JP5669769B2 - ガスタービンのシール装置 - Google Patents

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Description

本発明は、圧縮空気を燃料と共に燃焼して得た燃焼ガスのエネルギーによって回転動力を得るガスタービン設備に係り、特に、空気を冷却媒体とするタービン冷却翼の冷却空気のリーク流量を低減して、熱効率の向上を意図するガスタービンの性能低下を抑止するのに好適なガスタービンのシール装置に関するものである。
ガスタービンおいては、熱効率の向上を目的として作動ガスの高温化が図られているが、特に、作動ガス中に配列されているタービン静・動翼が高温に耐えられるように、冷却翼内部に冷却媒体を供給している。一般に採用されている、この種のガスタービンは、空気冷却によるオープン冷却方式である。即ち、圧縮機から抽気した空気を冷却空気として用い、例えば、静翼では、この空気をタービンケーシングに設けた供給口からケーシング内部外端側キャビティを径由して、翼内部に供給して冷却するようにしている。そして、翼内部を冷却した後の空気は、翼外表面に設けたフィルム冷却孔や翼の後縁冷却孔等から、ガスパス中に排出している。また、供給された冷却空気の一部を、タービンホィールスペースのシール空気として分岐するが、この空気も主流ガスのイングレス抑制用としてガスパス中に排出されることになる。
ところで、動翼シュラウドや静翼とエンドウォール等から成る静翼体は、セグメント構造として周方向に複数枚が環状配置されるが、セグメント部材の熱伸びを考慮して、各セグメント間には、周方向に間隙を有する。この間隙は、定格点においても、熱応力の発生防止の観点から、接触しないように設計される。つまり、静翼の冷却用空気として導入されるケーシング内部外端側キャビティとガスパスは、この間隙流路によって、半径方向に連通することになる。即ち、冷却空気の一部が、このセグメント間の間隙を直通して、ガスパス中に漏洩する。所謂、リークである。同様に、静翼のダイアフラムもセグメントとして環状に構成されるが、シール空気の一部がリークすることになる。これらのリークは、それ自体が損失であると共に、ガスパスの作動ガス中へ混入することから、比較的、低温であるリーク空気の希釈による作動ガスの温度低下や、混合損失によるタービンの出力低下を起こすことになり、ガスタービンの効率向上策の一つである高温化のメリットが十分に発揮できない嫌いがある。
この改善策として、一般的には、周方向に隣接するセグメントの両側対向面にシール溝を形成し、そのシール溝間に平板状シールプレートを装着して、リーク空気を抑制する方法が採られている。但し、この種のシールプレートは、近年の大型化、高温化に伴うセグメントの半径方向の熱伸び偏差によって生じるシール溝の半径方向のずれ(オフセットと呼称)に対応できない。このため、長手方向断面形状が、シール溝との両接触部分を円弧状に形成し、円弧間となるプレート中央部を薄く製作したシールプレートが開発されている。その代表例が、ドッグボーン型シールプレートであり、シールプレート外端部を楕円状に形成している(例えば、特許文献1参照)。これによって、セグメントの半径方向の熱伸び偏差によって、シール溝にオフセットが生じても、溝面で必ず接触点が確保できると共に、プレート中央部が薄肉化されているため、この部分がシール溝のエッジ部と接触干渉することはない。但し、オフセット対策とのトレードオフによって、平板状シールプレートでは面接触していたものが線接触になってしまうため、シール性能低下が避けられない。そこで、弾性体である波状バネ部材を用いた変形版のドッグボーン型シールプレートによって、線接触部の面圧を上げ、シール性能を向上させる案(例えば、特許文献2参照)等が示されている。
US5158430 WO2007/023734
このように、熱伸びによるオフセットへの対応、シール溝における接触性向上、シール装置交差部における端部のシール性向上はトレードオフの関係にあり、これら全てに対処するのは困難であった。
本発明の目的は、セグメント部材のオフセットへの対応と高いシール性能とを両立するシール装置を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明のシール装置は、第一の平面と、前記第一の平面に平行であり、前記第一の平面よりも厚み方向で外側かつ前記第一の平面の幅方向両側に位置する第二の平面と、前記第一及び第二の平面の厚み方向で逆面に、幅方向に複数の凸面とを有する第一の部材と、一面が前記第一の平面に接し、別の面が前記第二の平面よりも厚み方向で外側に位置する第二の部材とを有し、前記第一の平面と前記第二の平面とが、長手方向に延びる段差を形成し、前記段差に、前記第一の部材よりも軟質である前記第二の部材が装着され、前記第一の部材および前記第二の部材が装着されるシール溝の高さをHs、前記第一の部材の厚みをHp、前記シール溝に装着する前において前記第二の部材が前記第一の部材に装着された状態の前記第一の部材と前記第二の部材との厚みをHgとしたとき、Hg>Hs>Hpの関係が成り立つことを特徴とする
本発明によれば、セグメント部材のオフセットへの対応と高いシール性能とを両立するシール装置を提供できる。
本実施例のガスタービンの構成を示す概念図である。 本実施例を適用するタービン部の断面図である。 本実施例によるシールプレートの配置を示す概念図である。 本実施例によるシールプレートの装着を示す静翼体の概念図である。 本実施例によるシールプレートの装着を示す組立て時の断面図である。 本実施例によるシールプレートを示す組立て時の断面図である。 本実施例によるシールプレートの隣接した状態を示す組立て時の概念図である。 本実施例によるシールプレートの隣接した状態を示す組立て時の概念矢視図である。 本実施例によるシールプレートの装着を示すガスタービン運転時の断面図である。 本実施例によるシールプレートの隣接した状態を示すガスタービン運転時の概念矢視図である。
ガスタービンを目的に沿って、効率的に実現するために、冷却空気の供給経路等にシール装置を設けることは、リーク流量低減から有効な手段である。即ち、その一環であるセグメント間に装着するシールプレートは、その開発目的から、間隙間の冷却・シール空気のリークを、未然に抑制するものである。しかし、トレードオフ設計によって、プレート形状を、高温化に伴う半径方向の熱伸び偏差であるオフセットに対応させた結果、ドッグボーン型シールプレートでは、シール溝におけるシールプレートの接触状態は、従来の面接触から線接触になり、当然、平板状シールプレートに比べて、リーク流量の増加が予想される。
また、プレートをシール溝に装着する場合、シール溝高さとプレートの最大厚みの関係は、厚みの方が小さいことが必須であり、これはシール溝の高さ方向に2箇所あるシール面に対して、1箇所でのみしか接触しないことを意味する。ところで、一般的に、シ−ルプレートは、単独に配置されるものではなく、複数枚のシールプレートを用いて、高圧側と低圧側を遮断するように配置される。この課題を緩和するために、弾性体である波状バネ部材で構成されるシールプレートは、オフセットの発生によって、線接触部での面圧が上昇する利点があるが、複数枚配置に対しては、プレート長手方向端と波状バネ部材の間でリーク流路が生じる結果、総合的には、リークの抑制効果が低減することがある。このように、シールプレートの開発には、プレート自体のリーク流量の低減と熱伸び偏差の吸収、さらには、複数枚配置に対する端面リーク等の課題が含まれている。
以下説明する実施例によれば、シールプレートは、シール溝の長手方向断面基準で、シール溝の低圧側に円弧状点で接触させ、その反対面を円弧状接触点を結ぶ直線に平行となる平行面を形成し、この平行面を、直に、シール溝の高圧側面に対面させるとともに、平行面の中央部に長手方向に延びる矩形状段差を設けて、弾性体シートを固着する構成にすることにより、いかなるガスタービンの運転時においても、プレートとシール溝面の接触状態を面、或は線接触、さらに、従来よりも接触シール面積を増加させるとともに、直交して隣接するシールプレートとの組合せ配置とするシールプレート間の接触シール面を形成して、リーク流量を低減できることから、高いガスタービン性能を達成できる。さらに、セグメントの熱伸び偏差に起因するオフセットに対しても、容易に吸収可能であり、プレート変形やセグメント部材に掛かる力の発生を防止できることから、高い信頼性を図れ、その本来の目的に沿った効率の高いガスタービン装置を得るという優れた実用的効果をもたらす。
〔実施例〕
以下、本発明の第1の実施例を図1から図10により説明する。各図において、同一番号は、同一の機器、或いは、部材、機能を表す。
図1を用いて、作動ガスと冷却空気の流れからガスタービン1の全体構成を説明する。図1は、本実施例のガスタービンの構成を示す概念図である。ガスタービン1は、主として多段のタービン4と、このタービンに軸連結され、燃焼用の圧縮空気を得る圧縮機2、圧縮空気を高温高圧ガスに変換する燃焼器3、及び、発電機5を備えている。圧縮機2から抽気した冷却空気は、第2段静翼を冷却するための静翼低圧冷却空気経路6a、第1段静翼を冷却するための静翼高圧冷却空気経路6b、また第1、2段動翼を冷却するための動翼冷却空気経路7を経て、各々のタービン被冷却部に供給される。このとき、抽気空気圧力は、各翼でのガスパス圧力に応じた値から選定しており、静翼高圧冷却空気経路6b、動翼冷却空気経路7には、圧縮機2の最終段からの抽気空気、静翼低圧冷却空気経路6aには、圧縮機2の中圧段からの抽気空気を導入する。被冷却部を冷却して熱交換した各冷却空気は、図示しない翼のフィルム冷却、或いは、翼後縁からの噴出し等として、タービン4のガスパス中に排出され、作動ガスと混合して、最終的には排気ガスとして大気に放出される。
図2は、本実施例であるタービン部の部分断面図であり、タービン4の2段目までの第1段静翼10、第2段静翼12a、第1段動翼11、及び、第2段動翼13を表す。各冷却空気経路6a、6b、及び7は、それぞれの被冷却部である翼に連通するが、ここでは、本実施例のシール装置を明確にするため、第2段静翼12aまわりを対象として説明する。
静翼低圧冷却空気経路6aを径由して、ケーシング14に設けた導入孔(図示せず)を介して供給された冷却空気は、ケーシング14の外端側内部にある第2段静翼供給キャビティ8を経て、周方向に環状に配置された第2段静翼体21aに供給される。この第2段静翼体セグメント21aは、主として、外径側エンドウォール22a、第2段静翼12a、及び、内径側エンドウォール23aから成る。冷却空気は、第2段静翼体21aの図示しない冷却パスを通過するときに熱交換を行い、各エンドウォール22a、23a、第2段静翼12aを冷却するとともに、温度上昇して、ガスパス9に排出される。
一方、第2段静翼供給キャビティ8に供給された空気の一部は、第2段静翼体セグメント21aと、第2段静翼体セグメント21aに装着されるダイアフラム16aとの間で形成されるダイアフラムキャビティ15を経て、第1段ホィール19a、スペーサー18及びダイアフラム16aで形成される第1段動翼後側ホィールスペース17aに供給された後、一部が、第1段動翼11と第2段静翼12a間のガスパスへシール空気として流れ、一部が、ダイアフラム15とスペーサー18の間で協働するシールフィン29によって流量を絞られた後、第2段ホィール19b、スペーサー18及びダイアフラム16aで形成される第2段動翼前側ホィールスペース17bに分配され、第2段静翼12aと第2段動翼13間のガスパス9中へシール空気として流れることになる。
図3は、本実施例によるシールプレートの配置を示す概念図であり、周方向に複数個配置される第2段静翼体セグメントの一つである第2段静翼12aを含む第2段静翼体セグメント21aとダイアフラム16aを示したものである。第2段静翼体セグメント21aの外径側エンドウォール22aには、シール溝30、31a、及びシール溝32、内径側エンドウォール23aには、シール溝33、34、及びシール溝35が、設けられている。また、ダイアフラム16aには、シール溝36、37、38、39、40、41、及びシール溝42が設けられている。
ところで、第2段静翼体セグメント21aは、周方向に複数個を配置するものであり、互いのセグメント間には間隙を有する。従って、第2段静翼供給キャビティ8とガスパス9は連通しており、概念的には、図中に示す第2段静翼供給キャビティ8からガスパス9へ向かう矢印方向のリーク流路が発生することになる。シール溝30、31a、32は、この高圧側である第2段静翼供給キャビティ8と、低圧側であるガスパス9を遮断する形で配置している。同様に、内径側エンドウォール23aやダイアフラム16aのセグメント間にもリーク流路が存在することになる。以下、本実施例を明確に説明するため、シール溝31aとシール溝30に着目してシール装置の詳細を説明する。
図4は、本実施例のシールプレートの装着を示す静翼体の概念図であり、第2段静翼体セグメント21aと隣接する第2段静翼体セグメント21bを半径方向外側から眺めた投影図である。前述したとおり、第2段静翼体セグメントは、複数個のセグメントとして環状に配置されたものであり、代表的に二つの第2段静翼体セグメント21a、21bを示したものである。第2段静翼体セグメント21a、21bの間は、周方向間隙σc_coldをもたせて、組立てられている。第2段静翼体セグメント21aの外径側エンドォール22aに隣接対向して、第2段静翼体セグメント21bの外径側エンドォール22bがあり、それぞれの半径方向に対向した位置に、シール溝31aと、31bが形成される。この両者のシール溝を跨ぐことによって、周方向間隙σc_coldを塞ぐように、シールプレート50が装着されている。これによって、前記の第2段静翼供給キャビティ8からガスパス9にかけてのリーク経路が、半径方向に遮断されることになる。
ここで、用語の定義をしておく。シール溝31aと、シール溝31bを塞ぐように装着されるシールプレート50を例にして、作動ガスの流入する側(図面上、左側)に、上流側終端面24を有し、逆に、作動ガスの排出される側(図面上、右側)に下流側終端面25を持つが、この上流側終端面24と下流側終端面25を結ぶ方向、即ち、プレートの両端面を結ぶ方向を、シール溝の長手方向と呼ぶ。例えば、これに倣って、図3に示したシール溝30の長手方向は、図3上で斜め上下方向である。
図5は、本実施例のシールプレートの装着を示す組立て時の断面図であり、シールプレート50の組立て時の長手方向の断面を示している。シール溝31a、31bは、高圧側となる第2段静翼供給キャビティ8側に、第1のシール溝面66a、66b、低圧側となるガスパス9側に、第2のシール溝面67a、67bのシール面をもつとともに、第1のシール溝面66aは、第1のシール溝面エッヂ69a、第2のシール溝面66bは、第2のシール溝面エッヂ69bを有している。
この両者のシール溝面の面間距離をシール溝高さとしてHsとする。シールプレート50は、第2のシール溝面67a、67bにそれぞれ独立して接触する円弧形状60a、60bを有しており、円弧は、円弧線途上部でシールプレート50の中央側に、互いに接続されるとともに、円弧形状60a、60bは、第2のシール溝面67a、67bとの間に接触点61a、61bをもつ。
図6は、本実施例のシールプレートを示す組立て時の断面図であって、図5で示した断面図の内、シールプレート50のみを抜き出して描いたものであり、シール溝に装着する前の組立て時の状態である。シールプレート50は、接触点61aと接触点61bを結ぶ直線62に平行となる平行面63を第1のシール溝面66a、66b側に形成しており、図5に示したとおり、直に、シール溝面66a、66bに対面している。また、平行面63の中央部には、矩形状段差57が設けられる。この矩形状段差57は、シールプレート50の長手方向全長にわたって延びるとともに、弾性体シート51が固着される。
このとき、直線62と平行面63までの厚みHp、直線62と弾性体シート51の第1のシール溝面66a、66b側となる高圧側面64までの厚みHgとの間には、Hg>Hpの関係があり、更には、前述したHsとの間で、Hg>Hsなる関係があり、三者間は、Hg>Hs>Hpとなる。従って、これらの関係から、図5に示すように、高圧側面64と第1のシール溝面66a、66bの間で、接触面65c、65dが形成される。また、高圧側面64の面端部68a、68bは円弧状の面取りが施されている。
図7は、本実施例のシールプレートの隣接した状態を示す組立て時の概念図であり、シール溝31a、31bに跨るように装着したシールプレート50と、隣接するシール溝30に装着されたシールプレート55を示したものである。ここでは、説明を容易にするため、直交して隣接するものとして描写している。
図8は、本実施例のシールプレートの隣接した状態を示す組立て時の概念矢視図である。図7に示した矢印70方向の矢視図が図8である。シールプレート50の上流側終端面24は、隣接するシールプレート55に固着された弾性体シート56の高圧側面64cとの間に間隙σp_coldを有した状態でそれぞれのシール溝に組込まれることになる。
このように構成された本実施例において、複数の第2段静翼体セグメントは、環状にスライドさせながら1リング状に組込むことになる。シールプレート50の弾性体シート51は、組立て時においてHg>Hsの関係から、その形状を変形させながら、シール溝31a、31bに装着されることになるが、第1のシール溝面66a、66bに接触面65c、65d、第2のシール溝面67a、67bに接触点61a、61bが形成されるとともに、変形に伴う弾性体シート51の復元力により、それぞれの接触面65c、65d、接触点61a、61bでの面圧が上昇しており、シール性を向上させることになる。また、この装着に関しては、面端部68a、68bを面取りしているため、Hg>Hsの関係においても、比較的、スムーズに完了することが可能である。
ガスタービン1の運転とともに圧縮機2と燃焼器3で発生する高温高圧の作動ガスは、圧力が約1.6MPa、温度が1300℃程度で、タービン内部の第1段静翼10aの入口に流入する。以下、第1段動翼10bをはじめとする各動翼段で、流体エネルギーをタービンの回転エネルギーに変化させながら、圧力、温度を低下させ、約600℃で最終段動翼を流出後、排気される。この時、ガスタービン1に直結した発電機5が回転して電力を得る。
タービン翼は、高温のガスに晒されるため、圧縮機2で得られる高圧空気の一部を抽気して冷却空気として用いる。この冷却空気は、静翼と動翼へ区分され、さらに静翼も適正圧力からの抽気となり、セグメントのひとつである第2段静翼12aへは、静翼低圧冷却空気経路6aに含まれる第2段静翼キャビティ8を経由して、第2段静翼体セグメント21に導入される。このとき、第2段静翼供給キャビティ8から低圧側であるガスパス9へ流れ込むリーク流路が形成されるが、組立て時点において、面圧の上昇したシールプレート50でのリーク流量は低減される。
更に、作動ガスや冷却空気を加熱源として、各ガスタービン部材は温度上昇する。その一つとして、第2段静翼体セグメント21a、21bには熱伸びが生じるが、周方向には、組立て時のセグメント間隙σc_coldが、σc_hotまで狭まる。しかし、この間隙σc_hotは、ガスタービンの定格点運転においても接触しないように設計されているため零になることはない。このとき、この第2段静翼体セグメント21a、21bの動きに連動して、外径側エンドウォール22a、22b、さらには、シール溝31a、31bも、図の間隙方向に向かって移動するが、シールプレート50は、接触面65c、65d、接触点61a、61bでの滑りによって、シール溝31a、31bの変位を吸収する。
図9は、本実施例であるシールプレートの装着を示すガスタービン運転時の断面図であり、ガスタービン運転時のシールプレート50の長手方向の断面図が示されている。第2段静翼体セグメント21a、21bは、軸方向の変位とともに、熱流動上の熱偏差に伴う半径方向の熱伸び偏差や、作動流体力と部材の製作公差によるσrの半径方向偏差が生じ、シール溝にオフセットが生じる。このオフセットによって、シールプレート50は、図では左廻り方向に回転するため、組立て時の接触点61a、61bから接触点65a、65bに接触点が移動することになるが、接触点自体は維持された状態にある。一方、第1のシール溝面66aの第1のシール溝面エッヂ69aは、弾性体シート51と干渉することになり、弾性体シート51を図面上で下側に押込むような力を発生する。しかし、この押込み力の一部は、弾性体シート51が吸収することになり、第1のシール溝面エッヂ69aへ過剰な荷重がかかることを抑制できる。また、吸収しきれない力の作用で、接触面65cの接触面圧が上昇することになるが、左回転廻り下方への押込み力は、接触面65dへ上方への力へと、また、接触点61a、61bに対しても、図面下側方向へ作用することになり、これらの面圧も上昇して、リーク流量を減少させることになる。
次に、シールプレート50の上流側終端面24と隣接するシールプレート55の関係を説明する。図10は、本実施例のシールプレートの隣接した状態を示すガスタービン運転時の概念矢視図であり、ガスタービン運転時の互いに隣接するシールプレートを示す。運転に伴う熱伸びは、軸方向にも発生する。このとき、間隙σp_coldは、外径側エンドォール22a、22bと、シールプレート50の熱膨張差からσp_hotまで縮小することになるが、上流側終端面24は、シールプレート55の弾性体シート55を押付ける結果、この上流側終端面24と隣接するシールプレート55との間に形成されていたリーク流路を塞ぎ、リーク流量を確実に低減できる。これは、シールプレート55の高圧面側に平行面を有しているからであり、例えば、特許文献1のようなドッグボーン形状では、間隙がσp_hotまで縮小されたとしても、トレードオフによるドッグボーン固有の形状から発生する空隙を埋めることはできない。
以上に説明したセグメント間に装着したガスタービンのシール装置において、シール溝の長手方向断面基準で、シール溝の低圧側面に円弧状点で接触させ、その反対面を円弧状接触点を結ぶ直線に平行となる平行面を形成し、この平行面を、直に、シール溝の高圧側面に対面させるとともに、平行面の中央部に長手方向に延びる矩形状段差を設けて、弾性体シートを固着する構成にすることにより、オフセットに対応したリーク流量低減は勿論のこと、オフセットによって起こりうるシールプレートを介したシール溝エッジに掛かる応力の発生を抑制し、損傷破壊を未然に防ぐことのできる信頼性の高いシール装置を得ることができ、その効果を十分に発揮できるガスタービンを提供できる。
本実施例では、第2段静翼体の外径側エンドウォールに設けた、一対の対向するシール溝に装着したシールプレートを実施例として説明したが、外径側エンドウォールのみならず、他に設けたシール溝に対しても、本シールプレートを適用すれば、さらに大きな効果が期待できるのは自明である。さらに、オフセットによって生じた段差σrが、マイナスのσrとするオフセットでも、同様の効果が成立するのは当然である。
また、弾性体シートは段差面に固着としたが、組立て時の容易性から、簡易に、例えば、接着剤による固定方法をとったとしても、本発明の効果に支障をきたすものではない。さらに、平行面に設けた段差を矩形断面としたが、これに限定しなくとも同種の効果が得られることは明らかである。
本実施例のシール装置は、第一の平面である矩形状段差57と、矩形状段差57に平行であり、矩形状段差57よりも厚み方向で外側かつ矩形状段差57の幅方向両側に位置する第二の平面である平行面63と、矩形状段差57及び平行面63の厚み方向で逆面に、幅方向に複数の凸面である円弧形状60a、60bとを有する第一の部材であるシールプレート50と、一面が矩形状段差57に接し、別の面(高圧側面64)が平行面63よりも厚み方向で外側に位置する第二の部材である弾性体シート51とを有し、弾性体シート51はシールプレート50よりも軟質である。なおここで外側とは、シールプレート50の外部側、逆面とはシールプレート50における逆側の面を意味する。このようなシール装置によれば、セグメント部材のオフセットへの対応と高いシール性能とを両立できる。接触面として図9で示した65a〜65dの4点を確保しつつ、オフセットは軟質な第二の部材と凸面形状で吸収でき、さらに端面においても図10を用いて説明したように軟質な第二部材にシール装置を押付けることでリークを抑制できるからである。
ここで、凸部が滑らかな円弧状であれば、オフセットによる溝高さ方向のズレにスムーズに対応できる。第二部材が弾性体シートであれば、オフセットによる溝高さ方向のズレに対する追随性と、端部におけるリーク抑制効果を十分に発揮することができる。さらに好ましくは、第一の平面と第二の平面とを、それぞれに垂直な壁で接続することにより、シール装置の長手方向に延びる段差を形成してここに第二部材を装着すれば、第二部材を安定に装着することができ、シールの信頼性がさらに向上できる。
本実施例のシール装置は、タービンの周方向にセグメント状に組まれた部材である動静翼のシュラウドやエンドウォールの隣り合う面に備えられた、対応する一対の溝にはめ込まれることにより、ガスタービンの冷却空気リーク抑制効果を発揮する。この溝の高さをHs、第一の部材の厚みをHp、溝に装着する前のシール装置の厚みをHgとしたとき、Hg>Hs>Hpの関係が成り立つようにすれば、例えオフセット量が少なくても4点の接触を確保できる。また、セグメント状に組まれた部材が、それぞれ一対の溝を溝どうしが交差するように複数有し、交差する溝のそれぞれに本実施例のシール装置を装着することで、交差部におけるリークをも抑制でき、ガスタービンの効率をより高いものとすることができる。
1 ガスタービン
4 タービン
24 上流側終端面
31a、31b シール溝
50 シールプレート
51 弾性体シート
57 矩形状段差
60a、60b 円弧形状
61a、61b 接触点
62 直線
63 平行面
64 高圧側面
66a、66b、67a、67b シール溝面

Claims (5)

  1. 第一の平面と、
    前記第一の平面に平行であり、前記第一の平面よりも厚み方向で外側かつ前記第一の平面の幅方向両側に位置する第二の平面と、
    前記第一及び第二の平面の厚み方向で逆面に、幅方向に複数の凸面とを有する第一の部材と、
    一面が前記第一の平面に接し、別の面が前記第二の平面よりも厚み方向で外側に位置する第二の部材とを有し、
    前記第一の平面と前記第二の平面とが、長手方向に延びる段差を形成し、
    前記段差に、前記第一の部材よりも軟質である前記第二の部材が装着され、
    前記第一の部材および前記第二の部材が装着されるシール溝の高さをHs、前記第一の部材の厚みをHp、前記シール溝に装着する前において前記第二の部材が前記第一の部材に装着された状態の前記第一の部材と前記第二の部材との厚みをHgとしたとき、Hg>Hs>Hpの関係が成り立つことを特徴とするシール装置。
  2. 請求項1のシール装置において、前記凸面が円弧状であることを特徴とするシール装置。
  3. 請求項1または2のシール装置において、
    前記第二の部材が弾性体シートであることを特徴とするシール装置。
  4. 圧縮機と燃焼器とタービンを有するガスタービンにおいて、
    前記タービンは周方向にセグメント状に組まれた部材を有し、
    前記セグメント状に組まれた部材は、部材が隣り合う面に対応する一対の溝を備え、
    前記溝に、請求項1からの何れかのシール装置が装着されたことを特徴とするガスタービン。
  5. 請求項のガスタービンにおいて、
    前記一対の溝どうしが交差するように、前記セグメント状に組まれた部材がそれぞれ前記一対の溝を複数有し、
    前記交差する溝のそれぞれに請求項1からの何れかのシール装置が装着されていることを特徴とするガスタービン。
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