JP5669295B2 - 多層膜光学素子 - Google Patents

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Description

本発明は、X線領域での広い波長範囲で高い反射効率や回折効率をもつ多層膜光学素子の構造に関する。
X線領域における物質(バルク材料)の反射率は極めて低く、可視光領域で利用されるようなレンズ等の屈折光学素子も殆どないことが知られている。しかし、屈折率(複素屈折率の実部)が1より僅かに小さいため、PtやAu等の薄い単層膜を平滑な基板上に積層させた全反射ミラーが有効で、高い反射率を得ることが可能である。単層膜の全反射ミラーの場合、入射角が全反射領域から外れると反射率は著しく低下する。これを克服する手段としては、重元素からなる層と軽元素からなる層を周期的に交互に積層した多層膜が全反射領域より高角側でも高い反射率を得られることが知られ、平滑性の高い平面基板上にこの多層膜を形成すれば、X線に対して高い反射率をもつ平面鏡となる。基板を曲面とした場合でも同様に曲面鏡を得ることができ、レンズのないX線領域でもこれを用いて結像光学系を構成することができる。
こうした多層膜がもつ高いX線反射率は、重元素からなる層と軽元素からなる層の周期的構造によるBragg反射(あるいは回折)に起因する。すなわち、各層からの反射波が強めあうように入射角、波長、及び層厚が設定された場合に特に高い反射率が得られる。こうした多層膜を用いて構成されたX線用光学素子は、各種のX線光学機器(顕微鏡や望遠鏡等)において極めて有用である。
特に、この多層膜を回折格子の回折面上に形成し、回折格子における回折条件と、この多層膜におけるBragg回折条件とを整合させることにより、回折効率を高めることも可能である。例えば、特許文献1に示されるように、こうした構成の多層膜ラミナー型回折格子が知られている。
しかしながら、多層膜鏡においては、入射角を固定した場合、Bragg条件を満たす波長近傍しか高い反射率が得られない。従って、この鏡を使用できる波長帯域(反射幅)は極めて狭いという問題点がある。反射幅の狭帯化はX線のエネルギーが高いほど(短波長ほど)顕著となる。
この点を解消するために、例えば非特許文献1に記載された多層膜スーパーミラーという技術が知られている。多層膜スーパーミラーにおいては、多層膜の上部(表面側)ほど周期長Dを大きく、下部(基板側)ほどDを小さく、順次変化させることにより、長波長(低エネルギー)のX線は主に多層膜の上部で、短波長(高エネルギー)のX線は主に多層膜の下部でそれぞれ反射されるため、結果として短波長から長波長まで広い波長帯域のX線を反射させることができる。
A.Erco等、「Graded X−ray Optics for Synchrotron Radiation Application」、Journal of Synchrotron Radiation、vol.5、p239、1998年
特開2006−133280号公報
しかしながら、上記のいずれの技術においても、これらの光学素子の製造は複雑となった。
従来の多層膜は、一般に、重元素からなる層と軽元素からなる層にそれぞれ対応した2種類のターゲット物質をスパッタリング等の方法によって基板上に交互に周期的に積層することで形成され、重元素からなる層と軽元素からなる層の厚さが上部と下部とで変わらない一定の周期長を持つ。そのため、成膜中における各物質の単位時間当たりの積層厚(成膜速度)が一定である場合には、成膜時間で積層厚を制御することができる。これに対して、非特許文献1に記載の多層膜スーパーミラーを作製する際には、各層の成膜毎に成膜時間を変化させる必要がある。そのため、一定の周期長を持つ従来の多層膜の場合に比して積層厚の制御が複雑となり、その作製は難しくなる。
このように、広い波長帯域で使用できるX線光学素子を単純な製造工程で得ることは困難であった。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、上記問題点を解決する発明を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決すべく、以下に掲げる構成とした。
本発明の多層膜光学素子は、基板上に、低密度物質層と、前記低密度物質層よりも密度が高い高密度物質層とが交互に周期的に積層されて形成された構造を具備する多層膜光学素子であって、第1の低密度物質層と第1の高密度物質層とが交互に周期的に積層された多層膜構造が、前記第1の低密度物質層が前記多層膜構造における最上層となるように前記基板上に形成され、前記第1の低密度物質層と同じ物質で構成された第2の低密度物質層が前記多層膜構造の最上層である前記第1の低密度物質層の上に接して形成され、前記第1の高密度物質層と同じ物質で構成された第2の高密度物質層が前記第2の低密度物質層と接し前記多層膜光学素子の最上層となるように形成され、前記第1の低密度物質層と前記第1の高密度物質層を一対とする前記多層膜構造の周期長Dに対する前記第2の低密度物質層と前記第2の高密度物質層とからなる上部積層構造の厚さDの比、D/Dが1.0±0.05の範囲内であることを特徴とする。
本発明の多層膜光学素子において、前記第1の高密度物質層の材料と前記第2の高密度物質層の材料はW又はNiであることを特徴とする。
本発明の多層膜光学素子において、前記第1の低密度物質層の材料と前記第2の低密度物質層の材料がBC、B、C、SiOのいずれかであることを特徴とする。
本発明の多層膜光学素子において、前記基板は鏡面基板、回折格子基板、ゾーンプレート基板のいずれかであることを特徴とする。
本発明は以上のように構成されているので、広い波長帯域で使用できるX線光学素子を単純な製造工程で得ることができる。
本発明の実施の形態となる多層膜反射鏡の断面構造を示す図である。 本発明の実施の形態となる多層膜反射鏡において多層膜構造のみが用いられた際の構造を示す図である。 多層膜構造のみが用いられた際の2〜4keVの反射率スペクトルを計算した結果である。 本発明の実施の形態となる多層膜反射鏡において上部積層構造付近のみが存在した際の構造を示す図である。 上部積層構造付近のみが存在した際の2〜4keVの反射率スペクトルを計算した結果である。 本発明の実施の形態となる多層膜反射鏡における2〜4keVの反射率スペクトルを計算した結果である。 本発明の実施の形態となる多層膜反射鏡において第1及び第2の低密度物質層が同一であり、その低密度物質層に4種類の材料を選択した場合について計算した2〜4keVにおける反射率スペクトルの結果である。 本発明の実施の形態となる多層膜反射鏡において第1及び第2の高密度物質層が同一であり、その高密度物質層として3種類の材料を選択した場合について2〜4keVの反射率スペクトルを計算した結果である。 本発明の実施の形態となる多層膜反射鏡において第1の高密度物質層の材料を固定し、その第2の高密度物質層として3種類の材料を選択した場合について2〜4keVの反射率スペクトルを計算した結果である。 本発明の実施の形態となる多層膜反射鏡において第2の高密度物質層の材料を固定し、その第1の高密度物質層として3種類の材料を選択した場合について2〜4keVの反射率スペクトルを計算した結果である。 本発明の実施の形態となる多層膜反射鏡における2〜4keVの反射率スペクトルの、上部積層構造の積層総数N依存性を計算した結果である。 本発明の実施の形態となる多層膜反射鏡における2〜4keVの反射率スペクトルの、上部積層構造の膜厚D依存性を計算した結果である。 本発明の実施の形態となる多層膜反射鏡の2〜4keVにおける最大反射率、最小反射率、積分反射率のD依存性を計算した結果である。 本発明の実施の形態となる多層膜反射鏡において、高密度物質層の材料としてNiを用い、エネルギー帯域を1.5〜3keVに対応させた場合の反射率スペクトルを計算した結果である。 本発明の実施の形態となる多層膜反射鏡において高密度物質層及び低密度物質層の材料としてW及びBCをそれぞれ用いた場合の上部積層構造の積層総数Nが2及び3の時の2〜4keVの反射率スペクトルを計算した結果である。 本発明の実施の形態となる多層膜反射鏡において高密度物質層及び低密度物質層の材料としてNi及びBCをそれぞれ用いた場合の上部積層構造の積層総数Nが2及び3の時の1〜3keVの反射率スペクトルを計算した結果である。
以下、本発明の実施の形態に係る多層膜光学素子として、多層膜反射鏡について説明する。この反射鏡は、基板上に多層膜が形成された構成を具備し、特に数keV領域のX線用反射鏡として用いることができる。図1は、この多層膜反射鏡10の断面を示す。この多層膜反射鏡10においては、平坦な基板11上に多層膜構造20が、その上に上部積層構造30が形成されている。
ここで、基板11としては石英(SiO)等で形成された鏡面基板を用いることができる。この多層膜反射鏡10の反射率はその表面(図1中の上側の面)の平坦度に大きく依存し、この平坦度は基板11の表面(多層膜構造20が形成された側の面)の平坦度に依存する。この平坦度としては、例えば、反射させるX線の波長と比べてその表面粗さが小さくなることが好ましい。
多層膜構造20においては、特許文献1に記載されるものと同様に、第1の高密度物質層21と第1の低密度物質層22とが周期的に積層されている。第1の高密度物質層21を構成する材料、第1の低密度物質層22を構成する材料は、共に、単体元素であっても、化合物であってもよい。ただし、第1の高密度物質層21と第1の低密度物質層22の屈折率(複素屈折率の実部)の差が大きく、消衰係数(複素屈折率の虚部)がどちらの物質でも小さいことが反射率を高めるために必要である。この多層膜構造20においては、基板11側から順に第1の高密度物質層21(以下、Aと呼称)、第1の低密度物質層22(以下、Bと呼称)が、ABAB・・・という順で周期的に積層されている。この構成は、X線光学素子(X線反射鏡等)に使用されている多層膜構造と同様である。従って、多層膜構造20を用いることにより、Bragg反射を用いて特定の波長領域における反射率を高めることができる。その積層総数(第1の高密度物質層21、第1の低密度物質層22の各々で1層とする)をNとする。従来の多層膜反射鏡の場合と同様にBragg反射の効率を高めるために、N>>2とされる。
同様に、上部積層構造30においては、第2の高密度物質層31と第2の低密度物質層32とが積層されている。第2の高密度物質層31、第2の低密度物質層32を構成する材料は、それぞれ第1の高密度物質層21、第1の低密度物質層22と同様である。多層膜構造20と同様に定義したその積層総数をNとすると、N=2としている。また、多層膜構造20と上部積層構造30との界面において、第1の低密度物質層22と第2の低密度物質層32とが直接接するような積層順序とされる。従って、第2の高密度物質層31の材料が第1の高密度物質層21と同一、かつ第2の低密度物質層32の材料が第1の低密度物質層22と同一である場合には、図1の構造においては、下側から、ABAB・・・ABABBAという順序の積層構造が形成される。すなわち、最上部の2層のみの順序がこれよりも下層と異なる構造となる。
第1の高密度物質層21、第2の高密度物質層31を構成する材料としては、例えばタングステン(W)、コバルト(Co)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)等が用いられる。第1の低密度物質層22、第2の低密度物質層32を構成する材料としては、例えば炭素(C)、シリコン(Si)、ホウ素(B)、炭化ホウ素(BC)等が用いられる。これらの材料は、単体元素であっても、化合物であってもよい。また、第1の高密度物質層21と第2の高密度物質層31、あるいは第1の低密度物質層22と第2の低密度物質層32とを同一の材料で構成する必要はない。更に、第1の高密度物質層21と第2の高密度物質層31、あるいは第1の低密度物質層22と第2の低密度物質層32の厚さも同一である必要はない。
多層膜構造20、上部積層構造30は、例えばスパッタリング法によって形成することができる。この場合、各層を構成する材料からなるターゲットを適宜切替え、各々の成膜時間を設定することで、各層の厚さを制御することが可能である。
この構造の多層膜反射鏡10の反射率は、広い波長帯域(エネルギー帯域)において高くなる。以下では、この多層膜反射鏡の反射率スペクトル(反射率の波長依存性)について説明する。
まず、上部積層構造30がない場合の反射率について説明する。この場合の構造は、図2に示されるように、従来より知られる多層膜反射鏡と同様である。この場合、波長λの入射光に対する反射率を最大とする条件は、図2に示された通りに入射角θを反射面の法線とのなす角度として、以下の式で示される。
Figure 0005669295
ここで、Dは多層膜構造20の周期長であり、第1の高密度物質層21の厚さと第1の低密度物質層22の厚さの和に等しい。mはBragg回折の次数となる整数(通常は1)、δは、多層膜構造20の平均屈折率(膜厚比を考慮した第1の高密度物質層21と第1の低密度物質層22との複素屈折率の実部の加重平均)をnとしてδ=1−nである。なお、軟X線領域における屈折率nは、1よりも僅かに小さい値である。また、周期長Dに対する第1の低密度物質層22の厚さの比率をγとする。
図2における入射角θを88°、反射するX線のエネルギーを3.6keVと設定する。第1の高密度物質層21としてW(複素屈折率の実部の1との差分:2.30965×10−4)、第1の低密度物質層22としてBC(同:3.82424×10−5)を用い、γ=0.5とすると、δ=1.34604×10−5となり、(1)式から反射率を最大とする周期長Dは5.6nmである。積層総数Nを40、基板11をSiOとした際の入射エネルギー2〜4keVに対する反射率スペクトルを計算した結果が図3である。ここで、基板11、第1の高密度物質層21、第1の低密度物質層22はいずれも平坦である(その凹凸が反射率に与える影響が無視できる)としている。
この反射率スペクトルにおいては、3.5keV程度にピークがあり、このピークの半値全幅(約0.5keV)の範囲にわたり20%以上の反射率が得られている。しかしながら、低エネルギー側(2.5keV近傍)においては、反射率は5%程度まで低下し、ピーク反射率の1/5程度である。すなわち、この構造において高い反射率が得られるエネルギー帯域は極めて狭い。これは、従来より知られる多層膜反射鏡の一般的な特性である。なお、図3における2.3keV、2.6keVの箇所には、第1の高密度物質層21として用いられたWの内殻吸収端の影響による反射率の低下が見られる。
次に、多層膜構造20上に上部積層構造30が形成された場合の上部付近の反射率について説明する。ここで、単純化のために、第2の高密度物質層31の材料及び厚さは第1の高密度物質層21と等しく、第2の低密度物質層32の材料及び厚さは第1の低密度物質層22と等しいものとする。従って、上部積層構造30の厚さD=5.6nm、Dに対する第2の低密度物質層32の厚さの比率γ=0.5となる。
この上部付近の構造として、最上部の4層(上部積層構造30とその下の2層)のみからなる構造の反射率を上記と同様に算出した。すなわち、この構造は、具体的には、下側から、2.8nm厚のW層(第1の高密度物質層21)、2.8nm厚のBC層(第1の低密度物質層22)、2.8nm厚のBC層(第2の低密度物質層32)、2.8nm厚のW層(第2の高密度物質層31)となり、図4に示される構成となっている。ここで、中間の2つの低密度物質層(BC層)は一体化されるため、この構造は実質的にはW(2.8nm)/BC(5.6nm)/W(2.8nm)の3層構造となる。
この3層構造に対して図3と同様条件での反射率スペクトルを計算した結果が図5である。この反射率は、図3の結果とは大きく異なり、鋭いピークが見えず、特に図3で高反射率が得られなかった低エネルギー側(2.5keV付近)で20%以上となっている。これは、実質的にこの3層構造を周期長8.4nmの多層膜とみなすことができるためであり、この場合に(1)式からBragg反射の効果が発現するエネルギーを見積ると、約2.6keVとなることから理解することができる。すなわち、積層数Nを小さくすることでN>>2とした場合に比してピーク反射率は低いが反射幅が広くなる多層膜反射鏡の一般的な特徴を利用している。一方、図3で高反射率が得られた3.6keVでの反射率が極めて低い。これは、この3層構造が、このエネルギーのX線を反射させずによく透過させることを意味している。これらの特徴が広帯域化に大きく寄与している。
図1のように、多層膜構造20上に上部積層構造30を形成した場合には、高い反射率が得られる帯域をこれらの相乗効果によって広げることができる。図6は、図1の構造の多層膜反射鏡10を上記の設定とした場合の反射率スペクトルを計算した結果である。同図中には、図3、図5の結果も同時に示してある。この反射率スペクトルにおいては、図3の場合ほどピーク反射率は高くないものの、2〜4keVの広い帯域で、反射率が10〜17%(平均反射率14.3%)となっている。すなわち、高い反射率が得られる帯域を広げることができる。
図1の構造を製造するに際し、特に第2の高密度物質層31の材料及び厚さを第1の高密度物質層21と等しく、かつ第2の低密度物質層32の材料及び厚さを第1の低密度物質層22と等しくした場合には、これらの成膜条件はそれぞれ同一となる。従って、2種類の成膜順序を替えるだけで図1の構造(多層膜構造20上に上部積層構造30を形成した構造)を得ることができる。従って、この構造を極めて容易にかつ高い制御性で作製することができる。これに対して、従来より知られる多層膜スーパーミラーの場合には、上部から下部に渡って順次周期長を変化させながら成膜する必要があるため、積層厚の制御が複雑で、その作製は難しくなる。
また、上記の結果は、第1の高密度物質層21、第1の低密度物質層22、第2の高密度物質層31、第2の低密度物質層32の材料に大きく依存しない。図7は、第1の低密度物質層22及び第2の低密度物質層32の材料をBC(前記の場合)、B、C、SiOの4種類とし、他は前記と同様にした場合の多層膜反射鏡10の反射率スペクトルを計算した結果である。この図においては、縦軸(反射率)を図6よりも拡大して示している。吸収の影響は主に高密度物質層の材料によるために、反射率スペクトルの定性的傾向は低密度物質層の材料によらず同様であり、広帯域化の効果も明らかである。すなわち、上記の効果は、低密度物質層の材料によらずに得られる。
一方、図8は、第1の高密度物質層21及び第2の高密度物質層31の材料をW(前記の場合)、Pt、Coの3種類とし、他は図6の場合と同様にした場合の多層膜反射鏡10の反射率スペクトルを計算した結果である。W、Ptを用いた場合には、広帯域化が達成できていることが確認できる。ただし、Ptの場合には、特に2.1〜2.2keVにおける反射率の低下が見られる。これは、PtのM吸収端の影響である。
一方、Coの場合には、3.4keV付近のピークが顕著であり、それ以外のエネルギー域で積層総数Nが少ないため反射率が振動している。この振動はN>200程度で消失し、結果的に反射率スペクトルは包絡線となる。すなわち、こうした振動のないスムーズな反射率スペクトルを得るためにはNが大きいことが好ましい。W、Ptを用いた場合と比べて広帯域化の効果は小さいものの、N=40でさえ、低エネルギー側で7%以上の反射率が得られており、広帯域化の効果が得られる。すなわち、Coの場合、多層膜構造20だけの時の2〜3keVの反射率が3%以下であり、図5に示したWの場合に比べ低いことが反射率の広帯域化の効果を弱めている主な要因である。このように、この多層膜反射鏡10においては、低密度物質層の材料よりも、高密度物質層の材料の影響は比較的大きい。
また、製造工程は上記の場合よりは複雑になるものの、多層膜構造20と上部積層構造30の材料系を変えることもできる。この場合においても、比較的影響が大きいのは高密度物質層の材料である。図9は、第2の高密度物質層31の材料をW(前記の場合)、Pt、Coの3種類とし、第1の高密度物質層21の材料をW、他は図6の場合と同様とした場合の反射率スペクトルを計算した結果である。Pt、Coを用いた場合には、多層膜構造20と上部積層構造30における高密度物質層のみが異なる。どの材料を第2の高密度物質層31に用いた場合でも、広帯域化がなされているが、その効果はWを用いた場合が一番高い。ただし、Coを用いた場合であっても、反射率が10%以上となる領域は充分に広い。
逆に、図10は、多層膜構造20における第1の高密度物質層21をW(前記の場合)、Pt、Coの3種類とし、第2の高密度物質層31をW、他は図6の場合と同様とした場合の反射率スペクトルを計算した結果である。やはり、どの材料の場合でも広帯域化がなされているが、最も効果が大きいのはWであり、Coが最も効果が小さい。ただし、Coを用いた場合であっても、反射率が10%以上となる領域は充分に広い。
以上より、有効な反射光学素子を得ることが従来困難であった2〜4keVの帯域においては、第1の高密度物質層21、第2の高密度物質層31の材料として、共にWを用いることが特に好ましい。
次に、上部積層構造30における積層総数Nの影響について説明する。図11は、第1の高密度物質層21、第1の低密度物質層22、第2の高密度物質層31、第2の低密度物質層32を図6の場合と同様とし、上部積層構造30における積層総数Nを2(前記の場合)、4、6、8、10とした場合の反射率スペクトルを計算した結果である。ここで、N=4、6、8、10の場合には、図1の場合と同様の順序で第2の低密度物質層32と第2の高密度物質層31を積層している。従って、これらの場合には、実質的に2つの多層膜構造が積層されていると考えることができる。
この結果から、N=2の場合に特に顕著に広帯域化が図れることがわかる。これは、前記の通り、この多層膜反射鏡10における広帯域化には、上層の非周期性が寄与していることに起因する。すなわち、Nが大きくなった場合、上部積層構造30の周期性によるBragg反射の効果が高くなるために、広帯域化が図れない。
このことは、この多層膜反射鏡10においては、特に低エネルギー領域における反射率向上に寄与する上部積層構造30と、これと多層膜構造20との境界にある厚い低密度物質層(第1の低密度物質層22と第2の低密度物質層32の融合層)との光路差が広帯域化に寄与することを示す。このため、N=2、すなわち、第2の高密度物質層31と第2の低密度物質層32は1層ずつとすることが好ましい。
次に、多層膜構造20における周期長Dと上部積層構造30(N=2)の厚さDが異なる場合について説明する。図12は、D=5.6nm(前記と同じ)とし、Dを変えた場合の反射率スペクトルを計算した結果である。ここで、D/Dをパラメタとして示しており、他のパラメータ(γ等)は図6の場合と同様である。この結果より、反射率スペクトルの形状(広帯域化)にD/D依存性があり、均一な反射率を得るためにはD/D=1付近が好ましいことが明らかである。
この点を更に明確にするため、図13に、エネルギー範囲が2〜4keVにおける反射率の最大値及び最小値、積分反射率のD依存性(あるいはD/D依存性)を示す。この結果から、反射率の最大値と最小値の差が最も小さくなるのは、D/D=1.0(D=D)の場合、すなわち、多層膜構造20と上部積層構造30の周期長が等しい場合であることがわかる。一方、積分反射率の最大値はD=6.5nm付近(D/D=1.16付近)である。反射率の最大値と最小値の差が0.1以下とするように広帯域化をする場合には、図13の結果より、D/Dは1.0±0.05の範囲が好ましい。この領域においては、積分反射率も、ピークの95%以上であり、充分高い。
従って、第1の高密度物質層21と第2の高密度物質層31の材料及び厚さを等しくすることが製造工程を簡易にするという観点から望ましい。しかし、必ずしも第1の高密度物質層21と第2の高密度物質層31の材料及び厚さを同一にする必要はない。この場合、製造工程は複雑になるが、適宜、材料及び厚さを選択することで、反射率の広帯域化を図りながらも特定のエネルギー領域の反射率だけを低下させるバンドパスフィルタの役割を持たせる等、所望の反射率スペクトルを得ることができる点で本発明は応用性に富む。
上記の例では、対象とするエネルギー領域として2〜4keVの場合を考えたが、この他のエネルギー帯域においても同様に多層膜反射鏡の広帯域化を図ることができる。例えば、第1の高密度物質層21、第2の高密度物質層31の材料をNi、第1の低密度物質層、第2の低密度物質層の材料をBCとし、D=D=9.4nm、γ=γ=0.55、N=60、基板11をSiOとした場合における、図6と同様の計算結果を図14に示す。ここで、入射角は88.2度である。図中には、図6と同様に、多層膜構造のみの場合の反射率、最上部4層のみの反射率も示している。この場合においては、1.5〜3.0keVの帯域において均一に高い反射率が得られ、この領域の全てにおいて反射率が10%を越え、平均反射率は27.9%である。特に、1.6〜2.8keV(幅1.2keV)の領域では、反射率が20%を越え、極めて高い。この多層膜反射鏡10の製造工程においても、成膜時間を変えることなく、材料の積層順序を変えるだけで容易に多層膜反射鏡10の構造を実現できる。
このエネルギー領域においては、第1、第2の高密度物質層の材料として、Co、Cu、Fe等が、第1、第2の低密度物質の材料としてB、C、SiO等を用いることもできる。特に、第1、第2の高密度物質層の材料の吸収端のエネルギーを考慮して、所望のエネルギー範囲に対応させることが可能である。
次に、上部積層構造30におけるN=3の場合について説明する。図6に示したように、第1及び第2の高密度物質層21と31がW、第1及び第2の低密度物質層22と32がBCの場合の反射率スペクトルは2keV近傍で反射率が低下傾向にある。同様に、図14に示したように、第1及び第2の高密度物質層21と31がNi、第1及び第2の低密度物質層22と32がBCの場合の反射率スペクトルは1.5keV近傍で反射率が低下傾向にある。この領域の反射率を向上させるためには、一般の多層膜反射鏡の場合には積層数を大きくすればよいことが知られている。すなわち、上部積層構造30の積層数Nを大きくすればよいとも考えられるが、前記の通り、N≧4の場合では広帯域化することが出来ない。しかし、N=3、すなわち上部積層構造30において、第2の低密度物質層32の次に第2の高密度物質層31を積層した後、再度、第2の低密度物質層32を積層することが有効である。ただし、その厚さは先に積層した第2の低密度物質層32の厚さと第2の高密度物質層31の厚さの和程度である。図15は、第1及び第2の高密度物質層21と31がW、第1及び第2の低密度物質層22と32がBCであり、上部積層構造30における積層総数N=3とした場合の2〜4keVの反射率スペクトルを計算した結果である。比較のため、積層総数N=2の時のスペクトルも示している。このように、N=3とすることによって、2keV近傍の反射率を向上させることができる。ただし、2.6keV近傍の反射率は僅かに低下するため、目的に応じてN=2、3のどちらかを選択することが好ましい。
同様に、図16は、第1及び第2の高密度物質層21と31がNi、第1及び第2の低密度物質層22と32がBCであり、上部積層構造30における積層総数N=2、3とした場合の1〜3keVの反射率スペクトルを計算した結果である。1.8keV近傍の反射率は僅かに低下するものの、1.5keV近傍だけでなくより低エネルギー側の反射率を向上させることが出来る。この系の場合、N=3とした際の低エネルギー側の反射率に与える効果は大きい。このように、上部積層構造30における積層総数N=3の場合でも広帯域化は可能であるが、N=2の時に比べ反射率が低下する領域もあるため、N=2、3のうち、所望の反射率スペクトルを得る値を選択すれば良い。この点からも本発明は応用に富む。ただし、前述の通り、N=4以上の場合には反射幅の広帯域化は望めない。
なお、上記の例では、多層膜構造20におけるN=40としたが、これ以外の場合でも、N>>2、かつ、多層膜構造20においてBragg反射が充分に起こる場合であれば、上記と同様の結果が得られることは明らかである。また、基板11としてSiOを用いていたが、多層膜鏡の原理より、他の材料からなる基板であっても同様であることは明らかである。また、多層膜構造20と基板11との界面には第1の高密度物質層21が存在するとしたが、Nが十分大きく、多層膜構造20における第1の低密度物質層22と上部積層構造30における第2の低密度物質層32が直接接しさえすれば、基板11との界面は第1の低密度物質層22であっても良い。これらの順序は、基板11との密着性や製造のし易さ等から適宜選択される。
更に、上記の例では、多層膜光学素子の具体例として、平坦度の高い基板11を用いた反射鏡について説明したが、同様の多層膜構造20及び上部積層構造30を、他種類の基板上に形成すれば、他の光学素子が得られる。この際、上部積層構造30を形成することは、多層膜構造20(あるいは従来の多層膜反射鏡等に用いられている多層膜構造)と同様に行うことができる。すなわち、従来の多層膜構造が用いられている光学素子であれば、その上に上部積層構造30を形成することができ、これを用いてX線領域における適用波長を広帯域化した光学素子が得られる。
例えば、特許文献1と同様に、基板11として、回折格子を形成する溝が形成された回折格子基板(ラミナー型回折格子)を用いてこれらを形成すれば、広い波長帯域で高い回折効率をもつ多層膜ラミナー型回折格子として使用することができる。同様に、薄膜上に所望のパターンが形成された構造をもつゾーンプレート基板を基板11として用いることもでき、その適用波長範囲を広げることも可能である。
10 多層膜反射鏡(多層膜光学素子)
11 基板
20 多層膜構造
21 第1の高密度物質層
22 第1の低密度物質層
30 上部積層構造
31 第2の高密度物質層
32 第2の低密度物質層

Claims (4)

  1. 基板上に、低密度物質層と、前記低密度物質層よりも密度が高い高密度物質層とが交互に周期的に積層されて形成された構造を具備する多層膜光学素子であって、
    第1の低密度物質層と第1の高密度物質層とが交互に周期的に積層された多層膜構造が、前記第1の低密度物質層が前記多層膜構造における最上層となるように前記基板上に形成され、
    前記第1の低密度物質層と同じ物質で構成された第2の低密度物質層が前記多層膜構造の最上層である前記第1の低密度物質層の上に接して形成され、前記第1の高密度物質層と同じ物質で構成された第2の高密度物質層が前記第2の低密度物質層と接し前記多層膜光学素子の最上層となるように形成され、
    前記第1の低密度物質層と前記第1の高密度物質層を一対とする前記多層膜構造の周期長Dに対する前記第2の低密度物質層と前記第2の高密度物質層とからなる上部積層構造の厚さDの比、D/Dが1.0±0.05の範囲内であることを特徴とする多層膜光学素子。
  2. 前記第1の高密度物質層の材料と前記第2の高密度物質層の材料がW又はNiであることを特徴とする請求項1に記載の多層膜光学素子。
  3. 前記第1の低密度物質層の材料と前記第2の低密度物質層の材料がBC、B、C、SiOのいずれかであることを特徴とする請求項1又は2に記載の多層膜光学素子。
  4. 前記基板は鏡面基板、回折格子基板、ゾーンプレート基板のいずれかであることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の多層膜光学素子。
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