23の裏面側と、寝台部11の基台13の表側との間には、スライドレール25が設けられている。このスライドレール25により、大腿部用床部15は、使用者の背丈方向に摺動可能となっている。なお、このような構造となっているため、上半身用床部14と大腿部用床部15とは独立して背丈方向にそれぞれ摺動可能である。平板材23及び滑り止め材24の材質は、それぞれ平板材20及び滑り止め材21と同様である。滑り止め材24は平板状である。
膝下支持部12は、寝台部11の足先側に接続され、使用者の膝下の少なくとも一部を乗せる部分である。膝下支持部12は、寝台部11との接続部位に設けられた軸部27を中心に、使用者の膝下の運動にあわせて回動可能に構成されている。膝下支持部12は、具体的には、基部材26、軸部27、ふくらはぎ支持部材28、すね当て部材29、保持部材30、第2のウェイト31を有している。
基部材26は、右足と左足とを別々に動かせるように、平面視にて左右2つに分割されている。なお、基部材は、左右(左足用及び右足用)が一体となっていてもよい。また、基部材26の材質としては、木材、その他プラスチック等であってもよい。軸部27は、基部材26の基端側の裏側に設けられており、基部材26は軸部27を介して寝台部11の基台13と連結している。具体的には、図2、図4に示されるように、基台13の裏面に設けられた角パイプ32に、軸部27と連結する角パイプ33が差し込まれている。ねじ34の操作により、体の大きさによって、膝下支持部12の位置調整(角パイプ33の差し込み長さの調整)が可能に構成されている。
ふくらはぎ支持部材28は、分割されたそれぞれの基部材26の基端側(寝台部11側)の表面側に、右足用及び左足用としてそれぞれ配設されている。ふくらはぎ支持部材28は弾性部材47(例えばスプリング)を介して、高さ方向にクッション性を有するように設けられている。ふくらはぎ支持部材28の表面は、使用者のふくらはぎの形状にあわせて湾曲した形状となっている。
すね当て部材29は、分割されたそれぞれの基部材26の先端側の表側に、基部材26と離間して、右足用及び左足用としてそれぞれ配設されている。すね当て部材29は、スポンジ等によりクッション性を有する円柱状に形成されており、使用の際の違和感を低減させている。また、すね当て部材29は、使用者の足の長さや好みに応じて背丈方向(使用者の足の長さ方向:図2における矢印方向)に位置調整可能に設けられている。これにより、背丈方向に動かせば、テコの原理で大腿部用床部15を連動させる力を変えることもできる。保持部材30は、分割されたそれぞれの基部材26の先端側の表側に配設され、すね当て部材29を保持している。
ウェイト31は、基部材26の先端側から動滑車52を介して吊るされるように設けられている。ウェイト31は取り外し、又は重さ調整可能に設けられている。動滑車52は、左右の基部材26のそれぞれに連結しているため、基部材26の左右をバラバラに動かしても、均等に力がかかる。なお、膝下支持部12は、固定して配設されたストッパー36又はストッパー36に回動可能に取り付けられた支持棒材53により、ストッパー36の位置より下方に回動しないようになっている。一方、膝下支持部12は、基部材26が略平行になる程度まで上方に回動させる(先端側を上げる)ことができる。
身体伸長器具10は、大腿部用床部15を背丈方向に摺動させる大腿部用床部摺動手段の一例であるワイヤー35を備えている。ワイヤー35の一端は、大腿部用床部15の先端部の裏面に繋がれている。ワイヤー35の他端は、膝下支持部12の基部材26における軸部27の配設部位よりもさらに基端側の部位に繋がれている。すなわち、ワイヤー35により、大腿部用床部15と膝下支持部12は連結されている。このため、膝下支持部12の先端側が下方向に移動するように軸部27を中心に回動した場合、ワイヤー35により大腿部用床部15が引っ張られ、大腿部用床部15は足先方向に摺動する。この際、膝下支持部12は、軸部27を支点、先端側を力点、基端側のワイヤー35との接続箇所を作用点とするテコを構成しており、この時使用者の下半身自体もふくらはぎ支持部材28との接点部分が支点、膝関節自体が力点、作用点となり、大腿部自体が足先へ引っ張られることで、効率的に大腿部用床部15が摺動される。また、左右のワイヤー接続箇所55は中心に孔があいており、ワイヤー35はその孔に通され、かつ抜けないようにロックされているため、ワイヤー35が移動する範囲で左右の膝下支持部12を上下に自由に回動させることが可能になっている。
身体伸長器具10は、上半身用床部14を摺動させる上半身用床部摺動手段37、及び上半身用床部14の摺動を制御する摺動制御手段38を備えている。
上半身用床部摺動手段37は、動滑車39、定滑車40、ロープ41及びウェイト42を有している。動滑車39は二車であり、上半身用床部14の裏面の幅方向において略中央かつ背丈方向において中央よりやや足先側に固定されている。定滑車40は二車であり、寝台部11の基台13の幅方向において略中央かつ背丈方向において中央より頭側に固定されている。ロープ41は、一端側41aが基台13と連結し、動滑車39及び定滑車40を介して他端側41bがウェイト42と連結している。ロープ41の一端側41aの基台13との連結箇所は、幅方向において略中央かつ背丈方向において頭側としている。ウェイト42は、定滑車40の配設箇所の下方に吊り下げられている。ウェイト42は、重量変更可能に構成されている。なお、ウェイト42は、フレーム48に囲まれた状態で配置されている。
上記構成の上半身用床部摺動手段37によれば、ウェイト42の自重により、上半身用床部14を使用者の頭方向に摺動させることができる。なお、このように二車の動滑車39及び定滑車40を用いているため、ウェイト42の重量の4倍の力で上半身用床部14を摺動させることができる。なお、上半身用床部摺動手段が有する動滑車及び定滑車の数はこの実施例に限定されず、例えば複数の動滑車を配置させてもよい。
摺動制御手段38は、上半身用床部14の裏面に背丈方向に配設されたチェーンラック43、チェーンラック43と対になり、基台13に回転可能に固定されたスプロケット(円形歯車)44、スプロケット44の回転のロック及びその解除を行うレバーハンドル45を有している。レバーハンドル45は、スプリング51により保持(固定)されている。レバーハンドル45の操作によりスプロケット44のロックを解除すると、ウェイト42の重さにより上半身用床部14は頭側に摺動する。なお、チェーンラック43とスプロケット44との代わりに、ラックとピニオンとを用いてもよい。また、摺動制御手段38は、上半身用床部14が複数箇所で止まるように構成することもできる。身体伸長器具10には、一端側が基台13に接続され、他端側が一端側の接続箇所よりも頭側の上半身用床部14に接続された左右一対のスプリング46が設けられている。スプリング46の各他端は、上半身用床部14の裏側に設けられた係止部49に連結されている。このスプリング46により、レバーハンドル45の操作によりロックを解除した際に上半身用床部14が勢いよく頭側に移動しすぎることを防ぐことができる。また、基台13にはストッパー50が設けられている。上半身用床部14が頭側に移動したとき、上半身用床部14の係止部49がストッパー50にあたり、上半身用床部14が止まる。これにより、ロープ41の緩みをとめることができる。
次に、身体伸長器具10の使用方法について説明する。使用者は、図1における左側を頭側、右側を足側として寝台部11に仰向けに寝る。この際、使用者の臀部は大腿部用床部15における上半身用床部14側に位置するように寝ることとなる。また、使用者の膝下は膝下支持部12に乗せることとなり、ふくらはぎをふくらはぎ支持部材28に乗せ、すね(使用者の背丈等に応じて足首又は足の甲)をすね当て部材29の下に通すこととなる。なお、使用にあたっては、ウェイト42が吊り上げられた状態で上半身用床部14はロックされる。また、使用者は、例えば膝下支持部12の先端側を足でやや持ち上げるようにして仰向けに寝ることで、大腿部用床部15の摺動が効果的に行われる。
次いで、使用者が仰向けで乗った状態で、ウェイト31の重さ、ふくらはぎ支持部材28より先端の膝下支持部12の自重及びふくらはぎ支持部材28以下の身体の自重により、膝下支持部12が、その先端側が下がる方向に回動する。この回動に伴って、ワイヤー35が大腿部用床部15を足先方向に引っ張り、また、膝関節自体も足先方向に引っ張られ、大腿部用床部15を摺動させる。一方、レバーハンドル45を操作して、ロックを解除することでウェイト42の落下により上半身用床部14が頭方向に引っ張られ、摺動される。レバーハンドル45の操作によりロックを解除し、頭方向に引く力と、足先方向に引く力のバランスが取れたら、頭方向及び足先方向にも動かないので、レバーハンドル45を動かし中立させる。もし、バランスがとれない場合は、例えば寝台部11側のウェイト42と膝下支持部12側のウェイト31とで調整を行う。このような状態においては、使用者の頭方向及び足先方向双方に引っ張られた状態であるため、腰部を中心として身体が引き伸ばされる。なお、支持棒材53を起こして、膝下支持部12をロックして、上半身用床部14を動かして伸長することも可能である。このとき、膝下支持部12の裏側に設けられたストッパー54に、支持棒材53が引っかかって固定される。
本発明は前記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲でその構成を変更することもできる。例えば、上半身用床部は、固定されていてもよいし、滑車を使用しない他の構造で摺動させてもよい。また、寝台部は角度調整ができないような構造であってもよい。その他、寝台部等の左右に手すりが設けられていてもよい。さらに、支持棒材で膝下支持部を固定して、上半身用床部のみを作動させて使用させてもよい。
10:身体伸長器具、11:寝台部、12:膝下支持部、13:基台、14:上半身用床部、15:大腿部用床部、16:前脚部、17:後脚部、18:軸構造体、19:角度調整手段、20:平板材、21:滑り止め材、22:スライドレール、23:平板材、24:滑り止め材、25:スライドレール、26:基部材、27:軸部、28:ふくらはぎ支持部材、29:すね当て部材、30:保持部材、31:ウェイト、32、33:角パイプ、34:ねじ、35:大腿部用床部摺動手段(ワイヤー)、36:ストッパー、37:上半身用床部摺動手段、38:摺動制御手段、39:動滑車、40:定滑車、41:ロープ、41a:一端側、41b:他端側、42:ウェイト、43:チェーンラック、44:スプロケット、45:レバーハンドル、46:スプリング、47:弾性部材、48:フレーム、49:係止部、50:ストッパー、51:スプリング、52:動滑車、53:支持棒材、54:ストッパー、55:ワイヤー接続箇所
Claims (4)
- 使用者が仰向けで乗った状態で使用され、該使用者の上半身から大腿部までを乗せる寝台部(11)と、該寝台部(11)の後側に接続され、前記使用者の膝下の少なくとも一部を乗せる膝下支持部(12)を備え、前記使用者の身体を伸長させる身体伸長器具において、
前記寝台部(11)は、軸構造体(18)によって前基台(13a)と後基台(13b)が角度調整可能に連結された基台(13)を備え、前記前基台(13a)と前記後基台(13b)の表側に、前記使用者の背丈方向にそれぞれ独立して摺動可能に設けられた、前記使用者の上半身を乗せる上半身用床部(14)、及び前記使用者の大腿部を乗せる大腿部用床部(15)とを有し、
前記大腿部用床部(15)の前記後基台(13b)の裏面側に設けられ、後側方向に位置調整可能に突出した角パイプ(33)の端部が、前記膝下支持部(12)の基部材(26)の裏側に設けられた軸部(27)と回動可能に連結され、更に、前記大腿部用床部(15)の平板材(23)の後側と、前記基部材(26)の前記軸部(27)より前側位置にある部位はワイヤー(35)によって連結され、前記膝下支持部(12)の回動に伴って、前記軸部(27)を支点とするテコの原理により、前記大腿部用床部(15)を摺動させることを特徴とする身体伸長器具。 - 請求項1記載の身体伸長器具において、前記上半身用床部(14)を摺動させる上半身用床部摺動手段(37)、及び前記上半身用床部(14)の摺動を制御する摺動制御手段(38)を備え、
前記上半身用床部摺動手段(37)は、前記上半身用床部(14)の裏側に配設された動滑車(39)、第1のウェイト(42)、及び前記動滑車(39)を介して一端側が前記基台(13)と他端側が前記第1のウェイト(42)と連結しているロープ(41)を有し、前記第1のウェイト(42)の自重により前記上半身用床部(14)を前記使用者の頭方向に摺動させることを特徴とする身体伸長器具。 - 請求項1又は2記載の身体伸長器具において、前記膝下支持部(12)は、後端側に動滑車(52)を介して、取外し又は重さ調整可能に吊るされて配設された第2のウェイト(31)を有することを特徴とする身体伸長器具。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の身体伸長器具において、前記膝下支持部(12)は、前端側が前記軸部(27)を介して前記寝台部(11)の前記後基台(13b)と連結している前記基部材(26)、該基部材(26)の前端側の表側に配設されるふくらはぎ支持部材(28)、前記基部材(26)の後端側の表側に前記基部材(26)と離間して配設されるすね当て部材(29)、及び前記基部材(26)の後端側の表側に配設され、前記すね当て部材(29)を保持する保持部材(30)を有することを特徴とする身体伸長器具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2013171460A JP5669899B1 (ja) | 2013-08-21 | 2013-08-21 | 身体伸長器具 |
Applications Claiming Priority (1)
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Patent Citations (6)
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