JP3290629B2 - 光学多層膜フィルタ - Google Patents

光学多層膜フィルタ

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JP3290629B2 JP17465298A JP17465298A JP3290629B2 JP 3290629 B2 JP3290629 B2 JP 3290629B2 JP 17465298 A JP17465298 A JP 17465298A JP 17465298 A JP17465298 A JP 17465298A JP 3290629 B2 JP3290629 B2 JP 3290629B2
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    • G02B5/20Filters
    • G02B5/28Interference filters
    • G02B5/285Interference filters comprising deposited thin solid films
    • G02B5/288Interference filters comprising deposited thin solid films comprising at least one thin film resonant cavity, e.g. in bandpass filters

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば波長分割多
重光通信などにおいて、所望の波長の光を分波する光分
波フィルタに係り、特に屈折率の異なる誘電体薄膜を多
層に積層した光学多層膜フィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】波長分割多重通信(WDX: wavelength div
ision multiplexing)は光通信容量の飛躍的な増大に対
応する新たな技術として、近年、その開発が進んでいる
が、波長多重数の更なる増大が望まれている。このよう
な光通信においては、所望の波長の光を選択的に用いる
ために、異なる2から3種の誘電体薄膜を交互に積層した
誘電体多層膜からなる光分波フィルタが用いられてい
る。このような光学多層膜フィルタについて以下に説明
する。図6は従来の光学多層膜の構造を示す説明図であ
る。膜に吸収がない場合、屈折率(n0) の基板上のp+1
層の多層膜から入射した光の反射率(R)と振幅反射率rp+
1,0は、以下の関係を有する。
【0003】
【数1】 rp+1,0 が振幅反射率で、
【0004】
【数2】 を満たす。式中のdpとrp+1,p はそれぞれ位相, p+1層と
p 層間の振幅反射率であり、以下の関係がある。
【0005】
【数3】 l は 入射光の波長で、 np、dp はそれぞれp 層薄膜の
屈折率および膜厚である。fpは光のp層内における屈折
角である。フレネル(Fresnel)の法則により
【0006】
【数4】 ただし、s偏光の場合、 p偏光の場合にはそれぞれ
【0007】
【数5】
【数6】 である。任意の光学特性に対する光学多層膜の積層構造
の最適化には、従来から図式解法や解析合成法が用いら
れて来た。しかし、最近はパーソナルコンピュータを用
いた自動計算が一般化している。
【0008】次に、図7(a)、(b)、図3をもと
に、このような従来の光学多層膜フィルタについて更に
説明する。図7(a)は高低屈折率の誘電体薄膜を交互
に積層した光学多層膜フィルタにおける積層数と屈折率
の関係を示す図であり、図7(b)は図7(a)に示す
光学多層膜フィルタにおける透過特性の計算結果を示す
図であり、図3は膜の材質および屈折率を示す図であ
る。このような従来の光学多層膜フィルタとして図7
(a)に示すものにおいては、高屈折率の誘電体薄膜H
と、低屈折率の誘電体薄膜Lを交互に積層して形成して
いる。ここで、 H 、Lはそれぞれ図3に示した光学特性
を有するTiO2、SiO2膜である。透過スペクトルの
計算において、光の入射角を0(垂直入射)とし、中心
波長を730 nm とした。このような従来の光学多層膜フ
ィルタにおいては、中心波長(730nm)の反射バンドで
ほぼ100%の反射率を有するが、透過帯域で多くの干渉
ピークが存在するという問題があり、高精度な光学フィ
ルタを得ることは困難であった。
【0009】一方、前述した従来の光学多層膜フィルタ
における光学特性を改善するものとして、誘電体薄膜の
膜厚方向に対する屈折率を正弦などの関数に従って連続
かつ周期的に変化させた構造としたルゲート型フィルタ
が知られている。この第2の従来例としてのルゲート型
フィルタについて、図8(a)、(b)をもとに説明す
る。図8(a)はルゲート型フィルタの積層数と屈折率
の関係を示す図であり、図8(b)は図8(a)に示す
ルゲート型フィルタにおける透過スペクトルの計算結果
を示す図である。前述した高低屈折率薄膜を交互積層し
た光学多層膜フィルタの構成と比較するために、図8
(a)には、正弦関数の一周期に対応する膜厚を交互多
層膜の2層と見なして、屈折率と膜の積層数の関係を示
した。ルゲート型フィルタの屈折率(n)の膜厚(x)依存性
は以下の式で表わせる。
【0010】
【数7】
【0011】ここで、n0、n1はそれぞれ平均屈折率
と屈折率変化の振幅であり、pは一つの正弦周期の膜厚
である。図8(a)に示したように、ルゲート型フィル
タは膜厚方向に対して屈折率が正弦関数に従って連続か
つ周期的に変化する構造を有している。そして、図8
(b)から明らかなように、ルゲート型フィルタは高
屈折率層を交互積層した光学多層膜フィルタより、透過
領域での干渉を抑制し、低波長範囲の調和反射ピークも
減少するが、反射バンド近傍の反射ピークは削除できな
い。そこで、ルゲート型フィルタにおいては、反射バン
ド近傍における干渉ピークを解決するため、フィルタ設
計にあたってその光学特性を調整する他の関数が必要と
なる。たとえば、ルゲート型フィルタの構造に5次方関
数及びFourier関数などを加えることによって、広帯域
反射型フィルタの光学特性を改善することが可能とな
る。しかしながら、フィルタ構成が極めて複雑になるた
め、作製はより困難なものとなる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】このように、高屈折率
の膜と低屈折率の膜を交互積層した従来の光学多層膜フ
ィルタにおいては、狭いバンド幅や、温度変化に対する
安定性などの要求性能を満たすことが困難であるという
問題があった。また、ルゲート型フィルタにおいては、
フィルタ構成が複雑であり、また、設計値に従って屈折
率を連続的にかつ高精度に成膜するための制御が困難で
あり、生産性が低く、安定した品質で安価に提供するこ
とが困難であるという問題があった。本発明の課題は上
記の従来例の問題を解決し、干渉が少なく光学特性の良
い光学多層膜フィルタを提供することにある。また、生
産性の高い光学多層膜フィルタを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の手段として、本発明の光学多層膜フィルタは、単一方
向に誘電体薄膜を多層に積層した光学多層膜フィルタで
あって、高屈折率の誘電体薄膜層と低屈折率の誘電体薄
膜層とを交互に積層した交互積層部を中央に配し、この
交互積層部に近い側が屈折率が高く交互積層部から離れ
るに従って屈折率が段階状に順次傾斜減少する屈折率傾
斜積層部を、交互積層部の両側に各々配し、交互積層部
と屈折率傾斜積層部との間には、それぞれ屈折率差調整
部が配されるものであり、ここで、屈折率差調整部が、
屈折率傾斜積層部における交互積層部に最も近い層の屈
折率と交互積層部を構成する低屈折率層の屈折率との間
の屈折率であり交互積層部に近づくにつれ段階状に減少
してゆく層と、屈折率傾斜積層部における交互積層部に
最も近い層の屈折率と交互積層部を構成する高屈折率層
の屈折率との間の屈折率であり交互積層部に近づくにつ
れ段階状に増大してゆく層とを交互に積層してなること
を特徴とするものである。 かかる構成により、本発明に
よれば、干渉が少なくて光学特性が良く、しかも生産性
に優れた光学多層膜フィルタが提供可能となる。
【0014】また、上記構成に加えて、屈折率差調整部
がSiO 2 とTiO 2 との組成比を異ならせることにより
所望の屈折率に形成されてなるものであると良い。これ
により、屈折率差調整部を容易に所望の屈折率に調整可
能となる。
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【発明の実施の形態】制御光波長に対して十分に薄い膜
を積層した場合、制御光はこれを積層膜とは認識せず積
層構造に応じる等価的な単一屈折率膜として感応する。
この性質を利用して2種類の異なる屈折率膜の積層構造
を変化させることで、膜厚方向に対して連続的に変化し
た特性を有する光分波フィルタを得ることが可能であ
る。また、単一膜において2種類の異なる素材の組成比
率を制御することで、任意の屈折率を有する膜を得るに
はヘリコンスパッタ法等、膜の制御性の高い成膜法を用
いることにより、所望の屈折率を有する単一光学膜の安
定成膜が可能になる。本発明に係わる光学多層膜フィル
タは、上述の点に着目し、高屈折率の誘電体薄膜層と低
屈折率の誘電体薄膜層とを交互に積層した交互積層部を
中央に配し、交互積層部に近い側が屈折率が高く交互積
層部から離れるに従って屈折率が段階状に順次傾斜減少
する屈折率傾斜積層部を、交互積層部の両側に各々配し
ており、しかも交互積層部と屈折率傾斜積層部との間に
はそれぞれ屈折率差調整部が配される。そして、各屈折
率差調整部は、屈折率傾斜積層部における交互積層部に
最も近い層の屈折率と交互積層部を構成する低屈折率層
の屈折率との間の屈折率であり交互積層部に近づくにつ
れ段階状に減少してゆく層と、屈折率傾斜積層部におけ
る交互積層部に最も近い層の屈折率と交互積層部を構成
する高屈折率層の屈折率との間の屈折率であり交互積層
部に近づくにつれ段階状に増大してゆく層とを交互に積
層してなる構成としている。このように構成した光学多
層膜フィルタによれば、成膜における再現性と制御性を
確保しつつ、光学特性設計のより高い自由度を確保する
ことが出来る。そして、干渉が少なく光学特性のよい、
また、生産性の高い光学多層膜フィルタを提供すること
が可能となる。
【0021】
【実施例】本発明の実施例について図面を参照して以下
に説明する。図1(a)は本発明の一実施例に係わる光
学多層膜フィルタの屈折率と膜厚の関係を示す図であ
り、図1(b)はその断面構造の概念を示す説明図であ
る。本発明の光学多層膜フィルタは、単一方向に誘電体
薄膜を多層に積層した光学多層膜フィルタであって、
1(a)に示すように、高屈折率の誘電体薄膜層と低屈
折率の誘電体薄膜層とを交互に積層した交互積層部Aを
中央に配し、交互積層部Aに近い側が屈折率が高く交互
積層部Aから離れるに従って屈折率が段階状に順次傾斜
減少する屈折率傾斜積層部Cを、交互積層部Aの両側に
各々配しており、しかも交互積層部Aと屈折率傾斜積層
部Cとの間にはそれぞれ屈折率差調整部Bが配されてい
る。 ここで、各屈折率差調整部Bは、図1(b)に示す
ように、屈折率傾斜積層部Cにおける交互積層部Aに最
も近い層の屈折率と交互積層部Aを構成する低屈折率層
の屈折率との間の屈折率であり交互積層部Aに近づくに
つれ段階状に減少してゆく層と、屈折率傾斜積層部Cに
おける交互積層部Aに最も近い層の屈折率と交互積層部
Aを構成する高屈折率層の屈折率との間の屈折率であり
交互積層部Aに近づくにつれ段階状に増大してゆく層と
を交互に積層してなる。
【0022】次に、本発明の一実施例としての広帯域反
射フィルタを図2(a)、図2(b)、図3、図4を参
照して説明する。図2(a)は本発明の実施例に係わる
広帯域反射フィルタとしての積層数と屈折率の関係を示
す図であり、図2(b)の実線は図2(a)に示す広帯
域反射フィルタにおける透過スペクトルの計算結果を示
している。図3は膜の材質および屈折率を示す図であ
る。図4は本発明の実施例に係わる広帯域反射フィルタ
の透過スペクトル計算曲線と実験値を示す図である。本
発明の一実施例としての広帯域反射フィルタは、SiO
2、TiO2を素材として設計した31層の広帯域反射フィ
ルタからなる。更に具体的には、各誘電体薄膜層を以下
のように積層構成した。LABCDECFBGAH(L
H)4LGAFBEDCBALここで、L、H、A、B、
C、D、E、F、Gは図3に示した光学膜厚(nd=λ/4)
を有するSiO2-TiO2複合膜である。そして、LA
BCDEとEDCBALは対称的に屈折率が傾斜したS
iO2-TiO2複合膜の積層である。(図1の説明図に
おける屈折率傾斜積層部Cに相当する。)また、CFB
GAとLGAFBの部分はSiO2-TiO2複合膜から
なる屈折率差調整部である。(図1の説明図における屈
折率差調整部Bに相当する。)このように、上記屈折率
差調整部を異なる複数の(好ましくは4種類以上)単一
屈折率膜によって形成している。更に、上記の屈折率傾
斜積層部と屈折率差調整部は、SiO2とTiO2の組成
比を図3に示すように各々異ならせて所望の屈折率に形
成した単一屈折率膜を用いて構成している。また、中心
部分のH(LH)4は従来のTiO2、SiO2単層膜から
なる高屈折率の誘電体薄膜層と低屈折率の誘電体薄膜層
の交互積層である。(図1の説明図における交互積層部
Aに相当する。)また、設計膜厚は3119 nmである。こ
のようにして設計した本発明の一実施例に係わる広帯域
反射フィルタについて、ヘリコンスパッタ法を用いて作
製し、実験した。ヘリコンスパッタ法は、マグネトロン
カソード上に誘導放電用コイルを設け、ヘリコン波を発
生させることにより励起されたプラズマを用いてスパッ
タリングを行う方法である。このため、低プラズマダメ
ージ、高密度の多成分膜の精密成膜が可能となる。ヘリ
コンスパッタ装置には二台のヘリコンカソードが用いら
れている。ヘリコンカソードにはそれぞれ溶融シリカ(9
9.99%)と焼結酸化チタン(99.5%)のターゲットが取りつ
けられている。ターゲットおよび誘導コイルにはrf (1
3.56 MHz) 電力を印加し、電力は0〜200Wとした。成膜
時のチャンバーの基礎圧力は 5×10-5Pa 以下とした。
カソードとラジカルガンに導入したアルゴンと酸素ガス
の比はAr/O2=2/1とし、成膜圧力は1.8×10-1Paとした。
基板とターゲット間距離は180mmとし、基板は10rpmで回
転させた。基板には光学ガラス (BK7, n=1.52)およびSi
(100)単結晶基板を用いた。膜厚および屈折率はエリプ
ソメーター(Gaertner L116-B,633nm)を用いて測定し
た。膜の組織観察はTEM (JEOL-200FX) で行った。多層
膜の透過率は分光光度計 (Shimadzu UV-3101-200FX) を
用いて200〜2500nmの波長範囲で測定した。これらによ
って作成した本発明の実施例に係わる光学多層膜につい
て、その断面構造を観察すると図1に示すものと一致し
た。また図示しないが、TEM写真には、各層屈折率の増
大つまり各層中のTiO2含有量の増加に従って明視野像に
おける明度が減少する傾向が見られる。なお、Si
2、TiO2およびSiO2-TiO2複合膜のXRD、SEM
およびTEM解析により、SiO2-TiO2複合膜の微細構
造は均質かつ等方的なアモルファス膜及びナノ結晶Ti
2を含むアモルファス膜であり、偏向依存性等がな
く、光学的に均質な光学多層膜フィルタとして理想的膜
構造としている。また、光学特性の評価結果、得られた
多層膜の透過スペクトルは中心波長730nmで99.8%の反
射率を有し、計算曲線とほぼ一致した。また、FWHM(ful
l widthathalf maximum)においてもほぼ設計値と一致し
た。また、図2(b)には、上述の本発明の実施例に係
わる広帯域反射フィルタの計算透過スペクトルを実線で
示しており、比較のために従来例に示した31層TiO
2 、SiO2交互積層による多層膜フィルタの計算透過
スペクトルを破線で示している。図2(b)より、本発
明の実施例に係わる広帯域反射フィルタは、従来例の光
学多層膜フィルタに比し、透過帯域での干渉が少なく、
広帯域反射フィルタとしてより優れた光学特性が得られ
ることがわかる。また、他の従来例として図(b)に
示したルゲート型フィルタの透過スペクトルと比較する
と、ルゲート型フィルタよりもさらに透過帯域での干渉
が抑制されるということがわかる。このように本発明の
実施例に係わる広帯域反射フィルタにおいては、干渉を
抑制し高い光学特性を得ることが可能となる。また、ル
ゲート型フィルタに比べ、簡単な膜構成とするこができ
るので、成膜における再現性と制御性を確保することが
でき、生産性の高い光学多層膜フィルタを提供すること
が可能となる。
【0023】次に、本発明の他の実施例としての狭帯域
透過フィルタを図5を参照して説明する。図5は本発明
の実施例に係わる狭帯域透過フィルタの透過スペクトル
の計算結果を示す図である。本発明の他の実施例として
の狭帯域透過フィルタにおいても、本発明の第1の実施
例と同様に、誘電体薄膜層の屈折率が膜の積層方向に対
して順次傾斜変化する屈折率傾斜積層部と、高屈折率
の誘電体薄膜層と低屈折率の誘電体薄膜層とを交互に積
層した交互積層部とを有し、屈折率差調整部Bが、交
互積層部Aと屈折率傾斜部C間に配されている。そし
て、基板からの積層方向に対して屈折率傾斜積層部C、
屈折率差調整部B、交互積層部A、屈折率差調整部B、
屈折率傾斜積層部Cの順に成膜した構成となっている。
具体的には、各誘電体薄膜層を以下のように積層構成し
ている。 LABCDECFBGAxH(LH)nLyH(LH)n
xHLGAFBEDCBAL ここで、図5中の曲線T124、T663、T282はそれぞれ
x=1,y=2,n=4、x=6,y=6,n=3、x
=2,y=8,n=2のパラメーターに対応し、各膜は
図3に示す材料および屈折率からなる。そして、図5か
ら明らかなように、本発明の実施例に係わる狭帯域透過
フィルタにおいては、中心波長730nmにおいてほぼ1
00%の透過率が、また反射領域においてほぼ100%
の反射率が得られることがわかる。さらに、上述の多層
膜のパラメータを調整することによって、透過バンド幅
の波長範囲を1nmから50nmまで制御することが可能にな
り、狭帯域透過フィルタとしての高い光学特性を得るこ
とが可能となる。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
誘電体薄膜層の屈折率が積層方向に対して順次傾斜変化
する屈折率傾斜積層部と、高屈折率の誘電体薄膜層と低
屈折率の誘電体薄膜層とを交互に積層した交互積層部と
を備えるように積層したので、干渉が少なく光学特性の
良い光学多層膜フィルタを提供することが可能になる。
また、生産性の高い光学多層膜フィルタを提供すること
が可能となる。
【0025】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係わる光学多層膜フィルタの
屈折率と膜厚の関係、およびその断面構造の説明図であ
る。
【図2】本発明の実施例に係わる広帯域反射フィルタと
しての積層数と屈折率の関係、および透過スペクトルの
計算結果を示す説明図である。
【図3】膜の材質および屈折率を示す図である。
【図4】本発明の実施例に係わる広帯域反射フィルタの
透過スペクトル計算曲線、および実験値を示す説明図で
ある。
【図5】本発明の実施例に係わる狭帯域透過フィルタの
透過スペクトルの計算結果を示す説明図である。
【図6】従来の光学多層膜の構造を示す説明図である。
【図7】従来例に係わる交互積層多層膜フィルタにおけ
る積層数と屈折率の関係、および透過特性の計算結果を
示す説明図である。
【図8】従来例に係わるルゲート型フィルタの積層数と
屈折率の関係、および透過スペクトルの計算結果を示す
説明図である。
【符号の説明】
A 交互積層部 B 屈折率差調整部 C 屈折率傾斜積層部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−284304(JP,A) 特開 昭63−98602(JP,A) 特開 平1−108504(JP,A) 特開 平7−168017(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 5/28

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単一方向に誘電体薄膜を多層に積層した
    光学多層膜フィルタであって、高屈折率の誘電体薄膜層
    と低屈折率の誘電体薄膜層とを交互に積層した交互積層
    部を中央に配し、該交互積層部に近い側が屈折率が高く
    該交互積層部から離れるに従って屈折率が段階状に順次
    傾斜減少する屈折率傾斜積層部を、前記交互積層部の両
    側に各々配し、前記交互積層部と前記屈折率傾斜積層部
    との間には、それぞれ屈折率差調整部が配され、 前記屈折率差調整部は、前記屈折率傾斜積層部における
    前記交互積層部に最も近い層の屈折率と前記交互積層部
    を構成する低屈折率層の屈折率との間の屈折率であり前
    記交互積層部に近づくにつれ段階状に減少してゆく層
    と、 前記屈折率傾斜積層部における前記交互積層部に最も近
    い層の屈折率と前記交互積層部を構成する高屈折率層の
    屈折率との間の屈折率であり前記交互積層部に近づくに
    つれ段階状に増大してゆく層とを交互に積層してなる
    とを特徴とする光学多層膜フィルタ。
  2. 【請求項2】 前記屈折率差調整部は、SiO 2 とTi
    2 との組成比を異ならせることにより所望の屈折率に
    形成されてなることを特徴とする請求項1記載の光学多
    層膜フィルタ。
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