JP5668030B2 - 運行管理装置 - Google Patents
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Description
また、特許文献2に開示された「燃料消費量評価システム」では、燃料タンクと燃料噴射装置の間の燃料パイプ間に燃料流量計を設置し、燃料流量計の計測結果に基づいて使用燃料を計測している。
また、特許文献2に開示された「燃料消費量評価システム」のように、燃料流量計を用いるものは、燃料流量計自身が、現時点の相場で20万円を超えるほど高価であり、その装着にも約半日の時間を要する。そのため、大量のトラック等に搭載するにはコストパフォーマンスが高く、普及には大きな壁があった。
このように構成される運行管理装置によれば、相関値が予め保持されているので、この相関値のほか、センサで検出された電圧値の変化量だけを変数として燃料タンクの燃料の量を演算により求めることができる。
これにより、演算による誤差を低減させることができる。
図1は、車両の一例となる大型トラックに搭載される運行管理装置の説明図である。
図1において、車両(大型トラック)100には、大容量の燃料タンク101が備えられている。燃料タンク101内には、燃料の量を電圧値で検出する燃料レベルセンサ102が設けられている。トラック100の運転席には、運転者が容易に確認可能な前方のダッシュボードに、各種の計器類を有する計器装置103が装備されている。計器装置103に含まれる計器類には、燃料計、タコメータ、速度計等がある。
カードリーダライタ20は、運転者毎に作成されたメモリカード30が装着される。このメモリカード30は、図示しない運行解析システムにより、当該運転者毎あるいは車両100に固有となるデータ収集条件等が設定される。運行解析システムは、メモリカード30に記録されたデータを解析して、日報、月報その他の帳票を作成するとともに、安全運転や燃料消費を抑えた経済的運転に関する指導を行うための情報を生成する。
燃料量の変化量と電圧値の変化量との相関値の算出に使用される。
「変化勾配」は、電圧値の変化の傾向であり、「相関値」は、例えば2変数の一方のデータが判明すれば2変数の他方のデータが導出される関係にある値をいう。
相関値管理部12は、また、電圧値の変化量と変化勾配の平均値に基づいて算出した燃料の変化量と現実の給油量とが異なるときは、相関値(平均値)を更新するように動作する。
次に、上記のように構成される運行管理装置1の動作を具体的に説明する。
まず、燃料消費量の算出処理について説明する。
燃料計には、燃料タンク101の燃料量を表す目盛が記されている。目盛は、燃料量がゼロ(Empty)を示す目盛Eから満タン(Full)を示す目盛Fとの間に、所定間隔でいくつか表記されている。そして、電圧値に応じて図示しないムーブメントが指針を移動させることで、その指針が燃料量に応じた目盛の箇所を指示するようになっている。本例では、便宜上、空タン時の電圧値をV(e)、満タン時の電圧値をV(f)、それ以外の電圧値をV(a)としている。車両100のイグニッションスイッチがオフの場合、燃料計には、電圧値が入力されないので、指針は、指示範囲外である目盛Eを下回る箇所を指示し、イグニッションスイッチがオンされると、指針は燃料タンク101内の燃料量に応じた目盛の箇所まで移動するようになっている。
→{V(a)−V(e)}/L(b)・・・(2)
一次関数(直線)yは、以下の式で表すことができる。
y=−(tanθ)x + V(e)・・・(3)
また、燃料の変化量(ΔL)は、以下の式で表すことができる。
ΔL=ΔV/tanθ ・・・(4)
そこで、両方向のデータを平均することとした。すると、誤差が相殺されて+5.05(l)となり、実測値により近い燃料の量を算出することができた。
また、燃料消費時の時刻や走行場所等を関連付けて記録しておけば、どの時刻のどの場所において燃料消費が激しいか等を把握することも容易になる。
各回毎の変化勾配(tanθ)は、0.00660(第6回目)〜0.00747(第10回目)であり、平均は0.00707であった。
この実測結果より、車両が同じ(計器装置も同じ)であれば、運転者による操作の癖や走行環境の相違等を考慮しても、回数を繰り返すことで、誤差は実給油量に近い値に収束することがわかった。
例えば、図11(a)のような実測値において、給油前後の電圧変化量(=a−b)とある地点から給油まで走行したときの電圧変化量(=a−c)とから、給油量(ΔL)については(a−b)/tanθ、消費燃料量(ΔL)については(a−c)/tanθとして求めることができる。
実際には、図11(b)に示すように、N回の実測を繰り返し行い、給油量あるいは燃料消費量)(ΔL)、電圧変化量(ΔV)、角度(θ)の平均値を求め、角度(θ)の平均値を相関値として記録しておく。また、適宜、実測を繰り返し、相関値テーブル15に記録されている角度(θ)を適宜補正する。
上述したとおり、本実施形態の運行管理装置1によれば、燃料計に入力される電圧値の変化を観測するだけで、燃料の給油量あるいは消費量を、ほぼ実測値に近い数値で、計算により求めることができる。そのため、人手によるデータ入力に依存しなくとも、あるいは、高価な燃料噴射計を用いて燃料の消費量を計測したり、CANやOBDII情報など車両メーカ依存や情報開示のハードル高さに関係なく、簡易かつ安価に、燃料の給油量や消費量を演算により求めることができるようになった。
また、燃費やその平均値等も演算により自動的に求めることができるので、例えば、これらのデータを、図示しないGPS受信機で受信したGPSデータと関連付けてバッファ16に蓄積しておき、適宜、カードリーダライタ20を通じてメモリカード30に記録し、このメモリカード30に記録されたデータを、図示しない運行解析システムで解析することにより、日報等の帳票作成に役立てることができる。
また、図12に示すように、自家輸送/委託輸送別、燃料別に、燃費に所定係数を乗算することにより得られるエネルギー使用量等の算定結果121とその合計値122を出力したり、図13に示すように、燃料別に、各燃料消費量から算出したエネルギー使用量等の算定結果131とその合計値132を出力したりすることができる。
本実施形態では、図示しない運行解析システムにおいて帳票作成に用いる各種データを演算により生成し、これをバッファ16及びメモリカード30を軽油して運行解析システムに伝達する場合の例を説明したが、上記各種データをメモリカード30を用いず、無線通信によって、ダイレクトに運行解析システムに伝達するようにしても良い。
また、上記各種データを運行管理装置1自体で解析し、表示装置に表示させたり、運行管理装置1自体で印刷して出力する構成も可能である。
そして、バッファ16に記録されている燃料消費率から、地図上にマッピングされた走行経路の任意の地点の指定を契機として、例えば図14(b)に示したように、当該地点に関連付けられている燃料消費率を、地図と共に画面に表示させるようにする。
Claims (6)
- 車両の燃料タンクに充填されている燃料の量を電圧値として検出するセンサから前記車両の計器装置に入力される前記電圧値を分岐入力する入力インタフェースと、
前記燃料タンクの燃料量を変化させる前に前記センサで検出された電圧値と実測した燃料量を変化させた後に前記センサで検出された電圧値とを前記入力インタフェースより取得し、取得したこれらの電圧値の変化量を算出するとともに、前記実測した燃料量と算出した前記電圧値の変化量との相関値を前記車両の運行の前に算出し、算出した相関値を補正可能に保持する相関値管理手段と、
前記相関値が保持された後、車両が運行され、前記燃料が補給又は消費されることにより前記燃料タンクの燃料量が変化したときに、該燃料量の変化前後の前記電圧値を前記入力インタフェースより取得し、取得したこれらの電圧値の変化量を算出するとともに、算出した電圧値の変化量と前記相関値とに基づいて、前記補給又は消費された燃料量を算出する燃料量管理手段と、
算出された前記燃料量を前記車両の運行に伴って生じる運行データの一部としてその車両の運転者用に作成された記録媒体に記録する制御手段と、
を備えてなる、運行管理装置。 - 前記相関値管理手段は、前記燃料タンクの満タン時又は未給油時から前記燃料タンクの燃料が前記実測した燃料量変化した後に前記センサで検出された電圧値を記録し、記録した電圧値の変化勾配を算出する処理を複数回にわたって繰り返し、算出した変化勾配の平均値を前記相関値として保持する、
請求項1記載の運行管理装置。 - 前記相関値管理手段は、前記変化勾配の平均値を算出した後にさらに燃料量を実測した場合において、前記電圧値の変化量と前記変化勾配の平均値に基づいて算出した燃料の変化量と前記実測した前記燃料量の変化量とが異なるときは、前記平均値を更新することで前記相関値を補正する、
請求項2記載の運行管理装置。 - 前記入力インタフェースは、前記電圧値のほかに、前記車両のエンジン回転数及び車速パルスを取り込むように構成されており、
前記燃料量管理手段は、取り込まれた前記エンジン回転数及び車速パルスに基づいて当該車両の単位時間における走行距離を算出し、算出した走行距離を前記燃料の変化量で除算して燃料消費率を算出し、
前記制御手段は、この燃料消費率を前記運行データの一部として前記記録媒体に記録する、
請求項1、2又は3記載の運行管理装置。 - 前記入力インタフェースは、GPSデータを取り込むように構成されており、
前記制御手段は、前記GPSデータから得られる位置データ及び時刻データと、前記電圧値の検出値とを関連付けて所定のメモリに記録しておき、前記燃料の変化量又は前記燃料消費率を前記運行データの一部として前記記録媒体に記録するときは当該変化量又は燃料消費率の基礎となった電圧値を検出した時点の位置データ及び時刻データを併せて記録する、
請求項4記載の運行管理装置。 - 運転者が視認可能な画面を有する表示装置と、
前記画面上に地図を表示させるための地図情報を蓄積した地図情報蓄積手段と、
車両の走行軌跡を前記GPSデータに基づいて生成するとともに生成した走行経路を前記地図上にマッピングする走行経路生成手段と、
前記メモリに記録されている燃料消費率から、前記地図上にマッピングされた走行経路の任意の地点の指定を契機として当該地点に関連付けられている燃料消費率を、前記地図と共に前記画面に表示させる表示制御手段とをさらに有する、
請求項5記載の運行管理装置。
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