JPWO2006104045A1 - 波長フィルタ - Google Patents

波長フィルタ Download PDF

Info

Publication number
JPWO2006104045A1
JPWO2006104045A1 JP2006522173A JP2006522173A JPWO2006104045A1 JP WO2006104045 A1 JPWO2006104045 A1 JP WO2006104045A1 JP 2006522173 A JP2006522173 A JP 2006522173A JP 2006522173 A JP2006522173 A JP 2006522173A JP WO2006104045 A1 JPWO2006104045 A1 JP WO2006104045A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wavelength
substrate surface
wavelength filter
light
filter according
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006522173A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4139420B2 (ja
Inventor
岡野 正登
正登 岡野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nalux Co Ltd
Original Assignee
Nalux Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nalux Co Ltd filed Critical Nalux Co Ltd
Application granted granted Critical
Publication of JP4139420B2 publication Critical patent/JP4139420B2/ja
Publication of JPWO2006104045A1 publication Critical patent/JPWO2006104045A1/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B5/00Optical elements other than lenses
    • G02B5/20Filters
    • G02B5/28Interference filters
    • G02B5/285Interference filters comprising deposited thin solid films

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Diffracting Gratings Or Hologram Optical Elements (AREA)
  • Optical Integrated Circuits (AREA)
  • Optical Filters (AREA)

Abstract

薄膜の種類および積層回数が少ない簡単な構造を有し、また、製造プロセスが簡単で、性能のばらつきが少ない、波長帯域が広い波長フィルタを提供する。基板面上において、X方向に延伸する第1の部分(103)と第1の部分に沿ってX方向に延伸する第2の部分(105)とを、基板面上においてX方向と垂直なY方向に、使用する光の波長よりも短い一定の周期で交互に配置した格子からなる。各第1の部分の、Y方向でかつ基板面に垂直な断面形状は、Y方向の幅が周囲部分の幅よりも広くなるように突起した部分(107)を少なくとも1つ備える。当該所定の距離の範囲の、基板面に平行な領域によって分割される、基板面に平行な複数の導波層を形成し、当該複数の導波層の反射する光の波長帯域が重なりながらシフトして単一の導波層の反射する光の波長帯域よりも広い波長帯域の光を反射するように構成されている。

Description

本発明は、波長フィルタに関する。特に、反射スペクトルの帯域幅が広い特性をもった波長フィルタに関する。
光学システムを構成する際、特定の波長の光のみを取り出して光学処理を行いたい場合がある。特定の波長を含む帯域幅の光を取り出すことのできる光学素子は波長フィルタと呼ばれている。波長フィルタは、高屈折率の薄膜材料と低屈折率の薄膜材料をガラスやプラスチック基板上に蒸着させることによって、製造することができる。波長、または帯域幅は、薄膜の蒸着回数と膜の厚さを変えることによって調整することができる。しかし、波長選択性を高めるには、薄膜の蒸着回数や厚さを大きくする必要がある。したがって、製造プロセスが複雑となるのでコストが増大し、また構成が複雑となるので、性能のばらつきを抑えるのが困難となる。
近年、基板表面に微細な周期構造をもつ回折格子を形成し、その上に高屈折率媒質を堆積して製造される、より簡易な構造で、鋭い波長選択性を持った波長フィルタが提案されている。この波長フィルタは、共鳴現象と呼ばれる、周期構造内における光の局在(閉じ込め)および散乱効果を利用して、数ナノメートル以下の非常に狭い波長帯域だけを反射させることができる特性を有する。たとえば、S. S. Wang and R. Magnusson: “Theory and applications of guided-mode resonance filters,” Applied Optics Vol. 32 No. 14 2606-2613 (1993)では、波長よりも短い周期内に低屈折率材料と高屈折率材料が交互に配置された格子構造を配置することで狭帯域な反射スペクトルを有する波長フィルタが開示されている。
図9は、上記の波長フィルタの構成を示す図である。基板701の表面に部分703および部分705からなる、使用される光の波長λよりも短い周期Λの回折格子が形成されている。部分703および部分705は、屈折率の異なる材料からなる。部分703および部分705は、層707を形成する。
光が入射すると、所定の条件の下に、基板面に水平に近い状態で波が進行する、層707にしか存在できない、+1次および−1次の回折光が発生する。この光の波は、エバネセント波と呼ばれる。また、層707は、導波層と呼ばれる。上記の所定の条件は、光の入射角度をθとすると、式
Figure 2006104045
で表せる。ここで、βは伝搬係数であり、導波層707の平均屈折率を
Figure 2006104045
とすると、式
Figure 2006104045
で表せる。
ここで、導波層707の厚さについては、以下の式が成り立つ。
Figure 2006104045
ここで、平均屈折率を含む式(2)および(3)は、近似的なものであり、実際の解析には、導波層と周囲の層との間の電磁波の振る舞いを考慮して解析する必要がある。
式(1)が満たされる場合に生じたエバネセント波は、導波層とその周辺の層の境界に光が侵入しても透過することができず、全ての光が全反射される。したがって、図9に示した構造は、式(1)によって定まる、非常に狭い波長帯域の光を反射させるフィルタを形成する。
しかしながら、その反射特性は微小な波長変化に対して反射率が大きく低下するため、所望の半値幅(帯域幅)を実現することができないといった問題がある。
この問題を解決するために、D. K. Jacob, S. C. Dunn and M. G. Moharam: “Flat-top narrow-band spectral response obtained from cascaded resonant grating reflection filters,” Applied Optics Vol. 41 No. 7 1241-1245 (2002)では、4種類の屈折率の材料を使って最大反射率の波長帯域を広げた波長フィルタが開示されている。この波長フィルタは、所定の周期で低屈折率材料と高屈折率材料を交互に配置した、複数の格子構造、および、当該複数の格子構造の間に挟んだ、残り2種類の屈折率の薄膜を、光の入射方向に積層させている。
また、S. T. Thurman and G. M. Morris: “Controlling the spectral response in guided-mode resonance filter design,” Applied Optics Vol. 42 No. 16 3225-3233 (2003)では、低屈折率材料と高屈折率材料の2種類の材料のみを使って、同様に格子構造を積層させることにより、最大反射率の波長帯域を広げた波長フィルタが開示されている。
上記のD. K. Jacob, S. C. Dunn等の文献およびS. T. Thurman等の文献に記載されたいずれの構造においても、複数の格子構造を積層させることによって広い波長帯域が得られる。広い波長帯域が得られるのは、共鳴効果を引き起こす複数の波長が存在することになり、各々のスペクトルが互いに重なり合って、波長帯域が広がるためである。
しかしながら、これらの構造を製造するには、複数の格子構造を製造する工程と、薄膜材料を多数回蒸着する工程が必要であり、各々の工程では格子構造及び薄膜高さを高い精度で制御する必要がある。また、波長帯域が広くなるにつれて積層する格子構造の数が多くなる。結局、従来の薄膜技術によるフィルタと同様に、製造プロセスが複雑となるのでコストが増大し、また構成が複雑となるので、性能のばらつきを抑えるのが困難となる。
さらに、複数の格子構造を積層するので、全体の高さ(厚さ)が高くなる。
上記の背景の下で、薄膜の種類および積層回数が少ない簡単な構造を有し、また、製造プロセスが簡単で、性能のばらつきが少ない、波長帯域が広い波長フィルタに対するニーズがある。
本発明による波長フィルタは、基板面上において、X方向に延伸する第1の部分と第1の部分の材料の屈折率よりも高い屈折率の材料からなり、第1の部分に沿ってX方向に延伸する第2の部分とを、基板面上においてX方向と垂直なY方向に、使用する光の波長よりも短い一定の周期で交互に配置した格子からなる。本発明による波長フィルタの、各第1の部分の、Y方向でかつ基板面に垂直な断面形状は、基板面からZ方向に所定の距離を隔てた所定の距離の範囲において、Y方向の幅が周囲部分の幅よりも広くなるように突起した部分を少なくとも1つ備える。本発明による波長フィルタは、当該所定の距離の範囲の、基板面に平行な領域によって分割される、基板面に平行な複数の導波層を形成し、当該複数の導波層の反射する光の波長帯域が重なりながらシフトして単一の導波層の反射する光の波長帯域よりも広い波長帯域の光を反射するように構成されている。
本発明の波長フィルタは、広い波長帯域の光を反射するものでありながら、薄膜の種類および積層回数が少ない簡単な構造を有しており、製造プロセスが簡単で、性能のばらつきが少ない。
本発明の一実施形態によれば、前記所定の距離の範囲を変えることにより、前記複数の導波層の反射する光の波長帯域が重なりながらシフトするように構成されている。
このように、第1の部分の突起部分の、Z方向における位置または幅を変えることにより、単一の導波層の反射する光の波長帯域よりも広い波長帯域の光を反射するようにすることができる。
本発明の他の実施形態によれば、前記複数の導波層の平均屈折率を変えることにより、前記複数の導波層の反射する光の波長帯域が重なりながらシフトするように構成されている。
このように、第1の部分の突起していない複数の部分の、Y方向における幅を互いに異なったものとすることにより、単一の導波層の反射する光の波長帯域よりも広い波長帯域の光を反射するようにすることができる。
本発明の他の実施形態によれば、前記第1の部分の材料が、ガラス、プラスチックまたはケイ素のいずれかである。
本発明の他の実施形態によれば、前記第2の部分の材料が、酸化チタン、フッ化マグネシウムまたは酸化ケイ素のいずれかである。
本発明の他の実施形態によれば、前記第2の部分の材料が、ゲルマニウムまたはセレン化亜鉛のいずれかである。
本発明による波長フィルタの製造方法は、前記X方向からビームを照射して前記断面形状を描画する。
したがって、突起部を有する格子であっても、通常の格子を製造する場合と同様に製造することができる。
本発明の1実施形態による波長フィルタの構成を示す断面図である。 本発明の1実施形態による波長フィルタの部分Aの詳細な構成を示す断面図である。 本発明の波長フィルタの原理を説明する図である。 本発明による波長フィルタの製造プロセスを模式的に表した図である。 TE偏光の光が、基板に対して斜め45度で入射したときに、中心波長1550nmで強い反射特性をもつ波長フィルタの断面図である。 図5の波長フィルタでの反射スペクトルの計算結果を示す図である。 TE偏光の光が、基板に対して斜め45度で入射したときに、中心波長1550nmで強い反射特性をもつ、第2の数値実施例の波長フィルタの断面図である。 図7の波長フィルタでの反射スペクトルの計算結果を示す図である。 従来技術の波長フィルタの構成を示す図である。
図1は、本発明の1実施形態による波長フィルタの構成を示す断面図である。図1の断面は、基板101の面に垂直であり、かつ、格子の延伸方向に垂直な方向の面である。格子は、使用される光よりも短い周期Λを備え、符号103で示される部分Aおよび符号105で示される部分Bから成る。部分Aおよび部分Bは、屈折率の異なる材料からなる。部分Aは、高さ(基板面からの距離)が所定の範囲において、周辺よりも幅の広くなるように突起した部分107を備える。図1において、部分Aは、2つの高さ範囲に突起した部分を備える。
図2は、本発明の1実施形態による波長フィルタの部分Aの詳細な構成を示す断面図である。図2の断面は、図1の断面と同じである。図2において、基板面内において格子の延伸方向に垂直な方向をY、格子の高さ方向をZで表す。基板面からの距離である格子高さをhとして、格子高さhにおける部分Aの幅をf(h)で表す。また、格子高さhにおける部分Aおよび部分Bの屈折率をn(h)およびn(h)で表す。
この場合に、格子高さhの周辺の、基板面に平行な層のTE偏光およびTM偏光に対する平均屈折率nTE(h)およびnTM(h)は、以下の式で表せる。
Figure 2006104045
ここで、θは、基板面に対する光の入射角度である。また、F(h)は、部分Aのデューティ比であり、
F(h)=f(h)/Λ
で表せる。
ここで、部分Bの屈折率n(h)が部分Aの屈折率をn(h)よりも高いとし、格子高さhの、基板面に平行な薄い層の平均屈折率をn(h)とすると、式(4)および(5)から、TE偏光およびTM偏光について、以下の式が成り立つ。

nin≦ns<n(h=h2〜h3)<n(h=h1〜h2) (6)

nin≦ns<n(h=h2〜h3)<n(h=h3〜h4) (7)
ここで、h=h〜hは、格子高さhがhとhの範囲の任意の高さhを表し、n(h=h〜h)は、当該任意の高さの平均屈折率を示す。また、ninは、入射側媒体の屈折率、nは、基板の屈折率を表す。
式(6)および(7)から、格子高さhがhとhの範囲の層およびhとhの範囲の層は、hとhの範囲の層よりも屈折率が高く、二つの導波層を形成する。
図3は、本発明の波長フィルタの原理を説明する図である。図3(a)は、格子の部分Aの構成を示す断面図である。図3(b)は、格子の高さ方向(Z方向)の屈折率の分布を示す図である。図2に関連して説明したように、部分Aの幅の狭い部分の高さ範囲に二つの導波層AおよびBが形成される。入射した光の大部分は、透過光305として、導波層AおよびBを透過する。導波層AおよびBのそれぞれに対して、式(1)が満たされる場合には、エバネセント波301および302が生じ、全反射による反射波303および304が生じる。したがって、導波層Aにおいて反射波が生じる波長と、導波層Bにおいて反射波が生じる波長とがわずかに異なるように導波層AおよびBの構成を定めれば、導波層Aによる反射波長の帯域と導波層Bによる反射波長の帯域とが、それぞれ、図3(c)の、波長に対する反射率のグラフの実線と点線で示すように、わずかにずれて重なり合う。この結果、反射波長の帯域を広げることができる。
部分Aおよび部分Bの材料について説明する。部分Aの材料としてガラス、プラスチックおよびケイ素などを使用することができる。部分Bの材料の屈折率との差をできるだけ大きくするように、屈折率はできるだけ低くすることが望ましい。したがって、ガラスやプラスチックが好ましい。
部分Bの材料は、通常の薄膜形成用材料を使用することができる。薄膜材料としては、酸化チタン(TiO2)、フッ化マグネシウム(MgF2)または酸化ケイ素(SiO2)などが挙げられるが、特に高い屈折率を有する酸化チタン(TiO2)またはフッ化マグネシウム(MgF2)が好ましい。また、入射光の波長が赤外領域にわたっている場合は、たとえば、ゲルマニウム(Ge)またはセレン化亜鉛(ZnSe)などを利用することができる。
つぎに、本発明の波長フィルタの製造方法について説明する。
図4(a)は、一般的なリソグラフィー技術による描画からエッチングまでの製造プロセスを模式的に表した図である。描画するための手段はここでは電子ビームを用いている。製造プロセスの詳細は、以下のとおりである。
はじめに、基板上にレジストを堆積し、その上に所望のパターンが得られるように、電子ビームを照射する。使用するレジストはポジ型であってもネガ型であってもいずれでもよく、描画面積が少なくなるほうを選択する。電子ビームによって描画されたレジストを現像処理によって除去する。次にエッチングの際の最終的な高さをできる限り深くするために、CrやAlなどといった金属をレジスト上に蒸着し、リフトオフを行うと、レジストの部分が除去されて、金属膜が堆積された微細構造が形成される。この状態でエッチングを行うと、金属膜の効果によってエッチングの進行がゆっくり進み、最終的に深い溝を持つ断面形状を得ることができる。
図4(b)は、本発明による波長フィルタの製造プロセスを模式的に表した図である。描画からエッチングまでの製造プロセスは、図4(a)と同様である。ただし、電子ビームの照射方向は、図4(b)の紙面に対して垂直とする。エッチングによって部分Aを形成した後、部分Aと部分Aとの間に高屈折率の材料からなる部分Bを形成するように、たとえば金属などのマスクを配置した後、蒸着を行う。蒸着の終了後、前述のマスクを除去すると、本発明による、部分Aおよび部分Bが交互に配置された波長フィルタが得られる。
本発明による波長フィルタの製造方法として、ここでは電子ビームによるリソグラフィー技術を例として説明した。本発明による波長フィルタは、この方法以外の、他の方法によっても製造することができる。たとえば、描画の際の線源を電子ビームとする代わりに、同様に広く知られるLIGAプロセスと呼ばれる、X線を線源とした照射による製造方法を使用してもよい。
本発明による波長フィルタの数値実施例を示す。格子構造から反射特性を算出するのに、厳密結合波解析(Rigorous Coupled Wave Analysis, RCWA)と呼ばれる計算手法を用いた。本手法は電磁波を算出するための厳密計算法であり、共鳴効果を正確に算出するのに広く利用されている方法である。
図5は、TE偏光の光が、基板に対して斜め45度で入射したときに、中心波長1550nmで強い反射特性をもつ、第1の数値実施例の波長フィルタの断面図である。ここで、部分Aおよび部分Bからなる格子の周期は0.7um、格子高さは4.57umである。基板および部分Aの材料はSiO2(屈折率1.44)、部分Bの材料はTiO2(屈折率2.0)である。部分Aは、格子の高さの2つの範囲(0.672-1.437um および3.64-4.104um)に幅の広い部分を備えている。したがって、上記の2つの高さ範囲によって分離される、3つの高さ範囲の領域は、導波層WG1、WG2およびWG3を形成する。導波層WG1、WG2およびWG3の厚さは、それぞれ、0.464um、2.203umおよび0.672umである。
部分Aの断面における幅は、入射光の側から、基板の側に順に以下のとおりである。
(入射光側)
幅 0.487um (WG1)
幅 0.626um
幅 0.487um (WG2)
幅 0.626um
幅 0.487um (WG3)
(基板側)
導波層WG1乃至WG3の平均屈折率は、式(4)から、約1.86である。反射波長を1.55 umとすると、式(3)から予想される導波層の厚さは、約0.417umとなり、導波層WG1の厚さに近い値となる。導波層WG3の厚さは、反射波長をずらせたことによって、導波層WG1の厚さよりも厚くなっている。導波層WG2の厚さは、上記の予想される導波層の厚さよりも大幅に大きい。これは、導波層WG1および導波層WG3の相互の影響をできるだけ小さくするためである。
このように、図5に示した数値実施例1の波長フィルタにおいては、部分Aの突起部分の、Z方向における位置または幅を変えることにより、複数の導波層の厚さを変え、その結果、反射する波長の帯域を広げている。
図6は、図5の波長フィルタでの反射スペクトルの計算結果を示す図である。横軸は、波長、縦軸は、反射率を表す。波長1550nmを中心に97%以上の反射率を有する帯域幅は8.3nmである。このように、本発明による波長フィルタは、所定の波長を中心とした、比較的広い帯域幅を備えることがわかる。
図7は、TE偏光の光が、基板に対して斜め45度で入射したときに、中心波長1550nmで強い反射特性をもつ、第2の数値実施例の波長フィルタの断面図である。ここで、部分Aおよび部分Bからなる格子の周期は0.7um、格子高さは2.087umである。基板および部分Aの材料はSiO2(屈折率1.44)、部分Bの材料はTiO2(屈折率2.0)である。部分Aは、格子の高さの1つの範囲(0.417-1.668um)に幅の広い部分を備えている。したがって、上記の1つの高さ範囲によって分離される、2つの高さ範囲の領域は、導波層WG1およびWG2を形成する。導波層WG1およびWG2の厚さは、それぞれ、0.417umである。
部分Aの断面における幅は、入射光の側から、基板の側に順に以下のとおりである。
(入射光側)
幅 0.441um (WG1)
幅 0.630um
幅 0.693um
幅 0.630um
幅 0.490um (WG2)
(基板側)
導波層WG1およびWG2の平均屈折率は、式(4)から、それぞれ、約1.81および約1.85である。
このように、図7に示した数値実施例2の波長フィルタにおいては、部分Aの突起していない複数の部分の、Y方向における幅を互いに異なったものとすることにより、複数の導波層の屈折率を変え、その結果、反射する波長の帯域を広げている。
図8は、図7の波長フィルタでの反射スペクトルの計算結果を示す図である。横軸は、波長、縦軸は、反射率を表す。波長1550nmを中心に97%以上の反射率を有する帯域幅は12nmである。このように、本発明による波長フィルタは、所定の波長を中心とした、比較的広い帯域幅を備えることがわかる。
反射スペクトルの帯域幅を調整するには、導波層の厚さや導波層の総数を変えることによって行う。通常、導波層の厚さが大きくなるにつれて、帯域幅が広くなり、また厚さを小さくするによって、帯域幅を狭くすることができる。また、部分Aの突起部分の数を変化させて、導波層の数を変えることによっても実現できる。この場合において、通常、部分Aの突起部分の数を減らすことにより、帯域幅が狭くなり、また部分Aの突起部分の数を増やすにつれて、帯域幅を広げることができる。帯域幅の調整においては、部分Aの屈折率と部分Bの屈折率の差は大きくする方が、好ましい。
さらに、数値実施例2に示したように、導波層の屈折率を変えることにより帯域幅を広げてもよい。
反射スペクトルの中心波長を変えるには、周期や格子高さなど長さに関する寸法を変えることによって実現できる。通常、短波長側では、周期や格子高さなどの各々の寸法を短くし、また長波長側では、寸法を長くすることによって行える。
上述の具体例は、格子構造に対して斜め方向に光が入射したときの条件を設定したが、格子構造に垂直に入射した場合においても、同様の働きを行わせることが可能である。また、TE偏光について説明したが、TM偏光についても同様である。



Claims (7)

  1. 基板面上において、X方向に延伸する第1の部分と第1の部分の材料の屈折率よりも高い屈折率の材料からなり、第1の部分に沿ってX方向に延伸する第2の部分とを、基板面上においてX方向と垂直なY方向に、使用する光の波長よりも短い一定の周期で交互に配置した格子からなる波長フィルタであって、各第1の部分の、Y方向でかつ基板面に垂直な断面形状は、基板面からZ方向に所定の距離を隔てた所定の距離の範囲において、Y方向の幅が周囲部分の幅よりも広くなるように突起した部分を少なくとも1つ備え、当該所定の距離の範囲の、基板面に平行な領域によって分割される、基板面に平行な複数の導波層を形成し、当該複数の導波層の反射する光の波長帯域が重なりながらシフトして単一の導波層の反射する光の波長帯域よりも広い波長帯域の光を反射するように構成された波長フィルタ。
  2. 前記所定の距離の範囲を変えることにより、前記複数の導波層の反射する光の波長帯域が重なりながらシフトするように構成された請求項1に記載の波長フィルタ。
  3. 前記複数の導波層の平均屈折率を変えることにより、前記複数の導波層の反射する光の波長帯域が重なりながらシフトするように構成された請求項1に記載の波長フィルタ。
  4. 前記第1の部分の材料が、ガラス、プラスチックまたはケイ素のいずれかである請求項1から3のいずれかに記載の波長フィルタ。
  5. 前記第2の部分の材料が、酸化チタン、フッ化マグネシウムまたは酸化ケイ素のいずれかである請求項1から4のいずれかに記載の波長フィルタ。
  6. 前記第2の部分の材料が、ゲルマニウムまたはセレン化亜鉛のいずれかである請求項1から4のいずれかに記載の波長フィルタ。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の波長フィルタの製造方法であって、前記X方向からビームを照射して前記断面形状を描画するステップを含む方法。


JP2006522173A 2005-03-25 2006-03-24 波長フィルタ Expired - Fee Related JP4139420B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005089232 2005-03-25
JP2005089232 2005-03-25
PCT/JP2006/305985 WO2006104045A1 (ja) 2005-03-25 2006-03-24 波長フィルタ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP4139420B2 JP4139420B2 (ja) 2008-08-27
JPWO2006104045A1 true JPWO2006104045A1 (ja) 2008-09-04

Family

ID=37053303

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006522173A Expired - Fee Related JP4139420B2 (ja) 2005-03-25 2006-03-24 波長フィルタ

Country Status (3)

Country Link
US (1) US7729053B2 (ja)
JP (1) JP4139420B2 (ja)
WO (1) WO2006104045A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4986763B2 (ja) * 2007-08-09 2012-07-25 日本航空電子工業株式会社 表面プラズモン素子
WO2011044439A1 (en) * 2009-10-08 2011-04-14 The Penn State Research Foundation Multi-spectral filters, mirrors and antireflective coatings with subwavelength periodic features for optical devices
JP2012014068A (ja) * 2010-07-02 2012-01-19 Olympus Corp 光学素子

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2890984B2 (ja) * 1992-06-30 1999-05-17 日産自動車株式会社 自然光の反射、干渉作用を有する構造体
US5472798A (en) * 1993-07-16 1995-12-05 Nissan Motor Co., Ltd. Coloring structure having reflecting and interfering functions
JP3550775B2 (ja) * 1995-02-08 2004-08-04 日産自動車株式会社 発色構造体
JP3483379B2 (ja) * 1995-12-08 2004-01-06 田中貴金属工業株式会社 発色構造体
US6212312B1 (en) * 1999-09-17 2001-04-03 U.T. Battelle, Llc Optical multiplexer/demultiplexer using resonant grating filters
JP2002258031A (ja) 2001-02-28 2002-09-11 Canon Inc カラーフィルタ、その製造方法および液晶パネル
JP3711446B2 (ja) * 2001-03-05 2005-11-02 独立行政法人科学技術振興機構 波長フィルタ

Also Published As

Publication number Publication date
US20080007832A1 (en) 2008-01-10
US7729053B2 (en) 2010-06-01
JP4139420B2 (ja) 2008-08-27
WO2006104045A1 (ja) 2006-10-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7688512B2 (en) Transmissive diffraction grating, and spectral separation element and spectroscope using the same
JP4600577B2 (ja) 回折格子素子
US7386205B2 (en) Optical device and method for making same
JP5077404B2 (ja) 回折素子及び光学装置
US8835204B2 (en) Method for manufacturing multi-dimensional target waveguide grating and volume grating with micro-structure quasi-phase-matching
JP5280654B2 (ja) 透過型回折格子、並びに、それを用いた分光素子及び分光器
US10466416B2 (en) Multilevel leaky-mode resonant optical devices
US20040047039A1 (en) Wide angle optical device and method for making same
US10768349B2 (en) Reflective diffraction grating and fabrication method
US7019904B2 (en) Diffraction grating element, production method of diffraction grating element, and method of designing diffraction grating element
JP3711446B2 (ja) 波長フィルタ
WO2004031815A1 (ja) 反射防止用回折格子
Carney et al. Fabrication methods for infrared resonant devices
JP4139420B2 (ja) 波長フィルタ
JP7143974B2 (ja) 高さ調整された光回折格子を製造する方法
JP4749789B2 (ja) 透過型回折光学素子
JP2007101926A (ja) 透過型回折格子、ならびにそれを用いた分光素子および分光器
JP7060370B2 (ja) スケールおよびその製造方法
JP2011075850A (ja) 多層膜ラミナー型回折格子及び分光器
JP6455933B2 (ja) 回折光学素子およびその製造方法
WO2024127479A1 (ja) 光学素子および光学装置
Magnusson et al. Cascaded resonant-grating filters: experimental results on lowered sidebands and narrowed lines
JP2021113896A (ja) 透過型回折格子素子
JP2021113897A (ja) 透過型回折格子素子
CN116184658A (zh) 增大表面等离子体超透镜成像对比度的方法及超透镜

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080520

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080606

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4139420

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110613

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110613

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110613

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110613

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110613

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120613

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120613

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130613

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130613

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130613

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061013

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees