JP2013155812A - シール装置及びシール装置を備えたガスタービン - Google Patents

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千尋 明連
Masami Noda
雅美 野田
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Abstract

【課題】分割体の熱変形に対応可能で、かつシール性能の高いシール装置およびガスタービンを提供する。
【解決手段】間隙を介して隣接する2つの分割体のそれぞれに設けられたシール溝に跨るように装着されることで前記間隙をシールし、高圧側の領域と低圧側の領域とを隔てるシール部材を備えたシール装置において、前記シール部材は複数の独立したシールプレートによって構成され、前記複数のシールプレートは、1つの主シールプレートと、前記シール溝の深さ方向の幅が前記主シールプレートよりも小さい1つ以上の副シールプレートとから構成されていることを特徴とするシール装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は、熱変形する複数の分割体の間隙をシールするシール装置及びシール装置を備えたガスタービンに関するものである。
ガスタービンは、作動流体(通常は空気)の温度の増加によって全体の熱効率を向上させることを目的とした回転機械であり、他の回転機械に比べ作動流体の温度が高いという特徴がある。ガスタービンの主な構成要素は作動流体を圧縮する圧縮機、作動流体に燃料を噴霧して燃焼空気を生成して温度を上昇させる燃焼器、燃焼器で発生させた高温の作動流体によって翼を回転させることで動力を得るタービンの3つであるが、タービン内の作動流体温度は最大で1000℃以上と非常に高温になる。このため、タービン内で作動流体の流路(ガスパス)を構成する静翼及び動翼が作動流体温度に耐えられるよう、翼の内部に冷却空気を導入して翼を冷却している。翼の冷却方式としては、圧縮機から抽気した冷却空気をケーシング側やタービンロータ側から翼内部に導入して冷却する方式が主に用いられる。この冷却方式において翼内部を冷却した冷却空気は、翼外表面をフィルム冷却するか、ホイールスペースのシール空気等として利用するかして、最終的にはガスパスに排出される。
ところで、タービンのガスパスの構成要素である静翼は、一般に、周方向に分割された複数の分割体から構成されている。周方向に隣接する分割体の間には、定格運転条件で分割体が熱膨張変形した際でも分割体同士の接触を抑制できるように間隙が設けられている。しかし、その間隙によって冷却空気がガスパスに漏洩する可能性がある。この場合、冷却空気の漏洩自体がエネルギー損失となるだけでなく、温度の低い冷却空気が作動流体に混合して温度低下や混合損失が発生し、タービン出力が低下する可能性もある。そのため、間隙をシールする目的で、従来は隣接する分割体に互いに対向するようにシール溝を設け、そのシール溝に長方形状のシールプレートを装着するのが一般的であった。ただし長方形状のシールプレートは、周方向に隣接する2つの分割体に径方向や周方向の熱変形が生じた場合にプレートが傾いてしまい、シール性能が低下するという問題もある。
このような問題に対し、例えば特許文献1では、隣接する分割体に互いに対向するようにシール溝を設け、これらのシール溝に所謂ドッグボーン形状のシールプレートを装着して、周方向の間隙をシールする構造が提案されている。このドッグボーン形状のシールプレートは、その中央部の厚みを薄くし、外端部の断面を略円弧状としている。このようなドッグボーン形状のシールプレートを用いて間隙をシールする構造とすることで、2つの分割体に径方向や周方向の熱変形が生じてシールプレートが傾いた場合でも、熱変形がない場合と同等のシール性能を保つことが可能である。
また、例えば特許文献2では、2枚の板バネをX字状に連結し、板バネの弾性力で接触面圧を増強するX字状のシールプレートを用いたシール構造が提案されている。このような構造とすることで、特許文献1のドッグボーン形状のシールプレートに比べて面圧が増強されるためシール性能を向上させることが可能となる。
米国特許第5158430号 特開2003−286808号公報
特許文献1のシール構造は、シールプレートの外端部が略円弧状になっており、外端部とシール溝とが線接触して摺動、回転するようになっていた。この構造では、長方形状のシールプレートを用いたシール構造を用いた場合と比べ、熱変形がない場合のシール面が比較的小さくなるためシール性能が低くなり、ガスパス中に漏洩する冷却空気の流量が大きくなっていた。
また、特許文献2のシール構造は、2枚の板バネの弾性力によって面圧を確保する構造となるためドッグボーン形状のシールプレートに比べて1枚当たりの板バネの厚さは薄くなる傾向にある。一般にシールプレート周辺の雰囲気温度は数百℃と高温であり、厚みが減少すると高温酸化の影響が大きくなるため、特許文献1に記載のドッグボーン形状のシールプレートに比べ、長期間使用した場合にシールプレートそのものの信頼性低下や板バネの弾性力低下によるシール性能の低下が懸念される。
そこで本発明の目的は、シール性能の向上とシールプレートの長期信頼性の向上とを両立したシール装置を提供することにある。
本発明は、間隙を介して隣接する2つの分割体のそれぞれに設けられたシール溝に跨るように装着されることで前記間隙をシールし、高圧側の領域と低圧側の領域とを隔てるシール部材を備えたシール装置において、前記シール部材は複数の独立したシールプレートによって構成され、前記複数のシールプレートは、1つの主シールプレートと、前記シール溝の深さ方向の幅が前記主シールプレートよりも小さい1つ以上の副シールプレートとから構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、シール性能の向上とシールプレートの長期信頼性の向上とを両立したシール装置を提供することができる。
本発明の第一実施例に関するシール装置の断面図。 本発明の第一実施例に関するガスタービンの全体構成図。 本発明の第一実施例に関するタービン周辺の概略図。 本発明の第一実施例に関する第2段静翼の子午面方向構成図。 本発明の第一実施例に関する第2段静翼の径方向構成図。 本発明の第一実施例の変形例に関するシール装置断面図。 本発明の第一実施例に関する、運用時のシール装置断面図。 本発明の第一実施例に関する、運用時に径方向熱伸び差が発生した場合のシール装置断面図。 本発明の第二実施例に関するシール装置断面図。 本発明の第二実施例の変形例に関するシール装置断面図。 本発明の第三実施例に関するシール装置断面図。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1に本実施例におけるシール装置の断面図を、図2に本実施例におけるシール装置を適用したガスタービンの全体構成図を、図3にタービン周辺の概略図を示す。
まず、ガスタービンの全体構成について図2を用いて説明する。ガスタービン1の主要構成要素は空気を圧縮する圧縮機2と、圧縮空気と燃料を混合して燃焼させ高温の燃焼ガスを得る燃焼器3と、燃焼ガスによって駆動されるタービン4である。タービン4には軸5を介して発電機6が接続されており、タービン4の回転エネルギーから電力を得る構成となっている。
前述のようにタービン4を通過する燃焼ガスは高温となるので、タービン4の構成部品保護のためには冷却が必要となる。冷却の手段としては、圧縮機中もしくは通過後の作動流体の一部を抽気し冷却空気として利用するのが一般的である。本実施例ではタービン段数を3段と想定しており、3つの冷却空気流路7a、7b、7cを用いて冷却空気を供給している。冷却に必要な空気の条件は冷却対象の圧力・温度条件によって異なるので、本実施例では冷却空気流路を3本としているが、冷却空気流路数はこれより多くても少なくても問題ない。
次にタービン周辺の構造について図3を用いて説明する。図3ではタービン4の上流側2段のみを記載している。タービン4は主として第1段および第2段静翼41a、41b、第1段および第2段動翼42a、42b、第1段および第2段シュラウド43a、43b、ケーシング44、ロータ45から構成されている。この構成では、燃焼器3を通過した燃焼ガスがロータ45と接続されている動翼42a、42bを通過することでロータが回転する構造となっている。
ロータ45は第1段および第2段ホイール46a、46bと、これらのホイール間で保持されるスペーサ47から構成されている。なお、各ホイール46a、46bと第1段、第2段動翼42a、42bがそれぞれ接続されている。
さらにシール構造と冷却空気の流れについて、第2段静翼を例にとって説明する。図4に第2段静翼を子午面方向から見た構成図を示す。図4において、第2段静翼41bは周方向に分割され環状に配置された複数の静翼体セグメント51と、これら静翼体セグメント51の内周側に取り付けたダイアフラム52とを備えている。この静翼体セグメント51は、ガスパスの外周側および内周側を形成するエンドウォール53、54と、各エンドウォール間に設けられた翼部55によって構成されている。
また静翼を冷却する構造は以下に示すとおりとなる。まずケーシング44、シュラウド43a、43b、および外周側エンドウォール53によって形成された冷却空気チャンバー56に、圧縮機から抽気した冷却空気が冷却空気流路7bを経由して供給される。外周側エンドウォール53の冷却空気チャンバー側には、キャビティカバー57が取り付けられ、外周側エンドウォールと共に冷却空気キャビティ58を形成する。冷却空気チャンバー56内の冷却空気は、キャビティカバー57上の通気孔(図示せず)を経由して冷却空気キャビティ58へ供給される。この冷却空気は翼部55の内部にある冷却パス(図示せず)を通過することで翼部55を冷却し、最終的にはガスパス中に放出される。
ここで冷却空気キャビティ58内の冷却空気は、翼部だけでなくホイール側の冷却にも用いられる。冷却空気キャビティ58内の冷却空気の一部は、ダイアフラム52内のダイアフラムチャンバー59を経由して、第1段ホイール46a、スペーサ47、ダイアフラム52から構成される第1段動翼下流側ホイールスペース60aに導入される。さらに第1段動翼下流側ホイールスペース60aの冷却空気の一部は、ダイアフラム52とスペーサ47の間にあるシールフィン61によって流量調節され、第2段ホイール46b、スペーサ47、およびダイアフラム52で形成される第2段動翼上流側ホイールスペース60bに導入される。このとき各ホイールスペース60a、60bの圧力はそれぞれガスパスの圧力より高くなるよう設計されており、これによってホイールスペースを冷却した空気はシール空気としてガスパス中に放出されている。
次に、隣接する静翼体セグメント51、51に適用された本発明のシール装置の一実施形態について、図5を用いて説明する。図5は第2段静翼を径方向上部から見た構成図であり、本発明のシール装置の一実施形態の全体構造を表している。なお、図1は図5中のI−I断面図である。
図1、図4、図5において、隣接する静翼体セグメント51、51の間には定格点で熱膨張変形しても静翼体セグメント51、51同士が接触しないよう、周方向の間隙δcが設けられている。このため、そのままでは冷却空気チャンバー56から供給される冷却空気がガスパスに漏れるリーク流路A、または第1段動翼下流側ホイールスペース60aの冷却空気がガスパス下流側に漏れるリーク流路Bが形成されることになる。
そこで本実施例では、間隙を介して隣接する2つの静翼体セグメント51、51のそれぞれの外周側エンドウォール53、53にシール溝71、72が設けられる。同様に隣接する静翼体セグメント51、51の内周側エンドウォール54、54にシール溝73が設けられる。これらのシール溝に跨るように後述するシール部材が装着されることにより、間隙がシールされて高圧側の領域と低圧側の領域とが隔てられ、リーク流路A、Bからのリークを抑制することができる。
次に、シール溝71に装着されるシール部材74の詳細について図1を用いて説明する。
本実施例において、2つの静翼体セグメント51、51は周方向に隣接しており、各シール溝71は周方向をその深さ方向とする溝となっている。また、シール溝71は図1の奥行き方向(以下、シール溝方向)に亘って設けられている。そして本実施例においてシール部材74は、1つの主シールプレート75と、周方向(即ち、挿入されるシール溝の深さ方向)の幅が主シールプレート75よりも小さい1つの副シールプレート76の、独立した2つのシールプレートから構成される。また、本実施例では主シールプレート75および副シールプレート76のシール溝方向に垂直な断面(シール溝方向断面)の形状として、長方形の端面に円弧が取り付けられた形状を想定している。なお変形例として図6のように、主シールプレート75と副シールプレート76のシール溝方向断面の形状として、中央部の厚みを薄く外端部の断面を略円弧状としたドッグボーン形状としても問題ない。また本実施例および図6の変形例において副シールプレート76の個数は1個であり、取り付け位置は主シールプレート75より高圧側になることを想定している。
副シールプレート76は図1のように主シールプレート75とシール溝71の間の高圧側の間隙に挿入される。つまり本実施例では、副シールプレート76がシール溝71の高圧側の面と、主シールプレート75がシール溝71の低圧側の面とそれぞれ2箇所で線接触する。このため、シールプレートと間隙の接触位置は合計4箇所となる。この4箇所の接触点によって、間隙δcからのリークが抑制される構造となっている。
一方シール溝72、73に装着されるシール部材は、図示しないが上記シール部材74と同様の構造・構成である。これにより、間隙δcからのリークが抑制される構造となっている。
なお上記において、静翼体セグメント51、51は各請求項記載の分割体を構成する。
ここで、本実施例のシール装置の具体的な動作について説明する。ガスタービン1の定格運転時、作動流体は圧縮機2と燃焼器3を通過し、高温・高圧の燃焼ガスとしてタービン4に流入する。このときの圧力は約1.5MPa、温度は約1300℃である。燃焼ガスはタービン4内で第1段静翼41a、第1段動翼42a、第2段静翼41b、第2段動翼42bをはじめとする翼に仕事をすることでその圧力と温度を低下させ、最終的には約500℃で最終段動翼を通過する。燃焼ガスの通過によって動翼と接続しているロータ45が駆動され、軸5を介して発電機6が回転し、電力が得られる。このとき、タービン4内の静翼41a、41bおよび動翼42a、42bは高温環境下で動作することになるため、圧縮機2から抽気した冷却空気を冷却空気流路7a、7b、7cを介して供給し、翼材料の許容温度以下にメタル温度を下げている。
このようにガスタービン1を運用している際、環状に配置された複数の静翼体セグメント51、51等は、作動ガスや冷却空気を通じて温度上昇し熱変形する。図7は運用時のシール部材74の詳細構造を表す断面図、図8は隣接する静翼体セグメント51、51に熱変形が生じた際のシール部材74の詳細構造を表す断面図である。
図7において、運用時は隣接する静翼体セグメント51、51の外周側エンドウォール53、53に周方向(図7の左右方向)に熱伸びが発生する(すなわち、周方向間隙δcが小さくなる)。同様に径方向(図7の上下方向)にも熱伸びが発生し、シール溝71、71の幅が小さくなる。本実施例では、このシール溝幅の減少によって、副シールプレート76が主シールプレート75を弾性変形させる。この弾性変形による復元力と反力が主シールプレート75と副シールプレート76に押し付け力として作用する。この状態を特許文献1のドッグボーン形状のように副シールプレート76がない場合と比べると、接触箇所が2箇所から4箇所に増加している点、および各接触点に押し付け力が発生する点の2点によって発生するリーク量を減少させることが可能となる。
また図8に示すように運用時には、各静翼体セグメント51、51間には径方向の熱伸び差δrが発生する可能性がある。特許文献1のドッグボーン形状では径方向の熱伸び差δrが発生してもシール溝71との接触箇所が略円弧状となっているため2点での線接触が維持され、シール性能が低下することはない。本実施例も同様に、主シールプレート75も副シールプレート76も接触箇所が円弧もしくは略円弧状となっているため、それぞれ2点ずつでの、合計4点での線接触が維持される。さらに各接触点に対する押し付け力も発生したままなので、熱伸び差δrがある場合でも特許文献1に比べてリーク量の減少が達成可能である。
一方運用時の長期的信頼性については、主シールプレート75の形状は特許文献1のドッグボーン形状とほぼ同等なので、主シールプレート75については特許文献1と同等といえる。副シールプレート76は主シールプレート75に比べて小さく長期信頼性は劣ると考えられるが、本実施例では副シールプレート76が高温酸化等により予想したシール性能を発揮できない場合でも、少なくとも特許文献1と同等のシール性能は維持される。一方特許文献2のX字状シールプレートは2枚の板バネを組み合わせた構造となっており、各板バネの厚みは特許文献1のシールプレートや本実施例の主シールプレートに比べて薄くなる。このため、本実施例のシール装置の長期信頼性は特許文献1と同等で、特許文献2よりも向上すると考えられる。
さらに本実施例では副シールプレート76を冷却空気の供給側の高圧側に設置している。一般に低圧側に比べて高圧側では雰囲気温度が低いため、副シールプレート76は主シールプレートに比べて高温酸化されにくくなる。これによって、比較的長期信頼性の劣る副シールプレート76の信頼性を向上させることも可能となる。つまり、特許文献1よりシール性能が向上した状態を長期的に維持できる。
以上をまとめると、本実施例の利点は運転時の熱変形に対応可能で、かつ特許文献1のドッグボーン形状のシール装置よりもシール性能が高い点、および特許文献2のX字状のシール装置よりも長期信頼性が向上する点の2点であるといえる。なお、前述の利点は図1の形状だけでなく、主シールプレート75と副シールプレート76の形状を特許文献1のようなドッグボーン形状とした場合にも当てはまる。
図9に本実施例におけるシール装置の断面図を示す。実施例1との相違は、副シールプレート76の溝断面方向の形状が楕円弧となっている点である。なお、図1〜図8と重複する機器については番号を同一とし、詳細な説明は省略する。また本実施例では副シールプレート76の溝断面方向の形状を楕円弧としているが、円弧状であっても問題ない。
本実施例では、副シールプレート76はシール溝71の高圧側の各静翼体セグメント51、51間の端部2点で線接触される。主シールプレート75は実施例1と同様にシール溝71の低圧側2点と線接触するため、本実施例のシール装置も合計4箇所でのシールが実現される。
また運用時に熱伸びによってシール溝幅が減少すると、実施例1と同様に主シールプレート75が弾性変形し、その復元力によって主シールプレート75と副シールプレート76に押し付け力が発生し、特許文献1のシール装置に比べてシール性能が向上する。さらに各静翼体セグメント51、51間に径方向の熱伸び差δrが発生する場合も、実施例1と同様に合計4点での線接触が維持され、シール性能の低下は起こらない。
一方、副シールプレート76の溝断面方向の形状は楕円弧形状もしくは円弧形状であり、実施例1よりも単純な形状となっている。このため、製造の際の工数が削減できるという利点がある。さらに本実施例の副シールプレート形状は実施例1に比べて厚みが増加しているため、長期信頼性の観点でも本実施例の方が有利だと考えられる。
なお本実施例の変形例として、図10に示すようにシール溝71の高圧側の各静翼体セグメント51、51間の端部に面取りを施した形状としてもよい。この場合、シール溝の構造が複雑化するものの、シール溝71の端部ではなく面で副シールプレート76に線接触するため、図9の構成に比べて副シールプレート76で発生するリーク量を低減することが可能である。さらに図9のようにシール溝71の端部で線接触すると、運用時に押し付け力が発生した際に副シールプレート76に応力集中が発生する可能性があるが、図10のような構造とすることで副シールプレート76の信頼性をさらに向上させることが可能となる。
以上をまとめると、本実施例の利点は実施例1のシール装置とほぼ同等のシール性能を有しつつ、製造の工数削減や長期信頼性の点で有利なシール装置を提供可能な点であるといえる。
図11に本実施例におけるシール装置の断面図を示す。実施例2の図10との相違は、副シールプレート76の設置箇所が高圧側ではなく低圧側となる点である。なお、図1〜図10と重複する機器については番号を同一とし、詳細な説明は省略する。
本実施例において、副シールプレート76の形状としては楕円弧状もしくは円弧形状で、その厚みは主シールプレート75の中央部よりも大きくなることを想定している。この条件下で同一の材質を用いた場合、副シールプレート76の高温酸化に対する長期信頼性は主シールプレート75よりも向上すると予想される。前述の通り、低圧側では雰囲気温度が高圧側より高いため、副シールプレート76を低圧側に、主シールプレート75を高圧側に配置することで、シール装置全体の長期信頼性を向上させることが可能となる。なお本実施例ではシール溝71の低圧側の各静翼体セグメント51、51間の端部に面取りを施した形状としているが、面取りがない場合でもほぼ同様の効果を得ることは可能である。ただし面取りを実施した場合に比べ、運用時に押し付け力が発生した際に副シールプレート76に応力集中が発生する可能性があるため、本実施例のように面取りを施すのが望ましい。
また本実施例のように副シールプレート76の設置箇所を低圧側にしても、高圧側に設置した実施例1や2と同様、運用時には副シールプレート76によって主シールプレート75が弾性変形され、その復元力によって押し付け力が発生し、特許文献1のシール装置に比べてシール性能が向上する。また長期信頼性については前述の通り実施例1や2よりも向上するため、特許文献2のシール装置と比べてさらに長期信頼性の面で有利となる。
以上をまとめると、本実施例の利点は実施例1および2とほぼ同等のシール性能を有しつつ、シール装置全体の長期信頼性をさらに向上させることが可能な点であるといえる。
なお上記の実施例1〜3において、分割体として静翼体セグメント51を例にとって説明したが、間隙を介して隣接する部材であれば適用可能である。例えばダイアフラムセグメントやシュラウドセグメントといった、周方向に分割された分割体に対しても適用可能である。
以上で説明した本発明の実施例では、シール部材を独立した1つの主シールプレートと主シールプレートより小さい1つ以上の副シールプレートから構成することで、主シールプレートの厚みを特許文献1のドッグボーン形状のシールプレートと同等にすることが可能となるため、特許文献2のX字状のシールプレートに比べて長期信頼性を向上させることが可能となる。同時に主シールプレートと副シールプレートからなる構成とすることによって、シールプレートがシール溝に接触する点を4点にすることが可能となり、特許文献1に比べてシール性能が向上する。また副シールプレートによって主シールプレートを弾性変形させることで、主シールプレートに復元力が発生して接触点に対する押し付け力が発生してさらなるシール性能向上が達成可能となる。さらに副シールプレートが1つの場合、主シールプレートより高圧側に取り付けることで、主シールプレートより小さく長期信頼性の劣る副シールプレートの雰囲気温度を主シールプレートより下げることが可能となり、主シールプレートだけでなく副シールプレートの長期信頼性も確保することができる。また副シールプレートのシール溝断面方向の形状が円弧または楕円弧形状で、最大厚みが主シールプレートの中央部の厚みよりも大きい場合、長期信頼性は副シールプレートの方が勝るため、副シールプレートを雰囲気温度の高い低圧側に配置することでシール装置全体の長期信頼性を向上させることが可能となる。
1 ガスタービン
2 圧縮機
3 燃焼器
4 タービン
5 軸
6 発電機
7a、7b、7c 冷却空気流路
41a、41b 静翼
42a、42b 動翼
43a、43b シュラウド
44 ケーシング
45 ロータ
46a、46b ホイール
47 スペーサ
51 静翼体セグメント
52 ダイアフラム
53、54 エンドウォール
55 翼部
56 冷却空気チャンバー
57 キャビティカバー
58 冷却空気キャビティ
59 ダイアフラムチャンバー
60a、60b ホイールスペース
61 シールフィン
71〜73 シール溝
74 シール部材
75 主シールプレート
76 副シールプレート

Claims (9)

  1. 間隙を介して隣接する2つの分割体のそれぞれに設けられたシール溝に跨るように装着されることで前記間隙をシールし、高圧側の領域と低圧側の領域とを隔てるシール部材を備えたシール装置において、
    前記シール部材は複数の独立したシールプレートによって構成され、
    前記複数のシールプレートは、1つの主シールプレートと、前記シール溝の深さ方向の幅が前記主シールプレートよりも小さい1つ以上の副シールプレートとから構成されていることを特徴とするシール装置。
  2. 請求項1に記載されたシール装置において、
    少なくとも1つの前記副シールプレートが、前記シール溝の高圧側又は低圧側の面の一方に接触し、
    前記主シールプレートが、前記シール溝の高圧側又は低圧側の面のうち、前記副シールプレートが接触する面とは異なる方の面と接触することを特徴とするシール装置。
  3. 請求項2に記載されたシール装置において、
    前記主シールプレートおよび副シールプレートのシール溝方向断面の形状が、長方形の端面に円弧が取り付けられた形状、もしくは中央部の厚みを薄く外端部の断面を略円弧状としたドッグボーン形状であることを特徴としたシール装置。
  4. 請求項2に記載されたシール装置において、
    前記主シールプレートのシール溝方向断面の形状が、長方形の端面に円弧が取り付けられた形状、もしくは中央部の厚みを薄く外端部の断面を略円弧状としたドッグボーン形状であり、
    前記副シールプレートのシール溝方向断面の形状が、円弧または楕円弧形状であることを特徴としたシール装置。
  5. 請求項3または4に記載されたシール装置において、
    前記シール装置の運用時に、前記副シールプレートが前記主シールプレートを弾性変形させることを特徴とするシール装置。
  6. 請求項5に記載されたシール装置において、
    前記副シールプレートが1つであり、かつ前記主シールプレートより高圧側に取り付けられていることを特徴とするシール装置。
  7. 請求項5に記載されたシール装置において、
    前記副シールプレートのシール溝方向断面の形状が円弧または楕円弧形状であり、
    前記副シールプレートのシール溝断面中央部の最大厚みが前記主シールプレート中央部の厚みより大きく、
    前記副シールプレートが前記主シールプレートより低圧側に取り付けられていることを特徴とするシール装置。
  8. 請求項5または6に記載されたシール装置において、
    前記副シールプレートと前記シール溝が接触する前記シール溝の開口端部に面取りが施されていることを特徴とするシール装置。
  9. 圧縮機と、燃焼器と、静翼および動翼を有するタービンとを備えたガスタービンにおいて、前記タービンを構成する複数の分割体同士の間隙をシールするシール装置が、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のシール装置であることを特徴とするガスタービン。
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